JP7359692B2 - 植物誘引用テープロール体 - Google Patents
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Description
本発明(2)は、前記植物誘引用テープロール体が、前記テープ基材の片面に直接又は他の層を介して粘着剤層が設けられている粘着テープ部材をロール状に巻回した自着性植物誘引用テープロール体であり、
前記粘着剤層は、スチレン系エラストマーと、粘着付与樹脂と、を含有し、
前記粘着付与樹脂は、脂環族飽和炭化水素系樹脂を含有する、前記発明(1)の植物誘引用テープロール体である。
本発明(3)は、前記酸化促進剤が、不飽和脂肪酸、脂肪族モノカルボン酸及びこれらの塩からなる少なくとも1種である、前記(1)又は(2)の植物誘引用テープロール体である。
本発明(4)は、前記酸化促進剤が、前記テープ基材の全質量を基準として、0.03質量%以上である、前記(1)~(3)のいずれか一つの植物誘引用テープロール体である。
本発明(5)は、前記粘着剤層が設けられた面の反対側の面に、JIS B 0601-2013に基づく表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で0.5~5.0μmであると共に、十点平均粗さ(Rz)で10~50μmである微細凹凸構造を有する、前記発明(2)~(4)のいずれか一つの植物誘引用テープロール体である。
本発明(6)は、前記微細凹凸構造は、JIS B 0601-2013に基づく表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で1.0~4.0μmであると共に、十点平均粗さ(Rz)で20~40μmである、前記発明(5)の植物誘引用テープロール体である。
本発明(7)は、前記粘着剤層は、スチレン含有量が20質量%超である高スチレン含有エラストマーと、スチレン含有量が20質量%以下である低スチレン含有エラストマーと、を含有する、前記発明(2)~(6)のいずれか一つの植物誘引用テープロール体である。
本発明(8)は、前記粘着剤層中の、スチレン含有量が20質量%以下である低スチレン含有エラストマーの質量(El)とスチレン含有量が20質量%超である高スチレン含有エラストマーの質量(Eh)との比(El/Eh)が、2.0以下である、前記発明(2)~(7)のいずれか一つの植物誘引用テープロール体である。
本発明(9)は、前記粘着剤層中の粘着付与樹脂全体に対して、脂環族飽和炭化水素系樹脂の占める割合が50~95質量%である、前記発明(2)~(8)のいずれか一つの植物誘引用テープロール体である。
本発明(10)は、前記粘着テープ部材が、前記テープ基材と、インク層と、プライマー層と、前記粘着剤層と、がこの順番で積層された積層体である、前記発明(2)~(9)のいずれか一つの植物誘引用テープロール体である。
自着性粘着テープロール体100は、粘着テープ部材110を、軸芯120を芯としてロール状に巻回して形成されている(図1)。
粘着テープ部材110は、テープ基材111と、テープ基材111の片面に設けられた粘着剤層114と、を有する積層体である。
テープ基材111の、粘着剤層114が設けられている面の反対側の面(図2におけるテープ基材表面111a)には、微細凹凸構造が設けられていることが好ましい。当該好適例を以下にて説明する。
小坂研究所製のSurfcoder ET4000Aを用いて、以下の条件で片方の面を測定する。
測定力:30μN
Xピッチ:4.00μm
Yピッチ:4μm
Z測定倍率:10000
X送り速さ:0.5mm/sec
低域カット:0.8mm
高域カット:R+W
レベリング:最小二乗法
インク層112は、通常、テープ基材111表面(テープ基材111の粘着剤層114側の表面)に直接着色(印字等を含む。)されることで形成された層であるが、所定の着色剤によって着色されたフィルム等で形成されていてもよい。
プライマー層113は、例えば、国際公開第2014/126158号に記載されたものとすることができる。
粘着剤層114は、スチレン系エラストマーと、粘着付与樹脂と、を含有する粘着剤組成物によって形成される。また、粘着剤層114は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
スチレン系エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレンエチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-ブタジエン-ブテン-スチレンブロック共重合体(SBBS)等が挙げられる。また、これらは一部が変性されていてもよい。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。
粘着付与樹脂としては、特に限定されず、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等を挙げることができる。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。本発明の効果を高めるために、粘着付与樹脂として脂環族飽和炭化水素系樹脂を使用することが好ましい。
その他の成分としては、公知の添加剤、例えば、充填剤、酸化防止剤、着色剤、軟化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、老化防止剤等が挙げられる。また、その他の成分として、スチレン系エラストマー以外の粘着成分(例えば、スチレン系エラストマー以外のゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等)を含んでいてもよい。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、亜鉛華(酸化亜鉛)、けい酸アルミニウム、シリカ、タルク、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート粉、雲母粉、アルミニウムゾル、アルミナホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、単結晶チタン酸カリ、カーボン繊維、活性亜鉛華、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、リサージ、鉛丹、鉛白、水酸化カルシウム、活性化水酸化カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄等が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。
着色剤としては、無機系、有機系何れでもよく、これらは、目的とする発色となるように添加されればよい。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。
軟化剤としては、石油系軟化剤、植物系軟化剤、液状ゴム、液状粘着付与樹脂、合成可塑剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物等がある。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。
老化防止剤としては、ナフチルアミン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、p-フェニレンジアミン系化合物、その他のアミン系化合物、アミン化合物混合物、キノリン系化合物、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、トリスフェノール系化合物、ポリフェノール系化合物、チオビスフェノール系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用されてもよい。
自着性粘着テープロール体100の製造方法としては特に限定されず、公知の手法により製造可能である。自着性粘着テープロール体100の製造方法の一例を以下に述べる。
自着性粘着テープロール体100は、低いタック性、高い自着結束性、低い巻戻し性を有するため、種々の用途に使用することができる。例えば、生野菜類、生花類、書類、新聞、雑誌等の各種物品を結束するための粘着テープとして用いることができる。また、該粘着剤を布等を基材として含浸塗布、或いは両面にスプレー塗布等して乾燥、巻き取り、裁断してテープロール状にし、粘着包帯、スポーツ用固定テープ、スポーツ用滑り止めテープ等としても用いることができる。
<製造>
〔実施例1~4及び比較例1:表1~表2〕
実施例1~4及び比較例1におけるゴム系粘着剤を、表1に示す組成にて、「低スチレンSIS(スチレン含有量:16質量%、日本ゼオン社製クインタック3433N)」、「高スチレンSIS(スチレン含有量:25質量%、旭化成社製アサプレンATN521)」、粘着付与樹脂「テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製:YSレジンPX1150N)」、「脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業社製:アルコンP140)」等を配合して得た。
実施例及び比較例に係る、初期における自着性粘着テープの各種性能試験を実施した。試験方法及び試験結果を以下に記載する。
23℃・50%RHの条件下、実施例のテープ(幅11mm)を試験片とし、ASTM D2979に準じて、プローブタック試験を行った。具体的には、試験片をウエイトリングにたるみの無いようにはり付け、直径5mmの円柱プローブを試験片の粘着面に0.98±0.001N/cm2の荷重を接触速さ10±0.1mm/秒で、1.0±0.01秒間接触させた後、接触速さと同じ速度でプローブを粘着面から垂直方向に引き剥がすのに要する力(N/5mmφ)を測定した。結果を表1に示す(尚、すべての実施例及び比較例は同一粘着剤であるため、一の実施例についてのみ試験)。
以下の方法に従って、自着保持力試験を行った。採取した試験片(幅11mmの粘着テープ)を粘着剤面を内側として、試験片が伸びたり、気泡が入らないように粘着剤面同士を貼り合わせる。貼り合わせ長さは100mm以上とする。次に試験片の上から、2kg圧着ローラーを用い、圧着速度毎分約300mmで一往復圧着し、20~40分間放置する。その後、図3に示すように、試験片の一端を固定し、他方の一端に分銅を掛ける。分銅を掛ける前には、貼り合わせ部分を約5mm引き剥がし、境界部分をマジック等で印を付ける。規定時間後に分銅を掛けた状態で、ズレ距離(マジック等の印間)をノギスにより読み取る。結果を表1に示す(尚、すべての実施例及び比較例は同一粘着剤であるため、一の実施例についてのみ試験)。
23℃・50%RHの条件下、JIS Z 0237―2009に準じて、低速巻戻し力の試験を行った。最適な低速巻戻し力は0.05~0.70N/11mmである。低速巻戻し力が上限値を超えると、テープ引出しに負荷が掛かり、作業し難くなる。より具体的には、特許第6226880号等に開示された自着性粘着テープ専用の結束機を使用した場合に不具合が生じ易い。一方、低速巻戻し力が下限値を割ると、テープを引出す際に、不用意に引出されてテープ本体が解けてしまうことがある。尚、本試験は、すべての実施例及び比較例で「合格」であった。
実施例及び比較例について、キセノン照射試験(照度:60W/m2 槽内温度:30℃ BP温度:55℃ 1サイクル:降雨+照射18分 照射102分)を実施した。尚、キセノン100時間照射は、実環境における1.5カ月に相当する。ここで、キセノン照射時間が所定時間に達する毎に、引張強度試験、引張伸度試験及び切断性評価試験を実施した。以下、各試験方法を記載する。また、表3に試験結果を示す。表3から、テープ基材に酸化促進剤を添加することにより、添加量に応じて、手による切断可能タイミングを自在に変更できることが分かる。
〔引張強度試験(23℃、50%RH)〕
23℃・50%RHの条件下、JIS Z 0237―2009に準じて、引張強度の試験を行った。試験片が切断するまでの最大荷重をその試験片の測定値とする。
23℃・50%RHの条件下、JIS Z 0237―2009に準じて、引張伸度の試験を行った。試験片の切断時における引張方向の変形量を読み取る。
○:容易に手で切断
△:手で切断可能
×:手で切断困難
NG:手で切断前に既に切断
110 粘着テープ部材
111 テープ基材
111a テープ基材表面
112 インク層(着色層)
113 プライマー層
114 粘着剤層
114a 粘着剤層表面
120 軸芯
Claims (8)
- テープ基材をロール状に巻回した植物誘引用テープロール体であって、前記テープ基材が、酸化促進剤を含有する植物誘引用テープロール体であって、
前記植物誘引用テープロール体が、前記テープ基材の片面に直接又は他の層を介して粘着剤層が設けられている粘着テープ部材をロール状に巻回した自着性植物誘引用テープロール体であり、
前記粘着剤層は、スチレン系エラストマーと、粘着付与樹脂と、を含有し、
前記粘着付与樹脂は、脂環族飽和炭化水素系樹脂を含有し、
前記テープ基材の、前記粘着剤層が設けられた面の反対側の面に、JIS B 0601-2013に基づく表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で0.5~5.0μmであると共に、十点平均粗さ(Rz)で10~50μmである微細凹凸構造が設けられている、植物誘引用テープロール体。 - 前記酸化促進剤が、不飽和脂肪酸、脂肪族モノカルボン酸及びこれらの塩からなる少なくとも1種を含む、請求項1記載の植物誘引用テープロール体。
- 前記酸化促進剤が、前記テープ基材の全質量を基準として、0.03質量%以上である、請求項1~2のいずれか一項記載の植物誘引用テープロール体。
- 前記微細凹凸構造は、JIS B 0601-2013に基づく表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で1.0~4.0μmであると共に、十点平均粗さ(Rz)で20~40μmである、請求項1~3のいずれか一項記載の植物誘引用テープロール体。
- 前記粘着剤層は、スチレン含有量が20質量%超である高スチレン含有エラストマーと、スチレン含有量が20質量%以下である低スチレン含有エラストマーと、を含有する、請求項1~4のいずれか一項記載の植物誘引用テープロール体。
- 前記粘着剤層中の、スチレン含有量が20質量%以下である低スチレン含有エラストマーの質量(El)とスチレン含有量が20質量%超である高スチレン含有エラストマーの質量(Eh)との比(El/Eh)が、2.0以下である、請求項1~5のいずれか一項記載の植物誘引用テープロール体。
- 前記粘着剤層中の粘着付与樹脂全体に対して、脂環族飽和炭化水素系樹脂の占める割合が50~95質量%である、請求項1~6のいずれか一項記載の植物誘引用テープロール体。
- 前記粘着テープ部材が、前記テープ基材と、インク層と、プライマー層と、前記粘着剤層と、がこの順番で積層された積層体である、請求項1~7のいずれか一項記載の植物誘引用テープロール体。
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