JP5531441B2 - 粘着フィルム - Google Patents
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上記の粘着フィルムにおいても保管によりブロッキングが生じるという問題があった。
しかしながら、このフィルムも性能面では十分ではなかった。
すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂からなる基材層の片面に粘着層を、反対面に離形層を積層してなる積層体からなる延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、前記離形層表面の平均表面粗さSRaが0.200μm以下であり、前記粘着層の表面の平均表面粗さSRaが0.030μm以下であって、フィルムヘイズが1〜30%の範囲であることを特徴とする粘着フィルムに係るものである。
しかも、タック性に優れ、経時での変化が少なく加工適性に優れている。
本発明の粘着フィルムは、ポリプロピレン系樹脂からなる基材層を必要とし、ここで用いるポリプロピレン系樹脂としては、結晶性ポリプロピレン、プロピレンと少量のαオレフィンとのランダム共重合またはブロック共重合体等を挙げることができ、さらに詳しくは、結晶性ポリプロピレン樹脂として、通常の押出成形などで使用するn−へプタン不溶性のアイソタクチックのプロピレン単独重合体又はプロピレンを60重量%以上含有するポリプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができ、このプロピレン単独重合体あるいはプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体を、単独又は混合して使用することができる。
ここで、n−ヘプタン不溶性とは、ポリプロピレンの結晶性を指標すると同時に安全性を示すものであり、本発明では、昭和57年2月厚生省告示第20号によるn−ヘプタン不溶性(25℃、60分抽出した際の溶出分が150pPm以下〔使用温度が100℃を超えるものは30PPm以下〕)に適合するものを使用することが好ましい態様である。
ここで共重合体とは、プロピレンに上記に例示されるα−オレフィンを1種又は2種以上重合して得られたランダム又はブロック共重合体であることが好ましい。
また、メルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜20g/10min、さらに好ましくは、1.0〜10g/10minの範囲のものを例示することができる。特に好ましくは2.0〜5.0g/10minの範囲が好ましい。
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体を2種以上混合して使用することもできる。1−ブテン共重合ポリプロピレン共重合体を使用すると、フィルムの腰が柔らかくなりタック性が良くなる。
本発明の基材層を構成するポリプロピレン系樹脂の好ましい例としては、例えば、住友化学社製のFS2011DG3(エチレン含有量0.6質量%の結晶性ポリプロピレン樹脂)を挙げることができる。
また、本発明の要件である粘着層に用いる樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂からなる層に粘着層を積層する関係上、オレフィン系重合体を用いることが、層間強度を高めたり、剥離後の被被着体への粘着層の残存を防ぐ意味から望ましい。
このとき、結晶融解熱量及び結晶化熱量が10J/g以上となるポリプロピレン樹脂を用いることが、耐ブロッキング性、平滑性や表面変形性を抑える上で好適である。
ここでいう非晶性ポリプロピレン樹脂としては、例えば、住友化学(株)製「タフセレンH3522A」、三井化学(株)製「ノティオPN3560」などを例示することができる。
住友化学(株)製「タフセレンH3522A」は完全非晶ポリプロピレン樹脂と結晶性ポリプロピレン樹脂の混合体であるが、完全非晶性ポリプロピレン樹脂は粘着層において50重量%以上含有することが好ましい。
また、非晶性ポリプロピレン樹脂と混合するオレフィン系重合体としては、特に限定されるものではなく、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体等を挙げることができる。
また、メルトフローレートは1〜10g/10分の範囲のものが好ましく、さらに2〜5g/10分の範囲のものが好ましい。
また、この要件を達成する為には、粘着層表面を出来る限り平面にする必要があり、表面凹凸を形成する様な添加剤は、極力添加しない様にするのが好ましい。さらに、本発明では、好ましくは延伸フィルムとすることで、表面の結晶が整列するので、表面の地肌荒れがならされて、より、平面性が向上する。
一方、粘着層の表面の平均粗さSRaを0.010μm未満とする事は、添加剤無添加の延伸フィルムにおいても事実上困難といえる。
DH=αP/D*D (1)
DH:ダイナミック硬度
α:圧子形状による定数、
P:試験荷重、D:押し込み深さ(μm)
このダイナミック硬度は、圧子を押し込んでいく過程の荷重と押し込み深さから得られる硬さであり、試料の塑性変形と弾性変形を合わせた状態での特性値になる。
粘着層表面のダイナミック硬度が、0.15gf/μm2未満の場合は、軟らかく表面が変形しやすい為、被着体と貼り合わせ後において、被着体の表面状態の影響を受け易く、被着体表面が平滑の場合は、粘着層表面がその平滑性に合わせて変形し、粘着層表面に形成されている微細な凹凸が経時で次第になくなり、その結果、被着体との接触面積が増加することとなり、設定した値より粘着力が向上する為、剥離困難な状態になったり、糊残りが発生したりする場合があるので、取扱いが非常に難しく好ましくない。
また、粘着層表面のダイナミック硬度が、1.4gf/μm2を超える場合は、粘着力を決める、もう一つの要因である粘弾性が低くなり、目的の粘着力が出ない為、好ましくない。粘着フィルムを被着体から剥がす際の力には、接着表面に働くファンデルワールス力の他に、粘着フィルム表面層の粘弾性が大きく関与しており、粘弾性の高いもの程、剥離する方向とは逆の方向に働く応力が高くなり、粘着力が強くなる。ここで言う粘着層表面のダイナミック硬度が高くなるということは、フィルム表面層が硬くなるということを意味し、粘弾性が低くなり、粘着力が出にくいということを意味する。
この場合、粘着層表面の低分子量物質を1mg/m2未満にすることが好ましい。
ここで、粘着層表面の低分子量物質の測定は、次の手順にて実施した。粘着層表面をエタノール等の粘着層を構成する樹脂を侵食しない有機溶剤を用いて洗浄後、その洗浄液から有機溶剤をエバポレーター等で除去した後、その残渣を秤量して求めた数値を洗浄した粘着層表面の表面積で割り、求めた。ここで、残渣が1mg/m2以上存在すると粘着層表面と被被着体表面の間に異物が存在する事となり、接触面積を減らし、ファンデルワールス力を低下させる原因となる為、粘着力が低下し好ましくない。添加剤を添加する場合は、高分子型等の添加剤を選択したり、添加方法を検討するなどして、粘着層への移行、転写がない様にすることが好ましい。
本発明の粘着フィルムは、粘着層の反対面に離形層を形成する必要があり、そうすることよって粘着フィルム同士を重ねても耐ブロッキング性が得られ、製品として使用することができる。特に粘着フィルムをロール状態で保管した後にもブロッキングが少なく、加工適性に優れる。
離形層の表面凹凸は、平均表面粗さSRaで0.200μm以下となる様な表面にすることが好ましい。平均表面粗さSRaが0.200μmを超えると、粘着フィルム重ね合わせたり、をロール状で保管する際に、離形層の表面凹凸が粘着層に転写し、粘着時の接触面積を下げることとなり、特に初期の粘着力を低下させたり、経時で粘着力が大きく変化したりする原因となったり、透明性が低下し、高度な透明性が要求される用途には難がある。
平均表面粗さSRaを0.200μm以下とすることで、例えば、実施例に記載の方法で被着体に貼り合わせた直後の粘着力と24時間経過したときの粘着力に大きな変化がない。
本発明のフィルムは離形層表面の平均表面粗さSRaで0.020μm以上とするのが好まししい。
離形層の表面凹凸は、平均粗さSRaで0.150μm以下となる様な表面にすることが好ましく、さらに0.020μm以上、0.100μm以下が好ましく、0.030μm以上、0.080μm以下が最も好ましい。
上記表面凹凸を形成するには、例えば、結晶性ポリプロピレン樹脂に無機あるいは有機微粒子を含有させ突起を形成させることが好ましい。ここで使用する結晶性ポリプロピレン樹脂としては、住友化学「FS2011DG3」が例示される。
また、ここで使用される粒子としてシリカなどの無機粒子あるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)などの有機粒子が使用される。
ポリプロピレン重合体あるいはプロピレンエチレンブロック共重合体とポリエチレンを混合することやプロピレンエチレンブロック共重合体単独でも荒れた表面を形成することができるが、上記粒子を使用することで表面に微細で均一な突起を形成でき、さらに表面突起高さをコントロールすることが容易である。
このとき、使用する粒子は球状PMMA粒子あるいは球状シリカが耐ブロッキング性及び透明性や粘着層への影響が少ない点で好ましく、粒径は2.5〜5.0μm、添加量は0.5〜1.5重量%の範囲が好ましく、また、これらは粒度分布が小さく均一な突起を形成できるという点でも好ましい。
また、本発明の粘着フィルムの耐スクラッチ性評価値が350cm以上であることが、粘着フィルムを被着体に貼り合わせたときの被着体の保護性能の点で好ましい。
また、本発明の粘着フィルムのヘイズ値は30%以下の範囲であることが、特に光学用の被着体に使用する場合には好ましい。さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下であり、自己粘着フィルムとしては、5%程度であれば透明性に優れる。
縦延伸においては、粘着層側のロール温度を離形層側のロールの温度よりも数度低くするのが好ましい。
このとき、温度は主に粘着層の軟化温度を参考に設定する。
また、延伸倍率に関しても、適切な範囲を取る事が好ましく、倍率が低いと好ましい厚み変動率が得られない場合があり、倍率が高いと目的とする粘着力が出ない場合があるので、好ましくない。好ましい逐次2軸延伸の延伸倍率としては、縦方向に3〜6倍、横方向に6〜10倍を例示することが出来る。さらに好ましくは、縦方向に4〜5倍、横方向に8〜10倍である。
粘着フィルムの厚さが1μm未満であると、粘着に問題があり、15μm以上であると、粘着層表面の粘着力が強すぎるという問題がある。
このとき、粘着層の厚さは、2μm以上、10μm未満であることが好ましく、粘着力を大きくする場合は、その粘性を考慮し、例えば5μm以上、10μmとすることもできる。
粘着フィルムの厚さが5μm未満であると、腰感が弱くなり、シワになったり、粘着力が十分に得られないという問題があり、50μm以上であると、タック性が十分でないという問題がある。
タック性とは、瞬間接着力を意味し、接着初期時間での接着のしやすさの指標である。
また、加工の適性から長さ300m以上、幅450mm以上の寸法で巻き取ったフィルムロールであることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂約5mgを秤量し、株式会社島津製作所製の示差走査熱量計(DSC−60)を使用して、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、再度10℃/分で200℃まで昇温した時のチャートから結晶融解熱及び結晶化熱量を求める。
25mLのガラス瓶にサンプル0.1g、界面活性剤(エマルゲン109P・花王社製)0.3g及び水20gを秤り取り、栓をして5分間振とうし、サンプルの水分散液を調整した。コールターカウンター マルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、測定範囲1.760〜61.20μmの条件で、サンプルの体積中位径を測定し、平均粒径とした。
(株)小坂研究所製の接触式三次元中心面表面粗計(型式ET−30HK)及び三次元粗さ解析装置(SPA−11)を用いて、離型面、粘着面の表面の中心面平均粗さ(SRa)を次の条件で触針法により測定した。
条件は下記の通りであり、20回の測定値の平均値をもって値とした。
触針先端半径:0.5μm
触針圧:20mg
カットオフ値:80μm
測定長:1000μm
縦倍率:5000倍
測定速度:100μm/s
測定間隔:2μm
JIS−K−7105プラスチックの光学的特性試験方法に準拠して日本電色工業(株)ヘイズメーターNDH−2000を用いて測定した。
<粘着力>
JIS−Z−0237(2000)粘着テープ・粘着シート試験方法に準拠して下記の方法にて測定した。
被着体として、アクリル板(三菱レイヨン(株)製:アクリライト3mm厚)50mm×150mmを準備し、試験片として、フィルム製造時の巻き取り方向に25mm、それとは直交する方向に180mmの試験片を切り出し、質量2000gのゴムロール(ローラ表面のスプリング硬さ80Hs、厚さ6mmのゴム層で被覆された、幅45mm、直径(ゴム層を含む)95mmのもの)を用いて、被着体と試験片を5mm/秒の速さで、1往復させて圧着した。圧着後、温度23℃、相対湿度65%の環境下で30分放置したものを初期とし、24時間放置したものを常態として、さらに7日・30日間放置したものを経時として、東洋精機社製「テンシロン」(UTM−IIIL)を用いて、300mm/分の速度で180度剥離した際の抵抗値を粘着力[cN/25mm]とした。
180度剥離とは、剥離時の抵抗値を測定する際のアクリル板とフィルムの剥離角度を180度に保持することを意味する。
測定の際は測定試料のつかみ代として厚み190μmサイズ25mm×170mmのポリエステルシートを準備し、上記、粘着フィルムとアクリル板を圧着した測定試料の粘着フィルム側の端に、のり代15mmの幅でセロハンテープにて貼り付けて、測定の際のつかみ代とした。測定試料の模式図を図1に示す。測定は一つのサンプルに関して3回実施し、その平均値をそのサンプルの粘着力とした。
さらに、圧着後、温度50℃、相対湿度65%の環境下で30分放置したものを高温として、東洋精機社製「テンシロン」(UTM−IIIL)を用いて、300mm/分の速度で180度剥離した際の抵抗値を粘着力[cN/25mm]とした。
島津ダイナミック超微小硬度計DUH−201を用い、室温23℃、湿度65%の環境下で、下記条件にて測定し、下記式により算出した。
試験モード 軟質材料試験(MODE3)
圧子 三角すい圧子115°
試験荷重 0.20gf
負荷速度 10(0.0145gf/秒)
保持時間 1秒
変位フルスケール 10μ
5回の測定をした後、押し込み深さ1μmのダイナミック硬さを解析データからピックアップして平均値を求め、そのサンプルのダイナミック硬さとした。このダイナミック硬さ(DH)は圧子を押し込んでいく過程の荷重と押し込み深さから得られる硬さで、以下の式(1)で定義される。
DH=αP/D*D (1)
DH:ダイナミック硬度
α:圧子形状による定数
P:試験荷重、D:押し込み深さ(μm)
東洋精機(株)社製の堅牢度試験機を使用し、荷重37gでダンボール紙表面への摩擦を実施し、ピンホ―ルが発生する時の摩擦走行距離を測定し、数値が100cm以上のものを○とし、それ以外のものを×とした。
ロールフィルムからフィルムを繰り出す際の抵抗が小さいもものを○とした。
Anritsu FILM THICKNESS TESTER KG601A及K306Cを用いて、下記の方法にて測定した。
測定速度 0.01秒
送り速度 1.5m/分
HIGH CUT OFF
間引き処理 OFF
フィルム製造時の巻き取り方向に対して40mm、巻き取り方向とは直交する方向に対して500mmの長さのサンプルを切り出し、巻き取り方向と直交する方向の連続厚みを上記条件にて測定した。測定により得られた結果を基に以下の式(2)により、厚み変動率を求めた。測定は一つのサンプルに関して5回実施し、その平均値をそのサンプルの厚み変動率とした。
厚み変動率(%)=[(厚みの最大値−厚みの最低値)/厚みの平均値]×100 (2)
供試フィルムから1m四方のサンプルを切り出し、約5cm四方に切断して試験片を作成した。続いて、試験片の粘着面に対して洗浄瓶によりエタノールにて1枚ずつ表面全体を強く洗浄し洗浄液を集めた。この際、フィルムはピンセットでつまみ最初に掴んだ部分より下部、エタノールを有る程度きったあと下部の端を掴んでひっくり返して、最初につまんだ部分の上部を洗浄する。洗浄後エタノールがどうしてもフィルム上に残るので抽出分を逃さないために、エタノール洗浄する時はエタノールを数回往復させ抽出分を確実に集めるようにした。
続いて、集めた洗浄液のエタノールをエバポレーターにて除去した後、クロロホルムにて再溶解後濾紙に通して作業中に混入した埃等を除去し、クロロホルムをエバポレーターにて完全に除き残分重量を測定した。この重量を平方メートルあたりの表面添加剤量とした。
(基層の作成)
基層として、FS2011DG3(住友化学社製、エチレン含有量0.6質量%の結晶性ポリプロピレン樹脂、メルトフローレート2.5g/10分)を100重量%を60mmφ単軸押出し機(L/D;22.4)にて溶融押出しして基層とした。
(粘着層の作成)
粘着層として、タフセレンH3522A(住友化学社製、メルトフローレート3g/10分、結晶融解熱量:29J/g、結晶化熱量が28J/g)を100重量%を45φ2軸押出し機(L/D;19)にて溶融押出しして粘着層とした。
(離形層)
離形層として、FS2011DG3(住友化学社製、エチレン含有量0.6質量%の結晶性ポリプロピレン樹脂、メルトフローレート2.5g/10分)と平均粒径4μmのPMMA粒子(日本触媒(株)社製、品番エポスターMA1004)を99/1重量%の割合で混合し、を65mmφ単軸押出し機(L/D;25)にて溶融混合押出しして離形層とした。
(フィルムの作成)
粘着層、基層、離形層それぞれが各押出し機にて溶融された状態のまま、260℃の3層Tダイ(マルチマニホールド型、リップ幅250mm、リップギャップ1.2mm)内で積層押出しをした。この様に押出した樹脂を20℃のキャスティングロールへエアーナイフにて吹き付け、密着させ、3m/分の速度で引き取り、冷却固化して未延伸シートを得た、得られたシートは連続して、120℃に加熱したロールにて予備加熱後、118℃に加熱したロール間で、それぞれのロール速度を3m/分と13.5m/分と速度差を付けることで、4.5倍の縦延伸をした後、50℃に加熱したロールで一度冷却した後、172℃に加熱したオーブン内にて13.45m/分の速度で予備加熱後、155℃にて変形速度0.2m/分の速さで9.0倍に横延伸を実施、さらに160℃の環境下で22秒間7%の緩和を実施して、粘着層8μm、基層20μm、離形層2μmの順に積層されたトータル30μmの3種3層二軸延伸フィルムを得た。
得られたフイルムを、500mm幅、500m、巻き硬度80(島津製作所製、糸巻き硬度計 No.K66846)のロール状態とした。得られたフィルムの物性を表1に示す。
フィルム試料は、実施例で得られたフィルムロールを巻き戻し、フィルムロール表面の端部から10m、フィルム両端部からフィルム幅の1/2の距離を中心に長さ250mm、幅350mmのサンプルを長尺方向に連続して3つ切り取り上記のとおり測定し、その平均を求める。
実施例1において、粘着層を構成する樹脂をH3522A(住友化学社製、メルトフローレート3g/10分)を80重量%、FS2011DG3(住友化学社製、エチレン含有量0.6重量%、メルトフローレート2.5g/10分)を20重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。
H3522A(住友化学社製、メルトフローレート3g/10分)を80重量%とFS
2011DG3(住友化学社製、エチレン含有量0.6質量%の結晶性ポリプロピレン樹脂、メルトフローレート2.5g/10分)を20重量%混合した樹脂の結晶融解熱量は39.8J/g、結晶化熱量は39.8J/gであった。
実施例1において、離形層に用いる樹脂をFS2011DG3(住友化学社製、エチレン含有量0.6質量%の結晶性ポリプロピレン樹脂、メルトフローレート2.5g/10分)と平均粒径4μmのPMMA粒子(日本触媒(株)社製、品番エポスターMA1004)を98.5/1.5重量%の割合で混合したものに変更する以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1において、離形層を構成する樹脂をPC523A(サンアロマー社製の結晶性ポリプロピレン樹脂、メルトフローレート5g/10分)を100重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして、3種3層二軸延伸フィルムを得た。
実施例2において、引き取り速度を9m/分とし、各押出し機の吐出量を調整して、粘着層5μm、基層30μm、離形層5μmの順に積層されたトータル40μmの3種3層未延伸フィルムを得た。
実施例2において、離形層を構成する樹脂をPC523A(サンアロマー社製の結晶性ポリプロピレン樹脂、メルトフローレート5g/10分)を100重量%に変更し、引き取り速度を9m/分とし、各押出し機の吐出量を調整して、粘着層5μm、基層30μm、離形層5μmの順に積層されたトータル40μmの3種3層未延伸フィルムを得た。
Claims (6)
- ポリプロピレン系樹脂からなる基材層の片面に粘着層を、反対面に離形層を積層してなる積層体からなる延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、前記離形層がポリプロピレン重合体とポリエチレンの混合物、プロピレンエチレンブロック共重合体とポリエチレンの混合物、及びプロピレンエチレンブロック共重合体のいずれかを含有し、前記粘着層が非晶性のポリプロピレン樹脂を含有し、かつ前記離形層表面の平均表面粗さSRaが0.020μm以上、0.200μm以下であり、前記粘着層の表面の平均表面粗さSRaが0.010μm以上、0.030μm以下であって、フィルムヘイズが1〜30%の範囲であることを特徴とする粘着フィルム。
- フィルムの耐スクラッチ性評価値が350cm以上であることを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム。
- 離形層表面の平均表面粗さSRaが0.100μm以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム。
- 粘着層表面の平均表面粗さSRaが0.020μm以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム。
- 基材層、粘着層および離形層とが、複数の押出し機から共押出法により溶融押し出し積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム。
- 粘着フィルムが、巾450mm以上、長さ300m以上のフィルムロールの形態であることを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム。
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