JP5154422B2 - 超音波測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、微細な厚さを持ちかつ多層の界面を持つ観測対象物に対して、接合剥離又はクラックといった欠陥を高精度に検出して解析することが可能な超音波測定方法及び装置に関するものである。
図15は、従来の最も一般的な超音波測定装置で基本的な構成を示す図である。また、以下の説明は、超音波反射信号を解析することを特徴としているが、透過法といった他の手段を用いる系に関しても、基本的な手法、課題、及び、解決案は同じものである。
図15に示すように、超音波測定装置は、超音波探触子101、制御部104、入力部106から構成されており、超音波探触子101から発生する超音波を、水103を媒体として観測対象物102に照射し、観測対象物102からの反射波を超音波探触子101で受信して、超音波探触子101で受信した情報を基に制御部104にて波形処理及び画像処理等を行うことで、界面の良否の判定及び判定結果の画像化を行っている。ここで、超音波探触子101は送受信共に用いられ、また、制御部104は、超音波探触子101で受信した超音波を電圧に変換して増幅するパルサレシーバー、及び、観測波形105の強度値を画像化する画像処理部を含んでいる。観測対象物102の具体的な例としては、半導体チップなど電子パッケージを想定している。超音波は、観測対象物102の内部にも透過し、内部の界面からも反射波が発生する。したがって、超音波探触子101で受信する信号は、複数の界面から発生した複数の波が重なりあった波形となる。
図16に反射波形の例を示す。また、被検体物となる観測対象物の具体例としては、基板に実装された電子パッケージが考えられる。そのような観測対象物の具体例である電子パッケージの水没時の例を、図17Aに示す。図17Aに示されるように、液体(水)27の中に載置された観測対象物の具体例である電子パッケージ29は、複数の界面(例えば、半導体チップ22、インターポーザー層23、はんだバンプ24やマザー基板25等の夫々の接触面)を持つため、超音波が電子パッケージ29に照射されると、複数の反射波26が電子パッケージ29から反射される。これらの反射波26は、図16に示すように、複数の反射波が合成された形となって出力される。
また、被検体物の別例を図18に示す。この例で、観測対象物29Aは単一構造であり、図17Aの観測対象物29のように、観測対象物の内部で複数個の境界面を有していないが、超音波の反射波26Aとしては、水と観測対象物29Aの表面との界面、及び、観測対象物29Aの底面と水槽の底面との界面の2箇所から発生することが考えられる。よって、観測対象物29Aが複数個の境界面を有していない場合であっても、超音波の反射界面は、常に、複数個存在することになり、それゆえ、反射波も複数となり、図16のように、複数の反射波が合成された形になってしまう。
次に、従来技術としての超音波測定装置により、観測対象物の界面の良否判定を行う超音波測定方法について、図16を用いて説明する。従来技術では、まず、超音波波形が安定して発生する表面波にトリガ11をかける。次に、トリガ11をゼロ基点として、ゲート12と呼ばれる時間領域の設定を行う。ゲート領域は、観測したい界面の情報を含んでいる必要がある。すなわち、複数の界面が存在するために発生する複数反射波の合成波から、測定目的とする界面の情報を含む反射波を選び、その時間領域にゲート12を設定する。ゲート12の設定値としては、ゲート位置の他に、ゲート幅、又は、ゲート数がある。
ゲート幅は、通常は、着目する時間帯の反射波幅に設定し、多くの場合は、正弦波1周期分、あるいは、それ以下の長さに設定する。電子パッケージに使用する超音波の周波数帯は、およそ10〜100MHzの間であり、従って、ゲート幅は10〜100nsに設定されることが多い。ゲート数は、測定目的とする界面の情報が不明な場合、他のゲート情報と比較するため、複数設定される。このように設定したゲート12の区間内で、主に波形強度値で観測対象物102の良否判定を行う。判定方法としては、ゲート12の区間内の波形強度の最大値及び最低値(負の最大値)、又は、絶対値の最大値などを使用して判定することが挙げられる。
特開平5−333007号公報 特開平6−294779号公報
しかしながら、観測対象物によって、同一種類であっても、測定目的の界面より上の界面からの情報にばらつきを持つことがある。図17Aに示すように、電子パッケージ29においては複数の界面を有し、そのため、安定して反射波が発生する樹脂モールド21の表面にトリガを合わせても、実際には、図19に示すように位相差が発生し、同じゲート位置で波形を観測しても、結果的に、異なった時間区間での波形を比較することになってしまう。位相差の発生の原因としては、各層の厚みのばらつき、及び、材料内の音速ばらつきなどが挙げられる。また、インターポーザー層23の材質としてポリイミド,セラミック,又は、ガラスエポキシ樹脂などが考えられるが、ガラスエポキシ樹脂の場合、ガラス繊維の織布構造により、XY平面内で超音波伝達の時間遅延が発生することがある。図20Aは、インターポーザー層23がガラスエポキシ樹脂であるときの半導体チップ22のCスコープ画像(半導体チップ22の上面側から観測した画像)である。図20Aに示すA−A’線の断面部分を切り出し、図20BのBスコープ(平面−時間スキャン画像)を観測すると、インターポーザー層23以降の反射波では、同一の時間位置を見ても、反射エコーの到達時間に差が出ることが確認できる。
また、一般に、電子パッケージは複数の界面構造を有し、かつ、各界面の厚みが薄い(数10〜500μm)ため、各界面からの反射波が重畳する現象が起きてくる。つまり、探触子から発生した正弦波の超音波が、受信時には時間的に重なりを持つ反射波となることで、測定したい界面の情報を持つ反射波が正弦波とならず、その足し合わせ(位相差を含む)になっていることがある。従来、超音波探傷では複数の界面を持つ構造物を観測することは少なく、また、界面の厚みも大きいため、前述したような課題はなかった。
時間分解能を上げるには、探触子の周波数(100MHz以上)を上げるとよいが、高周波超音波は深さ方向に透過しにくく、測定目的の界面まで透過しない可能性がある。そのため、低周波で波形観測を行う必要がある。また、低周波信号は前述の重畳現象を起こす。電子パッケージの観測を行う際には、前記した理由により、図21に示すように、観測する界面における波形で重畳が起こるため、従来のようにゲートの振幅値を観測するのみでは良否判定が困難な場合がある。図21のゲート12の領域においても、波形の差異は大きいものの、振幅値の最大値等で自動判定することはできない。
本発明の目的は、前記従来技術の問題を解決することにあって、観測対象物の測定する界面の情報が持つ波形の位相差を解消し、波形の振幅値以外で観測対象物の良否判定を行う超音波測定方法及び装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するため、以下のように構成している。
前記の目的を達成するために、本発明の第1態様によれば、複数の界面を有する被検体物に超音波を照射して発生する波形信号を検出して前記被検体物の境界面の接合状態を観測する超音波測定方法において、
前記超音波を照射する方向と直交するXY平面内のある特定領域で断面構造、材質、及び、厚さが前記被検体物と同一の基準物体の観測地点毎に、前記基準物体の波形信号の全体あるいは前記基準物体の界面部付近から観測された波形信号を基準信号としてそれぞれ基準信号記憶部に保存し、
前記基準物体の前記観測地点に対応する前記被検体物の観測地点でかつ予め既知の厚みと超音波の音速から発生時間領域が限定できる観測対象の界面部付近で取得された超音波波形信号を演算部で取得し、
前記被検体物から取得した前記超音波波形信号と前記基準信号とを比較演算して相対値を求めることにより前記境界面の接合状態を前記演算部で観測するに際し、
前記複数の界面を有する前記被検体物に超音波を照射し、前記被検体物から観測された波形信号と前記基準信号との間で比較演算処理を前記演算部で行い、2つの波形信号が最も一致した点を基準点として、観測された波形信号毎に発生する時間位相差を前記演算部で補正した後に、予め指定している前記XY平面内で、所定の時間領域内の波形成分を比較して判定部で良否判定を行う、超音波測定方法を提供する。
本発明の第態様によれば、前記複数の界面を有する前記被検体物に超音波を照射し、前記被検体物から観測された波形信号と前記基準信号とを時間方向に複数の領域にそれぞれ分割して得られた短区間領域波形信号と短区間領域基準信号との間で比較演算処理を前記演算部でそれぞれ行い、それぞれの領域での演算結果の値を判定部で比較する第1の態様に記載の超音波測定方法を提供する。
本発明の第態様によれば、複数の界面を有する被検体物に超音波を照射して前記被検体物から発生する波形信号を検出して前記被検体物の境界面の接合状態を観測する超音波測定装置において、
前記被検体物に超音波を照射して前記被検体物から発生する波形信号を検出する超音波送受信装置と、
前記超音波を照射する方向と直交するXY平面内のある特定領域で断面構造、材質、及び、厚さが前記被検体物と同一の基準物体の観測地点毎に、前記基準物体の波形信号の全体あるいは前記基準物体の界面部付近から観測された波形信号を基準信号としてそれぞれ保存する基準信号記憶部と、
前記基準物体の前記観測地点に対応する前記被検体物の観測地点でかつ予め既知の厚みと超音波の音速から発生時間領域が限定できる観測対象の界面部付近で取得された超音波波形信号を取得するとともに、前記被検体物から取得した前記超音波波形信号と前記基準信号とを比較演算して相対値を求めることにより前記境界面の接合状態を観測する演算部とを備え
前記演算部は、前記複数の界面を有する前記被検体物に超音波を照射して前記被検体物から観測された波形信号と前記基準信号との間で比較演算処理を行い、2つの波形信号が最も一致した点を基準点として、観測された波形信号毎に発生する時間位相差を補正する一方、
前記演算部で時間位相差を補正した後に、予め指定している前記XY平面内で、所定の時間領域内の波形成分を比較して良否判定を行う判定部をさらに備える超音波測定装置を提供する。
前記測定方法によれば、被検体物ごとあるいは被検体物の領域毎に発生する位相差を解消し、良品の例である基準物体から得た基準信号との比較を行って、良否の判定が精度良くできる。
本発明によれば、観測対象物ごとあるいは観測対象の領域毎に発生する位相差を解消し、かつ良否が振幅強度のみによらず、良品との比較を行うことにより自動判定を高精度に行うことができるという効果を奏する。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1A、図1B、及び、図1Cは、本発明の第1実施形態における良否判定を行う超音波測定装置、超音波測定装置の制御部の詳細な構成を示す図、超音波測定装置を使用する超音波測定方法の処理を示すフローチャートである。
図1Aの超音波測定装置は、超音波探触子1と超音波探触子駆動部1aと制御部4と入力部6とを備えるように構成されている。図1Aにおいて、設定項目として列挙された、走査エリアとは、サンプルのどの範囲を計測するかを設定する(XY平面位置)ことを意味する。例えば、サンプルの全面、あるいは、サンプルの一部(図1Gの走査エリアの第1例である、サンプル2の走査エリア2Saを参照。)、あるいは、サンプル内で複数エリアを持つ(図1Hの走査エリアの第2例、サンプル2の走査エリア2Sbを参照。)ことも可能である。また、走査ピッチとは、波形データを取得するための機械分解能(XY平面)を意味する。1つの例としては、数μm〜100μmピッチでデータを取得することができるが、これに限るものではない。トリガ位置、トリガ幅、ゲート位置、ゲート幅とは、後述する図16及び第3実施形態を参照のこと。観測時間信号の基準位置指定のための信号(トリガ信号)とその基準信号からの時間オフセットを持つ観測開始位置信号(ゲート信号)を意味する。
超音波探触子1は、その下端を水槽3a内の水3内に配置して、例えばおよそ10〜100MHzの周波数帯の超音波を水3を媒体として、水槽3a内の水3内の所定の観測対象物配置位置に配置された観測対象物2に照射し、観測対象物2で反射した反射波を受信可能としている。
超音波探触子駆動部1aは、例えば、水槽3aの底面に平行な面沿いでかつ互いに直交するX方向とY方向とに超音波探触子1をそれぞれ移動させるXYロボットで構成している。なお、超音波探触子1と超音波探触子駆動部1aと後述する送信回路30と後述する受信回路31とにより超音波送受信装置の一例を構成している。
制御部4には、超音波探触子1と入力部6と出力部5とが接続されている。
入力部6は、キーボード、マウス、タッチパネル、若しくは、音声入力などの各種入力装置を使用して、作業者が数値などの超音波測定に必要な情報を入力する機器、又は、観測対象物2のCADデータ及び水槽内の観測対象物配置位置の位置座標データなどの超音波測定に必要な情報を入力するための、他のサーバーや記録媒体などのデータベースとの接続端子を含む機器である。
出力部5は、一例としてのディスプレイで構成され、制御部4の後述するデータ処理部33で受信した情報を基に所定の演算及び判定を行ったのちに画像化された判定結果をディスプレイに表示する。
制御部4は、超音波探触子1に接続されて超音波を発信する送信回路30と、超音波探触子1に接続されて超音波探触子1で受信した超音波を電圧に変換して増幅するパルサレシーバー(受信回路)31と、受信回路31に接続されて受信された反射波の信号をデジタル情報に変換するA/D回路32と、A/D回路32からのデジタル情報が入力されて所定のデータ処理(例えば、観測波形の強度値の画像化)を行うデータ処理部33とを備えている。制御部4は、さらに、測定位置データメモリ37と、超音波探触子駆動部1aと測定位置データメモリ37にそれぞれ接続されかつ測定位置データメモリ37に記憶された情報を基に超音波探触子駆動部1aを駆動制御する駆動制御部38とを備えている。
データ処理部33は、超音波反射波形の基準信号となるマスターデータを予め記憶する基準信号記憶部の一例としてのマスターデータ保持メモリ36と、マスターデータ保持メモリ36とA/D回路32とに接続されかつマスターデータ保持メモリ36に記憶された情報とA/D回路32からのデジタル情報とに基づき演算を行う演算部の一例としてのデータ演算部34と、データ演算部34に接続されてデータ演算部34での演算結果に基づき良否判定動作を行う判定部35とを備えている。
制御部4の送信回路30及び駆動制御部38による駆動制御の下で、超音波探触子1から発生する超音波を、水3を媒体として観測対象物2に照射する。そして、観測対象物2からの反射波を超音波探触子1で受信して、超音波探触子1で受信した情報を基に制御部4の受信回路31で超音波受信信号を電圧に変換して増幅し、A/D回路32でデジタル情報に変換したのち、データ処理部33のデータ演算部34に入力する。データ演算部34にて波形処理及び画像処理等を行うことで、判定部35で観測対象物2の界面の良否の判定及び判定結果の画像化を行っている。画像化された判定結果は、出力部5の一例としてのディスプレイに表示される。
ここで、超音波探触子1は送受信共に用いられる。
被検体物である観測対象物は、観測対象(測定したい位置)の界面の上に、別の界面があり、超音波がそれぞれの界面で反射するものを対象としている。言い換えれば、観測対象物2は、複数の界面を有するものであって、超音波を照射して発生する波形信号を検出して、前記複数の界面の境界面の接合状態を観測する物体のことである。
観測対象物2の具体的な例としては、図17に示すような、半導体チップなど電子パッケージ29を想定している。超音波は、観測対象物2の内部にも透過し、内部の界面からも反射波が発生する。従って、超音波探触子1で受信する信号は、複数の界面から発生した複数の波が重なりあった波形となる。
図1Cに示すように、本第1実施形態の超音波測定方法は、超音波反射波形の基準信号となるマスターデータをマスターデータ保持メモリ36に予め記憶させておき、マスターデータ保持メモリ36に記憶されたマスターデータを基準として、判定部35で、被検体物となる観測対象物2の良否判定を行う。なお、以下のステップを行う前段階(計測開始前の段階)で、図2に一例として示すように、入力部6から波形信号のマスターデータ条件(開始時間位置、時間幅、短区間時間位置、短区間時間幅など)の情報を入力してマスターデータ保持メモリ36に記憶させることにより、波形信号のマスターデータをマスターデータ保持メモリ36に予め作成しておく。
まず、ステップS1では、マスターデータ保持メモリ36に記憶された波形信号のマスターデータ、例えば、波形信号のマスターデータ条件(開始時間位置、時間幅、短区間時間位置、短区間時間幅など)の情報をデータ演算部34に読み込む。ここで、マスターデータを作成するために、少なくとも1つは良品の観測対象物(サンプル)が必要になってくる。マスターデータはデータベースとなるので、実際に観測を始め、ある一定時間経過後にマスターデータを変更したり、マスターデータ数を増やしたりしても問題はない。
ここで、良品の観測対象物(サンプル)とは、超音波を照射する方向と直交するXY平面内のある特定領域で断面構造、材質、及び、厚さが観測対象物2と同一である、良否判定用の基準物体を意味する。
しかし、観測対象物2が変化したり、超音波探傷条件が変化したりすればマスターデータを取得し直す必要がある。ここで、「観測対象物の変化」とは、観測対象物2の各層の厚み、又は/及び、音速の変化等があることを示す。また、「超音波探傷条件の変化」とは、反射信号を取得しようとする際の、探触子の焦点位置の移動、ダンピング抵抗値の変更、フィルタ帯域の変更等、又は、波形信号の形そのものの変化などを示す。
ここで、マスターデータ作成に関して、ある観測対象物2に関してXY平面内で観測するとき、XY方向と直交するZ方向に異なる構造があるとき、マスターデータもXY平面毎に取得する必要がある。例えば、図17Bに示す電子パッケージ29において、はんだ接合部(はんだバンプ)24を観測するとき、Si半導体チップ22を通過するか否かで、2つの経路が考えられる。すなわち、第1経路としては、樹脂モールド層21からインターポーザー層23(なお、23aは導電粒子である。)を経てはんだ接合部24へ至る経路を設定することができる。第2経路としては、樹脂モールド層21からSi半導体チップ22及びインターポーザー層23を経てはんだ接合部24へ至る経路を設定することができる。このような2つの経路が同一の電子パッケージ29に存在する。このとき、第1経路と第2経路とで、超音波のはんだ接合部24に到達する時間が異なってくる。また、Si半導体チップ22による超音波の減衰等のため、反射波形も、第1経路と第2経路とで異なってくる。よって、第1経路と第2経路とでマスターデータを変える必要がある。
次いで、波形信号のマスターデータをデータ演算部34に読み込んで(ステップS1)データ処理の準備ができると、実際の観測対象物2の測定が可能となる。そこで、長区間マスターデータで判定するか、又は、短区間マスターデータで判定するかを選択する(ステップS2)。例えば、設定された長区間マスターデータによる相関係数値にばらつきが少ない場合には、長区間マスターデータで判定する方法(ステップS3)を選択する。一方、例えば、設定された長区間マスターデータによる相関係数値にばらつきが多い場合には、長区間マスターデータで位相差を補正した後、そこから短区間マスターデータを作成し判定する、短区間マスターデータで判定する方法(ステップS4)を選択する。
以下、長区間マスターデータで判定する方法(ステップS3)をこの第1実施形態で説明し、短区間マスターデータで判定する方法(ステップS4)については、第2実施形態として説明する。
なお、図1Dは、前記長区間マスターデータで判定する方法(ステップS3)の概略処理を示すフローチャートであって、最初に、長区間マスターデータの波形をデータ演算部34に読み込んだのち(ステップS3A)、長区間マスターデータによる良否判定を行う(ステップS3B)ようにしている。前記長区間マスターデータで判定する方法(ステップS3)の詳細については、図5に基づき、後述する。
また、図1Eは、前記短区間マスターデータで判定する方法の処理を示すフローチャートであって、最初に、短区間マスターデータの波形をデータ演算部34に読み込んだのち(ステップS4A)、短区間マスターデータによる良否判定を行う(ステップS4B)ようにしている。前記短区間マスターデータで判定する方法(ステップS4)の詳細については、図8に基づき、後述する。
図1Fは、前記長区間マスターデータで判定する方法の変形例であって、判定結果に不具合があるときに、短区間マスターデータで判定する方法の処理を示すフローチャートである。すなわち、長区間マスターデータの波形をデータ演算部34に読み込んだのち(ステップS3A)、長区間マスターデータによる良否判定を行う(ステップS3B)。長区間マスターデータによる良否判定の結果に不具合がないと判定部35で判定した場合(ステップS3C)には、そのまま終了する。しかしながら、長区間マスターデータによる良否判定の結果に不具合があると判定部35で判定した場合(ステップS3C)には、既に作成してマスタデータ保持メモリ36に保存してあるテーブルから、短区間マスターデータの波形を読み込んだのち(ステップS4A)、短区間マスターデータによる良否判定を行う(ステップS4B)ようにしている。判定部35での判定結果に不具合があるか否かの判定は、例えば、以下のようにして行うことができる。第1及び第2実施形態で説明するように、相関係数値は−1〜1の値をとる。マスターデータが相関値1をとり、良品が相関値1に近い値を取るのに対し、不具合のあるサンプルは、それらの値よりも低い値を取ることになる。そのため、計測前に、相関値に、ある閾値を判定条件として設定することで、不具合のあるサンプルを判定することができる。閾値に関しては、様々なサンプルから統計にとって、閾値の値を決定するといった方法が考えられる。
なお、前記した図1D〜図Fのいずれの処理を使用するかは、観測対象物毎に変えてもよいし、1つの観測対象物2のうちの測定位置により(例えば各電極毎に)変えても良い。
ここで、「長区間マスターデータで判定する方法」とは、マスターデータの作成時に、マスターデータとなる波形の開始時間と終了時間を指定するが、その指定時間の信号の全て(基準信号全体)で判定する方法という意味である。また、「短区間マスターデータで判定する方法」とは、長区間マスターデータを時間分割し、それぞれの短時間幅のマスターデータで判定する方法という意味である。
次に、図2に示す波形データのマスターデータを作成するフローチャートに沿って具体的に説明する。また、サンプルとして電子パッケージ29のBGAチップを観測する場合を例に取る。図3Aには良品のマスターとなるBGAチップ(第1サンプル)51の説明図(底面図)を示すとともに、図3Bには観測対象物2の例であるBGAチップ(第2サンプル)52の説明図(底面図)を示す。図3A及び図3Bにおいて、正常な電極(OK電極)は白丸で表示され、異常な電極(NG電極)は黒丸で表示されている。
まず、図3Aに示すように、良品のマスターとなるBGAチップ(第1サンプル)51を準備して水槽3aの水3内の所定の観測対象物配置位置に沈める。良品のBGAチップ51のうちから、測定したい位置(測定位置)を入力部6で測定位置データメモリ37に指定する(ステップS11)。具体的には、図3A及び図3Bの第1電極53aと53bの座標位置の指定方法としては、観測対象物2の例となる電子パッケージ29の全体の寸法及び電子パッケージ29を水槽3内に配置したときの観測対象物配置位置での電子パッケージ29の位置座標、並びに、すべての電極の寸法及び座標が分かるCAD座標を、制御部4の測定位置データメモリ37として予め記憶保持しておく。又は、前記CAD座標を、入力部6から測定位置データメモリ37に入力して記憶させる。そして、実際の計測時に、測定位置データメモリ37に記憶されている座標のうちから、指定された電極、例えば、第1電極53a,53bの座標を入力部6により測定位置データメモリ37に予め指定し、指定された座標を基に、超音波探触子駆動部1aを駆動制御部38で駆動制御することにより、指定された第1電極53a,53bに対して、超音波探触子1から超音波を発信可能な位置に制御可能とする。
次いで、測定したい位置である第1電極53a,53bに向けて、超音波探触子1から超音波を発信し、第1電極53a,53bからの反射波を超音波探触子1で受信して、波形データを受信回路31で取得する(ステップS12)。ここでは、観測波形の取得対象として、一例として、図3Aの良品の第1サンプル51と実際の観測対象物2の例である第2サンプル52とにおいて、同じ位置(図3A及び図3Bの各右上の隅の位置)に当たる第1電極53aと53bをそれぞれ例にとる。第1電極53aと53bからそれぞれ取得した波形データの例を図4に示す。なお、第1電極53aと53bは、両方とも正常な電極であるため、同じ波形データとなる。図4に関して、超音波は圧電素子で受信し、圧電素子で受信したアナログ電気信号を任意の単位系でA/D変換してデジタル出力するようにしている。1つの具体例として、入力レンジ1Vに対して8ビット(256段階)でA/D変換しているが、一般的な変換としては、これに限るものではない。取得波形41の形は、既に述べたように超音波の通過する界面の数等により変化する。そのため、測定する位置である各電極の位置毎にデータベースをマスターデータ保持メモリ36で持ち、波形データをデータ演算部34で比較する必要がある。ここで、各電極の位置毎にデータベースを持つとは、各電極の各観測点において、マスターデータ波形、マスターデータ分割方法(短区間判定のための分割方法)、判定用の閾値といった条件の情報を持つことを意味する。したがって、マスターデータそのものを有するだけでなく、長区間、及び、短区間による計測条件の情報及び判定用の閾値の情報なども含まれるため、データベースと表現している。
次いで、取得波形41の中で観測対象物2の界面(例えば、図17のはんだバンプ24とマザー基板25との界面など)の情報が存在していると思われる位置の波形をデータ演算部34により選び出し(ステップS13)、そこをマスターデータとしてデータ演算部34により取得してマスターデータ保持メモリ36に記憶する(ステップS14)。
観測対象物2の界面で情報が存在する位置の予測方法としては、例えば、図4に示す波形において、樹脂モールド表面反射波形を参照符号44で示しており、インターポーザー層反射波形を参照符号45で示している。よって、それらの樹脂モールド表面反射波形44及びインターポーザー層反射波形45は、時間、位置、及び、反射強度から、それぞれ、どの波形であるかを推測できるため、図17のはんだバンプ24とマザー基板25との界面を判定したい場合は、インターポーザー層反射波形45より、時間的に後の波形を選択すればよいことになる。なお、波形信号のマスターデータ条件(例えば、開始時間位置、時間幅、短区間時間位置、短区間時間幅など)の情報は、入力部6からマスターデータ保持メモリ36に予め入力して記憶させておく。
あるいは、観測対象物2であるサンプル(電子パッケージ29)の各層(厚み方向)の材質の音速C及び各層の厚みが測定位置データメモリ37に記憶されて既知であれば、測定位置データメモリ37に記憶された前記材質の音速C及び各層の厚みの情報を基に、おおよその各界面からの超音波反射波の到達時間をデータ演算部34で演算して見積もることができ、観測対象物2の界面で情報の存在する位置をデータ演算部34で限定することができる。すなわち、超音波到達時間を、測定位置データメモリ37のデータから、データ演算部34で見積もることができ、その時間条件を測定位置データメモリ37に記憶しておく。実際の計測の際は、その到達時間を測定位置データメモリ37からデータ演算部34で自動的に呼び出して使用すればよい。ただし、到達時間は、音速の精度、又は/及び、各層の厚みのばらつきにより変化してしまうため、マスターデータとしては、ある程度の時間幅を持たせる必要がある。一例として、図4に示す例では、取得波形41の波形長はおよそ900ns(樹脂モールド21の表面のトリガ取得位置から起算した波形長)であり、インターポーザー層反射波形45は、およそ280〜480nsの間に分布しており、そのため、マスターデータ波形43は、その後の時間の480ns〜880nsの位置と設定し、その長さ(ある程度の時間幅)は400nsである。よって、観測対象物2の界面は、この長さの区間に含まれていると予想される。
次に、同一観測地点(測定したい位置)内で他の観測ポイントを取得するか否かを判定する(ステップS15)。ここで、観測地点とは、Z方向すなわち深さ方向において同一構造を持つ地点であり、Z方向の構造が異なれば、「観測地点」は変化することになる。従って、1つのサンプル内でも、Z方向の構造が異なれば、複数の観測地点を持つことになり(図1Iのサンプル2の複数の観測地点2Ta,2Tbを参照。観測地点2Taと観測地点2Tbとでは、Z方向(図1Iの紙面貫通方向)で構造が異なる。)、その各観測地点により、データベースを保有することになる。また、観測地点は、複数の観測ポイントを持つ。ここで、観測地点を180×180μmのエリアとし、データ取得ピッチ(走査ピッチ)を30μmとすると、図1Jの複数の観測ポイント2Pのように、6×6のデータ取得ポイントを持つことになる。これを、「観測ポイント」(言い換えれば、データ取得ポイント)と呼ぶ。ここで、前述のマスターデータは、1つの観測地点内であれば、どの「観測ポイント」(データ取得ポイント)をとってもよい、としている。ただし、1つの観測地点が同じZ方向の深さ構造とはいえ、「観測ポイント」(データ取得ポイント)毎に微妙な波形の違いがあることも考えられるため、その際に、複数の「観測ポイント」(データ取得ポイント)をとり、平均化等の処理を行う。
他の観測ポイントを取得するか否かを判定する方法の一例としては、測定位置データメモリ37でデータ取得方法を予め設定しておけばよい。例えば、(1)取得データが1点の場合には、観測地点の中心からデータを取得する、(2)取得データがX点の場合(Xは2以上の整数)には、中心から最近傍の点を順に取得する、(3)取得データが全点の場合には、観測地点の全点を自動取得する。などが考えられ、データ取得方法として、前記(1)〜(3)のいずれか1つに測定位置データメモリ37で予め設定しておけばよい。例えば、第1電極53aにおいて、円形電極53aの直径を300μm、超音波のX方向の分解能を30μmとすると、x方向に10点の波形を取得することができる。第1電極53aの10点内では、波形の微妙な差異が存在するため、それらの波形をデータ演算部34で平均化し、データベースとしてのマスターデータ保持メモリ36に持たせる場合など、同一観測地点で、前記処理ステップS12〜S14を繰り返し行ない、複数点の波形データのマスターデータを抽出してマスターデータ保持メモリ36に記憶する。
次に、第1サンプル51の第1電極53aを含む平面内で他の観測地点が存在する場合には、その観測地点の波形データを処理ステップS11〜S15の要領でマスターデータを作成してマスターデータ保持メモリ36に記憶する(ステップS16)。観測地点としては、第1サンプル51の一部でも、全領域でもよい。
以上により、観測地点でのマスターデータを作成してマスターデータ保持メモリ36に記憶する。なお、第1サンプル51における電極部の測定位置以外の測定位置の場合も、前述に順ずるものとする。
次に、図5に示す長区間マスターデータを用いて判定処理するフローチャートについて説明する。ここでも、図3BのBGAチップ(第2サンプル)52の観測対象物2を例にする。観測対象物2の例であるBGAチップ(第2サンプル)52の測定位置を入力部6で測定位置データメモリ37に指定する(ステップS21)。指定の仕方は、ステップS11と同様である。
次いで、第2サンプル52の測定位置に向けて、超音波探触子1から超音波を発信し、第2サンプル52の測定位置からの反射波を超音波探触子1で受信して、ステップS12と同様に、波形データを受信回路31で取得する(ステップS22)。
次いで、マスターデータ保持メモリ36に記憶された第1サンプル51のマスターデータと、A/D回路32から入力されて取得した第2サンプル52の波形データとの比較計算をデータ演算部34で行う(ステップS23)。
ここで、データ演算部34による比較方法の一例として、マスターデータとして取得した波形データの相関係数値を取ることが挙げられる。今、第1電極53aの比較を行うとするとき、第1サンプル51の第1電極53aにおけるマスターの波形データとしてデータ列x,x,…,xがあり、また、第2サンプル52の第1電極53aから取得した波形データとしてデータ列y,y,…,yがあるとき、それらのデータの標本平均を
Figure 0005154422
としたとき、x,yの相関係数値rxyは、下記の数式(数2)
Figure 0005154422
と表すことができる。
図6に、相関係数を用いた判定方法を示す。今、マスターデータとして取得した波形データのデータ列の長さをN、マスターデータのデータ列の長さをn(ただし、N>n)とする。A/D回路32から入力されて取得した波形データの1点目とマスターデータ保持メモリ36に記憶されたマスターデータの1点目をデータ演算部34で合わせ、n点目までの点で前記の相関係数値をデータ演算部34で計算する。次に、データ演算部34において、マスターデータを1点だけ右にシフトし、取得した波形データの2点目から(n+1)点目で相関係数値をデータ演算部34で計算する。同様に、1点だけ右にシフトして相関係数値の計算を行なうことをデータ演算部34で繰り返しして、波形データの1点目から{N−(n+1)}点目までの相関係数値をデータ演算部34で求める。
マスターデータを1,2,…,N−(n+1)点ずつ、ずらしていくことで、m列(1≦m≦{N−(n+1)})のデータ列がデータ演算部34で作成される。図7Aに第1サンプル51の第2電極54a(良品)の相関係数波形、図7Bに第2サンプル52の第2電極54b(不良品)の相関係数波形を示す。
ここで、マスターデータとしては、第1サンプル51の第1電極54aの取得信号波形からデータ演算部34で取り出してマスターデータ保持メモリ36に記憶している。信号波形内で、測定目的とする界面の情報を含むデータ位置の指定は、相関係数値ピークの中で最も大きい値(最大値)をデータ演算部34で取得することで行う。ただし、測定する界面の情報が含まれていないデータ位置で、スペクトルが最大になる場合もあり、そのような場合は、データ範囲をデータ演算部34で予め指定し(例えば、図4に示す測定位置付近の波形領域42)、スペクトルの情報をデータ演算部34で取得するとよい。
前記したように、測定目的とする界面の情報を含むデータ位置の指定するとき、図7Aの複数の相関係数値ピーク値のうち最大値の波形値で比較するか、あるいは、時間区間を絞り込んだ上で、絞り込んだ時間区間内の相関係数値ピーク値の最大値を取り出すようにしている。最大値の取得は、データ演算部34により自動的に行うことができる。その後の判定も、後述するように、判定部35に良否判定用閾値を予め持たせた上で、判定部35で自動的に行うようにしている。
例えば、図7Aでは、データ区間を、600〜800点目に絞り込んでスペクトル値をデータ演算部34で取得するとよい。データ点数と超音波波形時間軸は関連性があるため、絞り込むデータ区間は、データ演算部34で、超音波波形時間軸から推定することができる。各点での相関係数値としては−1から1までの値を取り、1に近いほどマスターデータに近い良品の信号波形であり、相関が取れているという意味で、観測対象物2も良品であると言える。また、相関が取れていない信号波形の相関係数値は0に近づく。信号波形が逆位相で相関が取れているときは、値は−1に近づく。
第1サンプル51は、マスターデータを取得したサンプルのため、マスターデータと取得波形自身の相関係数波形は、ピーク値が1になる。一方、不良品の第2サンプル52における相関係数値は、図7Bに示すように第2サンプル52の第2電極54b(すなわち、NG電極)において、電極内ばらつきを考慮して0.68〜0.81である。不良品の第2サンプル52では何らかの波形変化があるため、相関係数値が下がる。そのため、ある相関係数値を良否判定用閾値(例えば、図7A及び図7Bの閾値Th)として、OK/NGの判定を判定部35で行う(ステップS24)。すなわち、ある相関係数値の閾値よりも小さい場合にはNGの判定を判定部35で行う一方、ある相関係数値の閾値以上の場合にはOKの判定を判定部35で行う。なお、閾値は、使用するサンプルのn数を取り(すなわち、同じ構造(種類)のサンプルを、N個(Nは1以上の整数)用意してデータを取り)、良品及び不良品の平均を取って、判定部35で閾値を決定してマスターデータメモリ36に保存する。尚、これは、良品判定動作を行う場合に限って閾値を持つ必要があり、良品判定動作を行わずに相関値を測定するのみの場合には閾値は必要ない。また、閾値としては、例えば、入力部6から判定部35へ入力された値を使用するようにしてもよい。
前述した図2における処理ステップS15で複数の波形データをマスターデータとして取得した場合など、前記の判定を同一観測地点で複数回行ってもよい。すなわち、同一箇所でマスターデータをn個保持している場合(ただし、このnは、2以上の整数。)、1回目の判定でNGを判定部35で判定した場合、NGと出力する前に2個目のマスターデータで2回目の判定を判定部35で行う。以上の判定を、保持している個数に相当するn回目まで許容する、といった機能が判定部35にあってもよい。この際の判定回数、マスターデータの選択方法、又は、判定基準などは、本第1実施形態における方法において、入力部6を使用して、使用者が判定部35に対して任意に設定できるものとする。
また、図2の処理ステップS15で複数の波形をマスターデータとして取得した場合、データ演算部34でマスターデータを加算平均した結果(加算平均マスターデータ)を1つのマスターデータとしてマスターデータ保持メモリ36に記憶保持し、この記憶保持された加算平均マスターデータを使用して前記の判定を判定部35で行う、といった方法を取ってもよい。
このように、良品サンプルから得た相関係数波形のピーク値と観測された値とをデータ演算部34で比較し、値が低いサンプルを不良品として判定部35で判定する方法が本発明の第1実施形態の特徴である。
このような第1実施形態によれば、観測対象物ごとあるいは観測対象の領域毎に発生する位相差を解消し、かつ良否が振幅強度のみによらず、良品との比較を行うことにより自動判定を高精度に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる超音波測定方法及び装置について説明する。
前記第1実施形態で述べた判定方法において、判定が困難な場合も予想される。これは、設定された長区間マスターデータによる相関係数値にばらつきが多い場合など、その相関係数値のばらつきの範囲が、良品及び不良品の相関係数値の範囲であると、判定が不可能になる。原因として、マスターデータの長さが不適切であり、界面のOK/NG以外の情報が過剰に含まれていることが考えられる。
例えば、図4ではマスターデータ幅が400nsであるが、1つの波の大きさがおよそ60nsであり、不良発生時の波形変化が1波分である場合は、非常に余分な波形成分をマスターデータが持つことになる。この場合には、仮に不良が発生して1波分だけ波形が変化したとしても、そのような波形変化情報が余分な波形成分内で埋もれてしまい、相関係数値として、不良品と良品との区別がつかなくなる可能性がある。そこで、マスターデータとして、非常に短いマスターデータ幅、例えば前記の場合において、1つの波の大きさに相当する幅60nsのマスターデータを使用すると、不良発生時に、相関係数値において、良品との差が出てくる。このように、第1実施形態のマスターデータよりも非常に幅が短いマスターデータのことを、短区間マスターデータと呼ぶ。
ここで、長区間マスターデータとは、予め作成した、基準信号全体のことを意味し、反射時間信号の中で、測定したい界面の反射信号付近を切り出したデータを意味する。これに対して、短区間マスターデータとは、長区間マスターデータを時間分割した、それぞれの要素に相当するデータを意味する。分割方法の例は、後述する通りである。
しかし、そのような短区間マスターデータで図6に説明したような作業を行うと、観測した取得波形において、類似している箇所を複数捕まえて相関係数波形として出力する可能性がある。さらに、前述した図19、図20A,図20Bに示すように、観測対象物2によっては、表面トリガ位置から後の時間に位相差が出てくるため、短区間マスターデータにおいては、測定目的とする界面で相関係数値のデータ位置が、不明確になる。そのため、単純な短区間マスターデータによる相関係数値波形からは、測定目的とする界面の情報をつかむことが困難である。
そこで、このような課題を解決するための、本発明の第2実施形態として、時間位相補正を含んだ、短区間マスターデータ(短時間領域のマスターデータ)での判定方法について述べる。図8に、短区間マスターデータによる判定処理を行うフローチャートを示す。
おおまかな処理としては、第1段階として、時間位相補正を長区間マスターデータで行い(ステップS31〜S34)、第2段階として、良否判定を短区間マスターデータで行う(ステップS35,S36)。前述した長区間マスターデータでの判定動作と同様に、観測対象物2の例としては、図3A及び図3BのBGAチップ(第1及び第2サンプル)51,52を使用する。
第1段階での長区間マスターデータによる時間位相補正は、前記第1実施形態の長区間マスターデータでの判定処理とほぼ同じ処理である。観測対象物2の第2サンプル52の測定位置を、ステップS11と同様な指定方法で指定する(ステップS31)。
次いで、第2サンプル52の測定位置に向けて、超音波探触子1から超音波を発信し、第2サンプル52の測定位置からの反射波を超音波探触子1で受信して、波形データをステップS12と同様な方法で取得する(ステップS32)。
次いで、第1サンプル51のマスターデータと第2サンプル52の取得した波形データとの比較を、相関係数を使用して、データ演算部34で行う(ステップS33)。
その後、長区間マスターデータによる相関係数波形のスペクトルピーク(測定する界面)となるデータ位置をデータ演算部34で取得する(ステップS34)。
次に、図9は、本第2実施形態における時間位相補正のための波形切り出しを説明する図である。図9に示すように、長区間マスターデータと観測した取得波形による相関係数のスペクトルがピークになるデータ位置で、取得波形をデータ演算部34で切り出す(ステップS34)。相関係数のスペクトルピークは、長区間マスターデータと取得波形が似ている時間軸である。すなわち、同一種類の別サンプルを観測する際、取得波形を得る毎に微妙な時間位相差が発生することがあっても、相関係数波形スペクトルのピーク値の位置を取得することで、測定目的とする界面の波形データをデータ演算部34で常に切り出すことができる。
測定目的の界面におけるスペクトルピークの探し方として、図7Aを例にすると、ピーク位置の中で最も大きな相関係数値をデータ演算部34で取ることが挙げられる。当然、マスターデータと取得波形が最も似ている時間域が、大きなスペクトルのピーク値を持つはずである。
ただし、場合によっては、測定目的とする界面の波形位置で必ずしも最大のピークとならなかったり、あるいは、測定目的の界面のスペクトルピークと他の界面のスペクトルピークとの有意差が小さい場合もある。その場合は、測定目的とする界面のスペクトルピークの位置で、時間範囲をデータ演算部34で予め限定してやる方法が考えられる。
例えば、サンプル毎の位相時間差のばらつきの範囲が、およそ40nsであることが検証できているような場合、観測する相関係数スペクトルも、±40ns程度の範囲内でデータ演算部34で取得すればよいことになる。あるいは、先頭時間からのスペクトルピークをデータ演算部34で数え、測定目的とする界面のスペクトルピークをデータ演算部34で特定するやり方も考えられる。
次いで、第2段階として、短区間マスターデータによる良否判定を行う。
まず、長区間マスターデータをデータ演算部34で細分化して分割し、短区間マスターデータにして、相関係数値をデータ演算部34で取る(ステップS35)。ここで、図10Aは、本第2実施形態における短区間マスターデータの判定を説明する図であって、切り出した取得波形を細分化した状態の図であり、図10Bは、本第2実施形態における短区間マスターデータの判定を説明する図であって、マスターデータ波形を細分化した状態の図である。例えば、図10A及び図10Bでは、長区間マスターデータの時間幅は400nsであり、そこから、短区間マスターデータの作成をデータ演算部34で行う。細分化の方法(分割の方法)としては、分割数、又は、マスターデータ時間幅などを使用して細分化することが挙げられる。分割数、又は、時間幅は、波形の周波数成分、又は、不良品発生時の波形への影響度合いなどにより異なる。長区間マスターデータの波形の全てあるいは一部に対して、高速フーリエ変換をデータ演算部34で施し、周波数スペクトルをデータ演算部34で取得した後、最適な時間幅をデータ演算部34で設定してもよい。最適な時間幅を設定する一例としては、以下のように設定することができる。超音波振動子は、振動子毎にある周波数帯域を持つ波を出すものである(この場合、周波数帯域を変えるには、センサごと変える必要がある。)。よって、その周波数帯域を観測し、発生波形の周期を計算し、その周期から時間幅を設定することができる。具体的には、観測信号波形のフーリエ変換によって得られたスペクトルの中心周波数をF(MHz)とすると、その波形の周期Tは、T=1/F(μs)となる。よって、例えば、その周期の幅、あるいは、2倍、3倍の周期の幅を短区間の時間幅にすることで、最適な時間幅にすることが出来る。
また、必ずしも時間幅は一定にする必要はなく、例えば、n分割(ただし、nは2以上の整数。)の中のm個(ただし、mはn未満の整数。)の短区間マスターデータの時間幅だけは20nsとし、他の(n−m)個の短区間マスターデータの時間幅は40nsとする、といったように、短区間マスターデータ同士で長さが異なってもよい。この細分化方法は、測定前に、設定値として、データ演算部34内のメモリに予め保存しておく。短区間マスターデータの情報としては、先程の分割数、又は、時間幅の他に、例えば、短区間マスターデータの時間探索幅、又は、時間伸縮率などが挙げられる。短区間マスターデータの設定値は、観測毎に、随時、データ演算部34で予め設定された値だけ変更していき、最適な設定値をデータ演算部34で得ていく。ここで、前記時間探索幅とは、長区間マスターデータで一致した時間点mで相関値を計算した後、リトライ判定として、マスターデータMDを時間点mからΔt点だけずらし(例えば、図10Cから図10Dに示すように時間点mからΔt点だけずらし)、再度、短区間マスターデータによる計算を行うこともできる(例えば、図10C及び図10D参照。)。その際のリトライのΔtの幅を、時間探索幅と定義している。また、前記時間伸縮率とは、長区間マスターデータで一致した時間点mで相関値を計算した後、リトライ判定として、マスターデータをX%(Xは予め設定した値である。)時間方向に伸縮して(例えば、図10Eから図10Fに示すようにX%時間方向に縮小して)計算を行うこともできる(例えば、図10E及び図10F参照。)。その際のリトライでのマスターデータの伸縮率を、時間伸縮率と定義している。また、最適な設定値をデータ演算部34で得る方法としては、例えば、短区間マスターデータのデータ設定を観測毎に変化させていった際に、ある程度の規則性(例えば探索幅、伸縮率、分割数などを、ある任意の値にすればよいという程度の規則性)が出てくると思われる。その際の設定データを、ライブラリとして保存していく、といった方法が考えられる。
そして、処理ステップS35において得た相関係数値においても、何らかの波形変化があるため、相関係数値が下がる。そのため、ある相関係数値を閾値として、OK/NGの判定を判定部35で行う(ステップS36)。すなわち、ある相関係数値の閾値よりも小さい場合にはNGの判定を判定部35で行う一方、ある相関係数値の閾値以上の場合にはOKの判定を判定部35で行う。閾値の設定の仕方は、ステップS24と同様である。
ここで、長区間マスターデータにより切り出された波形を示す図10Aと、短区間マスターデータを示す図10Bとの相関係数値を取る。この際には、短区間マスターデータは、前記図6のようなシフトによる相関係数波形を算出するのではなく、時間位相補正され切り出された状態である図10Aのデータ位置で、各短区間マスターデータとの相関係数値をデータ演算部34で取る。すなわち、長区間マスターデータにより切り出された取得波形をデータ演算部34で細分化し、長区間マスターデータを設定値に基づきデータ演算部34で細分化した短区間マスターデータのそれぞれと、相関係数をデータ演算部34で取る。例として、図10Bでは、長区間マスターデータ(幅400ns)をデータ演算部34で10分割(幅40ns)し、10分割により切り出された取得波形、図10Aも、同様に、データ演算部34で10分割として、それぞれの短区間マスターデータ成分の相関係数をデータ演算部34で計算する(10個の相関係数値をデータ演算部34で算出する)。
図11Aは第1サンプル51の第2電極54a(図3A参照)の各短区間マスターデータでの相関係数値であり、図11Bは、第2サンプル52の第2電極54b(図3B参照)は、の各短区間マスターデータでの相関係数値であり、それぞれ、マスターデータを10分割しているため10点での相関係数値を表示している。点数は、それぞれ細分化された短区間マスターデータの中で速い時間順(左から順)に示している。図11Aに示す第1サンプル51(良品)の相関係数値に対して、図11Bに示す第2サンプル52(不良品)の相関係数値において、7番目の短区間マスターデータで大きな有意差が確認できる。
ここで、図11A及び図11Bにおいて、細分化した相関係数値の7番目の短区間マスターデータに着目した理由について説明する。
まず、図9において、最初の大きな反射の波形(四角枠Iを参照)は、樹脂モールド21の表面からの反射波であり、切り出し波形の直前の波形(四角枠IIを参照)は、インターポーザー層23の表面からの反射波である。これは、電子パッケージ29の層構造の順番から容易に推測可能である。そして、四角枠IIの波形以降の反射波(つまり、インターポーザー層23の表面以降の反射波)を、長区間マスターデータとしている。
ここで、図9の例では、インターポーザー層23の厚さは350μm、音速は2800m/sである。このため、インターポーザー層23を超音波が通過する時間は、(350×2)/2800=0.250μs(ただし、ここでは、求める時間は、インターポーザー層23を超音波が往路と復路で2回通過する往復時間であるため、(インターポーザ層23の厚さ×2)としている。)となる。
長区間マスターデータの幅は400ns、細分化幅は40nsであり、40×7=280nsとなるため、7番目の細分化幅に、インターポーザー層23の下面の反射波が返ってくる。この接合面は、はんだバンプ24とインターポーザー層23の接合面、つまり、測定する位置となる。よって、細分化幅の7番目に着目すると良いことになる。
前記の有意差は、先に述べた長区間マスターデータでの判定における有意差に比べて、大きなものとなる場合がある。例えば、OK/NGの波形での差が、ある40nsの区間でしか観測できない場合は、長区間マスターデータでは判定不可能である。また、その波形差が表れる区間が、どの時間領域で表れるか不明な場合にも、短区間マスターデータによる相関係数プロットで、波形の変化を見ることができる。OK/NGサンプルからの反射波の波形差が1波程度である場合も、現実には多く、そのため、短区間マスターデータで良否判定する方法も多く用いることが有効である。
このような第2実施形態によれば、観測対象物ごとあるいは観測対象の領域毎に発生する位相差を解消し、かつ良否が振幅強度のみによらず、良品との比較を行うことにより自動判定を高精度に行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、前記第2実施形態で示した第1段階としての、長区間マスターデータを用いた時間位相補正を利用して、従来のゲート法による判定方法について説明する。
従来のゲート法においては、背景技術で示したとおり、図16に示したように、表面波にトリガ11をかけ、トリガ11をかけた位置をゼロ基準とし、観測したい波形位置にゲート12を設定し、ゲート12内の波形成分により前記ゼロ基準との比較を行い、観測対象物102の良否判定を行っていた。つまり、波形の時間補正を、表面波によるトリガ11により行っていた。しかし、本発明の解決しようとする課題で述べたとおり、図19のように、表面波によるトリガ11以降の波形でも、時間的なズレが生じることもあり、表面トリガによる時間補正は十分でなかった。
そこで、このような課題を解決するために、本発明の第3実施形態にかかる超音波測定方法及び装置として、前述の第2実施形態で述べた、長区間マスターデータによる時間位相補正を実施した後に、従来のゲート法による判定を行う方法について説明する。図12に、本第3実施形態の長区間マスターデータによる時間位相補正を利用したゲート法による判定処理のフローチャートを示す。
おおまかな処理としては、ゲート61の位置をデータ演算部34で予め設定し(ステップS41)、時間位相補正を長区間マスターデータでデータ演算部34により行い(ステップS42〜S45)、良否判定をゲート内での波形成分比較により判定部35で行う(ステップS46〜S47)。前記の長区間マスターデータでの判定と同様に、観測対象物2の例として、図3A及び図3BのBGAチップ(第1及び第2サンプル)51,52を使用する。
第1段階として、波形のゲート位置を設定する。ゲート位置の設定としては、予め作成された長区間マスターデータからゲート位置をデータ演算部34で設定することが考えられる。図13に、長区間マスターデータからのゲート61の設定方法の説明図を示す。長区間マスターデータから、観測したい時間位置にゲート61を入力部6でマスターデータ保持メモリ36に設定する(ステップS41)。このゲート位置内の波形で、判定を判定部35で行うことになる。長区間マスターデータにより時間位相補正された観測地点をゼロ基準とし、そこから後の時間、あるいは、データ領域をゲート61で入力部6でマスターデータ保持メモリ36に指定する。
第2段階での長区間マスターデータによる時間位相補正は、前記第1実施形態の長区間マスターデータでの判定処理とほぼ同じ処理である。
まず、観測対象物2の第2サンプル52の測定位置を入力部6で測定位置データメモリ37に指定する(ステップS42)。指定の仕方は、ステップS11と同様である。
次いで、第2サンプル52の測定位置に向けて、超音波探触子1から超音波を発信し、第2サンプル52の測定位置からの反射波を超音波探触子1で受信して、ステップS12と同様に、波形データを受信回路31で取得する(ステップS43)。
次いで、マスターデータ保持メモリ36に記憶された第1サンプル51のマスターデータと、A/D回路32から入力されて取得した第2サンプル52の波形データとの比較計算を、相関係数を使用して、データ演算部34により行う(ステップS44)。
次に、長区間マスターデータによる相関係数波形のスペクトルピーク(測定する界面)となるデータ位置をデータ演算部34で、ステップS34と同様に、取得する(ステップS45)。
これにより、サンプル毎、又は、場所毎による時間位相を補正することが可能となり、相関係数波形から得られた、取得波形のゼロ基準点から、前記したように、ゲート位置を入力部6でマスターデータ保持メモリ36に設定し、その波形成分をデータ演算部34で取得する(ステップS46)。波形成分としては、ゲート区間内の波形強度の最大値及び最低値(負の最大値)、又は、絶対値の最大値などが挙げられる。これらの成分をデータ演算部34で取得し、予め設定している判定基準を超えた波形成分を、判断部35でOK判定とし、判定基準を超えない波形成分をNG判定として、出力部5に出力してディスプレイに表示する。
以上のような、本第3実施形態によれば、先の実施形態による時間位相補正を行った後に、従来のゲート法により判定を行う方法としても使用することができる。すなわち、従来のゲート法では、図19で示したように、表面にトリガを掛けても、それ以降で波形の時間差が存在していたが、第3実施形態によれば、その時間補正が可能となる。また、第2実施形態(短区間マスターデータ方法)と比べて、判定のための計算時間を少なくすることができる。すなわち、短区間マスターデータでは、細分化数mの回数だけ、前記数式(数2)の計算を行う必要がある。これに対して、第3実施形態の方法では、長区間マスターデータの補正後には、マスターデータのゲート区間の振幅の強度情報を観測するのみであるため、計算量を少なくすることができる(ただし、良否判定は、強度情報で行うことになる)。また、第3実施形態によれば、他の実施形態と同様に、観測対象物ごとあるいは観測対象の領域毎に発生する位相差を解消し、かつ良否が振幅強度のみによらず、良品との比較を行うことにより自動判定を高精度に行うことができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態にかかる超音波測定方法及び装置について説明する。前記第2実施形態において、第1段階として長区間マスターデータを用いた時間位相補正を行い、第2段階として短区間マスターデータによる判定を行う例を示している。しかしながら、必ずしも第1段階の時間位相補正を行った後に第2段階の短区間マスターデータによる判定を行う必要はなく、短区間マスターデータによる判定のみを行うことも考えられる。以下に、その例を示す。
図14に、本第4実施形態における、時間位相補正を行わない短区間マスターデータによる判定方法の説明図を示す。第2実施形態と同様、長区間マスターデータを予め作成し、長区間マスターデータの細分化幅等の設定を行っておく。図14の例では、長区間マスターデータを10等分にしているが、必ずしも等分にする必要はない。
次に、マスターデータの開始点を、取得波形のいずれかの点にデータ演算部34で合わせる。図14では、マスターデータの開始点を取得波形の開始点とデータ演算部34で合わせているが、必ずしも開始点と合わせる必要はなく、取得波形の途中点にデータ演算部34で合わせてもよい。
次に、取得波形を各短区間マスターデータと同様の時間幅でデータ演算部34により細分化し、各時間幅のデータと、短区間マスターデータの各時間幅のデータとを使用して、データ演算部34で相関係数処理を行う。今、マスターデータの時間幅が400nsで分割数が10個のとき、時間幅400nsを10等分すると、各短区間マスターデータの幅は40nsとなる。ここで、取得波形の開始点にマスターデータの開始点をデータ演算部34により合わせたとすると、取得波形では、開始点から40ns毎の細分化されたデータが、10個設定されることになる。次いで、取得波形の各データと、短区間マスターデータの各データの相関係数値をデータ演算部34により求める。
次に、図14のように、ある設定幅分だけ、マスターデータをデータ演算部34でシフトさせ、同様に、取得波形の細分化をデータ演算部34で行い、相関係数値をデータ演算部34で求める。設定幅としては、サンプリングデータ時間幅分、又は、マスターデータ時間幅分など、データ演算部34において、入力部6を介して、任意に設定することができるものとする。また、その設定幅の間隔も一定でなくてもよく、観測波形のデータの終了点までマスターデータをシフトさせなくてもよい。
以上のように、マスターデータの開始点毎に、分割数分だけの相関係数値がデータ演算部34で算出される。この例の場合、1つの開始点に対して10個の相関係数値があり、シフトを20回繰り返した場合、各々で10個の相関係数値がデータ演算部34で算出され、最終的に合計200点の相関係数値がデータ演算部34で算出される。
前記のような手法での良否の判定方法として、各分割点の相関係数値、マスターデータの開始点などを判定部35で総合的に判定して、判定部35で良否判定することが挙げられる。例えば、ある開始点に対して10個の相関係数値がデータ演算部34で算出された場合、全ての開始点において10個中7個の相関係数値が、ある一定の値(閾値)(例えば0.8以上)を越えている場合ならば、判定部35で良品と判定する、といった判定方法が考えられる。あるいは、10個のうち7個が、前記ある一定の値(閾値)を超えている場合、その開始点が、観測する界面情報を含むと考え(つまり、マスターデータと相関が取れていると考え)、そこから、さらに、ある時間幅の観測地点(例えば10個のうち3番目、8番目の細分化点)での相関係数値を判定部35で判定して、良否判定を行う、といった判定方法も考えられる。
判定方法に関しては、切り取ったマスターデータの種類、長さ、又は、細分化数等、様々な要因から考えて決定していくとよい。
なお、マスターデータは、良品を測定してデータを取得するようにしているが、設計データから計算で求めてマスターデータを取得するようにすることもできる。
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることはもちろんである。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明に係る超音波測定方法及び装置は、観測対象物(被検体物)毎あるいは観測対象領域毎に発生する位相差を解消し、被検体物から取得した超音波波形信号と基準信号とを比較して相対値を得ることにより超音波測定を行なうものである。本発明によれば、振幅強度のみによらず、取得した相対値を利用することにより、良品との比較を行うことができて、自動判定を高精度に行うことができ、微細な厚さを持ちかつ多層の界面を持つ観測対象物に対して、接合剥離又はクラックといった欠陥を高精度に検出し解析する測定方法及び装置として有用である。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。
図1Aは、本発明の第1実施形態における、良否判定を行う超音波測定装置の概略を示す図である。 図1Bは、本発明の第1実施形態における、良否判定を行う超音波測定装置の制御部などのブロック図である。 図1Cは、本発明の第1実施形態における、良否判定を行う超音波測定方法の処理を示すフローチャートである。 図1Dは、本発明の第1実施形態における、良否判定を行う超音波測定方法において長区間マスターデータで判定する方法の処理を示すフローチャートである。 図1Eは、本発明の第1実施形態における、良否判定を行う超音波測定方法において短区間マスターデータで判定する方法の処理を示すフローチャートである。 図1Fは、本発明の第1実施形態における、良否判定を行う超音波測定方法において長区間マスターデータで判定する方法の変形例であって、判定結果に不具合があるときに、短区間マスターデータで判定する方法の処理を示すフローチャートである。 図1Gは、本発明の第1実施形態において走査エリアを説明するため、走査エリアの第1例としてサンプルの全面が走査エリアであるXY平面図である。 図1Hは、本発明の第1実施形態において走査エリアを説明するため、走査エリアの第2例としてサンプル内で複数エリアが走査エリアであるXY平面図である。 図1Iは、本発明の第1実施形態において観測地点を説明するため、1つのサンプル内でも、Z方向の構造が異なれば、複数の観測地点を持つときの説明図である。 図1Jは、本発明の第1実施形態において観測地点を説明するため、観測地点は、6×6の複数の観測ポイントを持つときの説明図である。 図2は、本第1実施形態における、マスターデータを作成するフローチャートである。 図3Aは、本第1実施形態の超音波測定方法において良品のマスターとなるBGAチップ(第1サンプル)の説明図である。 図3Bは、本第1実施形態の超音波測定方法において観測対象物であるBGAチップ(第2サンプル)の説明図である。 図4は、本第1実施形態において、第1サンプルの第1電極及び第2サンプルの第1電極からそれぞれ取得した波形データ例を示す図(縦軸の単位は任意強度値、横軸は時間である。)である。 図5は、本第1実施形態における、長区間マスターデータを用いた判定処理を示すフローチャートである。 図6は、本第1実施形態における、相関係数を用いた判定方法を説明する図(図6の「取得波形」のグラフおよび「マスターデータ」のグラフのそれぞれの縦軸の単位は任意強度値、それぞれの横軸は時間(μs))であり、「相関係数値」のグラフの縦軸は相関値(−1〜1など)であり、横軸はデータ点数mである。)である。 図7Aは、本第1実施形態において、第1サンプルの第2電極(良品)の相関係数波形を示す図である。 図7Bは、本第1実施形態において、第2サンプルの第2電極(不良品)の相関係数波形を示す図である。 図8は、本第2実施形態における、短区間マスターデータを用いた判定処理を示すフローチャートである。 図9は、本第2実施形態における、時間位相補正のための波形切り出しを説明する図(図9の「取得波形」のグラフおよび「マスターデータ」のグラフのそれぞれの縦軸の単位は任意強度値、それぞれの横軸は時間(μs))である。)である。 図10Aは、本第2実施形態における、短区間マスターデータの判定を説明する図であって、切り出した取得波形を細分化した状態の図(縦軸の単位は任意強度値、横軸は時間(μs))である。)である。 図10Bは、本第2実施形態における、短区間マスターデータの判定を説明する図であって、マスターデータ波形を細分化した状態の図(縦軸の単位は任意強度値、横軸は時間(μs))である。)である。 図10Cは、本第2実施形態において時間探索幅を説明するため、長区間マスターデータで一致した時間点mで相関値を計算するときの説明図である(図示を簡略化するために、図10Aのような波形を省略してマスターデータの枠のみ図示しており、実際には、図10Aのような波形がマスターデータの枠内にある。)。 図10Dは、本第2実施形態において時間探索幅を説明するため、図10Cで相関値を計算した後、リトライ判定として、マスターデータMDを時間点mからΔt点だけずらしたときの説明図である(図示を簡略化するために、図10Aのような波形を省略してマスターデータの枠のみ図示しており、実際には、図10Aのような波形がマスターデータの枠内にある。)。 図10Eは、本第2実施形態において時間伸縮率を説明するため、長区間マスターデータで一致した時間点mで相関値を計算するときの説明図である(図示を簡略化するために、図10Aのような波形を省略してマスターデータの枠のみ図示しており、実際には、図10Aのような波形がマスターデータの枠内にある。)。 図10Fは、本第2実施形態において時間伸縮率を説明するため、図10Eで相関値を計算した後、リトライ判定として、マスターデータをX%(Xは予め設定した値である。)時間方向に伸縮して計算を行うときの説明図である(図示を簡略化するために、図10Aのような波形を省略してマスターデータの枠のみ図示しており、実際には、図10Aのような波形がマスターデータの枠内にある。)。 図11Aは、本第2実施形態において、第1サンプルの第2電極(良品)の相関係数波形を示す図である。 図11Bは、本第2実施形態において、第2サンプルの第2電極(不良品)の相関係数波形を示す図である。 図12は、本第3実施形態における、長区間マスターデータによる時間位相補正を利用したゲート法による判定処理を示すフローチャートである。 図13は、本第3実施形態における、マスターデータからのゲート設定方法を説明する図(縦軸の単位は任意強度値、横軸は時間(μs))である。)である。 図14は、本第4実施形態における、時間位相補正を行わない短区間マスターデータによる判定方法を説明する図(縦軸の単位は任意強度値、横軸は時間(μs))である。)である。 図15は、従来の超音波測定装置の基本的な構成を示す図である。 図16は、超音波探傷における反射波の波形例を示す図である。 図17Aは、水槽の水中に配置された観測対象物の例を示す図である。 図17Bは、観測対象物に対する超音波の経路を説明するための図である。 図18は、別の観測対象物の例を示す図である。 図19は、サンプル毎に表面トリガ以降で時間位相差の発生を説明する図である。 図20Aは、インターポーザー層がガラスエポキシ樹脂のときの半導体チップのCスコープ画像を示す図である。 図20Bは、インターポーザー層がガラスエポキシ樹脂のときの半導体チップの図20AのA−A’線の断面部分でのBスコープ画像を示す図である。 図21は、一定時間経過後における波形差の発生を示す図である。

Claims (3)

  1. 複数の界面を有する被検体物に超音波を照射して発生する波形信号を検出して前記被検体物の境界面の接合状態を観測する超音波測定方法において、
    前記超音波を照射する方向と直交するXY平面内のある特定領域で断面構造、材質、及び、厚さが前記被検体物と同一の基準物体の観測地点毎に、前記基準物体の波形信号の全体あるいは前記基準物体の界面部付近から観測された波形信号を基準信号としてそれぞれ基準信号記憶部に保存し、
    前記基準物体の前記観測地点に対応する前記被検体物の観測地点でかつ予め既知の厚みと超音波の音速から発生時間領域が限定できる観測対象の界面部付近で取得された超音波波形信号を演算部で取得し、
    前記被検体物から取得した前記超音波波形信号と前記基準信号とを比較演算して相対値を求めることにより前記境界面の接合状態を前記演算部で観測するに際し、
    前記複数の界面を有する前記被検体物に超音波を照射し、前記被検体物から観測された波形信号と前記基準信号との間で比較演算処理を前記演算部で行い、2つの波形信号が最も一致した点を基準点として、観測された波形信号毎に発生する時間位相差を前記演算部で補正した後に、予め指定している前記XY平面内で、所定の時間領域内の波形成分を比較して判定部で良否判定を行う、超音波測定方法。
  2. 前記複数の界面を有する前記被検体物に超音波を照射し、前記被検体物から観測された波形信号と前記基準信号とを時間方向に複数の領域にそれぞれ分割して得られた短区間領域波形信号と短区間領域基準信号との間で比較演算処理を前記演算部でそれぞれ行い、それぞれの領域での演算結果の値を判定部で比較する請求項1に記載の超音波測定方法。
  3. 複数の界面を有する被検体物に超音波を照射して前記被検体物から発生する波形信号を検出して前記被検体物の境界面の接合状態を観測する超音波測定装置において、
    前記被検体物に超音波を照射して前記被検体物から発生する波形信号を検出する超音波送受信装置と、
    前記超音波を照射する方向と直交するXY平面内のある特定領域で断面構造、材質、及び、厚さが前記被検体物と同一の基準物体の観測地点毎に、前記基準物体の波形信号の全体あるいは前記基準物体の界面部付近から観測された波形信号を基準信号としてそれぞれ保存する基準信号記憶部と、
    前記基準物体の前記観測地点に対応する前記被検体物の観測地点でかつ予め既知の厚みと超音波の音速から発生時間領域が限定できる観測対象の界面部付近で取得された超音波波形信号を取得するとともに、前記被検体物から取得した前記超音波波形信号と前記基準信号とを比較演算して相対値を求めることにより前記境界面の接合状態を観測する演算部とを備え、
    前記演算部は、前記複数の界面を有する前記被検体物に超音波を照射して前記被検体物から観測された波形信号と前記基準信号との間で比較演算処理を行い、2つの波形信号が最も一致した点を基準点として、観測された波形信号毎に発生する時間位相差を補正する一方、
    前記演算部で時間位相差を補正した後に、予め指定している前記XY平面内で、所定の時間領域内の波形成分を比較して良否判定を行う判定部をさらに備える超音波測定装置。
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