JP2001272339A - 多層成形品の検査方法及び装置 - Google Patents
多層成形品の検査方法及び装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数の層からなる多層成形品の成形状態の検
査を、非破壊、非接触、高速に行う。 【解決手段】複数の材料を積層した構造を含んで構成さ
れる成形品の検査方法であって、検査対象品に赤外光を
照射し、該検査対象品を反射或いは透過した光を受光す
る受光工程と、受光した光を分光する分光工程と、分光
された光をエネルギーの強度を表す電気信号に変換する
光電変換工程と、該電気信号に基づいて検査対象品の吸
収スペクトルを計測し、その計測結果を保持するデータ
保持工程と、検査対象品の吸収スペクトルと、予め計測
され保持されている基準品の吸収スペクトルとを比較
し、双方の吸収スペクトルの差異に基づいて検査対象品
の成形状態を判定する比較判定工程と、を順次含む。
査を、非破壊、非接触、高速に行う。 【解決手段】複数の材料を積層した構造を含んで構成さ
れる成形品の検査方法であって、検査対象品に赤外光を
照射し、該検査対象品を反射或いは透過した光を受光す
る受光工程と、受光した光を分光する分光工程と、分光
された光をエネルギーの強度を表す電気信号に変換する
光電変換工程と、該電気信号に基づいて検査対象品の吸
収スペクトルを計測し、その計測結果を保持するデータ
保持工程と、検査対象品の吸収スペクトルと、予め計測
され保持されている基準品の吸収スペクトルとを比較
し、双方の吸収スペクトルの差異に基づいて検査対象品
の成形状態を判定する比較判定工程と、を順次含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層フィルム、多
層プリント基板、多層構造容器など、複数種類の材料か
らなる多層構造の成形品の製造工程における検査方法及
び装置に関する。
層プリント基板、多層構造容器など、複数種類の材料か
らなる多層構造の成形品の製造工程における検査方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物性の異なる複数の材料を所定の厚みに
積層した構造を含んで構成される成形品は、単一材料で
は有し得ない物性的特徴を有するものである。よって、
各層が所定の厚みでなかったり欠如している場合は、目
的とする物性的特徴を得る事ができないので、製造工程
における各層の成形状態の検査が重要となっている。
積層した構造を含んで構成される成形品は、単一材料で
は有し得ない物性的特徴を有するものである。よって、
各層が所定の厚みでなかったり欠如している場合は、目
的とする物性的特徴を得る事ができないので、製造工程
における各層の成形状態の検査が重要となっている。
【0003】従来の検査方法としては、比較的透明性の
高い多層成形品の場合、検査対象品に照明を当て、各層
における透過光の屈折の仕方や色合い等を目視で検査す
る方法が一般的であった。又、不透明な多層形成品の場
合は、多数の検査対象物の中からサンプルを抽出し、そ
れを切断して各層の成形具合を目視する方法が一般的で
あった。
高い多層成形品の場合、検査対象品に照明を当て、各層
における透過光の屈折の仕方や色合い等を目視で検査す
る方法が一般的であった。又、不透明な多層形成品の場
合は、多数の検査対象物の中からサンプルを抽出し、そ
れを切断して各層の成形具合を目視する方法が一般的で
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、不透明なもの
については、破壊検査であるため全品を検査することが
できないし、透明なものについては、検査対象物を直接
目視して判断するので正確な検査結果が得られず、検査
に膨大な時間を要するという問題があった。
については、破壊検査であるため全品を検査することが
できないし、透明なものについては、検査対象物を直接
目視して判断するので正確な検査結果が得られず、検査
に膨大な時間を要するという問題があった。
【0005】そこで、本発明は、検査対象品に赤外光を
照射し、その反射光或いは透過光を分光した後にその吸
収スペクトルを計測し、予め計測されマスタデータとし
て登録されている基準品の吸収スペクトルとの比較をす
ることによって、検査対象品の成形状態(即ち、材料各
層の厚さの適否、層の欠如の有無、気泡や空洞の有無、
材料の組成等)の検査を、非破壊、非接触、高速に行う
ことを可能とする多層成形品の検査方法及び装置の提供
を目的とする。
照射し、その反射光或いは透過光を分光した後にその吸
収スペクトルを計測し、予め計測されマスタデータとし
て登録されている基準品の吸収スペクトルとの比較をす
ることによって、検査対象品の成形状態(即ち、材料各
層の厚さの適否、層の欠如の有無、気泡や空洞の有無、
材料の組成等)の検査を、非破壊、非接触、高速に行う
ことを可能とする多層成形品の検査方法及び装置の提供
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決する為
に、請求項1に記載の多層成形品の検査方法は、複数の
材料を積層した構造を含む成形品の検査方法であって、
検査対象品に赤外光を照射し、該検査対象品を反射或い
は透過した光を受光する受光工程と、受光した光を分光
する分光工程と、分光された光をエネルギーの強度を表
す電気信号に変換する光電変換工程と、該電気信号に基
づいて検査対象品の吸収スペクトルを計測し、その計測
結果を保持するデータ保持工程と、検査対象品の吸収ス
ペクトルと、予め計測され保持されている基準品の吸収
スペクトルとを比較し、双方の吸収スペクトルの差異に
基づいて検査対象品の成形状態を判定する比較判定工程
と、を順次含む。
に、請求項1に記載の多層成形品の検査方法は、複数の
材料を積層した構造を含む成形品の検査方法であって、
検査対象品に赤外光を照射し、該検査対象品を反射或い
は透過した光を受光する受光工程と、受光した光を分光
する分光工程と、分光された光をエネルギーの強度を表
す電気信号に変換する光電変換工程と、該電気信号に基
づいて検査対象品の吸収スペクトルを計測し、その計測
結果を保持するデータ保持工程と、検査対象品の吸収ス
ペクトルと、予め計測され保持されている基準品の吸収
スペクトルとを比較し、双方の吸収スペクトルの差異に
基づいて検査対象品の成形状態を判定する比較判定工程
と、を順次含む。
【0007】請求項2に記載の多層成形品の検査方法
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、該スペクトル値の平均値及び標準偏差を求
め、波長区分毎のスペクトル値と前記平均値との差を前
記標準偏差で除算することによって正規化スペクトル値
を夫々求め、検査対象品の正規化スペクトル値と基準品
の正規化スペクトル値との積和平均をとることで相関係
数を求め、該相関係数と予め設定された閾値とを比較
し、該閾値を上回る場合は検査対象品の成形状態が良好
と判断し、該閾値以下の場合は不良と判定をする。
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、該スペクトル値の平均値及び標準偏差を求
め、波長区分毎のスペクトル値と前記平均値との差を前
記標準偏差で除算することによって正規化スペクトル値
を夫々求め、検査対象品の正規化スペクトル値と基準品
の正規化スペクトル値との積和平均をとることで相関係
数を求め、該相関係数と予め設定された閾値とを比較
し、該閾値を上回る場合は検査対象品の成形状態が良好
と判断し、該閾値以下の場合は不良と判定をする。
【0008】請求項3に記載の多層成形品の検査方法
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、1つの波長区分のスペクトル値とその隣接波
長区分のスペクトル値との差を差分スペクトル値として
区分間毎に求め、該差分スペクトル値の平均値及び標準
偏差を求め、区分間毎の差分スペクトル値と前記平均値
との差を前記標準偏差で除算することによって正規化差
分スペクトル値を夫々求め、検査対象品の正規化差分ス
ペクトル値と基準品の正規化差分スペクトル値との積和
平均をとることで相関係数を求め、該相関係数と予め設
定された閾値とを比較し、該閾値を上回る場合は検査対
象品の成形状態が良好と判断し、該閾値以下の場合は不
良と判定をする。
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、1つの波長区分のスペクトル値とその隣接波
長区分のスペクトル値との差を差分スペクトル値として
区分間毎に求め、該差分スペクトル値の平均値及び標準
偏差を求め、区分間毎の差分スペクトル値と前記平均値
との差を前記標準偏差で除算することによって正規化差
分スペクトル値を夫々求め、検査対象品の正規化差分ス
ペクトル値と基準品の正規化差分スペクトル値との積和
平均をとることで相関係数を求め、該相関係数と予め設
定された閾値とを比較し、該閾値を上回る場合は検査対
象品の成形状態が良好と判断し、該閾値以下の場合は不
良と判定をする。
【0009】請求項4に記載の多層成形品の検査方法
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、該スペクトル値の平均値及び標準偏差を求
め、波長区分毎のスペクトル値と前記平均値との差を前
記標準偏差で除算することによって正規化スペクトル値
を夫々求め、検査対象品の正規化スペクトル値と基準品
の正規化スペクトル値との差の2乗和平均をとることで
相関係数を求め、該相関係数と予め設定された閾値とを
比較し、該閾値を下回る場合は、成形状態が良好と判断
し、該閾値以上の場合は不良と判定をする。
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、該スペクトル値の平均値及び標準偏差を求
め、波長区分毎のスペクトル値と前記平均値との差を前
記標準偏差で除算することによって正規化スペクトル値
を夫々求め、検査対象品の正規化スペクトル値と基準品
の正規化スペクトル値との差の2乗和平均をとることで
相関係数を求め、該相関係数と予め設定された閾値とを
比較し、該閾値を下回る場合は、成形状態が良好と判断
し、該閾値以上の場合は不良と判定をする。
【0010】請求項5に記載の多層成形品の検査方法
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、1つの波長区分のスペクトル値とその隣接波
長区分のスペクトル値との差を差分スペクトル値として
区分間毎に求め、該差分スペクトル値の平均値及び標準
偏差を求め、差分スペクトル値と前記平均値との差を前
記標準偏差で除算することによって正規化差分スペクト
ル値を区分間毎に求め、検査対象品の正規化差分スペク
トル値と基準品の正規化差分スペクトル値との差の2乗
和平均をとることで相関係数を求め、該相関係数と予め
設定された閾値とを比較し、該閾値を下回る場合は、検
査対象品の成形状態が良好と判断し、該閾値以上の場合
は不良と判定をする。
は、前記データ保持工程は、吸収スペクトルの計測結果
を波長区分毎のスペクトル値として保持し、前記比較判
定工程は、1つの波長区分のスペクトル値とその隣接波
長区分のスペクトル値との差を差分スペクトル値として
区分間毎に求め、該差分スペクトル値の平均値及び標準
偏差を求め、差分スペクトル値と前記平均値との差を前
記標準偏差で除算することによって正規化差分スペクト
ル値を区分間毎に求め、検査対象品の正規化差分スペク
トル値と基準品の正規化差分スペクトル値との差の2乗
和平均をとることで相関係数を求め、該相関係数と予め
設定された閾値とを比較し、該閾値を下回る場合は、検
査対象品の成形状態が良好と判断し、該閾値以上の場合
は不良と判定をする。
【0011】請求項6に記載の多層成形品の検査方法
は、前記受光工程は、検査対象品の検査領域の全域を走
査することによって該検査領域内の複数の受光箇所で光
を受光し、前記比較判定工程は、夫々の光に基づいて夫
々の箇所における成形状態の良否を判定し、夫々の受光
箇所の良否結果に基づき、検査対象品の総合的な成形状
態の判断を行う。
は、前記受光工程は、検査対象品の検査領域の全域を走
査することによって該検査領域内の複数の受光箇所で光
を受光し、前記比較判定工程は、夫々の光に基づいて夫
々の箇所における成形状態の良否を判定し、夫々の受光
箇所の良否結果に基づき、検査対象品の総合的な成形状
態の判断を行う。
【0012】請求項7に記載の多層成形品の検査方法
は、前記比較判定工程は、前記検査領域の全ての受光箇
所についての基準品の吸収スペクトルを、夫々の受光箇
所と関係づけて表したマスタデータを予め作成してお
き、検査対象品の受光箇所に対応する基準品の受光箇所
の吸収スペクトルを、前記マスタデータから随時引き出
して、当該受光箇所における検査対象品と基準品との吸
収スペクトルの差異を比較する。
は、前記比較判定工程は、前記検査領域の全ての受光箇
所についての基準品の吸収スペクトルを、夫々の受光箇
所と関係づけて表したマスタデータを予め作成してお
き、検査対象品の受光箇所に対応する基準品の受光箇所
の吸収スペクトルを、前記マスタデータから随時引き出
して、当該受光箇所における検査対象品と基準品との吸
収スペクトルの差異を比較する。
【0013】請求項8に記載の多層成形品の検査装置
は、検査対象品に赤外光を照射する照射装置と、検査対
象品を反射或いは透過した光を受光する受光装置と、受
光した光を分光する分光装置と、分光された光をエネル
ギーの強度を表す電気信号に変換する光電変換装置と、
該電気信号に基づいて検査対象品の吸収スペクトルを計
測し、計測結果を保持するデータ保持手段と、検査対象
品の吸収スペクトルと予め計測されている基準品の吸収
スペクトルとを比較し、吸収スペクトルの差異に基づい
て検査対象品の成形状態を判定する比較判定手段と、を
含む。
は、検査対象品に赤外光を照射する照射装置と、検査対
象品を反射或いは透過した光を受光する受光装置と、受
光した光を分光する分光装置と、分光された光をエネル
ギーの強度を表す電気信号に変換する光電変換装置と、
該電気信号に基づいて検査対象品の吸収スペクトルを計
測し、計測結果を保持するデータ保持手段と、検査対象
品の吸収スペクトルと予め計測されている基準品の吸収
スペクトルとを比較し、吸収スペクトルの差異に基づい
て検査対象品の成形状態を判定する比較判定手段と、を
含む。
【0014】請求項9に記載の多層成形品の検査装置
は、前記検査対象品、及び前記照射装置と前記受光装置
との組み合わせの一方又は双方は、検査対象品の検査領
域を走査可能に構成され、前記受光装置は、検査対象品
の複数の受光箇所から光を受光する構成で、前記判定手
段は、受光した夫々の光に基づいて夫々の受光箇所にお
ける成形状態を判定し、夫々の受光箇所の判定結果に基
づいて検査対象品の総合的な成形状態の判定を行う構成
である。
は、前記検査対象品、及び前記照射装置と前記受光装置
との組み合わせの一方又は双方は、検査対象品の検査領
域を走査可能に構成され、前記受光装置は、検査対象品
の複数の受光箇所から光を受光する構成で、前記判定手
段は、受光した夫々の光に基づいて夫々の受光箇所にお
ける成形状態を判定し、夫々の受光箇所の判定結果に基
づいて検査対象品の総合的な成形状態の判定を行う構成
である。
【0015】請求項10に記載の多層成形品の検査装置
は、前記比較判定手段は、前記検査領域の全ての受光箇
所についての基準品の吸収スペクトルを夫々の受光箇所
と関係づけて表したマスタデータを保持し、検査対象品
の受光箇所に対応する基準品の受光箇所の吸収スペクト
ルを前記マスタデータから随時引き出して、吸収スペク
トルの差異を比較する構成である。
は、前記比較判定手段は、前記検査領域の全ての受光箇
所についての基準品の吸収スペクトルを夫々の受光箇所
と関係づけて表したマスタデータを保持し、検査対象品
の受光箇所に対応する基準品の受光箇所の吸収スペクト
ルを前記マスタデータから随時引き出して、吸収スペク
トルの差異を比較する構成である。
【0016】
【本発明の作用及び効果】請求項1及び請求項8に係る
発明は、多層成形品について、その成形状態を検査する
方法及び装置に関するものである。尚、多層成形品と
は、複数種類の材料を積層した多層構造を含んで構成さ
れる成形品をいう。
発明は、多層成形品について、その成形状態を検査する
方法及び装置に関するものである。尚、多層成形品と
は、複数種類の材料を積層した多層構造を含んで構成さ
れる成形品をいう。
【0017】この検査方法における受光工程では、先
ず、照射装置によって検査対象品に赤外光を照射する。
照射された赤外光は検査対象品を反射或いは透過し、そ
の反射或いは透過した光を受光装置が受光する。赤外光
を照射することとしたのは、物質の構成分子や官能基が
吸収する光(即ち、分子等における原子間結合の振動と
同一振動数の光(原音)、或いは整数倍の振動数の光
(倍音)、複数種の前記振動数の和を振動数とする光
(結合音))は、赤外光の波長領域に多く存在するから
である。
ず、照射装置によって検査対象品に赤外光を照射する。
照射された赤外光は検査対象品を反射或いは透過し、そ
の反射或いは透過した光を受光装置が受光する。赤外光
を照射することとしたのは、物質の構成分子や官能基が
吸収する光(即ち、分子等における原子間結合の振動と
同一振動数の光(原音)、或いは整数倍の振動数の光
(倍音)、複数種の前記振動数の和を振動数とする光
(結合音))は、赤外光の波長領域に多く存在するから
である。
【0018】分光工程では、受光された光を分光装置に
よって分光する。光電変換工程では、分光された光を光
電変換装置によって、その光のエネルギーの強度を表す
電気信号に変換する。
よって分光する。光電変換工程では、分光された光を光
電変換装置によって、その光のエネルギーの強度を表す
電気信号に変換する。
【0019】データ保持工程では、その電気信号に基づ
いて検査対象品の吸収スペクトルを計測し、計測結果を
保持する。尚、吸収スペクトルの計測結果は、波形等の
アナログデータ、スペクトル値等の数値データ等、何れ
の形式で保持されていてもよい。
いて検査対象品の吸収スペクトルを計測し、計測結果を
保持する。尚、吸収スペクトルの計測結果は、波形等の
アナログデータ、スペクトル値等の数値データ等、何れ
の形式で保持されていてもよい。
【0020】そして、保持されている検査対象品の吸収
スペクトルと、予め計測され保持されている基準品の吸
収スペクトルとの比較を行い、両者の吸収スペクトルの
差異に基づいて検査対象品の成形状態を判定する。即
ち、基準品を良品とした場合は、差異が小さい程、成形
状態が良好と判断され、大きい程、成形状態が不良と判
断される。尚、基準品の吸収スペクトルとは、良否判定
の基準とされる多層成形品ついて、前記の各工程を施す
ことによって計測され、マスタデータとして予め登録さ
れているものである。吸収スペクトルの比較及び成形状
態の良否判定は、目視等によって行っても、或いはコン
ピュータ等による数値解析によって行っても良い。
スペクトルと、予め計測され保持されている基準品の吸
収スペクトルとの比較を行い、両者の吸収スペクトルの
差異に基づいて検査対象品の成形状態を判定する。即
ち、基準品を良品とした場合は、差異が小さい程、成形
状態が良好と判断され、大きい程、成形状態が不良と判
断される。尚、基準品の吸収スペクトルとは、良否判定
の基準とされる多層成形品ついて、前記の各工程を施す
ことによって計測され、マスタデータとして予め登録さ
れているものである。吸収スペクトルの比較及び成形状
態の良否判定は、目視等によって行っても、或いはコン
ピュータ等による数値解析によって行っても良い。
【0021】このように、検査対象品に赤外光を照射
し、その反射光又は透過光を波長毎のエネルギーの強度
信号として表し、その電気信号から検査対象品の吸収ス
ペクトルを計測し、その計測結果とマスタデータ(即
ち、基準品の吸収スペクトル)との差異を比較すること
によって、客観的且つ正確な良否判定が可能となる。
又、検査対象品を破壊することなく、非接触、高速な検
査が可能となる。
し、その反射光又は透過光を波長毎のエネルギーの強度
信号として表し、その電気信号から検査対象品の吸収ス
ペクトルを計測し、その計測結果とマスタデータ(即
ち、基準品の吸収スペクトル)との差異を比較すること
によって、客観的且つ正確な良否判定が可能となる。
又、検査対象品を破壊することなく、非接触、高速な検
査が可能となる。
【0022】これによって、例えば、材料各層を同じ厚
みに形成すべきところ各層の厚みが異なる、各層を所定
の厚み比率に形成すべきところ該厚み比率と異なる、多
層成形品の全ての検査箇所において厚み比率が均一にな
るように形成すべきところ不均一な箇所が存在する、或
いは層の欠如等、層の形成不良を発見することができ、
材料の組成や多層成形品の成形状態の検査ができる。こ
れによって、成形条件へのフィードバックも期待でき
る。
みに形成すべきところ各層の厚みが異なる、各層を所定
の厚み比率に形成すべきところ該厚み比率と異なる、多
層成形品の全ての検査箇所において厚み比率が均一にな
るように形成すべきところ不均一な箇所が存在する、或
いは層の欠如等、層の形成不良を発見することができ、
材料の組成や多層成形品の成形状態の検査ができる。こ
れによって、成形条件へのフィードバックも期待でき
る。
【0023】請求項2〜4に係る発明は、検査対象品及
び基準品の吸収スペクトルの計測結果を波長区分毎にス
ペクトル値として表し、このスペクトル値に対して一連
の演算を施し、その演算結果に基づいて成形状態の良否
を判定するものである。
び基準品の吸収スペクトルの計測結果を波長区分毎にス
ペクトル値として表し、このスペクトル値に対して一連
の演算を施し、その演算結果に基づいて成形状態の良否
を判定するものである。
【0024】即ち、波長区分毎に計測されたスペクトル
値を正規化し、正規化されたスペクトル値を基に検査対
象品と基準品とのスペクトルの差異を相関係数として表
し、その相関係数と閾値とを照合することによって各層
の成形状態の良否判断をすることとした。尚、正規化さ
れたスペクトル値とは、各層の材料固有のスペクトル値
(即ち、単一層の成形品に対して請求項1に記載の各工
程を施すことによって得られたスペクトル値)を各層の
厚み比率に応じて合成した値に相当し、材料各層の厚み
比率を数値化したものである。
値を正規化し、正規化されたスペクトル値を基に検査対
象品と基準品とのスペクトルの差異を相関係数として表
し、その相関係数と閾値とを照合することによって各層
の成形状態の良否判断をすることとした。尚、正規化さ
れたスペクトル値とは、各層の材料固有のスペクトル値
(即ち、単一層の成形品に対して請求項1に記載の各工
程を施すことによって得られたスペクトル値)を各層の
厚み比率に応じて合成した値に相当し、材料各層の厚み
比率を数値化したものである。
【0025】スペクトル値の正規化について、請求項2
及び請求項4に係る発明では、波長区分毎のスペクトル
値の平均値及び標準偏差を算出し、スペクトル値と前記
平均値との差を前記標準偏差で除算することによって、
正規化スペクトル値を求めることとした。
及び請求項4に係る発明では、波長区分毎のスペクトル
値の平均値及び標準偏差を算出し、スペクトル値と前記
平均値との差を前記標準偏差で除算することによって、
正規化スペクトル値を求めることとした。
【0026】請求項3及び請求項5の発明では、各波長
区分のスペクトル値とその隣接波長区分のスペクトル値
との差である差分スペクトル値について同様の演算をす
ることによって、正規化差分スペクトル値を求めること
とした。スペクトル値の差分を基に相関係数を求めたの
で、多層構造成形品自体の厚みが部分によって異なる
(即ち、平坦でない場合)でも、安定した検査が可能とな
る。けだし、平坦でない検査対象品については、照射装
置、検査対象品及び受光装置間の位置関係が検査対象品
の受光箇所に応じて変化し、スペクトル値のベースライ
ンも変化する為、かかるスペクトル値を基に相関係数を
求めたのでは、正しい検査結果が得られないからであ
る。
区分のスペクトル値とその隣接波長区分のスペクトル値
との差である差分スペクトル値について同様の演算をす
ることによって、正規化差分スペクトル値を求めること
とした。スペクトル値の差分を基に相関係数を求めたの
で、多層構造成形品自体の厚みが部分によって異なる
(即ち、平坦でない場合)でも、安定した検査が可能とな
る。けだし、平坦でない検査対象品については、照射装
置、検査対象品及び受光装置間の位置関係が検査対象品
の受光箇所に応じて変化し、スペクトル値のベースライ
ンも変化する為、かかるスペクトル値を基に相関係数を
求めたのでは、正しい検査結果が得られないからであ
る。
【0027】又、相関係数とは、請求項2及び請求項3
の発明では、検査対象品の正規化スペクトル値と基準品
の正規化スペクトル値との積の平均値をいう。請求項4
及び請求項5の発明では、検査対象品の正規化スペクト
ル値と基準品の正規化スペクトル値との差を2乗した値
の平均値をいう。
の発明では、検査対象品の正規化スペクトル値と基準品
の正規化スペクトル値との積の平均値をいう。請求項4
及び請求項5の発明では、検査対象品の正規化スペクト
ル値と基準品の正規化スペクトル値との差を2乗した値
の平均値をいう。
【0028】このように、検査対象品と基準品との吸収
スペクトルを数値データとして表し、その数値データに
対して所定の演算を施すことによって得た相関係数を所
定の閾値と比較することによって、細部の比較が可能と
なり、客観的且つ正確な判定結果を得ることができる。
又、数値データによって比較・判定するので、コンピュ
ータ等による機械的処理が可能となり、より高速且つ正
確な検査が可能となる。
スペクトルを数値データとして表し、その数値データに
対して所定の演算を施すことによって得た相関係数を所
定の閾値と比較することによって、細部の比較が可能と
なり、客観的且つ正確な判定結果を得ることができる。
又、数値データによって比較・判定するので、コンピュ
ータ等による機械的処理が可能となり、より高速且つ正
確な検査が可能となる。
【0029】請求項6及び請求項9に係る発明は、検査
対象品の検査領域全域を走査して複数の受光箇所で光を
受光し、夫々の光について上記の検査方法を行って当該
箇所の成形状態の良否を判定し、不良箇所の数、或いは
受光箇所数と夫々の箇所における良否程度との相関等に
より製品としての良否を判断する。
対象品の検査領域全域を走査して複数の受光箇所で光を
受光し、夫々の光について上記の検査方法を行って当該
箇所の成形状態の良否を判定し、不良箇所の数、或いは
受光箇所数と夫々の箇所における良否程度との相関等に
より製品としての良否を判断する。
【0030】このように、複数箇所から得た光の情報を
基に成形状態の良否判定を行うので、局所的な欠陥を看
過することがなく、検査対象品全体についての総合的な
良否判定が可能となる。
基に成形状態の良否判定を行うので、局所的な欠陥を看
過することがなく、検査対象品全体についての総合的な
良否判定が可能となる。
【0031】請求項7及び請求項10に係る発明は、検
査対象品の受光箇所に対応する基準品の吸収スペクトル
をスペクトルマップ(マスタデータ)から随時引き出
し、それを比較対象として良否判定を行うこととした。
スペクトルマップとは、検査領域内の全ての受光箇所に
おける基準品の吸収スペクトルを予め計測し、計測した
夫々の吸収スペクトルを受光箇所と関係づけて表したマ
スタデータであり、層の厚みや厚み比率等が部分的に異
なるように成形された多層成形品(即ち、基準品の吸収
スペクトル自体が受光箇所によって相違している場合)
の検査に有用である。スペクトルマップを予め作成して
おくことによって、検査対象品と基準品との受光箇所の
対応付けが容易になり、比較対象となる吸収スペクトル
の抽出が容易になる。
査対象品の受光箇所に対応する基準品の吸収スペクトル
をスペクトルマップ(マスタデータ)から随時引き出
し、それを比較対象として良否判定を行うこととした。
スペクトルマップとは、検査領域内の全ての受光箇所に
おける基準品の吸収スペクトルを予め計測し、計測した
夫々の吸収スペクトルを受光箇所と関係づけて表したマ
スタデータであり、層の厚みや厚み比率等が部分的に異
なるように成形された多層成形品(即ち、基準品の吸収
スペクトル自体が受光箇所によって相違している場合)
の検査に有用である。スペクトルマップを予め作成して
おくことによって、検査対象品と基準品との受光箇所の
対応付けが容易になり、比較対象となる吸収スペクトル
の抽出が容易になる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1に示す本発明の第一実施形態
に係る多層成形品の検査装置1は、照射装置2としての
光源2a、投光用光ファイバ2b及び投光ヘッド2cと、受光
装置3としての受光ヘッド3a及び受光用光ファイバ3b
と、分光装置4と、光電変換装置5と、データ保持手
段、比較判定手段としてのプロセッサ6とを含んで構成
され、検査対象品7の吸収スペクトルと基準品の吸収ス
ペクトルとの差異を解析することによって、検査対象品
7の成形状態の良否を局所的に判定するものである。
に係る多層成形品の検査装置1は、照射装置2としての
光源2a、投光用光ファイバ2b及び投光ヘッド2cと、受光
装置3としての受光ヘッド3a及び受光用光ファイバ3b
と、分光装置4と、光電変換装置5と、データ保持手
段、比較判定手段としてのプロセッサ6とを含んで構成
され、検査対象品7の吸収スペクトルと基準品の吸収ス
ペクトルとの差異を解析することによって、検査対象品
7の成形状態の良否を局所的に判定するものである。
【0033】光源2aは、ハロゲンランプを内蔵し、赤外
光を放射する。尚、赤外光は、中赤外領域(波長2.5
〜10μm)のものであっても可能ではあるが、物質に
対する光の透過性、及び受光素子の扱い易さ等を考慮す
れば近赤外領域(波長0.8〜2.5μm)のものが望
ましい。投光用光ファイバ2bは、光源から放射された赤
外光を投光ヘッド2cに伝達する。投光ヘッド2cは、検査
対象品7に向けて赤外光を照射する。受光ヘッド3aは、
検査対象品7を透過した光の進路上に配置されており、
該透過光を受光する。ここでは透過光を受光する場合を
示すが、反射光を受光する構成としてもよい。受光用光
ファイバ3bは、受光した光を分光器等の分光装置4に伝
達する。分光装置4は、受光した光を赤外領域において
分光する。
光を放射する。尚、赤外光は、中赤外領域(波長2.5
〜10μm)のものであっても可能ではあるが、物質に
対する光の透過性、及び受光素子の扱い易さ等を考慮す
れば近赤外領域(波長0.8〜2.5μm)のものが望
ましい。投光用光ファイバ2bは、光源から放射された赤
外光を投光ヘッド2cに伝達する。投光ヘッド2cは、検査
対象品7に向けて赤外光を照射する。受光ヘッド3aは、
検査対象品7を透過した光の進路上に配置されており、
該透過光を受光する。ここでは透過光を受光する場合を
示すが、反射光を受光する構成としてもよい。受光用光
ファイバ3bは、受光した光を分光器等の分光装置4に伝
達する。分光装置4は、受光した光を赤外領域において
分光する。
【0034】光電変換装置5は、n個の赤外光電変換素
子を直線的に配置したリニアアレイであり、赤外光電変
換素子が分光された光を受光して、その光のエネルギー
を光強度に基づくアナログ電気信号に変換する構成であ
る。
子を直線的に配置したリニアアレイであり、赤外光電変
換素子が分光された光を受光して、その光のエネルギー
を光強度に基づくアナログ電気信号に変換する構成であ
る。
【0035】プロセッサ6は、A/D変換器6aと、CP
U6bと、揮発性メモリ6cと、不揮発性メモリ6dと、を含
んで構成される。A/D変換器6aは、光電変換装置5か
らのアナログ電気信号をn個の波長区分に分け、波長区
分毎にデジタル信号に変換する。CPU6bは、A/D変
換装置によって得られたn個のデジタル信号に基づいて
所定の処理を行うことで検査対象品7の成形状態を判定
する。揮発性メモリメモリ6cは、CPU6bにおける一連
の処理結果を随時記憶する。不揮発性メモリ6dには、基
準品の吸収スペクトルに関する情報がマスタデータとし
て保存されている。このマスタデータは、検査対象品7
の吸収スペクトルとの比較対象にされるものであり、後
述する検査対象品7の吸収スペクトルの計測方法と同一
の方法によって予め計測された値(後述の正規化差分ス
ペクトル値)である。
U6bと、揮発性メモリ6cと、不揮発性メモリ6dと、を含
んで構成される。A/D変換器6aは、光電変換装置5か
らのアナログ電気信号をn個の波長区分に分け、波長区
分毎にデジタル信号に変換する。CPU6bは、A/D変
換装置によって得られたn個のデジタル信号に基づいて
所定の処理を行うことで検査対象品7の成形状態を判定
する。揮発性メモリメモリ6cは、CPU6bにおける一連
の処理結果を随時記憶する。不揮発性メモリ6dには、基
準品の吸収スペクトルに関する情報がマスタデータとし
て保存されている。このマスタデータは、検査対象品7
の吸収スペクトルとの比較対象にされるものであり、後
述する検査対象品7の吸収スペクトルの計測方法と同一
の方法によって予め計測された値(後述の正規化差分ス
ペクトル値)である。
【0036】この検査装置1を使用して、多層成形品を
検査する方法を説明する。先ず、検査対象品7を赤外光
を透過するガラステーブル8上に置き、照射装置2によ
って、ガラステーブルの下から検査対象品7に向けて赤
外光を照射する。
検査する方法を説明する。先ず、検査対象品7を赤外光
を透過するガラステーブル8上に置き、照射装置2によ
って、ガラステーブルの下から検査対象品7に向けて赤
外光を照射する。
【0037】検査対象品7を透過した光は受光装置3に
よって受光され、分光装置4にて分光された後に、光電
変換装置5の各光電変換素子に受光される。光電変換装
置5は、各波長区分毎の光のエネルギー強度を示すアナ
ログ電気信号を生成する。
よって受光され、分光装置4にて分光された後に、光電
変換装置5の各光電変換素子に受光される。光電変換装
置5は、各波長区分毎の光のエネルギー強度を示すアナ
ログ電気信号を生成する。
【0038】光電変換装置5によって生成されたアナロ
グ電気信号から検査対象品7の吸収スペクトルを計測す
るが、その際の計測結果はプロセッサ6内のA/D変換
装置6aでデジタル信号に変換され、スペクトル値として
数値化され揮発性メモリ6c内に保持される。
グ電気信号から検査対象品7の吸収スペクトルを計測す
るが、その際の計測結果はプロセッサ6内のA/D変換
装置6aでデジタル信号に変換され、スペクトル値として
数値化され揮発性メモリ6c内に保持される。
【0039】以下、プロセッサ6内での処理を説明す
る。プロセッサ6内に入力された各波長区分に対応した
光のエネルギーの強度を示すアナログ電気信号は、A/
D変換装置6aによって、n個の波長区分毎にデジタル化
されたスペクトル値Si(i=1,2,…,n)に変換される。
る。プロセッサ6内に入力された各波長区分に対応した
光のエネルギーの強度を示すアナログ電気信号は、A/
D変換装置6aによって、n個の波長区分毎にデジタル化
されたスペクトル値Si(i=1,2,…,n)に変換される。
【0040】そして、このスペクトル値に対して、CP
U6bによって所定の処理が実行され、検査対象品7の成
形状態の良否結果が出力される。n個のスペクトル値と
して表された検査対象品7の吸収スペクトルは、以下の
工程によって、基準品の吸収スペクトルと比較される。
U6bによって所定の処理が実行され、検査対象品7の成
形状態の良否結果が出力される。n個のスペクトル値と
して表された検査対象品7の吸収スペクトルは、以下の
工程によって、基準品の吸収スペクトルと比較される。
【0041】先ず、検査対象品のスペクトル値Si(i=
1,2,…,n)に対し、以下の数1に示す式(1)の演算を行
い、差分スペクトル値DSi(i=1,2,…,n-1)を算出す
る。尚、添え字iは、波長の短い(或いは、長い)順に
区分された各波長区分を示すものである。
1,2,…,n)に対し、以下の数1に示す式(1)の演算を行
い、差分スペクトル値DSi(i=1,2,…,n-1)を算出す
る。尚、添え字iは、波長の短い(或いは、長い)順に
区分された各波長区分を示すものである。
【0042】
【数1】 次に、差分スペクトルDSi (i=1,2,…,n-1)の平均値
DS及び標準偏差σsを、数2に示す式(2)、式(3)によ
って算出する。
DS及び標準偏差σsを、数2に示す式(2)、式(3)によ
って算出する。
【0043】
【数2】 そして、数3に示す式(4)によって、差分スペクトルを
正規化し、正規化差分スペクトル値NDSi(i=1,2,…,
n-1)を夫々算出する。
正規化し、正規化差分スペクトル値NDSi(i=1,2,…,
n-1)を夫々算出する。
【0044】
【数3】 その後、マスタデータとして保存されている基準品の正
規化差分スペクトル値NDMi(i=1,2,…,n-1)をプロ
セッサ内の不揮発性メモリ6dから読み出し、数4に示す
式(5)によって、検査対象品の正規化差分スペクトル値
NDSiと基準品の正規化差分スペクトル値NDMiとの
相関係数Rを算出する。尚、基準品の正規化差分スペク
トルとは、優良な多層成形品を基準品として、該基準品
について上記一連の計測方法を施すことによって得られ
た値である。
規化差分スペクトル値NDMi(i=1,2,…,n-1)をプロ
セッサ内の不揮発性メモリ6dから読み出し、数4に示す
式(5)によって、検査対象品の正規化差分スペクトル値
NDSiと基準品の正規化差分スペクトル値NDMiとの
相関係数Rを算出する。尚、基準品の正規化差分スペク
トルとは、優良な多層成形品を基準品として、該基準品
について上記一連の計測方法を施すことによって得られ
た値である。
【0045】
【数4】 これによって得られた相関係数Rを、予め設定された閾
値と比較し、それを上回る場合は成形状態が良好と判定
し、それ以下の場合は成形不良と判定する。
値と比較し、それを上回る場合は成形状態が良好と判定
し、それ以下の場合は成形不良と判定する。
【0046】本実施形態では、検査対象品に赤外光を照
射することにより、非接触で成形状態の良否判断ができ
るので、検査対象品を損傷することがない。又、検査対
象品及び基準品の吸収スペクトルの計測結果を数値デー
タとして表すことで、プロセッサでの処理が可能とな
り、精密、正確且つ高速な検査が可能となり、信頼性の
高い検査結果が得られる。
射することにより、非接触で成形状態の良否判断ができ
るので、検査対象品を損傷することがない。又、検査対
象品及び基準品の吸収スペクトルの計測結果を数値デー
タとして表すことで、プロセッサでの処理が可能とな
り、精密、正確且つ高速な検査が可能となり、信頼性の
高い検査結果が得られる。
【0047】更に、スペクトル値の差分(即ち、差分ス
ペクトル値DSi)を基に相関係数Rを求めたので、厚
みが部分的に異なる多層成形品についても安定した検査
が可能となる。即ち、厚み等が部分によって異なる検査
対象品については、投光ヘッド2c、検査対象品7、受光
ヘッド3a間の位置関係が変化し、スペクトル値Siのベ
ースラインが変化するため、隣接する波長区分のスペク
トル値との差をとることで、前記ベースラインの変化の
影響を低減することができる。但し、かかる不都合を有
しない場合は、波長区分毎のスペクトル値Siを基に正
規化スペクトル値NSiを算出し、相関係数を算出して
も良い。この場合、「DSi」を「Si」に、「n-1」を
「n」に、「NDSi」を「NSi」に、「NDMi」を
「NMi」に置き換えて、上記の式(2)、式(3)、式(4)及
び式(5)を適用する。
ペクトル値DSi)を基に相関係数Rを求めたので、厚
みが部分的に異なる多層成形品についても安定した検査
が可能となる。即ち、厚み等が部分によって異なる検査
対象品については、投光ヘッド2c、検査対象品7、受光
ヘッド3a間の位置関係が変化し、スペクトル値Siのベ
ースラインが変化するため、隣接する波長区分のスペク
トル値との差をとることで、前記ベースラインの変化の
影響を低減することができる。但し、かかる不都合を有
しない場合は、波長区分毎のスペクトル値Siを基に正
規化スペクトル値NSiを算出し、相関係数を算出して
も良い。この場合、「DSi」を「Si」に、「n-1」を
「n」に、「NDSi」を「NSi」に、「NDMi」を
「NMi」に置き換えて、上記の式(2)、式(3)、式(4)及
び式(5)を適用する。
【0048】又、検査対象品と基準品との吸収スペクト
ルの比較判定の際に算出した相関係数Rについても上記
の数式5以外の方法によって求めても良く、例えば、数
5に示す式(6)の如く、正規化差分スペクトル値の差を
2乗したものの平均値として算出してもよい。
ルの比較判定の際に算出した相関係数Rについても上記
の数式5以外の方法によって求めても良く、例えば、数
5に示す式(6)の如く、正規化差分スペクトル値の差を
2乗したものの平均値として算出してもよい。
【0049】
【数5】 尚、この式によって得られた相関係数Dと予め設定され
た閾値とを比較する場合は、閾値を下回る場合が成形良
好と判断され、閾値以上の場合が成形不良と判断され
る。
た閾値とを比較する場合は、閾値を下回る場合が成形良
好と判断され、閾値以上の場合が成形不良と判断され
る。
【0050】更に、検査対象品及び基準品の吸収スペク
トルの計測結果は、波形等のアナログデータとして表す
ことも可能であり、双方のデータの差異(例えば、波形
の差異)を目視等によって判定してもよい。
トルの計測結果は、波形等のアナログデータとして表す
ことも可能であり、双方のデータの差異(例えば、波形
の差異)を目視等によって判定してもよい。
【0051】本発明の第2実施形態に係る多層成形品の
検査方法は、多層成形品における多層構造全体に渡る検
査であり、例えば、図2(a),(b)及び(c)に示
す多層成形品の如く、一部分に欠陥を有するものについ
て、その欠陥の程度(或いは、欠陥の有無)を判定し、
総合的な成形状態の良否を判定する。尚、本実施形態の
検査対象品は、樹脂性材料の間に材質の異なる樹脂性材
料を挟み込んだ多層構造を有し、平坦な形状であり、図
2(d)に示す基準品Mの如く、厚み比率が均一になる
よう形成されるべきものである。
検査方法は、多層成形品における多層構造全体に渡る検
査であり、例えば、図2(a),(b)及び(c)に示
す多層成形品の如く、一部分に欠陥を有するものについ
て、その欠陥の程度(或いは、欠陥の有無)を判定し、
総合的な成形状態の良否を判定する。尚、本実施形態の
検査対象品は、樹脂性材料の間に材質の異なる樹脂性材
料を挟み込んだ多層構造を有し、平坦な形状であり、図
2(d)に示す基準品Mの如く、厚み比率が均一になる
よう形成されるべきものである。
【0052】図2(a)に示す検査対象Aは右端a3で中
間層が欠如している。図2(b)に示す検査対象Bは中
央部b2で中間層が薄くなっている。図2(c)に示す検
査対象Cは中間層が中央部c2で薄くなると共に該部分に
空洞が生じている。
間層が欠如している。図2(b)に示す検査対象Bは中
央部b2で中間層が薄くなっている。図2(c)に示す検
査対象Cは中間層が中央部c2で薄くなると共に該部分に
空洞が生じている。
【0053】かかる検査対象品における欠陥箇所及び、
欠陥の程度を発見するため、図1の検査装置1を使用
し、検査対象品の検査領域全域を走査することによっ
て、複数の受光箇所における吸収スペクトルを計測し、
夫々の吸収スペクトルに基づいて、各受光箇所における
成形状態の良否判断を行い、総合的な成形状態の良否を
判断することとした。尚、検査装置1の照射装置2及び
受光装置3は、検査対象品7を一次元的ないし三次元的
に移動走査可能に形成されている。例えば、検査対象品
7を挟んだ位置で、投光ヘッド2cと受光ヘッド3aを光フ
ァイバ2b,3bにより同時に同方向に移動させることによ
って、検査対象品の検査領域全域を走査し、検査領域全
域の複数の受光箇所から複数の吸収スペクトルを得る構
成である。
欠陥の程度を発見するため、図1の検査装置1を使用
し、検査対象品の検査領域全域を走査することによっ
て、複数の受光箇所における吸収スペクトルを計測し、
夫々の吸収スペクトルに基づいて、各受光箇所における
成形状態の良否判断を行い、総合的な成形状態の良否を
判断することとした。尚、検査装置1の照射装置2及び
受光装置3は、検査対象品7を一次元的ないし三次元的
に移動走査可能に形成されている。例えば、検査対象品
7を挟んだ位置で、投光ヘッド2cと受光ヘッド3aを光フ
ァイバ2b,3bにより同時に同方向に移動させることによ
って、検査対象品の検査領域全域を走査し、検査領域全
域の複数の受光箇所から複数の吸収スペクトルを得る構
成である。
【0054】この複数の吸収スペクトルについて、夫々
第1実施形態と同様の工程を施すことによって、各受光
箇所における成形状態の良否を判定する。ここでは、受
光した光は1.5μm〜2.2μm近赤外領域において
分光され、128個の近赤外光電変換素子を直線的に配
置した光電変換装置によって、128個の波長区分毎に
アナログ電気信号に変換されるものとする。このアナロ
グ電気信号に基づき算出された各受光箇所毎の相関係数
を基に、当該受光箇所における良否判定を行い、それを
基に総合的な良否判断を行う。即ち、成形不良との判定
を受けた箇所数が所定の値を上回った場合は、該検査対
象品を不良品と判定し、所定の値以下の場合は良品と判
定する。以下の2つの表に、検査結果を示す。
第1実施形態と同様の工程を施すことによって、各受光
箇所における成形状態の良否を判定する。ここでは、受
光した光は1.5μm〜2.2μm近赤外領域において
分光され、128個の近赤外光電変換素子を直線的に配
置した光電変換装置によって、128個の波長区分毎に
アナログ電気信号に変換されるものとする。このアナロ
グ電気信号に基づき算出された各受光箇所毎の相関係数
を基に、当該受光箇所における良否判定を行い、それを
基に総合的な良否判断を行う。即ち、成形不良との判定
を受けた箇所数が所定の値を上回った場合は、該検査対
象品を不良品と判定し、所定の値以下の場合は良品と判
定する。以下の2つの表に、検査結果を示す。
【0055】
【表1】 表1は、それぞれ、検査品A,B,Cの各受光箇所にお
ける相関係数Rを、積和平均によって算出したものであ
り、表1(a)は、正規化差分スペクトル値NDSiを
基に、表1(b)は、正規化スペクトル値NSiを基に
算出したものである。閾値を、0.990とし、該閾値
を上回った場合は良品と判断し、閾値以下の場合は成形
不良と判定している。
ける相関係数Rを、積和平均によって算出したものであ
り、表1(a)は、正規化差分スペクトル値NDSiを
基に、表1(b)は、正規化スペクトル値NSiを基に
算出したものである。閾値を、0.990とし、該閾値
を上回った場合は良品と判断し、閾値以下の場合は成形
不良と判定している。
【0056】
【表2】 表2は、それぞれ、検査対象品A,B,Cの各受光箇所
における相関係数Dを、差の2乗和平均によって算出し
たものであり、表2(a)は、正規化差分スペクトル値
NDSiを基に相関係数Dを求め、閾値を0.020と
して良否判断を行ったものであり、表2(b)は、正規
化スペクトル値NSiを基に相関係数Dを求め、閾値を
0.010として良否判断したものである。閾値を下回
った場合は良品と判断され、閾値以上の場合は成形不良
と判定される。
における相関係数Dを、差の2乗和平均によって算出し
たものであり、表2(a)は、正規化差分スペクトル値
NDSiを基に相関係数Dを求め、閾値を0.020と
して良否判断を行ったものであり、表2(b)は、正規
化スペクトル値NSiを基に相関係数Dを求め、閾値を
0.010として良否判断したものである。閾値を下回
った場合は良品と判断され、閾値以上の場合は成形不良
と判定される。
【0057】何れの方法によっても、層の成形状態の不
良箇所が明確に識別でき、総合的な良否判定が正確に行
える。尚、本実施形態では、不良箇所が1つでも存在す
る場合に成形不良と判定したが、例えば、不良箇所の多
い少ない、又は各受光箇所における良否程度(即ち、相
関係数R等)と検査箇所数との相関において判断しても
よい。
良箇所が明確に識別でき、総合的な良否判定が正確に行
える。尚、本実施形態では、不良箇所が1つでも存在す
る場合に成形不良と判定したが、例えば、不良箇所の多
い少ない、又は各受光箇所における良否程度(即ち、相
関係数R等)と検査箇所数との相関において判断しても
よい。
【0058】又、検査品の走査は、固定された投光ヘッ
ドと受光ヘッドとの間で検査対象品を移動させることに
よって行っても良く、かかる場合は、図1に示す検査装
置における投光用光ファイバ2a及び受光用光ファイバ3b
は必ずしも必要ではなく、例えば、光源そのものを照射
装置とし、透過光等を分光器等の分光装置で直接受光し
てもよい。
ドと受光ヘッドとの間で検査対象品を移動させることに
よって行っても良く、かかる場合は、図1に示す検査装
置における投光用光ファイバ2a及び受光用光ファイバ3b
は必ずしも必要ではなく、例えば、光源そのものを照射
装置とし、透過光等を分光器等の分光装置で直接受光し
てもよい。
【0059】更に、本実施形態は、成形品自体の厚み、
又は層の厚み比率が、場所によって異なる多層成形品
(即ち、デザイン或いは機能上、凹凸形状のもの等)につ
いても適用可能である。この場合、プロセッサ6内の不
揮発性メモリ6dには、検査領域内の全受光箇所における
基準品の吸収スペクトルを、各受光箇所と関係づけて表
したマスタデータ(スペクトルマップ)が保存されてい
る。この基準品の吸収スペクトルは、検査品の吸収スペ
クトルと同様の方法で計測されて、例えば、正規化差分
スペクトル値NDMiとして保存されている。検査対象
品の受光箇所に対応する基準品の正規化差分スペクトル
値NDMiを、このスペクトルマップから随時読み出
し、それを比較対象とすることによって、検査対象品の
複数の箇所における良否判定が迅速にできる。
又は層の厚み比率が、場所によって異なる多層成形品
(即ち、デザイン或いは機能上、凹凸形状のもの等)につ
いても適用可能である。この場合、プロセッサ6内の不
揮発性メモリ6dには、検査領域内の全受光箇所における
基準品の吸収スペクトルを、各受光箇所と関係づけて表
したマスタデータ(スペクトルマップ)が保存されてい
る。この基準品の吸収スペクトルは、検査品の吸収スペ
クトルと同様の方法で計測されて、例えば、正規化差分
スペクトル値NDMiとして保存されている。検査対象
品の受光箇所に対応する基準品の正規化差分スペクトル
値NDMiを、このスペクトルマップから随時読み出
し、それを比較対象とすることによって、検査対象品の
複数の箇所における良否判定が迅速にできる。
【0060】又、検査対象品の吸収スペクトルは、図3
の如くアナログデータ(即ち、波形)で表されたもので
あってもよく、又、基準品の吸収スペクトルの波形との
差異を目視等によって比較てもよい。尚、図3(a)に
示す波形a(1,a(2,a(3は、検査対象品の各受光箇所a1,a
2,a3における吸収スペクトルの計測結果(即ち、各受光
素子における受光光量を電圧値として表してグラフ化し
たもの)を示し、波形Mは、基準品の吸収スペクトル
(即ち、マスタデータ)を示す。検査品Aの受光箇所a1に
おいては、層の成形状態が良好であるので、Mと略同一
の波形を形成する。受光箇所a2,a3においては、層の成
形状態が不良であるので、その不良程度に応じて波形M
と相違する。かかる波形を目視によって比較して良否判
断を行ってもよい。図3(b)及び(c)は、夫々検査
対象品B、及び検査対象品Cについての吸収スペクトル
の計測結果を示す。
の如くアナログデータ(即ち、波形)で表されたもので
あってもよく、又、基準品の吸収スペクトルの波形との
差異を目視等によって比較てもよい。尚、図3(a)に
示す波形a(1,a(2,a(3は、検査対象品の各受光箇所a1,a
2,a3における吸収スペクトルの計測結果(即ち、各受光
素子における受光光量を電圧値として表してグラフ化し
たもの)を示し、波形Mは、基準品の吸収スペクトル
(即ち、マスタデータ)を示す。検査品Aの受光箇所a1に
おいては、層の成形状態が良好であるので、Mと略同一
の波形を形成する。受光箇所a2,a3においては、層の成
形状態が不良であるので、その不良程度に応じて波形M
と相違する。かかる波形を目視によって比較して良否判
断を行ってもよい。図3(b)及び(c)は、夫々検査
対象品B、及び検査対象品Cについての吸収スペクトル
の計測結果を示す。
【0061】又、検査対象品に対して赤外光を傾けて照
射することも可能である。
射することも可能である。
【図1】 本発明の多層成形品の検査装置を示す概略
図。
図。
【図2】 本発明の第二実施形態の検査方法における多
層成形品の断面図であり、(a),(b),(c)は検
査対象品、(d)は基準品。
層成形品の断面図であり、(a),(b),(c)は検
査対象品、(d)は基準品。
【図3】 本発明の第二実施形態における各受光箇所の
スペクトルの計測結果を示す図であり、(a),
(b),(c)は、夫々検査対象品A,B,C。
スペクトルの計測結果を示す図であり、(a),
(b),(c)は、夫々検査対象品A,B,C。
1…検査装置 2…照射装置 3…受光装置 4…分光装置 5…光電変換装置 6…プロセッサ(データ保持手段、比較判定手段) 6b…CPU(比較判定手段) 6c…揮発性メモリ(データ保持手段) 7…検査対象品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA30 AA49 BB01 BB17 DD06 FF00 FF61 GG02 GG21 HH13 HH15 JJ01 JJ09 JJ25 LL02 LL67 QQ03 QQ23 QQ25 QQ26 QQ27 QQ28 QQ41 QQ42 RR06 RR08 2G051 AA65 AA90 AB06 AC21 BA06 BA08 BB17 CA03 CA04 CB02 CC17 EA08 EB01 EC04 2G059 AA05 BB10 BB15 BB20 EE01 EE02 EE12 FF08 HH01 HH06 JJ01 JJ17 KK04 MM01 MM05 MM20
Claims (10)
- 【請求項1】複数の材料を積層した構造を含む成形品の
検査方法であって、 検査対象品に赤外光を照射し、該検査対象品を反射或い
は透過した光を受光する受光工程と、 受光した光を分光する分光工程と、 分光された光をエネルギーの強度を表す電気信号に変換
する光電変換工程と、 該電気信号に基づいて検査対象品の吸収スペクトルを計
測し、その計測結果を保持するデータ保持工程と、 検査対象品の吸収スペクトルと、予め計測され保持され
ている基準品の吸収スペクトルとを比較し、双方の吸収
スペクトルの差異に基づいて検査対象品の成形状態を判
定する比較判定工程と、を順次含むことを特徴とする多
層成形品の検査方法。 - 【請求項2】前記データ保持工程は、吸収スペクトルの
計測結果を波長区分毎のスペクトル値として保持し、 前記比較判定工程は、 該スペクトル値の平均値及び標準偏差を求め、波長区分
毎のスペクトル値と前記平均値との差を前記標準偏差で
除算することによって正規化スペクトル値を夫々求め、 検査対象品の正規化スペクトル値と基準品の正規化スペ
クトル値との積和平均をとることで相関係数を求め、 該相関係数と予め設定された閾値とを比較し、該閾値を
上回る場合は検査対象品の成形状態が良好と判断し、該
閾値以下の場合は不良と判定をすることを特徴とする請
求項1に記載の多層成形品の検査方法。 - 【請求項3】前記データ保持工程は、吸収スペクトルの
計測結果を波長区分毎のスペクトル値として保持し、 前記比較判定工程は、 1つの波長区分のスペクトル値とその隣接波長区分のス
ペクトル値との差を差分スペクトル値として区分間毎に
求め、 該差分スペクトル値の平均値及び標準偏差を求め、区分
間毎の差分スペクトル値と前記平均値との差を前記標準
偏差で除算することによって正規化差分スペクトル値を
夫々求め、 検査対象品の正規化差分スペクトル値と基準品の正規化
差分スペクトル値との積和平均をとることで相関係数を
求め、 該相関係数と予め設定された閾値とを比較し、該閾値を
上回る場合は検査対象品の成形状態が良好と判断し、該
閾値以下の場合は不良と判定をすることを特徴とする請
求項1に記載の多層成形品の検査方法。 - 【請求項4】前記データ保持工程は、吸収スペクトルの
計測結果を波長区分毎のスペクトル値として保持し、 前記比較判定工程は、 該スペクトル値の平均値及び標準偏差を求め、波長区分
毎のスペクトル値と前記平均値との差を前記標準偏差で
除算することによって正規化スペクトル値を夫々求め、 検査対象品の正規化スペクトル値と基準品の正規化スペ
クトル値との差の2乗和平均をとることで相関係数を求
め、 該相関係数と予め設定された閾値とを比較し、該閾値を
下回る場合は、成形状態が良好と判断し、該閾値以上の
場合は不良と判定をすることを特徴とする請求項1に記
載の多層成形品の検査方法。 - 【請求項5】前記データ保持工程は、吸収スペクトルの
計測結果を波長区分毎のスペクトル値として保持し、 前記比較判定工程は、 1つの波長区分のスペクトル値とその隣接波長区分のス
ペクトル値との差を差分スペクトル値として区分間毎に
求め、 該差分スペクトル値の平均値及び標準偏差を求め、差分
スペクトル値と前記平均値との差を前記標準偏差で除算
することによって正規化差分スペクトル値を区分間毎に
求め、 検査対象品の正規化差分スペクトル値と基準品の正規化
差分スペクトル値との差の2乗和平均をとることで相関
係数を求め、 該相関係数と予め設定された閾値とを比較し、該閾値を
下回る場合は、検査対象品の成形状態が良好と判断し、
該閾値以上の場合は不良と判定をすることを特徴とする
請求項1に記載の多層成形品の検査方法。 - 【請求項6】前記受光工程は、検査対象品の検査領域の
全域を走査することによって該検査領域内の複数の受光
箇所で光を受光し、 前記比較判定工程は、夫々の光に基づいて夫々の箇所に
おける成形状態の良否を判定し、夫々の受光箇所の良否
結果に基づき、検査対象品の総合的な成形状態の判断を
行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載
の多層成形品の検査方法。 - 【請求項7】前記比較判定工程は、 前記検査領域の全ての受光箇所についての基準品の吸収
スペクトルを、夫々の受光箇所と関係づけて表したマス
タデータを予め作成しておき、 検査対象品の受光箇所に対応する基準品の受光箇所の吸
収スペクトルを、前記マスタデータから随時引き出し
て、当該受光箇所における検査対象品と基準品との吸収
スペクトルの差異を比較することを特徴とする請求項6
に記載の多層成形品の検査方法。 - 【請求項8】検査対象品に赤外光を照射する照射装置
と、 検査対象品を反射或いは透過した光を受光する受光装置
と、 受光した光を分光する分光装置と、 分光された光をエネルギーの強度を表す電気信号に変換
する光電変換装置と、 該電気信号に基づいて検査対象品の吸収スペクトルを計
測し、計測結果を保持するデータ保持手段と、 検査対象品の吸収スペクトルと予め計測されている基準
品の吸収スペクトルとを比較し、吸収スペクトルの差異
に基づいて検査対象品の成形状態を判定する比較判定手
段と、を含むことを特徴とする多層成形品の検査装置。 - 【請求項9】前記検査対象品、及び前記照射装置と前記
受光装置との組み合わせの一方又は双方は、検査対象品
の検査領域を走査可能に構成され、 前記受光装置は、検査対象品の複数の受光箇所から光を
受光する構成で、 前記判定手段は、受光した夫々の光に基づいて夫々の受
光箇所における成形状態を判定し、夫々の受光箇所の判
定結果に基づいて検査対象品の総合的な成形状態の判定
を行う構成である請求項8に記載の多層成形品の検査装
置。 - 【請求項10】前記比較判定手段は、前記検査領域の全
ての受光箇所についての基準品の吸収スペクトルを夫々
の受光箇所と関係づけて表したマスタデータを保持し、 検査対象品の受光箇所に対応する基準品の受光箇所の吸
収スペクトルを前記マスタデータから随時引き出して、
吸収スペクトルの差異を比較する構成である請求項9に
記載の多層成形品の検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000087992A JP2001272339A (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 多層成形品の検査方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000087992A JP2001272339A (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 多層成形品の検査方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001272339A true JP2001272339A (ja) | 2001-10-05 |
Family
ID=18603924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000087992A Pending JP2001272339A (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 多層成形品の検査方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001272339A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008129832A1 (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-30 | Panasonic Corporation | 超音波測定方法及び装置 |
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-
2000
- 2000-03-28 JP JP2000087992A patent/JP2001272339A/ja active Pending
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