JP5151054B2 - 化粧用粉体 - Google Patents

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本発明は、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸と特定のα−アミノラクタム誘導体を含有する化粧用粉体、更にこの粉体を含有する化粧料、に関する。
化粧用粉体を主成分として含有する化粧料としては、ファンデーション、白粉、プレストパウダー、ほほ紅、アイライナー、アイブロー等のメイクアップ化粧品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー化粧品等が市販されている。この化粧用粉体としては、塗布時の肌への伸びと肌へのなじみ感に優れ、かつ、塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感が高く化粧崩れを起こしにくいなどの性能が必要とされている。
従来から、上述した化粧崩れを防止する方法として、撥水・撥油性を付与するためフッ素化合物で各種化粧用粉体を表面処理することが提案されている(特許文献1〜4)。しかし、得られた化粧用粉体は、一般に塗布時の肌への伸びが損なわれ、フッ素化合物で処理する前に比べて、塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感が極端に悪くなるという欠点を有していた。
また、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸を化粧用粉体として配合したり、更にはこれを表面処理剤として用いて他の粉体の感触を改善したり、親水性の表面を疎水化する手法なども考案されている(特許文献5)。しかし、このN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸は、塗布時の肌への伸びが優れるものの、撥油性が乏しいため、塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感が低下するなどの欠点が指摘されている。
そこで、このアシル塩基性アミノ酸と特定のパーフルオロアルキル基を有するリン酸エステルを用いて各種化粧用粉体を表面処理することにより、塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感の改善と化粧崩れ防止する提案が行われた(特許文献6)。しかしながら、依然として塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感は満足いくものではなく、加えてハロゲン系化合物の使用による環境面の新たな問題が発生してしまった。
特開昭55−167209号公報 特開昭62−250074号公報 特開平1−180811号公報 米国特許第3632744号公報 特開昭61−10503号公報 特開平5−339126号公報
本発明が解決しようとする課題は、塗布時の肌への伸びと肌へのなじみ感、塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感を与え、しかも環境面にも優れた化粧用粉体を提供することである。
本発明者らは、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸のかかる欠点を改良するべく鋭意検討した結果、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸と特定のα−アミノラクタム誘導体を含有させることにより目的とする化粧用粉体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくとも以下の内容を含むものである。
(1)N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸と、下記一般式(1)で表されるα−アミノラクタム誘導体を含有してなる化粧用粉体。
(式中、R1 は炭素数2〜30の直鎖状もしくは分岐状の飽和アルキル基を示し、mは1〜9の整数である。)
(2)N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸と上記一般式(1)で表されるα−アミノラクタム誘導体の合計量に対する上記一般式(1)で表されるα−アミノラクタム誘導体の比率が0.01重量%〜10重量%である、(1)に記載の化粧用粉体。
(3)N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸が、Nε−ラウロイルリジンである(1)又は(2)に記載の化粧用粉体。
(4)α−アミノラクタム誘導体が、α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドである(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化粧用粉体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の化粧用粉体を含有してなる化粧料。
本発明により、塗布時の肌への伸びと肌へのなじみ感、塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感を与え、しかも環境面にも優れた化粧用粉体が得られることとなった。更に、塗布時の肌への伸びと肌へのなじみ感、塗布後の肌のさらさら感と肌のしっとり感が良好で、汗や皮脂等による化粧崩れ防止効果(化粧持ち)に優れた化粧料も提供できることとなった。
以下、まず、本発明で用いられるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸について詳述する。
N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸を構成するアミノ酸としては、リジン、オルニチン、α,γ−ジアミノ酪酸、アルギニン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸が例示される。
また、長鎖アシル基としては、炭素数8〜22の、飽和又は不飽和の直鎖あるいは分岐鎖脂肪族アシル基が挙げられ、これらは単一鎖長のものであっても混合鎖長のものであってもよい。上記長鎖アシル基としては、具体的には、2−エチルヘキサノイル、カプリロイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル、オレオイル、ベヘノイル、ココイル、牛脂脂肪酸アシル、硬化牛脂脂肪酸アシル等が挙げられる。
上記長鎖アシル基の塩基性アミノ酸への結合部位は、α位のアミノ基あるいはω位のアミノ基であるが、アルギニン及びヒスチジンにおいては、α位のアミノ基に限定される。
従って、本発明に用いられるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸としては、例えば、Nε−2−エチルヘキサノイルリジン、Nε−ラウロイルリジン、Nε−ココイルリジン、Nε−パルミトイルリジン、Nε−イソステアロイルリジン、Nε−硬化牛脂脂肪酸アシルリジン、Nα−カプリロイルリジン、Nα−ラウロイルリジン、Nα−ミリストイルリジン、Nα−オレオイルリジン、Nα−ベヘノイルリジン、Nδ−ココイルオルニチン、Nδ−ステアロイルオルニチン、Nδ−牛脂脂肪酸アシルオルニチン、Nα−2−エチルヘキサノイルオルニチン、Nα−ラウロイルオルニチン、Nα−イソステアロイルオルニチン、Nγ−パルミトイル−α,γ−ジアミノ酪酸、Nα−牛脂脂肪酸アシル−α,γ−ジアミノ酪酸、Nα−カプロイルアルギニン、Nα−ラウロイルアルギニン、Nα−パルミトイルアルギニン、Nα−硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニン、Nα−ココイルヒスチジン、Nα−イソステアロイルヒスチジン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。肌へのなじみ感がより好ましいという観点で、Nε−2−エチルヘキサノイルリジン、Nε−ラウロイルリジン、Nε−ココイルリジンが好ましく、Nε−ラウロイルリジンが特に好ましい。
また、前記一般式(1)で示されるα−アミノラクタム誘導体は、例えば、特定のアミノ酸の脱水反応等により得られるα−アミノラクタムを、炭素数3〜31、好ましくは炭素数7〜19、より好ましくは炭素数9〜17の飽和脂肪酸及び/又はその誘導体と反応させることにより、α−アミノラクタム中のα−アミノ基を、脂肪酸アミド基に変換する方法によって合成することができる。
前記α−アミノラクタムの具体例としては、リジンから得られるα−アミノ−ε−カプロラクタム、オルニチンから得られる3−アミノ−2−ピペリドン、2,4−ジアミノブタン酸から得られる3−アミノ−2−ピロリドン等を挙げることができる。これらのうち、α−アミノ−ε−カプロラクタムが特に好ましく用いられる。前記α−アミノラクタムは、光学活性体であってもラセミ体であってもよい。好ましくは光学活性体であり、より好ましくはL体である。
前記α−アミノラクタムのα−アミノ基を脂肪酸アミド基に変換する際に使用される飽和脂肪酸あるいはその誘導体の具体例としては、オクタン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、アラキン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸や、これらの飽和脂肪酸に対応する酸クロリド等を挙げることができる。これらの飽和脂肪酸あるいはその誘導体は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
前記α−アミノラクタムと前記飽和脂肪酸及び/又はその誘導体とを反応させる方法は特に限定されるものではなく、特開平10−265761号等の従来公知のアミド化法を採用することができる。例えば、α−アミノラクタムと前記飽和脂肪酸及び/又はその誘導体とを、不活性溶媒中、無触媒下で反応させてもよいし、縮合剤等の触媒の存在下で反応させてもよい。反応温度は、通常、10〜120℃であり、また反応時間は、通常、0.5〜48時間である。反応生成物に、未反応の原料や溶媒等が混入する場合、減圧留去、溶剤分別、再結晶等の操作により精製する工程をとることもできる。
本発明で用いられるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を含有してなる粉体は、それぞれを別途合成しその後所望する比率で乾式混合する方法、あるいはα−アミノラクタム誘導体を有機溶剤に溶解させ、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸を加えた後に有機溶剤を加熱して留去する方法、あるいは塩基性アミノ酸を加熱により脱水環化して先ずα―アミノラクタムを作り、次いで塩基性アミノ酸と所定量混合し、等モルの脂肪酸を加え不活性溶媒中、無触媒下で反応させて得ることもできる。また、必要に応じ縮合剤等の触媒存在下で反応を行なうこともできるが、本発明は粉体の製造方法を特に規定するものではなく、特開平10−265761号公報及び特公昭51−28610号公報などに記載される方法を参考に、工業的に有利な方法を適宜用いればよい。
本発明に用いられるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を含有してなる粉体は、化粧料に用いられる他の粉体と併用して用いることができる。
他の粉体としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛華、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びカーボンブラック及びこれらの複合体等の無機粉体;ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジ等の有機粉体;及びこれらの無機粉体と有機粉体の複合体等が挙げられる。これらの粉体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
粉体の形状は特に限定されず、平板状、塊状、鱗片状、球状等の粉体を細孔の有無に関係なく使用できるが、平板状又は球状が特に好ましい。粉体の一次粒子径も粉体としての外形をとどめる限り特に限定されないが、使用感触等の観点より0.01〜80μm、特に0.1〜20μmが好ましい。
本発明に用いられるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を含有してなる粉体は、単に上述した他の粉体と併用するばかりではなく、これらの粉体の表面改質剤として用いることもできる。その方法としては、直接処理による乾式法のほか、適当な溶剤を用いる湿式法のいずれの方法でもよい。
乾式法は、簡便且つ効果的な方法であって、該方法によれば、本発明によるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を含有してなる粉体の微細粉末と、表面改質する対象粉体とを攪拌混合するか、もしくはかかる粉体混合物を共粉砕することによって、表面改質された複合粉体を容易に得ることができる。また、上記湿式法による場合は、本発明によるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を含有してなる粉体が中性付近の水及び通常の油に殆ど溶解しないため、塩化カルシウムを可溶化剤として用いてN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を有機溶剤に溶解した後、粉体と接触させ、更に該粉体を水洗し、塩化カルシウムを除去して乾燥することにより、表面処理粉体を得ることができる。
また、上記乾式法及び湿式法の他、酸性もしくはアルカリ性の水又は水性溶媒中に、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を含有してなる粉体を溶解して粉体と接触させた後、中性付近まで中和して粉体表面に析出付着させ、中和によって生じた塩を水洗により除去し、乾燥する方法によっても同様の表面処理ができる。
本発明における化粧用粉体において、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体の合計量に対するα−アミノラクタム誘導体の比率の下限値は、通常0.01重量%が使用される。0.01重量%未満ではα−アミノラクタム誘導体によるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸の塗布時の肌へのなじみや塗布後の肌のしっとり感改良効果が充分に得られ難い。安定した塗布時の肌へのなじみや塗布後の肌のしっとり感改良効果が得られるという観点で、好ましくは0.02重量%、より好ましくは0.03重量%、より一層好ましくは0.1重量%、更に好ましくは0.3重量%、殊更好ましくは0.5重量%、特に好ましくは1重量%である。
本発明における化粧用粉体において、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体の合計量に対するα−アミノラクタム誘導体の比率の上限値は、15重量%、好ましくは10重量%である。15重量%を超えると、塗布時の肌への伸びや塗布後の肌のさらさら感が低下する傾向にある。安定した塗布時の肌への伸びや塗布後の肌のさらさら感も維持できるという観点で、より好ましくは5重量%、特に好ましくは3重量%である。
本発明によるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とα−アミノラクタム誘導体を含有してなる粉体を、他の粉体の表面処理剤として用いる場合、その処理量は他の粉体に対し好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは0.5〜15重量%である。0.1重量%未満では充分な改質効果が得られ難く、また30重量%を超えても改質効果の向上は診られず、経済的に得るところがない。
次に、本発明の粉体を含有する化粧料について詳述する。
本発明の化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、オイル等の基礎化粧料、ファンデーション、プレストパウダー、白粉、ほほ紅、アイライナー、アイブロー、マスカラ等のメイクアップ化粧料、ボディーパウダー、ベビーパウダー、制汗剤等のボディー用化粧料、あるいは、パック、クレンジング料等が挙げられる。
化粧料中の粉体含有量は、目的とする化粧料の種類に応じて適宜決定できるが、通常、0.1〜99重量%の範囲内である。本発明の化粧料には、上記の必須成分に加えて、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を配合し得る。これらの成分としては、例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形・半固形油分;スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコン油等の流動油分;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤;水溶性及び油溶性ポリマー、界面活性剤、無機及び有機顔料、シリコン又はフッ素化合物で処理された無機及び有機顔料、有機染料等の色剤、エタノール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等が挙げられ、本発明の目的を損なわない範囲内で配合可能である。
本発明の化粧料は、粉体の混合に関し前記のとおりに実施することを除けば、いずれも常套法を適用することによって製造することができる。
次に、実施例と比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔製造例1〕
L−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドは、特開平10−265761号記載の方法に従い合成した。すなわち、L−α−アミノ−ε−カプロラクタム39ミリモルとトリエチルアミン58ミリモルをジクロロメタン100ミリリットルに加えて攪拌した。これにラウリン酸クロリド39ミリモルをゆっくりと滴下し、室温で7時間攪拌を続けた。その後、生成した沈殿をろ別し、溶媒を減圧下に留去し、得られた固形物を酢酸エチルで再結晶させて、8.8gのL−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドを得た。
〔実施例1〕
1000mlの丸底フラスコに、L−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドを0.1g量秤量し、500mlのエタノールを加えた後、65℃に加温しながら溶解させる。ここにNε−ラウロイルリジン199.8gを加え、加熱しながら減圧しエタノールを留去して、Nε−ラウロイルリジンとL−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドの合計量に対しL−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミド0.05重量%含有する粉体を調製した。L−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドは製造例1のものを使用し、Nε−ラウロイルリジンは、市販の「アミホープ」LL(味の素(株)社製)を使用した。
〔実施例2〜6、比較例1〕
実施例1と同様の方法で、Nε−ラウロイルリジンとL−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドの合計量に対しL−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドがそれぞれ表1に示す量関係になるように粉体を調製し、以下の評価方法に基づいて専門パネラーにより評価した。結果を表1に示す。
〔評価方法〕
5名の専門パネラーによって、塗布時の肌への伸びと肌へのなじみ感、塗布後(30分後)の肌のさらさら感と肌のしっとり感を下記評価基準に基づいて評価した。各評価項目について、5名の評価点の平均点を算出し、1点以上2点未満を×、2点以上3点未満を△、3点以上4点未満を○、4点以上5点以下を◎とした。その結果を下記の表1に示す。
(塗布時の肌への伸び)
5点:非常に伸びが良い
4点:やや伸びが良い
3点:ふつう
2点:やや伸びが悪い
1点:非常に伸びが悪い
(塗布時の肌へのなじみ感)
5点:非常に肌へのなじみ感が良い
4点:やや肌へのなじみ感が良い
3点:ふつう
2点:やや肌へのなじみ感が悪い
1点:非常に肌へのなじみ感が悪い
(塗布後の肌のさらさら感)
5点:非常にさらさらする
4点:ややさらさらする
3点:ふつう
2点:ややきしむ
1点:きしむ
(塗布後の肌のしっとり感)
5点:非常にしっとりする
4点:ややしっとりする
3点:ふつう
2点:ややべたつく
1点:非常にべたつく
この結果より明らかなとおり、L−α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドを含有するNε−ラウロイルリジンは、塗布時の肌への伸び、なじみ感、塗布後のさらさら感、しっとり感が向上し、その効果は0.05重量%でも認識することができた。
〔処方例1〕
実施例3の粉体10重量%、セリサイト30.7重量%、タルク25.0重量%、マイカ30.0重量%、ベンガラ0.1重量%、流動パラフィン4.0重量%、メチパラ0.1重量%、香料0.1重量%を合計30gになるように採取し、これらを乳鉢で混合粉砕した後、小型ヘンシェルミキサーを用いて混合した。これを小型プレス成型機にて加圧成型し製品を得た。
〔処方例2〜3、比較処方例1〕
処方例1と同様にして、表2に示す量関係になるように化粧料処方を調製し、以下の評価方法に基づいて専門パネラーにより評価した。結果を表1に示す。
〔評価方法〕
上記処方例及び比較処方例について、10人の専門パネラーにより官能評価を行い、塗布時使用感(肌へのなじみと伸び)、塗布後(30分後)使用感(肌のさらさら感としっとり感)及び化粧持ち(3時間後)を下記評価基準に基づいて評価した。各評価項目について、10名の評価点の平均点を算出し、1点以上2点未満を×、2点以上3点未満を△、3点以上4点未満を○、4点以上5点以下を◎とした。その結果を下記の表2に示す。
(塗布時使用感)
5点:非常に良い
4点:やや良い
3点:ふつう
2点:やや悪い
1点:悪い
(塗布後使用感)
5点:非常に良い
4点:やや良い
3点:ふつう
2点:やや悪い
1点:悪い
(化粧持ち)
5点:非常に良い
4点:やや良い
3点:ふつう
2点:やや悪い
1点:悪い
上記表2から明らかなように、本発明品は、比較品と比べて化粧持ち及び塗布時使用感、塗布後使用感に優れたプレス状フェイスパウダーであることが分かった。

Claims (4)

  1. N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸と、下記一般式(1)で表されるα−アミノラクタム誘導体からなる化粧用粉体であって、
    N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸と下記一般式(1)で表されるα−アミノラクタム誘導体の合計量に対するα−アミノラクタム誘導体の比率が0.01重量%〜10重量%である、化粧用粉体。
    (式中、R1は炭素数2〜30の直鎖状もしくは分岐状の飽和アルキル基を示し、mは1〜9の整数である。)
  2. N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸が、Nε−ラウロイルリジンである請求項1に記載の化粧用粉体。
  3. α−アミノラクタム誘導体が、α−アミノ−ε−カプロラクタムラウリン酸アミドである請求項1又は2に記載の化粧用粉体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧用粉体を含有してなる化粧料。
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