JPH11228527A - 長鎖アシルアルギニン結晶及びその製造方法 - Google Patents

長鎖アシルアルギニン結晶及びその製造方法

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JPH11228527A
JPH11228527A JP10028243A JP2824398A JPH11228527A JP H11228527 A JPH11228527 A JP H11228527A JP 10028243 A JP10028243 A JP 10028243A JP 2824398 A JP2824398 A JP 2824398A JP H11228527 A JPH11228527 A JP H11228527A
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JP
Japan
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long
crystals
crystal
arginine
powder
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JP10028243A
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English (en)
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Naoya Yamato
直弥 山戸
Masumi Ogawa
真澄 小川
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】濾過性が良好で、純度及び収率が高いNα-長
鎖アシルアルギニン結晶の製法、及び光沢、肌へのなじ
み等に優れたNα-長鎖アシルアルギニン結晶を提供す
る。 【解決手段】一般式1のNα-長鎖アシルアルギニンが
溶解した低級アルコール並びに多価アルコールから選ば
れる1種以上及び水よりなる混合溶媒の酸または塩基溶
液を中和し、晶析させる。 [RはC7〜21の直鎖または分岐鎖のアルキル基また
はアルケニル基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はNα-長鎖アシルア
ルギニン結晶の製造方法に関する。本発明により得られ
るNα-長鎖アシルアルギニン結晶は純度が高く、光
沢、肌へのなじみ等に優れ、化粧料組成物、滑剤、帯電
防止剤、表面処理剤等に幅広く使用できる。
【0002】
【従来の技術】Nα-長鎖アシルアルギニンは両性界面
活性剤として化粧料組成物、滑剤、帯電防止剤、表面処
理剤等の各種用途に利用されるものである。
【0003】Nα-長鎖アシルアルギニンの製法として
は、アルギニンと長鎖脂肪酸ハライドとをアセトン等の
親水性有機溶媒と水との混合溶媒を用いてpH11.0
〜12.5の条件下でアシル化を行い、反応液をpH4
〜5に調整してNα-長鎖アシルアルギニンの粗結晶を
晶析させ、得られる粗結晶を石油ベンジン等のアルカン
溶媒で洗浄する製法が開示されている(特開昭48-2
3729号公報)。しかしながら、この方法で得られた
Nα-長鎖アシルアルギニンはアモルファス状であり、
反応液から分離する際の濾過性が悪く、純度が低い、収
率が不十分といった問題点があった。
【0004】また、塩基性アミノ酸のカルボン酸塩を1
00〜250℃で加熱脱水させる方法も知られているが
(特開昭49−1513号公報)、Nα-長鎖アシルア
ルギニンは分解温度が低く、反応温度を高くできないた
めに反応速度が遅く、また得られるNα-長鎖アシルア
ルギニンもアモルファス状であり、純度及び収率も満足
いくものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はNα-
長鎖アシルアルギニン結晶の製造方法を提供することに
あり、また化粧料用素材として使用感等に優れるNα-
長鎖アシルアルギニン結晶を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる実状に
鑑み鋭意研究した結果、Nα-長鎖アシルアルギニンが
溶解した低級アルコール並びに多価アルコールから選ば
れる1種以上及び水よりなる混合溶媒の酸または塩基溶
液を中和し、晶析させることで濾過性に優れ、純度の高
いNα-長鎖アシルアルギニンの鱗片状結晶が高収率で
得られることを見出し、更にこの結晶が化粧料用素材と
して使用感等に優れるものであることを見出し、このよ
うな知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は下記一般式(1)で表
されるNα-長鎖アシルアルギニンが溶解した低級アル
コール並びに多価アルコールから選ばれる1種以上及び
水よりなる混合溶媒の酸または塩基溶液を中和し、晶析
させることを特徴とするNα-長鎖アシルアルギニン結
晶の製造方法である。
【0008】
【化3】
【0009】[上記式中、Rは炭素原子数7〜21の直
鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示
す。]
【0010】また、本発明はアルギニンと炭素数8〜2
2の脂肪酸ハライドとを反応させて前記一般式(1)で
表されるNα-長鎖アシルアルギニンを製造する際に、
低級アルコール並びに多価アルコールから選ばれる1種
以上及び水よりなる混合溶媒中、pH10.0〜12.
5の条件下で反応させた後、反応溶液中の不溶物を酸ま
たは塩基を加えて溶解させた後、晶析させることを特徴
とするNα-長鎖アシルアルギニン結晶の製造方法であ
る。
【0011】また、本発明はNα-長鎖アシルアルギニ
ン結晶、または化粧料用粉体を該結晶で表面処理したこ
とを特徴とする化粧料用粉体である。
【0012】また、本発明はNα-長鎖アシルアルギニ
ン結晶から選ばれる1種以上および/または前記化粧料
用粉体から選ばれる1種以上(A)と油脂から選ばれる
1種以上(B)とを含有することを特徴とする化粧料組
成物である。
【0013】また、本発明はNα-長鎖アシルアルギニ
ン結晶から選ばれる1種以上および/または前記化粧料
用粉体から選ばれる1種以上(A)と界面活性剤から選
ばれる1種以上(C)とを含有することを特徴とする化
粧料組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の結晶の製造方法に付すべきNα-
長鎖アシルアルギニンは前述した特開昭48-2372
9号公報、特開昭49−1513号公報等記載の公知の
方法によって合成することができる。
【0016】またNα-長鎖アシルアルギニンはアルギ
ニンと長鎖脂肪酸ハライドを低級アルコール及び/また
は多価アルコールと水との混合溶媒を用いてアルカリ存
在下で反応させることによっても合成することができ
る。以下、この方法について説明する。
【0017】アルギニンはD体、L体、DL体のいずれ
も使用できるが、汎用的に入手できる点でL体が好まし
い。
【0018】長鎖脂肪酸ハライドは炭素数8〜22の飽
和または不飽和脂肪酸ハライドであり、例示すればオレ
イルクロライド、ラウロイルクロライド、パルミトイル
クロライド、ステアロイルクロライド、オクチルドデシ
ルクロライド、ベヘニルクロライド、ヤシ油脂肪酸クロ
ライド、パーム核油脂肪酸クロライド、牛脂脂肪酸クロ
ライド、オレイルブロマイド、ラウロイルブロマイド、
パルミトイルブロマイド、ステアロイルブロマイド、オ
クチルドデシルブロマイド、ベヘニルブロマイド、ヤシ
油脂肪酸ブロマイド、パーム核油脂肪酸ブロマイド、牛
脂脂肪酸ブロマイド等が挙げられるが、汎用的に入手で
きるという点で塩化物の方が好ましい。これらの長鎖脂
肪酸ハライドは単独で、あるいは2種以上を混合して使
用することができる。
【0019】反応に用いる低級アルコールの例として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、イソプロパノールが挙げられる。また多価アルコー
ルの例としてはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコ
ール、グリセリン等が挙げられる。これらのうち低級ア
ルコールが好ましく、特にエタノール、イソプロパノー
ルが好ましい。これらは単独で使用しても良く、2種以
上を混合して使用しても良い。
【0020】低級アルコールおよび/または多価アルコ
ール(p)と水(q)との割合は重量比でp/q=10
/90〜90〜10であり、好ましくは30/70〜8
5/15、更に好ましくは55/45〜85/15、特
に好ましくは65/35〜75/25である。p/q<
10/90あるいは>90/10の場合は反応速度が遅
くなり、収率が著しく低下する。
【0021】反応はpH10.0〜12.5の条件下で
行う。反応中もこのpHを維持する。実際には、アルギ
ニンをpH10.0〜pH12.5に調製した低級アル
コール及び/または多価アルコールと水との混合溶媒に
溶解または懸濁させながら、長鎖脂肪酸ハライドと塩基
溶液とをpHを管理しながら交互あるいは同時に滴下し
て行うのがよい。
【0022】pHの調整に用いる塩基は特に制限され
ず、例示すれば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン、モノエタノー
ルアミン、ピリジン等が挙げられる。特に水酸化ナトリ
ウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
【0023】アルギニンと脂肪酸ハライドの反応を行う
際の温度は−20℃から還流温度まで採用し得るが、−
10〜40℃が好ましく、より好ましくは10〜30℃
である。−10℃以下だと反応速度が遅すぎ、40℃よ
り高いと加水分解する脂肪酸ハライドが多くなり好まし
くない。なお、好ましい反応温度は脂肪酸鎖長が長いほ
ど高くなる。また、脂肪酸ハライドを滴下した後は加熱
還流を行っても良い。
【0024】次に、Nα-長鎖アシルアルギニンを含む
反応溶液または公知の製造方法によって得られたアモル
ファス状のNα-長鎖アシルアルギニンから、Nα-長鎖
アシルアルギニン結晶を製造する本発明の製造方法を具
体的に説明する。
【0025】本発明の製造方法に付する際、Nα-長鎖
アシルアルギニンを合成する際の反応溶媒として低級ア
ルコール及び/または多価アルコールと水との混合溶媒
を用いた場合は反応溶媒を除去せずに、そのまま本発明
の結晶の製造方法に用いることができる。この場合、溶
媒を除去する必要がなくなるため、工程が簡略化され、
また使用する溶媒が節約されるため、工業的により有利
に製造することができる。
【0026】上記以外の反応溶媒を用いた場合は、反応
溶液中の反応溶媒を減圧留去等により除去する。この
際、反応溶媒として用いた有機溶媒は十分除去しておく
方が好ましいが、結晶化に影響を及ぼさない程度に残っ
ていても構わない。また反応溶液に水が含まれている場
合は、本発明の結晶の製造方法に用いる混合溶媒にも水
を使用するため、水が残っていても構わない。また、公
知の方法に従って、アモルファス状のNα-長鎖アシル
アルギニンを得てから本発明の結晶の製造方法を行うこ
ともできるが、工程が増える、収率が低くなる等、好ま
しくない。
【0027】本発明の結晶の製造方法において、結晶化
させるべきNα-長鎖アシルアルギニンは、結晶性を向
上させるために1種を単独で使用した方が好ましい。す
なわち、Nα-長鎖アシルアルギニンを構成する長鎖ア
シル基の鎖長が単一であるNα-長鎖アシルアルギニン
を使用した方が好ましい。同一鎖長である割合は好まし
くは60%以上、更に好ましくは70%以上、特に好ま
しくは90%以上であり、同一鎖長の割合が高いほど良
い。
【0028】Nα-長鎖アシルアルギニンにおける長鎖
アシル基の炭素数は8〜22であり、化粧料に用いる上
で、好ましくは10〜20、特に好ましくは12〜18
である。また、分岐より直鎖の方が好ましく、不飽和よ
り飽和の方が好ましい。
【0029】次に、Nα-長鎖アシルアルギニンを含む
残渣もしくは溶液、またはアモルファス状のNα-長鎖
アシルアルギニンに、必要に応じて低級アルコール、多
価アルコール、水を加え、低級アルコール及び/または
多価アルコールと水との混合溶媒を調整する。調製する
混合溶媒のアルコール(p)と水(q)との割合は重量
比でp/q=10/90〜90〜10であり、好ましく
は30/70〜70/30、さらに好ましくは40/6
0〜60/40である。通常、上記の混合溶媒を調製し
た時点では、固形物は十分に溶解せずに、Nα-長鎖ア
シルアルギニンを含む不溶物が多く残留する。また、前
述した通り、Nα-長鎖アシルアルギニンを合成する際
に、反応溶媒として低級アルコール及び/または多価ア
ルコールと水との混合溶媒を用いた場合は、結晶化する
際にもそのままその溶媒を用いることができるが、この
場合の反応溶液にも、通常、Nα-長鎖アシルアルギニ
ンを含む不溶物が多く残留する。
【0030】混合溶媒に用いる低級アルコール、多価ア
ルコールとしては、前述したものと同様のものを挙げる
ことができる。もちろんこれらは単独で使用しても良
く、2種以上を混合して使用しても良い。好ましいのは
低級アルコールであり、エタノールおよびイソプロパノ
ールが特に好ましい。
【0031】次に、酸を加えて不溶物を十分に溶解させ
た後、塩基を加えてpHを5.0〜7.0、好ましくは
5.5〜6.5に調整することにより、Nα-アシルア
ルギニンの結晶を析出させる。なお、pH=5.0〜
7.0以外のpHで晶析を行うと、収率が著しく低下す
る。
【0032】使用する酸は特に制限されないが、例示す
れば硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、クエン酸、乳酸、グルタ
ミン酸等が挙げられる。特に硫酸および塩酸が好まし
い。
【0033】また使用する塩基は特に制限されず、例示
すれば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミ
ン、ピリジン等が挙げられる。特に水酸化ナトリウムお
よび水酸化カリウムが好ましい。
【0034】本発明においては、不溶物を十分に溶解さ
せる程度にpHを下げればよく、必要以上に酸を加えて
pHを下げることも可能であるが、中和時に生じる塩の
量が増えることを考えると必要最少限の酸を使用するの
が好ましい。例えば、Nα-長鎖アシルアルギニンを十
分に溶解することのできるpHは長鎖アシル基の鎖長に
より異なり、鎖長が長いほどpHを低くする必要があ
る。例えばラウロイル基の場合は3.8以下、ミリスト
イル基の場合は2.7以下、パルミトイル基の場合は
1.8以下にする必要がある。
【0035】また、塩基を加えて不溶物を十分に溶解さ
せた後、酸を加えることでNα-アシルアルギニンの結
晶を析出させることもできる。溶解させる際のpHは
5.0〜7.0、好ましくは5.5〜6.5に調整す
る。なお、pH=5.0〜7.0以外のpHで晶析を行
うと、収率が著しく低下する。なお、使用する酸、塩基
については前記と同様である。
【0036】前記と同様に反応生成物を完全に溶解させ
る程度にpHに上げればよく、必要以上に塩基を加える
ことも可能であるが、中和時に生じる塩が量が増えるこ
とを考えると必要最少限の塩基を使用するのが好まし
い。例えば、Nα-長鎖アシルアルギニンを十分に溶解
することのできるpHは長鎖アシル基の鎖長により異な
り、鎖長が長いほどpHを高くする必要があり、例えば
ラウロイル基の場合は14.0以上にする必要がある。
【0037】上記2種類の晶析方法が可能であるが、酸
を加えてNα-長鎖アシルアルギニンを含む不溶物を溶
解した後に塩基で中和を行う方が、生成する塩が少なく
好ましい。
【0038】得られたNα-アシルアルギニンの結晶は
濾過・分離して、そのまま乾燥することもできるが、純
度を更に上げるために、濾過の際や分離後に、例えば
水、低級アルコール、多価アルコール等で洗浄する方が
よい。
【0039】本発明のNα-アシルアルギニン結晶は、
鱗片状で濾過性に優れており、従来のアモルファス状の
ものに比べ、純度が高く、高収率で得ることができ、工
業的に製造するのに優れた結晶である。本発明の結晶
は、化粧料組成物、滑剤、帯電防止剤、表面処理剤等に
用いることができる。また従来のアモルファス状のもの
に比べて光沢、肌へのなじみ等に優れており、特に化粧
料組成物に用いるのに、より優れたものである。
【0040】さらに、本発明のNα-アシルアルギニン
結晶で化粧料用粉体を表面処理することにより、化粧料
用粉体の特性を生かし、更に光沢、しっとり感、肌への
なじみ等に優れた化粧料用粉体を得ることができる。表
面処理の方法は湿式、乾式のいずれでも良いが、結晶形
を維持するという点で乾式の方が好ましい。従来のアモ
ルファス状のNα-アシルアルギニンを用いて表面処理
することもできるが、この場合、光沢、肌へのなじみの
点で本発明のものより劣ったものとなる。
【0041】本発明のNα-アシルアルギニン結晶で表
面処理すべき化粧料用粉体としては化粧料に用いること
ができる粉体であればよく、特に制限されないが、例示
すれば、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリメタク
リル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレン・アク
リル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉
末、ポリ4フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの
有機粉末、トリメチルシルセスキオキサン粉末、シリコ
ーン樹脂粉末、タルク、カオリン、雲母、セリサイト、
白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、リチア雲母、バー
ミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タン
グステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライ
ト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム、フッ酸アパタイト、ヒドロキ
シアパタイト、セラミックパウダー、ミリスチン酸亜
鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、窒化ホウ素、二酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、
チタン酸鉄、微粒子酸化チタン、針状酸化チタン、紡錘
状酸化チタン、棒状酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、薄片
状酸化亜鉛等の紫外線遮断粉体、γ-酸化鉄、黄酸化
鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、マンゴバイオレッ
ト、バルトバイオレット、酸化クロム、酸化セリウム、
水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青、酸化チ
タン被覆マイカ、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被
覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、アルミニ
ウムパウダー、銅パウダー、赤色201号等の顔料、ク
ロロフィル、β-カロチン、Nε-ラウロイルリジン等が
挙げられる。
【0042】化粧料用粉体を表面処理する際のNα-ア
シルアルギニン結晶の使用量は処理する化粧料用粉体の
0.01〜30重量%使用することが好ましく、より好
ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5
〜5重量%である。使用量が0.01重量%未満だと、
光沢、肌へのなじみ等の改善が不十分な場合があり、3
0重量%以上だと、化粧料用粉体本来の特性が失われる
可能性がある。なお、本発明のNα-長鎖アシルアルギ
ニン結晶と該結晶で表面処理した化粧料用粉体はそれぞ
れ単独で用いてもよく、併用してもよい。
【0043】また、本発明のNα-アシルアルギニン結
晶および/または該結晶で化粧料用粉体を表面処理して
得られる化粧料用粉体(A)を油脂(B)と併用するこ
とにより、油脂の特性を生かし更に肌へのなじみの良さ
やしっとり感が良好な化粧料を得ることが出来る。ここ
で、従来のアモルファス状のNα-アシルアルギニンを
使用した場合、肌へのなじみの良さの点で劣ったものと
なる。
【0044】本発明に使用される油脂としては特に制限
されず、例示すればミツロウ、キャンデリラロウ等の蝋
類;ナタネ油、ホホバ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヤ
シ油、パーム油、パーム核油等の植物油;牛脂、乳脂、
卵黄油、ラベンダー油、ラノリン、セレシン、スクワラ
ン等の動物系油脂;部分加水分解ホホバ油、オキシステ
アリン酸硬化ヒマシ油、酢酸ヒマシ油、部分水素添加馬
油、吸着精製ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、
硬質ラノリン、酢酸硬質ラノリン、酢酸液状ラノリン等
の天然系油脂誘導体;流動パラフィン、軽質パラフィ
ン、重質パラフィン、揮発性パラフィン、液化石油ガ
ス、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物
系油脂;低級および高級脂肪酸エステル、N-アシル-グ
ルタミン酸エステル等の合成系油脂等が挙げられる。
【0045】本発明の化粧料組成物における油脂の配合
量は目的とする製品により適宜決定され、特に制限され
ないが、通常0.01〜99.99重量%、好ましくは
0.1〜50重量%である。
【0046】また、本発明のNα-アシルアルギニン結
晶および/またはNα-アシルアルギニン結晶で表面処
理した粉体を界面活性剤と併用することにより、界面活
性剤の機能に加え、肌へのなじみ、しっとり感、つっぱ
り感の無さが良好で、使用後の頭髪のつやに優れる化粧
料組成物を得ることが出来る。ここで、従来のアモルフ
ァス状のNα-アシルアルギニンを使用した場合、肌へ
のなじみの良さ、頭髪のつやの点で劣ったものとなる。
【0047】本発明で使用できる界面活性剤としては特
に制限されず、例示すればアルキル硫酸塩(ナトリウ
ム、マグネシウム、カリウム、アンモニウム、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、リジ
ン等)、アルキルリン酸及びその塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸およびその誘導体の塩、ア
ルキルザルコシンおよびその誘導体の塩、N-アルキル-
N-メチル-β-アラニン塩、ポリオキシエチレンヤシ油
脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルリン酸塩、高級脂肪酸塩、ヤシ油脂
肪酸エチルエステルスルホン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸グ
ルタミン酸塩、 N-ラウロイルグルタミン酸塩、 N-ミ
リストイルグルタミン酸塩、 N-ヤシ油脂肪酸アスパラ
ギン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸グリシン塩、N-ヤシ油脂肪
酸アラニン塩等のN-アシルアミノ酸塩等のアニオン界
面活性剤;カルボベタイン型両性界面活性剤、アミドベ
タイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活
性剤、ヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤、ア
ミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ホスホベタイン
型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤等の
両性界面活性剤;レシチン誘導体、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシ
エチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、
ポリオキシエチレンステロールおよびその誘導体、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンおよ
びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド、アルカノールアミド、シュガーエステル
類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ピログルタミン酸
エステル、ポリオキシエチレングリセリルピログルタミ
ン酸エステルのノニオン界面活性剤;4級アンモニウム
塩、アミドアミン類、N-アシルアルギニンエステル
塩、N-[3-アルキルオキシ-2-ヒドロキシプロピル]
-L-アルギニン塩等のカチオン界面活性剤が挙げられ
る。
【0048】本発明の化粧料組成物における界面活性剤
の配合量は目的とする製品により適宜決定され、特に制
限されないが、通常0.01〜99重量%、好ましくは
0.1〜95重量である。
【0049】本発明の結晶、化粧料用粉体及び化粧料組
成物はシャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コ
ンディショニングシャンプー、ヘアローション、ヘアコ
ンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、
ヘアスプレー、ヘアリキッド、ヘアワックス、ヘアウォ
ーター、ヘアスタイリング剤、パーマ液、ヘアカラー、
酸性ヘアカラー、ヘアマニキュア等の各種頭髪用化粧
料、および化粧水、乳液、洗顔料、メイク落とし、、ク
レンジングローション、エモリエントローション、ナリ
ッシングクレーム、エモリエントクリーム、マッサージ
クリーム、クレンジングクリーム、ボディーシャンプ
ー、ハンドソープ、ひげ剃り用クリーム、日焼け化粧
料、デオドラントパウダー、デオドラントローション、
デオドラントスプレー、メーク落としジェル、モイスチ
ャージェル、保湿エッセンス、紫外線防止エッセンス、
シェービングフォーム、白粉、ファンデーション、口
紅、頬紅、アイライナー、アイシャドー、眉墨、浴剤等
の各種皮膚用化粧料、歯磨き剤等に用いることができ
る。
【0050】なお上記の界面活性剤の他にも本発明の効
果を阻害しない範囲で通常使用される各種添加剤を添加
することができる。例としてはシリコーン化合物、高分
子物質、アルコール類、多価アルコール、抽出物、アミ
ノ酸、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐
剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、酸
化染料、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤および化粧品
原料基準、化粧品種別配合成分規格、医薬部外品原料規
格、日本薬局方、食品添加物公定書記載の原料等が挙げ
られる。
【0051】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0052】<実施例1> Nα-ラウロイル-L-アル
ギニン結晶の調製 L-アルギニン1106gにイソプロピルアルコール6
919g及び水2964gを加え、pH10.5〜1
1.5、反応温度10〜13℃を保持しながら、ラウリ
ン酸クロライド(日本油脂(株)製)1522gと27
重量%-NaOH水溶液を撹拌しながら2時間かけて同
時に滴下した。1時間熟成後、反応液を50℃まで昇温
し、濃塩酸を添加してpHを3.8に調整し、反応生成
物を完全に溶解させた。その後、27重量%-NaOH
水溶液を添加し、pHを6.0に調整して結晶を析出さ
せ、そのスラリーを撹拌しながら徐々に10℃まで冷却
した。10℃まで冷却後濾過した。濾過性は良好であっ
た。水10kg、イソプロピルアルコール4.4kgで
洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥し、Nα-ラウリル-L
-アルギニンの鱗片状結晶2081gを得た(収率9
2.3%)。得られた結晶は光沢、しっとり感、肌への
なじみに優れるものであった。
【0053】(a)粉末X線回折ピーク:12.5°、
21.5°、21.9°(2θ) (b)赤外線吸収スペクトルの波数:1655、162
6、1545、1472、1462、1447、140
8(cm-1) (c)分解温度:164℃(DSCピーク:159.9
℃) (d)元素分析(C183634として) C H O 計算値(%) 60.64 10.17 15.72 実測値(%) 60.5 10.2 15.6
【0054】図1に粉末X線回折パターンを、図2に赤
外線吸収スペクトル(KBr法)を、図3に固体NMR
スペクトルを、図4にDSCチャートを示す。表1に粉
末X線回折の主なピークを示す。
【0055】
【表1】
【0056】<実施例2> Nα-ラウロイル-L-アル
ギニン結晶の調製 L-アルギニン8.0gにイソプロピルアルコール5
0.0g及び水21.4gを加え、pH10.5〜1
1.5、反応温度10〜13℃を保持しながら、ラウリ
ン酸クロライド(日本油脂(株)製、ラウリン酸クロラ
イド)11.0gと27重量%−NaOH水溶液を撹拌
しながら2時間かけて同時に滴下した。1時間熟成後5
0℃まで昇温し、27重量%-NaOH水溶液を添加し
てpHを14.0以上に調整して反応生成物を完全に溶
解させた。その後、濃塩酸を添加してpHを6.0に調
整して結晶を析出させ、そのスラリーを撹拌しながら徐
々に冷却した。液温が10℃に達したところで濾過し
た。濾過性は良好であった。水72g、イソプロピルア
ルコール32gで洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥し、
Nα-ラウロイル-L-アルギニンの鱗片状結晶15gを
得た(収率92.0%)。得られた結晶は光沢、しっと
り感、肌へのなじみに優れるものであった。
【0057】<実施例3> Nα-ミリストイル-L-ア
ルギニン結晶の調製 L-アルギニン113gにイソプロピルアルコール70
6g及び水302gを加え、pH10.5〜11.5、
反応温度10〜13℃を保持しながら、ミリスチン酸ク
ロライド(日本油脂(株)製)176gと27重量%-
NaOH水溶液を撹拌しながら2時間かけて同時に滴下
した。1時間熟成後反応液を50℃まで昇温し、濃塩酸
を添加してpHを2.7以下に調整し、、反応生成物を
完全に溶解させた。その後、27重量%-NaOH水溶
液を添加してpHを6.0に調整して結晶を析出させ、
そのスラリーを撹拌しながら徐々に冷却した。液温が1
0℃に達したところで濾過した。濾過性は良好であっ
た。水1500g、イソプロピルアルコール492gで
洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥し、Nα-ミリストイ
ル-L-アルギニンの鱗片状結晶230gを得た(収率9
2.2%)。得られた結晶は光沢、しっとり感、肌への
なじみに優れるものであった。
【0058】(a)粉末X線回折ピーク:11.6°、
14.5°、21.7°、31.0°、33.8°(2
θ) (b)赤外線吸収スペクトルの波数:1655、162
6、1543、1472、1460、1447、140
8(cm-1) (c)分解温度:163℃(DSCピーク:156.2
℃)
【0059】図5に粉末X線回折パターンを、図6に赤
外線吸収スペクトル(KBr法)を、図7にDSCチャ
ートを示す。表2に粉末X線回折の主なピークを示す。
【0060】
【表2】
【0061】<実施例4> Nα-パルミトイル-L-ア
ルギニン結晶の調製 L-アルギニン84.7gにイソプロピルアルコール7
06g及び水302gを加え、pH10.5〜11.
5、反応温度27〜30℃を保持しながら、パルミチン
酸クロライド(アルドリッチ社製)147gと27重量
%-NaOH水溶液を撹拌しながら2時間かけて同時に
滴下した。1時間熟成後反応液を50℃まで昇温し、濃
塩酸を添加してpHを1.8以下に調整し、、反応生成
物を完全に溶解させた。その後、27重量%-NaOH
水溶液を添加してpHを6.0に調整して結晶を析出さ
せ、そのスラリーを撹拌しながら徐々に冷却した。液温
が10℃に達したところで濾過した。濾過性は良好であ
った。水1200g、イソプロピルアルコール320g
で洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥し、Nα-パルミト
イル-L-アルギニンの鱗片状結晶190g(収率94.
7%)を得た。得られた結晶は光沢、しっとり感、肌へ
のなじみに優れるものであった。
【0062】(a)粉末X線回折ピーク::10.7
°、13.3°、21.6°(2θ) (b)赤外線吸収スペクトルの波数:1655、162
6、1543、1472、1460、1448、140
8(cm-1) (c)分解温度:160℃(DSCピーク:151.5
℃)
【0063】図8に粉末X線回折パターンを、図9に赤
外線吸収スペクトル(KBr法)を、図10にDSCチ
ャートを示す。表3に粉末X線回折の主なピークを示
す。
【0064】
【表3】
【0065】<比較例1> Nα-ラウロイル-L-アル
ギニンの調製 特公昭52-20973号の実施例1の方法に従い、調
製を行った。L-アルギニン35.0gにアセトン11
8.7g及び水200gを加え、pH11.5〜12.
0、反応温度15〜25℃を保持しながら、ラウリン酸
クロライド(日本油脂(株)製、ラウリン酸クロライ
ド)36.5gと8N-NaOH水溶液45mlを撹拌
しながら2時間かけて同時に滴下した。2時間熟成後、
冷却下に6N硫酸でpH5.0に調整し、さらに約30
0mlの氷水中に反応液を投入してNα-ラウロイル-L
-アルギニンの固体を析出、濾過後乾燥した(収量55
g)。固体は実施例1の結晶に比べ細かくアモルファス
状であり、濾過性は不良であった。固体を石油ベンジン
300mlで攪拌、洗浄後濾過し、減圧乾燥してアモル
ファス状のNα-ラウロイル-L-アルギニン51gを得
た(収率85%)。このものは実施例1で得られた結晶
に比べ、光沢、肌へのなじみの点で劣るものであった。
また元素分析の結果から、実施例1の結晶と比較し純度
が劣るものであることが分かる。
【0066】(a)粉末X線回折ピーク:21.6°
(2θ) (b)赤外線吸収スペクトルの波数:1653、163
0、1543、1472、1462、1449、140
8(cm-1) (c)分解温度:155℃(DSCピーク:116.6
℃) (d)元素分析(C183634として) C H O 計算値(%) 60.64 10.17 15.72 実測値(%) 59.72 10.31 15.04
【0067】図11に粉末X線回折パターンを、図12
に赤外線吸収スペクトル(KBr法)を、図13に固体
NMRスペクトルを、図14にDSCチャートを示す。
表4に粉末X線回折の主なピークを示す。
【0068】
【表4】
【0069】<実施例5> 微粒子酸化チタンの表面処
理 微粒子酸化チタン5.0gと実施例1の結晶0.05g
を混合し、家庭用ミキサーを用いて1分×2回攪拌混合
して表面処理を行った。この化粧料用粉体は処理前に比
べて光沢、しっとり感、肌へのなじみに優れるものであ
った。
【0070】<実施例6> タルクの表面処理 実施例5と同様に、実施例1の結晶を用いてタルクの表
面処理を行った。この化粧料用粉体は処理前に比べて光
沢、しっとり感、肌へのなじみに優れるものであった。
【0071】<実施例7> 酸化亜鉛の表面処理 実施例5と同様に、実施例1の結晶を用いて酸化亜鉛の
表面処理を行った。この化粧料用粉体は処理前に比べて
光沢、しっとり感、肌へのなじみに優れるものであっ
た。
【0072】<比較例2> タルクの表面処理 実施例5と同様にして、比較例1の固体を用いてタルク
の表面処理を行った。この化粧料用粉体は実施例6に比
べ光沢、肌へのなじみの点で劣るものであった。
【0073】試験例1 後記表5に示す組成(重量%表示、総量100%)のマ
ッサージオイルを調製し、専門パネラー5名によりこれ
らマッサージオイルを手の甲に塗布して、使用時のなじ
みの良さについて官能評価を行った。評価は表5の比較
例3を基準とした相対評価とし、以下に示す基準による
平均値を算出し、平均値が4.5以上の場合を非常に良
好(◎)、3.5〜4.4の場合を良好(○)、2.5
〜3.4の場合を普通(△)、そして2.4以下の場合
を不良(×)として行った。評価結果も表5に示す。
【0074】<評価基準> 使用時のなじみの良さ 5:標準品よりなじみが良い 4:標準品よりややなじみが良い 3:標準品と同等 2:標準品よりややなじみが悪い 1:標準品よりなじみが悪い
【0075】
【表5】
【0076】試験例2 後記表6に示す組成(重量%表示、総量100%)のマ
ッサージオイルを調製し、専門パネラー5名によりこれ
らマッサージオイルを手の甲に塗布して、使用時のなじ
みの良さについて官能評価を行った。評価は表6の比較
例5を基準とした相対評価とし、試験例1と同様の評価
基準により行った。評価結果も表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】試験例3 後記表7に示す組成(重量%表示、総量100%)のハ
ンドソープを調製し、専門パネラー5名によりこれらハ
ンドソープを用いて手の洗浄を行い、使用時のなじみの
良さについて官能評価を行った。評価は表7の比較例7
を基準とした相対評価とし、以下に示す基準による平均
値を算出し、平均値が4.5以上の場合を非常に良好
(◎)、3.5〜4.4の場合を良好(○)、2.5〜
3.4の場合を普通(△)、そして2.4以下の場合を
不良(×)として行った。評価結果も表7に示す。
【0079】<評価基準> 使用時のなじみの良さ 5:標準品よりなじみが良い 4:標準品よりややなじみが良い 3:標準品と同等 2:標準品よりややなじみが悪い 1:標準品よりなじみが悪い
【0080】
【表7】
【0081】試験例4 後記表8に示す組成(重量%表示、総量100%)のリ
ンスを調製し、1%ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水
溶液で洗浄した毛束にこれらリンスを塗布後、十分に水
洗し、乾燥後の頭髪のつやについて官能評価を行った。
評価は表8の比較例9を基準とした相対評価とし、以下
に示す基準による平均値を算出し、平均値が4.5以上
の場合を非常に良好(◎)、3.5〜4.4の場合を良
好(○)、2.5〜3.4の場合を普通(△)、そして
2.4以下の場合を不良(×)として行った。評価結果
も表8に示す。
【0082】<評価基準> 頭髪のつや 5:標準品よりつやがある 4:標準品よりややつやがある 3:標準品と同等 2:標準品よりややつやがない 1:標準品よりつやがない
【0083】
【表8】
【0084】試験例5 後記表9に示す組成(重量%表示、総量100%)のリ
ンスを調製し、1%ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水
溶液で洗浄した中国人毛の毛束にこれらリンスを塗布
後、十分に水洗し、乾燥後の頭髪のつやについて官能評
価を行った。評価は表9の比較例11を基準とした相対
評価とし、試験例4と同様の評価基準により行った。評
価結果も表9に示す。
【0085】
【表9】
【0086】
【発明の効果】本発明の製法によれば、濾過性が良好
で、収率及び純度が高く、また使用感に優れたNα-長
鎖アシルアルギニン結晶を得ることができる。また、本
発明のNα-長鎖アシルアルギニン結晶は光沢、肌への
なじみ等に優れたものであり、また該結晶で化粧料用粉
体を表面処理することにより、粉体の光沢、肌へのなじ
み等を改善することができる。これらの結晶または化粧
料用粉体は特に化粧料組成物に用いるのに優れたもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン結
晶の粉末X線回折パターンである。
【図2】実施例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン結
晶の赤外線吸収スペクトルである。
【図3】実施例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン結
晶の固体NMRスペクトルである。
【図4】実施例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン結
晶のDSCチャートである。
【図5】実施例3のNα-ミリストイル-L-アルギニン
結晶の粉末X線回折パターンである。
【図6】実施例3のNα-ミリストイル-L-アルギニン
結晶の赤外線吸収スペクトルである。
【図7】実施例3のNα-ミリストイル-L-アルギニン
結晶のDSCチャートである。
【図8】実施例4のNα-パルミトイル-L-アルギニン
結晶の粉末X線回折パターンである。
【図9】実施例4のNα-パルミトイル-L-アルギニン
結晶の赤外線吸収スペクトルである。
【図10】実施例4のNα-パルミトイル-L-アルギニ
ン結晶のDSCチャートである。
【図11】比較例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン
の粉末X線回折パターンである。
【図12】比較例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン
の赤外線吸収スペクトルである。
【図13】比較例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン
の固体NMRスペクトルである。
【図14】比較例1のNα-ラウロイル-L-アルギニン
のDSCチャートである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるNα-長鎖
    アシルアルギニンが溶解した低級アルコール並びに多価
    アルコールから選ばれる1種以上及び水よりなる混合溶
    媒の酸または塩基溶液を中和し、晶析させることを特徴
    とするNα-長鎖アシルアルギニン結晶の製造方法。 【化1】 [上記式中、Rは炭素原子数7〜21の直鎖または分岐
    鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。]
  2. 【請求項2】 アルギニンと炭素数8〜22の脂肪酸ハ
    ライドとを反応させて下記一般式(1)で表されるNα
    -長鎖アシルアルギニンを製造する際に、低級アルコー
    ル並びに多価アルコールから選ばれる1種以上及び水よ
    りなる混合溶媒中、pH10.0〜12.5の条件下で
    反応させた後、反応溶液中の不溶物を酸または塩基を加
    えて溶解させた後、中和し、晶析させることを特徴とす
    るNα-長鎖アシルアルギニン結晶の製造方法。 【化2】 [上記式中、Rは炭素原子数7〜21の直鎖または分岐
    鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。]
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の製造方法
    によって得られるNα-長鎖アシルアルギニン結晶。
  4. 【請求項4】 下記の物性を少なくとも一つ有するNα
    -ラウロイル-L-アルギニン結晶。 (a)粉末X線回折ピーク:12.5°、21.5°、
    21.9°(2θ) (b)赤外線吸収スペクトルの波数:1655、162
    6、1545、1472、1462、1447、140
    8(cm-1
  5. 【請求項5】 下記の物性を少なくとも一つ有するNα
    -ミリストイル-L-アルギニン結晶。 (a)粉末X線回折ピーク:11.6°、14.5°、
    21.7°、31.0°、33.8°(2θ) (b)赤外線吸収スペクトルの波数:1655、162
    6、1543、1472、1460、1447、140
    8(cm-1
  6. 【請求項6】 下記の物性を少なくとも一つ有するNα
    -パルミトイル-L-アルギニン結晶。 (a)粉末X線回折ピーク:10.7°、13.3°、
    21.6°(2θ) (b)赤外線吸収スペクトルの波数:1655、162
    6、1543、1472、1460、1448、140
    8(cm-1
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6の結晶から選ばれる1種
    以上で表面処理したことを特徴とする化粧料用粉体。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至6の結晶から選ばれる1種
    以上および/または請求項7の化粧料用粉体の1種以上
    を含有することを特徴とする化粧料組成物。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至6の結晶から選ばれる1種
    以上および/または請求項7の化粧料用粉体の1種以上
    (A)と油脂から選ばれる1種以上(B)とを含有する
    ことを特徴とする化粧料組成物。
  10. 【請求項10】 請求項3乃至6の結晶から選ばれる1
    種以上および/または請求項7の化粧料用粉体の1種以
    上(A)と界面活性剤から選ばれる1種以上(C)とを
    含有することを特徴とする化粧料組成物。
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