JPH0212923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はまつ毛メーキヤツプ用組成物に関し、
これはこの種組成物に慣用されるろうと共に特定
のケラチン誘導体を含むことによりその性質が改
良されているものである。 一般にまつ毛のメーキヤツプを目的とする、マ
スカラという名でも知られている化粧用組成物は
上記の如くろうをベースとしている。しかし、ろ
うのみを使用する場合には得られるマスカラ組成
物はまつ毛上に不均質なフイルムを形成する結果
となり、これは乾燥直後に脆いフレークが生成す
る形で現れることが認められてきた。 まつ毛上のフイルムの均質性を確保し均一なメ
ーキヤツプを得る機能を目的とする増粘剤例えば
ヒドロキシエチルセルロースをろうと併用するこ
とにより上記の欠点を克服することが試みられて
きた。しかしこの種の製品によつて得られるメー
キヤツプはまつ毛を長くする力が弱いこと、また
経時的安定性がそれ以前の組成物と比較して改良
されてはいるが二，三時間後にはフレークが現れ
る程度であることが特徴である。 「粘着剤」例えばロジンまたはその誘導体もろ
うおよび増粘剤と併用された。ろうと陰イオン性
および陽イオン性ポリマーとの組合せをベースと
するマスカラも知られている。これらのメーキヤ
ツプ用品によるとまつ毛が完全に被覆され、まつ
毛を長くする性質が著しく増加する結果が得られ
る。その上、まつ毛上のフイルムの可塑化にある
程度役立ち、従つて経時的安定性を改善するのに
役立つ。残念なことにこれらのメーキヤツプ用品
はまつ毛が完全に被覆されるように塗るにはある
時間が必要である。 従つて現在の技術水準においては、マスカラを
構成するろうの補助剤としてメーキヤツプを迅
速、均一にし、またこのメーキヤツプに良好な経
時的安定性を与えると共にまつ毛を顕著に長くす
る効果を与えるような特性をもつものは得られな
いように見える。 本発明者は、特定のケラチン誘導体がろうをベ
ースとするマスカラにこれを添加する場合、これ
らのマスカラの化粧品としての品質を驚く程改善
することを見出した。まつ毛のメーキヤツプ用組
成物に添加する場合にこれらケラチン誘導体が粘
着剤兼増粘剤として作用してまつ毛上に、直ちに
附着しかつ可とう性フイルムを形成する効果を持
つて被覆がつくられるようになることは全く予期
し得なかつた。このようにしてつくられたメーキ
ヤツプ用品は、非常に迅速に施用できること、ま
つ毛を実質的に長くすること、および性能が良好
なことを特徴とする。このケラチン誘導体は、公
知の方法により、各種ケラチン内のシスチン中の
ジスルフイド結合の酸化により得られ、高分子量
で硫黄含有量の高い水溶性化合物である。特開昭
57―144211号および特開昭57―144209号から、こ
れらのケラチン誘導体は興味ある性質、特に皮膚
に対する冷い感触および水分保持性を皮膚用保護
クリームまたはローシヨンに、またステイツク状
化粧品にそれぞれ与えることは知られているが、
前述のようなメーキヤツプ性能を与えることは全
く記載されていない。 従つて本発明の主題はろうと、一般式（） 本式においてＫはケラチン残基を表わし、M⁺
はH⁺、アルカリ金属かマグネシウムかから導か
れる陽イオン、またはN⁺（Ｒ）₄（式中基Ｒは同一
であつても異つていてもよくて水素原子、または
４個以下の炭素原子を有するアルキル基またはヒ
ドロキシアルキル基を表わす）を表わし、記号Ａ
はケラチン誘導体の３ないし15重量％を表わすも
のとする〕 に相当する少くとも一種のケラチン誘導体有効量
とを併せて含有することを特徴とする、化粧的に
許容し得る基剤の存在下で少くとも一種のろうを
有効量含有するまつ毛メーキヤツプ用組成物であ
る。 式（）で表わされるケラチン誘導体の製造原
料となるケラチンは毛髪、羊毛、蹄、角、皮膚、
毛皮、絹および羽から成る群から選ばれる物質に
由来することができる。 式（）で表わされる変性ケラチンはケラチン
内のシスチン基内のジスルフイド結合の全部また
は一部をシステイン酸を生ずるように酸化し、こ
の酸化に続いて―SO₃H基を塩に転化しまたは転
化しないで、製造される。酸化は酸性媒質中で酸
化剤例えば過酸化水素または過酸によつて行なう
のが有利である。 本発明の組成物中のケラチン誘導体の含有率は
組成物の全重量に対して一般に0.1ないし40％で
あり、分子量は有利には約10000ないし約100000
である。 一般に、ろうは融点が60ないし110℃、米国規
格ASTM D5またはフランス規格NFT004によつ
て測定した針入度が25℃において３ないし40であ
るものが選ばれる。ASTM D5およびNFT004に
よる針入度測定の原理は、標準針（重量2.5ｇで、
重量47.5ｇの針保持器内に置く。すなわち全重量
50ｇ）をろう上に５秒間置いた場合の針の入る深
さを0.1mm単位で表わすものである。 本発明に従つて使用されるろうは動物ろう、植
物ろう、鉱物ろう、合成ろうおよび天然ろうの種
種の留分であつて、それぞれ前述した二つの特性
を有するものから選ばれる。 動物ろうの例としてはみつろう、ラノリンろう
および虫白ろうを挙げることができる。 植物ろうの例としてはカルナウバ、カンデリラ
およびオウリキユリーろう、コルク繊維ろう、さ
とうきびろうおよびもくろうが挙げられる。 鉱物ろうの例としては、特に、パラフイン、マ
イクロクリスタリンワツクス、モンタンワツクス
およびオゾケライトが挙げられる。 合成ワツクスの場合は、特に、ポリエチレンワ
ツクス、フイツシヤー・トロプシユ合成法によつ
て製造されたワツクス、およびワツクス状コポリ
マー、ならびにそれらのエステルが挙げられる。 これらのろうは当業界においてよく知られてい
るものである。本発明によれば、これらのろうの
マスカラ組成物中の含有割合は組成物の全重量に
対して２ないし40重量％である。 本発明に従つて使用し得るろうは50℃以下の温
度で固体で硬いものが好ましい。 本発明によるマスカラ組成物の今一つの特徴に
よれば、ケラチン誘導体の使用量のろう使用量に
対する比率は0.01ないし１である。 本発明によるマスカラ組成物はケラチン誘導体
とろうとの他に顔料を含有してもよい。前記ケラ
チン誘導体の存在によつて、これらの顔料の組成
物中での分散が良くなり、またまつ毛への附着が
改善される。 本発明に従つて使用し得る顔料は無機顔料、有
機顔料、および真珠光沢顔料から選ばれる。 無機顔料の例としては表面処理されまたはされ
ていない、カラーインデキス中に参照番号
CI77891で記されている二酸化チタン（ルチルお
よびアナターゼ）黒色、黄色、赤色および褐色酸
化鉄（CI77499、77492、77491）、マンガンバイ
オレツト（CI77742）、ウルトラマリンブルー
（CI77007）、酸化クロム（CI77288）、水和クロム
（CI77289）およびフエリツクブルー（CI77510）
が挙げられる。 有機顔料は、特に、以下の顔料から選ばれる：
Ｄ＆Ｃ赤色19号（CI45170）、同赤色９号
（CI15585）、同赤色21号（CI45380）、同橙色４号
（CI15510）、同橙色５号（CI45370）、同赤色27号
（CI45410）、同赤色13号（CI15630）、同赤色７号
（CI15850）、同赤色６号（CI15850）、同黄色５号
（CI19140）、同赤色36号（CI12085）、同橙色10号
（CI45425）、同黄色６号（CI15985）、同赤色30号
（CI73360）、同赤色３号（CI45430）、およびコチ
ニールカルミンをベースとするレーキ
（CI75570）。 真珠光沢顔料は白色真珠光沢顔料例えば二酸化
チタンかオキシ塩化ビスマスかで被覆された雲
母、着色真珠光沢顔料例えば酸化鉄着色チタン雲
母、フエリツクブルー、酸化クロム等で着色され
たチタン雲母、前述の種類の有機顔料で着色され
たチタン雲母、ならびにオキシ塩化ビスマスをベ
ースとするもの。 顔料を使用する場合、顔料の含有割合は目的と
する色および色の濃さに応じ、組成物の全重量に
対して３ないし20重量％である。 本発明による組成物は特に水中油型または油中
水型の乳濁液の形で、または溶媒中の懸濁液の形
で、または乾燥固体またはペーストの形で提供す
ることができる。これらの種々の組成物の製造方
法は当業者にとり公知である。 乳濁液として使用される場合、本組成物は当業
界で公知の界面活性剤を含むことができる。 特に好ましい実施態様はアニオン界面活性剤ま
たは非イオン界面活性剤を組成物の全重量に対し
て好ましくは２ないし30重量％使用して陰イオン
性または非イオン性乳濁液を製造することであ
る。 単独でまたは混合して使用することのできるア
ニオン界面活性剤としては、特に、次の化合物の
アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩また
はアミノアルコール塩が挙げられる： − アルキルサルフエート、アルキルエーテルサ
ルフエート、アルキルアミドサルフエートおよ
びエーテルサルフエート、アルキルアリールポ
リエーテルサルフエート、およびモノグリセリ
ドサルフエート、 − アルキルスルホネート、アルキルアミドスル
ホネート、アルキルアリールスルホネート、α
―オレフインスルホネート、およびパラフイン
スルホネート、 − アルキルスルホスクシナート、アルキルエー
テルスルホスクシナート、およびアルキルアミ
ドスルホスクシナート、 − アルキルスルホスクシナマート、 − アルキルスルホアセテート、アルキルポリグ
リセロールカルボキシレート、 − アルキルホスフエート／アルキルエーテルホ
スフエート、 − アルキルサルコシナート、アルキルポリペプ
チダート、アルキルアミドポリペプチダート、
アルキルイセチオナート、およびアルキルタウ
ラート。 これらすべての化合物のアルキル基とは一般に
12ないし18個の炭素原子を有する鎖を示す。 その他のアニオン界面活性剤には脂肪酸例えば
オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸および
ステアリン酸、コプラ油酸または水素添加コプラ
油酸の塩、そして特にアミン塩例えばステアリン
酸アミンがある。 さらに次のものも挙げられる： − アシル基が８ないし20個の炭素原子を有する
アシルラクチラート、 − 式 Alk−（OCH₂−CH₂）_o−OCH₂−COOH （式中において置換基Alkは12ないし18個の炭
素原子を有する直鎖に相当し、ｎは５ないし15の
整数である） に相当するポリグリコールエーテルカルボン酸ま
たはその塩。 単独または混合して使用し得る非イオン界面活
性剤の中では特に、ポリエトキシ化、ポリプロポ
キシル化またはポリグリセロール化されたアルコ
ール、アルキルフエノール、および８−18個の炭
素原子を有する脂肪鎖を有する脂肪酸が挙げられ
る。さらに、エチレンオキシドとプロピレンオキ
シドとのコポリマー、エチレンオキシドとプロピ
レンオキシドとの脂肪アルコールとの縮合物、ポ
リエトキシル化脂肪アミド、ポリエトキシル化脂
肪アミン、エタノールアミド、グリコール脂肪酸
エステル、オキシエチレン化されまたはされてい
ないソルビタン脂肪酸エステル、スクロース脂肪
酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、リン酸トリエステル、およびグルコース誘
導体の脂肪酸エステルも挙げることができる。 この部類に属するその他の化合物として次のも
のがある：モノアルコールかα―ジオールかアル
キルフエノールかアミドかジグリコールアミドか
とグリシドールまたはグリシドール前駆体との縮
合生成物、例えば式 R₄−CHOH−CH₂−Ｏ−（CH₂−CHOH−CH
₂−）―_pＨ （本式において、R₄は好ましくは７ないし21
個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式またはアリ
ール脂肪族の基またはそれらの混合物でその脂肪
族鎖はエーテル、チオエーテルまたはヒドロキシ
メチレン基を含有し得るものを表わし、ｐは１か
ら10までの数である） で表わされるもの、例えばフランス特許第
2091516号明細書に記載されているもの。式 R₅O〔―C₂H₃O−（CH₂OH）〕―_qＨ （本式においてR₅はアルキル基、アルケニル
基またはアルキルアリール基を表わし、ｑは１か
ら10までの統計的数値である） に相当する化合物、例えばフランス特許第
1477048号明細書に記載されているもの。 式 R₆−CONH−CH₂−CH₂O−CH₂−CH₂−Ｏ（―CH₂−CH
OH−CH₂−Ｏ）―_rＨ （本式において、R₆は直鎖のまたは枝分れし
た、飽和または不飽和の、１個以上のヒドロキシ
ル基を含むかまたは含まない、８ないし30個の炭
素原子を有する、天然または合成起源の脂肪族の
基またはその混合物を表わし、ｒは１から５まで
の整数または小数で平均縮合度を表わす） に相当する化合物、例えばフランス特許第
2328763号明細書に記載されているもの。 非イオン性乳濁液は主として油および（また
は）脂肪アルコール、またはポリエトキシル化ま
たはポリグリセロール化されたアルコール例えば
ポリエトキシル化されたステアリルまたはセチル
ステアリルアルコールから成る。 陰イオン性乳濁液は好ましくはステアリン酸ア
ミンから成る。 本発明による組成物は上記の成分のほかに、慣
用的に、特に、メーキヤツプ用組成物に使用さ
れ、化粧品分野に通常使用される軟化剤、防腐
剤、金属イオン封鎖剤、香料、増粘剤、油、シリ
コーン、粘着剤、ポリマー、ならびにアルカリ性
化剤または酸性化剤から選ばれる成分を含有して
もよい。 使用し得る増粘剤は天然品でも合成品でもよ
い。天然増粘剤の例としては種々のゴム、例えば
アラビアゴム、グアーゴムまたはいなごまめゴム
が挙げられる。合成増粘剤の例としてはセルロー
ス誘導体例えばヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、デンプン誘導体、第
四級アンモニウム団を含むセルロースエーテル誘
導体、陽イオン性多糖、アクリルまたはメタクリ
ルポリマーの塩、ポリエンまたはポリシロキサン
が挙げられる。 本組成物の増粘はまた、ポリエチレングリコー
ルとポリエチレングリコールステアレートおよび
（または）ジステアレートとの混合物またはリン
酸エステルと脂肪アミドとの混合物によつても達
成される。 本発明の主題の理解をさらに容易とするため、
以下若干の実施例によつて説明するが本発明はこ
れに限定されるものではない。 例 １ 第一工程：にわとりの羽からのケラチンの抽出 あらかじめ洗浄したにわとり羽100ｇ、ジメチ
ルホルムアミド2.1、水860mlを４反応器に装
入する。この混合物を８時間還流下に加熱した後
熱濾過する。濾液を水15で希釈し、得られた沈
殿を濾別する。このようにして得たタンパク質は
水分60ないし80％を含有している。 アミノ酸の比較分析の結果は、未処理の羽も抽
出されたタンパク質もアミノ酸の含有量は同様で
あつた。いずれの場合にもシスチンの割合は７付
近（原料により6.5から7.5）である。 第二工程：式（）で表わされ、式中M⁺はH⁺
を表わし、Ｋはにわとり羽から抽出されたケラ
チン残基を表わすケラチン誘導体の製造 第一工程で得た、活性物質30％を含む含湿ケラ
チン350ｇと酢酸750mlとを２反応器に装入す
る。全体をかくはんして均一にし、氷浴で冷却し
ながら110容過酸化水素375mlと酢酸1125mlとの混
合物を約40分間で加える。反応混合物を室温に戻
し約15時間かくはんを続ける。 次にこの混合物を水５で希釈し、得られた沈
殿を濾別し凍結乾燥する。かくして目的のケラチ
ン誘導体70ｇを白色粉末として得る。 このようにして得たケラチン誘導体中に存在す
るアミノ酸の量を測定した。分析結果を次表に示
す。表中の値はタンパク質100ｇ当りの各アミノ
酸のグラム数を示す。

【表】

【表】 遊離アミノ酸とオリゴペプチドとの含量は0.1
％以下である。 例 ２ 次の処方の乾燥マスカラ組成物を製造する： − カルナウバろう …５ｇ − カンデリろう …５ｇ − エチルアルコール …３ｇ − 有機物質で変性したモンモリロナイト…４ｇ − 例１の化合物 …２ｇ − タルク …10ｇ − 黒色酸化鉄 …10ｇ − イソパラフイン…十分量 …100ｇ 操作は次の通りである： ろう類を80℃に加熱し、これにタルクおよび顔
料を加える。次に、あらかじめ有機物質で変性し
たモンモリロナイトとイソパラフインの一部とを
混和する。約40℃で、例１の化合物、エチルアル
コールおよび残りのイソパラフインを加え、全体
を摩砕機に通す。 このマスカラは極めて短い施用時間で、まつ毛
を被覆しまつ毛の長さを増して良好なメーキヤツ
プを生ずる。 以下に記す例３ないし例８は乳濁液状マスカラ
に関するものである。これらのマスカラは即時に
使用できる。一般的操作は次の通りである： ろうを溶融し、顔料を混和する。例１の化合物
と、場合に応じてゴムおよび（または）ヒドロキ
シエチルセルロースとを含有する水相をろうの相
と同一温度まで加熱した後、両相を混合して激し
くかくはんする。 このようにして、以下に記す処方により製造し
たマスカラは、施用には比較的短時間しか要しな
いにかゝわらず良好なメーキヤツプを与える。 例 ３ 次の処方のマスカラ組成物を製造する： − トリエタノールアミンステアレート …15ｇ − みつろう …８ｇ − パラフイン …３ｇ − ロジン …２ｇ − オゾケライト …10ｇ − パラヒドロキシ安息香酸プロピル …0.20ｇ − パラヒドロキシ安息香酸メチル …0.20ｇ − アラビアゴム …0.50ｇ − 例１の化合物 …１ｇ − 黒色酸化鉄 …５ｇ − アルミノシリケートポリスルフイド …５ｇ − 水…十分量 …100ｇ 例 ４ 次の処方のマスカラ組成物を製造する： − ２―アミノ―２―メチル―１―プロパノール
ステアレート …２ｇ − カンデリラろう …５ｇ − みつろう …８ｇ − パラヒドロキシ安息香酸メチル …0.15ｇ − パラヒドロキシ安息香酸プロピル …0.15ｇ − いなごまめゴム …３ｇ − キサンタンゴム …３ｇ − 例１の化合物 …0.50ｇ − 黒色酸化鉄 …８ｇ − 水…十分量 …100ｇ 例 ５ 次の処方のマスカラ組成物を製造する： − トリエタノールアミンステアレート …20ｇ − マイクロクリスタリンワツクス …５ｇ − カルナウバろう …10ｇ − みつろう …３ｇ − イミダゾリジニル尿素 …0.30ｇ − パラヒドロキシ安息香酸プロピル …0.15ｇ − トラガカントゴム …５ｇ − 例１の化合物 …3.50ｇ − 黒色酸化鉄 …５ｇ − 水…十分量 …100ｇ 例 ６ 次の処方のマスカラ組成物を製造する： − トリエタノールアミンステアレート …15ｇ − カンデリラろう …８ｇ − カルナウバろう …10ｇ − ヒドロキシエチルセルロース …１ｇ − 例１の化合物 …５ｇ − 黒色酸化鉄 …８ｇ − パラヒドロキシ安息香酸メチル …0.15ｇ − パラヒドロキシ安息香酸プロピル …0.15ｇ − 水…十分量 …100ｇ 例 ７ 次の処方のマスカラ組成物を製造する： − トリエタノールアミンステアレート …10ｇ − カンデリラろう …15ｇ − みつろう …17ｇ − キサンタンゴム …１ｇ − 例１の化合物 …１ｇ − 黒色酸化鉄 …５ｇ − アルミノシリケートポリスルフイド（ウルト
ラマリンブルー） …４ｇ − 防腐剤…十分量 − 水…十分量 …100ｇ 例 ８ 次の処方のマスカラ組成物を製造する： − トリエタノールアミンステアレート …10ｇ − カルナウバろう …８ｇ − みつろう …８ｇ − 例１の化合物 …６ｇ − 黒色酸化鉄 …５ｇ − アルミノシリケートポリスルフイド …４ｇ − 防腐剤…十分量 − 水…十分量 …100ｇ 例 ９ 次の処方の乾燥マスカラブロツクを製造する： − トリエタノールアミンステアレート …25ｇ − みつろう …６ｇ − マイクロクリスタリンワツクス …22ｇ − 飽和脂肪酸グリセリド …11ｇ − パラヒドロキシ安息香酸メチル …0.15ｇ − パラヒドロキシ安息香酸プロピル …0.15ｇ − アラビアゴム …5.70ｇ − 例１の化合物 …1.50ｇ − 赤色酸化鉄 …５ｇ − 黒色酸化鉄 …５ｇ 操作は次の通りである： ろうを溶融し、これに顔料を加える。アラビア
ゴムと例１の化合物とを混和する。混合物を加熱
した摩砕機に通す。残りの成分を加え、全体を再
び溶融し、静かにかくはんしながら型に流し込
む。 非常に短い施用時間で良好なまつ毛メーキヤツ
プが得られる。 本発明のメーキヤツプ組成物によつて得られ
る、まつ毛を長くする顕著な効果を実証する例を
次に述べる。 例 10 前記例３および例８とそれぞれ同一の組成物
と、他方例１の化合物を含まぬ以外はこの二例と
同じ組成物とを製造する。 これら４種の組成物をブラシでくろてん毛ペン
キブラシに塗布した。ペンキブラシ上に塗布する
のにそれぞれ10回ブラシを使うことが必要であつ
た。各ペンキブラシの長さを組成物塗布の前後に
倍率7.94倍の双眼拡大鏡によつて測定しペンキブ
ラシの伸びを求める。各組成物について10回の伸
びの平均値を求める。倍率7.94倍においてマイク
ロメーター単位で表示した測定結果を次表に示
す：

【表】 まつ毛を長くする効果において本発明の組成物
が極めて明らかに優つていることがわかる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ろうと、一般式（） 〔本式においてＫはケラチン残基を表わし、
   M⁺はH⁺、アルカリ金属かマグネシウムかから導
   かれる陽イオン、またはN⁺（Ｒ）₄（式中基Ｒは同
   一であつても異つていてもよくて水素原子、また
   は４個以下の炭素原子を有するアルキル基または
   ヒドロキシアルキル基を表わす）を表わし、記号
   Ａはケラチン誘導体の３ないし15重量％を表わす
   ものとする〕 で表わされる少くとも一種のケラチン誘導体有効
   量とを併せて含有することを特徴とする、化粧的
   に許容し得る基剤の存在下で少くとも一種のろう
   を有効量含有するまつ毛メーキヤツプ用組成物。 ２ 式（）で表わされるケラチン誘導体の製造
   原料のケラチンが毛髪、羊毛、蹄、角、毛皮、皮
   膚、絹および羽から成る群から選ばれる物質に由
   来するケラチンである、前項１に記載の組成物。 ３ 式（）で表わされるケラチン誘導体の分子
   量が約10000ないし約100000である、前項１およ
   び２のいずれかに記載の組成物。 ４ 式（）で表わされるケラチン誘導体が組成
   物の全重量に対して0.1ないし40重量％の割合で
   存在する、前項１ないし３のいずれかに記載の組
   成物。 ５ ろうの融点が60ないし110℃であり、25℃に
   おける針入度が３ないし40である、前項１ないし
   ４のいずれかに記載の組成物。 ６ ろうが動物ろう例えばみつろう、ラノリンろ
   うおよび虫白ろう、植物ろう例えばカルナウバ、
   カンデリラ、およびオウリキユリー、コルク繊維
   ろう、さとうきびろう、およびもくろう、鉱物ろ
   う例えばパラフイン、マイクロクリスタリンワツ
   クス、モンタンワツクスおよびオゾケライト、合
   成ろう例えばポリエチレンワツクス、フイツシヤ
   ー・トロプシユ合成法により製造されたワツク
   ス、ワツクス状コポリマーならびにそれらのエス
   テル、および天然ろうの種々の留分から選ばれ
   る、前項５に記載の組成物。 ７ ろうが組成物の全重量に対して２ないし40％
   の割合で存在する、前項１ないし６のいずれかに
   記載の組成物。 ８ ケラチン誘導体の使用量のろうの使用量に対
   する重量比が0.01ないし１である、前項１ないし
   ７のいずれかに記載の組成物。 ９ 無機顔料例えば、表面処理されたまたはされ
   ていない二酸化チタン、黒色、黄色、赤色および
   褐色酸化鉄、マンガンバイオレツト、ウルトラマ
   リンブルー、酸化クロム、水和クロムおよびフエ
   リツクブルー、有機顔料例えば顔料Ｄ＆Ｃ（デイ
   ーアンドシー）赤色19号、同赤色９号、同赤色21
   号、同橙色４号、同橙色５号、同赤色27号、同赤
   色13号、同赤色７号、同赤色６号、同黄色５号、
   同赤色36号、同橙色10号、同黄色６号、同赤色30
   号、同赤色３号、コチニールカルミンをベースと
   するレーキ、真珠光沢顔料例えば白色真珠光沢顔
   料例えば酸化チタンかオキシ塩化ビスマスかで被
   覆した雲母、および着色真珠光沢顔料例えば酸化
   鉄着色チタン雲母、フエリツクブルーか酸化クロ
   ム等かで着色したチタン雲母、上記の種類の有機
   顔料で着色したチタン雲母、ならびにオキシ塩化
   ビスマスをベースとしたものから選ばれる少くと
   も一種の顔料を含有する、前記１ないし８のいず
   れかに記載の組成物。 １０ 顔料が組成物の全重量に対して３ないし20
   重量％の割合で存在する、前項９に記載の組成
   物。 １１ 油中水型または水中油型の乳濁液の形で、
   または溶媒中の懸濁液の形で、または乾燥固体ま
   たはペースト状で提供される前項１ないし１０の
   いずれかに記載の組成物。 １２ 組成物の全重量に対して２ないし30重量％
   の割合の少くとも一種の界面活性剤を含有する、
   前項１ないし１１のいずれかに記載の組成物。 １３ 軟化剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、香
   料、増粘剤、油、シリコーン、粘着剤およびポリ
   マー、ならびにアルカリ性化剤または酸性化剤か
   ら選ばれる少くとも一種の補助剤を含有する、前
   項１ないし１２のいずれかに記載の組成物。