JP5147024B2 - フォークリフトのカゴ台車固定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フォークで取り上げたカゴ台車を該フォーク上に固定するためのカゴ台車固定装置に関する。
卸売業、小売業、製造業等では、各地に設けられた物流センタに商品の在庫を保管しておき、小売店や顧客からの注文に応じて迅速に商品を配送する方式が採られている。この方式では、保管している商品の配送先が決定されると、配送先または配送ルート毎に商品をセンタ内から集めてまとめる、いわゆるピッキング作業が行われている。
通常、ピッキング作業ではカゴ台車が用いられる。カゴ台車は、車輪が備えられているために人力による運搬も可能であるが、商品(積荷)の重量によっては人力での運搬が困難な場合がある。この場合は、運搬者が歩きながら操縦することができるウォーキーフォークリフトのフォーク上にカゴ台車を積んで運搬することが多い。
ウォーキーフォークリフトは、運搬中のカゴ台車が転倒するのを防ぐべく、フォーク上にカゴ台車を固定するためのカゴ台車固定装置が備えられている。従来のカゴ台車固定装置としては、例えば、図8に示すカゴ台車固定装置30が知られている(例えば、特許文献1参照)。同図に示すように、ウォーキーフォークリフト1cは、車両本体2の前方に昇降可能に設けられたバッテリ収納部3と、バッテリ収納部3に取り付けられた左右一対のフォーク4等を備え、カゴ台車固定装置30はバッテリ収納部3上に設けられている。したがって、バッテリ収納部3およびフォーク4が車両本体2に対して昇降すると、カゴ台車固定装置30も一体的に昇降する。
カゴ台車固定装置30は、バッテリ収納部3に立設した支柱部33と、支柱部33の先端部に回転可能に取り付けられたアーム31と、その先端に設けられたフック32と、フック操作レバー34とを備えている。フック操作レバー34とアーム31とは、支柱部33内に設けられた不図示のリンク機構を介して繋がっており、フック操作レバー34を操作すると、フック32付きアーム31は図8に示す待機位置と該待機位置よりも下方にある係止位置との間で往復回転する。
このカゴ台車固定装置30によれば、ステアリングハンドル5に設けられたボタン等を操作してフォーク4を上昇させ、カゴ台車40を取り上げた後に、フック操作レバー34を操作してフック32付きアーム31を係止位置に回転させることにより、フック32とカゴ台車40の上端横桟43とを係合させることができる。そして、これにより、上端横桟43の上方向および前方向への移動を規制し、カゴ台車40をフォーク4上に固定することができる。
特開2004−136994号公報
しかしながら、上記従来のカゴ台車固定装置30は、カゴ台車40を運搬する際に2つの操作、すなわちフォーク4を上昇させる操作とフック32付きアーム31を係止位置に回転させる操作とを行う必要があり、面倒であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、カゴ台車をフォーク上に簡単に固定することができるカゴ台車固定装置を提供することにある。
本発明に係るカゴ台車固定装置は、車両本体の前方に設けられたフォークによって取り上げたカゴ台車を該フォーク上に固定するためのカゴ台車固定装置であって、上方向に延びるように車両本体に立設される支柱部と、支柱部よりも前方に設けられた揺動部と、揺動部の全体が支柱部に対して揺動可能となるように支柱部と揺動部の間に接続された平行リンク機構と、揺動部に設けられたフックと、フックを付勢するバネ部材とを備え、フォークが上昇すると、取り上げられたカゴ台車の横桟に係合したフックがバネ部材の付勢力に逆らいながら後ろ斜め上方向に移動することにより、横桟の上方向への移動と前方向への移動が規制されることを特徴とする。
この構成によれば、平行リンク機構により支柱部に対して揺動可能に設けられたフック(揺動部)が取り上げられたカゴ台車の横桟に係合し、付勢力に逆らいながら後ろ斜め上方向に移動することにより、横桟の上方向への移動と前方向への移動とを規制するので、フォークを上昇させるだけでフックとカゴ台車の横桟をしっかりと係合させることができる。つまり、フックとカゴ台車とを係合させるための特別な操作を行うことなく、バネ部材の付勢力を利用してフォーク上にカゴ台車をしっかりと固定することができる。
上記カゴ台車固定装置の支柱部は、車両本体に対して連続的にまたは段階的に高さ調整可能に備えられることが好ましい。
本発明によれば、フックとカゴ台車とを係合させるための特別な操作をしなくても、フォークを上昇させるだけで、カゴ台車を該フォーク上に固定することができるカゴ台車固定装置を提供することができる。
本発明の第1実施例に係るカゴ台車固定装置を備えたウォーキーフォークリフトの側面図である。 第1実施例に係るカゴ台車固定装置の正面図であって、(A)はフックを2つ備えた構成、(B)はフックを4つ備えた構成を示す図である。 第1実施例に係るカゴ台車固定装置とカゴ台車の位置関係を示す図であって、(A)はカゴ台車にフォークを差し込む際の位置関係、(B)はフォークでカゴ台車を取り上げる際の位置関係を示す図である。 本発明の第2実施例に係るカゴ台車固定装置を備えたウォーキーフォークリフトの側面図である。 第2実施例に係るカゴ台車固定装置の正面図であって、(A)はフックを2つ備えた構成、(B)はフックを4つ備えた構成を示す図である。 第2実施例に係るカゴ台車固定装置とカゴ台車の位置関係を示す図であって、(A)はカゴ台車にフォークを差し込む際の位置関係、(B)はフォークでカゴ台車を取り上げる際の位置関係を示す図である。 変形例に係るカゴ台車固定装置とカゴ台車を示す図である。 従来のカゴ台車固定装置を備えたウォーキーフォークリフトの側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るカゴ台車固定装置の好ましい実施例について説明する。なお、以下の説明では、フォークの先端側がフォークリフトの「前」であるとする。
[第1実施例]
図1は、本発明の第1実施例に係るカゴ台車固定装置10を備えたウォーキーフォークリフト1aおよびカゴ台車40を、ウォーキーフォークリフト1aの右側から見た図である。同図に示すように、ウォーキーフォークリフト1aは、車両本体2の前方に昇降可能に設けられたバッテリ収納部3と、バッテリ収納部3に取り付けられた左右一対のフォーク4と、車両本体2上部に旋回可能に設けられたステアリングハンドル5と、車両本体2の後方に設けられた折畳み式のステップ6とを備えている。このウォーキーフォークリフト1aは、ステップ6に立ち乗りした運搬者に操縦されて前進することも、ステアリングハンドル5を握った運搬者に引き連れられて後進することもできる。
ウォーキーフォークリフト1aで運搬されるカゴ台車40は、フォーク4によって支持されるベース41と、ベース41の四隅から立ち上がった隅柱42と、隅柱42の上端同士を連結する上端横桟43と、上端横桟43とベース41との間の適当な高さで隅柱42同士を連結する複数の中間横桟44と、ベース41に旋回自在に設けられた複数のキャスタ45とを備え、隅柱42に囲まれたベース41上の空間に積荷7が載置される。
カゴ台車固定装置10は、ウォーキーフォークリフト1aの車両本体2上部に備えられ、前斜め上方向に延びるように車両本体2に立設された支柱部11と、その先端部に設けられたL字状のフック12とを備えている。本実施例では、車両本体2に設けられた縦長穴に支柱部11が挿入されており、車両本体2に対する支柱部11の高さを連続的にまたは段階的に調整することで、フック12の取り付け高さを調整することができる。これにより、高さの異なるカゴ台車にも対応することができる。
図2(A)は、カゴ台車固定装置10をウォーキーフォークリフト1aの正面側から見た図である。同図に示すように、支柱部11は左右対称に配置される支柱部11Rと支柱部11Lとからなり、支柱部11R、11Lの先端部内側面に各1つのフック12が設けられている。図2(B)に示すように、支柱部11Rの先端部と支柱部11Lの先端部とを繋ぐ橋渡し棒13を設け、橋渡し棒13に適当な間隔をおいて3つ、4つ、またはそれ以上の数のフック12を設けることもできる。
図3は、本実施例に係るカゴ台車固定装置10とカゴ台車40の位置関係を示す図である。まず、図3(A)を参照して、フォーク4を下降させた状態でウォーキーフォークリフト1aをゆっくりと前進させ、フォーク4をカゴ台車40のベース41の下に差し込むと、フック12は上端横桟43の真上に移動する。同図に示すように、フック12の最下端部と上端横桟43との間にはフォーク4の上昇量を考慮した適当な間隔が空けられているので、フォーク4を差し込む際にフック12と上端横桟43とが接触することはない。前記の通り、フック12の高さは支柱部11の高さ調整により調整することができる。
図3(A)の状態からフォーク4を約10cm上昇させると、該フォーク4に取り上げられてカゴ台車40も約10cm上昇し、図3(B)に示す状態となる。同図に示すように、カゴ台車40が上昇すると、フック12とカゴ台車40の上端横桟43とが係合する。その結果、上端横桟43の上方向および前方向への移動が規制され、フォーク4とフック12との間でカゴ台車40は固定される。
結局、本実施例に係るカゴ台車固定装置10によれば、フォーク4を上昇させるだけでフック12とカゴ台車40の上端横桟43とを係合させ、フォーク4上にカゴ台車40を固定することができる。
[第2実施例]
図4は、本発明の第2実施例に係るカゴ台車固定装置20を備えたウォーキーフォークリフト1bおよびカゴ台車40を、ウォーキーフォークリフト1bの右側から見た図である。このウォーキーフォークリフト1bと図1に示すウォーキーフォークリフト1aとは、カゴ台車固定装置以外の部分において共通している。
カゴ台車固定装置20は、ウォーキーフォークリフト1bの車両本体2上部に備えられ、上方向に延びるように車両本体2に立設された支柱部21と、支柱部21よりも前方に設けられた揺動部23と、揺動部23に設けられたL字状のフック22と、揺動部23が支柱部21に対して上下方向に揺動可能となるように支柱部21と揺動部23との間に接続された平行リンク機構24と、バネ部材25とを備えている。第1実施例と同様に、支柱部21は車両本体2に設けられた縦長穴に挿入されており、車両本体2に対する支柱部21の高さを連続的にまたは段階的に調整することで、平行リンク機構24の取り付け高さを調整することができる。
平行リンク機構24は同じ長さを有する2本のアームからなり、各アームの一端は支柱部21に回転可能に取り付けられ、各アームの他端は揺動部23に回転可能に取り付けられている。図4に示すように、支柱部21における各アームの取り付け位置および揺動部23における各アームの取り付け位置は、縦一直線上に配置されている。なお、各アームはターンバックルを有し、長さが微調整できるようになっていることが好ましい。
バネ部材25の一端は、下側にあるアームの長さ方向略中央に回転可能に取り付けられている。また、バネ部材25の他端は、支柱部21の、平行リンク機構24の取り付け位置よりも低い位置に回転可能に取り付けられている。これにより、平行リンク機構24および揺動部23(フック22)は下方向に付勢される。なお、支柱部21には各アームの回転を規制する不図示のストッパーが設けられ、図4に示す位置からさらに下方にフック22等が下がるのを防いでいる。
図5(A)は、カゴ台車固定装置20をウォーキーフォークリフト1bの正面側から見た図である。同図に示すように、支柱部21は左右対称に配置される支柱部21Rと支柱部21Lとからなり、支柱部21R、21Lのそれぞれに平行リンク機構24が取り付けられ、さらに各平行リンク機構24に揺動部23が取り付けられている。バネ部材25は、支柱部21R、21Lのいずれか一方に設けてもよいし、図5(B)に示すように、双方に設けてもよい。また、フック22は、各揺動部23の内側面に各1つ設けてもよいし、図5(B)に示すように、橋渡し棒26に適当な間隔をおいて3つ、4つ、またはそれ以上の数のフック22を設けてもよい。
図6は、本実施例に係るカゴ台車固定装置20とカゴ台車40の位置関係を示す図である。まず、図6(A)を参照して、フォーク4を下降させた状態でウォーキーフォークリフト1bをゆっくりと前進させ、フォーク4をカゴ台車40のベース41の下に差し込むと、フック22は上端横桟43の真上をわずかに通り過ぎたところに移動する。同図に示すように、フック22の最下端部と上端横桟43との間には適当な間隔が空けられているので、フォーク4を差し込む際にフック22と上端横桟43とが接触することはない。前記の通り、フック22の高さは支柱部21の高さ調整により調整することができる。
図6(A)の状態からフォーク4を約10cm上昇させると、該フォーク4に取り上げられてカゴ台車40も約10cm上昇し、図6(B)に示す状態となる。同図に示すように、カゴ台車40の上端横桟43は、フック22に係合した後、バネ部材25を伸ばしながらフック22および揺動部23を押し上げる。その結果、上端横桟43は、バネ部材25の付勢力で上から押さえ付けられるとともに前方向への移動が規制され、フォーク4とフック22との間でカゴ台車40は固定される。
結局、本実施例に係るカゴ台車固定装置20によれば、フォーク4を上昇させるだけでフック22とカゴ台車40の上端横桟43とを係合させ、フォーク4上にカゴ台車40を固定することができる。また、本実施例に係るカゴ台車固定装置20は、平行リンク機構24によってフック22および揺動部23が上下に揺動可能となっているので、支柱部21の高さ調整をしなくても、高さの異なるカゴ台車にある程度対応することができる。さらに、本実施例に係るカゴ台車固定装置20は、フック22がバネ部材25により下方に付勢されているので、フォーク4とフック22との間でカゴ台車40をしっかりと固定することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
例えば、各実施例に係るカゴ台車固定装置ではフックと上端横桟とが係合したが、図7に示すカゴ台車固定装置10”のように、フック12は中間横桟44と係合してもよい。つまり、本発明では、フックが係合する横桟の高さは限定されない。
また、本発明に係るカゴ台車固定装置は、カゴ台車を運搬可能なウォーキーフォークリフト以外の他の種類のフォークリフトに備えられてもよい。
1a、1b ウォーキーフォークリフト
2 車両本体
3 バッテリ収納部
4 フォーク
5 ステアリングハンドル
6 ステップ
10 カゴ台車固定装置
11 支柱部
12 フック
13 橋渡し棒
20 カゴ台車固定装置
21 支柱部
22 フック
23 揺動部
24 平行リンク機構
25 バネ部材
26 橋渡し棒

Claims (2)

  1. 車両本体の前方に設けられたフォークによって取り上げたカゴ台車を該フォーク上に固定するためのカゴ台車固定装置であって、
    上方向に延びるように前記車両本体に立設される支柱部と、
    前記支柱部よりも前方に設けられた揺動部と、
    前記揺動部の全体が前記支柱部に対して揺動可能となるように前記支柱部と前記揺動部の間に接続された平行リンク機構と、
    前記揺動部に設けられたフックと、
    前記フックを付勢するバネ部材と、
    を備え、
    前記フォークが上昇すると、取り上げられた前記カゴ台車の横桟に係合した前記フックが前記バネ部材の付勢力に逆らいながら後ろ斜め上方向に移動することにより、前記横桟の上方向への移動と前方向への移動が規制されることを特徴とするカゴ台車固定装置。
  2. 前記支柱部は、前記車両本体に対して連続的にまたは段階的に高さ調整可能に備えられることを特徴とする請求項1に記載のカゴ台車固定装置。
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