JP2014166814A - 家具用運搬台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネスティングした状態であっても操作性に優れ、容易に移動することができると共に、多くの椅子をスタッキングした場合であっても椅子の積み上げ高さを抑えることのできる家具用運搬台車を提供する。
【解決手段】椅子用運搬台車1は、椅子を下向きの傾倒姿勢で斜め後方に支持しながらスタッキングするための背受け4、位置決めパイプ12、ガイドレール13を有し、また、前端の固定型キャスター7の上方には補強パイプ6が水平状に設けられ、略中間部にはフック状のリフト金具15がガイドレール13の後方側に突設され、ネスティングする場合に後方台車1の補強パイプ6を前方台車1のリフト金具15に載せて係止することにより、後方台車1の固定型キャスター7を浮かせながら前後の台車1同士を互いに連結するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】椅子用運搬台車1は、椅子を下向きの傾倒姿勢で斜め後方に支持しながらスタッキングするための背受け4、位置決めパイプ12、ガイドレール13を有し、また、前端の固定型キャスター7の上方には補強パイプ6が水平状に設けられ、略中間部にはフック状のリフト金具15がガイドレール13の後方側に突設され、ネスティングする場合に後方台車1の補強パイプ6を前方台車1のリフト金具15に載せて係止することにより、後方台車1の固定型キャスター7を浮かせながら前後の台車1同士を互いに連結するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、家具用運搬台車に関する。
従来より、椅子等の家具を積載して運搬する家具用運搬台車は広く知られている。このような家具用運搬台車(以下、単に台車ともいう)を、倉庫内などに複数台格納する際に台車の占有面積を少しでも抑えるために、台車同士を前後方向に嵌め合わせ(以下、ネスティングともいう)て省スペース化を図ることは、例えば特許文献1に記載されるなどして公知である。
しかし、これら従来の家具用運搬台車をネスティングすると、嵌め合わせた台車の数に伴って接地する車輪の数が増加するので、車輪と接地面との間の摩擦が大きくなって操作性が悪くなるという問題点がある。そして、このように操作性が悪い中で、移動し易くするには、台車を固定するためのベルト等が別途必要となり、このような台車固定作業は煩わしく、作業効率が悪くなってしまう。
さらに、家具用運搬台車は走行安定性の観点から、車輪は、前輪が方向を固定式の固定型キャスター、後輪が方向を任意変更可能な自在型キャスターのものが望ましく、従って、このような車輪構成の台車によるネスティング状態での移動、特に横方向への移動の際には、前輪の固定型キャスターが原因でブレーキがかかってしまい、思うように移動できないという問題点があった。
また、家具がスタッキング椅子の場合、従来の家具用運搬台車では、スタッキングした複数の椅子を積載して運搬する際、安定してより多くの椅子を積載可能にするためスタッキングした複数の椅子はほぼ真上に積み重なるように構成されているが、このような構成では、収納庫の扉など、高さが限定されている場合に障害になるという問題点があり、さらに、真上に積み重なった椅子の荷重が最下段の椅子に集中するので、この最下段の椅子が損傷してしまうという問題点もある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ネスティングした状態であっても操作性に優れ、容易に移動することができると共に、多くの椅子をスタッキングした場合であっても椅子の積み上げ高さを抑えることのできる家具用運搬台車を提供することにある。
このような問題を解決するために、本発明の家具用運搬台車は、請求項1に記載したように、ネスティング可能に複数のフレームを組み立てて所定の構造に形成され、前後のフレーム(背受け支柱5、支柱部9b)の下端に前キャスター(前キャスター7)及び後キャスター(後キャスター10)を有して成る家具用運搬台車(椅子用運搬台車1)であって、ネスティング時に、前後の前記家具用運搬台車同士を切り離し自在に連結する連結手段(補強パイプ6、リフト金具15、後補強パイプ216、引掛隅部220)を備え、該連結手段により前後の前記家具用運搬台車同士が連結されている状態では、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記前キャスター、又は/及び、前方側に位置する前記家具用運搬台車の前記後キャスターが地面から浮き上がっていることを要旨とする。
従って、このように構成される本発明の家具用運搬台車においては、ネスティングした状態では、後方側に位置する家具用運搬台車の前キャスター、又は/及び、前方側に位置する家具用運搬台車の後キャスターが浮き上がっており、接地する車輪の個数を減少させることができる。その結果、車輪と接地面との間の摩擦を低減し、ネスティング状態における家具用運搬台車の操作性を向上させることができる。
また、本発明の家具用運搬台車は、ネスティングした状態では、各家具用運搬台車が連結されているので、何れの方向へもネスティングが崩れることなく容易に移動することができる。その結果、ネスティング状態を維持しながら移動し易くするための、各家具用運搬台車を固定するベルト等を別途用意する必要がなく、極めて使い勝手がよい。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家具用運搬台車において、前記前キャスターは、進行方向が固定式の固定型キャスター(固定型キャスター7)とし、前記後キャスターは、進行方向を任意に変えることが可能な回転式の自在型キャスター(自在型キャスター10)とし、前記連結手段により前後の前記家具用運搬台車同士が連結されている状態では、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記固定型キャスターが地面から浮き上がっていることを要旨とする。
上述したように、家具用運搬台車の車輪は、走行安定性の観点から請求項2に記載する前キャスターが固定型キャスター、後キャスターが自在型キャスターの構成が一般的であり、従って、このように構成される本発明の家具用運搬台車においては、ネスティングした状態では、先頭以外の家具用運搬台車は、前キャスターが浮き上がっており、接地している車輪は、先頭車輪以外全て自在型キャスターとなる。その結果、従来、ネスティング状態で横方向へ曲がる際に前輪の固定型キャスターが原因で発生していたブレーキを防止することができる。即ち、本発明の家具用運搬台車は、走行安定性を維持しながらも操作性に優れるという極めて顕著な効果を奏する。
ところで、連結手段の構成は種々考えられるが、これは次のようにするとよい。即ち、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の家具用運搬台車において、前記連結手段は、前側に位置する第1係合部(補強パイプ6、引掛隅部220)と、該第1係合部より後側に位置する第2係合部(リフト金具15、後補強パイプ216、)とを有し、ネスティング時に、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第1係合部を、前方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第2係合部に係止することにより、前後の前記家具用運搬台車同士を切り離し自在に連結することとし、前記前キャスターは、その上下方向の移動が前記第1係合部の上下方向の移動と連動するように設けられ、ネスティング時に後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記前キャスターを、一旦上方に持ち上げて前進した後該持ち上げ量(H1)より小さい量(H2、H1>H2)だけ下方に移動させることにより、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第1係合部が前方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第2係合部に係止されることを要旨とする。
従って、このように構成される本発明の家具用運搬台車においては、ネスティング作業は、後方側の家具用運搬台車の前キャスターを一旦上方に持ち上げて前進した後下方に移動させるだけの極めて容易な操作でネスティングすることができる。しかも、この際、後方側の家具用運搬台車は、前方側の家具用運搬台車に連結すると同時に前キャスターが浮き上がるので、極めて使い勝手がよい。なお、ネスティングを解除する作業も、上記のネスティング作業と逆の手順で行えばよく、即ち、後方側の家具用運搬台車の前キャスターを上方に持ち上げて後方に移動するだけの操作で容易に行うことができる。
ここで、請求項3に記載の発明を具体的に実現する手段としては、次のようにするとよい。即ち、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の家具用運搬台車において、前記第1係合部は、左右方向に延在する水平状のパイプ(補強パイプ6)とし、前記第2係合部は、前記水平状のパイプを引っ掛けるように載せて該パイプを係止するフック状のリフト部材(リフト金具15)としたことを要旨とする。
従って、このように構成される本発明の家具用運搬台車においては、後方側の家具用運搬台車の水平状のパイプを、前方側の家具用運搬台車のフック状のリフト部材に引っ掛けるように載せて係止するだけの極めて簡単な操作で、後方側の家具用運搬台車の前キャスターを浮き上げて該後方側の家具用運搬台車を前方側の家具用運搬台車に連結することができ、その結果、請求項3に記載の発明を容易に実現することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の家具用運搬台車において、前記家具用運搬台車は、スタッキングした複数の椅子(椅子50)を積載して運搬する椅子用の運搬台車であって、前記複数の椅子をスタッキングして積載するときに、該椅子を下向きの傾倒姿勢に支持する椅子支持手段(背受け4、104、横パイプ12a、傾斜パイプ13b)を備え、前記椅子支持手段は、最下段の前記椅子の背もたれ(背もたれ51)及び一対の前脚(前フレーム55)の所定箇所(当接面60a、当接部55a)を当接支持する背受け部(背受け4、104)及び位置決め部(横パイプ12a)と、積載する全ての前記椅子において、前記一対の前脚間に嵌め込まれ、該椅子の所定箇所(当接部53a、55b、58a)と係合する後方側に傾斜して長尺状に立設する傾斜部材(傾斜パイプ13b)とを有し、前記複数の椅子をスタッキングして積載した状態では、該積載した全ての椅子が、前記傾斜部材の傾斜角度に沿って斜め上方の後方側に傾斜して積み重なることを要旨とする。
従って、このように構成される本発明の家具用運搬台車においては、多数の椅子をスタッキングして積載しても、傾斜部材の傾斜角度に沿って斜め上方の後方側に傾斜して積み重なるので、スタッキング状態が安定すると共に、椅子の積み上げ高さを、真上に積み重ねる場合に比して低く抑えることができる。その結果、一定の限られた高さ空間においても、より多くの椅子を安定的にスタッキングしながら積載して効率よく対処することができる。
さらに、傾斜部材は、スタッキングして積載した全ての椅子の所定箇所と係合するので、移動中等に積載した椅子が荷崩れを起こして家具用運搬台車から落下することを抑制でき、その結果、より多くの椅子をスタッキングして積載することが可能となる。加えて、傾斜して積み重なるスタッキングにより、最下段の椅子に、その上に積み上げた多数の椅子の荷重が集中することがなく、その結果、最下段の椅子が損傷してしまうことを防止することもできる。
そして、家具用運搬台車が請求項5に記載したように構成される場合には、背受け部の構成は次のようにするとよい。即ち、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の家具用運搬台車において、前記背受け部は、前記背もたれの所定箇所を当接支持する箇所が、前記背もたれの所定箇所の形状と略一致して形成されて該所定箇所と面接触するように形成されていることを要旨とする。
従って、このように構成される本発明においては、スタッキングの際、椅子の積載姿勢としての下向きの傾倒姿勢における傾倒角度は、背受け部が背もたれの所定箇所を面接触して当接支持することで決定することが可能となる。その結果、スタッキングにおける椅子の積載姿勢の傾倒角度を容易に決定することができ、これにより家具用運搬台車の設計、特に、位置決め部や傾斜部材の設計を容易にすることができる。さらに、背受け部は、背もたれと面接触することで、該背もたれを、延いては椅子全体をしっかりと当接支持することができ、その結果、スタッキング時に最も重要な最下段の椅子をより安定させることができるという極めて顕著な効果を奏する。
因みに、上記括弧内の名称及び符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明(請求項1乃至請求項6)は、上記括弧内の名称及び符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
<椅子用運搬台車1の全体構成>
以下に、本発明を実施するための形態を図と共に説明する。まず、図1、2を参照しながら、椅子用運搬台車1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係わる椅子用運搬台車1を左上斜め前方から見た全体斜視図であり、図2は、本実施形態に係る椅子用運搬台車1の三面図(正面図、平面図、左側面図)である。ただし、図2の平面図は、本図の左側面図を上方から見た場合を表している。
以下に、本発明を実施するための形態を図と共に説明する。まず、図1、2を参照しながら、椅子用運搬台車1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係わる椅子用運搬台車1を左上斜め前方から見た全体斜視図であり、図2は、本実施形態に係る椅子用運搬台車1の三面図(正面図、平面図、左側面図)である。ただし、図2の平面図は、本図の左側面図を上方から見た場合を表している。
本実施形態の椅子用運搬台車1は、図1、2に示すように、全体が複数のスチール製のパイプを溶接して組み立てられている。椅子用運搬台車1の前端側には、前フレーム部3が形成されており、この前フレーム部3は、背受け4、一対の背受け支柱5、補強パイプ6及び一対の前キャスター7から成っている。背受け4は、後述する椅子50の背もたれ51の形状に合わせて、図2正面図に示すように、扁平楕円状のパイプで緩やかな山形に形成され、背もたれ51下端部にフィットして該背もたれ51を支持するように機能する。
背受け支柱5は、背受け4の左右略両端の下面側で該背受け4と溶接され、図2左側面図に示すように、背受け4から前下方向に略逆L字状に延在し、前キャスター7は、その背受け支柱5の下端に夫々設けられている。なお、図中、Gは接地面である。補強パイプ6は、前フレーム部3の左右方向への強度を増すための部材であって、背受け4の前下方に位置し、その両端が一対の背受け支柱5に溶接されて水平状に形成されている。なお、この補強パイプ6は、ネスティング時に、直前の椅子用運搬台車1の後述のリフト金具15と係合する部材である。
一方、椅子用運搬台車1の後端側には、後フレーム部8が形成されており、この後フレーム部8は、後フレーム9及び一対の後キャスター10から成っている。後フレーム9は、一本のパイプを曲げ加工して幅広の略逆U字状に形成され、上方に位置する水平状に延在するパイプ部分は、把持部9aとして機能し、この把持部9a両端から一対の支柱部9bが下方に延在している。そして、後キャスター10は、この支柱部9bの下端に夫々設けられている。
ここで、椅子用運搬台車1の走行を安定にするため、前キャスター7は、進行方向が固定式の固定型キャスターを採用し、一方後キャスター10は、進行方向を任意に変えることが可能な回転式の自在型キャスターを採用している。
図中、11は、一対の外枠パイプであり、この外枠パイプ11は、椅子用運搬台車1の下部に位置して台車の全体強度を増すための部材であって、角パイプで形成され、図2左側面図に示すように、その両端が背受け支柱5及び後フレーム9に溶接され、両者5、9を連結するように水平状に延在している。また、外枠パイプ11は、図2平面図に示すように、前端の背受け支柱5から後端の後フレーム9に向かう程、互いの間隔が広くなるように設けられており、後キャスター10、10の間隔は、前キャスター7、7の間隔よりも広く設定されている。この構成により、椅子用運搬台車1はネスティングを可能とする。
また、前フレーム部3と後フレーム部8との略中間位置には、外枠パイプ11下面に、その先端を潰し加工して該外枠パイプ11から外側にはみ出さない状態にした後に溶接して成る位置決めパイプ12が設けられている。位置決めパイプ12は、一本のパイプを曲げ加工して形成され、下方に位置する水平状に延在する横パイプ12aと、この横パイプ12a両端から上方に延びて外枠パイプ11と先端が溶接される一対の縦パイプ12bとで、短尺の略U字状に形成されている。
横パイプ12aは、後述する所定の積載姿勢の椅子50の一対の前フレーム55と当接して該前フレーム55を支持するように機能する部材であり、従って、縦パイプ12bは、横パイプ12aが椅子50の前フレーム55と当接し得るよう、椅子50の形状に合わせて予め所定の長さに形成されている。
図中、13は、ガイドレールであり、このガイドレール13は、一本のパイプを曲げ加工して長尺幅狭の略逆U字状に形成され、上方に位置する水平状に延在する水平パイプ13aと、この水平パイプ13a両端から下方に、所定の角度で傾斜して地面手前まで延びる一対の傾斜パイプ13bとから成っている。ガイドレール13は、その上部及び下部が一対の上支えパイプ14a及び下支えパイプ14bにて支持されており、上支えパイプ14aは、把持部9aと傾斜パイプ13b上部とを連結するように、その両端が両者9a、13bと溶接され、下支えパイプ14bは、横パイプ12aと傾斜パイプ13b下部とを連結するように、その両端が両者12a、13bと溶接されている。
上支えパイプ14a及び下支えパイプ14bは、図2左側面図に示すように、傾斜パイプ13b側に上り勾配であって該傾斜パイプ13bに対して垂設され、互いに平行になるよう設置されている。傾斜パイプ13bは、後述する所定の積載姿勢の椅子50に対して、その前面が、前繋ぎフレーム58と当接して該前繋ぎフレーム58を支持すると共に、その外側面が、一対の前フレーム55及び下フレーム53と係合して該前フレーム55及び下フレーム53を係止するように機能する部材であり、従って、椅子50の形状に合わせて、傾斜パイプ13bの傾斜角度及び傾斜パイプ13b両者の間隔が、予め所定の角度及び所定の間隔に形成されている。
また、傾斜パイプ13bの下部であって下支えパイプ14bの溶接箇所より上側には、図2左側面図に示すように、側面視フック状のリフト金具15が傾斜パイプ13bの後方側に突設されており、このリフト金具15は、小径(例えばφ10)の丸棒状に形成され、予め傾斜パイプ13bに穿設されたほぼ同径の孔に先端を奥まで差し込んだ後、傾斜パイプ13bとの接触箇所を円周溶接することにより固定されている。なお、このリフト金具15は、補強パイプ6よりも若干高い位置に設けられ、ネスティング時に、直後の椅子用運搬台車1の補強パイプ6と係合してその前輪(前キャスター7)を浮上させる部材である。
<椅子50の構成>
次に、椅子50の構成について、図3、4を参照しながら説明する。図3は、椅子50を右上斜め後方から見た全体斜視図であり、図4は、椅子50の三面図(正面図、平面図、右側面図)である。椅子50は、上方に積み上げ可能なスタッキングチェアーであって、使用者が着席する座体52と、背もたれ51と、座体52及び背もたれ51を支持する金属製の脚部材54を備えている。
次に、椅子50の構成について、図3、4を参照しながら説明する。図3は、椅子50を右上斜め後方から見た全体斜視図であり、図4は、椅子50の三面図(正面図、平面図、右側面図)である。椅子50は、上方に積み上げ可能なスタッキングチェアーであって、使用者が着席する座体52と、背もたれ51と、座体52及び背もたれ51を支持する金属製の脚部材54を備えている。
脚部材54は、一対のフレーム体56を備え、このフレーム体56は、金属製のパイプを曲げ加工して略U字状に形成され、床面に接触する下フレーム53と、下フレーム53両端から上方に延在する前フレーム55及び後フレーム57を有している。また、座体52前端の下側には、一対の前フレーム55を連結する前繋ぎフレーム58が、該前フレーム55の上端内面に溶接されて水平状に形成されている。
座体52は、略矩形の板状に形成され、その後部側に、図4右側面図に示すように、側面視すると後フレーム57上端から上方に延びるように背もたれ51が形成されている。背もたれ51は、その下部に左右に長い長穴59が穿設され、この長穴59の左右両端側、つまり背もたれ51の左右両端の下端には、後フレーム57と連結される一対の根元支柱60が形成されている。
そして、背もたれ51は、根元支柱60も含めてその全体が、図4平面図に示すように、左右両端側よりも中央側が後方に窪んだ平面視略円弧状に形成され、これにより使用者の背中に合った丸みを帯びた形状が形成される。なお、この背もたれ51(根元支柱60)の円弧形状は、上述した椅子用運搬台車1の背受け4とほぼ同じ形状に形成されており、この構成により、根元支柱60は背受け4とフィットする。
<椅子50の椅子用運搬台車1への積載>
次に、複数の椅子50をスタッキングしながら椅子用運搬台車1に積載する場合について、図5を参照しながら説明する。図5は、椅子50をスタッキングしながら椅子用運搬台車1に積載するときの説明図である。椅子50を椅子用運搬台車1に積載するには、まず、椅子50を、図5に示す椅子50Tのような下向きの傾倒姿勢にして、椅子用運搬台車1のガイドレール13を椅子50Tの一対の前フレーム55Tの間に嵌め込み、前繋ぎフレーム58Tを傾斜パイプ13bに接触させながら該傾斜パイプ13bの傾斜に沿って下方にスライドさせる。すると、椅子50Tは、図5に示す椅子50T1のように、椅子用運搬台車1に所定の積載姿勢(ほぼ真横の傾倒姿勢)で積載される。
次に、複数の椅子50をスタッキングしながら椅子用運搬台車1に積載する場合について、図5を参照しながら説明する。図5は、椅子50をスタッキングしながら椅子用運搬台車1に積載するときの説明図である。椅子50を椅子用運搬台車1に積載するには、まず、椅子50を、図5に示す椅子50Tのような下向きの傾倒姿勢にして、椅子用運搬台車1のガイドレール13を椅子50Tの一対の前フレーム55Tの間に嵌め込み、前繋ぎフレーム58Tを傾斜パイプ13bに接触させながら該傾斜パイプ13bの傾斜に沿って下方にスライドさせる。すると、椅子50Tは、図5に示す椅子50T1のように、椅子用運搬台車1に所定の積載姿勢(ほぼ真横の傾倒姿勢)で積載される。
この図5に示す椅子50T1の積載姿勢では、根元支柱60T1は、その前面の当接面60a(図4正面図の斜線箇所参照)が背受け4上面とフィットして面接触し、さらに、背受け4の先端が座体52T1表面と当接し、背もたれ51T1は背受け4にしっかりと支持される。即ち、椅子50T1の積載姿勢の傾倒角度は、根元支柱60T1(当接面60a)の背受け4への面接触により決定する。
また、この状態では、前フレーム55T1は、その下部前面の当接部55a(図4正面図参照)が位置決めパイプ12の横パイプ12a上面と点接触して支持され、その上端部内側面の当接部55b(図4正面図参照)が傾斜パイプ13b外側面と点接触して係止される。また、前繋ぎフレーム58T1は、その両端部下面の当接部58a(図4正面図参照)が傾斜パイプ13b前面と点接触して支持され、さらに、下フレーム53T1は、その後端部内側面の当接部53a(図3参照)が傾斜パイプ13b外側面と僅かな隙間を持って対向するように配置される。
当接部53aが傾斜パイプ13bと当接しないのは、スタッキングチェアーでは一対の下フレーム53T1両者の間隔は、一対の前フレーム55T1両者の間隔(下端を除く)よりも広くなっていることによる(図4正面図参照)。そして、この下フレーム53T1の当接部53aは、スタッキング状態で積載した複数の椅子が、積み上がっていく過程で左右にずれたり、移動で荷崩れしたとき等に、傾斜パイプ13bと点接触して係止されるようになっている。
このように、椅子用運搬台車1に椅子50T1を積載したら、次に、上記に準じて、椅子50Tを図5に示す椅子50T2、50T3のように、順次積載してスタッキングする。ただし、椅子50T2、50T3は、最下段の椅子50T1と異なり、椅子用運搬台車1の背受け4及び位置決めパイプ12とは接触することはなく、その接触形態は、ガイドレール13の傾斜パイプ13bのみと係合する。即ち、椅子50T2、50T3は、当接部55bが傾斜パイプ13b外側面と点接触し、当接部58aが傾斜パイプ13b前面と点接触し、当接部53aが傾斜パイプ13b外側面と僅かな隙間を持って対向するように配置され、これらの接触形態は、椅子50T1と全く同じである。
上述の説明で明らかなように、椅子用運搬台車1は、最初に積載する最下段の積載位置となる椅子50T1の根元支柱60T1(当接面60a)の背受け4への面接触により決定する積載姿勢に合わせて、位置決めパイプ12の横パイプ12aの高さ位置、即ち縦パイプ12bの長さが予め決定されている。
そして、この椅子50T1の積載姿勢(下向きの傾倒姿勢)は、ほぼ該椅子50T1を真横にした傾倒姿勢となるように背受け4の角度が予め設計されており、また、ガイドレール13の傾斜パイプ13bの傾斜角度は、スタッキングした多数の椅子50T(50T2、50T3、…)の斜め上方の後方側への傾斜角度(図5に示す二点差線L1の傾斜角度)と同じ角度に予め設けられている。これにより、多数の椅子50Tをスタッキングしながら椅子用運搬台車1に積載しても、これらスタッキングした多数の椅子50Tは最下段の椅子50T1と同じ姿勢で、傾斜パイプ13bの傾斜角度に沿って斜め上方の後方側に傾斜して積み重なる。
しかも、傾斜パイプ13bは、スタッキングして積載した全ての椅子50Tと係合して該椅子50Tを支持したり係止する機能を有するので、多数(例えば30〜40台)の椅子50Tをスタッキングして椅子用運搬台車1に積載した場合であっても、移動中等に椅子が荷崩れを起こして椅子用運搬台車1から落下してしまう虞がない。加えて、傾斜してスタッキングするので、椅子50Tの積み上げ高さが高くなって不安定になることはなく、さらに、最下段の椅子50T1に、その上に積み上げた多数の椅子50Tの荷重が集中することがないので、最下段の椅子50T1が損傷することがない。
<椅子用運搬台車1のネスティング>
次に、複数の椅子用運搬台車1をネスティングする手順について、図6〜10を参照しながら説明する。複数の椅子用運搬台車1をネスティングする場合には、まず第1ステップとして、図6に示すように、椅子用運搬台車1A(以下、前方台車1Aともいう)の後フレーム部8Aの一対の支柱部9bA間に、後方から椅子用運搬台車1B(以下、後方台車1Bともいう)を把持部9aBにより前進させて前フレーム部3Bを挿入し、次に前キャスター7Bが前方台車1Aの位置決めパイプ12Aに衝突するまで後方台車1Bを押し込んで該後方台車1Bを前方台車1Aに嵌め込む。なお、図6は、2台の椅子用運搬台車1A、1Bをネスティングする場合の第1ステップを示し、(A)は左側面図、(B)は左上斜め前方から見た全体斜視図である。
次に、複数の椅子用運搬台車1をネスティングする手順について、図6〜10を参照しながら説明する。複数の椅子用運搬台車1をネスティングする場合には、まず第1ステップとして、図6に示すように、椅子用運搬台車1A(以下、前方台車1Aともいう)の後フレーム部8Aの一対の支柱部9bA間に、後方から椅子用運搬台車1B(以下、後方台車1Bともいう)を把持部9aBにより前進させて前フレーム部3Bを挿入し、次に前キャスター7Bが前方台車1Aの位置決めパイプ12Aに衝突するまで後方台車1Bを押し込んで該後方台車1Bを前方台車1Aに嵌め込む。なお、図6は、2台の椅子用運搬台車1A、1Bをネスティングする場合の第1ステップを示し、(A)は左側面図、(B)は左上斜め前方から見た全体斜視図である。
次に、第2ステップとして、図7に示すように、前方台車1Aの位置決めパイプ12Aを後方台車1Bの前キャスター7Bが乗り越えるようにするため、前キャスター7Bを所定量(H1)だけ持ち上げる(リフトアップする)。この前キャスター7Bのリフトアップ方法は、把持部9aBを用いる第1方法と、背受け4Bを用いる第2方法の2種類ある。
第1方法は、後方台車1Bの後キャスター10Bを支点として、使用者が把持部9aBを自分の方向に引き込んで前キャスター7Bを浮き上がらせる方法であり、第2方法は、使用者が前方台車1Aのガイドレール13Aの一対の傾斜パイプ13bA間から手を入れ、後方台車1Bの背受け4Bを持ち上げて前キャスター7Bを浮き上がらせる方法である。なお、図7は、2台の椅子用運搬台車1A、1Bをネスティングする場合の第2ステップを示し、(A)は左側面図、(B)は左上斜め前方から見た部分斜視図である。
次に、第3ステップとして、図8に示すように、前キャスター7Bをリフトアップした状態を維持したまま後方台車1Bを前進させる。この場合、上記第1方法では使用者が把持部9aBを押せばよく、上記第2方法では使用者が背受け4Bを引っ張ればよい。そして、図9に示すように、後方台車1Bの補強パイプ6Bを前方台車1Aのリフト金具15Aに引っ掛けるように載せて該補強パイプ6Bを係止し、後方台車1Bを前方台車1Aに切り離し自在に連結する。これにより、2台の椅子用運搬台車1A、1Bはネスティングされる。
ここで、補強パイプ6Bをリフト金具15Aに載せる際は、前キャスター7Bのリフトアップ状態を維持したまま、後方台車1Bの前キャスター7Bの中心が前方台車1Aの位置決めパイプ12Aより前方に出ていればよい。この状態で使用者が前キャスター7Bのリフトアップ操作を解除すると、前キャスター7Bは、前方台車1Aの下支えパイプ14bAを挟み込むように、該下支えパイプ14bAと外枠パイプ11Aとの間に形成される空間17Aに、図8、9に示す二点差線L2のラインまで自然に所定量(H2)落とし込まれて収納され、それと同時に補強パイプ6Bがリフト金具15Aに載って係止されることになる。なお、図8は、2台の椅子用運搬台車1A、1Bをネスティングする場合の第3ステップを示す左側面図、図9は、2台の椅子用運搬台車1A、1Bをネスティングした状態を示し、(A)は左側面図、(B)は左上斜め前方から見た全体斜視図、(C)は(A)の円内の拡大図である。
そして、椅子用運搬台車1A、1Bをネスティングした状態では、後方台車1Bにおいて、後キャスター10Bは接地しているものの、図9(C)に示すように、前キャスター7Bは、接地している前方台車1Aの前キャスター7Aよりも僅かに間隔S1(S1=H1−H2)だけ浮いた状態になっている。即ち、椅子用運搬台車1A、1Bをネスティングした状態では、後方台車1Bにおいて、前輪の固定型キャスター7Bは浮き上がり、後輪の自在型キャスター10Bのみが接地している。そして、この状態で、後方台車1Bの補強パイプ6Bが前方台車1Aのリフト金具15Aに係止され、これにより、後方台車1Bは前方台車1Aに連結される。
なお、ネスティングにおける椅子用運搬台車1の数を増加するには、上記第1〜3ステップの作業を繰り返し行えばよい。これにより、2台目以降の椅子用運搬台車1の前キャスター7を浮かして連結するネスティングが可能となる。また、ネスティングを解除する場合には、上記第1〜3ステップの逆の手順にて作業を行えばよい。ここで、一例として、椅子用運搬台車1を4台ネスティングした場合について説明する。図10は、4台の椅子用運搬台車1A、1B、1C、1Dをネスティングした状態を示す左側面図である。
図10に示すように、上記第1〜3ステップの作業を繰り返し行うことで、椅子用運搬台車1Aに、2台目以降として順次3台の椅子用運搬台車1B、1C、1Dをネスティングすることが可能となる。この状態においても、各椅子用運搬台車1A、1B、1C、1Dは、補強パイプ6B、6C、6Dがリフト金具15A、15B、15Cに係止されることにより一連状に連結され、且つ、前キャスター7B、7C、7Dが接地面Gから僅かに浮いた状態でネスティングされている。
つまり、この4台の椅子用運搬台車1A、1B、1C、1Dをネスティングした状態では、固定型キャスターが接地しているのは、一番前の椅子用運搬台車1A前輪の固定型キャスター7Aのみであり、その他後方の椅子用運搬台車1B、1C、1D前輪の固定型キャスター7B、7C、7Dは浮き上がって接地されていない。即ち、4台の椅子用運搬台車1A、1B、1C、1Dをネスティングした状態では、接地しているのは、一番前の椅子用運搬台車1A前輪の固定型キャスター7Aと、各椅子用運搬台車1A、1B、1C、1D後輪の自在型キャスター10A、10B、10C、10Dとなる。
<本実施形態の効果>
以上の説明から明らかなように、本実施形態における椅子用運搬台車1は、ネスティングした状態では、先頭以外の椅子用運搬台車1は、前キャスター7が浮き上がっており、接地する車輪の個数を減少させることができる。その結果、車輪と接地面との間の摩擦を低減し、ネスティング状態での操作性を向上させることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における椅子用運搬台車1は、ネスティングした状態では、先頭以外の椅子用運搬台車1は、前キャスター7が浮き上がっており、接地する車輪の個数を減少させることができる。その結果、車輪と接地面との間の摩擦を低減し、ネスティング状態での操作性を向上させることができる。
特に、椅子用運搬台車1は、走行安定性の観点から、前キャスター7は固定型キャスター、後キャスター10は自在型キャスターを採用しているので、ネスティングした状態では、接地している車輪は、先頭車輪以外全て自在型キャスターとなる。その結果、従来、ネスティング状態での移動、特に横方向へ曲がる際に前輪の固定型キャスターが原因で発生していたブレーキを防止することができ、これにより、本実施形態に係る椅子用運搬台車1のネスティング状態での移動は、走行安定性を維持しながらも操作性に優れたものにすることが可能となる。
また、ネスティングする際、後方の椅子用運搬台車1は、前方の椅子用運搬台車1に連結すると同時に前キャスター7が浮き上がるので、ネスティング作業も極めて容易であり、且つ、ネスティングした状態では、各椅子用運搬台車1が連結されているので、何れの方向へ移動しても、例えば一番後ろの椅子用運搬台車1を後方向へ引っ張っても、或いは下り坂を前方に走行しても、ネスティングが崩れることはない。その結果、ネスティング状態を維持しながら移動し易くするための、各台車を固定するベルト等を別途用意する必要がない。さらに、ネスティングの解除作業も、後方の椅子用運搬台車1の前キャスター7を上方に持ち上げて後方に移動するだけの操作で容易に行えるので、極めて使い勝手がよい。
また、多数の椅子50をスタッキングして椅子用運搬台車1に積載しても、傾斜パイプ13bの傾斜角度に沿って斜め上方の後方側に傾斜して積み重なるので、その結果、椅子50の積み上げ高さを、真上に積み重ねる場合に比して低く抑えることができる。例えば、低い天井の倉庫や背丈の低い出入り口等であっても、即ち、一定の限られた高さ空間においても、より多くの椅子50をスタッキングしながら積載して効率よく対処することができる。
さらに、スタッキングする際、ネスティング時に後方の椅子用運搬台車1の前キャスター7が嵌まり込む下支えパイプ14bと外枠パイプ11との間に形成される空間17を利用して、該空間17に椅子50の前フレーム55を収納するようにしたので(図5参照)、その結果、椅子用運搬台車1の構成を簡素化してコストダウンを図ることができる。
また、傾斜して積み重なるスタッキングにより、最下段の椅子50に、その上に積み上げた多数の椅子50の荷重が集中することがなく、その結果、最下段の椅子50が損傷することを防止できる。
また、傾斜パイプ13bは、スタッキングして積載した全ての椅子50と係合して該椅子50を支持したり係止するので、その結果、移動中等に椅子50が荷崩れを起こして椅子用運搬台車1から落下することを防止でき、これにより、より多くの椅子50をスタッキングして積載することが可能となる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態に係わる椅子用運搬台車1を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。
以上、本発明の実施形態に係わる椅子用運搬台車1を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。
例えば、上述した実施形態においては、位置決めパイプ12は、一本のパイプを曲げ加工して縦パイプ12bを予め椅子50の形状に合わせ所定の長さに形成して外枠パイプ11に溶接することで、横パイプ12aの高さを位置決めするようにしたが、これは、縦パイプ12bの長さを適宜調節可能な長さ調節手段を設け、これにより横パイプ12aの高さを自在に変更可能に構成してもよい。
この長さ調節手段としては、例えば、位置決めパイプ12を吊設する上下方向に長穴を穿設した取付パイプを外枠パイプ11に溶接して設け、この取付パイプの長穴の適宜位置に蝶ネジ等の固定手段で位置決めパイプ12を取り付けるように構成すること等が挙げられる。或いは、位置決めパイプ12は、予め複数種類の縦パイプ12bの長さの異なるものを用意しておき、溶接で外枠パイプ11に取り付けるのに替えて、蝶ネジ等の固定手段で着脱自在に外枠パイプ11に取り付けるようにしてもよい。さらには、同様な趣旨で、背受け4を、予め複数種類の円弧形状のものを用意しておき、着脱自在及び取付角度自在に背受け支柱5に取り付けるようにしてもよい。これらのような構成にすれば、積載するスタッキングチェアーの形状が変更になっても、容易且つ迅速に対応することができ、椅子用運搬台車1の使い勝手がよくなる。
また、背受け4は、椅子50の背もたれ51の形状に合わせて、一連の扁平楕円状のパイプで緩やかな山形に形成し、根元支柱60の当接面60aと面接触して背もたれ51を支持するように構成したが、これは、図11に示すようにしてもよい。図11は、他の実施形態に係る椅子用運搬台車100の三面図(正面図、平面図、左側面図)及び要部拡大図である。ただし、図11において、平面図は、本図の左側面図を上方から見た場合を表しており、また要部拡大図は、三面図の円内付近の拡大図である。なお、この他の実施形態の説明においては、上述した実施形態と同様な構成については同じ符号を付し、それら構成の詳細な説明については省略するものとし、これは、後述の図12に示す他の実施形態についても同様とする。
図11に示す他の実施形態に係る椅子用運搬台車100においては、上述した一連状の山形に形成された一つの背受け4に替えて、二つに分割形成された短尺状の背受け104を採用している。背受け104は、一対の背受け支柱5のうち、左側の背受け支柱5aの先端に左背受け104aが、右側の背受け支柱5bの先端に右背受け104bが夫々取り付けられている。つまり、背受け104は、一連状の山形に形成されていた背受け4のうち、中間部分を削除し、椅子50の背もたれ51において、左右下端の根元支柱60の当接面60aとほぼ面接触する部分として左背受け104a及び右背受け104bが分割形成されている。
左背受け104aは、図11拡大図に示すように、上側の矩形平鋼110aと下側の台形平鋼110bとで略L字状に形成される金属製の取付金具110と、この矩形平鋼110aの上面にネジ117にて螺着され、取付金具110に比して肉厚の略矩形板状に形成される樹脂製の支持部材115とから成っている。
取付金具110は、矩形平鋼110a及び台形平鋼110bの内側2箇所が背受け支柱5aと所定の取付角度で溶接(溶接部116)されており、この取付金具110の背受け支柱5aに対する取付角度は、椅子50の背もたれ51の形状に合わせて、即ち、支持部材115の上面が根元支柱60の当接面60aとほぼ面接触する角度に形成されており、これは、上述した実施形態の背受け4の左右両端箇所とほぼ同様の形態である。なお、右背受け104bは、左背受け104aと左右対称状に設けられており、その構成は左背受け104aと同じであるので、ここでの説明は省略する。
このように構成される他の実施形態に係る椅子用運搬台車100では、背受け104は、上述した背受け4に比して短尺に構成されているので、その分、材料費が減少してコストダウンとなる。また、背受け104は、椅子50と接触する支持部材115は樹脂により形成され、一方、背受け支柱5に取り付けられる取付金具110は金属にて形成される二重構造となっているので、摩擦等による椅子50の接触面の損傷を抑えつつ、強固に椅子用運搬台車100に取り付けることができる。なお、背受け104(左背受け104a、右背受け104b)は、上述した背受け4と同様に、背受け支柱5(5a、5b)に対して着脱自在及び取付角度自在に構成してもよい。
また、上述した椅子用運搬台車1では、ネスティングする場合に後方台車の補強パイプ6を前方台車のリフト金具15に載せて係止することにより、ネスティング状態において前後の椅子用運搬台車1同士を互いに連結するように構成したが、これは、図12に示すようにしてもよい。図12は、他の実施形態に係る椅子用運搬台車200の三面図(正面図、平面図、左側面図)である。ただし、図12の平面図は、本図の左側面図を上方から見た場合を表している。
図12に示す他の実施形態に係る椅子用運搬台車200が、上述した実施形態に係る椅子用運搬台車1と主に異なる構成は、椅子用運搬台車1の補強パイプ6及びリフト金具15を省略し、その代わりに、後フレーム部8の下部に把持部9aと並行して後補強パイプ216を設けた点である。
図12を参照して、椅子用運搬台車200は、その前フレーム部203に、上述した補強パイプ6より下方の前キャスター7と近い位置に水平状の前補強パイプ206が設けられ、この前補強パイプ206は、その両端が、一本のパイプを曲げ加工して略L字状に形成されて前端が前キャスター7と接続された一対の外枠パイプ211に溶接されている。なお、この外枠パイプ211は、上述した外枠パイプ11よりもやや高い位置に設けられている。そして、外枠パイプ211内面であって前補強パイプ206両端の溶接箇所には、上方に略逆L字状に延在する一対の背受け支柱205が立設され、この背受け支柱205は、その先端が背受け4の左右略両端の下面側で該背受け4と溶接されている。
また、椅子用運搬台車200には、上述した実施形態と同様に、ガイドレール13と外枠パイプ211に溶接された位置決めパイプ12、及びこの位置決めパイプ12とガイドレール13の一対の傾斜パイプ13bに溶接されて該ガイドレール13を支持する一対の下支えパイプ14bが設けられている。下支えパイプ14bは、傾斜パイプ13bに対して垂設されており、この下支えパイプ14bと傾斜パイプ13bとが交差するT字状の溶接箇所が、椅子用運搬台車200をネスティングするときに後補強パイプ216に引っ掛ける直角の引掛隅部220を形成している。なお、図中218は、一対の傾斜パイプ13bの下部間に架設されてガイドレール13を補強する補強板である。
そして、椅子用運搬台車200後端側の後フレーム部208には、一対の支柱部9bの下端側であって、支柱部9bの下端に接続された後キャスター10のやや上の位置(前補強パイプ206と同じ高さ位置)に、後補強パイプ216が溶接されている。この後補強パイプ216は、後フレーム部8の左右方向への強度を増すための部材であって、引掛隅部220よりも若干高い位置に設けられ、ネスティング時に、直後の椅子用運搬台車200の引掛隅部220と係合してその前輪(前キャスター7)を浮上させながら椅子用運搬台車200同士を互いに連結する機能を有し、平面視すると、後フレーム部8の把持部9aと重なるように設けられ、その両端が一対の支柱部9bの内面と接続されている。なお、椅子用運搬台車200をネスティングする手順は、上述した実施形態の椅子用運搬台車1(第1〜3ステップ)に準じて行えばよいので、ここでの説明は省略する。
このように構成される他の実施形態に係る椅子用運搬台車200は、上述した椅子用運搬台車1の効果に加え、ネスティングした状態では、椅子用運搬台車1に比して前後方向の連結長さが長くなるものの、連結専用の特別な部材(例えば、椅子用運搬台車1のリフト金具15)を別途設けることなく、椅子用運搬台車200の骨組を形成する後補強パイプ216、ガイドレール13(傾斜パイプ13b)及び下支えパイプ14bを活用して、より強固に前後の椅子用運搬台車200同士を連結することができる。また、後補強パイプ216を設けることで、椅子用運搬台車200自体の強度をさらに増すこともできる。
1、1A、1B、1C、1D、100、200…椅子用運搬台車、
3、3B、203…前フレーム部、 4、4B、104…背受け、
5、5a、5b、205…背受け支柱、 6、6B…補強パイプ、
7、7A、7B、7C、7D…前キャスター(固定型キャスター)、
8、8A、208…後フレーム部、 9…後フレーム、
9a、9aB…把持部、 9b、9bA…支柱部、
10、10A、10B、10C、10D…後キャスター(自在型キャスター)、
11、11A、211…外枠パイプ、 12、12A…位置決めパイプ、
12a…横パイプ、 12b…縦パイプ、
13、13A…ガイドレール、 13a…水平パイプ、
13b、13bA…傾斜パイプ、 14a…上支えパイプ、
14b、14bA…下支えパイプ、 15、15A…リフト金具、
17、17A…空間、 50、50T、50T1、50T2、50T3…椅子、
51、51T1…背もたれ、 52、52T1…座体、
53、53T1…下フレーム、 53a、55a、55b、58a…当接部、
54…脚部材、 55、55T、55T1…前フレーム、
56…フレーム体、 57…後フレーム、
58、58T、58T1…前繋ぎフレーム、 59…長穴、
60、60T1…根元支柱、 60a…当接面、
110…取付金具、 110a…矩形平鋼、
110b…台形平鋼、 115…支持部材、
116…溶接部、 117…ネジ、
206…前補強パイプ、 216…後補強パイプ、
218…補強板、 220…引掛隅部。
3、3B、203…前フレーム部、 4、4B、104…背受け、
5、5a、5b、205…背受け支柱、 6、6B…補強パイプ、
7、7A、7B、7C、7D…前キャスター(固定型キャスター)、
8、8A、208…後フレーム部、 9…後フレーム、
9a、9aB…把持部、 9b、9bA…支柱部、
10、10A、10B、10C、10D…後キャスター(自在型キャスター)、
11、11A、211…外枠パイプ、 12、12A…位置決めパイプ、
12a…横パイプ、 12b…縦パイプ、
13、13A…ガイドレール、 13a…水平パイプ、
13b、13bA…傾斜パイプ、 14a…上支えパイプ、
14b、14bA…下支えパイプ、 15、15A…リフト金具、
17、17A…空間、 50、50T、50T1、50T2、50T3…椅子、
51、51T1…背もたれ、 52、52T1…座体、
53、53T1…下フレーム、 53a、55a、55b、58a…当接部、
54…脚部材、 55、55T、55T1…前フレーム、
56…フレーム体、 57…後フレーム、
58、58T、58T1…前繋ぎフレーム、 59…長穴、
60、60T1…根元支柱、 60a…当接面、
110…取付金具、 110a…矩形平鋼、
110b…台形平鋼、 115…支持部材、
116…溶接部、 117…ネジ、
206…前補強パイプ、 216…後補強パイプ、
218…補強板、 220…引掛隅部。
Claims (6)
- ネスティング可能に複数のフレームを組み立てて所定の構造に形成され、前後のフレームの下端に前キャスター及び後キャスターを有して成る家具用運搬台車であって、
ネスティング時に、前後の前記家具用運搬台車同士を切り離し自在に連結する連結手段を備え、
該連結手段により前後の前記家具用運搬台車同士が連結されている状態では、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記前キャスター、又は/及び、前方側に位置する前記家具用運搬台車の前記後キャスターが地面から浮き上がっていること
を特徴とする椅子用運搬台車。 - 前記前キャスターは、進行方向が固定式の固定型キャスターとし、
前記後キャスターは、進行方向を任意に変えることが可能な回転式の自在型キャスターとし、
前記連結手段により前後の前記家具用運搬台車同士が連結されている状態では、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記固定型キャスターが地面から浮き上がっていること
を特徴とする請求項1に記載の家具用運搬台車。 - 前記連結手段は、前側に位置する第1係合部と、該第1係合部より後側に位置する第2係合部とを有し、ネスティング時に、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第1係合部を、前方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第2係合部に係止することにより、前後の前記家具用運搬台車同士を切り離し自在に連結することとし、
前記前キャスターは、その上下方向の移動が前記第1係合部の上下方向の移動と連動するように設けられ、ネスティング時に後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記前キャスターを、一旦上方に持ち上げて前進した後該持ち上げ量(H1)より小さい量(H2、H1>H2)だけ下方に移動させることにより、後方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第1係合部が前方側に位置する前記家具用運搬台車の前記第2係合部に係止されること
を特徴とする請求項2に記載の家具用運搬台車。 - 前記第1係合部は、左右方向に延在する水平状のパイプとし、
前記第2係合部は、前記水平状のパイプを引っ掛けるように載せて該パイプを係止するフック状のリフト部材としたこと
を特徴とする請求項3に記載の家具用運搬台車。 - 前記家具用運搬台車は、スタッキングした複数の椅子を積載して運搬する椅子用の運搬台車であって、前記複数の椅子をスタッキングして積載するときに、該椅子を下向きの傾倒姿勢に支持する椅子支持手段を備え、
前記椅子支持手段は、最下段の前記椅子の背もたれ及び一対の前脚の所定箇所を当接支持する背受け部及び位置決め部と、積載する全ての前記椅子において、前記一対の前脚間に嵌め込まれ、該椅子の所定箇所と係合する後方側に傾斜して長尺状に立設する傾斜部材とを有し、
前記複数の椅子をスタッキングして積載した状態では、該積載した全ての椅子が、前記傾斜部材の傾斜角度に沿って斜め上方の後方側に傾斜して積み重なること
を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の家具用運搬台車。 - 前記背受け部は、前記背もたれの所定箇所を当接支持する箇所が、前記背もたれの所定箇所の形状と略一致して形成されて該所定箇所と面接触するように形成されていること
を特徴とする請求項5に記載の家具用運搬台車。
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JP2021187280A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 三甲株式会社 | 運搬車 |
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