JP5145924B2 - 自動改札装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道の駅などに設置される自動改札装置に関し、特に、改札通路を通行する利用客の転倒に対し安全を確保するための技術に関する。
自動改札装置は、乗車媒体から読み取った情報に基づいて利用客の通行可否を判定し、通行を許可する場合はゲート扉を開状態にし、通行を禁止する場合はゲート扉を閉状態にする駅務機器である。このような自動改札装置においては、利用客に対する安全確保のための種々の方策がとられている。
例えば、特許文献1に記載されている自動改札装置では、改札通路における利用客の移動速度を検出し、通行が禁止された利用客が当該速度で移動すると閉じたゲート扉に接触すると予想される場合は、ゲート扉の閉状態を維持するための制動力を通常より弱めることで、利用客がゲート扉に接触したときの衝撃を緩和するようにしている。また、閉じたゲート扉が無理やり開けられようとした場合は、これを検知してゲート扉の閉状態を維持するための制動力を通常より強めることで、強行突破を防止するようにしている。
また、特許文献2および特許文献3に記載されている自動改札装置では、通行が禁止された利用客が閉じたゲート扉に衝突して、扉に一定以上の荷重が加えられた場合に、ゲート扉を開動作させることにより、利用客に対する衝撃力を緩和するようにしている。
特開2004−164498号公報 特開2000−137839号公報 特開2002−366982号公報
ところで、自動改札装置におけるゲート扉の設置高さは、妊婦の腹部との接触を避けるために、それより下とすることが鉄道業界の規格として決められている。一方で、この高さの制約は、必然的に人の重心位置がゲート扉の設置高さより高くなるという状況を作り出し、扉に接触した利用客が転倒しやすくなるという問題を誘発する。
そこで、このような転倒に対する安全を確保する方策が必要となるが、例えば、有効期限切れの定期券であることに気付かずに通行しようとした利用客の場合、強行突破する意思はなく自分では正常に通行できると思っているのに、ゲート扉が予期せずに閉じることで、扉に衝突して転倒しそうになることがある。しかるに、特許文献1の自動改札装置では、上記のように強行突破でない場合でも、利用客のゲート扉への衝突によりゲート扉が開方向へ回動すると、これが検知されてゲート扉の制動力が強まるため、利用客がより一層転倒しやすくなってしまう。
また、特許文献2、3の自動改札装置によれば、利用客がゲート扉に衝突した場合は衝撃力を緩和することができるが、利用客がゲート扉に至る前に転倒した場合にはゲート扉は開かないので、利用客は閉じているゲート扉に向かって倒れ込むこととなり、扉で頭部等を強打するなどの危険がある。また、これらの文献のように、ゲート扉に一定以上の荷重が加わった場合に扉を開動作させると、ゲート扉を膝で蹴るなどの行為がされた場合にも扉が開くことになり、このような行為は係員から見えない位置で行えるため、強行突破を防止する上で効果が低いといえる。
本発明は、上述した課題を解決するものであって、その目的とするところは、利用客の転倒に対する安全を確保する一方で、強行突破を防止することが可能な自動改札装置を提供することにある。
本発明に係る自動改札装置は、乗車媒体から読み取った情報に基づいて利用客の通行可否を判定し、通行を許可する場合はゲート扉を開状態にし、通行を禁止する場合はゲート扉を閉状態にする自動改札装置であって、改札通路を通行する利用客を撮像する撮像手段と、この撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用客が転倒しそうか否かを判定する転倒判定手段と、この転倒判定手段により、通行の禁止された利用客が転倒しそうであると判定された場合に、ゲート扉の制動力を弱めるように、またはゲート扉を開放するように制御を行う制御手段とを備えている。
このようにすると、通行が禁止された利用客がゲート扉より手前で転倒しそうになった場合、転倒判定手段がこれを判定して、制御手段によりゲート扉の制動力が弱められたりゲート扉が開いたりする制御が行われるので、利用客がゲート扉に向かって倒れ込んでも、扉で頭部等を強打するなどの危険を回避することができる。また、利用客が転倒する状況にない場合は、ゲート扉の制動力が弱められたりゲート扉が開いたりすることがなく、ゲート扉に一定以上の荷重が加わっても扉は開かないので、無札客などによる強行突破を防止することができる。
本発明においては、改札通路における利用客の位置を検出する検出手段をさらに備え、制御手段は、利用客が転倒しそうであると判定した場合に、検出手段が検出した利用客の位置を参照し、利用客の位置がゲート扉から一定距離以内にあるときは、ゲート扉の制動力を弱める制御を行い、利用客の位置がゲート扉から一定距離以内にないときは、ゲート扉を開放する制御を行う構成を採用してもよい。
このようにすると、ゲート扉に近い位置で利用客が転倒しかかった場合は、ゲート扉の制動力が弱められ、ゲート扉が利用客により押されると、扉は利用客に追従しながら開く。したがって、ゲート扉が急に開くことによる利用客の転倒を回避することができる。一方、ゲート扉から遠い位置で利用客が転倒しかかった場合は、ゲート扉が直ちに開くので、利用客がゲート扉に向かって倒れ込んでも、扉で頭部等を強打するなどの危険を回避することができる。
本発明においては、改札通路における利用客の位置を検出する検出手段と、利用客の転倒を防止するための転倒防止部材とをさらに備え、制御手段は、利用客が転倒しそうであると判定した場合に、検出手段が検出した利用客の位置を参照し、利用客の位置がゲート扉から一定距離以内にあるときは、転倒防止部材が改札通路へ突出するように制御を行う構成を採用してもよい。
このようにすると、ゲート扉に近い位置で利用客が転倒しそうになった場合は、転倒防止部材が改札通路へ突出するので、転倒しかかった利用客は、この転倒防止部材で受け止められ、転倒を免れることができ、また、ゲート扉で手を挟むような危険も回避することができる。
この場合、転倒防止部材は、ゲート扉よりも上方の位置で改札通路へ突出するのが好ましい。これによると、転倒防止部材の突出位置が人の重心位置に近づくので、転倒をより効果的に防止することができる。
本発明によれば、通行の禁止された利用客が転倒しそうか否かを判定して、転倒しそうな場合にゲート扉の制動力が弱められ、またはゲート扉が開放されるので、利用客の転倒に対する安全を確保することができる一方で、強行突破を防止することが可能となる。
図1ないし図3は、本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した図であり、図1は斜視図、図2は出口側からみた正面図、図3は側面図である。図において、50は自動改札装置、51は自動改札装置50の本体、52は自動改札装置50の入口側(改札側)に設けられたゲート扉、53は自動改札装置50の出口側(集札側)に設けられたゲート扉、54は自動改札装置50で使用される非接触ICカード(図示省略)との間で通信を行うアンテナ、55はアンテナ54で読み取った非接触ICカードが正常な乗車媒体であるか否かを表示するランプ表示部、56は乗客に対して通行許可や通行禁止等の各種メッセージを表示するメッセージ表示部、57は本体51の側部に設けられた側板、58は側板57の上面に設けられた小児/学生表示ランプ、59は側板57内に設けられているセンサ(後述)を覆うカバー、60は本体51の正面に設けられている通行可否表示部、61は1対の自動改札装置50により形成される改札通路である。
図3は、図1における右側の自動改札装置50のカバー59を取り外した状態の側面図である。40は通行方向に直線状に複数個配列された人間位置追跡用のセンサであって、例えば透過型の光センサから構成されている。また、図1の左側の自動改札装置50における側版57にも、改札通路61を挟んでセンサ40のそれぞれと対向する位置に、透過型の光センサが複数個設けられている。そして、各自動改札装置50においては、センサを構成する投光素子と受光素子とが通行方向に交互に配列されており、かつ、一方の自動改札装置50の投光素子と他方の自動改札装置50の受光素子とが改札通路61を挟んで対向している。
図1〜図3に示すように、右側の自動改札装置50の本体51における出口付近の上部には、カメラ11と転倒防止部材12とが配設されている。カメラ11は、図2に示すように、改札通路61側へ斜め上方を向くように設置されており、改札通路61を通行する利用客Pの上半身を一定時間間隔で撮像する。一点鎖線は、カメラ11の撮像範囲を示している。また、図1および図3に示すように、転倒防止部材12は、ゲート扉53よりも上方の位置に設けられていて、後述のように、改札通路61へ突出可能となっている。
以上のような自動改札装置50は、例えば鉄道の駅に設置され、利用客が非接触ICカードをアンテナ54の上にかざすと、アンテナ54が読み取った非接触ICカードのデータが本体51の内部に設けられている制御部に送られ、制御部が乗車媒体の適否を判定してゲート扉52,53の開閉を制御し、通行を許可または禁止する。
図4は、自動改札装置50の電気的構成を示したブロック図である。1は自動改札装置50の動作を制御する制御部としてのCPU、2はメモリから構成される記憶部である。記憶部2は、乗車媒体から読み取った通行情報が格納される領域、CPU1の動作プログラムが格納される領域、各種の制御パラメータが格納される領域などを有している。3はゲート扉52,53を駆動する扉駆動部であって、扉開閉用のモータや、モータの駆動回路などから構成される。4は表示部であって、図1に示したランプ表示部55、メッセージ表示部56、小児/学生表示ランプ58および通行可否表示部60から構成される。5は上位装置であるホスト装置(図示省略)との間で通信を行うホスト通信部である。6は転倒防止部材12を駆動する転倒防止部材駆動部であって、モータやその駆動回路などから構成される。
7は撮像部であって、前述のカメラ11から構成される。8は、カメラ11で撮像された画像を処理する画像処理部である。9は人間検知部であって、図3に示したセンサ40などから構成される。10はアンテナ54の動作を制御するアンテナ制御部であって、アンテナ54は非接触ICカードからなる非接触媒体70との間で無線通信を行い、非接触媒体70に記録されている通行情報を非接触で読み取る。20は自動改札装置50の各部に電源を供給する電源部である。
以上において、CPU1は本発明における転倒判定手段および制御手段の一実施形態を構成し、カメラ11は本発明における撮像手段の一実施形態を構成し、センサ40は本発明における検出手段の一実施形態を構成し、非接触媒体70は本発明における乗車媒体の一実施形態を構成する。
図5は、自動改札装置50の改札処理の手順を示したフローチャートである。最初に、ステップS1で乗車券の受付処理を行い、アンテナ54にかざされた非接触媒体70に記録されている乗車券情報を読み取る。次に、ステップS2で、読み取った乗車券情報に対して有効性などの判定を行い、続くステップS3で利用客が改札通路61に進入するのを待つ。そして、利用客が改札通路61に進入すると(ステップS3:YES)、ステップS4で大人/子供の判別処理を行う。この判別は、例えば利用客の背丈を検出するセンサ(図示省略)の出力に基づいて行う。
ステップS4での判別の結果、利用客が大人であって(ステップS5:YES)、かつ乗車券が有効券であれば(ステップS6:YES)、ステップS7で正券カウンタに1を加算する。正券カウンタの初期値は0であり、乗車券が有効と判定されると、正券カウンタの値は+1となる。正券カウンタが+1の状態は、利用客1人の通行が許可されていることを意味する。なお、正券カウンタは、記憶部2(図4)の所定領域に設けられる。一方、利用客が大人でなければ(ステップS5:NO)、ステップS17へ移行して、ゲート扉53を開状態に維持する。また、乗車券が有効券でなければ(ステップS6:NO)、ステップS7を省略して、ステップS8へ移る。なお、乗車券が有効券でない場合とは、非接触媒体70から読み取った乗車券情報それ自体がNG(例えば有効期限切れ、区間外など)である場合のほか、読み取った乗車券情報はOKだが、非接触媒体70への書込み(例えば入場ビットの記録)が正常に行えなかったような処理未了の場合も含む。
次に、ステップS8で利用客が改札通路61を後戻りしたか否かをみて、後戻りした場合は(ステップS8:YES)、ステップS9で正券カウンタから1を減算し、ステップS1へ戻る。また、改札通路61を後戻りしなかった場合は(ステップS8:NO)、ステップS10で利用客が無札ライン(図3に一点鎖線で図示)を通過するのを待って、ステップS11で正券カウンタに残りがあるかどうかを判定する。
ステップS11での判定の結果、正券カウンタに残りがあれば(ステップS11:YES)、ステップS12でゲート扉53を開状態のままに維持し、ステップS14で利用客がゲート扉53を抜けるのを待つ。その間、ステップS16で改札通路61の後戻りの有無をみて、後戻りがあった場合は(ステップS16:YES)、ステップS9へ移行する。利用客がゲート扉53を抜けると(ステップS14:YES)、ステップS15で正券カウンタから1を減算し、最初に戻る。一方、ステップS11で正券カウンタに残りがなければ(ステップS11:NO)、ステップS13でゲート扉53を閉じた後、ステップS18で以下に述べるような転倒判定処理を行う。
転倒判定処理の詳細について、図6〜図11を参照して説明する。図6は、通行が禁止された利用客P(図5のステップS6で乗車券が有効でないと判定された利用客)が、出口側のゲート扉53から一定距離以上(例えば50cm以上)離れた位置で転倒しそうになった状態を示している。利用客Pの位置は、センサ40により検出される。このときの利用客Pの上半身が一定時間間隔でカメラ11により撮像され、撮像された画像は画像処理部8(図4)で処理される。画像処理部8では、カメラ11の撮像画像から利用客Pの頭部を抽出し、さらに頭部の重心を算出する。
図7は、画像処理部8において抽出された頭部とその重心の変化を示している。横軸xは改札通路61における進行方向の水平位置、縦軸yは改札通路61における垂直位置であり、楕円が頭部、黒丸がその重心を表している。利用客Pが転倒しかかると、頭部の重心は図のv,v,v,…のような変化を示す。vx1,vx2,vx3,…はx方向の重心座標変化量、vy1,vy2,vy3,…はy方向の重心座標変化量である。CPU1は、これらの重心座標変化量に基づいて頭部の状態変化をモデル化し、次のような状態変化モデル関数を算出する。
’=f(v)’
この状態変化モデル関数と、図8に示すような転倒状態モデル関数
=f(v
とを比較し、両者の一致度が所定値以上であれば、利用客Pが転倒しそうであると判定する。図8の転倒状態モデル関数は、利用客が転倒する場合の重心の変化を予め実験により求め、それらの実験値(黒丸)に基いて算出された近似式である。
このようにして、通行が禁止された利用客Pが、ゲート扉53から遠い位置で転倒しそうであることが判定されると、CPU1は閉じたゲート扉53を直ちに開放するように制御を行う。すなわち、扉駆動部3に備わるモータを駆動してゲート扉53を開く。図6は、ゲート扉53が開いた状態を表している。このため、図6のように利用客Pがゲート扉53に向かって倒れ込んでも、扉53で頭部等を強打するなどの危険を回避することができる。
図9は、通行が禁止された利用客P(図5のステップS6で乗車券が有効でないと判定された利用客)が、出口側のゲート扉53から一定距離以内の位置で転倒しそうになった状態を示している。このとき、ゲート扉53は閉じている(ステップS13)。利用客Pの位置は、センサ40により検出される。この場合も、図6と同様に、利用客Pの上半身がカメラ11で撮像され、画像処理部8で撮像画像から頭部とその重心が抽出される。そして、図7および図8で説明した原理と同じ原理に従って、状態変化モデル関数が算出され、これが転倒状態モデル関数と比較されて、両者の一致度が所定値以上であれば、利用客Pが転倒しそうであると判定される。
このようにして、通行が禁止された利用客Pが、ゲート扉53から一定距離以内の位置で転倒しそうであることが判定されると、CPU1は、閉じたゲート扉53の制動力を弱めるように制御を行う。すなわち、扉駆動部3に備わる電磁ブレーキを制御して、ゲート扉53をスリップ状態とする。この状態では、ゲート扉53が利用客Pにより押されると、扉53は利用客Pに追従しながら開く。したがって、ゲート扉53が急に開くことによる利用客Pの転倒を回避することができる。さらにCPU1は、転倒防止部材12が改札通路61へ突出するように制御を行う。すなわち、転倒防止部材駆動部6に備わるモータを駆動して、転倒防止部材12を改札通路61へ突出させる。
図10は、転倒防止部材12が通路へ突出した状態を示しており、(a)は平面図、(b)は入口側からみた正面図である。転倒防止部材12は、左右の自動改札装置本体51にそれぞれ設けられており、金属等の剛性材料からなるフレーム12aと、フレーム12aに固着されたウレタン等の柔軟性材料からなるクッション12bとを備えている。13は転倒防止部材12を回動可能に支持する軸、14はゲート扉53を回動可能に支持する軸である。転倒防止部材12は、常時は破線で示すように本体51に収納されており、転倒防止部材駆動部6のモータ(図示省略)により駆動されると、軸13を中心に回動して、実線で示すように改札通路61へ突出する。
こうして、ゲート扉53に近い位置で利用客Pが転倒しそうな場合は、ゲート扉53の制動力が弱められることに加えて、転倒防止部材12が改札通路61へ突出するので、転倒しかかった利用客Pによりゲート扉53が押されて開いても、利用客Pは転倒防止部材12で受け止められ、転倒を免れることができるとともに、ゲート扉53で手を挟むような危険も回避することができる。この場合、利用客Pは、クッション12bで受け止められるので、受け止め時の衝撃を緩和することができる。また、転倒防止部材12は、図10(b)のように、ゲート扉53よりも上方の位置で改札通路61へ突出するので、突出位置が利用客の重心位置に近づき、転倒をより効果的に防止することができる。
図11は、以上説明した転倒判定処理のフローチャートであって、図5のステップS18の詳細手順を表したものである。ステップS21では、カメラ11が利用客Pの画像を撮像する。ステップS22では、カメラ11で撮像された画像から利用客Pの頭部を抽出し、さらに頭部の重心を算出する。ステップS23では、頭部重心の算出を所定回数(n回)実行したか否かを判定し、実行していなければ(ステップS23:NO)、ステップS21、S22を反復し、実行しておれば(ステップS23:YES)、ステップS24へ進む。
ステップS24では、n個の重心から前述の状態変化モデル関数を算出する。続いて、ステップS25へ進み、ステップS24で算出した状態変化モデル関数を、前述の転倒状態モデル関数(図8)と比較して、両者の一致度を判定する。一致度が所定値以上であれば(ステップS25:YES)、利用客Pが転倒しそうであると判定し(ステップS27)、ステップS28へ進む。一方、一致度が所定値以上でなければ(ステップS25:NO)、利用客Pが転倒する状況にないと判定し(ステップS26)、処理を終了する。
ステップS28では、利用客Pの位置がゲート扉53から一定距離以内か否かを判定する。この判定は、利用客Pの位置を検出するセンサ40(図3)の出力に基づいて行う。図6のように、利用客Pの位置がゲート扉53から一定距離以内にない場合は(ステップS28:NO)、ステップS31へ移って、直ちにゲート扉53を開く。一方、図9のように、利用客Pの位置がゲート扉53から一定距離以内にある場合は(ステップS28:YES)、ステップS29へ移って、ゲート扉53の制動力を弱め、さらに、ステップS30で転倒防止部材12を改札通路61へ突出させる。
図11からわかるように、利用客Pが転倒する状況にないと判定された場合は(ステップS26)、ステップS29でのゲート扉53の制動力を弱める処理や、ステップS31でのゲート扉53を開く処理は行われない。したがって、ゲート扉53に一定以上の荷重が加わっても扉53は開かないので、無札客などによる強行突破を防止することができる。
本発明では、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記実施形態では、転倒の有無を判定するにあたって、頭部の重心の変化を利用したが、これ以外に、脚部の挙動の変化を利用してもよい。例えば、図12のように膝の位置の変化を利用したり、図13のようにつま先と足首のなす角度θ1、および膝の屈曲角度θ2の変化を利用する方法が考えられる。また、この他に、図14のような人のシルエットパターンの変化を利用する方法や、図15のようなシルエットの重心の変化を利用する方法なども考えられる。
また、上記実施形態では、ゲート扉53から一定距離以内の位置で利用客Pが転倒しそうな場合に、ゲート扉53の制動力を弱めるとともに、転倒防止部材12を改札通路61へ突出させたが、ゲート扉53を開いて転倒防止部材12を突出させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図6や図9において利用客の位置をセンサ40により検知したが、これに代えて、カメラ11の撮像画像から利用者Pの位置を推定するようにしてもよい。また、カメラ11の撮像画像から利用者Pの年齢を推定して、高齢者と判定した場合のみ、ゲート扉53の制動力を弱めたり、ゲート扉53を開放したりする制御を実行するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、乗車媒体として非接触ICカードを用いる非接触型の自動改札装置を例に挙げているが、本発明は、磁気カードを用いる接触型の自動改札装置や、磁気カードと非接触ICカードの両方を使用できるハイブリッド型の自動改札装置にも適用することができる。
本発明の実施形態に係る自動改札装置の斜視図である。 同自動改札装置の出口側からみた正面図である。 同自動改札装置の側面図である。 自動改札装置の電気的構成を示したブロック図である。 自動改札装置の改札処理の手順を示したフローチャートである。 利用客がゲート扉から一定距離以上離れた位置で転倒する状態を示した図である。 画像処理部において抽出された頭部とその重心の変化を示した図である。 転倒状態モデル関数を示した図である。 利用客がゲート扉から一定距離以内の位置で転倒する状態を示した図である。 転倒防止部材が通路へ突出した状態を示した図である。 転倒判定処理のフローチャートである。 転倒判定の他の方法を説明する図である。 転倒判定の他の方法を説明する図である。 転倒判定の他の方法を説明する図である。 転倒判定の他の方法を説明する図である。
符号の説明
1 CPU
7 撮像部
8 画像処理部
11 カメラ
12 転倒防止部材
40 センサ
50 自動改札装置
53 ゲート扉
61 改札通路
70 非接触媒体
P 利用客

Claims (4)

  1. 乗車媒体から読み取った情報に基づいて利用客の通行可否を判定し、通行を許可する場合はゲート扉を開状態にし、通行を禁止する場合はゲート扉を閉状態にする自動改札装置において、
    改札通路を通行する利用客を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用客が転倒しそうか否かを判定する転倒判定手段と、
    前記転倒判定手段により、通行の禁止された利用客が転倒しそうであると判定された場合に、前記ゲート扉の制動力を弱めるように、または前記ゲート扉を開放するように制御を行う制御手段と、
    を備えたことを特徴とする自動改札装置。
  2. 請求項1に記載の自動改札装置において、
    前記改札通路における利用客の位置を検出する検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記利用客が転倒しそうであると判定した場合に、前記検出手段が検出した利用客の位置を参照し、利用客の位置がゲート扉から一定距離以内にあるときは、ゲート扉の制動力を弱める制御を行い、利用客の位置がゲート扉から一定距離以内にないときは、前記ゲート扉を開放する制御を行なうことを特徴とする自動改札装置。
  3. 請求項1に記載の自動改札装置において、
    前記改札通路における利用客の位置を検出する検出手段と、利用客の転倒を防止するための転倒防止部材とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記利用客が転倒しそうであると判定した場合に、前記検出手段が検出した利用客の位置を参照し、利用客の位置がゲート扉から一定距離以内にあるときは、前記転倒防止部材が前記改札通路へ突出するように制御を行なうことを特徴とする自動改札装置。
  4. 請求項3に記載の自動改札装置において、
    前記転倒防止部材は、ゲート扉よりも上方の位置で改札通路へ突出することを特徴とする自動改札装置。
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