JP4287196B2 - 非接触券及びそれを処理する非接触式自動改札機 - Google Patents

非接触券及びそれを処理する非接触式自動改札機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触券及びその非接触券を処理する非接触式自動改札機に係り、特に、一人の利用者が複数枚の非接触券を使用することのできるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、首都圏を中心とした鉄道においては、利用者(旅客)の利便向上を図るために、乗車券を無線通信機能を備えたICカードからなる非接触券とし、改札口にこの非接触券を処理することのできる非接触式自動改札機が設置されるようになってきている。
【0003】
改札口に設置される非接触式自動改札機は、利用者によって非接触券が非接触式自動改札機の本体に設けられているアンテナに軽くタッチされ、又はそのアンテナにかざされると(以下、タッチで説明する。)、非接触券と非接触式自動改札機の本体との間でデータ授受が行われるように構成されている。そして、非接触式自動改札機の本体では、非接触券から得られた定期券データやSFデータ(ストアードフェアデータ(残額データ))等のカードデータに基づいて入出場(入場又は出場を意味している。)のための所定の演算処理が行われ、その演算処理の結果、入出場を許可できるときは、ドアが開かれて(非接触式自動改札機の本体がノーマルオープン型のときはそのまま)、改札通路の通過が許可され、その演算処理の結果、入出場を許可できないときは、ドアが閉じられて改札通路の通過が阻止されるように構成されている(特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−99817号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記非接触券は、その非接触券の本体のメモリ内に定期券データが記憶されているので、非接触券が定期券として使用されるが、路線形態や乗車区間によっては、定期券を2枚以上に分けた方が全体としての定期料金が安くなったり、利用者の使い勝手が向上することがある。このため、従来の磁気券からなる定期券の場合、一人の利用者が複数枚の定期券を利用することがあった。
【0006】
しかしながら、一人の利用者が複数枚の非接触券を使用する場合は、磁気券からなる定期券のように、前に投入した定期券を自動改札機の本体内に保留しておき、次の定期券の投入を待つということができないので、一人の利用者が複数枚の非接触券を用いて入出場することができないという欠点があった。すなわち、一人の利用者が複数枚の非接触券を使用する場合は、1枚の非接触券がアンテナにタッチされるとほぼ同時に、そのタッチされた非接触券の有効性が判定され、その非接触券で入出場が許可できないときは、他の非接触券の処理を待つことなく、即、ドアか閉じられて入出場が拒否されてしまうので、一人の利用者が複数枚の非接触券を用いることができないという不都合があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、一人の利用者が複数枚使用可能な非接触券を提供するとともに、その複数枚の非接触券を使用することのできる非接触券を処理する非接触式自動改札機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非接触券は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、非接触式自動改札機で使用される無線通信機能を備えたICカードからなる非接触券であって、非接触券の本体のメモリに、その非接触券の本体が他の非接触券の本体と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータを記憶する組合せデータ記憶部を設け、両非接触券を同時にアンテナにタッチすることを特徴としている。
本発明に係る非接触券を処理する非接触式自動改札機は、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、非接触券に記録されているデータを読取る読取手段と、読取られたデータ中から非接触券が他の非接触券と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータを抽出する抽出手段と、所定の組合せデータが抽出されたときに、非接触券から読取られたデータ及び他の非接触券から読取られたデータに基づいて所定の入出場処理を行う処理制御手段と、を有し、両非接触券が同時にアンテナにタッチされたときに、読取手段は、混信を防止しながらデータ授受を行うことを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の非接触券を処理する非接触式自動改札機は、非接触券に記録されているデータは、定期券データ及びSFデータであることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る非接触式自動改札機の本体(以下、「改札機本体」という。)Gを構成する一対の筐体のうちの一方の筐体Hの斜視図である。この筐体Hの上面には、非接触券の本体(以下、非接触券の本体を含めて非接触券として説明する。)C1 ,C2 と交信するためのアンテナaが設けられている。
【0010】
筐体Hの改札通路Pの入口側には、改札機本体Gの使用状態、つまり改札通路Pを通過できるか否かを利用者に報知するための表示部1が設けられている。また、図1中、S,S…は、改札通路Pへの利用者の進入、又はその改札通路Pからの退出、あるいは通過を検知するための光電式の人間検知器であって、筐体Hの側面に所定の間隔を保って設けられている。さらに、この人間検知器は、筐体Hの上面の改札通路Pと反対側で、その改札通路Pの通過方向に沿って設けられたセンサ取付ボック2内に設けられている反射型センサからなる人間検知器S′,S′…によっても構成されている。この反射型センサからなる人間検知器S′,S′…は、改札通路P内の大人の利用者を検知できるように、改札通路Pの床面から所定高さ以上の物体(利用者)を検知できるように構成されている。
【0011】
筐体Hの側面には、利用者に対して音声により所定の案内をアナウンスするためのスピーカ3が取付けられているとともに、その筐体Hの側面の改札通路Pの出口側及び進入側には、ドアD1 ,D2 がそれぞれ設けられている。また、筐体Hの上面のほぼ中央部には、利用者に対して文字により所定の案内を行うための表示画面4が取付けられている。
【0012】
図1中、5は、改札機本体Gの動作を司どる制御器であり、マイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、この制御器5には、非接触券C1 ,C2 との間でデータの授受を行うための上述のアンテナaを接続したリーダライタR(後述の図2参照)が接続されている。
【0013】
図2は、制御器5及び非接触券C1 ,C2 の電気的構成を示すブロック図である。制御器5側から説明すると、この制御器5のCPU20は、ROM21に記憶されているシステムプログラム及びRAM22に記憶されているワーキングデータを用いて演算処理を行って、改札機本体Gを統括的に制御できるように構成されている。そして、このCPU20には、I/Oユニット23を介してドアD1 ,D2 を駆動制御するドア駆動ユニット24と、スピーカ3を駆動制御する音声駆動ユニット25と、人間検知器S,S…、S′,S′…の検知信号を入力するための人間検知器ユニット26とが接続されている。なお、I/Oユニット23には、表示画面4を駆動する表示画面駆動ユニット等も接続されているが、ここでは省略されている。
【0014】
リーダライタRには、非接触券C1 ,C2 と交信を行うためのアンテナaが接続されている。このアンテナaは、非接触券C1 ,C2 とデータ授受を行う機能と、非接触券C1 ,C2 に電力を供給する機能とが備えられている。
【0015】
各非接触券C1 ,C2 は同一構成であるので、非接触券C1 を例に説明すると、この非接触券C1 は、、無線通信機能を有するICカードと同様に構成されている。すなわち、この非接触券C1 には、アンテナAと、改札機本体G側と交信するための通信制御部30と、その通信制御部30とI/Oユニット31を介して接続されているCPU32と、システムプログラムデータ、定期券データ、SFデータ及びカードIDデータ等の所定のカードデータの記憶されているメモリ33と、改札機本体Gからの電力波をアンテナAを介して受信し、非接触券C1 の駆動電力を生成する電力生成回路34とを有している。上記メモリ33には、非接触券C1 の識別情報(ID番号)が記憶されている以外に、そのメモリ33の定期券データ記憶部m1 には、非接触券C1 が定期券として使用されるための乗車区間や有効期間等の所定の定期券データが記憶され、SFデータ記憶部m2 には、非接触券C1 が定期券の乗車区間外(定期券データが有効期間切れ等により無効券のときは、定期券の乗車区間内も含む。)で使用されたときに、乗車運賃を減額処理する普通乗車券の機能を有するSFデータ(金額データ)が記憶されている。
【0016】
メモリ33の組合せデータ記憶部m3 は、非接触券C1 が他の非接触券(図示の例では非接触券C2)と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータが記憶されている。この所定の組合せデータは、非接触券C1 を新たに購入するときに利用者の申出により、又は、非接触券C1 を自動券売機等に組込まれている金額積増機を用いて更新処理(積増処理)するときに記憶される。
【0017】
以下、図3(a),(b)のフローチャート及び図4の路線図を用いて制御動作について説明する。今、利用者は、図4に示されるような甲駅及び乙駅間を定期券乗車区間とする定期券データを有する非接触券C1 と、乙駅及び丙駅間を定期券乗車区間とする定期券データを有する非接触券C2 を所持し、甲駅から入場(乗車)しようとしているものとする。なお、これら両非接触券C1 ,C2 には、上述したように、組合せデータ記憶部m3 に他の非接触券と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータがそれぞれ記憶されている。
【0018】
利用者が甲駅に設置されている改札機本体Gのアンテナaに非接触券C1 をタッチすると、その非接触券C1 と改札機本体Gとの間で交信が開始され(ステップ100肯定。以下、ステップを「S」とする。)、改札機本体G(制御器5)により非接触券C1 に記録されているデータ(カードデータ)が読取られて、CPU20による入場用の所定の演算処理が行われる(S102)。
【0019】
その演算処理の結果、入場を許可できるときは(S104肯定)、ドアD1 が開かれて(改札機本体Gがノーマルオープン型のときはそのまま)、利用者の改札通路Pの通過が許可されるとともに、非接触券C1 のメモリ33の図示しない入場データ記憶部に、甲駅から入場したことを示す所定の入場データ(甲駅を示すデータ及び入場日時データ)の記憶される一連の入場処理が行われる(S106)。
【0020】
なお、図3(a)のフローチャートでは省略されているが、非接触券C1 の定期券データの有効期間が切れているようなときで、非接触券C1 が定期券として無効券と判定されたときは、その非接触券C1 に記録されているSFデータを用いた入場処理が行われる。この場合、非接触券C1 のSFデータの残額も甲駅からの入場を許可できない金額のときは、スピーカ3及び表示画面4を介して非接触券C2 の使用案内が行われる。この案内に従って利用者が非接触券C2 をアンテナaにタッチすると、その非接触券C2 と改札機本体Gとの間で交信が行われ、非接触券C2 に記録されているSFデータを用いた入場処理が行われる。
【0021】
このように、非接触券C1 には、他の非接触券と組合せて使用することを示す組合せデータが記憶されているので、その非接触券C1 のSFデータで入場できないときに他の非接触券(図示の例では非接触券C2 )の使用を促すことができるので、利用者の使い勝手を向上させることができる。もちろん、非接触券C2 のSFデータを用いても甲駅からの入場を許可できないときは、ドアD1 が閉じられて入場が拒否され、スピーカ3及び表示画面4を介して残額不足等の所定の案内が行われる(S104否定)。
【0022】
利用者が非接触券C1 をアンテナaにタッチすることなく先に非接触券C2 をアンテナaにタッチしたときは(S100否定)、その非接触券C2 と改札機本体Gとの間で交信が開始され(S108肯定)、非接触券C2 のカードデータが読取られる(S110)。この読取られたデータを基にしたCPU20の演算処理の結果、非接触券C2 は他の非接触券(図示の例では非接触券C1 )と組合わされて使用されることが検出されるので、即、入場拒否とはならず、甲駅からの入場可能な他の非接触券(図示の例では非接触券C1 )の使用案内がスピーカ3及び表示画面4を介して案内される(S112)。
【0023】
上述の入場処理は、非接触券C1 の定期券区間内の甲駅からの入場の例であるが、非接触券C1 の定期券区間外のイ駅(図4参照)から入場するときは、非接触券C1 又は非接触券C2 に記録されているSFデータを用いて入場処理が行われる。
【0024】
次に、利用者が図4の丙駅から出場するときの制御動作について説明する。丙駅で降車した利用者がその丙駅に設置されている改札機本体Gのアンテナaに非接触券C1 をタッチすると、その非接触券C1 と改札機本体G(制御器5)との間で交信が開始され(S200肯定)、非接触券C1 に記録されているデータ(カードデータ)が読取られる(S202)。その読取られたデータを基にしたCPU20の出場用の所定の演算処理の結果、非接触券C1 は他の非接触券(図示の例では非接触券C2 )と組合わされて使用されることが検出されるので、スピーカ3及び表示画面4を介して他の非接触券(非接触券C2)の使用案内が行われる(S204)。その案内に従って非接触券C2 がアンテナaにタッチされると(S206肯定)、改札機本体Gにより非接触券C2 に記録されているデータ(カードデータ)が読取られる(S208)。CPU20では、両非接触券C1 ,C2 から読取られたデータを基にした所定の出場処理が行われる(S210)。すなわち、CPU20では、非接触券C1 から読取られた入場データ及び両非接触券C1 ,C2 の連続性を基にした出場用の所定の演算処理が行われ、出場を許可できるときは、ドアD1 が開かれて非接触券C1 ,C2 に所定の出場データ(丙駅を示すデータ及び出場日時データ)が記憶される。もちろん、出場を許可できないとき、例えば、非接触券C2 の定期券の有効期間が経過し、さらに、両非接触券C1 ,C2 のSFデータの残額が丙駅から出場するのに不足するときは、ドアD1 が閉じられてスピーカ3及び表示画面4を介して精算案内等の所定の案内が行われる。
【0025】
上述の出場制御動作の説明は、非接触券C1 が非接触券C2 よりも先にアンテナaにタッチされたときであるが、非接触券C2 が先にアンテナaにタッチされたときは(S200否定、S212肯定)、非接触券C2 に記録されているカードデータが先に読取られ、次いで、非接触券C1 に記録されているカードデータが読取られて上述と同様な出場処理が行われる(S214〜S220)。
【0026】
なお、両非接触券C1 ,C2 は、上述のように、別々にアンテナaにタッチしてもよいが、両非接触券C1 ,C2 を手に持って同時にアンテナaにタッチしてもよい。この場合でも、制御器5(リーダライタR)は、先に交信された非接触券(C1 又はC2)と交信後に残りの非接触券(C2 又はC1 )と交信し、混信を防止しながらデータ授受が行われる。このように、両非接触券C1 ,C2 をアンテナaに同時にタッチしたときは、残りの非接触券の使用案内は省略される。
【0027】
図3(b)のフローチャートでは省略されているが、利用者が非接触券C1 の定期券区間外のロ駅(図4参照)から出場したときは、丙駅からロ駅間での乗車区間の料金(運賃)が非接触券C2 のSFカードから減額されて出場処理が行われる。なお、非接触券C2 のSFカードの残額が不足するときは非接触券C1 のSFカードから減額される。もちろん、両非接触券C1 ,C2 のSFカードの残額でも不足するときは、ドアD1 が閉じられて出場が拒否され、スピーカ3及び表示画面4を介して精算案内が行われる。
【0028】
なお、上述の例では、非接触券の枚数を2枚としたが、3枚以上であってもよいことはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の非接触券は、非接触券のメモリに、その非接触券が他の非接触券と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータを記憶する組合せデータ記憶部を設けたので、複数枚の非接触券を組合せて使用することが可能となり、利用者の使い勝手を向上させることができる。
本発明の請求項2に記載の非接触券を処理する非接触式自動改札機は、非接触券に記録されているデータを読取る読取手段と、読取られたデータ中から前記非接触券が他の非接触券と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータを抽出する抽出手段と、所定の組合せデータが抽出されたときに、前記非接触券から読取られたデータ及び他の非接触券から読取られたデータに基づいて所定の入出場処理を行う処理制御手段とを有するので、複数枚の非接触券を組合せて使用することが可能となり、利用者の使い勝手を向上させることができる。
本発明の請求項3に記載の非接触券を処理する非接触式自動改札機は、非接触券に記録されているデータは、定期券データ及びSFデータであるので、定期券区間外でもSFデータを用いて処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る改札機本体を構成する一対の筐体のうちの一方の筐体の斜視図である。
【図2】制御器及び非接触券のブロック図である。
【図3】制御動作を示すフローチャートである。
【図4】制御動作を示す説明図である。
【符号の説明】
G 非接触式自動改札機の本体(改札機本体)
H 筐体
D1 ,D2 ドア
P 改札通路
S,S′ 人間検知器
a アンテナ
5 制御器
2 センサ取付ボックス
3 スピーカ
4 表示画面
C1 ,C2 非接触券
m1 定期券データ記憶部
m2 SFデータ記憶部
m3 組合せデータ記憶部

Claims (3)

  1. 非接触式自動改札機で使用される無線通信機能を備えたICカードからなる非接触券であって、
    前記非接触券の本体のメモリに、その非接触券の本体が他の非接触券の本体と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータを記憶する組合せデータ記憶部を設け
    両非接触券を同時にアンテナにタッチすることを特徴とする非接触券。
  2. 非接触券に記録されているデータを読取る読取手段と、
    読取られたデータ中から前記非接触券が他の非接触券と組合わされて使用されることを示す所定の組合せデータを抽出する抽出手段と、
    所定の組合せデータが抽出されたときに、前記非接触券から読取られたデータ及び他の非接触券から読取られたデータに基づいて所定の入出場処理を行う処理制御手段と、
    を有し
    両非接触券が同時にアンテナにタッチされたときに、前記読取手段は、混信を防止しながらデータ授受を行うことを特徴とする非接触券を処理する非接触式自動改札機。
  3. 請求項2に記載の非接触式自動改札機において、非接触券に記録されているデータは、定期券データ及びSFデータであることを特徴とする非接触券を処理する非接触式自動改札機。
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