JP5144197B2 - レーザー加工装置および接着フィルム切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエーハ等のウエーハにレーザー加工を施すレーザー加工装置、更に詳しくは環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着されたウエーハを保持するとともにダイシングテープを拡張するテープ拡張機構を備えたレーザー加工装置およびに接着フィルム切断方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々のデバイスを製造している。また、サファイヤ基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハも所定の分割予定ラインに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
個々に分割されたデバイスは、その裏面にエポキシ樹脂等で形成された厚さ20〜40μmのダイアタッチフィルムと称するダイボンディング用の接着フィルムが装着され、この接着フィルムを介してデバイスを支持するダイボンディングフレームに加熱圧着することによりボンディングされる。デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着する方法としては、半導体ウエーハの裏面に接着フィルムを貼着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、半導体ウエーハの表面に形成された分割予定ラインに沿って切削ブレードにより接着フィルムとともに切断することにより、裏面に接着フィルムが装着されたデバイスを形成している。(例えば、特許文献1参照。)
特開2000−182995号公報
近年、携帯電話やパソコン等の電気機器はより軽量化、小型化が求められており、より薄いデバイスが要求されている。より薄くデバイスを分割する技術として所謂先ダイシング法と称する分割技術が実用化されている。この先ダイシング法は、半導体ウエーハの表面から分割予定ラインに沿って所定の深さ(デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成し、その後、表面に分割溝が形成された半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させ個々のデバイスに分割する技術であり、デバイスの厚さ100μm以下に加工することが可能である。
しかるに、先ダイシング法によって半導体ウエーハを個々のデバイスに分割する場合には、半導体ウエーハの表面から分割予定ラインに沿って所定の深さの分割溝を形成した後に半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させるので、ダイボンディング用の接着フィルムを前もって半導体ウエーハの裏面に装着することができない。従って、先ダイシング法によって製作されたデバイスをダイボンディングフレームにボンディングする際には、デバイスとダイボンディングフレームとの間にボンド剤を挿入しながら行わなければならず、ボンディング作業を円滑に実施することができないという問題がある。
このような問題を解消するために、先ダイシング法によって個々のデバイスに分割された半導体ウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、各デバイス間の間隙に露出された接着フィルムの部分を化学的にエッチングして除去するようにした半導体デバイスの製造方法、および上記各デバイス間の間隙に露出された接着フィルムの部分に、デバイスの表面側から上記間隙を通してレーザー光線を照射し、接着フィルムの上記間隙に露出された部分を除去するようにした半導体デバイスの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2002−118081号公報
しかるに、特開2002−118081号公報に開示された技術は、厚さが20μm程度の切削ブレードによって形成された分割溝に半導体デバイスの表面側からレーザー光線を照射して接着フィルムにおける各半導体デバイス間の間隙に露出された部分を溶断するものあり、半導体デバイスの表面にレーザー光線を照射することなく接着フィルムのみを溶断することが困難である。特に、先ダイシングによる半導体ウエーハの裏面研削の際に分割溝がズレている場合には、半導体デバイスの表面にレーザー光線を照射することなく接着フィルムのみを溶断することが困難である。従って、上記公報に開示された半導体デバイスの製造方法においては、半導体デバイスの表面にレーザー光線によるダメージを与える虞がある。
また、近年半導体ウエーハ等の板状の被加工物を分割する方法として、その被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光線を照射するレーザー加工方法も試みられている。このレーザー加工方法を用いた分割方法は、被加工物の一方の面側から内部に集光点を合わせて被加工物に対して透過性を有する赤外光領域のパルスレーザー光線を照射し、被加工物の内部に分割予定ラインに沿って変質層を連続的に形成し、この変質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、被加工物を分割するものである。(例えば、特許文献2参照。)
特許第3408805号公報
上記レーザー加工方法を用いて分割予定ラインに沿って変質層が形成されたウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを貼着し、この接着フィルムを介してウエーハをダイシングテープに貼着した後、ダイシングテープを拡張することにより変質層が形成されることによって強度が低下せしめられた分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割されるとともに、接着フィルムを分割された各デバイスの外周縁に沿って破断する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
特開2004−273895号公報
しかるに、ウエーハが貼着されているダイシングテープを拡張することにより、ウエーハおよび該ウエーハに貼着された接着フィルムを分割予定ラインに沿って破断する方法を用いた場合、ダイシングテープを拡張することにより変質層が形成されることによって強度が低下せしめられたウエーハは分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割されるが、接着フィルムは粘りがあり、張力が作用すると伸びてしまって確実に破断することが困難であるという問題がある。
このような問題を解消するために本出願人は、ダイシングテープを拡張することにより変質層が形成されることによって強度が低下せしめられたウエーハは分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割した後、ダイシングテープを拡張した状態で、分割された個々のデバイス間の隙間を通して接着フィルムに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射し、接着フィルムに個々のデバイスの外周縁に沿って破断溝を形成する方法を特願2007−32379号として提案した。
ダイシングテープを拡張してデバイス間の隙間にレーザー光線を照射する際には、デバイス間の隙間とレーザー光線照を照射する集光器とを位置合わせするアライメント作業を実施する。しかるに、デバイス間の隙間を検出するためにCCDカメラ等の撮像手段によって撮像するが、分割されたデバイス間の隙間は暗くなり、レーザー光線を照射する領域を明確に検出することが困難であるという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ダイシングテープに貼着されたデバイス間の隙間を明確に認識することができるテープ拡張手段を備えたレーザー加工装置を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着されたウエーハを保持するとともに該ダイシングテープを拡張するテープ拡張機構と、該テープ拡張機構に保持されたウエーハにレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該テープ拡張機構と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向に加工送りする加工送り手段と、該テープ拡張機構と該レーザー光線照射手段とを該加工送り方向と直行する割り出し送り方向に割り出し送りする割り出し送り手段と、該テープ拡張機構の加工送り位置を検出する加工送り位置検出手段と、該テープ拡張機構の割り出し送り位置を検出する割り出し送り位置検出手段と、該テープ拡張機構に保持されたウエーハを撮像する撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像信号と該加工送り位置検出手段および該割り出し送り位置検出手段からの検出信号に基いて該チャックテーブルに保持されたウエーハの加工領域を求める制御手段とを具備し、
該テープ拡張機構は、該環状のフレームに装着された該ダイシングテープにおけるウエーハ貼着領域を保持するチャックテーブルと、該環状のフレームを保持する環状のフレーム保持手段と、該環状のフレーム保持手段と該チャックテーブルを軸方向に相対的に移動せしめる移動手段を具備しており、
該チャックテーブルは、上面に設けられた円形状の嵌合凹部と、該嵌合凹部を囲繞して設けられ内周部に環状の載置棚を備えた環状の保持部材支持部と、該保持部材支持部を囲繞して形成され吸引手段に連通される環状の吸引溝とを備えたチャックテーブル本体と、該環状の保持部材支持部の該環状の載置棚に載置されウエーハの全面を保持する保持面を備えた透明又は半透明部材からなり該保持面に全面に渡って外周に達し該環状の吸引溝と連通する複数の溝が形成された保持部材と、該保持部材の該保持面と反対側側方に配設された発光体とを具備している、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
また、本発明によれば、上記レーザー加工装置を用いて、格子状に形成された複数の分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に装着されたダイボンディング用の接着フィルムを個々のデバイスに沿って切断する接着フィルム切断方法であって、
ウエーハの該接着フィルム側を環状のフレームに装着されるダイシングテープに貼着し、該ダイシングテープを介してウエーハを該環状のフレームに支持するウエーハ支持工程と、
該ウエーハ支持工程を実施した後に、ウエーハをダイシングテープを介して支持した環状のフレームを該テープ拡張機構の該フレーム保持手段に固定するフレーム固定工程と、
該環状のフレームが該フレーム保持手段に固定された状態で該テープ拡張機構の該移動手段を作動して該環状のフレーム保持手段と該チャックテーブルを軸方向に相対的に移動せしめて該ダイシングテープを拡張することにより個々に分割されたデバイスの間隔を広げるテープ拡張工程と、
該テープ拡張工程を実施し該ダイシングテープを拡張した状態で、吸引手段を作動して該チャックテーブルの該保持部材の該保持面上に吸引力を作用せしめ、該チャックテーブルに載置されている該ダイシングテープにおけるウエーハ貼着領域を介してウエーハを該チャックテーブルの該保持部材上に吸引保持するウエーハ吸引保持工程と、
該テープ拡張工程およびウエーハ吸引保持工程を実施し該ダイシングテープを拡張した状態で、該発光体を点灯し、該発光体による光を個々に分割されたデバイス間の隙間から透過させ、光が透過した領域を該撮像手段によって撮像することにより該レーザー光線照射手段によってレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント工程と、
該アライメント工程を実施し後に、該ダイシングテープを拡張した状態で、該アライメント工程によって検出されたレーザー加工すべき加工領域に個々のデバイス間の隙間を通して該接着フィルムに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射し、該接着フィルムに個々のデバイスの外周縁に沿って切断溝を形成する接着フィルム切断工程と、を含む、
ことを特徴とする接着フィルム切断方法が提供される。
本発明によるレーザー加工装置は以上のように構成され、環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着されたウエーハを保持するとともにダイシングテープを拡張するテープ拡張機構は環状のフレームに装着されたダイシングテープにおけるウエーハ貼着領域を保持するチャックテーブルと、環状のフレームを保持する環状のフレーム保持手段と、環状のフレーム保持手段とチャックテーブルを軸方向に相対的に移動せしめる移動手段を具備し、チャックテーブルは上面に設けられた円形状の嵌合凹部と、該嵌合凹部を囲繞して設けられ内周部に環状の載置棚を備えた環状の保持部材支持部と、該保持部材支持部を囲繞して形成され吸引手段に連通される環状の吸引溝とを備えたチャックテーブル本体と、環状の保持部材支持部の環状の載置棚に載置されウエーハの全面を保持する保持面を備えた透明又は半透明部材からなり保持面に全面に渡って外周に達し環状の吸引溝と連通する複数の溝が形成された保持部材と、保持部材の保持面と反対側側方に配設された発光体とを具備しているので、ダイシングテープを拡張しチャックテーブルに載置されているダイシングテープにおけるウエーハ貼着領域を介してウエーハをチャックテーブルの保持部材上に吸引保持した状態で、レーザー光線照射手段によってレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント工程を実施する際には上記発光体を点灯せしめる。この結果、発光体による光が個々に分割されたデバイス間の隙間から透過させ、光が透過した領域を上記撮像手段によって撮像することによりレーザー光線照射手段によってレーザー加工すべき加工領域を確実に認識することができる。このようにアライメント工程においてデバイス間の隙間が確実に認識され、レーザー加工すべき領域が明確に検出されるので、レーザー光線をデバイス間の隙間に確実に照射することができ、デバイスの外周縁に沿って接着フィルムを確実に切断することができる。
以下、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置1は、静止基台2と該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に配設され後述する環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着されたウエーハを保持するとともにダイシングテープを拡張するテープ拡張機構3と、該テープ拡張機構3を矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に支持する加工送り機構4と、上記テープ拡張機構3に保持されたウエーハにレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段を備えたレーザー光線照射ユニット5と、該レーザー光線照射ユニット5を支持するレーザー光線照射ユニット支持機構6を具備している。
上記テープ拡張機構3は、図2に示すように後述する環状のフレームFに装着されたダイシングテープTにおけるウエーハ貼着領域を保持するチャックテーブル31と、後述する環状のフレームFを保持するフレーム保持手段32と、フレーム保持手段32とチャックテーブル31を軸方向に相対的に移動せしめる移動手段33と、チャックテーブル31および移動手段33を支持する支持基台34と、該支持基台34を回転可能に支持する円筒状の回転支持部材35と、該回転支持部材35を支持する滑動ブロック36を具備している。上記チャックテーブル31について、図3を参照して説明する。
図3に示すチャックテーブル31は、円柱状のチャックテーブル本体311と、該チャックテーブル本体311の上面に配設され後述する環状のフレームFに装着されたダイシングテープTにおけるウエーハ貼着領域を保持する透明又は半透明部材からなる保持部材312と、該保持部材312の図3において下側に配設された発光体313を具備している。チャックテーブル本体311は、その上面に設けられた円形状の嵌合凹部311aと、該嵌合凹部311aを囲繞して設けられた環状の保持部材支持部311bと、該保持部材支持部311bを囲繞して形成された環状の吸引溝311cと、該環状の吸引溝311cを囲繞して設けられた環状のシール部311dと、上記環状の吸引溝311cに連通する連通路311eと、該連通路311eに連通する該吸引通路311fを備えている。環状の保持部材支持部311bの内周部には上記保持部材312が載置される環状の載置棚311gが設けられている。上記吸引通路311fは、図示しない吸引手段に連通されている。従って、図示しない吸引手段が作動すると、吸引通路311fおよび連通路311eを通して環状の吸引溝311cに負圧が作用せしめられる。このように構成されたチャックテーブル本体311は、支持基台34の上面に適宜の固定手段によって固定される。
上記環状の保持部材支持部311bに設けられた環状の載置棚311g上に載置される保持部材312は、厚さが2〜5mmの石英板からなっており、その上面が後述する環状のフレームFに装着されたダイシングテープTにおけるウエーハ貼着領域を保持する保持面312aとして機能する。なお、保持面312aには、全面に渡って外周に達する複数の溝312bが形成されている。この複数の溝312bは、幅0.03〜0.1mm、深さ0.05〜0.1mm、溝間隔0.1〜5mmに設定されており、溝形状はV字状でもU字状でもよい。
上記発光体313はLED等からなっており、円形状の嵌合凹部311aの底面上に複数個配設され、図示しない電源回路に接続されている。従って、複数個の発光体313は、保持部材312の保持面312aと反対側側方に配設され、保持部材312の下面側から光を照射することになる。
図2に戻って説明を続けると、上記テープ拡張機構3を構成するフレーム保持手段32は、上記チャックテーブル31を囲繞して配設された環状のフレーム保持部材321と、該環状のフレーム保持部材321の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ322とからなっている。環状のフレーム保持部材321の上面は後述する環状のフレームを載置する載置面321aを形成しており、この載置面321a上に後述する環状のフレームが載置される。そして、載置面321a上に載置された後述する環状のフレームは、クランプ322によってフレーム保持部材321に固定される。このように構成されたフレーム保持手段32は、移動手段33によって上下方向(軸方向)に進退可能に支持されている。
移動手段33は、上記チャックテーブル31を囲繞して配設され支持基台34の上面に取付けられた環状の支持部材331と、該環状の支持部材331の上面に配設された複数のエアシリンダ332からなっており、そのピストンロッド332aが上記環状のフレーム保持部材321の下面に連結される。このように構成された移動手段33は、複数のエアシリンダを作動することにより、環状のフレーム保持部材331を載置面331aが上記チャックテーブル31の上面と略同一高さとなる基準位置と、チャックテーブル31の上面より所定量下方の拡張位置との間を上下方向(軸方向)に移動せしめる。
上記チャックテーブル31および移動手段33を支持する支持基台34は、円筒状の回転支持部材35の上端に水平面内において回転可能に支持される。即ち、円筒状の回転支持部材35内には図示しないパルスモータが配設されており、このパルスモータを作動することにより支持基台34が適宜回動するように構成されている。このように構成された円筒状の回転支持部材35は、滑動ブロック36の上面に適宜の固定手段によって固定される。滑動ブロック36は、加工送り機構4の後述する支持ブロックに図1において矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に支持される。
図1を参照して説明を続けると、加工送り機構4は、静止基台2上に矢印Xで示す加工送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41を具備しており、この案内レール41、41上に支持ブロック42が矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に配設される。支持ブロック42は、その下面に上記一対の案内レール41、41と嵌合する一対の被案内溝421、421が設けられているとともに、その上面に矢印Xで示す加工送り方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に沿って平行に形成された一対の案内レール422、422が設けられている。このように構成された支持ブロック42は、被案内溝421、421が一対の案内レール41、41に嵌合することにより、一対の案内レール41、41に沿って矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構4は、支持ブロック42を一対の案内レール41、41に沿って矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動させるための加工送り手段43を具備している。加工送り手段43は、上記一対の案内レール41と41の間に平行に配設された雄ネジロッド431と、該雄ネジロッド431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド431は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック433に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ432の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド431は、支持ブロック42の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ432によって雄ネジロッド431を正転および逆転駆動することにより、支持ブロック42は案内レール41、41に沿って矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動せしめられる。
図示の実施形態における加工送り機構4は、支持ブロック42上に配設されたテープ拡張機構3の加工送り位置を検出するための加工送り位置検出手段44を備えている。加工送り位置検出手段44は、案内レール41に沿って配設されたリニアスケール44aと、支持ブロック42に配設され支持ブロック42とともにリニアスケール44aに沿って移動する読み取りヘッド44bとからなっている。この加工送り位置検出手段44の読み取りヘッド44bは、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、支持ブロック42に配設されたテープ拡張機構3の加工送り位置を検出する。なお、上記加工送り手段43の駆動源としてパルスモータ432を用いた場合には、パルスモータ432に駆動信号を出力する後述する制御手段の駆動パルスをカウントすることにより、支持ブロック42に配設されたテープ拡張機構3の加工送り位置を検出することもできる。また、上記加工送り手段43の駆動源としてサーボモータを用いた場合には、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を後述する制御手段に送り、制御手段が入力したパルス信号をカウントすることにより、滑動ブロック36に配設されたテープ拡張機構3の加工送り位置を検出することもできる。
上記テープ拡張機構3の滑動ブロック36は、その下面に上記支持ブロック42の上面に設けられた一対の案内レール422、422と嵌合する一対の被案内溝361、361が設けられており、この被案内溝361、361を一対の案内レール422、422に嵌合することにより、矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるレーザー加工装置1は、滑動ブロック36を支持ブロック42に設けられた一対の案内レール422、422に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動させるための第1の割り出し送り手段45を具備している。第1の割り出し送り手段45は、上記一対の案内レール422と422の間に平行に配設された雄ネジロッド451と、該雄ネジロッド451を回転駆動するためのパルスモータ452等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド451は、その一端が上記支持ブロック42の上面に固定された軸受ブロック453に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ452の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド451は、滑動ブロック36の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ452によって雄ネジロッド451を正転および逆転駆動することにより、滑動ブロック36は案内レール422、422に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動せしめられる。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置1は、上記テープ拡張機構3の割り出し送り位置を検出するための割り出し送り位置検出手段46を備えている。割り出し送り位置検出手段46は、案内レール422に沿って配設されたリニアスケール461と、滑動ブロック36に配設され滑動ブロック36とともにリニアスケール461に沿って移動する読み取りヘッド462とからなっている。この割り出し送り位置検出手段46の読み取りヘッド462は、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、テープ拡張機構3の割り出し送り位置を検出する。なお、上記第1の割り出し送り手段45の駆動源としてパルスモータ452を用いた場合には、パルスモータ452に駆動信号を出力する後述する制御手段の駆動パルスをカウントすることにより、テープ拡張機構3の割り出し送り位置を検出することもできる。また、上記第1の割り出し送り手段45の駆動源としてサーボモータを用いた場合には、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を後述する制御手段に送り、制御手段が入力したパルス信号をカウントすることにより、テープ拡張機構3の割り出し送り位置を検出することもできる。
次に、レーザー光線照射ユニット5を支持するレーザー光線照射ユニット支持機構6について説明する。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット支持機構6は、静止基台2上に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール61、61と、該案内レール61、61上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台62を具備している。この可動支持基台62は、案内レール61、61上に移動可能に配設された移動支持部621と、該移動支持部621に取り付けられた装着部622とからなっている。装着部622は、一側面に矢印Zで示す方向に延びる一対の案内レール623、623が平行に設けられている。図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット支持機構6は、可動支持基台62を一対の案内レール61、61に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための第2の割り出し送り手段63を具備している。第2の割り出し送り手段63は、上記一対の案内レール61、61の間に平行に配設された雄ネジロッド631と、該雄ねじロッド631を回転駆動するためのパルスモータ632等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド631は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ632の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド631は、可動支持基台62を構成する移動支持部621の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ632によって雄ネジロッド631を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台62は案内レール61、61に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
次に、上記レーザー光線照射ユニット支持機構6によって支持されるレーザー光線照射ユニット5について説明する。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられたレーザー光線照射手段52を具備している。ユニットホルダ51は、上記可動支持基台62の装着部622に設けられた一対の案内レール623、623に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール623、623に嵌合することにより、矢印Zで示す方向に移動可能に支持される。
上記レーザー光線照射手段52は、ユニットホルダ51に取り付けられたケーシング521と、該ケーシング521内に配設された図示しないパルスレーザー光線発振手段と、ケーシング521の先端に配設されパルスレーザー光線発振手段によって発振されたパルスレーザー光線を上記テープ拡張機構3に保持された被加工物に照射する集光器522を具備している。
また、レーザー光線照射手段52を構成するケーシング521の前端部には、上記レーザー光線照射手段52によってレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段7が配設されている。この撮像手段7は、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51を上記可動支持基台62の装着部622に設けられた一対の案内レール623、623に沿って矢印Zで示す方向に移動させるための集光点位置調整手段53を具備している。集光点位置調整手段53は、一対の案内レール623、623の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでおり、パルスモータ532によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ51およびレーザー光線照射手段52を案内レール623、623に沿って矢印Zで示す方向に移動せしめる。なお、図示の実施形態においてはパルスモータ532を正転駆動することによりレーザー光線照射手段52を上方に移動し、パルスモータ532を逆転駆動することによりレーザー光線照射手段52を下方に移動するようになっている。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置1は、制御手段8を具備している。制御手段8はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)81と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)82と、後述する被加工物にパルスレーザー光線を照射する始点と終点のX,Y座標値のデータや演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)83と、カウンター84と、入力インターフェース85および出力インターフェース86とを備えている。制御手段8の入力インターフェース85には、上記加工送り位置検出手段44、割り出し送り位置検出手段46および撮像手段7等からの検出信号が入力される。そして、制御手段8の出力インターフェース86からは、上記チャックテーブル31に設けられた発光体313、テープ拡張機構3の移動手段33を構成するエアシリンダ332、加工送り手段43のパルスモータ432、第1の割り出し送り手段45のパルスモータ452、集光点位置調整手段53のパルスモータ532、第2の割り出し送り手段63のパルスモータ632等に制御信号を出力する。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置1は以上のように構成されており、以下レーザー加工装置1を用いて個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に装着されたダイボンディング用の接着フィルムを切断する方法について説明する。
ここで、先ずウエーハを所謂先ダイシング法によって個々のデバイスに分割し、その裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着する方法について説明する。
図4には、ウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図4に示す半導体ウエーハ10は、例えば厚さが600μmのシリコンウエーハからなっており、表面10aには複数の分割予定ライン101が格子状に形成されている。そして、半導体ウエーハ10の表面10aには、格子状に形成された複数の分割予定ライン101によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス102が形成されている。
図1に示す半導体ウエーハ10は、所謂先ダイシング法によるウエーハ分割工程を実施することによって個々のデバイス102に分割される。先ダイシング法によるウエーハ分割工程は、先ず半導体ウエーハの表面10aに形成された分割予定ライン101に沿って所定深さ(各デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成する(分割溝形成工程)。この分割溝形成工程は、図5の(a)に示す切削装置20を用いて実施する。図5の(a)に示す切削装置20は、吸引保持手段を備えたチャックテーブル201と、切削ブレード202を備えた切削手段203と、撮像手段204を具備している。分割溝形成工程を実施するには、チャックテーブル201上に半導体ウエーハ10の表面10aを上にして載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ10をチャックテーブル201上に保持する。このようにして、半導体ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル201は、図示しない切削送り機構によって撮像手段204の直下に位置付けられる。
チャックテーブル21が撮像手段204の直下に位置付けられると、撮像手段204および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ10の分割溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段204および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン101と、切削ブレード202との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ10に形成されている上記所定方向に対して直角に延びる分割予定ライン101に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル201上に保持されている半導体ウエーハ10の切削領域のアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ10を保持したチャックテーブル201を切削領域の切削開始位置に移動する。そして、切削ブレード202を図5の(a)において矢印202aで示す方向に回転しつつ下方に移動して所定量の切り込み送りを実施する。この切り込み送り位置は、切削ブレード202の外周縁が半導体ウエーハ10の表面からデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ位置(例えば、110μm)に設定されている。このようにして、切削ブレード202の切り込み送りを実施したならば、切削ブレード202を回転しつつチャックテーブル201を図5の(a)において矢印Xで示す方向に切削送りすることによって、図5の(b)に示すように分割予定ライン101に沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ(例えば、110μm)の分割溝110が形成される(分割溝形成工程)。この分割溝形成工程を半導体ウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン101に沿って実施する。
上述した分割溝形成工程により半導体ウエーハ10の表面10aに分割予定ライン101に沿って所定深さの分割溝110を形成したら、図6の(a)および(b)に示すように半導体ウエーハ10の表面10a(デバイス102が形成されている面)に保護部材21を貼着する(保護部材貼着工程)。なお、保護部材21は、図示の実施形態においては厚さが150μmのポリオレフィンシートが用いられている。
次に、表面に保護部材4を貼着した半導体ウエーハ10の裏面10bを研削し、分割溝110を裏面10bに表出させて個々のデバイス102に分割する(分割溝表出工程)。この分割溝表出工程は、図7の(a)に示す研削装置22によって実施される。図7の(a)に示す研削装置22は、被加工物を保持するチャックテーブル221と、該チャックテーブル221に保持された被加工物を研削する研削砥石222を備えた研削手段223を具備している。このように構成された研削装置22によって分割溝表出工程を実施するには、チャックテーブル221上に半導体ウエーハ10の裏面10bを上にして保持し、例えば、チャックテーブル221を矢印221aで示す方向に300rpmで回転しつつ、研削手段223の研削砥石222を222aで示す方向に6000rpmで回転せしめて半導体ウエーハ10の裏面10bに接触することにより研削し、図7の(b)に示すように分割溝110が裏面10bに表出するまで研削する。このように分割溝110が表出するまで研削することによって、図7の(c)に示すように半導体ウエーハ10は個々のデバイス102に分割される。なお、分割された複数のデバイス102は、その表面に保護部材21が貼着されているので、バラバラにはならず半導体ウエーハ10の形態が維持されている。
上述した先ダイシング法によるウエーハ分割工程を実施することによって半導体ウエーハ10を個々のデバイス102に分割したならば、個々のデバイス102に分割された半導体ウエーハ10の裏面10bに紫外線を照射することにより硬化するダイボンディング用の接着フィルムを装着する接着フィルム装着工程を実施する。即ち、図8の(a)および(b)に示すように接着フィルム23を個々のデバイス102に分割された半導体ウエーハ10の裏面10bに装着する。このとき、上述したように80〜200°Cの温度で加熱しつつ接着フィルム23を半導体ウエーハ10の裏面10bに押圧して貼着する。
上述したように接着フィルム装着工程を実施したならば、図9に示すように接着フィルム23が装着された半導体ウエーハ10の接着フィルム23側を、環状のフレームFに装着された伸張可能なダイシングテープTの表面に貼着するウエーハ支持工程を実施する。そして、半導体ウエーハ10の表面10aに貼着されている保護部材21を剥離する(保護部材剥離工程)。なお、ダイシングテープの表面に予め接着フィルムが貼着された接着フィルム付きのダイシングテープを使用する場合には、上述したウエーハ分割工程を実施することによって個々のデバイス102に分割された半導体ウエーハ10の裏面10bに、ダイシングテープの表面に貼着された接着フィルムを装着する。そして、上記保護部材剥離工程を実施する。
上述した接着フィルム装着工程および保護部材剥離工程を実施したならば、ダイシングテープTを拡張することにより半導体ウエーハ10に形成された分割溝110の幅(各デバイス102間)を広げ(テープ拡張工程)、デバイス間を通して接着フィルム23にレーザー光線を照射し、接着フィルム23を分割溝110(各デバイス102)に沿って切断する接着フィルム切断工程を実施する。このテープ拡張工程および接着フィルム切断工程は、上述したレーザー加工装置1を用いて実施する。
即ち、半導体ウエーハ10(分割予定ライン101に沿って分割溝110が形成されている)をダイシングテープTを介して支持した環状のフレームFを、図10の(a)に示すようにテープ拡張機構3のフレーム保持手段32を構成する環状のフレーム保持部材321の載置面321a上に載置するとともに、ダイシングテープTにおける半導体ウエーハ10が貼着されている領域(ウエーハ貼着領域)をチャックテーブル31の保持部材312上に載置する。そして、環状のフレームFを複数のクランプ322によってフレーム保持部材321に固定する(フレーム固定工程)。このとき、フレーム保持部材321は図10の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、制御手段8はテープ拡張手段3を構成する移動手段33の複数のエアシリンダ332を作動して、環状のフレーム保持部材321を図10の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材321の載置面321a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図10の(b)に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTはチャックテーブル31の上端外周縁に当接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、ダイシングテープTに貼着されている接着フィルム23を介して支持されている半導体ウエーハ10は放射状に引張力が作用する。このようにダイシングテープTに貼着されている接着フィルム13を介して支持されている半導体ウエーハ10は放射状に引張力が作用すると、半導体ウエーハ10が分割溝110によって分割されている各デバイス102間の隙間Sが広げられる。なお、テープ拡張工程を実施しても接着フィルム13は粘りがあり、張力が作用すると伸びてしまって破断することが困難である。
上述したテープ拡張工程を実施したならば、ダイシングテープTを拡張した状態で、図示しない吸引手段を作動してチャックテーブル31に載置されているダイシングテープTにおけるウエーハ貼着領域を介して半導体ウエーハ10をチャックテーブル31の保持部材312上に吸引保持する(ウエーハ吸引保持工程)。
次に、上述したテープ拡張工程およびウエーハ保持工程を実施しダイシングテープTを拡張した状態で、個々のデバイス102に分割された半導体ウエーハ10の裏面10bに装着された接着フィルム23のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント工程を実行する。即ち、制御手段8は、加工送り手段43を作動してテープ拡張機構3を撮像手段7の直下に位置付ける。テープ拡張機構3を撮像手段7の直下に位置付けたならば、制御手段8は図11に示すようにチャックテーブル31を構成する透明又は半透明部材からなる保持部材312の下側に配設された発光体313を点灯する。そして、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sと、上記集光器522との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント工程を実行する。また、半導体ウエーハ10に形成されている上記所定方向に対して直角に延びるストリート101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sに対しても、同様にレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント工程を実行する。
上述したアライメント工程においては、チャックテーブル31を構成する透明又は半透明部材からなる保持部材312の下側に配設された発光体313を点灯して実施するので、発光体313から照射された光は、半透明なダイシングテープTおよび透明又は半透明部材からなる保持部材312を通り図11において矢印313aで示すように半導体ウエーハ10に形成されている分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sを透過する。従って、撮像手段7は、半導体ウエーハ10に形成されている分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sを光が透過した領域を確実に認識することができる。
以上のようにして半導体ウエーハ10の裏面10bに装着された接着フィルム23のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント工程を実施したならば、上記制御手段8はレーザー加工すべき加工領域のX,Y座標値をランダムアクセスメモリ(RAM)83に格納する。なお、レーザー加工すべき加工領域のX,Y座標値は、上記加工送り位置検出手段42および割り出し送り位置検出手段46からの検出信号に基いて求めることができる。
次に、図12に示すようにテープ拡張機構3のフレーム保持手段32に環状のフレームFを介して保持されたダイシングテープTに貼着されチャックテーブル31の保持部材312上に吸引保持されている半導体ウエーハ10を集光器522が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sを集光器522の直下に位置付ける。このとき、半導体ウエーハ10は、分割予定ライン101に沿って形成された隙間Sの一端(図12の(a)において左端)が集光器522の直下に位置するように位置付けられる。次に、制御手段8は、パルスレーザー光線照射手段52に制御信号を出力して集光器522から接着フィルムに対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつ、テープ拡張機構3を図12の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめるように加工送り手段43を制御する。そして、分割予定ライン101に沿って形成された隙間Sの他端が図12の(b)に示すように集光器522の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにテープ拡張機構3の移動を停止する。この結果、パルスレーザー光線が所定の分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sを通して接着フィルム23に照射され、接着フィルム23には図12の(c)に示すようにデバイス102間の隙間Sに沿って切断溝230が形成される(接着フィルム切断工程)。この接着フィルム切断工程においては、上述したアライメント工程においてデバイス102間の隙間Sが確実に認識され、レーザー加工すべき領域が明確に検出されているので、デバイス102の外周縁に沿って接着フィルム23を確実に切断することができる。
上記接着フィルム切断工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起QスイッチNd:YVO4パルスレーザー
波長 :355nmのパルスレーザー
繰り返し周波数 :50kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ5μm
加工送り速度 :100mm/秒
上述したようにパルスレーザー光線を所定の分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sを通して接着フィルム23に照射し、接着フィルム23にデバイス102間の隙間Sに沿って切断溝230を形成する接着フィルム切断工程を実施したならば、制御手段8は第1の割り出し送り手段45を作動して、テープ拡張機構3を図1において矢印Yで示す方向に上記隙間S間の間隔だけ割り出し送りし、上記接着フィルム切断工程を実施する。このようにして所定方向に形成された各デバイス102間の隙間Sを通して接着フィルム23にパルスレーザー光線を照射する接着フィルム切断工程を実施したならば、テープ拡張機構3を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直角に形成された各デバイス102間の隙間Sを通して接着フィルム23にパルスレーザー光線を照射する接着フィルム切断工程を実施する。この結果、接着フィルム23には、全てのデバイス102間の隙間Sに沿って切断溝230が形成される。
次に、ウエーハの一方の面側から内部に集光点を合わせてウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射し、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って変質層を形成し、この変質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、個々のデバイスに分割するウエーハの裏面に装着された接着フィルムを個々のデバイスに沿って切断する方法について図13乃至図17を参照して説明する。
上記図4に示す半導体ウエーハ10は、裏面を研削して厚みを例えば150μmに形成する。そして、図13に示すように半導体ウエーハ10の表面10aには、デバイス102を保護するために保護部材21を貼着する(保護部材貼着工程)。
保護部材貼着工程を実施することにより半導体ウエーハ10の表面10aに保護部材21を貼着したならば、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を分割予定ラインに沿って照射してウエーハの内部に分割予定ラインに沿って変質層を形成する変質層形成工程を実施する。この変質層形成工程は、図示の実施形態においては図14に示すレーザー加工装置を用いて実施する。図14に示すレーザー加工装置25は、被加工物を保持するチャックテーブル251と、該チャックテーブル251上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段252と、チャックテーブル251上に保持された被加工物を撮像する撮像手段255を具備している。チャックテーブル251は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない移動機構によって図14において矢印Xで示す加工送り方向および矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記レーザー光線照射手段252は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング253を含んでいる。ケーシング253内には図示しないYAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング253の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器254が装着されている。
上記レーザー光線照射手段252を構成するケーシング253の先端部に装着された撮像手段255は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述したレーザー加工装置25を用いて変質層形成工程を実施するには、図14に示すようにレーザー加工装置25のチャックテーブル251上に半導体ウエーハ10の保護部材21側を載置する。そして、図示しない吸引手段によってチャックテーブル251上に半導体ウエーハ10を吸着保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル251上に吸引保持された半導体ウエーハ10は裏面10bが上側となる。
上述したようにウエーハ保持工程を実施したならば、半導体ウエーハ10を形成するシリコンウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を半導体ウエーハ10の裏面10b側から分割予定ライン101に沿って照射し、半導体ウエーハ10の内部に分割予定ライン101に沿って変質層を形成する変質層形成工程を実施する。変質層形成工程を実施するには、先ず半導体ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル251は、図示しない移動機構によって撮像手段255の直下に位置付けられる。そして、撮像手段255および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ10のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段255および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン101と、分割予定ライン101に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段252の集光器254との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ10に形成されている上記所定方向に対して直交して延びる分割予定ライン101に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される(アライメント工程)。このとき、半導体ウエーハ10の分割予定ライン101が形成されている表面10aは下側に位置しているが、撮像手段255が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、裏面2bから透かして分割予定ライン101を撮像することができる。
以上のようにしてアライメント工程を実施したならば、図15の(a)で示すようにチャックテーブル251をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段252の集光器254が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101の一端(図15の(a)において左端)をレーザー光線照射手段252の集光器254の直下に位置付ける。そして、集光器254からシリコンウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル251を図15の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる。そして、図15の(b)で示すように集光器254の照射位置が分割予定ライン101の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル251の移動を停止する。この変質層形成工程においては、パルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ10の表面10a(下面)付近に合わせることにより、半導体ウエーハ10には表面10a(下面)に露出するとともに表面10aから内部に向けて変質層120が形成される。この変質層120は、溶融再固化層として形成される。
上記変質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起QスイッチNd:YVO4パルスレーザー
波長 :1064nmのパルスレーザー
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
なお、半導体ウエーハ2の厚さが厚い場合には、図16に示すように集光点Pを段階的に変えて上述した変質層形成工程を複数回実行することにより、複数の変質層120を形成する。例えば、上述した加工条件においては1回に形成される変質層の厚さは約50μmであるため、上記変質層形成工程を例えば2回実施して100μmの変質層120を形成する。また、厚さが150μmのウエーハ10に対して3層の変質層を形成し、半導体ウエーハ2の内部に分割予定ライン101に沿って表面10aから裏面10bに渡って変質層を形成してもよい。また、変質層120は、表面10aおよび裏面10bに露出しないように内部だけに形成してもよい。
以上のようにして、半導体ウエーハ10の所定方向に延在する全ての分割予定ライン101に沿って上記変質層形成工程を実行したならば、チャックテーブル251を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直角に延びる各分割予定ライン101に沿って上記変質層形成工程を実行する。
このようにして、半導体ウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン101に沿って上記変質層形成工程を実行したならば、上記図8に示す接着フィルム装着工程と同様に半導体ウエーハ10の裏面10bにダイボンディング用の接着フィルム23を装着する。
次に、上記図9に示すウエーハ支持工程と同様に接着フィルム23が装着された半導体ウエーハ10の接着フィルム23側を環状のフレームFに装着される伸張可能なダイシングテープTに貼着し、該ダイシングテープTを介して半導体ウエーハ10を環状のフレームFに支持する。そして、半導体ウエーハ10の表面10aに貼着されている保護部材21を剥離する。
上述したウエーハ支持工程を実施したならば、ダイシングテープFを拡張することにより半導体ウエーハ10を変質層120が形成された分割予定ライン101に沿って個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程を実施する。このウエーハ分割工程は、上記図1乃至図3に示すレーザー加工装置1を用いて実施する。
即ち、半導体ウエーハ10(分割予定ライン101に沿って変質層120が形成されている)をダイシングテープTを介して支持した環状のフレームFを、図17の(a)に示すようにテープ拡張機構3のフレーム保持手段32を構成する環状のフレーム保持部材321の載置面321a上に載置するとともに、ダイシングテープTにおける半導体ウエーハ10が貼着されている領域(ウエーハ貼着領域)をチャックテーブル31の保持部材312上に載置する。そして、環状のフレームFを複数のクランプ322によってフレーム保持部材321に固定する。このとき、フレーム保持部材321は図17の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、制御手段8はテープ拡張手段3を構成する移動手段33の複数のエアシリンダ322を作動して、環状のフレーム保持部材321を図17の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材321の載置面321a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図17の(b)に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTはチャックテーブル31の上端外周縁に当接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、ダイシングテープTに貼着されている接着フィルム23を介して支持されている半導体ウエーハ10は放射状に引張力が作用する。このようにダイシングテープTに貼着されている接着フィルム23を介して支持されている半導体ウエーハ10は放射状に引張力が作用すると、半導体ウエーハ10は変質層120が形成されることによって強度が低下せしめられた分割予定ライン101に沿って個々のデバイス102に分割される。しかるに、接着フィルム23は粘りがあり、張力が作用すると伸びてしまって確実に破断することが困難である。このように接着フィルム23は破断しないが伸びるため、上述したように分割された各デバイス102間には隙間Sが形成される。
次に、上述したテープ拡張工程を実施しダイシングテープFを拡張した状態で、分割された個々のデバイス102間の隙間Sを通して接着フィルム23にレーザー光線を照射し、接着フィルム23を個々のデバイス102の外周縁に沿って切断する接着フィルム切断工程を実施する。この接着フィルム切断工程を実施するに際しては、上述した実施形態と同様にアライメント工程を実施する。このアライメント工程においては、図11において矢印313aで示すようにテープ拡張機構3のチャックテーブル31を構成する透明又は半透明部材からなる保持部材312の下側に配設された発光体313を点灯して実施するので、発光体313から照射された光は、半透明なダイシングテープTおよび透明又は半透明部材からなる保持部材312を通り矢印313aで示すように半導体ウエーハ10に形成されている分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sを透過する。従って、撮像手段7は、半導体ウエーハ10に形成されている分割予定ライン101に沿って分割されたデバイス102間の隙間Sを確実に認識することができる。そして、上記図12に示すように接着フィルム切断工程を実施する。
本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。 図1に示すレーザー加工装置に装備されるテープ拡張機構の斜視図。 図2に示すテープ拡張機構を構成するチャックテーブルの断面図。 本発明によるウエーハの加工方法によって個々のデバイスに分割される半導体ウエーハの斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態における分割溝形成工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態おける保護部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態における分割溝表出工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態における接着フィルム装着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態におけるウエーハ支持工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態におけるテープ拡張工程に説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態におけるアライメント工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態における接着フィルム切断工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態おける保護部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態おける変質層形成工程を実施するためのレーザー加工装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態おける変質層形成工程の説明図。 図15に示す変質層形成行程において半導体ウエーハの内部に変質層を積層して形成した状態を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態におけるテープ拡張工程に説明図。
符号の説明
1:レーザー加工装置
2:静止基台
3:テープ拡張機構
31:チャックテーブル
311:チャックテーブル本体
312:透明又は半透明部材からなる保持部材
313:発光体
32:フレーム保持手段
321:環状のフレーム保持部材
322:クランプ
33:移動手段
34:支持基台
35:円筒状の回転支持部材
36:滑動ブロック
4:加工送り機構
42:支持ブロック
43:加工送り手段
44:加工送り位置検出手段
45:第1の割り出し送り手段
46:割り出し送り位置検出手段
5:レーザー光線照射ユニット
51:ユニットホルダ
52:レーザー光線照射手段
522:集光器
53:集光点位置調整手段
6:レーザー光線照射ユニット支持機構
62:可動支持基台
63:第2の割り出し送り手段
7:撮像手段
8:制御手段
10:半導体ウエーハ
101:分割予定ライン
102:デバイス
21:保護部材
23:接着フィルム
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ

Claims (2)

  1. 環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着されたウエーハを保持するとともに該ダイシングテープを拡張するテープ拡張機構と、該テープ拡張機構に保持されたウエーハにレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該テープ拡張機構と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向に加工送りする加工送り手段と、該テープ拡張機構と該レーザー光線照射手段とを該加工送り方向と直行する割り出し送り方向に割り出し送りする割り出し送り手段と、該テープ拡張機構の加工送り位置を検出する加工送り位置検出手段と、該テープ拡張機構の割り出し送り位置を検出する割り出し送り位置検出手段と、該テープ拡張機構に保持されたウエーハを撮像する撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像信号と該加工送り位置検出手段および該割り出し送り位置検出手段からの検出信号に基いて該チャックテーブルに保持されたウエーハの加工領域を求める制御手段とを具備し、
    該テープ拡張機構は、該環状のフレームに装着された該ダイシングテープにおけるウエーハ貼着領域を保持するチャックテーブルと、該環状のフレームを保持する環状のフレーム保持手段と、該環状のフレーム保持手段と該チャックテーブルを軸方向に相対的に移動せしめる移動手段を具備しており、
    該チャックテーブルは、上面に設けられた円形状の嵌合凹部と、該嵌合凹部を囲繞して設けられ内周部に環状の載置棚を備えた環状の保持部材支持部と、該保持部材支持部を囲繞して形成され吸引手段に連通される環状の吸引溝とを備えたチャックテーブル本体と、該環状の保持部材支持部の該環状の載置棚に載置されウエーハの全面を保持する保持面を備えた透明又は半透明部材からなり該保持面に全面に渡って外周に達し該環状の吸引溝と連通する複数の溝が形成された保持部材と、該保持部材の該保持面と反対側側方に配設された発光体とを具備している、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 請求項1記載のレーザー加工装置を用いて、格子状に形成された複数の分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に装着されたダイボンディング用の接着フィルムを個々のデバイスに沿って切断する接着フィルム切断方法であって、
    ウエーハの該接着フィルム側を環状のフレームに装着されるダイシングテープに貼着し、該ダイシングテープを介してウエーハを該環状のフレームに支持するウエーハ支持工程と、
    該ウエーハ支持工程を実施した後に、ウエーハをダイシングテープを介して支持した環状のフレームを該テープ拡張機構の該フレーム保持手段に固定するフレーム固定工程と、
    該環状のフレームが該フレーム保持手段に固定された状態で該テープ拡張機構の該移動手段を作動して該環状のフレーム保持手段と該チャックテーブルを軸方向に相対的に移動せしめて該ダイシングテープを拡張することにより個々に分割されたデバイスの間隔を広げるテープ拡張工程と、
    該テープ拡張工程を実施し該ダイシングテープを拡張した状態で、吸引手段を作動して該チャックテーブルの該保持部材の該保持面上に吸引力を作用せしめ、該チャックテーブルに載置されている該ダイシングテープにおけるウエーハ貼着領域を介してウエーハを該チャックテーブルの該保持部材上に吸引保持するウエーハ吸引保持工程と、
    該テープ拡張工程およびウエーハ吸引保持工程を実施し該ダイシングテープを拡張した状態で、該発光体を点灯し、該発光体による光を個々に分割されたデバイス間の隙間から透過させ、光が透過した領域を該撮像手段によって撮像することにより該レーザー光線照射手段によってレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント工程と、
    該アライメント工程を実施し後に、該ダイシングテープを拡張した状態で、該アライメント工程によって検出されたレーザー加工すべき加工領域に個々のデバイス間の隙間を通して該接着フィルムに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射し、該接着フィルムに個々のデバイスの外周縁に沿って切断溝を形成する接着フィルム切断工程と、を含む、
    ことを特徴とする接着フィルム切断方法。
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