JP2006202933A - ウエーハの分割方法 - Google Patents

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賢史 小林
Masaru Nakamura
勝 中村
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Yosuke Watanabe
陽介 渡辺
Yusuke Nagai
祐介 永井
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Abstract

【課題】 ウエーハの分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射することにより変質層を形成し、変質層が形成された分割予定ラインに沿って分割する分割方法において、抗折強度を低下させることなく正確に分割することができるウエーハの分割方法を提供する。
【解決手段】 ウエーハを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、ウエーハに対して透過性を有するレーザー光線を分割予定ラインに沿って照射しウエーハの内部に変質層を形成する変質層形成工程と、環状のフレームに装着された保護テープの表面にウエーハの一方の面を貼着するウエーハ支持工程と、変質層形成工程が実施され保護テープに貼着されたウエーハに外力を付与し、変質層が形成された分割予定ラインに沿ってウエーハを個々のチップに破断するウエーハ破断工程とを含み、該変質層形成工程はウエーハの厚さをtとするとウエーハの表面および裏面からそれぞれ0.2t〜0.3tの厚さの無変質領域を残して変質層を形成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された領域に機能素子が形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って分割するウエーハの分割方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等の回路(機能素子)を形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することにより回路が形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。また、サファイヤ基板の表面にフォトダイオード等の受光素子(機能素子)やレーザーダイオード等の発光素子(機能素子)等が積層された光デバイスウエーハも分割予定ラインに沿って切断することにより個々のフォトダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述した半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の分割予定ラインに沿った切断は、通常、ダイサーと称されている切削装置によって行われている。この切削装置は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる切削送り手段とを具備している。切削手段は、回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削ブレードおよび回転スピンドルを回転駆動する駆動機構を備えたスピンドルユニットを含んでいる。切削ブレードは円盤状の基台と該基台の側面外周部に装着された環状の切れ刃からなっており、切れ刃は例えば粒径3μm程度のダイヤモンド砥粒を電鋳によって基台に固定し厚さ20μm程度に形成されている。
しかるに、切削ブレードは20μm程度の厚さを有するため、チップを区画する分割予定ラインとしては幅が50μm程度必要となり、ウエーハの面積に対する分割予定ラインが占める面積比率が大きく、生産性が悪いという問題がある。また、サファイヤ基板、炭化珪素基板等はモース硬度が高いため、上記切削ブレードによる切断は必ずしも容易ではない。
一方、近年半導体ウエーハ等の板状の被加工物を分割する方法として、その被加工物に対して透過性を有するパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光線を照射するレーザー加工方法も試みられている。このレーザー加工方法を用いた分割方法は、被加工物の一方の面側から内部に集光点を合わせて被加工物に対して透過性を有する赤外光領域のパルスレーザー光線を照射し、被加工物の内部に分割予定ラインに沿って変質層を連続的に形成し、この変質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、被加工物を破断して分割するものである。(例えば、特許文献1参照。)
特許第3408805号公報
而して、内部に変質層が形成された分割予定ラインに沿って分割されたチップの側面には変質層が残留するため、変質層が形成された位置および厚さによってはチップの抗折強度が著しく低下し、その後の製造工程および製品となった後にチップが破損するという問題が生ずる。また、分割予定ラインに沿って変質層が形成されたウエーハを分割する際に、変質層が形成される位置およびウエーハの厚さに対する変質層の厚さの割合によって、分割するために必要な外力の大きさと分割精度が大きく変わる。即ち、変質層をウエーハの一方の面に露出して形成したりウエーハの厚さに対する変質層の厚さの割合を大きくすることによりウエーハを分割予定ラインに沿って容易に分割することができるが、上述したように分割されたチップの抗折強度が著しく低下する。一方、ウエーハの厚さに対する変質層の厚さの割合を小さくすると分割されたチップの抗折強度は向上するが、必ずしも分割予定ラインに沿って正確に分割されるとは限らず、チップが破損するという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ウエーハの分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射することにより変質層を形成し、該変質層が形成された分割予定ラインに沿って分割する分割方法において、抗折強度を低下させることなく正確に分割することができるウエーハの分割方法を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に機能素子が形成されたウエーハを、該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、
ウエーハに対して透過性を有するレーザー光線を該分割予定ラインに沿って照射し、ウエーハの内部に該分割予定ラインに沿って変質層を形成する変質層形成工程と、
該変質層形成工程を実施する前または該変質層形成工程を実施した後に、環状のフレームに装着された保護テープの表面にウエーハの一方の面を貼着するウエーハ支持工程と、
該変質層形成工程が実施され該保護テープに貼着されたウエーハに外力を付与し、該変質層が形成された該分割予定ラインに沿ってウエーハを個々のチップに破断するウエーハ破断工程と、を含み、
該変質層形成工程は、ウエーハの厚さをtとすると、ウエーハの表面および裏面からそれぞれ0.2t〜0.3tの厚さの無変質領域を残して変質層を形成する、
ことを特徴とするウエーハの分割方法が提供される。
該ウエーハは、厚さが100μm以下であることが望ましい。
本発明におけるウエーハの分割方法によれば、ウエーハの厚さをtとすると、ウエーハの表面および裏面からそれぞれ0.2t〜0.3tの厚さの無変質領域を残して変質層を形成するので、ウエーハを変質層が形成された分割予定ラインに沿って正確に分割することができるとともに、抗折強度の高いチップを得ることができる。
以下、本発明によるウエーハの分割方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って加工されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、例えば厚さが50μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aに格子状に形成されて複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域に機能素子としての回路22が形成されている。以下、この半導体ウエーハ2を個々の半導体チップに分割する分割方法について説明する。
半導体ウエーハ2を個々の半導体チップに分割するには、ウエーハ2に対して透過性を有するパルスレーザー光線を分割予定ライン21に沿って照射し、ウエーハ2の内部に分割予定ライン21に沿って変質層を形成する変質層形成工程を実施する。この変質層形成工程は、図2乃至4に示すレーザー加工装置3を用いて実施する。図2乃至図4に示すレーザー加工装置3は、被加工物を保持するチャックテーブル31と、該チャックテーブル31上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段32と、チャックテーブル31上に保持された被加工物を撮像する撮像手段33を具備している。チャックテーブル31は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない移動機構によって図2において矢印Xで示す加工送り方向および矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記レーザー光線照射手段32は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング321を含んでいる。ケーシング321内には図3に示すようにパルスレーザー光線発振手段322と伝送光学系323とが配設されている。パルスレーザー光線発振手段322は、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器322aと、これに付設された繰り返し周波数設定手段322bとから構成されている。伝送光学系323は、ビームスプリッタの如き適宜の光学要素を含んでいる。上記ケーシング321の先端部には、それ自体は周知の形態でよい組レンズから構成される集光レンズ(図示せず)を収容した集光器324が装着されている。上記パルスレーザー光線発振手段322から発振されたレーザー光線は、伝送光学系323を介して集光器324に至り、集光器324から上記チャックテーブル31に保持される被加工物に所定の集光スポット径Dで照射される。この集光スポット径Dは、図4に示すようにガウシアン分布を示すパルスレーザー光線が集光器324の対物レンズ324aを通して照射される場合、D(μm)=4×λ×f/(π×W)、ここでλはパルスレーザー光線の波長(μm)、Wは対物レンズ324aに入射されるパルスレーザー光線の直径(mm)、fは対物レンズ324aの焦点距離(mm)、で規定される。
上記レーザー光線照射手段32を構成するケーシング321の先端部に装着された撮像手段33は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
上述したレーザー加工装置3を用いて実施する上記変質層形成工程について、図2、図5および図6を参照して説明する。
変質層形成工程を実施するには、先ず上述した図2に示すレーザー加工装置3のチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を裏面2b側を上にして載置し、該チャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を吸着保持する。半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない移動機構によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン21と、分割予定ライン21に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段32の集光器324との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記分割予定ライン21に対して直角に延びる分割予定ライン21に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。このとき、半導体ウエーハ2の分割予定ライン21が形成されている表面2aは下側に位置しているが、撮像手段33が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、裏面2bから透かして分割予定ライン21を撮像することができる。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2に形成されている分割予定ライン21を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、図5の(a)で示すようにチャックテーブル31をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段32の集光器324が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン21の一端(図5の(a)において左端)をレーザー光線照射手段12の集光器324の直下に位置付ける。そして、集光器324から半導体ウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル31即ち半導体ウエーハ2を図5の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図5の(b)で示すようにレーザー光線照射手段32の集光器324の照射位置が分割予定ライン21の他端(図5の(b)において右端)の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル11即ち半導体ウエーハ10の移動を停止する。この変質層形成工程においては、パルスレーザー光線の集光点Pの位置は、半導体ウエーハ2の厚さを(t)とすると、表面2a(下面)から0.2t〜0.3tの位置であることが重要である。従って、この実施形態においては、半導体ウエーハ2の厚さが上述したように50μmであるため、パルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ2の表面2a(下面)から15μm〜10μm上方の位置に合わせる。この結果、半導体ウエーハ2の内部には、集光点Pの位置(表面2a(下面)から15μm〜10μm上方の位置)から上方に所定厚さの変質層210が形成される。この変質層210は、溶融再固化層として形成される。
上記変質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起QスイッチNd:YVO4スレーザー
波長 :1064nmのパルスレーザー
繰り返し周波数 :100kHz
パルス出力 :2.5μJ
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :400mm/秒
上記加工条件において半導体ウエーハ2の内部に形成される変質層210の厚さは、略10μmである。従って、半導体ウエーハ10の厚さが厚い場合には、図6に示すように集光点Pを既に形成された変質層210の上端に合わせて段階的に変えて上述した変質層形成工程を実施する。そして、積層された変質層の上端は、半導体ウエーハ2の裏面2b(上面)から0.2t〜0.3tの位置であることが重要である。従って、この実施形態においては、半導体ウエーハ2の厚さが上述したように50μmであるため、半導体ウエーハ2の裏面2b(上面)から15μm〜10μm下方位置まで変質層を形成すればよい。
上述した変質層形成工程によって半導体ウエーハ2の内部に全ての分割予定ライン21に沿って変質層210を形成したならば、ウエーハの一方の面を環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着するウエーハ支持工程を実施する。即ち、図7に示すように環状のフレーム4の内側開口部を覆うように外周部が装着された保護テープ40の表面に半導体ウエーハ2の裏面2bを貼着する。なお、上記保護テープ40は、図示の実施形態においては厚さが70μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート基材の表面に、アクリル樹脂系の粘着層が厚さが5μm程度塗布されている。なお、ウエーハ支持工程は、上述した変質層形成工程を実施する前に実施してもよい。
上述したウエーハ支持工程を実施したならば、保護テープ40に貼着された半導体ウエーハ10に外力を付与し、変質層210が形成された分割予定ライン210に沿って半導体ウエーハ2を個々のチップに破断する破断工程を実施する。この破断工程は、図示の実施形態においては図8に示す分割装置6を用いて実施する。図8に示す分割装置6は、上記環状のフレーム4を保持するフレーム保持手段61と、該フレーム保持手段61に保持された環状のフレーム4に装着された保護テープ40を拡張するテープ拡張手段62を具備している。フレーム保持手段61は、環状のフレーム保持部材611と、該フレーム保持部材611の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ機構612とからなっている。フレーム保持部材611の上面は環状のフレーム4を載置する載置面611aを形成しており、この載置面611a上に環状のフレーム4が載置される。そして、載置面611a上に載置された環状のフレーム4は、クランプ機構612によってフレーム保持部材611に固定される。このように構成されたフレーム保持手段61は、テープ拡張手段62によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611の内側に配設される拡張ドラム621を具備している。この拡張ドラム621は、環状のフレーム4の内径より小さく該環状のフレーム4に装着された保護テープ40に貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム621は、下端に支持フランジ622を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611を上下方向に進退可能な支持手段63を具備している。この支持手段63は、上記支持フランジ622上に配設された複数のエアシリンダ631からなっており、そのピストンロッド632が上記環状のフレーム保持部材611の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ631からなる支持手段63は、環状のフレーム保持部材611を載置面611aが拡張ドラム621の上端と略同一高さとなる基準位置と、拡張ドラム621の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。従って、複数のエアシリンダ631からなる支持手段63は、拡張ドラム621とフレーム保持部材611とを上下方向に相対移動する拡張移動手段として機能する。
以上のように構成された分割装置6を用いて実施する分割工程について図9を参照して説明する。即ち、図7に示すように半導体ウエーハ2(分割予定ライン21に沿って変質層210が形成されている)を保護テープ40を介して支持した環状のフレーム4を、図9の(a)に示すようにフレーム保持手段61を構成するフレーム保持部材611の載置面611a上に載置し、クランプ機構612によってフレーム保持部材611に固定する。このとき、フレーム保持部材611は図9の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段62を構成する支持手段63としての複数のエアシリンダ631を作動して、環状のフレーム保持部材611を図9の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材611の載置面611a上に固定されている環状のフレーム4も下降するため、図9の(b)に示すように環状のフレーム4に装着された保護テープ40は拡張ドラム621の上端縁に当接して拡張せしめられる。この結果、保護テープ40に貼着されている半導体ウエーハ2は放射状に引張力が作用する。このように半導体ウエーハ2に放射状に引張力が作用すると、分割予定ライン21に沿って形成された変質層210は強度が低下せしめられているので、半導体ウエーハ2は変質層210に沿って破断され個々の半導体チップ20に分割される(破断工程)。
なお、破断工程は上述した破断方法の外に、次のような分割方法を用いることができる。
即ち、保護テープ40に貼着された半導体ウエーハ2(分割予定ライン21に沿って変質層210が形成されている)を柔軟なゴムシート上に載置し、その上面をローラーによって押圧することによって、半導体ウエーハ2を変質層210が形成され強度が低下した分割予定ライン21に沿って割断する方法を用いることができる。また、変質層210が形成され強度が低下した分割予定ライン21に沿って例えば周波数が28kHz程度の縦波(疎密波)からなる超音波を作用せしめる方法や、変質層210が形成され強度が低下した分割予定ライン21に沿って押圧部材を作用せしめる方法、或いは変質層210が形成され強度が低下した分割予定ライン21に沿ってレーザー光線を照射してヒートショックを与える方法等を用いることができる。
上述したように個々に分割された半導体チップ20は、図10に示すようにその側面に変質層210が残留する。しかるに、変質層210は半導体チップ20の厚さを(t)とすると表面および裏面からそれぞれ0.2〜0.3tの厚さの無変質領域を残して形成されているので、抗折強度が低下することはない。また、変質層210は0.4〜0.6tの厚さを有しているので、上記破断工程において半導体ウエーハ2を変質層210に沿って容易に且つ正確に破断することができる。
実験例
直径が200mm、厚さが50μmのシリコンウエーハを上述した分割方法により分割し、横10mm、縦13mm、厚さ50μmのチップを製作した。なお、チップは上述した変質層形成工程においてシリコンウエーハの内部に形成する変質層の厚さを1t(無変質領域の厚さ0)、0.8t(無変質領域の厚さ:それぞれ0.1t(5μm))、0.6t(無変質領域の厚さ:それぞれ0.2t(10μm))、0.4t(無変質領域の厚さ:それぞれ0.3t(15μm))、0.2t(無変質領域の厚さ:それぞれ0.4t(20μm))とした5種類製作した。そして、各10個につて図11に示す3点曲げ試験法により抗折強度を測定し、その平均値を求めた結果が図12に示されている。図12において、横軸は無変質領域の厚さ(μm)、縦軸は抗折強度(MPa)である。なお、図12において◎印は、上述したようにシリコンウエーハの分割予定ライン21に沿って内部に変質層を形成し、このシリコンウエーハをチップに分割した後に、チップの外周面をエッチングして変質層を除去したチップの抗折強度を示す。
図13は、上述した5種類のチップに分割するために変質層が形成されたシリコンウエーハを破断するに要した応力を示すもので、横軸は無変質領域の厚さ(μm)、縦軸は破断応力(MPa)である。
図12から判るように、表面および裏面からそれぞれ0.2t(10μm)の無変質領域を残して0.6tの厚さ(30μm)の変質層を形成したチップは抗折強度が1200MPaであり、切削ブレードによって切断したチップの抗折強度(750MPa)より高い強度が得られる。また、表面および裏面からそれぞれ0.3t(15μm)の無変質領域を残して0.4tの厚さ(20μm)の変質層を形成したチップは抗折強度が1500MPaであり、表面および裏面からそれぞれ0.4t(20μm)の無変質領域を残して0.2tの厚さ(10μm)の変質層を形成したチップの抗折強度を同等である。この抗折強度(1500MPa)は、チップの外周面をエッチングして変質層を除去したチップの抗折強度(図12において◎印)に略匹敵する。一方、表面および裏面からそれぞれ0.3t(15μm)の無変質領域を残して0.4tの厚さ(20μm)の変質層を形成したシリコンウエーハをチップに破断するに要した応力が40MPaなのに対し、表面および裏面からそれぞれ0.4t(20μm)の無変質領域を残して0.2tの厚さ(10μm)の変質層を形成したシリコンウエーハをチップに破断するに要した応力は70MPaである。ウエーハをチップに破断するに必要な応力は、50MPa以下であればウエーハを変質層が形成された分割予定ラインに沿って正確に且つ容易に分割することができるが、破断応力が50MPaを超えるとウエーハに割れが発生し分割予定ラインに沿って正確に分割することができない。なお、表面および裏面からそれぞれ0.1t(5μm)以下の無変質領域を残して0.8tの厚さ(40μm)以上の変質層を形成したチップは、破断応力が小さくなりウエーハを変質層が形成された分割予定ラインに沿って正確に且つ容易に分割することができるが、チップの抗折強度750MPa以下となって強度不足となる。
なお、上記実験は厚さが100μm、150μm、200μmのシリコンウエーハについて実施したが、厚さが100μmのシリコンウエーハについては上述した厚さが50μmのシリコンウエーハと略同じ結果が得られた。しかしながら、厚さが150μm、200μmのシリコンウエーハについては、無変質領域がそれぞれ0.2t以上になるとウエーハを変質層が形成された分割予定ラインに沿って正確に分割することが困難であった。
以上の実験結果から、厚さが100μm以下のウエーハに対して、表面および裏面からそれぞれ0.2t〜0.3tの無変質領域を残して0.4t〜0.6tの厚さの変質層を形成することにより、ウエーハを変質層が形成された分割予定ラインに沿って正確に分割することができるとともに、抗折強度の高いチップを得ることができる。
本発明によるウエーハの分割方法によって分割される半導体ウエーハの斜視図。 本発明によるウエーハの分割方法における変質層形成工程を実施するレーザー加工装置の要部斜視図。 図2に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段の構成を簡略に示すブロック図。 パルスレーザー光線の集光スポット径を説明するための簡略図。 本発明によるウエーハの分割方法における変質層形成行程の説明図。 本発明によるウエーハの分割方法における変質層形成工程を実施した状態を示す説明図。 本発明によるウエーハの分割方法における変質層形成行程が実施されたウエーハを環状のフレームに装着された保護テープに貼着した状態を示す斜視図。 本発明によるウエーハの分割方法における破断工程を実施する分割装置の一実施形態を示す斜視図。 本発明によるウエーハの分割方法における破断工程の説明図。 本発明によるウエーハの分割方法によって分割されたチップの斜視図。 3点曲げ試験の説明図。 シリコンウエーハを分割したチップの抗折強度試験結果を示すグラフ。 シリコンウエーハを変質層が形成された分割予定ラインに沿って破断するに要した応力の試験結果を示すグラフ。
符号の説明
2:半導体ウエーハ
21:分割予定ライン
22:回路
210:変質層
20:半導体チップ
3:レーザー加工装置
31:レーザー加工装置のチャックテーブル
32:レーザー光線照射手段
33:撮像手段
4:環状のフレーム
40:保護テープ
6:分割装置
61:フレーム保持手段
62:テープ拡張手段
63:支持手段

Claims (2)

  1. 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に機能素子が形成されたウエーハを、該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、
    ウエーハに対して透過性を有するレーザー光線を該分割予定ラインに沿って照射し、ウエーハの内部に該分割予定ラインに沿って変質層を形成する変質層形成工程と、
    該変質層形成工程を実施する前または該変質層形成工程を実施した後に、環状のフレームに装着された保護テープの表面にウエーハの一方の面を貼着するウエーハ支持工程と、
    該変質層形成工程が実施され該保護テープに貼着されたウエーハに外力を付与し、該変質層が形成された該分割予定ラインに沿ってウエーハを個々のチップに破断するウエーハ破断工程と、を含み、
    該変質層形成工程は、ウエーハの厚さをtとすると、ウエーハの表面および裏面からそれぞれ0.2t〜0.3tの厚さの無変質領域を残して変質層を形成する、
    ことを特徴とするウエーハの分割方法。
  2. 該ウエーハは厚さが100μm以下である、請求項1記載のウエーハの分割装置。
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