JP5143987B2 - 粉末洗剤の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石鹸主体の洗剤スラリー粘度が低く、かつ、炭酸ナトリウムの凝集しない安定性の良好な粉末洗剤及び工業的に高い生産性を有する粉末洗剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
特開2001−115198号公報及び特開平5−295399号公報には、主界面活性剤が脂肪酸石鹸で、かつ、炭酸ナトリウムが配合されている洗剤が提案されている。
【0003】
しかしながら、これらに提案されているスラリーは、一般に高粘度でハンドリング性が困難であったり、炭酸ナトリウムが凝集して噴霧乾燥時にノズルに詰まり、操作の点で大きな問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、界面活性剤のうち、石鹸主体の洗剤スラリー粘度が低く、かつ、炭酸ナトリウムの凝集しない安定性の良好な洗剤スラリーを得ることができる、工業的に高い生産性で高品質な粉末洗剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、脂肪酸石鹸及び炭酸ナトリウムを含有するスラリーを噴霧乾燥するに際し、水溶性高分子及び特定量の非石鹸系界面活性剤をスラリーに添加することにより、石鹸主体の洗剤スラリー粘度が低く、かつ、炭酸ナトリウムの凝集しない安定性の良好な洗剤スラリーを得ることができ、工業的に高い生産性で高品質な粉末洗剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、上記課題を解決するため、下記の粉末洗剤及びその製造方法を提供する。
【0007】
請求項1の発明は、(A)脂肪酸石鹸と、(B)炭酸ナトリウムと、(C)水溶性高分子と、(D)スルホネート型アニオン界面活性剤及び/又はアルキレンオキサイドの平均付加モル数が12以上のエーテル型又はエステル型ノニオン界面活性剤とを含有し、前記(A)成分+(D)成分が8〜60質量%であり、かつ、前記(A)成分/(D)成分が100/1〜100/18(質量比)となる条件で噴霧乾燥して得られることを特徴とする粉末洗剤である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の粉末洗剤を、非石鹸系界面活性剤及び洗剤ビルダーと共に造粒して得られる粉末洗剤である。
【0009】
請求項3の発明は、(A)脂肪酸石鹸と、(B)炭酸ナトリウムと、(C)水溶高分子と、(D)スルホネート型アニオン界面活性剤及び/又はアルキレンオキサイドの平均付加モル数が12以上のエーテル型又はエステル型ノニオン界面活性剤とを、前記(A)成分+(D)成分が8〜60質量%であり、かつ、前記(A)成分/(D)成分が100/1〜100/18(質量比)となる条件で噴霧乾燥することを特徴とする粉末洗剤の製造方法である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3記載の製造方法で得られた粉末洗剤を、非石鹸系界面活性剤及び洗剤ビルダーと共に造粒することを特徴とする粉末洗剤の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の粉末洗剤は、(A)脂肪酸石鹸と、(B)炭酸ナトリウムと、(C)水溶性高分子と、(D)スルホネート型アニオン界面活性剤及び/又はアルキレンオキサイドの平均付加モル数が12以上のエーテル型又はエステル型ノニオン界面活性剤とを含有する。
【0012】
前記(A)成分の脂肪酸石鹸は、脂肪酸の炭素鎖長が一般に8〜20、好ましくは12〜18のものが好ましい。また、対イオンとしては、一般にアルカリ金属が用いられ、好ましくはNa又はKである。
【0013】
この脂肪酸石鹸の含有量は、一般にスラリーDM基準で5〜30質量%、好ましくは8〜25質量%である。
【0014】
前記(B)成分の炭酸ナトリウムとしては、重質タイプのものと軽質タイプのものが市販されているが何れでも良い。
この炭酸ナトリウムの含有量は、一般にスラリーDM基準で5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%である。
【0015】
前記(C)成分の水溶性高分子としては、カルボン酸系ポリマー、ポリグリオキシル酸塩、ポリグリシジル酸塩等のポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体並びにポリアスパラギン酸塩等のアミノカルボン酸系のポリマー、ポリビニルピドリドン等のビニル系ポリマー、ポリエチレングリコール等のグリコール類などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも好適なのはカルボン酸系ポリマーであり、このカルボン酸系ポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のホモポリマー又はコポリマーであり、コポリマーとして上記モノマーとマレイン酸と共重合したものが好適であり、分子量が千〜10万のものが好ましい。
【0016】
前記(C)成分の水溶性高分子の配合量は、スラリーDM基準で一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%含有される。
水溶性高分子の配合量が0.1質量%未満では炭酸ナトリウムが凝集してしまう場合がある。一方、10質量%を超えると乾燥効率が低下するといった問題点が生じる場合がある。
【0017】
前記(D)成分のスルホネート型アニオン界面活性剤としては、直鎖又は分岐アルキル(平均炭素鎖長8〜18)ベンゼンスルホン酸塩、長鎖アルキル(平均炭素鎖長10〜20)スルホン酸塩、長鎖オレフィン(平均炭素鎖長10〜20)スルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(脂肪酸残基の平均炭素鎖長12〜20)などが挙げられ、これらの一種又は二種以上の混合物として使用することができる。これらのスルホネート型アニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。また、特に好ましいスルホネート型アニオン界面活性剤は、アルファスルホ脂肪酸エステル塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩である。
【0018】
前記(D)成分のエーテル型又はエステル型ノニオン界面活性剤としては、以下のものが用いられる。
(i)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均12〜30モル、好ましくは13〜25モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが使用される。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。好ましい脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが使用される。
(ii)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル
(iii)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した、例えば、下記一般式(I)で示される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートである。
CO(OA)OR ・・・(I)
(RCOは炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基、OAはエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に12〜30、好ましくは13〜25の数である。Rは炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級アルキル基を示す)
このような脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートとしては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0019】
上記(D)成分のノニオン界面活性剤の中でも、融点が40℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドとプロピレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。また、これらのノニオン界面活性剤は混合物として使用してもよい。
【0020】
前記(D)成分のスルホネート型アニオン界面活性剤及び/又はアルキレンオキサイドの平均付加モル数が12以上のエーテル型又はエステル型ノニオン界面活性剤の配合量は、スラリーDM基準で一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜8質量%含有される。
(D)成分の界面活性剤の配合量が少なすぎると炭酸ナトリウムが凝集してしまう場合がある。一方、多すぎると乾燥効率が低下するといった問題点が生じる場合がある。
【0021】
この場合、前記(A)成分/(D)成分の配合比率は、一般に100/1〜100/18(質量比)、好ましくは100/2〜100/15(質量比)である。
100/1より(D)成分が少ない場合、Ashが凝集してしまう。一方、100/18より(D)成分が多い場合、粘度が高くなりすぎて生産性が低下してしまう。
また、(A)成分+(D)成分が、スラリーDMを基準として、8〜60質量%であり、好ましくは10〜40質量%である。
(A)成分の脂肪酸石鹸+(D)成分のスルホネート型アニオン界面活性剤及び/又はアルキレンオキサイドの平均付加モル数が12以上のエーテル型又はエステル型ノニオン界面活性剤が8質量%より小さいと、洗浄性能が低下する。一方、(A)成分+(D)成分が60質量%より大きいと乾燥効率が低下する。
【0022】
本発明におけるスラリーの調製条件は、スラリー水分が、一般に30〜50%、好ましくは35〜45%である。また、スラリー温度は、一般に50〜90℃、好ましくは60〜85℃である。
スラリーを製造する装置としては、一般的な攪拌混合装置なら何でも良いが、特に図1に示したような攪拌混合装置が好ましい。なお、図1中、1は配合槽、2は攪拌羽根、3はスラリーをそれぞれ示す。
【0023】
本発明の粉末洗剤には、上記(A)〜(D)成分以外にも、非石鹸系界面活性剤及び洗剤ビルダー、その他添加成分を任意に配合することができる。なお、任意成分は特に限定されない。
【0024】
前記非石鹸系界面活性剤としては、非石鹸系であれば特に制限はなく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの混合物を目的に応じて適宜選定することができる。
【0025】
前記アニオン界面活性剤としては、従来から洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種のアニオン界面活性剤を使用することができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
【0026】
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルエーテル硫酸塩、又はアルケニルエーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基若しくはアルケニルフェニル基を有し、平均3〜30モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルフェニルエーテル硫酸塩、又はアルケニルフェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル(α−SF又はMES)。
(10)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩。
【0027】
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。また、これらのアニオン界面活性剤は混合物として使用してもよい。特に好ましいアニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)や、AOS、α−SF、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)などを挙げることができる。
【0028】
前記カチオン界面活性剤としては、従来から洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種のカチオン界面活性剤を使用することができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
【0029】
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[RN]・X
(式中、R及びRは、通常炭素数が12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。R及びRは、通常炭素数が1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、通常炭素数が2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CHSO、CSO、1/2SO、OH、HSO、CHCO又はCH−C−SOを示す。)
【0030】
前記ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウム塩や、ジ水添牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩、ジ水添牛脂アルキルベンゼンメチルアンモニウム塩、ジステアリルメチルベンジルアンモニウム塩、ジステアリルメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジステアリルメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、ジステアリルジヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジオレイルジメチルアンモニウム塩、ジココナッツアルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。また、Xであるハロゲンの具体例としては、塩素原子や臭素原子等が挙げられる。
【0031】
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[RN]・X
(式中、Rは、通常、炭素数が12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。R、R及びRは、通常、炭素数が1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、通常炭素数が2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CHSO、CSO、1/2SO、OH、HSO、CHCO又はCH−C−SOを示す。)
【0032】
前記モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウム塩や、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、水添牛脂アルキルトリメチルアンモニウム塩、水添牛脂アルキルベンゼンジメチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、ステアリルトリヒドロキシエチルアンモニウム塩、オレイルトリメチルアンモニウム塩、ココナッツアルキルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。また、Xであるハロゲンの具体例としては、塩素原子や臭素原子等が挙げられる。
【0033】
(3)テトラ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[RN]・X
(式中、R、R、R及びRは、通常、炭素数が1〜4、好ましくは1〜3のアルキル基、ベンジル基、通常、炭素数が2〜4、好ましくは2〜3ヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CHSO、CSO、1/2SO、OH、HSO、CHCO又はCH−C−SOを示す。)
【0034】
前記テトラ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイドテトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロキサイド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0035】
(4)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[RN]・X
(式中、R、R及びRは、通常、炭素数が12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。Rは、通常、炭素数が1〜4、好ましくは1〜2アルキル基、ベンジル基、通常、炭素数が2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CHSO、CSO、1/2SO、OH、HSO、CHCO又はCH−C−SOを示す。)
【0036】
前記トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルメチルアンモニウムクロライドトリオレイルメチルアンモニウムクロライド、トリココナッツアルキルメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0037】
前記両性界面活性剤としては、従来から洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種の両性界面活性剤を使用することができる。両性界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
【0038】
(1)ベタイン類
ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ステアリン酸アミドエチルベタイン、カルボベタイン、スルホベタインなどが挙げられる。
(2)イミダゾリン誘導体類
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどが挙げられる。
(3)リン酸塩型リン酸塩型
レシチン(ホスファチジルコリン等)などが挙げられる。
【0039】
以上の非石鹸系界面活性剤の配合量は、スラリーDM基準で一般に、0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜8質量%である。
【0040】
次に、洗浄ビルダーとしては、水道水中のアルカリ土類金属イオン(Ca2+,Mg2+)を補足するためのキレートビルダー(金属イオン封鎖剤)、アルカリ緩衝能を有するアルカリビルダー、中性ビルダー、及びそれらの混合物を使用することができ、無機物又は有機物を問わない。
【0041】
前記キレートビルダーとしては、以下の(1)〜(3)の各種のものを用いることができる。
(1)アルミノケイ酸塩
A型ゼオライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト、非晶質ゼオライトなどが挙げられる。
(2)縮合リン酸塩
トリポリリン酸のアルカリ金属塩、ピロリン酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
(3)有機ビルダー
クエン酸のアルカリ金属塩、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩(EDTA)、ニトリロ三酢酸のアルカリ金属塩(NTA)、ポリアクリル酸のアルカリ金属、アクリル酸と無水マレイン酸の共重合物のアルカリ金属塩、ポリアセタールカルボキシレート、ヒドロキシイミノジコハク酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0042】
前記アルカリビルダーとしては、以下の(1)〜(2)の各種のものを用いることができる。
(1)アルカリ金属炭酸塩
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウムなどが挙げられる。
(2)アルカリ金属珪酸塩
珪酸ナトリウム(水ガラス)、層状珪酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0043】
前記中性ビルダーとしては、以下の(1)〜(2)の各種のものを用いることができる。
(1)硫酸塩
硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどが挙げられる。
(2)塩化物
塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。
【0044】
洗浄ビルダーの配合量は、スラリーDM基準で一般に、30〜90質量%、好ましくは40〜85質量%である。
【0045】
その他の洗剤成分としては、通常洗剤原料に配合されている任意成分であれば、特に制限されることなく、各種のものを併用することができる。このような成分としては、例えば、以下の成分が挙げられる。
【0046】
(1)再汚染防止剤
カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
(2)粘度調整剤
パラトルエンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、尿素などが挙げられる。
(3)柔軟剤付剤
第4級アンモニウム塩、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト鉱物などが挙げられる。
(4)還元剤
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
(5)漂白剤
過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム、硫酸ナトリウム過酸化水素付加体などが挙げられる。
(6)漂白活性化剤
エチレンジアミンテトラアセテート、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムや、デカノイルオキシベンゼンカルボン酸などが挙げられる
(7)蛍光増白剤
4,4'−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4'−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4'−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体などが挙げられる。
(8)香料
炭素数10〜15のアルコール、炭素数7〜10の芳香族アルコール、炭素数8〜17のギ酸エステル又は酢酸エステル、炭素数10〜15の炭化水素、炭素数7〜15の芳香族アルデヒド、炭素数8〜14の脂肪族アルデヒド、フェノール系香料などが挙げられる。
(9)酵素
プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼなどが挙げられる。
(10)色素
群青などが挙げられる。
(11)吸油性担体
非晶質珪酸、ホワイトカーボン、非晶質珪酸カルシウム、非晶質アルミノ珪酸塩、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、スピネル、コーデイエライト、ムライト、澱粉分解物などが挙げられる。
(12)表面改質剤
微粉炭酸カルシウム、微粉ゼオライト、微粉シリカ、微粉アルミナ、微粉加工澱粉、粘土鉱物、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
(13)抑泡剤
シリコーン、シリコーンコンパウンド、ワックスなどが挙げられる。
(14)酸化防止剤
第3ブチルヒドロキシトルエン、4,4’−ブチリデンビス−(6−第3ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス−(6−第3ブチル−4−メチルフェノール)、モノスチレン化クレゾール、ジスチレン化クレゾール、モノスチレン化フェノール、ジスチレン化フェノール、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
(15)光活性化漂白剤
スルホン化アルミニウムフタロシアニン、スルホン化亜鉛フタロシアニンなどが挙げられる。
【0047】
前記スラリーの造粒方法としては以下のものが挙げられる。
▲1▼洗剤スラリー→噴霧乾燥→攪拌造粒→粒状洗剤
▲2▼洗剤スラリー→噴霧乾燥→捏和(ドウ状化)→破砕造粒→粒状洗剤
▲3▼洗剤スラリー→噴霧乾燥→流動層造粒→粒状洗剤
【0048】
捏和後粉砕する方法は、洗剤原料や噴霧乾燥粒子を捏和(混練)して、洗剤の固形物を調製する工程である。洗剤原料や噴霧乾燥粒子は、捏和(混練)装置内に導入され、剪断力を付与しながら輸送、圧密化、捏和(混練)と段階的に混合され、固体洗剤を形成する。
【0049】
捏和(混練)装置としては、各種の装置を使用することができる。具体的には、密閉式の圧密化処理装置、更に好ましくは横型連続式のニーダーが好適に挙げることができる。ニーダーの他に、一軸又は二軸スクリュー押出機などを用いることができる。これらの装置は、回分式又は連続式の何れであっても良い。
【0050】
連続式の捏和(混練)装置を使用する場合、特に捏和(混練)に関与するパドルの配置が、得られる洗剤の品質の点で重要である。特開2000−144194号公報に開示されているように、撹拌羽根を有する捏和(混練)機に洗剤成分を連続的に供給し、洗剤成分の捏和(混練)物を製造するに際し、捏和(混練)機内に、(a)混練機の供給口から排出口方向に洗剤成分を輸送する機能、(b)洗剤成分に圧密を付与する機能、(c)洗剤成分を混練する機能のそれぞれの機能を有する撹拌羽根を、捏和(混練)機の供給口から排出口側に向けて順次配置して連続捏和(混練)する。
また、長時間運転した場合の摩耗を防ぐため、スクリュー、パドル及び胴体(ケーシング)にステライトやタングステンカーバイト等の処理を施すことが望ましい。
【0051】
連続式捏和(混練)装置としては、以下のものを用いることができる。
例1:KRCニーダー[(株)栗本鐵工所製]
例2:エクストルードオーミックス[ホソカワミクロン(株)製]
例3:ファインリューザー[不二パウダル(株)製]
例4:コンティニュアスニーダー[(株)ダルトン製]
例5:特開昭63−242334号公報、特開平6−23251号公報、同6−23252号公報、同7−265679号公報に記載の装置
例6:ツインドームグラン[不二パウダル(株)製]
例7:ドームグラン[不二パウダル(株)製]
【0052】
回分式捏和(混練)装置としては、以下のものを用いることができる。
例1:ニーダー[(株)ダルトン製]
例2:万能混合攪拌機[(株)ダルトン製]
【0053】
捏和(混練)条件は、以下に示すとおりである。
▲1▼温度
一般に30〜80℃、好ましくは35〜75℃、更に好ましくは40〜70℃で操作することが適当である。温度が30℃よりも低い場合には、捏和(混練)装置への負荷が過大となり易く、好ましくない。一方、温度が80℃よりも高くなると、逆に、捏和(混練)物が粉砕機等の後工程で使用する装置に付着し易くなり、好ましくない。
【0054】
▲2▼処理時間
回分式の場合の処理時間は、通常、1〜20分、好ましくは2〜15分、更に好ましくは3〜10分である。
連続式の場合の処理時間は、通常、10〜120秒、好ましくは20〜90秒、更に好ましくは30〜60秒である。
【0055】
▲3▼圧力
特開昭61−118500号公報に開示されているように、ニーダーの内圧は0.01〜5kg/cm・Gに制御して連続的に捏和(混練)する。
【0056】
▲4▼バインダー
捏和(混練)の際のバインダーとしては、一般に、水、アニオン界面活性剤水溶液、ノニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤水溶液、及びそれらの混合物などが用いられ、ノニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤水溶液及びアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の混合水溶液が好適である。
【0057】
▲5▼冷却
捏和(混練)による洗剤固形物の温度上昇を抑制するため、捏和(混練)装置のジャケットに冷媒を通しながら捏和(混練)を行うことが望ましい。冷媒としては、エチレングリコールの水溶液が好適であり、その濃度は15〜30%、好ましくは20〜25%のものを使用する。
【0058】
捏和(混練)物性状としては、以下に示すとおりである。
▲1▼嵩密度
一般に、0.5〜1.2g/mL、好ましくは0.6〜1.0g/mLである。
▲2▼寸法
一般に、10〜500mmであるが、捏和(混練)物を導入する押出機のスクリューのピッチの大きさよりも小さければ、特に制限はない。
【0059】
粉砕工程は洗剤の混合物、混練物、ペレット或いは造粒物を破砕造粒機によって粉砕し、所望の粒子径に調製する工程である。
特に好ましい粉砕方法としては、界面活性剤とビルダーとから成る洗剤固形物(混合物、混練物、ペレット或いは造粒物)を破砕造粒するにあたり、分級スクリーンを有したカッターミルタイプの破砕機を用い、スクリーン穴径の大きい破砕機から小さい破砕機へ順次供給して多段破砕することが特に好ましい。
【0060】
破砕造粒機としては、以下に示すとおりである。
▲1▼造粒機
一般に、内部に回転体とスクリーンを装着した破砕造粒機、好ましくは、ハンマーミル、アトマイザー、パルペライザー等の衝撃式破砕機、カッターミル、フェザーミル等の切断・剪断式破砕機などが用いられる。
例1:フィッツミル[ホソカワミクロン(株)製]
例2:スピードミル[岡田精工(株)製]
例3:破砕式造粒機パワーミル[不二パウダル(株)製]
例4:アトマイザー[不二パウダル(株)製]
例5:パルベライザー[ホソカワミクロン(株)製]
例6:コミニューター[不二パウダル(株)製]
なお、破砕機としては、特にその形式は問わないが、解破室内に回転解砕刃を有し、回転解砕刃により粉砕し、粉砕された洗剤造粒物を所定穴径のスクリーンから排出するものなどが好適に用いられる。
【0061】
▲2▼スクリーン
スクリーンは、金網タイプ、ヘリンボンタイプ、パンチングメタルタイプなど特に限定されないが、スクリーン強度、破砕物の形状を考慮すると、パンチングメタルが好ましい。
【0062】
▲3▼回転体
ハンマーやカッターを用いるが、衝撃破砕による微粉の発生を避けるため、カッタータイプが好ましい。但し、長時間の運転で、カッターの刃が摩耗するのを防ぐため、ステライトやタングステンカーバイト等による処理が望ましい。
【0063】
破砕条件は、以下に示すとおりである。
▲1▼回転体の周速度
一般に、被粉砕物(砕料)の粉砕性と所望の粒子径によって設定する。通常、洗剤の場合、10〜70m/sの範囲で使用できる。砕料が、脆い場合や付着性が強い場合には、50m/s以下での粉砕が好ましく、40m/s以下がより好ましい。逆に、粘弾性が強く、付着性が弱い場合には、50m/s以上での粉砕が生産性と粒度コントロールの点で好ましい。
【0064】
▲2▼冷風導入
一般に、破砕熱により破砕物が軟化して破砕機に付着することを防止するために、破砕機内へ冷風を導入することが望ましい。冷風温度は5〜30℃が適当であり、好ましくは10〜25℃である。また、冷風量は0.1〜5m/kg(破砕物)が適当である。冷風量が多すぎると、破砕物の温度が著しく低下し破砕物が硬く脆くなるため、過粉砕となり微粉増加及び形状劣化の原因となる。
冷風の導入方法としては、1段目への必要量の一括導入、各段への分割導入のいずれでもよい。また、破砕機より排出された冷風は、粉体と分離した後にリサイクルすることが経済性から見て得策である。
【0065】
▲3▼粉砕助剤
破砕に際しては、破砕助剤を添加することが好ましい。破砕助剤は一般に粉砕助剤(grinding aid)として知られており、粉砕機中に少量添加することにより、粉砕動力の低減、粉砕粒度の改善、粉砕製品の性状の改善などの作用を有する。
破砕助剤の粒度は50μm以下が好適であり、好ましくは20μm以下である。また、添加量は破砕量に対して0.5〜10質量%が好適である。破砕助剤の種類としては、ステアリン酸塩、A型ゼオライト等のアルミノ珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルカリ土類金属炭酸塩、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、タルク、ベントナイト等の粘土鉱物、二酸化珪素、二酸化チタン、微粉際された炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが望ましい。これらの破砕助剤が破砕物表面に付着し、破砕物の表面活性を低下させることにより、破砕機への付着防止及びこれに伴なう破砕動力の低減や、破砕物の流動性改善が図られる。
助剤の添加方法としては、予め破砕前に混合する方法と、多段破砕の1段目に必要量の全量を一括添加する方法と、各段毎に分割添加する方法とがある。いずれを選定するも任意であるが、助剤効果及び経済性の点で一括添加が望ましい。更に、破砕機同士を直結し、各段間を密閉する系とすることにより(密閉直結型)、助剤の損失が少なくなり、少量の助剤添加量で効果的に作用させることができる。
【0066】
▲4▼砕料温度
砕料温度は、一般に5〜50℃、好ましくは10〜40℃、更に好ましくは10〜30℃で行うことが適当である。この温度範囲になるように、冷風の温度と風量を設定する。温度が5℃よりも低い場合には、結露が発生し易くなり、好ましくない。一方、温度が50℃よりも高くなると、逆に粉砕機への付着が生じ易くなり、好ましくない。
【0067】
▲5▼処理時間
通常、1〜30秒、好ましくは3〜30秒である。
▲6▼スクリーン孔径
一般に、被粉砕物(砕料)の粉砕性と所望の粒子径によって設定する。通常、洗剤の場合、所望平均粒子径の3.0〜30.0倍、好ましくは4.0〜25.0倍の孔径のスクリーンを使用できる。平均粒子径500μmの洗剤粒子を得ようとした場合、1.5〜15mmの孔径のスクリーンを砕料の大きさによって選定して使用すればよい。
【0068】
▲7▼多段破砕
高嵩密度洗剤の多段破砕における破砕能力は、破砕機が直列に接続されるため、大能力で且つ各段共通となるようにすることが好ましい。これを実現するためには、スクリーン穴径の選定により得られる破砕機入口、出口の平均粒子径の比に最適な値があることが見出された。破砕処理開始時の平均粒子径と所望する破砕造粒物の平均粒子径とが設定されると、これに従っておのずと破砕段数が決定される。そのとき、スクリーン穴径と得られる破砕物の平均粒子径との関係を予め予測できれば、更に効果的である。
【0069】
また、大きい粒子径では粉体表面積が小さく破砕機にかかる負荷も小さいので、入口−出口での平均粒子径の比が広くとれる。そこで、多段破砕に際しては、上段の破砕機で可能な限り破砕粒径を小さくすることが望ましい。 多段破砕に際しては、各段毎の破砕機の排出口に篩を設け、所望程度の破砕物のみを次段の破砕機に供給することもできるが、篩の目詰まり、系の複雑化、据付面積の増加の点で不利である。そこで、1段目の破砕機からの排出物(破砕物)をそのまま2段目(更には順次3段目以降)の破砕機に供給する直結型が好ましい。
【0070】
破砕品性状は、破砕造粒物の平均粒子径は300〜1500μmが良好で、好ましくは500〜1000μmである。粒径が大きいと洗濯中での溶解性が遅くなり、布付着、洗浄力低下の問題が生じ、逆に小さいと微粉の増加による発塵量の増大と破砕収率の低下、流動性の悪化につながる。
【0071】
攪拌造粒で攪拌造粒装置としては、攪拌羽根を備えた攪拌軸を内部の中心に有し、攪拌羽根が回転する際に攪拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造であることが重要である。平均クリアランスは1〜30mmが好ましい。
【0072】
この様な構造を有する攪拌型混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー〔三井三池化工機(株)製〕、ハイスピードミキサー〔深江工業(株)製〕、バーチカルグラニュレーター〔(株)パウレック製〕等の装置があり、特に好ましくは横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取付けて粉末の混合を行う形式のミキサーであり、例えば、レディゲミキサー〔(株)マツボー製〕、ブロシェアミキサー〔太平洋機工(株)製〕がある。
【0073】
クリアランスの平均としては、1〜30mm、好ましくは3〜10mm。1mm未満では付着層により、混合機が過動力となり易い。30mmを超えると圧密化の効率が低下するため粒度分布がブロードになる。また造粒時間が長くなり生産性が低下する。
【0074】
造粒条件をあげると、下記のとおりである。
▲1▼フルード数(Fr数)
下記数式で定義されるフルード数が1〜4であることが好ましく、更に好ましくは1.2〜3である。フルード数が1未満では圧密化が促進されず好ましくない。また4を超えると粒度分布が広くなり好ましくない。
Fr=V/(R×g)0.5
V:攪拌羽根の先端の周速〔m/s〕
R:攪拌羽根の回転半径〔m〕
g:重力加速度〔m/s
【0075】
▲2▼造粒時間
好適な造粒物を得るための回分式の造粒における造粒時間、及び連続式の造粒における平均滞留時間は、0.5〜20分が好ましく、更に好ましくは3〜10分である。尚、0.5分未満では造粒時間が短すぎて好適な平均粒子径及び嵩密度を得るための造粒制御が困難であり、粒度分布がブロードになる。一方、20分を超えると造粒時間が長すぎて生産性が低下する。
【0076】
▲3▼洗剤原料の充填率
洗剤原料の造粒機への充填率(仕込み量)は、混合機の全内容積の70容量%以下が好ましく、更に好ましくは15〜40容量%である。尚、70容量%を超えると混合機内での洗剤原料の混合効率が低下するため好適な造粒を行うことができない。
【0077】
▲4▼温度
造粒機は、ジャケットを備えた構造が好ましく、ジャケットに通液する媒体の温度は、5〜40℃が好ましく、更に好ましくは10〜20℃である。この温度範囲にすることにより、好適な造粒物を得るための造粒時間が短くなり生産性が向上し、粒度分布がシャープになる。また、洗剤原料のうち粉体原料は常温で、ノニオン活性剤は溶融している温度で供給すればよく、混合機内の温度は特に制御する必要はない。尚、造粒物の温度は、供給原料の温度、攪拌熱等により通常30〜60℃である。
【0078】
▲5▼添加剤
造粒時に造粒を促進するために、バインダーを添加してもよい。バインダーの例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダの如きポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー溶液、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等のノニオン性物質、脂肪酸、珪酸ソーダ水溶液、水等を挙げることができる。バインダーの配合量は混合物又は造粒物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、特に0.5〜5質量部であることがより好ましい
【0079】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら制限されるものではない。
【0080】
本実施例において用いた原料を略号とともに以下に示す。
【0081】
「α−SF」:下記製造方法によって得られた、C14−16アルキル鎖をもつアルファスルホ脂肪酸ナトリウム(純分65.6%とその他、メチルサルフェート3.28%、硫酸ナトリウム1.31%、アルファスルホ脂肪酸ナトリウムのジ塩3.08%、メタノール1.51%、未反応メチルエステル1.21%、水24.01%)、但し、このアルファスルホ脂肪酸ナトリウムは洗剤組成物の製造工程中で7%相当分が、さらに洗剤組成物の長期保存において25%相当分がアルファスルホ脂肪酸ナトリウムのジ塩に変化することがある。
(製造方法)
薄膜式反応装置(単管式、内径=10mm、リアクター長さ=2.5m)により原料化合物としてミリスチン酸メチル(ライオン(株)製、パステルM−14)とパルミチン酸メチル(ライオン(株)製、パステルM−16)を質量比で2:8で混合した脂肪酸メチルエステル(ヨウ素価0.40、分子量264)を用い、SOガス系設備としては液体SOを用い、希釈ガスとしては窒素ガスを用い8%SO含有不活性ガスとし、反応モル比(SO/メチルエステル)=1.2でガス吸収反応を薄膜式反応装置で行い、気液分離後、80℃、60分熟成反応を行い反応率=97%のスルホン酸を得た。次いでメタノール20質量%対スルホン酸、35%過酸化水素水(過酸化水素純分として2%対スルホン酸)を添加、均一混合後、80℃−180分漂白反応を行った。次いで水酸化ナトリウム水溶液により中和反応を行い47%濃度(界面活性剤濃度)の中和物を得、リサイクルフラッシュ濃縮によりメタノール(後工程で精留により再利用)、水を蒸発させ65.6%濃度(界面活性剤濃度)の濃縮中和物を得た。色調(5質量%エタノール溶液を40mm光路長、No.42ブルーフィルターを用いてクレット光電光度計で測定)は30であった。
【0082】
「石鹸」:パルミチン酸ナトリウムとオレイン酸ナトリウムとTMD(C1020のエステル系化合物)の1:3:1(質量比)の混合物。
40〜60℃の脂肪酸メチルエステル(パステルM−C*O、ライオンオレオケミカル(株)製)1576kg/h、40〜60℃の48%NaOH水溶液445kg/h、水(ライオン千葉工場中水)336kg/hを連続的にミキシングポンプに導入し、シェル&チューブ型補熱器、及び予熱器で110〜130℃に保ちながら、9〜10分間鹸化反応を進行させた(反応率99.5〜99.8%)。次いで、塔頂圧0.2〜0.6kPa、塔頂温度98〜100℃にしたフラッシュ蒸発装置に導入し、滞留時間40分で反応生成物であるメタノールを蒸発させた。最後にメタノールを取り除いた石鹸をパドル型撹拌羽根を有する撹拌槽に導入し、滞留時間140分で撹拌しながら98℃に保ちつつ80℃温水を添加して、石鹸濃度が66〜67%になるように濃度調整を行った。
こうして得られた石鹸は、AIが66〜67%であり、不純物として、約0.01%の脂肪酸、約0.2%の未反応脂肪酸エステル、約0.2%のNaOH、約0.4%のメタノールを含む。
【0083】
「AAO」:CH(CH)11〜12O(CHCHO)15H(ライオン化学(株)製)
4リットルのオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)社製)中にダイヤドール13(三菱化学(株)社製)400g及び30%NaOH水溶液2.3gを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した(途中、温度100℃で30分間脱水をする)。次いで、温度を180℃、圧力を300kPaに維持しながらエチレンオキサイド(EO:三菱化学(株)社製)1320g(平均付加モル数:15)を導入し、ダイヤドール13とEOとの反応を行った。最後に30分熟成し、ノニオン界面活性剤を得た。ノニオン界面活性剤中の不純物はPEG約2.0%、未反応アルコール約0.7%であった。
【0084】
「AAEP15030」:CH(CH)11〜12O(CHCHO)15(CHCHCHO)H(ライオン化学(株)製)
4リットルのオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)社製)中にダイヤドール13(三菱化学(株)社製)400g及び30%NaOH水溶液2.3gを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した(途中、温度100℃で30分間脱水をする)。次いで、温度を180℃、圧力を3atmに維持しながらエチレンオキサイド(EO:三菱化学(株)社製)1320g(平均付加モル数:15)を導入し、ダイヤドール13とEOとの反応を行い、30分熟成した。その後反応液を温度120℃まで冷却し、温度120℃圧力300kPaを維持しながらプロピレンオキサイド(PO:旭硝子(株)社製)350g(平均付加モル数:3)を導入し、反応を行なった。最後に30分熟成し、ノニオン界面活性剤を得た。ノニオン界面活性剤中の不純物はPEG約2.0%、未反応アルコール約0.7%であった。
【0085】
「MEE(C12EO)」:CH(CH10CO(OCHCHOCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C12EO12)」:CH(CH)10CO(OCHCH12OCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C12EO15)」:CH(CH)10CO(OCHCH15OCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C16EO)」:CH(CH)14CO(OCHCHOCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C16EO12)」:CH(CH)14CO(OCHCH12OCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C16EO15)」:CH(CH)14CO(OCHCH15OCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C180/181=10/90EO)」:(CH(CH)16CO/C1733=10/90)(OCHCHOCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C180/181=10/90EO12)」:(CH(CH)16CO/C1733=10/90)(OCHCH12OCH(ライオン化学(株)製)
「MEE(C180/181=10/90EO15)」:(CH(CH)16CO/C1733=10/90)(OCHCH15OCH(ライオン化学(株)製)
前記MEEは、次のように製造された。C12EOを例に説明する。
(製造方法)
4リットルのオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)社製)中にパステルM−12(ライオンオレオケミカル(株)社製)400g及び触媒(マグネシウム・アルミニウム・マンガンの複合水酸化物を窒素雰囲気下800℃で3時間熟成し、Mg/Al/Mnの複合酸化物にせしめたもの)1.2gと40%KOH水溶液0.12gを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した(途中、温度100℃で30分間脱水をする)。次いで、温度を180℃、圧力を300kPaに維持しながらエチレンオキサイド(EO:三菱化学(株)社製)696g(平均付加モル数:15)を導入し、パステルM−12とEOとの反応を行った。最後に30分熟成し、ノニオン界面活性剤を得た。ノニオン界面活性剤中の不純物はPEG約2.0%、未反応メチルエステル約1.0%であった。その他のMEEは使用原料(パステル)、導入するエチレンオキサイドを変更して同様に製造される。下記表1にまとめた。
【0086】
【表1】
Figure 0005143987
(*1)パステルM−12、パステルM−16、パステルM−181は全てライオンオレオケミカル(株)製、全て400g反応させた。
【0087】
「PEG#1500」:平均分子量が1500であるポリエチレングリコール(ライオン化学(株))
「LAS」:C10〜C14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライボン LH−200、ライオン(株)製)
【0088】
「AOS−K」:下記の製造方法によって得られた、炭素数14:16:18=15:50:35のα−オレフィンスルホン酸カリウムとヒドロキシアルキルスルホン酸カリウムの混合物(純分70%、αオレフィンスルホン酸カリウム:ヒドロキシアルキルスルホン酸カリウムの比率は7:3、残部は未反応α-オレフィン、硫酸ナトリウム、サルトン、水酸化ナトリウム、水など)
(製造方法)
25℃のα―オレフィン(ダイアレン148、三菱化学(株)製)を970kg/hrの能力で連続的にTOリアクター(TO−500、ライオン(株)製、フィルム型反応器)内に投入し、内部でSOガスと接触させることでスルホン化反応を行い、約35℃のα−オレフィンスルホン酸と不純物(主にサルトン)を含むスルホン化物を得た。このスルホン化物1370kg/hrに対し苛性カリ630kg/hr(水分52%水溶液)を添加して中和反応を行い、不純物を含むα−オレフィンスルホン酸カリウムを得た。この不純物中のサルトンを加水分解させるためシェルアンドチューブ型熱交換器を通して温度を140℃まで加熱、更に、反応蛇管中に1.4MPaのスチームを通して170℃に保ち、加水分解を促進させた。その後、圧力1MPaでフラッシュ濃縮・脱水を行い、水分を約27%にした。
こうして得られたAOS−Kの純分は通常66〜74%で、主成分はα−オレフィンスルホン酸カリウム(約70%)とヒドロキシアルキルスルホン酸カリウム(約30%)から成り、カラーは(10%溶液LK値)70、遊離アルカリ分(KOH)1.8%(対AOS−K純分)である。
【0089】
「微粉ゼオライト」:4A型ゼオライト、平均粒子径3μm(水沢化学(株)製)
「顆粒ゼオライト」:4A型ゼオライト、平均粒子径200μm(韓国・コスモ製)
「ゼオライトスラリー」:4A型ゼオライト水溶液、水分47%(日本化学(株)製)
「炭酸カリウム」:食添グレード(旭硝子(株)製)
「亜硫酸ナトリウム」:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
「炭酸ナトリウム」:粒灰(旭硝子(株)製)
「MA剤」:アクリル酸−マレイン酸共重合物、アクアリックTL−400(日本触媒製)
「CMC」:カルボキシメチルセルロース(CMCダイセル1360、ダイセル化学工業製)
「PAA」:ポリアクリル酸、ジュンロンPW150(日本純薬製)
【0090】
〔実施例1〜17及び比較例1〜5〕
表2〜表5に示した組成の通りに配合槽(D=0.60m、H=0.70m)に配合し、下記方法により温度75℃でのB型粘度、並びにAsh凝集率を測定した。なお、配合時間は30〜40分間であった。
結果を表2〜表5に併記する。
【0091】
<Ash凝集率の測定方法>
32Mesh(目開き:500μm)の篩(TOKYO SCREEN製、JIS Z 8801)を用意した。スラリーを500g程入れて振るった後、MeOHで洗いながら、はけを用いて有機成分を洗い流した。その後、ドライヤーと80℃の恒温槽で乾燥させた後、篩の質量を量りとり、空の篩の重さとの差し引きによって、下記式からAsh凝集率を計算した。Ash凝集率(%)は篩に入れたスラリーに対するAsh凝集量の割合である。
Y=(X−W)×100/Z
(但し、Yは凝集率、Xは乾燥後のスラリーと篩の質量、Wは空の篩の質量、Zは篩にかけたスラリーの質量をそれぞれ示す)
【0092】
<粘度の測定方法>
B8H型粘度計((株)東京計器製)を使用して測定した。使用ローター:No.4、回転数20rpmである。
【0093】
【表2】
スラリー組成・性状
Figure 0005143987
【0094】
【表3】
スラリー組成・性状
Figure 0005143987
【0095】
【表4】
スラリー組成・性状
Figure 0005143987
【0096】
なお、表2〜表4において、「水溶性高分子」をCMC、PEG#1500、PAAに代えても同様の結果を得た。また、「α‐SF」をAOS−K、LAS−Naに代えても同様の結果を得た。更に、「AAO」並びに「C12EO12」をC12EO15、C16EO12、C16EO15、C180/181=10/90EO12、C180/181=10/90EO15の「MEE」に代えても同様の結果を得た。
【0097】
【表5】
スラリー組成・性状
Figure 0005143987
【0098】
なお、表5において、「水溶性高分子」をCMC、PEG#1500、PAAに代えても同様の結果が得られた。また、「α‐SF」をAOS−K、LAS−Naに代えても同様の結果が得られた。更に、「AAO」をC12EO12、C12EO15、C16EO12、C16EO15、C180/181=10/90EO12、C180/181=10/90EO15の「MEE」、「AAEP15030」に代えても同様の結果が得られた。
【0099】
次いで、該洗剤スラリーを、向流式噴霧乾燥塔(塔径:2m、有効長5m)を用い、加圧ノズル方式で噴霧圧力0.3MPa、熱風温度260℃(熱風出口温度90℃)で、乾燥品水分5%となるように乾燥した。噴霧乾燥品は平均粒子径400μm、嵩密度0.35g/ml、安息角45°と流動性も良好であった。
【0100】
(なお、・スラリー水分:35〜50%でも乾燥品製造可能
・スラリー温度:50〜80℃でも乾燥品製造可能
・熱風温度:200〜300℃でも乾燥品製造可能
・微粒化方式:2流体ノズル方式、高速回転円盤方式でも乾燥品製造可能
・噴霧圧力:0.2〜0.4MPaでも乾燥品製造可能
・乾燥品水分:2〜10%でも造粒可能
・乾燥品平均粒子径:150〜500μmでも造粒可能
・嵩密度:0.10〜0.50g/mlでも造粒可能
・安息角:30〜60°でも造粒可能である。)
【0101】
〔実施例18〜35及び比較例6〜11〕
こうして得られた乾燥粉を表6〜表11で示される組成で連続ニーダー(栗本鉄工所製、KRCニーダー4型)に導入し緻密で均一な捏和物を得た。
捏和能力177kg/hr、捏和温度60℃の条件で均質化を行った(回転数:134rpm)。均質化した捏和物を連続的にペレッターダブル(EXD−100型(不二パウダル(株)製))に供給し、10mmφのダイス(ダイス厚み:10mm)から押出すと同時に切断し(ペレッター(カッター)周速:5m/s)、ペレット状固形物(ペレット寸法:直径10mmφ、長さ20mm)とした。この時、ペレッターダイスに掛かる圧力は0.93MPaであった。
【0102】
次いで、得られたペレット固形物と粉砕助剤である8kg/hrのゼオライト造粒物(平均粒子径:100μm)を固気2相流としてフィッツミル(DKASO−6型(ホソカワミクロン(株)製))に導入し、平均粒子径が500μmとなるよう(回転解砕刃周速:30m/s、風(気)とペレット(固)の比率(気/固)=2.3m/kg)に3段で連続的に粉砕した(1段目スクリーン径6mmφ、回転数1880rpm、2段目スクリーン径4mmφ、回転数2350rpm、3段目スクリーン径2mmφ、回転数3760mmφ)。この時の気相の温度は16℃で、粉体の温度は25℃であった。
その後、得られた造粒物に最終組成の1%ゼオライト及び1%非イオン性界面活性剤を転動式回転ドラム中で混合(水平円筒型転動造粒機(直径:60cm、高さ:48cm)、混合攪拌時間:2min(フルード数:0.14))操作を行った。
下記方法により、粉砕機付着、T90及び溶解性を評価した。結果を表6〜表11に示す。
【0103】
<粉砕機付着の測定>
5分間粉砕後、粉砕機に付着した量を計り取り、以下の式に代入して算出し、下記基準で評価した。
粉砕機付着率(%)=100×付着量/フィード量
<評価基準>
◎:0%≦付着率≦0.03%
○:0.03%≦付着率<0.05%
△:0.05%≦付着率<0.1%
×:0.1%<付着率
【0104】
<T90の測定方法>
5℃の水道水を入れた3リットルのビーカーに定速攪拌機(東京理化機器株式会社製MAZELA Z−1300)と伝導度計(東亜科学株式会社製、pH/EC METERWM−50EG)をセットした。
洗剤粒子(710〜1000μm)0.5gを用意し、ビーカー中で攪拌(250rpm)しながら伝導度を測定した。伝導度が一定になった時間を完全に溶解した時間として、伝導度から90%溶解した時間を計算によって算出した。
【0105】
<溶解性の測定>
槽式洗濯機(三菱電機製;CW−225)に10℃の水道水30リットルを用意し、紺綿肌シャツ2枚・黒アクリルセーター2枚・黒ナイロンストリップ2枚及びチャージ布としての肌シャツ5枚の計1.5kg(浴比20倍)を入れ、被洗布の中央部にくぼみを作り、そこへ洗剤30gを集中的に投入した。洗剤が水に浸されるように2分間静置後、弱水流、洗浄時間5分間で洗浄した。自然排水して1分脱水し、布に付着している洗剤量を目視で下記基準で評価した。
<評価基準>
0点:全く付着無し
1点:極くわずかに付着しているが、すすぎにより良好となるレベル
2点:部分的にやや付着がみられるレベル
3点:布全体にやや多く付着しすすぎ後も不満足なレベル
4点:布全体にかなり多く付着
5点:布全体に激しく付着
【0106】
(なお、・捏和能力:100〜300kg/hrでも製造可能
・捏和温度:40〜80℃でも製造可能。
・回転数:100〜150rpmでも製造可能
・ダイス径は:0.3〜50mmφでも製造可能
・ダイス厚み:5〜50mmでも製造可能
・ペレット寸法:直径0.3〜50mmφ、長さ0.5〜100mm
・ペレッタ―周速:1〜10m/sでも製造可能
・ペレッターダイスに掛かる圧力:0.5〜1.5MPaでも製造可能
・粉砕助剤:20〜200μmでも製造可能
・粉砕助剤:2〜18kg/hrでも製造可能
・平均粒子径を300〜1000μmにすることも可能
・回転解砕刃周速は20〜60m/sでも製造可能
・気/固=1.0〜5m/kgでも製造可能
・送風温度:10〜40℃でも製造可能
・混合攪拌時間:0.5〜5minでも製造可能である。)
【0107】
【表6】
Figure 0005143987
【0108】
【表7】
Figure 0005143987
【0109】
【表8】
Figure 0005143987
【0110】
【表9】
Figure 0005143987
なお、表7〜表9において、実施例6〜17の乾燥粉を用いても造粒可能であった。また、「AAO」をC12EO、C12EO12、C 6EO、C EO15、C16EO12、C16EO15、C180/181=10/90EO12、C180/181=10/90EO、C180/181=10/90EO15の「MEE」、「AAEP15030」に代えても同様の結果を得た。
【0111】
【表10】
Figure 0005143987
【0112】
【表11】
Figure 0005143987
【0113】
なお、表10,11において、比較例2〜5の乾燥粉を用いても同様の結果を得た。また、「AAO」をC12EO、C12EO12、C12EO15、C16EO12、C16EO15、C180/181=10/90EO、C180/181=10/90EO12、C180/181=10/90EO15の「MEE」、「AAEP15030」に代えても同様の結果を得た。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、石鹸主体の洗剤スラリー粘度が低く、かつ、炭酸ナトリウムの凝集しない安定性の良好な洗剤スラリーを得ることができ、工業的に高い生産性で高品質な粉末洗剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の攪拌混合装置の一例を示す概略図である。

Claims (3)

  1. 洗剤スラリーを噴霧乾燥する工程を含み、
    前記洗剤スラリーが、(A)脂肪酸石鹸と、(B)炭酸ナトリウムと、(C)水溶性高分子と、(D)スルホネート型アニオン界面活性剤及び/又はアルキレンオキサイドの平均付加モル数が12以上のエーテル型又はエステル型ノニオン界面活性剤とを含有し、
    前記(A)成分+(D)成分が8質量%〜60質量%であり、かつ、前記(A)成分/(D)成分が100/1〜100/18(質量比)であり、
    前記(C)成分の含有量が、0.2質量%〜1質量%であり、
    前記洗剤スラリーの水分が、30質量%〜50質量%であることを特徴とする粉末洗剤の製造方法。
  2. (C)水溶性高分子が、アクリル酸、メタクリル酸又はイタコン酸のホモポリマー及びコポリマー、並びに、アクリル酸、メタクリル酸、又はイタコン酸とマレイン酸とのコポリマーのいずれかである請求項1に記載の粉末洗剤の製造方法。
  3. 噴霧乾燥後、更に非石鹸系界面活性剤及び洗剤ビルダーと共に造粒する請求項1からのいずれかに記載の粉末洗剤の製造方法。
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