JP4828058B2 - 洗剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤の製造方法に関し、さらに詳しくはアニオン界面活性剤と水を含む界面活性剤スラリーを濃縮した濃縮物を成形して得られる、例えば粒状洗剤、好ましくは高嵩密度粒状洗剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、衣料用粒状洗剤は、いわゆるコンパクト洗剤と言われる高嵩密度のものが主流となっている。
この様な高嵩密度の粒状洗剤は、例えば原料をスルホン化、あるいは硫酸化して得られた反応物を、アルカリ水溶液で中和して得られる、アニオン界面活性剤と水などを含む界面活性剤スラリーを造粒することによって製造する。
また、高嵩密度の粒状洗剤を製造するためには、界面活性剤スラリー中のアニオン界面活性剤濃度はできるだけ高い方が望ましく、さらにはこの界面活性剤スラリー中の水分を蒸発させ、ある程度界面活性剤濃度を高めた状態で造粒する事が好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、界面活性剤スラリー中の水分を蒸発させる操作を行っていると、条件によっては処理対象物の粘度が高くなり、この処理対象物が装置に付着したり、装置から排出することができなくなったり、移送に用いる配管を閉塞して、連続運転ができなくなるなどの不都合を生じる場合があった。また、この様に粘度が上昇しはじめると、水分の蒸発速度が極端に低下し、製造効率が低下するなどの問題も生じた。
特開平10−88197号公報には、アニオン界面活性剤含有水溶液を水分10〜19質量%に予備濃縮した後、真空回転薄膜蒸発装置を用いて水分10質量%未満の濃縮物とし、冷却後に必要に応じて粉砕し、粉体とする高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法が開示されている。
この方法は、水分10〜19質量%を境に、これよりも水分濃度が高い領域(恒率乾燥速度領域)においては水分が蒸発しやすく、これよりも水分濃度が低い領域(減率乾燥速度領域)においては水分が蒸発しにくくなることを見い出し、前記恒率乾燥速度領域においては、装置上消費動力の少ない真空フラッシュ蒸発などにより、充分に蒸発を行い、前記減率乾燥速度領域においては、強制的に表面撹拌を行うシンク回転薄膜式蒸発装置を用いて乾燥することにより、できるだけアニオン界面活性剤含有水溶液(界面活性剤スラリー)の効率的な濃縮を行うものである。
【0004】
しかしながら、この方法においては、水分10〜19質量%まで一段階で濃縮を行うために、大きな濃縮装置が必要となるという問題があった。また、この一段階で濃縮を行うには、温度を高くする必要があり、硫酸化物やスルホン化物が分解したり、無機塩の分離・析出が発生する場合があった。その結果、製品の品質が劣化したり、配管閉塞などが生じ、連続運転が困難となり、生産性の低下を招くなどの問題があった。
さらに、減率乾燥速度領域においては、多大な消費動力を必要とするという問題もあった。また、減率乾燥速度領域後の濃縮物の粘度が高くなり、ハンドリングが困難となる場合があった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑てなされたもので、アニオン界面活性剤と水を含む界面活性剤スラリーを濃縮して得た濃縮物を得る濃縮工程と、該濃縮物を粒状などの製品形態に成形する成形工程とを備えた洗剤の製造方法において、粘度の上昇などによって処理対象物が装置に付着したり、配管を閉塞したりする不都合を生じにくく、界面活性剤スラリーの濃縮、成形工程において、ハンドリング性、成形性を向上させることができる洗剤の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、アニオン界面活性剤と水を含む界面活性剤スラリーを濃縮して濃縮物を得る濃縮工程と、該濃縮物を成形する成形工程とを備えた洗剤の製造方法において、
前記界面活性剤スラリーの粘度が、当該界面活性剤スラリー中の水分濃度の減少に伴って増加し、所定のピークに達した後に減少して第1の低粘度領域に達した後、さらに増加し、所定のピークに達した後に再び減少して第2の低粘度領域に達した後、さらに増加する挙動を示し、
前記濃縮工程が、前記界面活性剤スラリーを、前記第1の低粘度領域の水分濃度まで濃縮して予備濃縮物を得る予備濃縮工程と、該予備濃縮物を前記第2の低粘度領域の水分濃度まで濃縮して本濃縮物を得る本濃縮工程とからなり、
かつ当該濃縮工程を硫酸ナトリウム存在下に行うことを特徴とする洗剤の製造方法である。
第2の発明は、前記第1の発明において、
前記予備濃縮工程を、2〜7.8kg/m2・Hrの蒸発効率を備えた濃縮装置で行い、
前記本濃縮工程を、8〜58kg/m2・Hrの蒸発効率を備えた濃縮装置で行うことを特徴とする洗剤の製造方法である。
第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記濃縮工程において存在する硫酸ナトリウム濃度が、前記界面活性剤スラリー中の0.001〜5質量%に該当することを特徴とする洗剤の製造方法である。
第4の発明は、前記第1〜3のいずれかの発明において、前記本濃縮工程から前記成形工程に移行する際に、前記本濃縮工程後の本濃縮物の温度と、前記成形工程初期の本濃縮物の温度との差が10℃以内であることを特徴とする洗剤の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者らが検討したところ、以下の様な粒状洗剤などに用いられている、原料をスルホン化、あるいは硫酸化して得られるスルホン化物型や硫酸化物型のアニオン界面活性剤と水を含む界面活性剤スラリーは、界面活性剤スラリーから洗剤を製造する際の温度条件である例えば0〜130℃下では、図1に示したグラフの様な特殊な粘度挙動を示すことが判明した。
【0008】
(スルホン化物型や硫酸化物型のアニオン界面活性剤の例)
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(以下、LASと略記する場合がある。)
・α−オレフィンスルホン酸塩(以下、AOSと略記する場合がある。)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(以下、AESと略記する場合がある。)
・α−スルホ脂肪酸エステル塩(以下、α−SFと略記する場合がある。)
・二級アルカンスルホン酸塩(以下、SASと略記する場合がある。)
・アルキル硫酸エステル塩(以下、ASと略記する場合がある。)
・インナーオレフィンスルホン酸塩(以下、IOSと略記する場合がある。)
【0009】
図1に示したグラフは0〜130℃から選択された一定の温度条件下における、界面活性剤スラリー中の水分濃度と、界面活性剤スラリーの粘度の関係を示したものである。
このグラフから判るように、界面活性剤スラリーの粘度は、界面活性剤スラリー中の水分濃度の減少に伴って増加し、所定のピーク(第1の粘度上昇ピーク)に達した後に減少して第1の低粘度領域に達した後、さらに増加し、所定のピーク(第2の粘度上昇ピーク)に達した後に再び減少して第2の低粘度領域に達した後、さらに増加する挙動を示す。
これらのふたつのピークは、実験で求めると、例えばピークの形状ががたついていたりしている場合もあるが、いずれの界面活性剤スラリーにおいても、水分濃度が高く、粘度が低い状態と、第1の低粘度領域との間に実質的に第1のピークが存在し、この第1の低粘度領域と、第2の低粘度領域との間に実質的に第2のピークが存在する。
なお、粘度は、例えばブルックフィールド粘度計によって測定した値である。
【0010】
本発明者らは、この粘度挙動に関する知見を基に本発明を完成させた。
以下、本発明の洗剤の製造方法の一例について説明する。
(1)予備濃縮工程前
本発明においては、原料をスルホン化、硫酸化の一方あるいは両方の反応によって得られた反応物を、アルカリ水溶液で中和し、比較的低粘度の界面活性剤スラリーを調整する。
【0011】
前記原料は、アニオン界面活性剤の原料として通常用いられている油脂誘導体、石化原料、あるいはこれらの混合物であれば特に制限なく用いることができ、その炭素数などは、アニオン界面活性剤に好適なものであれば特に限定するものではない。
具体例として以下の様なものをあげることができる。
油脂誘導体としては、脂肪酸エステル、アルコール、アルコールアルコキシレート、グリセリン及びグリセリン誘導体などである。
石化原料としては、アルキルベンゼン(直鎖型あるいは分枝型)、α−オレフィン、インナーオレフィン、アルコール、アルコールアルコキシレートなどである。
【0012】
脂肪酸エステルは、特に限定されないが、例えば椰子油、パ−ム油、パーム核油等の植物油;獣脂脂肪酸などの動物油;などから得られるものであって、
飽和及び/または不飽和の、脂肪酸残基の炭素鎖長が8〜20、かつエステルのアルキル基の炭素数が1〜5のものなどが好ましい。これらは、1種あるいは2種以上混合して用いることができる。
アルコールとしては、天然油脂及び石化原料誘導体、若しくは合成によって得られる飽和及び/又は不飽和の炭素鎖長8〜20の一級、二級のアルコールなどが好ましい。これらは1種、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
アルコールアルコキシレートは、例えば前記の様に例示したアルコールに、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを、平均付加モル数として0.5〜25モル付加したものなどが好ましい。これらは、1種あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
【0013】
アルキルベンゼンは、炭素鎖長8〜20の直鎖型及び/又は分枝型のアルキルベンゼンなどが好ましい。これらは、1種あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
α−オレフィンは、炭素鎖長8〜20のものが好ましい。これらは1種あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
インナーオレフィンは、α位からω位までに2重結合を持った炭素鎖長8〜20のものなどが好ましい。これらは、1種あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
【0014】
なお、スルホン化物あるいは硫酸化物には、未反応の原料、その他の副成物などが含まれる。
例えばα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を製造するにあたっては、α−スルホ脂肪酸ジ塩が副成物として含まれる。この副生物は中和時に添加するアルカリの濃度を適正化することにより減少させることができる。
また、例えばα−オレフィンスルホン酸塩は、以下の様な化学式(この例でなナトリウム塩)で示される。これはいわゆるアルケニル型と呼ばれている。
【化1】
そして、α−オレフィンのスルホン化反応を行うと、副生物として環状化合物ができる。この環状化合物は、スルホン化と中和の後、加水分解して開環させてアルケニル型にすると好ましい。このとき、上記のアルケニル型のα−オレフィンスルホン酸塩のスルホン酸にH2Oが付加した、以下の化学式で示されるヒドロキシ型が副生物として生成する。
【化2】
この加水分解時に若干過剰(スルホン酸と同等量以上)のアルカリを同伴させるとこのヒロドキシ型などの副生物の減少の点から好ましい。そのため中和時のアルカリは、若干多く添加すると好ましい。
なお、インナーオレフィンスルホン酸塩の製造においてもこの様な加水分解を行って副生物を減少させる工程を行うと好ましく、このときアルカリを同伴させると副生物の減少の点から好ましい。
【0015】
また、スルホン化、硫酸化の反応率は、例えば93%以上、好ましくは95%以上とされる。93%未満ではアルカリ界面活性剤の有効成分量が減少する。
一方反応率は99.9%以下、好ましくは99.8%以下とされる。これをこえると過剰なスルホン化剤あるいは硫酸化剤(一般にはSO3ガス)を多量に投入しなければならなくなるため、スルホン化物や硫酸化物の色調が劣化しやすくなるおそれがある。
【0016】
スルホン化あるいは硫酸化に用いる装置は特に限定するものではなく、例えば気−液反応装置である、フィルム連続式、回分式など公知の装置を使用することができる。これらの装置は単独で用いることもできるし、2種類以上の装置を併用することもできる。
また、スルホン化剤、硫酸化剤や、反応条件などは、原料に応じて公知のものを適用することができる。
なお、特に限定するものではないが、反応温度は副生物の減少および製品の色調向上の点から30〜100℃、好ましくは40〜85℃とされる。
また、フィルム連続式の場合の反応時間は1秒〜30分、回分式の場合は30〜120分とされるが特に限定するものではない。
また、スルホン化剤、硫酸化剤は、上述の反応率と反応物の色調の点から、原料モル数に対して0.95〜1.5倍モル用いられる。
【0017】
また、中和の際に用いる装置としては、例えば、連続的混合中和装置、回分式中和装置などをあげることができる。これらの装置はクローズド式であってもオープン式であってもよい。また、これらの装置は単独で使用することもできるし、2種以上の装置を併用することもできる。また、中和に用いるアルカリ水溶液の種類や濃度などは特に限定せず、公知のものを適用することができる。
【0018】
予備濃縮工程を行う前の界面活性剤スラリー中の水分濃度は界面活性剤の種類によっても異なるが32〜50質量%、好ましくは34〜48質量%とされる。32質量%未満では粘度が増加し、50質量%をこえると予備濃縮工程の負担が増加し、多大な設備が必要とされるおそれがある。
界面活性剤スラリーの粘度は、例えばブルックフィールド粘度計を用いて30〜70℃の温度条件下で測定した場合、0.3〜30Pa・S、好ましくは0.8〜20Pa・Sである。
スルホン化、硫酸化を行った後にアルカリ水溶液で中和した後の界面活性剤スラリー中の水分濃度が、この範囲を満足するように、アルカリ水溶液の濃度や、添加量を調整すると好ましい。なお、界面活性剤スラリーの水分濃度が50質量%をこえる場合は、フラッシュ蒸留装置などを用いた適当な方法で濃縮したり、32質量%未満の場合は、水を加えるなどして、調整すると好ましい。
【0019】
また、濃縮工程の粘度低下のために、必要に応じて予備濃縮前の界面活性剤スラリーに、硫酸ナトリムを添加することができる。硫酸ナトリウムは、例えば 20〜30質量%程度の水溶液として添加すると好ましい。
硫酸ナトリウムの量は、好ましくは予備濃縮工程前の界面活性剤スラリー中の濃度が、0.001〜5質量%、さらに好ましくは0.005〜4質量%になる様に調整される。0.001質量%未満では粘度低下の効果が得られず、5質量%をこえると予備濃縮工程において、硫酸ナトリウムが析出し、配管閉塞などを引き起こし、連続生産ができなくなるおそれがある。
なお、スルホン化、あるいは硫酸化を行う場合に、原料に対して過剰のスルホン化ガスなどを用いると、硫酸が副生する。そこで、ナトリウムを含むアルカリ水溶液で中和すると、必然的に硫酸ナトリウムが界面活性剤スラリー中に含まれる。この様な場合には、敢えて硫酸ナトリムを添加する必要はないが、原料に対して等モルのスルホン化ガスなどを用いた場合には、界面活性剤スラリーに、新たに硫酸ナトリウムを添加すると好ましい。
【0020】
また、硫酸ナトリウムにかえて、亜硫酸ナトリウムを添加することもできる。
亜硫酸ナトリウムは20〜27質量%程度の濃度の水溶液の形態で添加すると好ましい。
亜硫酸ナトリウムは好ましくは、濃縮工程前に配合しておくと、濃縮工程までの間、あるいは濃縮工程途中に硫酸ナトリウムに変化する。そのため、予備濃縮工程と本濃縮工程を、実質的には硫酸ナトリウム存在下で行うことができる。
また、亜硫酸ナトリウムを粘度低下に必要な量よりも過剰に添加しておくと、アニオン界面活性剤の酸化分解を抑制するという効果も得られる。
【0021】
具体的な配合量としては予備濃縮前の界面活性剤スラリー中の亜硫酸ナトリウム濃度が5質量%以下で、好ましくは3質量%以下、実質的には効果の点から0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上とされる。5質量%をこえると、硫酸ナトリウムの析出によって配管閉塞などが生じるおそれがある。
また、亜硫酸ナトリウムは、スルホン化、または硫酸化を行うときに原料に添加したり、スルホン化物や硫酸化物をアルカリで中和するときに添加すると好ましく、特に好ましくは中和工程以降の界面活性剤スラリーの増粘抑制のため、中和の際に添加する。
【0022】
また、予備濃縮前の適度な水分濃度に調整された界面活性剤スラリーに、予備濃縮装置に送る移送ポンプなどを利用して、亜硫酸ナトリウムの水溶液を添加、分散させる方法を適用すると、亜硫酸ナトリウムが過度に分解するのを防ぐことができる。 また、より均一に混合することもできる。亜硫酸ナトリウムが濃縮工程前に過度に分解して硫酸ナトリウムになりすぎると、酸化防止効果が低下するためである。
【0023】
なお、界面活性剤スラリーには、アニオン界面活性剤と水以外の成分を配合することもできる。
例えば、アクリル酸系ポリマー;セルロースエーテル;糖類;カルボキシメチルセルロース;アニオン界面活性剤の酸前駆体;糖系活性剤;カチオン性界面活性剤;両性活性剤などを配合すると、予備濃縮物、本濃縮物の物性を改質し、粘度の減少や飛沫同伴防止などの効果を得ることができる場合がある。
これらの濃縮物の物性改質剤は界面活性剤スラリーに添加する他、予備濃縮物や本濃縮物に添加することもできるが、混合されやすい様に、界面活性剤スラリーや、予備濃縮物に配合すると好ましい。
また、予備濃縮物、本濃縮物の物性改質剤として上記以外の物質を配合することができ、特に非イオン界面活性剤は本濃縮時の蒸発効率の向上の効果があり、好ましい。
なお、界面活性剤スラリーについて、必要に応じて過酸化水素水溶液などを用いて漂白を行った後に、予備濃縮工程に移行するこもできる。
【0024】
(2)予備濃縮工程
そして、前記界面活性剤スラリーを、図1に示した第1の低粘度領域になる様に、連続的に予備濃縮して予備濃縮物を得る。
なお、図1に示した第1の低粘度領域の界面活性剤スラリー中の水分濃度は、アニオン界面活性剤の種類などによっても若干異なるが、24〜40質量%、好ましくは24〜40質量%とされる。24質量%未満の場合は、本濃縮工程での濃縮効率が低下するおそれがある。40質量%をこえている状態では、アニオン界面活性剤などの種類によっては未だ第1の粘度上昇ピークをこえていないため、粘度が高く、ハンドリング性が悪化し、本濃縮装置に移送することが困難となるおそれがある。
【0025】
予備濃縮においては、通常、予備濃縮前の界面活性剤スラリー中の水分濃度(基準として100質量%とする)に対し、15〜50質量%、好ましくは15〜35質量%の水分濃度を除去するまで、水分が蒸発せしめられる。すなわち、予備濃縮物中の水分濃度は予備濃縮前の水分濃度の85〜50質量%に該当する。なお、50質量%をこえると、アニオン界面活性剤の種類によっては、第2の粘度上昇ピークにさしかかり、15質量%未満ではアニオン界面活性剤の種類によっては第1の低粘度領域にまで十分に達しておらず、いずれにおいても粘度を十分に低くすることができない。その結果、濃縮効率が低下したり、予備濃縮装置に負荷がかかるようになり不都合となるおそれがある。
適度な量の硫酸ナトリウム存在下の予備濃縮物の粘度は、例えばブルックフィールド粘度計を用いて50〜90℃の温度条件下で測定した場合0.5〜30Pa・s、好ましくは2〜16Pa・sである。
【0026】
なお、界面活性剤スラリーと予備濃縮物、および後述する本濃縮物の水分濃度は、それぞれ適当な粘度になる様に調整されることが好ましい。また、これらの適当な水分濃度は、例えば主成分とするアニオン界面活性剤の種類などによって異なる。したがって、製造条件毎にそれぞれ界面活性剤スラリーの水分濃度と粘度挙動の関係を調べて、ハンドリングが良好な適当な粘度範囲になる様に、これらの水分濃度を調整する必要がある。なお、本明細書に例示した界面活性剤、予備濃縮物、本濃縮物の好ましい水分濃度や、蒸発水分量は、それぞれ重複する範囲があるが、これは、例えばアニオン界面活性剤の種類などによって好ましい範囲が異なることに起因する。よって、当然ながら、同じ製造条件下においては、これら界面活性剤スラリー、予備濃縮物、本濃縮物の好ましい水分濃度が重複することはない。また、例示した数値範囲内であっても、アニオン界面活性剤の種類などによっては好ましい粘度が得られない場合もある。
以下に、アニオン界面活性剤と水からなる界面活性剤スラリーと予備濃縮物の好ましい水分濃度を、アニオン界面活性剤の種類毎に例示する。
・α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリム塩の場合:
界面活性剤スラリーの水分濃度:32.8〜38質量%
予備濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が32.8質量%のとき):24.1〜29.3質量%
予備濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が38質量%のとき):28.5〜34.3質量%
・α−オレフィンスルホン酸カリウム塩の場合:
界面活性剤スラリーの水分濃度:32〜36質量%
予備濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が32質量%のとき):23.4〜28.6質量%
予備濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が36質量%のとき):26.8〜32.4質量%
・ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩の場合:
界面活性剤スラリーの水分濃度:40〜50質量%
予備濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が40質量%のとき):30.2〜36.2質量%
予備濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が50質量%のとき):39.4〜46.0質量%
【0027】
また、予備濃縮装置としては濃縮物の均一、均質化の点から、フラッシュ蒸留装置などが好適である。
また、予備濃縮を行う範囲について、図1に示したグラフを参照すると、界面活性剤スラリーの粘度は、比較的低い領域から出発して、水分の蒸発に伴って上昇し、所定のピーク(第1の粘度上昇ピーク)に達した後、再び低下し、第1の低粘度領域に至るという挙動を示す。
そのため、予備濃縮工程においては、できるだけ速やかにこの第1の粘度上昇ピークを超えさせることにより、低粘度の予備濃縮物が得られる様にすることが好ましい。
ゆっくりと蒸発させすぎると、予備濃縮の途中で、粘度上昇のピーク付近に該当する水分濃度のときに粘度が増加し、ハンドリング性が著しく低下したり、蒸発速度が低下して第1の低粘度領域に移行させることが困難となる場合がある。
速やかに濃縮させた場合であっても一時的に粘度が高い領域を通過するが、その時間が短いため、ハンドリング性に影響することは少ない。
【0028】
この様に界面活性剤スラリーが、速やかに第1の粘度上昇ピークをこえて第1の低粘度領域に至る様にするためには、2〜7.8kg/m2・Hr、好ましくは2〜6.4kg/m2・Hrの蒸発効率を備えた予備濃縮装置を用いると好ましい。
ここで、蒸発効率とは、「濃縮装置において、処理対象物と接触する面積当たり、時間当たりに、蒸発させることができる水分の量」のことである。このとき処理の対象物の粘度は0.5〜80Pa・sの範囲で濃縮が進行することが好ましい。
予備濃縮装置の蒸発効率が高すぎると、硫酸ナトリウムなどが析出し、配管閉塞などの問題が生じるおそれがある。配管閉塞が生じると連続生産ができなくなる。一方、予備濃縮装置の蒸発効率が低すぎると製造効率が低下し、第1の粘度上昇ピークの途中で界面活性剤スラリーが高粘度化し、ハンドリング性が低下したり、水分の蒸発量が極端に低下したりするおそれがある。
【0029】
予備濃縮装置は、特に限定されないが、加圧フラッシュ蒸発装置、減圧フラッシュ蒸発装置などを用いることができる。また、これらの装置は、後述する図2に示した様なリサイクル方式のものを用いることもできるし、ワンパス方式のものを用いることもできる。これらの装置は単独で用いることもできるし、必要に応じて複数種類のものを併用することもできる。中でも、省エネルギーで、連続生産可能なリサイクル加圧フラッシュ蒸発装置が好適である。
予備濃縮工程の温度は70〜140℃、好ましくは90〜130℃とされる。70℃未満では蒸発速度が低下し、140℃をこえるとスルホン化物、硫酸化物の劣化などにより、品質の劣化を招くおそれがある。
また、圧力は、生産性の向上と、品質の劣化の点などから、加圧装置の場合0.049〜0.4MPa、好ましくは0.078〜0.345MPaとされる。減圧装置の場合、0.006〜0.067MPa、好ましくは0.010〜0.060MPaとされる。
【0030】
(3)本濃縮工程
ついで、前記予備濃縮物を、図1に示した第2の低粘度領域まで本濃縮し、本濃縮物を得る。
なお、図1に示した第2の低粘度領域の界面活性剤スラリー中の水分濃度は、アニオン界面活性剤の種類などによっても若干異なるが、10〜23.5質量%、好ましくは10.5〜23.0質量%とされる。10質量%未満では粘度が上昇し、不都合となるおそれがある。23.5質量%をこえている状態では、未だ第2の粘度上昇ピークをこえていないため、粘度が高く、ハンドリング性が悪化し、造粒装置などの成形に用いる装置に付着するなどの不都合を生じるおそれがある。また、特に加水分解を生じやすいアニオン界面活性剤を含む場合には、製品中の水分濃度が多くなりすぎて、これにより、加水分解が進行し、品質の安定性が低下する場がある。
適度な濃度の硫酸ナトリウム存在下の本濃縮物の粘度は、例えばブルックフィールド粘度計を用いて60〜95℃の温度条件下で測定した場合、1.0〜70Pa・s、好ましくは2.0〜60Pa・sである。
【0031】
本濃縮においては、通常、予備濃縮前の界面活性剤スラリー中の水分濃度(基準として100質量%とする)に対し、35〜85質量%、好ましくは35〜80質量%の水分濃度が除去されるまで、水分が蒸発せしめられる。すなわち、本濃縮物中の水分濃度は予備濃縮前の水分濃度の65〜15質量%に該当する。なお、35質量%未満では、アニオン界面活性剤の種類によっては第2の低粘度領域に十分に至っておらず、また85質量%では、再び粘度が上昇しはじめる領域にさしかかるため、いずれにおいても十分に粘度を低くすることができず、不都合である。
【0032】
また、本濃縮工程においても、図1に示したグラフを参照すると、予備濃縮工程と同様に、できるだけ速やかに水分を蒸発させて、一気に第2の粘度上昇ピークを超えさせることにより、第2の低粘度領域の水分濃度の本濃縮物が得られる様にすると好ましい。
ゆっくりと蒸発させすぎると、本濃縮の途中で、粘度上昇のピーク付近に該当する水分濃度のときに粘度が増加し、ハンドリング性が著しく低下したり、蒸発効率が低下するおそれがある。
【0033】
予備濃縮物が、速やかに第2の粘度上昇ピークをこえて第2の低粘度領域に至る様にするためには、8〜58kg/m2・Hr、好ましくは9〜28kg/m2・Hrの蒸発効率を備えた本濃縮装置を用いると好ましい。
8kg/m2・Hr未満では、速やかに蒸発が進行せず、生産性が低下する。また、濃縮時間が長くなるため、アニオン界面活性剤が分解しやすくなるという問題が生じるおそれもある。また、58kg/m2・Hrを越えると、製品中の水分濃度がムラになる、濃縮ムラを生じるため不都合である。
上述の様に、予備濃縮物と同様に、本濃縮物の好ましい水分濃度はアニオン界面活性剤の種類や界面活性剤スラリーの水分濃度によって異なる。
以下に、アニオン界面活性剤と水からなる界面活性剤スラリーと本濃縮物の好ましい水分濃度を、アニオン界面活性剤の種類毎に示す。
界面活性剤スラリーの水分濃度:32.8〜38質量%
本濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が32.8質量%のとき):8.9〜24.1質量%
本濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が38質量%のとき):10.9〜28.5質量%
・α−オレフィンスルホン酸カリウム塩の場合:
界面活性剤スラリーの水分濃度:32〜36質量%
本濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が32質量%のとき):8.6〜23.4質量%
本濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が36質量%のとき):10.1〜26.8質量%
・ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩の場合:
界面活性剤スラリーの水分濃度:40〜50質量%
本濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が40質量%のとき):11.8〜30.2質量%
本濃縮物の水分濃度(界面活性剤スラリーの水分濃度が50質量%のとき):16.7〜39.4質量%
【0034】
本濃縮装置は、特に限定されないが、真空薄膜蒸発装置、フラッシュ濃縮装置、加熱攪拌蒸発装置などが挙げられる。中でも、アニオン界面活性剤の熱劣化を抑制しつつ効率的な水分蒸発を行なうためのあることから、好ましくは真空薄膜蒸発装置である。
薄膜蒸発装置としては、アニオン界面活性剤の劣化の抑制、効率性の点から、例えば、製品名:バイオレータ−(桜製作所製)、製品名:エクセバ(神鋼パンテック社製)、製品名:コントロドライヤー(日立製作所製)などが用いられる。
本濃縮工程の温度は40〜140℃、好ましくは60〜130℃とされる。40度未満では蒸発速度が低く、140℃をこえるとスルホン化物、硫酸化物の劣化などにより、品質の劣化を招くおそれがある。
また、圧力は生産性の向上と、品質の劣化の点などから、0.004〜0.067MPa、好ましくは0.006〜0.060MPaとされる。
【0035】
図2は、界面活性剤スラリーの予備濃縮と本濃縮を行う装置の一例を示したものである。
界面活性剤スラリーを、ライン1からリサイクルライン2に供給すると、熱交換器3を経て加熱された界面活性剤スラリーは、予備濃縮装置4に供給され、予備濃縮される。このとき界面活性剤スラリーから蒸発して除去された水及びその他の揮発成分は、予備濃縮装置4の上方の排出ライン5から除去される。
【0036】
予備濃縮装置4の下方のライン6からは予備濃縮物が排出され、本濃縮装置8にその一部が送られる。一方、本濃縮装置8に送られなかった残りの予備濃縮物は、ライン6から分岐したライン7から、再びリサイクルライン2に戻される。
この様に予備濃縮物の一部をリサイクルしながら予備濃縮することをリサイクル濃縮という。また、予備濃縮装置としてフラッシュ蒸留装置を用いたものは特にリサイクルフラッシュという。リサイクル濃縮を行うことにより予備濃縮工程での増粘防止という効果が得られる。通常は予備濃縮物の2〜40倍量がリサイクルされる。
本濃縮装置8においては本濃縮が行われ、水分がライン9から排出され、本濃縮物はライン10から造粒工程(成形工程)に送られる。
【0037】
(4)成形工程
そして、前記本濃縮物を、粒状、タブレット状、シート状などの各種の形態に成形して、洗剤を得る。
本濃縮物は、造粒などの成形が可能な程度に水分濃度が低減せしめられたペースト状(ドウ状)であり、これを造粒すると、コンパクト洗剤に適した高嵩密度洗剤を得ることができる。
造粒する場合は、本濃縮物を捏和して捏和物を得た後、この捏和物を粉砕する方法と、本濃縮物を攪拌造粒する方法などが挙げられる。
【0038】
捏和、粉砕して造粒する場合、捏和装置として連続式ニーダーを用いる場合は、例えば製品名:KRCニーダー(栗本鉄工所社製)などを挙げることができる。回分式ニーダーを用いる場合は、例えば製品名:縦型ニーダー(DALTON社製)などを挙げることができる。
粉砕機としては、製品名:フィッツミル(ホソカワミクロン社製)、製品名:スピードミル(岡田精工社製)などが挙げられる。
【0039】
また、粉砕時には、粉砕助剤を用いると効率的な粉砕を行うことができ、好ましい。粉砕助剤としては、例えばその効果の点から、平均粒径20μm以下の粒子が好ましい。なお、粉砕助剤は、粉砕初期に添加するのが通常であるが、粉砕初期は、平均粒径が20μmをこえていても、粉砕操作によって徐々にその粒径が減少し、粉砕操作の途中で平均粒径が20μm以下となる様にすると、粉砕物の表面自由エネルギーが効率的に低下し、粉砕のハンドリング性が向上する。
具体的には、ゼオライト、炭酸塩、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
また、粉砕助剤は、添加効果の点から、捏和物100重量部に対して1〜20重量部、さらに好ましくは2〜12重量部用いられる。
【0040】
攪拌造粒を行う場合の装置としては、例えば製品名:レーディゲミキサー(マツボー社製)、製品名:シュギミキサー(パウレック社製)、製品名:ハイスピードミキサー(深江工業社製)などが挙げられる。
【0041】
なお、本濃縮工程から成形工程にはできるだけ速やかに移行することが好ましい。
移行時間は、装置などのトラブルを想定しても、最長7時間以内、通常の生産においては1時間以内、より好ましくは30分以内とされる。
そして、本濃縮工程直後の本濃縮物の温度と、成形工程初期の本濃縮物の温度との差が10℃以内、好ましくは8℃以内に維持される様にすることが好ましい。
【0042】
本濃縮物を一旦冷却したり、水和固体結晶を析出させた後に、再び溶解させて造粒を行うと、得られる造粒物の粉体物性、品質の劣化、造粒物の装置付着などの製造時の粉体トラブルが発生する傾向が高まる。
その理由は明らかではないが、本濃縮物を放置すると、アニオン界面活性剤の水和状態(結晶状態)が変化し、これが成型品(造粒物)の物性に影響するものと考えられる。
したがって、上述の様に、本濃縮物の温度差が10℃以内である様に速やかに成形工程に移行すれば、アニオン界面活性剤の液晶状態は変化せず、良好な物性を備えた製品を得ることができる。
【0043】
成形工程の処理温度は45〜88℃、好ましくは50〜84℃とされる。なお、成形工程の後に他の成分と混合する工程を行う場合も、同様の温度条件で行うと好ましい。
また、得られる成形品中の水分は3〜12質量%とされる。
また、例えば高嵩密度粒状洗剤を製造する場合には、造粒物の平均粒径は200〜1000μm、好ましくは250〜800μmとされる。200μm未満では、造粒品の流動性などの粉体物性が不足し、1000μmをこえると水に対する溶解性などが低下するおそれがある。嵩密度は0.35〜1.0g/cc、好ましくは0.5〜0.95g/ccとされる。 0.35g/cc未満ではコンパクト洗剤として不都合であり、1.0g/ccをこえると水に対する溶解性などが低下するおそれがある。
【0044】
なお、成形工程においては、以下の様な、洗剤に配合されている無機成分、有機成分などを添加することができる。
【0045】
(無機成分)
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウムナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩;
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩;
A型、P型、X型等のゼオライト;層状シリケート;粘土鉱物;ホワイトカーボンなど。
(有機成分)
アクリル酸系ポリマー、アクリル酸・マレイン酸コポリマー;セルロースエーテル;糖類;カルボキシメチルセルロース;カルボキシメチルセルロース;アニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤酸前駆体:ノニオン性界面活性剤;糖系活性剤;カチオン界面活性剤;両性活性剤など。
これらの無機成分、有機成分の添加量は、例えば、製品中、0.1〜40質量%、好ましくは0.2〜35質量%とされる。
【0046】
この様に、本発明においては、低粘度領域から低粘度領域に至る様に、界面活性剤スラリーを2段階濃縮する。そのため、界面活性剤スラリーなどの処理対象物の粘度が、濃縮途中で極端に増加し、その結果、ハンドリング性や蒸発速度の低下が生じることを防止することができる。
また、濃縮工程を、予備濃縮工程と本濃縮工程に分けることにより、処理対象物に対する過剰な加熱を行わなくても、水分を蒸発することができ、造粒などの成形が可能な程度のペースト状の本濃縮物を得ることができる。その結果、アニオン界面活性剤の劣化を防ぎ、品質の向上を図ることができる。また、臭気や色調の劣化なども防ぐことができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。なお、実施例において示した「%」は特に断りがな限り「質量%」である。
(実施例1)
▲1▼α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩の調整
植物由来の脂肪酸メチルエステルを出発原料とし、以下の方法でスルホン化を行なった。なお、原料には脂肪酸由来の炭素数がC14/16=2/8のもの(ライオンオレオケミカル(株)製)を用いた。
原料を、供給速度7.33kg/hrにて、空気で8vol%に希釈したSO3ガスをSO3供給速度が2.67kg/hrになる様に、それぞれフィルム型リアクターに供給した。そして、75〜80℃の温度条件下でスルホン化した。
【0048】
ついで、この反応物に、35質量%濃度のH2O2溶液と、少量のメタノールを添加し、70〜75℃の温度条件下で攪拌して、漂白を行なった。
その後、25質量%濃度の水酸化ナトリウム溶液を添加して、40〜45℃の温度条件下で中和を行った。
この中和物(界面活性剤スラリー)中の水分濃度は36質量%、生成した硫酸ナトリウムは、中和物中1.4質量%であった。
また、界面活性剤スラリーの粘度は1.5Pa・s(70℃)であった。
なお、この界面活性剤スラリーの水分濃度と粘度の挙動を60〜75℃の温度条件で測定したことろ、第1の低粘度領域に該当する水分濃度は24〜28質量%であり、第2の低粘度領域に該当する水分濃度は10〜22質量%であった。
【0049】
▲2▼予備濃縮工程
前記界面活性剤スラリーを、15kg/Hrの供給速度(フィード量)で、蒸発効率5.4kg/m2・Hrの加圧フラッシュ蒸発装置(日本耐圧ガラス社製)に供給し、温度条件103〜110℃で予備濃縮を行い、水分濃度26質量%の予備濃縮物を得た。 この予備濃縮物の粘度は7Pa・s(65℃)であり、流動性は良好であった。
【0050】
▲3▼本濃縮工程
予備濃縮物を供給速度(フィード量)114kg/hr、蒸発効率17.1kg/m2・Hrの真空薄膜蒸発装置(製品名:エクセバ(神鋼パンテック製)、伝面(予備濃縮物と接触する面積):0.5m2))に導入し、
内壁加熱温度:120℃、
真空度:0.053Mpa、
回転羽根周速:11m/sの条件で本濃縮を行った。
本濃縮物中の水分濃度は20質量%、本濃縮物の粘度は20Pa・s(75℃)であり、流動性に何等問題はなかった。
【0051】
▲4▼造粒工程
前記本濃縮物を、本濃縮工程終了後、約5分放置した。その後、表1に示したα−SF、硫酸ナトリウム、粉砕助剤あるいは造粒物の被覆に用いるゼオライト、ノニオン界面活性剤以外の材料とともに、連続ニーダー(製品名:KRC−S4型((株)栗本鉄工所製))に投入し、捏和能力100kg/hr、捏和温度75℃の条件で均質化を行なった。なおこのとき、前記ニーダーのブレードの回転数は134rpmとした。
得られた捏和物を、連続的にペレッターダブル(EXD−100型(不二パウダル(株)製))に供給し、10mmφのダイスから押出すと同時に、ペレッター(カッター)周速:5m/sの条件で切断して、ペレット状固形物を得た。
このとき、ペレッターダイスに掛かる圧力は0.93Mpaであった。
【0052】
このペレット固形物と、粉砕助剤であるゼオライト(平均粒径100μm)を、8kg/hrの供給速度で、固気2相流として、フィッツミル(DKASO−6型(ホソカワミクロン(株)製))に導入した。なお、気相(空気)と固相(ペレット)の比率は3m3/kg、気相の温度は35〜40℃、粉体の温度は45〜55℃であった。また、装置の回転解砕刃周速は35m/sとした。
そして、多段で連続的に粉砕し、平均粒径600μmの造粒物を得た。
【0053】
この造粒物と、最終組成の1質量%にあたるゼオライトと、同様に1質量%にあたるノイオン性界面活性剤とを、転動式回転ドラム(水平円筒型転動造粒機(直径:60cm、高さ:48cm)中にて、攪拌時間2min(フルード数0.14)の条件で混合し、平均粒径600μm、嵩密度0.86g/ccの高嵩密度粒状洗剤を得た。なお、フルード数とはFr=u2 /(g・D)で表されるものである。なおDはドラム半径、gが重力定数、uは周速である。
【0054】
(実施例2)
脂肪酸メチルエステルに対するSO3の量を2.75kg/hrに変更した以外は、実施例1と同様にして高嵩密度洗剤を製造した。
「LAS−Na」は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩であり、アルキル基の炭素数10〜14のもの(ライオン(株)社製)である。
なお、界面活性剤スラリーの粘度は15Pa・s(60℃)、予備濃縮物の粘度は12Pa・s(70℃)、本濃縮物の粘度は35Pa・s(80℃)であった。
また、造粒物の平均粒径は700μm、嵩密度は0.83g/ccであった。
【0055】
(実施例3)
脂肪酸メチルエステルに対するSO3の量を2.63kg/hrに変更し、予備濃縮物において、造粒物に添加する最終組成中1質量%に該当するノイオン性界面活性剤を除いた分のノニオン界面活性剤を添加した以外は実施例1と同様の条件で高嵩密度粒状洗剤を製造した。
なお、界面活性剤スラリーの粘度は1.2Pa・s(60℃)、予備濃縮物の粘度は5Pa・s(70℃)、本濃縮物の粘度は25Pa・s(80℃)であった。
また、造粒物の平均粒径は780μm、嵩密度は0.86g/ccであった。
【0056】
(実施例4)
界面活性剤スラリー中の水分濃度を40.0質量%、予備濃縮物中の水分濃度を28.0質量%、本濃縮物の水分濃度を22質量%とし、本濃縮工程終了から造粒工程までの時間を6hrに延長した以外は、実施例1と同様の条件で高嵩密度粒状洗剤を製造した。
なお、界面活性剤スラリーの粘度は1.5Pa・s(60℃)予備濃縮物の粘度は7Pa・s(70℃)、本濃縮物の粘度は7Pa・s(80℃)であった。
また、造粒物の平均粒径は620μm、嵩密度は0.86g/ccであった。
【0057】
(実施例5)
予備濃縮物に亜硫酸ナトリウムを添加した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
【0058】
(実施例6)
予備濃縮工程で得られた濃縮物(水分26質量%、粘度7Pa・s(65℃))を蒸発効率12kg/m2・Hrのフラッシュ濃縮装置(佐久間製作所製:SFC300,ジャケット温度120℃、真空度0.040Mpa)にかけた以外は、実施例1と同様の組成、条件で実施した。
【0059】
(実施例7)
予備濃縮工程で用いる装置として、リサイクルラインを備えた蒸発効率7.3kg/m2・Hrとなる真空薄膜蒸発装置(製品名:エクセバ(神鋼パンテック製)、伝面0.5m2)に、界面活性剤スラリー20kg/hr、リサイクル量300kg/hrの条件で導入し、内壁加熱温度107℃、真空度0.067Mpa、回転羽根周速11m/sの条件で濃縮操作を行なった以外は、実施例1と同様の組成、条件で実施した。
【0060】
(実施例8)
▲1▼実施例1と同様にして、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩を含む界面活性剤スラリーを調整した。
▲2▼一方、別工程で、α−オレフィンを出発原料とし、以下の方法でスルホン化化を行った。
すなわち、原料を、供給速度:7.27kg/hrにて、窒素ガスで8vol%に希釈したSO3ガスを供給速度が2.67kg/hrになる様に、それぞれフィルム型リアクターに供給し、スルホン化した。
ついで、この反応物に34質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、中和するとともに、170℃の温度下で加水分解した。
▲3▼前記▲1▼及び前記▲2▼で得られた界面活性剤スラリーを、前記▲1▼で得られた界面活性剤スラリーと、前記▲2▼で得られた界面活性剤スラリーとの質量比が9/1になる様に混合し、実施例1と同様の条件で予備濃縮・本濃縮・造粒工程を行った。
なお、この界面活性剤スラリーについて、実施例1と同様にして水分濃度と粘度の関係を調べたところ、実施例1と同様の範囲に第1乃至第2の低粘度領域が認められた。
【0061】
(参考例)
なお、実施例1において、予備濃縮装置の蒸発効率を1/2としたところ、予備濃縮物を得るための時間が長くなり、ややハンドリング性の低下が認められた。
また、実施例1において、本濃縮装置の蒸発効率を1/2に低下させたところ、本濃縮物を得るための時間が長くなり、ややハンドリング性の低下が認められた。
【0062】
(比較例1)
脂肪酸メチルエステルに対するSO3の量を2.20kg/hrに変更した以外は実施例1と同様にして界面活性剤スラリーを製造した。この界面活性剤スラリー中に硫酸ナトリウムは含まれていなかった。
この界面活性剤スラリーについて実施例1と同様にして予備濃縮を行い、予備濃縮物を得た。
ついで、本濃縮を行ったところ、10min程度で真空薄膜装置出口での閉塞が認められた。そのため、造粒工程は実施しなかった。
なお、予備濃縮物の粘度は30Pa・s(70℃)、本濃縮物の粘度は1000Pa・s以上(80℃)であった。
【0063】
(比較例2)
蒸発能力45.6kg/m2・Hrの真空薄膜蒸発装置を用いて120〜130℃の温度条件で、一段階で水分濃度20質量%の濃縮物を製造したが、装置内での濃縮物の滞留及び飛沫の同伴が生じ、均質な濃縮物を得られなかった。この濃縮物を造粒したが、造粒装置への付着が起こり、連続生産ができなかった。
濃縮物の粘度は20〜10000Pa・s(80℃)であった。
【0064】
(比較例3)
界面活性剤スラリーの中の水分濃度を32質量%、予備濃縮物の水分濃度を30質量%とした以外は実施例1と同様にして予備濃縮物を製造した。この水分濃度は第1の低粘度領域の手前の濃度である。
得られた予備濃縮物の粘度は3000Pa・s(70℃)であり、本濃縮工程に移行することが困難であったため、以降の実施を中止した。
【0065】
(比較例4)
本濃縮物の水分濃度を23質量%とした以外は実施例1と同様にして本濃縮物を製造した。この水分濃度は第2の低粘度領域の手前の濃度である。
得られた本備濃縮物の粘度は120Pa・s(80℃)であり、造粒工程に以降することが困難であったため、以降の実施を中止した。
【0066】
(比較例5)
本濃縮物の水分濃度を6質量%とした以外は実施例1と同様にして本濃縮物を製造した。この水分濃度は第2の低粘度領域をこえている濃度である。
得られた本備濃縮物の粘度は600Pa・s(80℃)であり、造粒工程に以降することが困難であったため、以降の実施を中止した。
【0067】
結果を表2にまとめて示した。評価基準は以下の通りである。
(予備濃縮物のハンドリング性)
○:流動性があり、移送時の圧力の振れもなく安定しており、良好である。
△:流動性はあるものの、移送時の圧力の振れがあり、不良である。
×:流動性がなく、静置状態でポンプに吸引されず、不良である。
【0068】
(本濃縮物のハンドリング性)
○:流動性があり、移送時の圧力の振れもなく安定しており、良好である。
△:流動性はあるものの、移送時の圧力の振れがあり、不良である。
×:流動性がなく、静置状態でポンプに吸引されず、不良である。
【0069】
(ニーダー排出状態)
以下の基準にて評価した。
◎:捏和物の大きさが5cm×3cm未満のチップ状でバラバラと排出され、良好である。
○:捏和物の大きさが5cm×3cm前後で塊状で排出され、比較的良好である。
○〜△:捏和物の大きさが5cm×3cm前後で塊状が時々連なって排出され、許容できるレベルである。
△:捏和物の大きさが5cm×3cm前後で塊状で常に連なって、排出口が閉塞ぎみであり、不良である。
×:捏和物が排出口と同じ大きさで筒状に連なっており、不良である。
【0070】
(粉砕機付着)
○:粉砕機ブレード、スクリーン、ケーシングに全く付着は見られず、良好である。
○〜△:粉砕機ブレード、スクリーン、ケーシングに若干造粒した粒子の付着が認められたが造粒時間を延長しても付着の成長は認められず、比較的良好である。
△:粉砕機ブレード、スクリーン、ケーシングに若干造粒した粒子の付着が認められ、造粒時間を延長すると付着量が大幅に増加し、不良である。
×:粉砕機ブレード、スクリーン、ケーシングに付着が起こり粉砕機がオーバーロードで停止し、不良である。
【0071】
【表1】
*1ノニオン界面活性剤:アルキルエトキシレート(略称AAO;C12〜13(分岐率50%)、EO15)(ライオン化学(株)製)
*2ノニオン界面活性剤:アルキルアルコキシレート(製品名EP15030;C12〜13(分岐率50%)、EO15PO3)(LCK(株)製)
*3ノニオン界面活性剤:アルキルアルコキシレート(製品名EP15030;C12〜13(分岐率50%)、EO15)(LCK(株)製)
※EO:エチレンオキサイド付加モル数
PO:プロピレンオキサイド付加モル数
【0072】
【表2】
なお、表中温度差とは、本濃縮工程終了直後の本濃縮物の温度と、造粒工程初期の本濃縮物の温度との差である。
【0073】
表1に示した結果より、濃縮工程において硫酸ナトリウムが存在していなかった比較例1においては、充分に粘度を低下させることができず、ハンドリングが困難となった。また、一段階で濃縮した比較例2においては、α−SFの残存率が低下し、品質が劣化することが明らかとなった。
そして、第1の低粘度領域と第2低粘度領域に該当しない水分濃度で濃縮操作を停止した比較例3〜5においては、濃縮物の粘度が高く、ハンドリングが困難となった。
これに対して、本発明に係る実施例においては、いずれも良好な結果が得られ、ハンドリング性に優れ、品質の劣化も少ない、良好な洗剤を提供できることが明らかとなった。
なお、本濃縮工程から造粒工程に移行する時間が長く、温度差がやや大きかった実施例4においては、これ以外の条件が同じ実施例1と比較して、ややハンドリング性が低下する傾向が見られた。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、アニオン界面活性剤と水を含む界面活性剤スラリーを濃縮して得た濃縮物を得る濃縮工程と、該濃縮物を粒状などの製品形態に成形する成形工程とを備えた洗剤の製造方法において、粘度の上昇などによって処理対象物が装置に付着したり、配管を閉塞したりする不都合を生じにくく、界面活性剤スラリーの濃縮、成形工程において、ハンドリング性、成形性を向上させることができる洗剤の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アニオン界面活性剤と水を含む界面活性剤スラリーの粘度挙動を示したグラフである。
【図2】 本発明の予備濃縮工程と本濃縮工程に用いる装置を示したグラフである。
【符号の説明】
2…リサイクルライン、
4…予備濃縮装置、
8…本濃縮装置。
Claims (3)
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、二級アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、インナーオレフィンスルホン酸塩から選択される1種以上のアニオン界面活性剤と、硫酸ナトリウム0.001〜5質量%と、水32〜50質量%とを含む界面活性剤スラリーを濃縮して濃縮物を得る濃縮工程と、該濃縮物を成形する成形工程とを備えた洗剤の製造方法において、
前記界面活性剤スラリーの粘度が、当該界面活性剤スラリー中の水分濃度の減少に伴って増加し、所定のピークに達した後に減少して、ブルックフィールド粘度計で測定される粘度が0.5〜30Pa・sである第1の低粘度領域に達した後、さらに増加し、所定のピークに達した後に再び減少して、ブルックフィールド粘度計で測定される粘度が1〜70Pa・sである第2の低粘度領域に達した後、さらに増加する挙動を示し、前記濃縮工程が、前記界面活性剤スラリーを、前記第1の低粘度領域の水分濃度まで濃縮して予備濃縮物を得る予備濃縮工程と、該予備濃縮物を前記第2の低粘度領域の水分濃度まで濃縮して本濃縮物を得る本濃縮工程とからなることを特徴とする洗剤の製造方法。 - 請求項1に記載の洗剤の製造方法において、前記予備濃縮工程を、2〜7.8kg/m2・Hrの蒸発効率を備えた濃縮装置で行い、前記本濃縮工程を、8〜58kg/m2・Hrの蒸発効率を備えた濃縮装置で行うことを特徴とする洗剤の製造方法。
- 請求項1または2に記載の洗剤の製造方法において、前記本濃縮工程から前記成形工程に移行する際に、前記本濃縮工程後の本濃縮物の温度と、前記成形工程初期の本濃縮物の温度との差が10℃以内であることを特徴とする洗剤の製造方法。
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