JP5401036B2 - 粒状洗剤の製造方法 - Google Patents
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Description
噴霧乾燥粒子を高嵩密度化する方法としては、該噴霧乾燥粒子と液状のバインダー成分とを捏和して捏和物を得た後、該捏和物を粉砕する捏和・粉砕法や、該噴霧乾燥粒子を撹拌しつつ造粒する撹拌造粒法が知られている。
下記特許文献2には、界面活性剤を含有する乾燥粒子を、炭酸カリウム、硫酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト等の粉末ビルダーの存在下で混練した後、粉砕造粒する方法が記載されている。
下記特許文献3には、噴霧乾燥粒子に、含水量が5〜20質量%の含水非イオン性界面活性剤を添加して撹拌造粒する方法が記載されている。
下記特許文献4には、噴霧乾燥粒子に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤を滴下または噴霧等により添加して撹拌造粒する方法が記載されている。
下記特許文献5には、噴霧乾燥粒子に、ノニオン界面活性剤と脂肪酸と結晶性珪酸塩粉末とを添加して撹拌造粒する方法が記載されている。
工程(1):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、捏和した後粉砕する工程。
工程(2):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、撹拌しつつ造粒する工程。
好ましくは、前記洗剤用原料に、更に、界面活性剤を含有する噴霧乾燥粒子(C)が含まれる。
[α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩]
以下、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)を第1の原料(A)という。
本発明における第1の原料(A)はα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含有する。このα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、一般的にアニオン界面活性剤として提案されているα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を用いることができる。
本発明において好ましいα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
R1のアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜22であることが好ましく、炭素数10〜18であることがより好ましい。
R1としては、アルキル基が好ましい。すなわち、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、α−スルホ飽和脂肪酸アルキルエステル塩であることが好ましい。
R2のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数1〜3であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
Mで表される対イオンとしては、R1−CH(CO−O−R2)−SO3 −とともに水溶性の塩を形成するものであればよい。該水溶性の塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;エタノールアミン塩等が挙げられる。
該中和物は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水が含まれている。それ以外に、該α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を製造する際に生成される副生物や未反応物が含まれていてもよい。
第1の原料(A)におけるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の含有量は、特に限定されないが、AI濃度で50〜80質量%が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。上記範囲の下限値未満であると効率的な生産に不都合が生じる。上限値よりも大きいと、粘度が大きくなり取扱いが困難となる。
ここで、「AI」とは、界面活性剤としての機能を有する化合物を意味する。例えば、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造工程において、副生物として生成したα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩も、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と同様、界面活性剤としての機能を有している。したがって、本発明におけるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のAI濃度は、副生成物が含まれる場合には、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と、副生物の1つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩との合計の濃度として求められる値とする。
(1−1)フラッシュ濃縮法。
フラッシュ濃縮法は、濃縮操作の対象である被濃縮物を、高蒸気圧空間から低蒸気圧空間へ、絞りを通して放出することにより、低蒸気圧空間側で沸騰状態を生じさせて濃縮する方法である。
絞りを介して隔てた空間において蒸気圧差を生じさせる手段としては、被濃縮物を加熱して高蒸気圧空間を創り出す手段(この場合、低蒸気圧空間の温度は、高蒸気圧空間の被濃縮物より低くなる。)、絞りとして背圧弁等を設け、高蒸気圧空間側の圧力を低蒸気圧側よりも高くする手段等が挙げられる。
フラッシュ濃縮する場合は、1度フラッシュ濃縮した被濃縮物を複数回リサイクルしてフラッシュ濃縮することも好ましい。
薄膜濃縮法は、円筒内壁やプレート、ベルト等の表面に、被濃縮物の薄膜(厚さ0.1〜50mm程度)を形成させることにより、被濃縮物の比表面積(気相及び伝熱面との接触面積)を増大させて濃縮する方法である。
この場合、円筒壁面やプレート、ベルト等を加熱したり、気相を減圧したりして蒸発効率を高める手法が一般に行われる。更に、円筒内壁に被濃縮物の薄膜を形成させる場合は、円筒内部を回転するブレードにより薄膜の気相及び伝熱面接触部を更新させつつ濃縮する手法も組み合わせることにより、より効率的に濃縮することができる。また、容器内部に気流を通し、蒸発効率を高める手法も好適である。
撹拌濃縮法は、容器内に充填(充填率5〜70容量%程度)された被濃縮物を、容器内部に設けられた撹拌羽根により撹拌し、気相及び伝熱面との接触頻度を高め、濃縮する方法である。
この場合、容器にジャケットを設けて容器を加熱したり、容器内部を減圧したりして蒸発効率を高める手法が一般に行われる。また、容器内部に気流を通し、蒸発効率を高める手法も好適である。
第1の原料(A)は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のほかに、ノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。ノニオン界面活性剤を含有させると、最終製品として得られる粒状洗剤の洗浄能力が向上する点で好ましい。また、ノニオン界面活性剤を含有させると、低水分領域(例えば10%程度)であってもα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の良好な流動性を確保できる。
また、第1の原料(A)に、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩以外のアニオン界面活性剤を配合することもでき、溶解改善などのために必要に応じて、炭酸カリウム、硫酸カリウム等の他成分を添加することもできる。
第1の原料(A)に含有させるノニオン界面活性剤の具体例としては、例えば以下の(1)〜(3)が挙げられる。
(1)下記一般式(II)で表される脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル。
(2)飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のアルコール(炭素鎖長8〜18)に、オキシエチレンを平均3〜30モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル。
(3)飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のアルコール(炭素鎖長8〜18)に、オキシエチレンを平均3〜30モル、およびオキシプロピレンを平均2〜30のモル付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル。
第1の原料(A)に含有させるアニオン界面活性剤の具体例としては、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩等があり、例えば以下の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、
(2)平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、
(3)平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテル硫酸塩またはアルケニルエーテル硫酸塩、
(4)平均炭素数8〜22の脂肪酸低級アルキル(C1〜C3)エステルのスルホン酸塩、
(5)平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩。
これらのアニオン界面活性剤における対イオンとしては、通常ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩が適当である。
本発明で用いられる無機硫酸塩としては、洗剤組成物の含有成分として公知の無機硫酸塩を適宜用いることができる。第1の原料(A)とは別に無機硫酸塩(B)を添加することにより、捏和工程または撹拌造粒工程において、第1の原料(A)中の水分が無機硫酸塩(B)に移行し、その結果、粉体のべたつきが低減して装置への付着が抑えられると考えられる。また、無機硫酸塩(B)は、例えば炭酸塩等に比べて水分の吸着による発熱が小さく、この点も装置への付着を抑えるうえで好ましい。
無機硫酸塩(B)の具体例としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等が挙げられる。これらのうちでも、経済性の点で、硫酸ナトリウムが好ましい。
無機硫酸塩(B)は含水塩でもよく、無水塩でもよい。第1の原料(A)中の水分をより効率良く無機硫酸塩(B)に移行させるためには、無機硫酸塩(B)の一部または全部が無水塩であることが好ましく、全部が無水塩であることがより好ましい。
無機硫酸塩(B)は粉末状で添加することが好ましい。該粉末の平均粒径は特に限定されないが、50μm〜300μmが好ましく100μm〜200μmがより好ましい。
本発明で用いられる洗剤用原料において無機硫酸塩(B)が占める割合は1〜30質量%であり、1〜15質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましい。該無機硫酸塩(B)の含有量が1質量%以上であると添加効果が充分に得られ、30質量%以下であると粒状洗剤の溶解性を確保できる。なお、本発明において該無機硫酸塩(B)の占める割合は、第1の原料(A)および後述の噴霧乾燥粒子(C)とは別に配合する無機硫酸塩(B)の量を意味しており、第1の原料(A)または噴霧乾燥粒子(C)に無機硫酸塩が含まれている場合、その無機硫酸塩の量は、無機硫酸塩(B)の量には含まれないものとする。
本発明における洗剤用原料の一部として、界面活性剤を含む噴霧乾燥粒子(C)を用いることが好ましい。
噴霧乾燥粒子(C)はアニオン界面活性剤(C1)とビルダー(C2)を含有するものが好ましい。必要に応じてその他の成分(C3)を含有してもよい。
[アニオン界面活性剤(C1)]
アニオン界面活性剤(C1)としては、従来、洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、公知の各種アニオン界面活性剤が挙げられる。ただし、噴霧乾燥粒子(C)はα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含まないことが好ましい。
例えば、アニオン界面活性剤(C1)の例として、以下の(1)〜(11)に示すアニオン界面活性剤が挙げられる。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及び、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)の少なくともいずれか、を付加したアルキルエーテル硫酸塩、又は、アルケニルエーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基若しくはアルケニルフェニル基を有し、平均3〜30モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及び、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)の少なくともいずれか、を付加したアルキルフェニルエーテル硫酸塩、又は、アルケニルフェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及び、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)の少なくともいずれか、を付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)長鎖モノアルキルリン酸塩、ジアルキルリン酸塩、又は、セスキアルキルリン酸塩。
(10)ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンジアルキルリン酸塩、又は、ポリオキシエチレンセスキアルキルリン酸塩。
(11)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩。
噴霧乾燥粒子(C)中におけるアニオン界面活性剤(C1)の含有量は、粒状洗剤の洗浄能力発揮のためには10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。他の成分とのバランスの点からは40質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
ビルダー(C2)としては、無機ビルダー及び有機ビルダー等が挙げられる。
(無機ビルダー)
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウム等のアルカリ性塩;硫酸ナトリウム等の中性塩;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;下記一般式(VI)で表される結晶性アルミノ珪酸塩;下記一般式(VII)で表される無定形アルミノ珪酸塩;下記一般式(VIII)で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
一般式(VI)において、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を表す。x1、y1及びw1は、各成分のモル数を表し、一般的に、x1は0.7〜1.5のいずれかの数、y1は0.8〜6のいずれかの数、w1は任意の正数を表す。
一般式(VII)において、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を表す。x2、y2及びw2は、各成分のモル数を表し、一般的に、x2は、0.7〜1.2のいずれかの数、y2は1.6〜2.8のいずれかの数、w2は0又は任意の正数を表す。
一般式(VIII)において、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を表す。x3、y3、Z3及びw3は、各成分のモル数を表し、一般的に、x3は、0.2〜1.1のいずれかの数、y3は0.2〜4.0のいずれかの数、z3は0.001〜0.8のいずれかの数、w3は0又は任意の正数を表す。
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノまたはジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体及び共重合体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体または共重合体;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非解離高分子化合物等が挙げられる。
噴霧乾燥粒子(C)中におけるビルダー(C2)の含有量は、充分な洗浄性を付与するためには、75〜90質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましい。
上記アニオン界面活性剤(C1)とビルダー(C2)のほかに、噴霧乾燥粒子に配合されるその他の成分(C3)としては、従来、洗剤において使用される成分の中から適宜選択して使用できる。
例えば、上記アニオン界面活性剤(C1)以外の他の界面活性剤、水溶性高分子化合物、蛍光増白剤などが挙げられる。
他の界面活性剤としては、公知のノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。噴霧乾燥粒子(C)に、アニオン界面活性剤(C1)以外の他の界面活性剤を含有させる場合、その含有量は特に限定されないが、天然原料比率を大きくする点からは、噴霧乾燥粒子中に30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。下限値は特に限定されないが、添加による効果を良好に得るには2質量%以上添加することが好ましい。
本明細書における「水溶性高分子化合物」とは、20℃における水への溶解度が0.1g/(100g水)以上であり、好ましくは0.2g/(100g水)以上であり、より好ましくは0.3g/(100g水)以上である化合物である。また、質量平均分子量は500以上が好ましく、2000以上がより好ましく、上限値は、好ましくは100000以下である。なお、ここでいう「質量平均分子量」とは、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される値を意味する。
半合成高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等のデンプン誘導体等が挙げられる。
また、合成高分子化合物としては、アクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、ポリビニルアルコール類、カルボキシビニルポリマー類、高重合ポリエチレングリコール類等が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
噴霧乾燥粒子(C)に該水溶性高分子化合物を含有させる場合、その含有量は特に限定されないが、噴霧乾燥粒子中に0.1〜15質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると水性スラリーの安定性を確保できる。上限値以下であると粒状洗剤の溶解性を確保できるし、経済性も維持できる。
噴霧乾燥粒子(C)は、例えば、界面活性剤および必要に応じてアルカリビルダー、その他の成分を含有するとともに、水分を好ましくは35〜40質量%程度含有するスラリーを調製し、該スラリーを噴霧乾燥する方法で得られる。
噴霧乾燥は公知の方法で行うことができる。例えば、前記スラリーを噴霧乾燥塔に移送し、該噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置された噴霧乾燥用スラリーの微粒化装置から、所定の噴霧圧力で噴霧を行う方法により噴霧乾燥粒子を製造できる。
噴霧乾燥用スラリーの微粒化装置としては、圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式等が挙げられる。中でも、所望とする平均粒径を得ることが容易な圧力噴霧ノズルを用いることが好ましい。
噴霧乾燥用スラリーの噴霧乾燥時、噴霧乾燥塔内には高温ガスが供給される。この高温ガスは、例えば噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される。
この高温ガスの温度としては、170〜300℃であることが好ましく、200〜280℃であることがより好ましい。該範囲であれば、噴霧乾燥用スラリーを充分に乾燥することができ、所望とする水分含有量の噴霧乾燥粒子を容易に得ることができる。
また、噴霧乾燥塔より排出されるガスの温度は、通常、70〜125℃であることが好ましく、70〜115℃であることがより好ましい。
なお、高温ガスが噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される(向流式)場合、得られる噴霧乾燥粒子の温度が高くなりすぎることを抑制するために、噴霧乾燥塔の下部より冷風を供給することができる。また、同時に、例えば噴霧乾燥塔の下部より無機微粒子(ゼオライト等)などを導入し、噴霧乾燥粒子と接触させることにより、該噴霧乾燥粒子の噴霧乾燥塔内壁への付着を防止したり、得られる噴霧乾燥粒子の流動性を向上させたりすること等ができる。
噴霧乾燥粒子(C)の平均粒径は特に限定されないが、好ましくは100〜700μm程度であり、150〜500μmがより好ましい。上記範囲の下限値以上であると取り扱い性を維持できる。例えば、粒径が細かすぎると安息角が大きくなり流動性が低下するために製品サイロから排出しにくくなる。また、上限値以下であると外観の美しさを維持できる。該平均粒径は噴霧条件によって制御できる。
ここで、本明細書における平均粒径は質量基準のメジアン径である。
本発明で用いられる洗剤用原料の一部として、上記第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)、噴霧乾燥粒子(C)以外の、他の配合成分(D)を用いてもよい。
該他の配合成分(D)として、例えば、炭酸塩、セスキ炭酸塩、亜硫酸塩等のナトリウム塩やカリウム塩が挙げられる。なかでも炭酸塩が好ましく、具体例としては炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられ、特に経済性の点で炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明において、粒状洗剤は、(1)洗剤用原料を捏和した後粉砕する工程、または(2)洗剤用原料を撹拌しつつ造粒する撹拌造粒工程を経て製造される。
[(1)洗剤用原料を捏和した後粉砕する方法]
(捏和工程)
本工程では、洗剤用原料として用いられる、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)および必要に応じて用いられる噴霧乾燥粒子(C)等を捏和(混練)装置に投入し、剪断力を付与しながら輸送、圧密化、捏和(混練)を経て段階的に混合して固形の捏和物(混練物)を得る。捏和(混練)装置には、上記洗剤用原料のほかに、必要に応じて水を導入してもよい。
なお本発明において、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)または噴霧乾燥粒子(C)等の各原料に含まれている水分は、洗剤用原料の一部とする。またこれらとは別に捏和工程で加える水も、洗剤用原料の一部に含まれるものとする。
捏和(混練)装置に投入する第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましく、50℃以上であると取り扱い易く、95℃以下であると成分の安定性が良い。該第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましく、60〜75℃がより好ましい。
捏和(混練)による被捏和物(洗剤用原料)の温度上昇を抑制するため、捏和(混練)装置のジャケットに冷媒を通しながら捏和(混練)を行うことが望ましい。冷媒としては、エチレングリコールの水溶液が好適であり、その濃度は15〜30質量%、好ましくは20〜25質量%が好ましい。
捏和(混練)工程を終えて得られる捏和物(混練物)の嵩密度は、一般に、0.5〜1.2g/cc 、好ましくは0.6〜1.0g/ccである。また捏和物(混練物)は不定形であり、その寸法は一般に10〜500mmであるが、次工程で捏和物(混練物)を押出機に導入する際に、該押出機のスクリューのピッチの大きさよりも小さければ特に制限はない。
捏和(混練)工程で得られた捏和物(混練物)は、これを粉砕する前に、押出装置で押出つつ切断してペレット状に成形することが好ましい。
押出装置としては、一般に、一軸又は二軸スクリュー型押出機やディスク型押出機やロール型押出機を使用することができるが、洗剤の製造においてはスクリュー型が好ましく、二軸型がより好ましい。
押出機におけるダイス厚み、ダイス開孔率、ダイス孔径、ダイス形状等の条件は、処理する捏和物(混練物)の物性や次工程での粉砕処理のしやすさを鑑みて適宜設定することが好ましい。
また、押出時のペレット状捏和物の温度(押出温度)は、一般に20〜80℃、好ましくは30〜70℃、更に好ましくは40〜60℃である。該温度が20℃よりも低い場合には、押出機への負荷が過大となり易く好ましくない。一方、温度が80℃よりも高くなると、捏和物(混練物)が装置内に付着し易くなり好ましくない。押出機において、捏和物(混練物)がスクリューに付着して押出能力を低下させる場合、ジャケットによって冷却したり加温したりすることが好ましい。特にスチームをスクリュー表面に導入すると付着抑制の効果が大きい。
次いで、好ましくはペレット状に成形された、捏和物(混練物)を粉砕して粒状洗剤を得る。例えば、分級スクリーンを有したカッターミルタイプの粉砕機を用い、スクリーン穴径の大きい粉砕機から小さい粉砕機へ順次供給して多段粉砕する方法が好ましい。
粉砕装置としては、内部に回転体とスクリーンを装着した粉砕造粒機、好ましくは、ハンマーミル、アトマイザー、パルペライザー等の衝撃式粉砕機、カッターミル、フェザーミル等の切断・剪断式粉砕機などが用いられる。
粉砕中、粉砕装置内へ送風を行って被粉砕物の温度制御を行うことが好ましい。好ましくは、粉砕を終えた直後の粉体(粒状洗剤)の温度が30〜40℃の範囲となるように、温度制御された冷風または温風を供給する。粉体温度が上記の範囲内であると装置付着をより抑制できる点で好ましい。
送風温度は10〜40℃が好ましい。また、送風量は0.1〜5m3/kg(粉砕物の単位質量当たり)が好ましい
本発明において、粉砕助剤を用いる場合は、該粉砕助剤も洗剤用原料の一部に含むものとする。
粉砕助剤の種類としては、例えば、ステアリン酸塩、A型ゼオライト等のアルミノ珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルカリ土類金属炭酸塩、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、タルク、ベントナイト等の粘土鉱物、二酸化珪素、二酸化チタン、微粉砕された炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが望ましい。
これらの粉砕助剤が粉砕物(粉体)表面に付着し、粉砕物の表面活性を低下させることにより、粉砕機への付着防止およびこれに伴なう粉砕動力の低減や、粉砕物の流動性改善が図られる。
粉砕助剤の添加方法としては、予め粉砕前に混合する方法と、多段粉砕の1段目に必要量の全量を一括添加する方法と、各段毎に分割添加する方法とがある。いずれを選定するも任意であるが、助剤効果および経済性の点で一括添加が望ましい。さらに、粉砕機同士を直結し、各段間を密閉する系とすることにより(密閉直結型)、粉砕助剤の損失が少なくなり、少量の助剤添加量で効果的に作用させることができる。
通常、1〜30秒、好ましくは3〜30秒である。
(5)スクリーン孔径
一般に、被粉砕物の粉砕性と所望の粒子径によって設定する。通常、粒状洗剤の製造の場合、所望平均粒径の3.0〜30.0倍、好ましくは4.0〜25.0倍の孔径のスクリーンを使用できる。例えば平均粒径500μmの粒子(粉体)を得ようとした場合、1.5〜15mmの孔径のスクリーンを、被粉砕物の大きさによって選定して使用すればよい。また、一段内に2種以上の穴径のものを設定することで、より効果的な粉砕を行なうこともできる。
粉砕により得られる粉体(粒状洗剤)の平均粒径は、200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがより好ましい。平均粒径が1500μmを超えると、洗濯中での溶解性が遅くなり、布付着、洗浄力低下の問題が生じるおそれがある。逆に200μm未満であると、微粉の増加による発塵量の増大と粉砕収率の低下、流動性の悪化につながりやすい。
また該粉体(粒状洗剤)の嵩密度は、一般に0.6〜1.2g/mlであり、好ましくは、0.7〜1.0g/mlであることが望ましい。この嵩密度が1.2g/mlを超えると、溶解性が悪化する傾向がある。
(撹拌造粒法)
撹拌造粒法は、洗剤用原料として用いられる、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)および必要に応じて用いられる噴霧乾燥粒子(C)等を撹拌造粒装置(内部撹拌型混合機)に導入して、剪断作用と圧密作用と転動作用を利用して造粒物(粒状洗剤)を得る方法である。
撹拌造粒装置に投入する第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましい。50℃以上であると取り扱い易く、95℃以下であると成分の安定性が良い。該第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましく、60〜75℃がより好ましい。
撹拌造粒装置は、ジャケットを備えた構造が好ましく、ジャケットに通液する媒体の温度は、5〜40℃が好ましく、更に好ましくは10〜20℃であることが望ましい。この温度範囲にすることにより、好適な造粒物を得るための造粒時間が短くなり生産性が向上し、粒度分布がシャープになる。また洗剤用原料のうち粉体原料は常温で、ノニオン界面活性剤は溶融している温度で供給すればよく、混合機内の温度は特に制御する必要はない。尚、造粒物の温度は、供給原料の温度、撹拌熱等により通常30〜60℃である。
(5)添加剤
造粒時に造粒を促進するために、バインダーを添加してもよい。バインダーの例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダの如きポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー溶液、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等のノニオン性物質、脂肪酸、珪酸ソーダ水溶液、水等を挙げることができる。バインダーの配合量は洗剤用原料100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、特に0.5〜5質量部が望ましい。
撹拌造粒により得られる造粒物(粒状洗剤)の平均粒径は、200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがより好ましい。平均粒径が1500μmを超えると、洗濯中での溶解性が遅くなり、布付着、洗浄力低下の問題が生じるおそれがある。逆に200μm未満であると、微粉の増加による発塵量の増大と粉砕収率の低下、流動性の悪化につながりやすい。
造粒物(粒状洗剤)の平均粒径は、例えば撹拌造粒装置における滞留時間によって制御することができる。
また該造粒物(粒状洗剤)の嵩密度は、一般に0.6〜1.2g/mlであり、好ましくは、0.7〜1.0g/mlであることが望ましい。この嵩密度が1.2g/mlを超えると、溶解性が悪化する傾向がある。
例えば、常法により微粉体を表面被覆剤として添加し、粒状洗剤の表面を被覆することが好ましい。この表面被覆剤としては、アルミノケイ酸塩が洗濯時にカルシウムイオン捕捉剤として作用するので望ましく、特に一次粒子の平均粒径が10μm以下のアルミノケイ酸塩が望ましい。アルミノケイ酸塩以外に一次粒子の平均粒径が10μm以下の二酸化珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、無定形シリカ誘導体等のシリケート化合物の様な無機微粉体も好ましい。また、一次粒子の平均粒径が10μm以下の金属石鹸も同様に用いることができる。
また、無機硫酸塩は、一般的に洗剤成分として配合されることが多い化合物であり、これまで洗剤成分として配合していた無機硫酸塩の一部または全部を、かかる別添加の無機硫酸塩(B)として用いることができ、そうすれば洗剤組成を変更することなく上記の効果を得ることができる。
(実施例1〜7および比較例1〜5)
表1に示す配合で噴霧乾燥粒子(C)を後述の方法で製造した。これとは別に表1に示す配合の第1の原料(A)を後述の方法により調製した。そして連続式ニーダー(株式会社栗本鐵工所社製、製品名:KRC−S4、ダイス径:4インチ)に、噴霧乾燥粒子(C)、第1の原料(A)、表1に示す無機硫酸塩(B)、および表1に示す他の配合成分(D)を投入するとともに、これら(A)〜(D)の合計量100質量部に対して1質量部の水道水を投入し、捏和して不定形の捏和物を得た。ニーダーに投入する際の第1の原料(A)の温度は65℃であった。ニーダー内における被捏和物の温度が60℃となるように温度制御した。
次いで、得られた捏和物を押出機(不二パウダル社製、製品名:ペレッターダブル)でペレット状(直径:10mm、長さ:5mm)に成形した。押出温度は55℃とした。
続いて、得られたペレットに表1に示す粉砕助剤を添加して粉砕機(ホソカワミクロン社製、製品名:フィッツミル、3段直列)で、15℃の冷風を供給しつつ粉砕して、平均粒径450μmの粒状洗剤を得た。
粉砕工程における、装置内への粉体の付着性を後述の方法で評価した。その結果を表1に示す。
[賦香]
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で得られた粒状洗剤を混合しつつ、0.14%相当量の香料を噴霧して賦香した。香料は下記組成のものを用いた。
香料:デカナール0.5%、オクタナール0.3%、ヘキシルシンナミックアルデヒド10.0%、ジメチルベンジルカルビニルアセテート8.0%、レモン油3.0%、リリアール6.0%、リラール2.0%、リナロール5.0%、フェニルエチルアルコール7.5%、トナリド2.0%、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート3.0%、ガラクソリド BB(ベンジルベンゾエート)2.0%、リナスコール2.5%、ゲラニオール1.0%、シトロネロール2.0%、ジャスモランジ2.0%、メチルジヒドロジャスモネート5.0%、ターピネオール1.0%、メチルヨノン3.0%、アセチルセドレン5.0%、レモニトリル1.0%、フルイテート1.0%、オリボン1.5、ベンゾイン1.0%、シス−3−ヘキセノール0.5%、クマリン2.0%、ダマセノン0.2%、ダマスコン0.3%、ヘリオナール1.5%、ヘリオトロピン1.5%、アニスアルデヒド2.5%、ガンマーウンデカラクトン0.8%、バグダノール1.2%、トリプラール0.5%、スチラリルアセテート1.5%、キャロン0.1%、ペンタリド3.0%、オキサヘキサデセン−2−オン2.9%、エチレンブラシレート6.2%。香料成分の%は香料組成物中の%を示す。
得られた賦香後の粒状洗剤の一部を着色するために、該粒状洗剤の粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の粒子層高30mm、層幅300mm)その表面に色素を噴霧した。色素は下記のものを用いた。
色素:青色色素溶液(群青)35%溶液(大日精化(株)製)
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で、着色後の粒状洗剤に、酵素粒子0.9%相当量を5分間混合して、最終製品としての粒状洗剤(平均粒子径500μm、嵩密度0.80g/mL)を得た。酵素粒子は下記のものを用いた。
酵素粒子:サビナーゼ18T(ノボ・ノルディスクバイオインダストリー製)。
表1に示す各原料は以下の通りである。
石鹸:脂肪酸(C12−18)ナトリウム(純分67質量%)。
MA剤:日本触媒株式会社製、アクアリックTL−400(純分40質量%水溶液)。
A型ゼオライト:日本化学株式会社製、A型ゼオライト(純分47.5質量%)。
亜硫酸ナトリウム:神州化学株式会社製、無水亜硫酸曹達。
硫酸ナトリウム:日本化学工業株式会社製、中性無水芒硝。
炭酸カリウム:旭硝子株式会社製、炭酸カリウム(粉末)。
炭酸ナトリウム:旭硝子株式会社製、粒灰。
蛍光増白剤(ビフェニル型蛍光剤):チバスペシャリティケミカルズ製、チノパノールCBS−X。
MES−Na:α−スルホ脂肪酸(C14−16)メチルエステルナトリウム塩(AI90質量%)。
ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレン(平均付加モル数=15)アルキル(C12−14)エーテル(純分90質量%)。
粉砕助剤:顆粒A型ゼオライト
実施例1〜7および比較例1〜5において、噴霧乾燥粒子は以下の方法で製造した。
まず、水に表1に示す原料を加えて均一に混合して噴霧乾燥用スラリーを調製した。加えた水以外の成分は、スラリー中における配合割合が表1に示す比率となるように配合量を調整した。また水の添加量は、該水以外の成分の配合量の合計量100質量部に対して35質量部とした。(なお表1に記載されている(水分)は、得られた乾燥噴霧粒子における水分含有量であり、スラリー調製時に加える水の量を示すものではない。)
ゼオライトは水を分散媒とするスラリー状で添加し、MA剤は水溶液状で添加した。いずれも表1には純分のみの含有量を示している。
配合の順序は、水、LAS、蛍光増白剤、ゼオライト、MA剤、無機化合物(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム)、石鹸の順とした。
次いで得られた噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥塔に移送し、該噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置された圧力噴霧ノズルから噴霧を行って、表1に示す組成の噴霧乾燥粒子(C)を得た。
得られた噴霧乾燥粒子(C)中の水分含有量(質量%)の測定は、Kett水分計(商品名、(株)ケツト科学研究所製;赤外線水分計)により測定した。測定条件は130℃、30分で行った。
実施例1〜7および比較例1〜5において、第1の原料(A)は以下の方法で製造した。
原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたMES−Na(水分濃度25%)に、表1に示すノニオン界面活性剤を添加し、リサイクルフラッシュ蒸発機[プレート熱交換器、製品名:EX−11型(伝熱面積424.6m2)、(株)日阪製作所製]を用いて、加熱管温度120〜130℃、熱交換器内圧0.2MPa以下加圧、循環圧0.6MPa以下で蒸発操作を行ない、水分含有量が表1に示す割合となるように常圧フラッシュ濃縮して、混合濃縮物を得た。得られた混合濃縮物を第1の原料(A)として用いた。
実施例1〜7および比較例1〜5において、付着性の評価は以下の方法で行った。
噴霧乾燥粒子(C)、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)、および他の配合成分(D)の合計量が3kg/分となるように連続ニーダーに連続的に投入し、同じ処理量で押出成形および粉砕を15分間行った後、粉砕機の3段のスクリーンと粉砕機のケースに付着した捏和物の合計量を測定し、下記の基準で評価した。
◎:50g未満。
○:50g以上200g未満。
△:200g以上500g未満。
×:500g以上。
表2に示す配合で、実施例1と同様にして第1の原料(A)を調製した。
表2に示す配合で、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)、および他の配合成分(D)の合計量が3kg/分となるように連続ニーダーに連続的に投入し、同じ処理量で押出成形および粉砕を15分間行った後、粉砕機の3段のスクリーンと粉砕機のケースに付着した捏和物の合計量を測定し、上記実施例1と同じ基準で評価した。その結果を表2に示す。
表3に示す配合で噴霧乾燥粒子(C)を実施例1と同様の上述の方法で製造した。ただし、噴霧乾燥用スラリーを調製する際の配合の順序は、水、LAS、AS−Na、蛍光増白剤、ゼオライト、MA剤、無機化合物(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム)、クエン酸三ナトリウム、石鹸の順とした。
これとは別に表3に示す配合の第1の原料(A)を実施例1と同様の上述の方法により調製した。
そして噴霧乾燥粒子(C)2kgを撹拌造粒装置(マツボー社製、製品名:レディゲミキサー、容量20L)に投入し、常温でよく撹拌した後、第1の原料(A)、表3に示す無機硫酸塩(B)、および表3に示す他の配合成分(D)を、表3に示す含有割合となるように3分間で添加し、さらに1分間撹拌して粒状洗剤を得た。撹拌造粒装置に投入する際の第1の原料(A)の温度は65℃であった。得られた粒状洗剤の温度は60℃であり、平均粒径は500μmであった。
こうして得られた粒状洗剤を撹拌造粒装置から排出した後に、装置内に付着している粉体の質量を測定し、下記の基準で評価した。その結果を表3に示す。
◎:30g未満。
○:30g以上100g未満。
△:100g以上200g未満。
×:200g以上。
AS−Na:ライオン株式会社製、サンノールLM−1130(AI33%)。
クエン酸三ナトリウム:関東化学株式会社製、クエン酸三ナトリウム二水和物(試薬特級)。
珪酸ナトリウム:富士化学(株)製、2号珪酸ソーダ。
一方、実施例13において、硫酸ナトリウムを撹拌造粒装置に投入せず、その代わりに噴霧乾燥粒子に含有させた比較例8では付着性が劣った。
比較例8において、炭酸ナトリウムを撹拌造粒装置に投入し、その代わりに噴霧乾燥粒子中の炭酸ナトリウム量(バランス)を減じた比較例9では、付着性は比較例8とほぼ同じであった。
実施例15において、硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムを撹拌造粒装置に投入せず、その代わりに噴霧乾燥粒子において硫酸ナトリウムを添加し、かつ炭酸ナトリウム量(バランス)を増やした比較例10は付着性が悪かった。
比較例11は、硫酸ナトリウムをニーダーに投入したものの、洗剤用原料における第1の原料(A)の含有量が47.5質量%と多いため付着性が劣っていた。
Claims (2)
- α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水分を含有し、水分の含有量が5〜30質量%であるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)を用いて粒状洗剤を製造する方法であって、下記工程(1)または工程(2)を含むことを特徴とする粒状洗剤の製造方法。
工程(1):洗剤用原料として、少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)と、硫酸ナトリウム(B)を捏和装置に投入し、捏和した後粉砕する工程(ただし、前記洗剤用原料において前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の占める割合は5〜30質量%で、前記硫酸ナトリウム(B)の占める割合は1〜30質量%である。)。
工程(2):洗剤用原料として、少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)と、硫酸ナトリウム(B)を撹拌造粒装置に投入し、撹拌しつつ造粒する工程(ただし、前記洗剤用原料において前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の占める割合は5〜30質量%で、前記硫酸ナトリウム無水塩(B)の占める割合は1〜30質量%である。)。 - 前記洗剤用原料として、更に、界面活性剤を含有する噴霧乾燥粒子(C)を前記捏和装置または前記撹拌造粒装置に投入することを特徴とする請求項1記載の粒状洗剤の製造方法。
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