JP2008179800A - 粒状洗剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒状洗剤の製造方法において、界面活性剤を含む捏和物を粉砕する工程、または界面活性剤を含む洗剤原料を撹拌造粒する工程における、装置内への粉体の付着を抑える。
【解決手段】α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水分を含有し、水分の含有量が30質量%以下であるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)を用いて粒状洗剤を製造する方法であって、下記工程(1)または工程(2)を含むことを特徴とする。
工程(1):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、捏和した後粉砕する工程。工程(2):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、撹拌しつつ造粒する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は粒状洗剤の製造方法に関する。
近年、粉末の衣料用洗剤は、少ない洗剤使用量で洗浄可能で、しかも輸送性、保管性、陳列性等の面でも優れている高嵩密度洗剤組成物が主流となっている。また、界面活性剤の中でも、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、天然原料から誘導され、洗浄能力、特に耐硬水性に優れた界面活性剤として知られており、これを配合した高嵩密度洗剤組成物が提案されている。
高嵩密度洗剤組成物は、一般的には、界面活性剤およびビルダー等を含有する水性スラリーから噴霧乾燥粒子を製造し、これを高嵩密度化することによって製造される。
噴霧乾燥粒子を高嵩密度化する方法としては、該噴霧乾燥粒子と液状のバインダー成分とを捏和して捏和物を得た後、該捏和物を粉砕する捏和・粉砕法や、該噴霧乾燥粒子を撹拌しつつ造粒する撹拌造粒法が知られている。
例えば、下記特許文献1には、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と炭酸ナトリウムを含有する噴霧乾燥粒子と、無水炭酸塩や無水亜硫酸塩等の無水塩およびノニオン界面活性剤とを捏和した後、解砕、造粒する方法が記載されている。
下記特許文献2には、界面活性剤を含有する乾燥粒子を、炭酸カリウム、硫酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト等の粉末ビルダーの存在下で混練した後、粉砕造粒する方法が記載されている。
下記特許文献3には、噴霧乾燥粒子に、含水量が5〜20質量%の含水非イオン性界面活性剤を添加して撹拌造粒する方法が記載されている。
下記特許文献4には、噴霧乾燥粒子に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤を滴下または噴霧等により添加して撹拌造粒する方法が記載されている。
下記特許文献5には、噴霧乾燥粒子に、ノニオン界面活性剤と脂肪酸と結晶性珪酸塩粉末とを添加して撹拌造粒する方法が記載されている。
また、下記特許文献6には、噴霧乾燥粒子を調製せず、水分10重量%以下のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有濃縮物と、その他の洗剤成分を直接捏和した後、粉砕する方法が記載されている。
特開平3−111498号公報 特開平9−235598号公報 特開平8−325599号公報 特開平8−325600号公報 特開平11−302698号公報 特開平9−143500号公報
しかしながら、界面活性剤を含む捏和物を粉砕する工程、および界面活性剤を含む洗剤原料を撹拌造粒する工程にあっては、装置内に粉体が付着しやすいという問題がある。特に、界面活性剤としてα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水分を含む水性ペーストやその濃縮物を用いる場合は、かかる付着の問題が生じやすい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、かかる粉砕工程または撹拌造粒工程において、装置内に粉体が付着するのを抑制できるようにした粒状洗剤の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の粒状洗剤の製造方法は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水分を含有し、水分の含有量が30質量%以下であるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)を用いて粒状洗剤を製造する方法であって、下記工程(1)または工程(2)を含むことを特徴とする。
工程(1):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、捏和した後粉砕する工程。
工程(2):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、撹拌しつつ造粒する工程。
好ましくは、前記洗剤用原料に、更に、界面活性剤を含有する噴霧乾燥粒子(C)が含まれる。
本発明の粒状洗剤の製造方法によれば、界面活性剤を含む捏和物を粉砕する工程、または界面活性剤を含む洗剤原料を撹拌造粒する工程における、装置内への粉体の付着を抑えることができる。
<α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)>
[α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩]
以下、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)を第1の原料(A)という。
本発明における第1の原料(A)はα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含有する。このα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、一般的にアニオン界面活性剤として提案されているα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を用いることができる。
本発明において好ましいα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008179800
(式中、Rは直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を示し、Rは直鎖または分岐鎖状のアルキル基を示し、Mは対イオンを示す。)
のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜22であることが好ましく、炭素数10〜18であることがより好ましい。
のアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜22であることが好ましく、炭素数10〜18であることがより好ましい。
としては、アルキル基が好ましい。すなわち、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、α−スルホ飽和脂肪酸アルキルエステル塩であることが好ましい。
のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数1〜3であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
Mで表される対イオンとしては、R−CH(CO−O−R)−SO とともに水溶性の塩を形成するものであればよい。該水溶性の塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;エタノールアミン塩等が挙げられる。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、公知の方法により製造できる。例えば、脂肪酸アルキルエステルをスルホン化してα−スルホ脂肪酸アルキルエステルを含むスルホン化物を得た後、必要に応じて熟成、漂白を行った後、中和することにより得られる。この中和物を必要に応じて濃縮したものを、本発明における第1の原料(A)の一部または全部として好適に用いることができる。
該中和物は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水が含まれている。それ以外に、該α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を製造する際に生成される副生物や未反応物が含まれていてもよい。
第1の原料(A)の水分含有量は30質量%以下である。30質量%を超えると粒状洗剤の含有水分量が多くなり、品質が劣化する恐れがある。具体的には粒状洗剤の含有水分量が多いと粒状洗剤の固化が進行しやすい。該水分量の下限値は特に限定されないが、5質量%以上が好ましい。これより水分含有量が少ないと粘度が大きくなり取扱いが困難となる。例えば、ポンプを使った送液が困難となるため液状での配合が難しくなる。第1の原料(A)の水分含有量のより好ましい範囲は5〜20質量%であり、さらに好ましい範囲は8〜15質量%である。
第1の原料(A)におけるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の含有量は、特に限定されないが、AI濃度で50〜80質量%が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。上記範囲の下限値未満であると効率的な生産に不都合が生じる。上限値よりも大きいと、粘度が大きくなり取扱いが困難となる。
ここで、「AI」とは、界面活性剤としての機能を有する化合物を意味する。例えば、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造工程において、副生物として生成したα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩も、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と同様、界面活性剤としての機能を有している。したがって、本発明におけるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のAI濃度は、副生成物が含まれる場合には、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と、副生物の1つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩との合計の濃度として求められる値とする。
前記中和物(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩)を濃縮する方法としては、アニオン界面活性剤を含有する水性ペーストの濃縮方法として公知の手法を適宜用いることができる。例えば、(1−1)フラッシュ濃縮法、(1−2)薄膜濃縮法、(1−3)撹拌濃縮法等が挙げられる。これらを組み合わせてもよい。
(1−1)フラッシュ濃縮法。
フラッシュ濃縮法は、濃縮操作の対象である被濃縮物を、高蒸気圧空間から低蒸気圧空間へ、絞りを通して放出することにより、低蒸気圧空間側で沸騰状態を生じさせて濃縮する方法である。
絞りを介して隔てた空間において蒸気圧差を生じさせる手段としては、被濃縮物を加熱して高蒸気圧空間を創り出す手段(この場合、低蒸気圧空間の温度は、高蒸気圧空間の被濃縮物より低くなる。)、絞りとして背圧弁等を設け、高蒸気圧空間側の圧力を低蒸気圧側よりも高くする手段等が挙げられる。
フラッシュ濃縮する場合は、1度フラッシュ濃縮した被濃縮物を複数回リサイクルしてフラッシュ濃縮することも好ましい。
(1−2)薄膜濃縮法。
薄膜濃縮法は、円筒内壁やプレート、ベルト等の表面に、被濃縮物の薄膜(厚さ0.1〜50mm程度)を形成させることにより、被濃縮物の比表面積(気相及び伝熱面との接触面積)を増大させて濃縮する方法である。
この場合、円筒壁面やプレート、ベルト等を加熱したり、気相を減圧したりして蒸発効率を高める手法が一般に行われる。更に、円筒内壁に被濃縮物の薄膜を形成させる場合は、円筒内部を回転するブレードにより薄膜の気相及び伝熱面接触部を更新させつつ濃縮する手法も組み合わせることにより、より効率的に濃縮することができる。また、容器内部に気流を通し、蒸発効率を高める手法も好適である。
(1−3)撹拌濃縮法。
撹拌濃縮法は、容器内に充填(充填率5〜70容量%程度)された被濃縮物を、容器内部に設けられた撹拌羽根により撹拌し、気相及び伝熱面との接触頻度を高め、濃縮する方法である。
この場合、容器にジャケットを設けて容器を加熱したり、容器内部を減圧したりして蒸発効率を高める手法が一般に行われる。また、容器内部に気流を通し、蒸発効率を高める手法も好適である。
[その他の成分]
第1の原料(A)は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のほかに、ノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。ノニオン界面活性剤を含有させると、最終製品として得られる粒状洗剤の洗浄能力が向上する点で好ましい。また、ノニオン界面活性剤を含有させると、低水分領域(例えば10%程度)であってもα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の良好な流動性を確保できる。
また、第1の原料(A)に、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩以外のアニオン界面活性剤を配合することもでき、溶解改善などのために必要に応じて、炭酸カリウム、硫酸カリウム等の他成分を添加することもできる。
[ノニオン界面活性剤]
第1の原料(A)に含有させるノニオン界面活性剤の具体例としては、例えば以下の(1)〜(3)が挙げられる。
(1)下記一般式(II)で表される脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル。
Figure 2008179800
(式中、RCOは炭素数6〜20の飽和または不飽和の脂肪酸残基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基あるいはそれらの混合したオキシアレキシン基、nはオキシアルキレンの平均付加モル数を示し、好ましくは3〜30(ランダム、ブロック付加したものを含む)である。Rは炭素数1〜5の低級アルキル基を示す。)
(2)飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のアルコール(炭素鎖長8〜18)に、オキシエチレンを平均3〜30モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル。
(3)飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のアルコール(炭素鎖長8〜18)に、オキシエチレンを平均3〜30モル、およびオキシプロピレンを平均2〜30のモル付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル。
第1の原料(A)にノニオン界面活性剤を含有させる場合、その含有量は特に限定されないが、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると添加効果が良好に得られ、上限値以下であるとα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の流動性を確保できる。
[アニオン界面活性剤]
第1の原料(A)に含有させるアニオン界面活性剤の具体例としては、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩等があり、例えば以下の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、
(2)平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、
(3)平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテル硫酸塩またはアルケニルエーテル硫酸塩、
(4)平均炭素数8〜22の脂肪酸低級アルキル(C1〜C3)エステルのスルホン酸塩、
(5)平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩。
これらのアニオン界面活性剤における対イオンとしては、通常ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩が適当である。
第1の原料(A)に、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩以外のアニオン界面活性剤を含有させる場合、その含有量は特に限定されないが、20質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。上記範囲の上限値以下であるとα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の流動性を確保できる。下限値は特に限定されないが、添加による効果を良好に得るには2質量%以上添加することが好ましい。
本発明で用いられる洗剤用原料において第1の原料(A)の占める割合は5〜30質量%であり、5〜20質量%が好ましく、7〜15質量%がより好ましい。該第1の原料(A)の割合が5質量%以上であると粒状洗剤の対硬水性を確保でき、30質量%以下であると装置への付着性を良好に抑制できる。
<無機硫酸塩(B)>
本発明で用いられる無機硫酸塩としては、洗剤組成物の含有成分として公知の無機硫酸塩を適宜用いることができる。第1の原料(A)とは別に無機硫酸塩(B)を添加することにより、捏和工程または撹拌造粒工程において、第1の原料(A)中の水分が無機硫酸塩(B)に移行し、その結果、粉体のべたつきが低減して装置への付着が抑えられると考えられる。また、無機硫酸塩(B)は、例えば炭酸塩等に比べて水分の吸着による発熱が小さく、この点も装置への付着を抑えるうえで好ましい。
無機硫酸塩(B)の具体例としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等が挙げられる。これらのうちでも、経済性の点で、硫酸ナトリウムが好ましい。
無機硫酸塩(B)は含水塩でもよく、無水塩でもよい。第1の原料(A)中の水分をより効率良く無機硫酸塩(B)に移行させるためには、無機硫酸塩(B)の一部または全部が無水塩であることが好ましく、全部が無水塩であることがより好ましい。
無機硫酸塩(B)は粉末状で添加することが好ましい。該粉末の平均粒径は特に限定されないが、50μm〜300μmが好ましく100μm〜200μmがより好ましい。
本発明で用いられる洗剤用原料において無機硫酸塩(B)が占める割合は1〜30質量%であり、1〜15質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましい。該無機硫酸塩(B)の含有量が1質量%以上であると添加効果が充分に得られ、30質量%以下であると粒状洗剤の溶解性を確保できる。なお、本発明において該無機硫酸塩(B)の占める割合は、第1の原料(A)および後述の噴霧乾燥粒子(C)とは別に配合する無機硫酸塩(B)の量を意味しており、第1の原料(A)または噴霧乾燥粒子(C)に無機硫酸塩が含まれている場合、その無機硫酸塩の量は、無機硫酸塩(B)の量には含まれないものとする。
<噴霧乾燥粒子(C)>
本発明における洗剤用原料の一部として、界面活性剤を含む噴霧乾燥粒子(C)を用いることが好ましい。
噴霧乾燥粒子(C)はアニオン界面活性剤(C1)とビルダー(C2)を含有するものが好ましい。必要に応じてその他の成分(C3)を含有してもよい。
[アニオン界面活性剤(C1)]
アニオン界面活性剤(C1)としては、従来、洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、公知の各種アニオン界面活性剤が挙げられる。ただし、噴霧乾燥粒子(C)はα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含まないことが好ましい。
例えば、アニオン界面活性剤(C1)の例として、以下の(1)〜(11)に示すアニオン界面活性剤が挙げられる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及び、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)の少なくともいずれか、を付加したアルキルエーテル硫酸塩、又は、アルケニルエーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基若しくはアルケニルフェニル基を有し、平均3〜30モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及び、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)の少なくともいずれか、を付加したアルキルフェニルエーテル硫酸塩、又は、アルケニルフェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及び、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)の少なくともいずれか、を付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)長鎖モノアルキルリン酸塩、ジアルキルリン酸塩、又は、セスキアルキルリン酸塩。
(10)ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンジアルキルリン酸塩、又は、ポリオキシエチレンセスキアルキルリン酸塩。
(11)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩。
上記アニオン界面活性剤(C1)は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いてもよい。アニオン界面活性剤(C1)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記アニオン界面活性剤の中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)や、AOS、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)等が好ましい。
噴霧乾燥粒子(C)中におけるアニオン界面活性剤(C1)の含有量は、粒状洗剤の洗浄能力発揮のためには10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。他の成分とのバランスの点からは40質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
[ビルダー(C2)]
ビルダー(C2)としては、無機ビルダー及び有機ビルダー等が挙げられる。
(無機ビルダー)
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウム等のアルカリ性塩;硫酸ナトリウム等の中性塩;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;下記一般式(VI)で表される結晶性アルミノ珪酸塩;下記一般式(VII)で表される無定形アルミノ珪酸塩;下記一般式(VIII)で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
一般式(VI):x1(MO)・Al・y1(SiO)・w1(HO)。
一般式(VI)において、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を表す。x1、y1及びw1は、各成分のモル数を表し、一般的に、x1は0.7〜1.5のいずれかの数、y1は0.8〜6のいずれかの数、w1は任意の正数を表す。
一般式(VII):x2(MO)・Al・y2(SiO)・w2(HO)。
一般式(VII)において、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を表す。x2、y2及びw2は、各成分のモル数を表し、一般的に、x2は、0.7〜1.2のいずれかの数、y2は1.6〜2.8のいずれかの数、w2は0又は任意の正数を表す。
一般式(VIII):x3(MO)・Al・y3(SiO)・Z3(P)・w3(HO)。
一般式(VIII)において、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を表す。x3、y3、Z3及びw3は、各成分のモル数を表し、一般的に、x3は、0.2〜1.1のいずれかの数、y3は0.2〜4.0のいずれかの数、z3は0.001〜0.8のいずれかの数、w3は0又は任意の正数を表す。
前記無機ビルダーの中では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、及び、アルミノ珪酸ナトリウム等が好ましい。これらの無機ビルダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(有機ビルダー)
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノまたはジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体及び共重合体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体または共重合体;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非解離高分子化合物等が挙げられる。
これらの有機ビルダーの中では、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、およびアクリル酸−マレイン酸共重合体、等が好ましい。これらの有機ビルダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
噴霧乾燥粒子(C)中におけるビルダー(C2)の含有量は、充分な洗浄性を付与するためには、75〜90質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましい。
[その他の成分(C3)]
上記アニオン界面活性剤(C1)とビルダー(C2)のほかに、噴霧乾燥粒子に配合されるその他の成分(C3)としては、従来、洗剤において使用される成分の中から適宜選択して使用できる。
例えば、上記アニオン界面活性剤(C1)以外の他の界面活性剤、水溶性高分子化合物、蛍光増白剤などが挙げられる。
他の界面活性剤としては、公知のノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。噴霧乾燥粒子(C)に、アニオン界面活性剤(C1)以外の他の界面活性剤を含有させる場合、その含有量は特に限定されないが、天然原料比率を大きくする点からは、噴霧乾燥粒子中に30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。下限値は特に限定されないが、添加による効果を良好に得るには2質量%以上添加することが好ましい。
水溶性高分子化合物としては、天然高分子化合物、半合成高分子化合物及び合成高分子化合物のいずれも好適に用いることができる。
本明細書における「水溶性高分子化合物」とは、20℃における水への溶解度が0.1g/(100g水)以上であり、好ましくは0.2g/(100g水)以上であり、より好ましくは0.3g/(100g水)以上である化合物である。また、質量平均分子量は500以上が好ましく、2000以上がより好ましく、上限値は、好ましくは100000以下である。なお、ここでいう「質量平均分子量」とは、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される値を意味する。
天然高分子化合物としては、例えば寒天、アルギン酸ナトリウム等の海藻類の高分子化合物;キサンタンガム、アラビアガム等のガム類の高分子化合物;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等のタンパク質類の高分子化合物等が挙げられる。
半合成高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等のデンプン誘導体等が挙げられる。
また、合成高分子化合物としては、アクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、ポリビニルアルコール類、カルボキシビニルポリマー類、高重合ポリエチレングリコール類等が挙げられる。
上記の水溶性高分子化合物の中でも、一般に洗浄用として用いられる、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、及びこれらの塩;高重合ポリエチレングリコール等がより好ましく、アクリル酸/マレイン酸共重合体がさらに好ましい。
上記水溶性高分子化合物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
噴霧乾燥粒子(C)に該水溶性高分子化合物を含有させる場合、その含有量は特に限定されないが、噴霧乾燥粒子中に0.1〜15質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると水性スラリーの安定性を確保できる。上限値以下であると粒状洗剤の溶解性を確保できるし、経済性も維持できる。
蛍光増白剤の例としては、Disodium4,4’−bis(2−sulfostyryl)−biphenyl、Disodium4,4’−bis[(4−anilino−6−morpholino−1,3,5−triazine−2−yl)amino]stilbene−2,2’−disulfonate等が挙げられる。
[噴霧乾燥粒子(C)の製造方法]
噴霧乾燥粒子(C)は、例えば、界面活性剤および必要に応じてアルカリビルダー、その他の成分を含有するとともに、水分を好ましくは35〜40質量%程度含有するスラリーを調製し、該スラリーを噴霧乾燥する方法で得られる。
噴霧乾燥は公知の方法で行うことができる。例えば、前記スラリーを噴霧乾燥塔に移送し、該噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置された噴霧乾燥用スラリーの微粒化装置から、所定の噴霧圧力で噴霧を行う方法により噴霧乾燥粒子を製造できる。
噴霧乾燥塔は、向流式であっても並流式であってもよく、中でも、熱効率や乾燥粉(噴霧乾燥粒子)を充分に乾燥することができることから向流式が好ましい。
噴霧乾燥用スラリーの微粒化装置としては、圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式等が挙げられる。中でも、所望とする平均粒径を得ることが容易な圧力噴霧ノズルを用いることが好ましい。
噴霧乾燥用スラリーの噴霧乾燥時、噴霧乾燥塔内には高温ガスが供給される。この高温ガスは、例えば噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される。
この高温ガスの温度としては、170〜300℃であることが好ましく、200〜280℃であることがより好ましい。該範囲であれば、噴霧乾燥用スラリーを充分に乾燥することができ、所望とする水分含有量の噴霧乾燥粒子を容易に得ることができる。
また、噴霧乾燥塔より排出されるガスの温度は、通常、70〜125℃であることが好ましく、70〜115℃であることがより好ましい。
なお、高温ガスが噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される(向流式)場合、得られる噴霧乾燥粒子の温度が高くなりすぎることを抑制するために、噴霧乾燥塔の下部より冷風を供給することができる。また、同時に、例えば噴霧乾燥塔の下部より無機微粒子(ゼオライト等)などを導入し、噴霧乾燥粒子と接触させることにより、該噴霧乾燥粒子の噴霧乾燥塔内壁への付着を防止したり、得られる噴霧乾燥粒子の流動性を向上させたりすること等ができる。
噴霧乾燥における乾燥条件は、得られる噴霧乾燥粒子における水分含有量が3〜8質量%となるように設定することが好ましい。該噴霧乾燥粒子中の水分含有量は、好ましくは3.5〜7.5質量%であり、より好ましくは4〜7質量%である。噴霧乾燥粒子中の水分含有量は、例えば、噴霧乾燥塔内に供給される高温ガスの温度を調整する方法や噴霧条件の変更等で制御できる。例えば、噴霧圧力の変更や噴霧ノズルの口径を変更することにより、噴霧粒子の粒径を調節し、これによって乾燥効率を調節することができる。
噴霧乾燥粒子(C)の平均粒径は特に限定されないが、好ましくは100〜700μm程度であり、150〜500μmがより好ましい。上記範囲の下限値以上であると取り扱い性を維持できる。例えば、粒径が細かすぎると安息角が大きくなり流動性が低下するために製品サイロから排出しにくくなる。また、上限値以下であると外観の美しさを維持できる。該平均粒径は噴霧条件によって制御できる。
ここで、本明細書における平均粒径は質量基準のメジアン径である。
本発明で用いられる洗剤用原料において噴霧乾燥粒子(C)が占める割合は40〜80質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。該噴霧乾燥粒子(C)の含有量が上記範囲の下限値以上であると装置付着を良好に抑制でき、上限値以下であると洗浄能力を良好に発揮できる。
<他の配合成分(D)>
本発明で用いられる洗剤用原料の一部として、上記第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)、噴霧乾燥粒子(C)以外の、他の配合成分(D)を用いてもよい。
該他の配合成分(D)として、例えば、炭酸塩、セスキ炭酸塩、亜硫酸塩等のナトリウム塩やカリウム塩が挙げられる。なかでも炭酸塩が好ましく、具体例としては炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられ、特に経済性の点で炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明で用いられる洗剤用原料において他の配合成分(D)が占める割合は20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。他の配合成分(D)の割合が上記範囲の上限値以下であると溶解性を維持できる。
<粒状洗剤の製造方法>
本発明において、粒状洗剤は、(1)洗剤用原料を捏和した後粉砕する工程、または(2)洗剤用原料を撹拌しつつ造粒する撹拌造粒工程を経て製造される。
[(1)洗剤用原料を捏和した後粉砕する方法]
(捏和工程)
本工程では、洗剤用原料として用いられる、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)および必要に応じて用いられる噴霧乾燥粒子(C)等を捏和(混練)装置に投入し、剪断力を付与しながら輸送、圧密化、捏和(混練)を経て段階的に混合して固形の捏和物(混練物)を得る。捏和(混練)装置には、上記洗剤用原料のほかに、必要に応じて水を導入してもよい。
なお本発明において、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)または噴霧乾燥粒子(C)等の各原料に含まれている水分は、洗剤用原料の一部とする。またこれらとは別に捏和工程で加える水も、洗剤用原料の一部に含まれるものとする。
捏和(混練)装置に投入する第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましく、50℃以上であると取り扱い易く、95℃以下であると成分の安定性が良い。該第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましく、60〜75℃がより好ましい。
捏和(混練)装置としては、公知の装置を適宜使用できる。例えば、密閉式の圧密化処理装置、好ましくは横型連続式のニーダーが好適に挙げられる。ニーダーの他に、一軸又は二軸スクリュー押出機などを用いることもできる。これらの装置は、回分式、連続式の何れであってもよい。
捏和(混練)装置内における被捏和物の温度は、一般に30〜80℃、好ましくは35〜75℃、更に好ましくは40〜70℃である。温度が30℃よりも低い場合には、捏和(混練)装置への負荷が過大となり易く、好ましくない。一方、温度が80℃よりも高くなると、逆に、捏和(混練)が粉砕機等の後工程で使用する装置に付着し易くなり、好ましくない。
捏和(混練)による被捏和物(洗剤用原料)の温度上昇を抑制するため、捏和(混練)装置のジャケットに冷媒を通しながら捏和(混練)を行うことが望ましい。冷媒としては、エチレングリコールの水溶液が好適であり、その濃度は15〜30質量%、好ましくは20〜25質量%が好ましい。
捏和(混練)工程を終えて得られる捏和物(混練物)の嵩密度は、一般に、0.5〜1.2g/cc 、好ましくは0.6〜1.0g/ccである。また捏和物(混練物)は不定形であり、その寸法は一般に10〜500mmであるが、次工程で捏和物(混練物)を押出機に導入する際に、該押出機のスクリューのピッチの大きさよりも小さければ特に制限はない。
(押出工程)
捏和(混練)工程で得られた捏和物(混練物)は、これを粉砕する前に、押出装置で押出つつ切断してペレット状に成形することが好ましい。
押出装置としては、一般に、一軸又は二軸スクリュー型押出機やディスク型押出機やロール型押出機を使用することができるが、洗剤の製造においてはスクリュー型が好ましく、二軸型がより好ましい。
押出機におけるダイス厚み、ダイス開孔率、ダイス孔径、ダイス形状等の条件は、処理する捏和物(混練物)の物性や次工程での粉砕処理のしやすさを鑑みて適宜設定することが好ましい。
また、押出時のペレット状捏和物の温度(押出温度)は、一般に20〜80℃、好ましくは30〜70℃、更に好ましくは40〜60℃である。該温度が20℃よりも低い場合には、押出機への負荷が過大となり易く好ましくない。一方、温度が80℃よりも高くなると、捏和物(混練物)が装置内に付着し易くなり好ましくない。押出機において、捏和物(混練物)がスクリューに付着して押出能力を低下させる場合、ジャケットによって冷却したり加温したりすることが好ましい。特にスチームをスクリュー表面に導入すると付着抑制の効果が大きい。
本工程で得られるペレットの直径は、一般に、直径が1〜20mmφが好適であり、好ましくは3〜15mmφ、更に好ましくは5〜12mmφである。ペレットの直径が小さすぎると、押出圧力の上昇により押出機に取付けられたダイス変形等のトラブルの原因となる。一方、ペレットの直径が大きすぎると、次工程において粉砕機への負荷が増大する。また、ペレットの長さは、ペレット切断用ナイフへの付着や次工程における粉砕機への負荷を考慮すると、5〜30mmが適当であり、好ましくは5〜15mmである。
(粉砕工程)
次いで、好ましくはペレット状に成形された、捏和物(混練物)を粉砕して粒状洗剤を得る。例えば、分級スクリーンを有したカッターミルタイプの粉砕機を用い、スクリーン穴径の大きい粉砕機から小さい粉砕機へ順次供給して多段粉砕する方法が好ましい。
(粉砕造粒機)
粉砕装置としては、内部に回転体とスクリーンを装着した粉砕造粒機、好ましくは、ハンマーミル、アトマイザー、パルペライザー等の衝撃式粉砕機、カッターミル、フェザーミル等の切断・剪断式粉砕機などが用いられる。
粉砕中、粉砕装置内へ送風を行って被粉砕物の温度制御を行うことが好ましい。好ましくは、粉砕を終えた直後の粉体(粒状洗剤)の温度が30〜40℃の範囲となるように、温度制御された冷風または温風を供給する。粉体温度が上記の範囲内であると装置付着をより抑制できる点で好ましい。
送風温度は10〜40℃が好ましい。また、送風量は0.1〜5m3/kg(粉砕物の単位質量当たり)が好ましい
粉砕に際しては、粉砕助剤を添加することが好ましい。粉砕助剤は、粉砕機中に少量添加することにより、粉砕動力の低減、粉砕粒度の改善、粉砕製品の性状の改善などの作用を奏する。粉砕助剤の平均粒径は50μm以下が好適であり、好ましくは20μm以下である。また、添加量は被粉砕物の全量に対して0.5〜10質量%が好適である。
本発明において、粉砕助剤を用いる場合は、該粉砕助剤も洗剤用原料の一部に含むものとする。
粉砕助剤の種類としては、例えば、ステアリン酸塩、A型ゼオライト等のアルミノ珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルカリ土類金属炭酸塩、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、タルク、ベントナイト等の粘土鉱物、二酸化珪素、二酸化チタン、微粉砕された炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが望ましい。
これらの粉砕助剤が粉砕物(粉体)表面に付着し、粉砕物の表面活性を低下させることにより、粉砕機への付着防止およびこれに伴なう粉砕動力の低減や、粉砕物の流動性改善が図られる。
粉砕助剤の添加方法としては、予め粉砕前に混合する方法と、多段粉砕の1段目に必要量の全量を一括添加する方法と、各段毎に分割添加する方法とがある。いずれを選定するも任意であるが、助剤効果および経済性の点で一括添加が望ましい。さらに、粉砕機同士を直結し、各段間を密閉する系とすることにより(密閉直結型)、粉砕助剤の損失が少なくなり、少量の助剤添加量で効果的に作用させることができる。
(4)処理時間
通常、1〜30秒、好ましくは3〜30秒である。
(5)スクリーン孔径
一般に、被粉砕物の粉砕性と所望の粒子径によって設定する。通常、粒状洗剤の製造の場合、所望平均粒径の3.0〜30.0倍、好ましくは4.0〜25.0倍の孔径のスクリーンを使用できる。例えば平均粒径500μmの粒子(粉体)を得ようとした場合、1.5〜15mmの孔径のスクリーンを、被粉砕物の大きさによって選定して使用すればよい。また、一段内に2種以上の穴径のものを設定することで、より効果的な粉砕を行なうこともできる。
(粉体の性状)
粉砕により得られる粉体(粒状洗剤)の平均粒径は、200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがより好ましい。平均粒径が1500μmを超えると、洗濯中での溶解性が遅くなり、布付着、洗浄力低下の問題が生じるおそれがある。逆に200μm未満であると、微粉の増加による発塵量の増大と粉砕収率の低下、流動性の悪化につながりやすい。
また該粉体(粒状洗剤)の嵩密度は、一般に0.6〜1.2g/mlであり、好ましくは、0.7〜1.0g/mlであることが望ましい。この嵩密度が1.2g/mlを超えると、溶解性が悪化する傾向がある。
[(2)洗剤用原料を撹拌しつつ造粒する方法]
(撹拌造粒法)
撹拌造粒法は、洗剤用原料として用いられる、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)および必要に応じて用いられる噴霧乾燥粒子(C)等を撹拌造粒装置(内部撹拌型混合機)に導入して、剪断作用と圧密作用と転動作用を利用して造粒物(粒状洗剤)を得る方法である。
撹拌造粒装置に投入する第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましい。50℃以上であると取り扱い易く、95℃以下であると成分の安定性が良い。該第1の原料(A)の温度は、50〜95℃が好ましく、60〜75℃がより好ましい。
本方法で使用される撹拌造粒装置は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を内部の中心に有し、撹拌羽根が回転する際に撹拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造であることが好ましい。
撹拌造粒装置は、ジャケットを備えた構造が好ましく、ジャケットに通液する媒体の温度は、5〜40℃が好ましく、更に好ましくは10〜20℃であることが望ましい。この温度範囲にすることにより、好適な造粒物を得るための造粒時間が短くなり生産性が向上し、粒度分布がシャープになる。また洗剤用原料のうち粉体原料は常温で、ノニオン界面活性剤は溶融している温度で供給すればよく、混合機内の温度は特に制御する必要はない。尚、造粒物の温度は、供給原料の温度、撹拌熱等により通常30〜60℃である。
(5)添加剤
造粒時に造粒を促進するために、バインダーを添加してもよい。バインダーの例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダの如きポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー溶液、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等のノニオン性物質、脂肪酸、珪酸ソーダ水溶液、水等を挙げることができる。バインダーの配合量は洗剤用原料100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、特に0.5〜5質量部が望ましい。
(造粒物の性状)
撹拌造粒により得られる造粒物(粒状洗剤)の平均粒径は、200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがより好ましい。平均粒径が1500μmを超えると、洗濯中での溶解性が遅くなり、布付着、洗浄力低下の問題が生じるおそれがある。逆に200μm未満であると、微粉の増加による発塵量の増大と粉砕収率の低下、流動性の悪化につながりやすい。
造粒物(粒状洗剤)の平均粒径は、例えば撹拌造粒装置における滞留時間によって制御することができる。
また該造粒物(粒状洗剤)の嵩密度は、一般に0.6〜1.2g/mlであり、好ましくは、0.7〜1.0g/mlであることが望ましい。この嵩密度が1.2g/mlを超えると、溶解性が悪化する傾向がある。
このように、(1)洗剤用原料を捏和した後粉砕する工程、または(2)洗剤用原料を撹拌しつつ造粒する撹拌造粒工程を経て製造された粒状洗剤に対して、さらに、微粉体によるコーティングを施してもよい。
例えば、常法により微粉体を表面被覆剤として添加し、粒状洗剤の表面を被覆することが好ましい。この表面被覆剤としては、アルミノケイ酸塩が洗濯時にカルシウムイオン捕捉剤として作用するので望ましく、特に一次粒子の平均粒径が10μm以下のアルミノケイ酸塩が望ましい。アルミノケイ酸塩以外に一次粒子の平均粒径が10μm以下の二酸化珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、無定形シリカ誘導体等のシリケート化合物の様な無機微粉体も好ましい。また、一次粒子の平均粒径が10μm以下の金属石鹸も同様に用いることができる。
またこうして得られる粒状洗剤は、そのまま粒状洗剤組成物の成分として用いることができる。具体的には、得られた粒状洗剤と、例えば漂白剤粒子、漂白活性化剤粒子、酵素粒子、柔軟化剤粒子、シリコーン粒子等の配合成分粒子とを混合して粒状洗剤組成物を製造することができる。また香料を、香料粒子として配合してもよく、混合する際に液状の香料を噴霧添加してもよい。
本発明の方法によれば、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水分を含有する洗剤用原料を捏和装置で捏和した後粉砕する工程、または該洗剤用原料を撹拌造粒装置で撹拌造粒する工程において、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水分を含有する第1の原料(A)とは別に、無機硫酸塩(B)を捏和装置または撹拌造粒装置に投入することにより、粉砕装置内および撹拌造粒装置内への粉体の付着を抑えることができる。
また、無機硫酸塩は、一般的に洗剤成分として配合されることが多い化合物であり、これまで洗剤成分として配合していた無機硫酸塩の一部または全部を、かかる別添加の無機硫酸塩(B)として用いることができ、そうすれば洗剤組成を変更することなく上記の効果を得ることができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、配合比率および含有量の単位は、特にことわりのない限り質量%である。
(実施例1〜7および比較例1〜5)
表1に示す配合で噴霧乾燥粒子(C)を後述の方法で製造した。これとは別に表1に示す配合の第1の原料(A)を後述の方法により調製した。そして連続式ニーダー(株式会社栗本鐵工所社製、製品名:KRC−S4、ダイス径:4インチ)に、噴霧乾燥粒子(C)、第1の原料(A)、表1に示す無機硫酸塩(B)、および表1に示す他の配合成分(D)を投入するとともに、これら(A)〜(D)の合計量100質量部に対して1質量部の水道水を投入し、捏和して不定形の捏和物を得た。ニーダーに投入する際の第1の原料(A)の温度は65℃であった。ニーダー内における被捏和物の温度が60℃となるように温度制御した。
次いで、得られた捏和物を押出機(不二パウダル社製、製品名:ペレッターダブル)でペレット状(直径:10mm、長さ:5mm)に成形した。押出温度は55℃とした。
続いて、得られたペレットに表1に示す粉砕助剤を添加して粉砕機(ホソカワミクロン社製、製品名:フィッツミル、3段直列)で、15℃の冷風を供給しつつ粉砕して、平均粒径450μmの粒状洗剤を得た。
粉砕工程における、装置内への粉体の付着性を後述の方法で評価した。その結果を表1に示す。
得られた粒状洗剤に対し、下記の方法で賦香、着色を施した後、酵素粒子を添加混合して最終製品としての粒状洗剤を得た(他の実施例および比較例も同様)。
[賦香]
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で得られた粒状洗剤を混合しつつ、0.14%相当量の香料を噴霧して賦香した。香料は下記組成のものを用いた。
香料:デカナール0.5%、オクタナール0.3%、ヘキシルシンナミックアルデヒド10.0%、ジメチルベンジルカルビニルアセテート8.0%、レモン油3.0%、リリアール6.0%、リラール2.0%、リナロール5.0%、フェニルエチルアルコール7.5%、トナリド2.0%、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート3.0%、ガラクソリド BB(ベンジルベンゾエート)2.0%、リナスコール2.5%、ゲラニオール1.0%、シトロネロール2.0%、ジャスモランジ2.0%、メチルジヒドロジャスモネート5.0%、ターピネオール1.0%、メチルヨノン3.0%、アセチルセドレン5.0%、レモニトリル1.0%、フルイテート1.0%、オリボン1.5、ベンゾイン1.0%、シス−3−ヘキセノール0.5%、クマリン2.0%、ダマセノン0.2%、ダマスコン0.3%、ヘリオナール1.5%、ヘリオトロピン1.5%、アニスアルデヒド2.5%、ガンマーウンデカラクトン0.8%、バグダノール1.2%、トリプラール0.5%、スチラリルアセテート1.5%、キャロン0.1%、ペンタリド3.0%、オキサヘキサデセン−2−オン2.9%、エチレンブラシレート6.2%。香料成分の%は香料組成物中の%を示す。
[着色]
得られた賦香後の粒状洗剤の一部を着色するために、該粒状洗剤の粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の粒子層高30mm、層幅300mm)その表面に色素を噴霧した。色素は下記のものを用いた。
色素:青色色素溶液(群青)35%溶液(大日精化(株)製)
[酵素粒子の混合]
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で、着色後の粒状洗剤に、酵素粒子0.9%相当量を5分間混合して、最終製品としての粒状洗剤(平均粒子径500μm、嵩密度0.80g/mL)を得た。酵素粒子は下記のものを用いた。
酵素粒子:サビナーゼ18T(ノボ・ノルディスクバイオインダストリー製)。
表1は、得られた粒状洗剤の質量を100質量%としたときの各成分の含有量(単位:質量%)を示している。なお、乾燥噴霧粒子(C)に含まれる水分と、第1の原料(A)に含まれる水分は該100質量%の中には含まれないものとする。(表2、3も同様。)
表1に示す各原料は以下の通りである。
LAS:ライオン株式会社製、ライポンLH−200。
石鹸:脂肪酸(C12−18)ナトリウム(純分67質量%)。
MA剤:日本触媒株式会社製、アクアリックTL−400(純分40質量%水溶液)。
A型ゼオライト:日本化学株式会社製、A型ゼオライト(純分47.5質量%)。
亜硫酸ナトリウム:神州化学株式会社製、無水亜硫酸曹達。
硫酸ナトリウム:日本化学工業株式会社製、中性無水芒硝。
炭酸カリウム:旭硝子株式会社製、炭酸カリウム(粉末)。
炭酸ナトリウム:旭硝子株式会社製、粒灰。
蛍光増白剤(ビフェニル型蛍光剤):チバスペシャリティケミカルズ製、チノパノールCBS−X。
MES−Na:α−スルホ脂肪酸(C14−16)メチルエステルナトリウム塩(AI90質量%)。
ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレン(平均付加モル数=15)アルキル(C12−14)エーテル(純分90質量%)。
粉砕助剤:顆粒A型ゼオライト
(噴霧乾燥粒子(C)の製造方法)
実施例1〜7および比較例1〜5において、噴霧乾燥粒子は以下の方法で製造した。
まず、水に表1に示す原料を加えて均一に混合して噴霧乾燥用スラリーを調製した。加えた水以外の成分は、スラリー中における配合割合が表1に示す比率となるように配合量を調整した。また水の添加量は、該水以外の成分の配合量の合計量100質量部に対して35質量部とした。(なお表1に記載されている(水分)は、得られた乾燥噴霧粒子における水分含有量であり、スラリー調製時に加える水の量を示すものではない。)
ゼオライトは水を分散媒とするスラリー状で添加し、MA剤は水溶液状で添加した。いずれも表1には純分のみの含有量を示している。
配合の順序は、水、LAS、蛍光増白剤、ゼオライト、MA剤、無機化合物(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム)、石鹸の順とした。
次いで得られた噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥塔に移送し、該噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置された圧力噴霧ノズルから噴霧を行って、表1に示す組成の噴霧乾燥粒子(C)を得た。
得られた噴霧乾燥粒子(C)中の水分含有量(質量%)の測定は、Kett水分計(商品名、(株)ケツト科学研究所製;赤外線水分計)により測定した。測定条件は130℃、30分で行った。
(第1の原料(A)の調製方法)
実施例1〜7および比較例1〜5において、第1の原料(A)は以下の方法で製造した。
原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたMES−Na(水分濃度25%)に、表1に示すノニオン界面活性剤を添加し、リサイクルフラッシュ蒸発機[プレート熱交換器、製品名:EX−11型(伝熱面積424.6m)、(株)日阪製作所製]を用いて、加熱管温度120〜130℃、熱交換器内圧0.2MPa以下加圧、循環圧0.6MPa以下で蒸発操作を行ない、水分含有量が表1に示す割合となるように常圧フラッシュ濃縮して、混合濃縮物を得た。得られた混合濃縮物を第1の原料(A)として用いた。
(付着性の評価方法)
実施例1〜7および比較例1〜5において、付着性の評価は以下の方法で行った。
噴霧乾燥粒子(C)、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)、および他の配合成分(D)の合計量が3kg/分となるように連続ニーダーに連続的に投入し、同じ処理量で押出成形および粉砕を15分間行った後、粉砕機の3段のスクリーンと粉砕機のケースに付着した捏和物の合計量を測定し、下記の基準で評価した。
◎:50g未満。
○:50g以上200g未満。
△:200g以上500g未満。
×:500g以上。
Figure 2008179800
表1の結果に示されるように、実施例1〜7では粉砕装置への付着が良好に抑えられた。これに対して硫酸ナトリウムをニーダーに投入しなかった比較例1,2,3,5では付着性が劣った。また、比較例4は、硫酸ナトリウムをニーダーに投入したものの、洗剤用原料における第1の原料(A)の含有量が40.4質量%と多いため付着性が劣っていた。
(実施例8〜11および比較例6,7)噴霧乾燥粒子(C)を含有しない例
表2に示す配合で、実施例1と同様にして第1の原料(A)を調製した。
表2に示す配合で、第1の原料(A)、無機硫酸塩(B)、および他の配合成分(D)の合計量が3kg/分となるように連続ニーダーに連続的に投入し、同じ処理量で押出成形および粉砕を15分間行った後、粉砕機の3段のスクリーンと粉砕機のケースに付着した捏和物の合計量を測定し、上記実施例1と同じ基準で評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2008179800
表2の結果に示されるように、実施例8〜11では粉砕装置への付着が良好に抑えられた。これに対して硫酸ナトリウムをニーダーに投入しなかった比較例6では付着性が劣った。また、硫酸ナトリウムをニーダーに投入したものの、洗剤用原料における第1の原料(A)の含有量が44.6質量%と多い比較例7は付着性が劣っていた。
(実施例12〜15および比較例8〜11)
表3に示す配合で噴霧乾燥粒子(C)を実施例1と同様の上述の方法で製造した。ただし、噴霧乾燥用スラリーを調製する際の配合の順序は、水、LAS、AS−Na、蛍光増白剤、ゼオライト、MA剤、無機化合物(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム)、クエン酸三ナトリウム、石鹸の順とした。
これとは別に表3に示す配合の第1の原料(A)を実施例1と同様の上述の方法により調製した。
そして噴霧乾燥粒子(C)2kgを撹拌造粒装置(マツボー社製、製品名:レディゲミキサー、容量20L)に投入し、常温でよく撹拌した後、第1の原料(A)、表3に示す無機硫酸塩(B)、および表3に示す他の配合成分(D)を、表3に示す含有割合となるように3分間で添加し、さらに1分間撹拌して粒状洗剤を得た。撹拌造粒装置に投入する際の第1の原料(A)の温度は65℃であった。得られた粒状洗剤の温度は60℃であり、平均粒径は500μmであった。
(付着性の評価方法)
こうして得られた粒状洗剤を撹拌造粒装置から排出した後に、装置内に付着している粉体の質量を測定し、下記の基準で評価した。その結果を表3に示す。
◎:30g未満。
○:30g以上100g未満。
△:100g以上200g未満。
×:200g以上。
表3に示す各原料のうち、表1に記載されているものは同じ原料を用いた、表1に記載されていない原料は以下の通りである。
AS−Na:ライオン株式会社製、サンノールLM−1130(AI33%)。
クエン酸三ナトリウム:関東化学株式会社製、クエン酸三ナトリウム二水和物(試薬特級)。
珪酸ナトリウム:富士化学(株)製、2号珪酸ソーダ。
Figure 2008179800
表3の結果に示されるように、実施例12〜15では撹拌造粒装置への粉体の付着が良好に抑えられた。
一方、実施例13において、硫酸ナトリウムを撹拌造粒装置に投入せず、その代わりに噴霧乾燥粒子に含有させた比較例8では付着性が劣った。
比較例8において、炭酸ナトリウムを撹拌造粒装置に投入し、その代わりに噴霧乾燥粒子中の炭酸ナトリウム量(バランス)を減じた比較例9では、付着性は比較例8とほぼ同じであった。
実施例15において、硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムを撹拌造粒装置に投入せず、その代わりに噴霧乾燥粒子において硫酸ナトリウムを添加し、かつ炭酸ナトリウム量(バランス)を増やした比較例10は付着性が悪かった。
比較例11は、硫酸ナトリウムをニーダーに投入したものの、洗剤用原料における第1の原料(A)の含有量が47.5質量%と多いため付着性が劣っていた。

Claims (2)

  1. α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と水分を含有し、水分の含有量が30質量%以下であるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)を用いて粒状洗剤を製造する方法であって、下記工程(1)または工程(2)を含むことを特徴とする粒状洗剤の製造方法。
    工程(1):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、捏和した後粉砕する工程。
    工程(2):少なくとも前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有物(A)の5〜30質量%および無機硫酸塩(B)の1〜30質量%を含む洗剤用原料を、撹拌しつつ造粒する工程。
  2. 前記洗剤用原料に、更に、界面活性剤を含有する噴霧乾燥粒子(C)が含まれることを特徴とする請求項1記載の粒状洗剤の製造方法。
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