JP2005344109A - 粒状洗剤の製造方法 - Google Patents

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佳子 磯部
Chikashi Saegusa
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Abstract

【課題】 従来の簡素化されたノンタワープロセスにおいて、少量の噴霧乾燥洗剤粒子を効率良く活用することで、特に市場での受け入れ性の非常に高い中嵩密度の粒状洗剤を製造することができる粒状洗剤の製造方法を提供すること。
【解決手段】 (a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)粒状アルカリ無機物質と、(c)噴霧乾燥洗剤粒子とを原料とし、攪拌混合工程、中和工程及び造粒工程を含む粒状洗剤の製造方法において、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)当量以上の粒状アルカリ無機物質との中和工程を、(c)噴霧乾燥洗剤粒子の存在下で行うことを特徴とする粒状洗剤の製造方法。

Description

本発明は、衣料用洗剤組成物等として使用できる粒状洗剤の製造方法に関する。詳細には、噴霧乾燥した洗剤粒子を核として洗剤粒子を成長させることにより、洗剤粒子を簡便かつ効率良く製造することができる粒状洗剤の製造方法に関する。
現在の粒状洗剤の製造方法としては、洗剤スラリーを噴霧乾燥する工程を含む製造方法が主流である。これは、噴霧乾燥の生産性が高く、その生産能力の高いプロセスにおいて、非常に効率よく原料の水分をコントロール可能であり、また、得られる製品中の成分分布が均一で、粒径も均一であり、かつ中空粒子であることから溶解性が良好な粒状洗剤が得られる等の利点を有しているためである。しかしながら、一方、エネルギー消費や環境へ与える影響の面から、噴霧乾燥の比率を極力少なくする製造方法が求められている。
従来における噴霧乾燥を必要としない粒状洗剤の製造方法としては、例えば、洗浄作用成分たるアルキルベンゼンスルホン酸と炭酸ナトリウムと水とを強力な剪断装置で混合し、得られた固体物質を40℃以下に冷却してから微粉砕し、その結果得られた微粉を粒状化する方法(特許文献1参照)が知られており、また、高速造粒機中で55℃以下の温度で乾式中和後、液体バインダーを添加して粒状化する洗剤組成物の製造方法(特許文献2参照)が知られている。
更に、高速造粒機中で55℃以上の温度で乾式中和後、引き続き液体バインダーの存在下で造粒する洗剤粒子の製造方法(特許文献3参照)や、高速ミキサーデンシファイヤー中に、液体のアニオン界面活性剤の酸と粒状アルカリ無機物質を連続的に供給し、平均滞留時間5〜30秒、ミキサー内の粉末の含水率が5〜15%である単一ステップによる洗剤粒子の製造方法(特許文献4参照)が知られている。
更にまた、アニオン界面活性剤の液体酸前駆体の水性スラリーを粒状アルカリ無機物質に少なくとも一部を含浸させた後、中和造粒を単一ステップで行う洗剤粒子の製造方法(特許文献5参照)が知られている。また、界面活性剤を含む造粒粒子と噴霧乾燥粒子を混合して嵩密度(BD)の低い洗剤組成物を得る製造方法(特許文献6参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1に記載される製造方法では、中和反応生成物が団子状であり、中和反応を生起させるのに必要な極めて大きいエネルギーを供給できるニーダーのような混練装置を必要とする点に課題があり、上記特許文献2に記載される製造方法では、中和段階全体に渡って55℃以下に維持することが不可欠であり、冷却及び酸の添加速度を規定する等の煩雑な操作を要する点に課題がある。
また、上記特許文献3に記載される製造方法では、洗剤粒子を得るまでに幾つかの処理ステップを含み操作が煩雑であるという点に課題がある。
更に、上記特許文献4に記載される製造方法では、粉末の含水率が厳密に限定されており、含水率は原料の持ちこみ水分により左右されるため、使える原料の種類や量に自由度が狭いという課題を抱えており、また、上記特許文献5に記載される製造方法では、中和反応を促進するための水を加えないため、中和反応の進行が緩慢であり中和造粒に数分間を要すことから、比較的粒子密度が高い粒状が得られる。また、特許文献5の方法により得られる粒状洗剤は、洗濯水の温度が低い場合に溶解性がやや劣ることがある点に若干の課題がある。更に、特許文献6に記載される製造方法では、造粒粒子と噴霧乾燥粒子は個々の粒子密度に差があるため、混合後の移送・充填の工程及び製品輸送時の振動で分級しやすく、組成の均一性が劣り、また製品外観が悪くなるといった問題があった。
近年では、エネルギー消費や環境へ与える影響の面から、上述の如く、噴霧乾燥を必要としないノンタワープロセスへの移行が更に求められる一方、噴霧乾燥の利点を活かした洗剤粒子の製造方法に対するニーズも依然として存在している。しかし、噴霧乾燥を行うにあたり、設備投資抑制、設備維持及び運転適正等の面から、タワープロセスの簡素化が求められるようになってきている。
また、洗剤市場では、包装材料費や輸送費の削減のために、粉末洗剤の高嵩密度化が進む一方で、アジア市場等では、手で洗う習慣が残っており洗剤の使用量も手で測り取ることが多く、嵩密度が低目の視覚的に割得感のある嵩密度0.3〜0.8g/cm3となる、いわゆる中嵩密度の洗剤のニーズが依然として高いのも現状である。
特開昭60−72999号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平3−33199号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平4−363398号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平5−86400号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平11−172279号公報(特許請求の範囲、実施例等) 国際公開第9854288号公報(実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、従来の簡素化されたノンタワープロセスにおいて、少量の噴霧乾燥洗剤粒子を効率良く活用することで、特に市場での受け入れ性の非常に高い中嵩密度の粒状洗剤を製造することができる粒状洗剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等について鋭意検討した結果、アニオン界面活性剤の酸前駆体と当量以上の粒状アルカリ無機物質とを中和させて粒状洗剤を製造するにあたり、中和反応中に噴霧乾燥洗剤粒子を存在させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)粒状アルカリ無機物質と、(c)噴霧乾燥洗剤粒子とを原料とし、攪拌混合工程、中和工程及び造粒工程を含む粒状洗剤の製造方法において、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)当量以上の粒状アルカリ無機物質との中和工程を、(c)噴霧乾燥洗剤粒子の存在下で行うことを特徴とする粒状洗剤の製造方法を提供する。
本発明はまた、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)粒状アルカリ無機物質と、(c)噴霧乾燥洗剤粒子とを原料とし、攪拌混合工程、中和工程及び造粒工程を含む粒状洗剤の製造方法において、
(b)該酸前駆体に対して当量以上の量の粒状アルカリ無機物質と、(c)粒状洗剤に対して35〜60%の量の噴霧乾燥洗剤粒子とを含有する粉体層を、攪拌混合機能と剪断機能とを備えた造粒機に投入する工程、
該粉体層を攪拌混合する工程、
該攪拌混合した粉体層に、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体を添加する工程、
(c)該攪拌混合した粉体層に含まれる噴霧乾燥洗剤粒子の存在下で、(b)粒状アルカリ無機物質と(a)酸前駆体とを中和させながら造粒する工程、及び
嵩密度が0.40〜0.65g/cm3の粒状洗剤を得る工程を含むことを特徴とする前記粒状洗剤の製造方法を提供する。
前記中和工程を、(b)粒状アルカリ無機物質と(c)噴霧乾燥粒子とを造粒機に投入し攪拌混合した後に、アニオン界面活性剤の酸前駆体を投入して攪拌混合することにより行うのが好ましい。
前記中和工程を、(b)粒状アルカリ無機物質を造粒機に投入した後に、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体、次いで(c)噴霧乾燥洗剤粒子を投入して攪拌混合することにより行うのもまた好ましい。
アニオン界面活性剤の酸前駆体に特定量の水を添加するのが好ましく、従って、本発明において、5〜50質量%の水を添加混合し、得られるアニオン界面活性剤の液状酸前駆体を中和工程に供するのが好ましい。
攪拌混合及び剪断機能の両方を備えた造粒機の攪拌翼を特定範囲の周速度で回転させることにより中和反応を生起させるのが好ましく、従って、本発明において、攪拌混合機能と剪断機能とを備えた造粒機の攪拌翼を1〜15m/secの周速度で回転させることにより行うのが好ましい。
本発明においてはまた、得られる粒状洗剤の嵩密度が0.30〜0.84g/cm3であるのが好ましい。
本発明によれば、アニオン界面活性剤の酸前駆体と粒状アルカリ無機物質とを中和反応させて粒状洗剤を形成する際に、予め調製した少量の噴霧乾燥洗剤粒子を反応系に含ませることにより、空隙を持つ粒子を洗剤粒子内に含ませることができる。そのため、溶解性に優れ、流動性が良好であり、分級しにくい粒状洗剤を容易に製造することができる。また、噴霧乾燥洗剤粒子を核として粒状洗剤を成長させるため、噴霧乾燥に費やすエネルギーが少なくて済む。
本発明によればまた、得られる粒状洗剤の粒子の付着性を低減できることから、粒状洗剤が装置へ付着して装置を詰まらせることが殆どなく、装置からの排出性の良好な粒状洗剤を得ることができる。
本発明によれば、噴霧乾燥洗剤粒子として粒度が比較的揃っているものを使用する場合に、得られる粒状洗剤中比較的粗粉や微粉の割合が高くなりがちな撹拌造粒法を行う場合でも粒度の揃った造粒物を得ることができる。この場合、噴霧乾燥に適していない組成物(ノニオン界面活性剤等)に加えて、撹拌造粒に適していない組成物(高分子化合物、珪酸ナトリウム水溶液等)を同時に且つ自由に使用することができ、組成の自由度を高くすることができる。
本発明によればまた、市場の受け入れ性の高い中嵩密度の洗剤を、比較的容易に効率良く製造することができる。
(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体
本発明に用いるアニオン界面活性剤の酸前駆体(以下、単に「酸前駆体」という場合がある)としては、衣料用洗浄剤組成物に用いられる任意のアニオン界面活性剤の酸前駆体を使用することが出来る。例えば、直鎖状アルキル(炭素数8〜32)ベンゼンスルホン酸(以降、「LAS」と称することもある)、アルキル(炭素数8〜32)硫酸エステル、アルキル(炭素数8〜32)エーテル硫酸エステル、α−オレフィン(炭素数8〜32)スルホン酸、脂肪酸アルキル(炭素数8〜32)エステルスルホン酸などが挙げられる。本発明においてはまた、これらの酸の塩もまたアニオン界面活性剤の酸前駆体として使用することができる。ここで、本発明において使用できる塩は、完全に中和されておらず、粒状アルカリ無機物質と中和可能な基を有している。また、塩を形成するアニオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のアニオンがあげられる。これらの酸前駆体は一種(単独)又は2種以上の混合物として用いることができる。
本発明において、酸前駆体としては、保存安定性の点から、直鎖状アルキル(炭素数10〜18)ベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
アニオン界面活性剤の酸前駆体は、洗浄力と経済性のバランスの点から、粒状洗剤全量に対して、10〜40%含まれるのが好ましく、15〜35%含まれるのがより好ましい。
本発明において、これらのアニオン界面活性剤の酸前駆体は、水性スラリーとして使用するのが好ましい。水性スラリーは、酸前駆体を好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100%含有する。また、水性スラリーは、B型粘度計で測定される粘度が、0.5〜60Pa・s(25℃)であるのが好ましい。本発明で使用することのできる水性スラリーは、アニオン界面活性剤の酸前駆体に加えて、酸前駆体を一部中和した塩或いはその水溶液、及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルコールエトキシレート等のノニオン界面活性剤スラリーを含有することもできる。このようなノニオン界面活性剤としては、炭素数8〜18の1級又は2級アルコールにエチレンオキサイドを平均4〜50モル付加したEO付加型ノニオン界面活性剤等があげられる。ノニオン界面活性剤を添加することにより、得られる粒状洗剤が、溶解性、洗浄力、低泡性等の効果が更に向上させることができる。ノニオン界面活性剤の使用量は、アニオン界面活性剤の酸前駆体100重量部あたり、0〜15重量部とするのが好ましい。
本発明において、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し、5〜50重量%の水(上水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等)を、中和反応前に添加することで、中和反応を加速することができる。好ましくは、10〜40重量%、より好ましくは、20〜30重量%である。なお、酸前駆体への水の添加率は、酸前駆体の純分に対する割合を示す。アニオン界面活性剤の酸前駆体に混合する上記範囲となる水としては、他の液体成分、例えば、界面活性剤スラリー、蛍光剤スラリー、ポリマー水溶液等と混合する場合、その液体成分が持ち込む水として加えられていてもよいものである。水の量を5重量%以上とすることで、酸が解離し中和反応がより速やかに行われるので好ましい。また、得られる粒状洗剤の造粒機からの排出性が良好であり、粒子同士又は装置への粒子の付着が殆どないので好ましい。但し、この水の添加量が50%を超えると、洗剤中の水分が高すぎるため、造粒機壁面及び撹拌翼への粒状洗剤の付着が生じるなど製造に支障をきたす場合があり好ましくない。
本発明において、酸前駆体に水を添加する場合は、酸前駆体と添加する水とは充分な混合を行うことが必要である。このような混合方法としては、例えば、槽を用いる場合は攪拌機を用い、槽を用いない場合は、ラインホモミキサー、セミオープンインペラーの渦巻ポンプ等のインラインミキサーを用いることができる。
本発明において、上記アニオン界面活性剤の酸前駆体と添加する水との混合時の温度は、特に制御することを必要としない。原料の持ちこみ温度に、混合時の発熱が加わって、80℃を越える場合もあるが、その後の造粒工程に何ら支障をきたすものではない。
(b)粒状アルカリ無機物質
本発明に用いる粒状アルカリ無機物質としては、任意の粒状アルカリ無機物質を単独で又は二種以上組合せて使用できる。これらの物質は通常アルカリビルダーとして機能するものである。
本発明において用いることができる粒状アルカリ無機物質としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸塩;炭酸カリウムナトリウム等の複塩;珪酸ナトリウム等の珪酸塩;トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。このうち、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩が好ましく、特に炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明で用いる粒状アルカリ無機物質の粒径は任意とすることができるが、光散乱法により測定される平均粒径が1〜600μmのものが好ましく、より好ましくは100〜400μmである。
本発明において、アニオン界面活性剤の酸前駆体と粒状アルカリ無機物質のモル比は、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し、当量以上の粒状アルカリ無機物質が必要である。このアニオン界面活性剤の酸前駆体に対し、当量以上の粒状アルカリ無機物質により完全に中和する。好ましくは、2〜8倍当量、より好ましくは3〜6倍当量の粒状アルカリ無機物質にて中和することが好ましい。
1倍当量の粒状アルカリ無機物質においても、中和は可能であるが、反応完結をスムーズに行うために、2倍当量以上が好ましく、8倍当量以上のアルカリ剤の使用は、他の機能成分の配合量の減量に繋がるため、好ましくない。
本発明では、上記粒状アルカリ無機物質に加えて、任意の中性ビルダーを単独で又は二種以上混合して使用できる。このような中性ビルダーも平均粒径が1〜600μmのものが好ましく使用される。用いることができる洗剤ビルダーとしては、例えば、ゼオライト、ホワイトカーボン、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの無機物質、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩等の有機ビルダー、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸の共重合体等のポリマーなどが挙げられる。また、蛍光剤等の性能向上剤も添加することができる。
これらの任意成分が水溶液で与えられる場合、粉体層又は酸前駆体のいずれに混合しても良いし、噴霧乾燥洗剤粒子を予め製造する際のスラリーに添加しても良い。噴霧乾燥洗剤粒子を製造する際のスラリーに添加する方法の方が、噴霧乾燥洗剤粒子の添加量に自由度をもたせることができるので製造性の面から好ましい。
(c)噴霧乾燥洗剤粒子
本発明において使用することのできる噴霧乾燥洗剤粒子とは、通常衣料用洗浄剤組成物において使用される、噴霧乾燥により製造される洗剤粒子であり、任意のアニオン又はノニオン界面活性剤と、ビルダー等とから製造できる粒子である。噴霧乾燥の方法及び条件は特に限定されず、当業者に公知の慣用の方法を使用することができる。噴霧乾燥洗剤粒子を構成するアニオン界面活性剤粒子としては、既述の(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体の金属塩又はエステル塩を使用することができる。特に、直鎖状アルキル(炭素数8〜32)ベンゼンスルホネート(LAS)、α−オレフィン(炭素数8〜32)スルホン酸、脂肪酸アルキル(炭素数8〜32)エステルスルホン酸が好ましく、直鎖状アルキル(炭素数10〜18)ベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。噴霧乾燥洗剤粒子を構成するノニオン界面活性剤としては、炭素数8〜18の1級又は2級アルコールにエチレンオキサイドを平均4〜50モル付加したEO付加型ノニオン界面活性剤が好ましく使用される。
噴霧乾燥洗剤粒子は、本発明の製造方法により得られる粒状洗剤全体の15%以上80%以下となる量で使用することが適当である。さらに、25〜70%となる量が好ましく、35〜60%となる量がより好ましい。このような範囲内にあると、得られる粒状洗剤の流動性が向上し、また、粒状洗剤が互いに付着したり、装置に付着することが著しく少なくなるので好ましい。更に、乾燥塔への負荷を大幅に低減できるので好ましい。
噴霧乾燥洗剤粒子中に含まれる界面活性剤量は特に限定されないが、通常5〜80%、好ましくは12〜80%、より好ましくは10〜60%、より好ましくは15〜60%、更に好ましくは20〜40%である。このような範囲にあると、粒子強度を保つための組成を必要量含むことができ、装置への付着性低減等といった製造性が向上するので好ましい。
本発明では、アニオン界面活性剤の酸前駆体と当量以上の粒状アルカリ無機物質とを中和させて粒状洗剤を製造する際、噴霧乾燥洗剤粒子の存在下で中和反応を行う。ここで、噴霧乾燥洗剤粒子を反応系に添加する方法としては二つの方法があげられる。一つは中和反応の前に粒状アルカリ無機物質と共に噴霧乾燥粒子を造粒機に投入する方法、もう一方は粒状アルカリ無機物質と酸前駆体との中和反応中に噴霧乾燥洗剤粒子を投入する方法である。
態様1
1つ目の方法は、まず、攪拌混合機能と剪断機能とを備えた造粒機に、(b)粒状アルカリ無機物質と(c)噴霧乾燥洗剤粒子とを所定量投入して粉体層を形成する。投入する順序は特に限定されない。両物質を投入した後に、造粒機の攪拌翼を回転させて攪拌混合することにより、該粉体層を均一化するのが好ましい。
ここで、粉体層の撹拌混合は、攪拌翼の周速度(u、m/sec)と攪拌時間(sec)の積である攪拌距離(m)として表わすと、20mから60mの範囲で行うのが好ましい。このような範囲内で攪拌混合することにより、充分に均一化された粉体層が得られ、洗剤粒子の組成、粒径での均一性が得られ、酸前駆体の分散が良好であり、溶解性等品質面でも良好な粒子が得られるので好ましい。また、(c)噴霧乾燥洗剤粒子が崩壊することないので、少量の噴霧乾燥洗剤粒子を有効に活用することができ、溶解性に優れ、流動性が良好であり、分級しにくい粒状洗剤を容易に製造することができるので好ましい。さらに、得られる粒状洗剤のBDを所望の範囲に設定できるので好ましい。この撹拌混合時、剪断機(チョッパー)は稼動しても構わない。
以上の条件にて粉体原料を均一化した後、(a)水性スラリーの状態のアニオン界面活性剤の酸前駆体の全量を、一度に又は数回に分けて造粒機に投入する。ここで、攪拌翼を回転し続けながら酸前駆体を添加してもよく、攪拌翼を一旦止めて粉体層を静置した後に、酸前駆体を添加してもよい。攪拌翼を一旦止めて粉体層を静置した後に酸前駆体を添加する場合には、酸前駆体を添加した後に所定時間放置して、酸前駆体の少なくとも一部が該粉体層に含浸させるのが好ましい。造粒機の剪断翼を攪拌翼と共に回転させることにより、(b)粒状アルカリ無機物質との中和と造粒とを同時に行い、粒状洗剤を得る。
態様2
2つ目の方法は、まず、攪拌混合機能と剪断機能とを備えた造粒機に(b)粒状アルカリ無機物質を投入して粉体層を形成する。次いで攪拌翼を回転させて撹拌混合し、該粉体層を均一化する。この後、該造粒機に、(a)水性スラリーの状態のアニオン界面活性剤の酸前駆体の全量を、一度に又は数回に分けて造粒機に投入する。ここで、攪拌翼を回転し続けてながら酸前駆体を添加してもよく、攪拌翼を一旦止めて粉体層を静置した後に、酸前駆体を添加してもよい。攪拌翼を一旦止めて粉体層を静置した後に酸前駆体を添加する場合には、酸前駆体を添加した後に所定時間放置して、酸前駆体の少なくとも一部が該粉体層に含浸させるのが好ましい。造粒機の剪断翼を攪拌翼と共に回転させることにより、(b)粒状アルカリ無機物質との中和と造粒とを同時に行う。
(c)噴霧乾燥洗剤粒子は、中和反応が進行する途中に添加する。ここで、(c)噴霧乾燥洗剤粒子を添加する時間は、(a)酸前駆体に対する(b)粒状アルカリ無機物質の量により左右されるが、(b)粒状アルカリ無機物質を予め投入した造粒機に(a)酸前駆体を投入し攪拌混合を開始した後15〜60秒で、(c)噴霧乾燥洗剤粒子を投入するのが好ましい。このような範囲内で(c)噴霧乾燥洗剤粒子を造粒機に投入することにより、(a)酸前駆体が充分に分散して均一になり、円滑に造粒を行うことができるので好ましい。なお、噴霧乾燥粒子を投入した後の攪拌混合は、態様1と同様の理由から、撹拌距離で表わすと20mから60mで行うのが好ましい。
本発明で用いる造粒機としては、攪拌混合機能と剪断機能とを備えた造粒機を使用するのが好ましい。このような造粒機を使用することにより、マクロ的な攪拌混合と共に、ミクロ的な剪断混合を行うことで、中和反応をより速やかに進行させることができるので好ましい。
本発明で使用できる造粒機としては、その構造等は特に限定されるものではない。例えば、攪拌翼の攪拌軸が水平方向のものと、垂直方向のものとのいずれも使用可能であり、特に好ましくは、水平方向のものが望ましい。攪拌軸が水平方向のものの方が、垂直方向のものと比較すると、剪断翼の周辺、いわゆる円周方向に粉が集まりやすく、剪断翼との接触率がより高くなるという点から、より有効に働くからである。
このような造粒機としては、攪拌軸が水平方向のものとしては、市販の(株)マツボー社のLodige FKM型/KM型シリーズ、太平洋機工社のプロシェアーミキサーWB型/WA型等が挙げられ、また、攪拌軸が垂直方向のものとしては、深江工業社のハイスピードミキサー等が挙げられる。
攪拌混合は、攪拌軸の回転数を50〜300rpmで行うのが好ましい。また、攪拌翼を周速度(u)1〜15m/secの範囲で回転させることにより行うのが好ましい。より好ましくは2〜12m/sec.、更に好ましくは3〜10m/sec.である。このような範囲内で攪拌混合を行うことにより、溶解性、排出性及び付着性に優れた粒状洗剤を得ることができる。
本発明において、攪拌翼の周速度に関する上記中和造粒条件としては、攪拌軸が水平方向のものの場合、Fr(フルード)数を1.5〜3.0の範囲にすることが好ましい。ここで、Fr数とは、攪拌翼の周速度u(m/s)、攪拌翼の半径r(m)との関係により表わされる無次元数で、Fr=u/(9.8×r)0.5で表わされる。
上記Fr数が1.5未満の攪拌では、攪拌効率が悪く、均一な粒子が得られるまでに時間がかかり、効率的ではない。また、Fr数が3.0を越える攪拌では、粉体が壁面に沿って攪拌翼と共回りしてしまうため、同様に効率的ではない。
剪断翼の回転速度としては、1000rpm以上が好ましい。この剪断翼の回転速度が1000rpm未満では、液体、この系においては酸前駆体の分散性、造粒の進行及び粗粉の解砕が共に不足し、その結果、微粉及び粗粉が共に多く、洗剤粒子としての外観が劣ることとなる。特に、2000〜4000rpmで回転するのが好ましく、3000rpm程度がより望ましい。このような範囲内で中和及び造粒を行うことにより、速やか且つ効率的に中和造粒を行うことができ、流動性の良好な粒状洗剤が得られるので好ましい。
本発明において、中和造粒時の温度は、特に制御することを必要としない。原料の持ちこみ温度に中和時の発熱が加わって、概ね40〜80℃になるが、この温度では中和造粒工程に何ら支障をきたすものではない。
また、装置への充填率においても、中和造粒に関して大きな影響を与える因子ではなく、各装置毎の一般的な範囲内での使用であれば問題ない。例えば、前記(株)マツボー社のLodigeミキサーシリーズでは、20〜70%程度である。
本発明では、上記中和造粒で得られた粒子を、目標品質に応じて、粉砕する工程を付加することもできる。この粉砕工程で用いる装置等としては、目標粒度によって異なるが、カッターミルが適しており、代表的なものとして、市販のフィッツミル(Fitz−Mill、ダルトン社製)、スピードミル(岡田精工社製)、クイックミル(セイシン企業社製)、パワーミル(ダルトン社製)、コミニューター(ダルトン社製)、ロートプレックス(ホソカワミクロン社製)等が挙げられる。また、粉砕前後の粒径に応じて、スクリーンサイズと回転数の両方を変更でき、調整幅の広いものを使用することが特に好ましい。
本発明では、得られた洗剤粒子の性能を更に向上させるために、流動性向上剤、酵素、香料、着色剤等を添加する工程を付加しても良い。
用いることができる流動性向上剤としては、洗剤中でのカルシウム捕捉能を考慮し、ゼオライトの使用が好ましい。また、流動性向上剤の添加の際、ノニオン界面活性剤等をバインダーとして噴霧すると、洗剤粒子に対して、しっかりとコーティングがなされるため、効果的である。その際のバインダーの添加量としては、洗剤組成全量に対して、0.3〜2%程度が良い。
また、中嵩密度の中でも、低目の嵩密度を目標生成物とする場合は、ホワイトカーボンや炭酸マグネシウムなどの嵩密度の低い粉体原料を、洗剤組成全量に対して、2〜5%程度添加すると効果的である。このホワイトカーボンの添加を行う際は、中和造粒前に添加しておく方が、発塵の面からは有利である。
更に、ポストアディションとして、炭酸ナトリウムやその他の造粒方法にて得た洗剤粒子を添加することもできる。
これらの場合、好適な混合機としては、洗剤粒子に対して圧密がかかりづらい混合機が好ましく、例えば、転動ドラムやリボンミキサー及び遊星式ミキサー等が挙げられる。
得られる粒状洗剤の嵩密度は特に限定されるものではないが、好ましくは0.30〜0.84g/cm3、より好ましくは0.35〜0.74g/cm3、更に好ましくは0.40〜0.65g/cm3である。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に詳述するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
下記に示す実施例及び比較例にて得られた各粒状洗剤について、以下の方法により、嵩密度(BD)、外観及び流動性等の評価を行った。
<嵩密度(BD)の測定方法>
BDの測定は、直径110mm、高さ110mmの円筒型ステンレス製カップ(1L型)に試料をサラサラと山盛り状態になるように静かに充填し、ガラス棒で上面を水平になるようにすり切り、天秤を用いて充填されている試料の重量を測定し、同様の操作を3回行い、その平均値をもって求めた。
<外観の評価方法>
外観の評価は、粒度分布より微粉量を判定し、下記評価基準により行った。
評価基準:
◎:優れている(150μm以下の微粉の重量が、粒状洗剤全体の5%以下であるもの)
○:良い ( 〃 6〜10%であるもの)
△:やや良い ( 〃 11〜15%であるもの)
×:劣る ( 〃 16%以上であるもの)
<溶解性の評価方法>
被洗布としてアクリルシャツ2枚、ナイロンスリップ2枚、綿シャツ2枚の3種類、重量バランス布として肌シャツ5枚を用いた。なお、被洗布の重量の合計を1.5kgとした。三菱電機社製の二槽式洗濯機CW−225(W)型に、被洗布3種類及び重量バランス布を、上部から眺めたときすべての被洗布が見えるように仕込んだ。該洗濯機に、10℃に調整した水道水30リットル、粒状洗剤30gを投入し、浴比1:20の条件下で被洗布及び重量バランス布を浸し、5分間洗濯を行った。洗濯終了後、被洗布を1分間脱水した後、洗剤組成物の被洗布への付着量を目視で下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:付着物が全く又はほとんど認められないもの
○:付着物がごく僅かに認められるもの
△:付着物が僅かに認められるもの
×:付着物が認められるもの
<安息角(粉体の流動性)評価方法>
粒状洗剤試料約1kgを大バットにとり、小スコップで良く混合した。一方、平らな場所に設置した流動性測定テーブル(100mm径の円形の台)の10cm上部に、ロート(排出口8mm径)を設置した。粒状洗剤試料をランダムに採取してロートを通して測定テーブル上に落し、粒状洗剤試料の山を作った。粒状洗剤試料がテーブルに全面山盛りとなり、充分流動し、粒状洗剤試料の山の角度が一定の状態に達したら、分度器を使ってその角度を読み取った。この操作を繰り返し3回の平均を求めた。
<排出性評価法方法>
排出性の評価は、製造時に造粒機や供給機から排出する際の状態を目視にて、また上記安息角の結果と総合判断し下記評価基準により評価した。
評価基準;
◎:安息角が36°以下であり、速やかに全量排出できる。
○:安息角が37〜40°であり、ほとんどの量を問題なく排出できる。
△:安息角が41〜45°であり、排出時やや滞りがみられ造粒機・供給機内に
少量残留する。
×:安息角が46°以上であり、排出時に滞り造粒機・供給機内に残留する。
<粉体の粒度評価方法>
直径200mm、目開き1000μm、150μm、受け皿の順に乾式ふるいをセットした。試料約100gをふるいの上に載せ、水平方向に幅10〜30cmで100回移動させた。その後1000μmのふるい上に残った粒子の重量及び受け皿側に残った粒子の重量を天秤にて測定した。
粗粉量(%)=100×(1000μmのふるい上に残った粒子重量(g)/試料重量(g))
微粉量(%)=100×(受け皿側の粒子重量(g)/試料重量(g))
<粉体付着力測定方法>
ホソカワミクロン(株)製のアグロボットを用いて測定した。すなわち、直径25mmのセルに試料を12g計り取った。この時、試料の嵩密度により所定の重量の試料がセルに入らない場合は上下のセルを固定しながら軽くタッピングした。その後上ふたを粉体層にのせた。試料を入れたセルをアグロボット本体中央部のセルセット位置にセットした。測定部の扉を閉め、測定条件を入力した後測定をスタートした。引張破断力より引張破断応力を求めた。なお、引張破断応力が大きいものほど、粉体表面の付着性が強いことを意味する。
引張破断応力St(N/m2)=9.81×引張破断力Tmax.(Kg)/セル断面積A(m2
測定条件 セル内径 25mmφ 測定温度 25℃
圧縮・引張破断連続測定モード
圧縮速度 0.2mm/sec 引張速度 0.4mm/sec
<装置への付着性評価方法>
製造性における装置付着性は、製造時に造粒機壁面や撹拌翼への粒状洗剤の付着性や供給機送り羽根等への粒状洗剤の付着などを目視にて判断し下記評価基準により評価した。
評価基準;
◎:装置付着が全くなく非常に良い。
○:装置付着が若干見られるが製造性に問題ない。
△:装置付着が見られ、供給能力がやや低下する。
×:装置付着が多く見られ、供給能力が低下し製造性に問題がある。
<分級しやすさの評価方法>
大きさ90mm×150mm×130mmの箱に粒状洗剤サンプル500gを入れ、箱を水平に持ち、箱の左右を交互に上げて粒状洗剤が箱の中をゆっくり移動するよう、約6秒/1往復で動かして10往復させた後、箱の中の粒状洗剤の状態を目視にて評価した。
評価基準;
○:全体が均一で分級がない。
△:粒状洗剤が部分的に溜りやや分級があり若干外観が悪い。
×:粒状洗剤に偏りがあり分級していて外観が悪い。
(実施例1)
<噴霧乾燥洗剤粒子の調整>
下記に示す成分を100Lの配合槽に投入し、水分38%、温度70℃となるように調整した。得られたスラリーを、熱風温度240℃にて噴霧乾燥し、噴霧乾燥洗剤粒子を得た。得られた粒子を噴霧乾燥洗剤粒子Aとした。
アルキルベンゼンスルホン酸 24.4 (単位;重量部)
水酸化ナトリウム(48%品) 2.46
トリポリリン酸ナトリウム 13
珪酸ナトリウム(42%品) 42.9
ゼオライト(45%品) 28.9
硫酸ナトリウム 25
<攪拌混合工程>
造粒機として(株)マツボー社のLodige FKM50Dを使用した。該造粒機内に、下記の固形状成分及び先に調整した噴霧乾燥粒子Aを投入し、粉体層を形成した。
炭酸ナトリウム 2.35 (単位:kg)
トリポリリン酸ナトリウム 0.56
噴霧乾燥粒子A 2.0
ゼオライト(純分78%、粉末) 2.37
これらの成分を、攪拌翼を攪拌速度Fr=2.2〔回転数150rpm、周速度(u)約3.14m/s〕にて回転させ、15秒間混合した。攪拌距離は、3.14×15=47.1mであった。
<中和造粒工程>
次に、下記成分を別槽にて攪拌混合し、十分に混合し、アニオン界面活性剤の酸前駆体の水性スラリーを得た。なお、本実施例及び比較例において、酸に対する水添率は、LASに含まれる残分の水は考慮しなかった。
LAS(kg) 1.69
精製水(kg) 0.33
対酸水添加率(%) 20
次いで、酸前駆体の水性スラリーを上記FKM50D内に静置した粉体層の上に供給した。その後、約10秒放置し、酸前駆体の少なくとも一部を粉体層に含浸させた。攪拌軸の回転数150rpm、攪拌翼の周速度(u)約3.14m/s(Fr=2.2)、剪断翼の回転数3000rpmにて20秒間中和造粒を行い、粒状洗剤を得た。条件及び物性等の詳細は下記表−1に示す。
(実施例2、比較例1)
実施例2は、噴霧乾燥洗剤粒子Aの添加量を増加した増加したこと以外は実施例1と同様に行った。比較例1は、噴霧乾燥洗剤粒子Aを添加しないこと以外は実施例1と同様に行った。なお、使用した成分及び量、条件及び得られた粒状洗剤の物性等は表−1に示した。
(実施例3、4)
実施例3は、LASへの対酸水添加率を5%に低下させたこと以外は実施例1と同様に行った。 実施例4は、LASへの対酸水添加率を40%に上昇させたこと以外は実施例1と同様に行った。 なお、使用した成分及び量、条件及び得られた粒状洗剤の物性等は表−1に示した。
(実施例5)
この実施例は、噴霧乾燥洗剤粒子を中和造粒中に添加した場合の結果を示す。
まず、Lodige FKM50D内に下記の固体成分を供給した。
炭酸ナトリウム 1.84
ゼオライト(78%) 2.03
トリポリリン酸ナトリウム 0.48
硫酸ナトリウム 0.33(単位:Kg)
これらの固体成分を、撹拌翼の周速度3.14m/s(Fr=2.2)にて回転させ、120秒間混合した。次いで、このLodige FKM50D内で固体成分を静置させ、得られた粉体層の上に下記の液体成分を供給した。固体成分と液体成分との混合は実施例1と同様に行った。
LAS(96%)(Kg) 1.45
水 (Kg) 0.28
対酸水添加率 (%) 20
その後、少なくともその一部を粉体層に含浸させるための時間として約10秒間放置した後、撹拌翼の周速度3.14m/s(Fr=2.2)、剪断翼の回転速度3000rpmにて20秒間攪拌混合した時点で、ただちに噴霧乾燥粒子Aを3.6Kg造粒機に供給し更に12秒間混合し粒状洗剤を得た。条件及び物性等は表−1に示す。
(比較例2)
この比較例は、噴霧乾燥洗剤粒子Aを中和造粒が終了した粉体層に投入して混合した結果を示す。すなわち、Lodige FKM50Dに実施例5と同じ粒状アルカリ無機物質を供給し、撹拌翼を、撹拌翼の周速度3.14m/s(Fr=2.2)にて回転させ、120秒間混合した。次いで、Lodige FKM50D内で該粒状アルカリ無機物質を静置させ、得られた粉体層の上に実施例5と同じ酸前駆体の水性スラリーを供給した。その後、約10秒放置し、酸前駆体の少なくとも一部を粉体層に含浸させた。撹拌翼の周速度3.14m/s(Fr=2.2)、剪断翼の回転速度3000rpmにて20秒間攪拌混合し、中和造粒品を得た。この中和造粒品と噴霧乾燥洗剤粒子Aをドラム式混合機で混合し粒状洗剤を得た。条件等の詳細は下記表−1に示す。
上記配合成分、並びに、下記表−1で用いた配合成分等の詳細は、下記のとおりである。
LAS−H:ライポンLH−200(純分96%、硫酸約1.5%、残部水;アルキル基の炭素数10〜14;対イオン:ナトリウム、ライオン(株)製)。
ゼオライト(4A型ゼオライト):シルトンB(水沢化学(株)製)。
炭酸ナトリウム:軽灰(旭硝子(株)製)。
トリポリリン酸ナトリウム:トリポリリン酸ナトリウム(大洋化学工業(株)製)。
硫酸ナトリウム:試薬1級 硫酸ナトリウム(高杉製薬(株)製)。
水酸化ナトリウム;水酸化ナトリウム(純正化学(株)製)
珪酸ナトリウム;珪酸ナトリウム(純分42%品)((株)トクヤマ製)





Figure 2005344109

Claims (9)

  1. (a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)粒状アルカリ無機物質と、(c)噴霧乾燥洗剤粒子とを原料とし、攪拌混合工程、中和工程及び造粒工程を含む粒状洗剤の製造方法において、
    (a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)当量以上の粒状アルカリ無機物質との中和工程を、(c)噴霧乾燥洗剤粒子の存在下で行うことを特徴とする粒状洗剤の製造方法。
  2. 前記中和工程を、(b)粒状アルカリ無機物質と(c)噴霧乾燥粒子とを造粒機に投入し攪拌混合した後に、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体を投入して攪拌混合することにより行うことを特徴とする請求項1記載の粒状洗剤の製造方法。
  3. 前記中和工程を、(b)粒状アルカリ無機物質を造粒機に投入した後に、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体、次いで(c)噴霧乾燥洗剤粒子を投入して攪拌混合することにより行うことを特徴とする請求項1記載の粒状洗剤の製造方法。
  4. (a)アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し、5〜50質量%の水を添加混合し、得られるアニオン界面活性剤の液状酸前駆体を中和工程に供することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の粒状洗剤の製造方法。
  5. 前記中和工程を、攪拌混合機能と剪断機能とを備えた造粒機の攪拌翼を1〜15m/secの周速度で回転させることにより行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の粒状洗剤の製造方法。
  6. 得られる粒状洗剤の嵩密度が0.30〜0.84g/cm3である請求項1〜5のいずれか1項記載の粒状洗剤の製造方法。
  7. (c)噴霧乾燥洗剤粒子に含まれる界面活性剤量が、12〜80質量%である請求項1〜6のいずれか1項記載の粒状洗剤の製造方法。
  8. (a)アニオン界面活性剤の酸前駆体と、(b)粒状アルカリ無機物質と、(c)噴霧乾燥洗剤粒子とを原料とし、攪拌混合工程、中和工程及び造粒工程を含む粒状洗剤の製造方法において、
    (b)該酸前駆体に対して当量以上の量の粒状アルカリ無機物質と、(c)粒状洗剤に対して35〜60%の量の噴霧乾燥洗剤粒子とを含有する粉体層を、攪拌混合機能と剪断機能とを備えた造粒機に投入する工程、
    該粉体層を攪拌混合する工程、
    該攪拌混合した粉体層に、(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体を添加する工程、
    (c)該攪拌混合した粉体層に含まれる噴霧乾燥洗剤粒子の存在下で、(b)粒状アルカリ無機物質と(a)アニオン界面活性剤の酸前駆体とを中和させながら造粒する工程、及び
    嵩密度が0.40〜0.65g/cm3の粒状洗剤を得る工程
    を含むことを特徴とする前記粒状洗剤の製造方法。
  9. (c)噴霧乾燥洗剤粒子に含まれる界面活性剤量が、15〜60質量%である請求項8記載の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012067226A1 (ja) * 2010-11-19 2012-05-24 花王株式会社 洗剤粒子群の製造方法
WO2012067227A1 (ja) * 2010-11-19 2012-05-24 花王株式会社 洗剤粒子群の製造方法
JP5851408B2 (ja) * 2010-10-01 2016-02-03 ライオン株式会社 粒状洗剤組成物及びその製造方法
CN106398890A (zh) * 2016-08-30 2017-02-15 广东月福汽车用品有限公司 一种汽车空调蒸发箱清洗剂及其制备方法

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