JP4384906B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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本発明は、洗浄剤組成物、該洗浄剤組成物に使用される高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群及びアルカリ顆粒群に関する。
一般に洗浄剤は、洗濯液をアルカリ性にすることによって、汚れの分散力を上げて遊離した汚れの再汚染を防ぎながら、一方でゼオライト等の金属イオン封鎖剤を添加することにより、水道水中のCaイオンやMgイオンにより界面活性剤が受ける影響を低減することにより、衣類に付着した汚れを除去していることが知られている。
従来の洗浄剤は金属イオン封鎖剤とアルカリ剤が同一粒子内に配合されているため、洗濯液中での溶解により同時にアルカリ能と金属イオン捕捉能が発現されるか、もしくはアルカリ剤と水の反応よりも、金属イオン封鎖剤と水中のCaやMgイオンとの反応の方が速度的に遅いためにアルカリ能の発現の方が早くなることが考えられる。
ところで、これらの洗浄剤の対象の一つである人体由来の皮脂汚れはその大半において、脂肪酸を含有している。洗浄中において、Ca、Mgは脂肪酸とスカムを形成し、溶解性を低下させ、汚れの水中への分散を妨げる原因になる。特に、スカム化速度がアルカリ度(pH)が高いほど速くなることが知られており、一般の洗濯方法では洗浄パフォーマンスを最大限に生かしきれていない。
この問題を解決するために、特許文献1に、洗濯液の硬度が低下してから洗濯液のpHが増加する条件で洗濯することにより、界面活性剤の濃度が低くても洗浄力に優れる洗濯方法を提供している。
しかしながら、特許文献1では、アルカリ粒子に関しての記載はあるが、高速で金属イオン封鎖能を発現する粒子及びその製造方法に関しての記載や示唆はなく、洗浄剤組成物の洗浄パフォーマンスを最大限に生かしきれているとは言い難い。
国際公開第97/09414号パンフレット
したがって、本発明の課題は、高速で金属イオン封鎖能を発現する顆粒群(高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群)とアルカリ性が遅れて発現する顆粒群(アルカリ顆粒群)を組み合わせた洗浄パフォーマンスを最大限に生かした洗浄剤組成物並びに、該洗浄剤組成物に使用される高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群及びアルカリ顆粒群を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.2以下で、3分後のCaイオン封鎖能が10分後のCaイオン封鎖能の75%以上である高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群(A)及び10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.5以上であるアルカリ顆粒群(B)を重量比率((A)/(B))で0.25〜4.0で含む洗浄剤組成物、
〔2〕以下の工程
工程(a):金属イオン封鎖剤、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有するスラリーを調製する工程、
工程(b):工程(a)で得られたスラリーを噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を調製する工程、
工程(c):工程(b)で得られた噴霧乾燥粒子に該噴霧乾燥粒子100重量部に対して1〜80重量部の界面活性剤を担持させる工程、
工程(d):工程(c)で得られた混合物を金属イオン封鎖剤で表面改質して粒子成長度1.5以下の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を得る工程、
によって得られる、10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.2以下で、3分後のCaイオン封鎖能が10分後のCaイオン封鎖能の75%以上である高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群、並びに
〔3〕以下の工程
工程(e):水溶性アルカリ無機塩と陰イオン界面活性剤の酸前駆体とを混合して乾式中和する工程、
工程(f):工程(e)で得られた混合物を金属イオン封鎖剤で表面改質してアルカリ顆粒群を得る工程
によって得られる、10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.5以上であるアルカリ顆粒群
に関する。
本発明の洗浄剤組成物を用いることにより、洗浄パフォーマンスを最大限にいかすことができるという効果が奏される。
本発明の洗浄剤組成物は、前記のように、10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.2以下で、3分後のCaイオン封鎖能が10分後のCaイオン封鎖能の75%以上である高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群(A)及び10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.5以上であるアルカリ顆粒群(B)を重量比率((A)/(B))で0.25〜4.0で含有することを特徴とする。本発明においては、かかる特徴を有することで、洗浄パフォーマンスを最大限にいかすことができるという効果が発現される。
1.高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の物性
本発明の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群(A)とは、10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.2以下で、3分後のCaイオン封鎖能が10分後のCaイオン封鎖能の75%以上であることを特徴とするものである。
本発明の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の好ましい物性は、以下の通りである。平均粒径は、好ましくは150〜500μm、より好ましくは180〜400μm、更に好ましくは200〜350μmである。嵩密度は、好ましくは400g/L〜1100g/L、より好ましくは500〜1000g/L、更に好ましくは550〜900g/Lである。
前記平均粒径の調整は、例えば噴霧乾燥粒子を使用する場合は、噴霧乾燥粒子の粒径をノズル径や噴霧圧力によりコントロールすることで調整できる。また、嵩密度の調整は、例えば噴霧乾燥粒子を使用する場合は、噴霧乾燥粒子の嵩密度をスラリー水分や界面活性剤等の添加剤の添加によりコントロールしたり、添加する界面活性剤量をコントロールすることで調整できる。
10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHは、アルカリ性が遅れて発現する効果を引き立たせる観点から、10.0以下が好ましく、更に好ましくは9.8以下である。また、3分後のCaイオン封鎖能は、10分後のCaイオン封鎖能に対して好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上である。このように10分後のCaイオン封鎖能に対する3分後のCaイオン封鎖能の割合が高いほど、高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を水に溶解させた場合に、より高速にCaイオン封鎖能が発現されることを示す。
pHの調整は、高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群のアルカリ成分の量を所望により適宜調整すればよい。また、3分後のイオン封鎖能の比率を上げる方法としては、高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を下記に示す単核性顆粒群に調整したり、スラリー中にゼオライトが配合されている場合は、スラリーを粉砕処理してゼオライトの分散性を向上させたり、得られる噴霧乾燥粒子の水分が低くなるように噴霧乾燥を行うこと等が挙げられる。
〔pHの測定方法〕
20℃に調温したイオン交換水1L を1Lビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1Lガラスビーカー)の中に満たし、20℃の水温をウオーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン丸型細型)にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800r/min)で攪拌する。ガラス電極pH計((株)堀場製作所製)をセッティングし、精秤した高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群1.0gを攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から10分後にpHを測定する。
〔Caイオン封鎖能の測定方法〕
20℃に調温度した塩化カルシウム水溶液(濃度はCaCO3 として500ppm)1Lを1Lガラスビーカーの中に満たし、20℃の水温をウオーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン丸型細型)にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800r/min)で攪拌する。そこに精秤した試料1.00gを均一投入し、分散させ攪拌を続ける。投入から3分後及び10分後に孔サイズ0.2μmのメンブランフィルター(アドバンテック社、ニトロセルロース製)を用いて迅速に濾過を行い、その濾液10ml中に含まれるCa量についてICP分析(誘導結合プラズマ分析)を行う。その値より試料のCaイオン封鎖能を求める。また、定量値は、検量線法(Ca標準液:関東化学(株)製、Ca1000)より算出する。
また、本発明の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群は、該顆粒群の溶解性を高め、金属イオン封鎖成分の機能を早期に発現させる観点から、単核性の顆粒群であることが好ましい。「単核性の顆粒群」とは、単核性顆粒を含有する高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を意味する。「単核性顆粒」とは、後記の工程(b)により得られる噴霧乾燥粒子群に界面活性剤組成物が担持されてなる顆粒であって、1個の顆粒の中に1個の噴霧乾燥粒子を核として有する顆粒をいう。
単核性を表現する因子として、次式で定義される粒子成長度を用いることができ、好ましい粒子成長度は、0.95〜1.5、より好ましくは1.0〜1.4、更に好ましくは1.05〜1.3である。
粒子成長度=(最終の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の平均粒径)/(噴霧乾燥粒子群の平均粒径)
最終の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群とは、後記の工程(d)により得られる高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群のことをいう。
高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の単核性の確認方法について例示すると、単核性は下記(a)法、(b)法、(c)法のうち少なくとも一つの方法により確認することができる。(a)法:高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の平均粒径付近から任意にサンプリングした高速溶解性金属イオン封鎖顆粒を切断し、顆粒内における噴霧乾燥粒子の有無及びその個数を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することによって高速溶解性金属イオン封鎖顆粒の単核性を確認する方法。(b)法:高速溶解性金属イオン封鎖顆粒内の噴霧乾燥粒子中の水溶性ポリマーを溶解しない有機溶媒(例えば、噴霧乾燥粒子中に、水溶性ポリマーとしてポリアクリル酸塩、界面活性剤として陰イオン性界面活性剤(AS)や非イオン性界面活性剤が存在する場合、エタノールを好適に用いることができる)により、高速溶解性金属イオン封鎖顆粒中の有機溶媒可溶分を抽出し、その後の有機溶媒不溶分をSEM観察によって観察する方法。即ち、1個の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒を上記有機溶媒で処理して得た有機溶媒不溶分に1個の噴霧乾燥粒子が存在する場合、単核性の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒であることがわかる。(c)法:樹脂で包理した高速溶解性金属イオン封鎖顆粒の切断面の2次元の元素分布をエネルギー分散形X線分光器(EDS)や電子線マイクロアナライザー(EPMA)等で検出することによって高速溶解性金属イオン封鎖顆粒の単核性を確認する方法。
2.高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の製法
本発明の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の製法は以下の工程(a)〜(d)を含んでなる。
工程(a):金属イオン封鎖剤、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有するスラリーを調製する工程、
工程(b):工程(a)で得られたスラリーを噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を調製する工程、
工程(c):工程(b)で得られた噴霧乾燥粒子に該噴霧乾燥粒子100重量部に対して1〜80重量部の界面活性剤を担持させる工程、並びに
工程(d):工程(c)で得られた活性剤担持噴霧乾燥粒子を金属イオン封鎖剤で表面改質した粒子成長度1.5以下の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を得る工程。
工程(a)は噴霧乾燥粒子を調製するためのスラリーを調製する工程である。スラリーは、主として、金属イオン封鎖剤、水溶性ポリマー、水溶性塩類及び水から構成されており、ポンプでの送液可能な状態に調製される。好ましくは、水分30〜70重量%のスラリーであり、より好ましくは35〜60重量%である。また、スラリーの温度は、好ましくは30〜80℃であり、さらに好ましくは40〜70℃である。
工程(a)において得られたスラリーを粉砕する工程をさらに有することが好ましい。これは、金属イオン封鎖剤に結晶性アルミノ珪酸塩を使用した場合に特に好ましい。粉砕工程を有することで、より高速に金属イオン捕捉能を発現することが可能となる。
噴霧乾燥粒子の組成
工程(a)で使用できる金属イオン封鎖剤としては、水溶性金属イオン封鎖剤及び水不溶性金属イオン封鎖剤がある。水溶性金属イオン封鎖剤としては、金属イオン封鎖能を有する物質であれば特に規定はないが、カルボキシレート重合体やトリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩等が使用可能である。中でもCaイオン捕捉能が200mgCaCO3 /g以上のカルボキシレート重合体が好ましく、全金属イオン封鎖剤中、10重量%以上が好ましい。カルボキシレート重合体は例えば、アクリル酸、マレイン酸、メアクリル酸、α−ヒドロキシアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、及びその塩等の重合反応、または各モノマーの共重合反応、あるいは他の重合性モノマーとの共重合反応によって合成されるものが挙げられる。
また、トリポリリン酸塩も好ましく、リン配合洗剤であれば、全金属イオン封鎖剤中60重量%以上が好ましい。対イオンとしては、アルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム及び/又はカリウムが好ましい。
水不溶性金属イオン封鎖剤としては、水中での分散性の観点から、粒子の平均粒径が0.1〜20μmのものが好ましい。好適な基材としては、結晶性アルミノ珪酸塩が挙げられ、例えばA型ゼオライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト等があるが、金属イオン封鎖能及び経済性の点でA型ゼオライトが好ましい。ゼオライトの配合量としては、無リン洗剤であれば、全金属イオン封鎖剤中60重量%以上が好ましい。
金属イオン封鎖顆粒群のCaイオン捕捉能のフルキャパシティーが100mgCaCO3 /g以上が好ましく、110mgCaCO3 /g以上がより好ましい。金属イオン封鎖顆粒群中の金属イオン封鎖剤の量としては、上記Caイオン捕捉能を満たすように設定すればよい。また、噴霧乾燥粒子中では、20〜80重量%が好ましく、25〜60重量%がより好ましい。
工程(a)で使用できる水溶性ポリマーとしては、有機系のポリマー、無機系のポリマーが挙げられ、例えば、有機系のポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類、ポリエチレングリコール等が、無機系のポリマーとしては非晶質の珪酸塩等が挙げられる。有機系のポリマーの量としては、噴霧乾燥粒子中0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
又、噴霧乾燥粒子の粒子強度向上の観点からは有機系のポリマーと非晶質の珪酸塩等の無機系のポリマーを併用することが好ましく、特に2号珪酸ナトリウムが好ましい。これらの無機系のポリマーの量としては、溶解性の観点から、ベース顆粒中15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下が更に好ましい。
工程(a)で使用できる水溶性無機塩は、溶解性良好で、洗浄力に悪影響を与えない物質であれば特に規定はなく、例えば、硫酸根、亜硫酸根を持つアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、イオン乖離度の高い硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸カリウムを賦形剤として使用することが好ましい。又、アルカリ性を呈する炭酸塩等もpHが所定の範囲内であれば微細結晶を析出させる観点からも有効である。
水溶性無機塩の量としては、イオン強度の観点から噴霧乾燥粒子中ベース顆粒中5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましい。
また、噴霧乾燥粒子は、粒子強度及び洗浄性能の観点から、水不溶性無機物を更に含有することが好ましい。水不溶性無機物は、アルミノ珪酸塩や、二酸化珪素、水和珪酸化合物、パーライト、ベントナイトに代表される粘土化合物等がある。水不溶性無機物の含有量は、噴霧乾燥粒子中、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
また、噴霧乾燥粒子は、最終の洗浄剤組成物に好適な蛍光染料、顔料、染料等の補助成分を含んでもよい。
工程(b)は工程(1)にて得られたスラリーを噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を調製する工程である。
スラリーの微粒化装置としては圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式のいずれでもよいが、得られる噴霧乾燥粒子の平均粒径が好ましくは120〜400μmであることから、圧力噴霧ノズルが特に好ましい。噴霧乾燥塔の熱効率や連続運転時の良好な安定性が得られるという観点から、噴霧乾燥塔に供給される高温ガスの温度(以下、送風温度という)としては好ましくは150〜300℃で、さらに好ましくは170〜250℃である。また、噴霧乾燥塔より排出されるガスの温度(以下、排風温度という)は好ましくは70〜125℃で、さらに好ましくは80〜115℃である。噴霧乾燥塔としては、熱効率や噴霧乾燥粒子の粒子強度が向上することから向流塔がより好ましい。
噴霧乾燥粒子の物性
以上のようにして得られる噴霧乾燥粒子の平均粒径は、洗剤粒子群の溶解性の観点より、好ましくは120〜400μm、より好ましくは150〜350μmである。嵩密度は、嵩密度が500g/L以上の水溶性塩類を得る観点より、350g/L以上、好ましくは400〜800g/Lである。噴霧乾燥粒子の粒子強度は、界面活性剤組成物を添加する際には該噴霧乾燥粒子が崩壊しないという観点より、好ましくは50〜1000kgf/cm2 、より好ましくは100〜600kgf/cm2 、更に好ましくは150〜400kgf/cm2 である。
なお、平均粒径は、JIS Z 8801規定の標準篩を用いて5分間振動させた後、各篩目のサイズによる重量分布から測定できる。
嵩密度は、JIS K 3362規定の方法により測定できる。
粒子強度は、内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に、試料20gを入れ、30回タッピング(筒井理化学器械(株)、TVP1型タッピング式密充填カサ密度測定器、タッピング条件;周期36回/分、60mmの高さから自由落下)を行い、その時の試料高さ(初期試料高さ)を測定する。その後、加圧試験機にて容器内に保持した試料の上端面全体を10mm/minの速度で加圧し、荷重−変位曲線の測定を行い、変位率が5%以下での直線部における傾きに初期試料高さをかけ、加圧面積で除した値を粒子強度とする。
噴霧乾燥粒子の水分量は、乾燥粒子の取り扱い性、粒子強度及び高速に金属イオン捕捉能を発現させる観点より、好ましくはKETT値が3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。
工程(c)は工程(b)で得られた噴霧乾燥粒子に該噴霧乾燥粒子100重量部に対して1〜80重量部の界面活性剤を担持させる工程である。
工程(c)で用い得る界面活性剤としては、一般的に洗浄剤に用いられるものが特に限定されることなく使用できる。中でも、水の硬度依存性の少ないとされる界面活性剤が好ましく、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル等の陰イオン界面活性剤が好適である。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
非イオン界面活性剤を使用する場合は、該非イオン界面活性剤の固定化剤として、脂肪酸塩やポリエチレングリコールを配合することで、該非イオン界面活性剤のシミ出しを抑制できる点から好ましい。
界面活性剤の添加量は、噴霧乾燥粒子100重量部に対して、1〜80重量部であり、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは20〜40重量部である。また、界面活性剤を噴霧乾燥粒子に添加する際に、所望により該噴霧乾燥粒子以外の粉体原料を添加してもよく、添加量としては該噴霧乾燥粒子100重量部に対して、0〜30重量部が好ましい。
工程(c)における混合条件は、噴霧乾燥粒子が崩壊しない程度の混合条件を選択すればよいが、好ましくは機内に具備された撹拌翼のフルード数が0.5〜4、更に好ましくは0.5〜2、特に好ましくは0.8〜1.4である。この様な条件で混合することで粒子成長を抑制した単核性洗剤粒子群を得ることができる。
工程(c)で用いる混合機は、例えば液状の界面活性剤を添加するためのノズルや、混合機内の温度を制御するためにジャケットを備えたものが好ましい。好適な混合時間(回分式の場合)及び平均滞留時間(連続式の場合)は、例えば1〜20分間が好ましく、さらに2〜10分間が好ましい。界面活性剤と噴霧乾燥粒子の混合方法は回分式の場合は、予め該噴霧乾燥粒子を混合装置に仕込んだ後、液状の界面活性剤を添加することが好ましく、液状の界面活性剤を噴霧して供給することがさらに好ましい。
好ましい混合装置として具体的には、以下のものが挙げられる。回分式で行う場合は、(イ)〜(ハ)のものが好ましい。(イ)ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等、(ロ)リボンミキサー(日和機械工業(株)製)等、(ハ)ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。また、上記の混合機の連続型の装置を用いて噴霧乾燥粒子と界面活性剤を混合させてもよい。
工程(d)は工程(c)で得られた混合物である界面活性剤を担持させた噴霧乾燥粒子を金属イオン封鎖剤で表面改質することで、粒子成長度1.5以下の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を得る工程である。
工程(d)を行うことにより、高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群は、高速に金属イオン捕捉能を発現することが可能となり、更に高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の流動性と耐ケーキング性を向上させることができる。
工程(d)で使用できる金属イオン封鎖剤は、高速金属イオン捕捉能の発現、該高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の流動性と耐ケーキング性の向上の点から、その一次粒子の平均粒径が0.1〜10μmのものが好ましい。平均粒径は、光散乱を利用した方法(例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製))、またはSEM観察により測定される。金属イオン封鎖剤としては、結晶性アルミノケイ酸塩が望ましい。
金属イオン封鎖剤の量としては、流動性及び使用感の点で工程(c)で得られた混合物100重量部に対して好ましくは2〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部である。
工程(d)で用いられる混合機は、添加する金属イオン封鎖剤の分散性の向上及び解砕効率の向上の点から、例えば、混合機内に高速回転する解砕翼を具備しているものが好ましく、工程(c)と同一の装置で行うことも可能である。
3.アルカリ顆粒群の物性
本発明のアルカリ顆粒群(B)は、10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.5以上であることに特徴がある。
10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHは、洗浄性能の観点から、10.6以上が好ましく、更に好ましくは10.8以上である。
〔pHの測定方法〕
高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群のpH測定方法と同様にして、アルカリ顆粒群の投入から10分後に測定を行う。
また、本発明のアルカリ顆粒群の好ましい物性は、以下の通りである。平均粒径は、好ましくは350〜800μm、より好ましくは400〜750μm、更に好ましくは450〜700μmである。平均粒径の調整はアルカリ顆粒群を調製する際に添加する陰イオン界面活性剤の酸前駆体の量や造粒操作条件によって適宜調整可能である。
嵩密度は、好ましくは600g/L以上、より好ましくは650〜1200g/L、更に好ましくは700〜1100g/Lである。嵩密度の調整は、使用する水溶性アルカリ無機塩の粒径、配合量または造粒操作条件によっても調整可能である。
4.アルカリ顆粒群の製法
本発明のアルカリ顆粒群の製法は以下の工程(e)、(f)
工程(e):水溶性アルカリ無機塩と陰イオン界面活性剤の酸前駆体とを混合して乾式中和する工程、
工程(f):工程(e)で得られた混合物を金属イオン封鎖剤で表面改質してアルカリ顆粒群を得る工程
を含んでなる。
工程(e)は、水溶性アルカリ無機塩と陰イオン界面活性剤の酸前駆体とを混合して乾式中和することで、水溶性アルカリ無機塩の粒子表面を被覆したり、水溶性アルカリ無機塩粒子を凝集造粒して、水溶性アルカリ無機塩の溶解性をコントロールしたアルカリ顆粒群を製造する工程である。
工程(e)で用いられる水溶性アルカリ無機塩としては、例えばアルカリ金属炭酸塩やアルカリ金属ケイ酸塩が挙げられる。これらの内、アルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウムである場合や、アルカリ金属ケイ酸塩が結晶性アルカリ金属ケイ酸塩である場合が好ましい。水溶性アルカリ無機塩の平均粒径は、3〜600μmが好ましく、5〜500μmがより好ましい。配合量は、アルカリ顆粒群中10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましい。
工程(e)で用いられる陰イオン界面活性剤の酸前駆体としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸、アルキル又はアルケニル硫酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホン化脂肪酸、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸、脂肪酸等が挙げられる。また、所望により陰イオン界面活性剤は、一般的に洗浄剤で用いられる非イオン界面活性剤等の界面活性剤と併用することもできる。
陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の使用量としては、水溶性アルカリ無機塩100重量部に対して10〜60重量部が好ましく、15〜50重量部がさらに好ましい。陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の使用量はこの範囲において、水溶性アルカリ無機塩粒子表面を被覆したり、水溶性アルカリ無機塩粒子を所望の粒径に凝集造粒される傾向にあり、従って所望の溶解性をコントロールできる。
また、陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の添加方法としては、常温で液体のものは噴霧して供給することが好ましく、常温で固体のものは、溶融させた後噴霧して供給してもよい。また、非イオン界面活性剤と予め混合した後供給してもよい。陰イオン性界面活性剤として脂肪酸塩を用いる場合、非イオン界面活性剤と併用することで、ゲル状物質を形成し、凝集造粒のバインダーとして有効である。
また、アルカリ顆粒群には、洗浄剤として一般的に配合可能な無機塩等を配合することもできる。無機塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。無機塩等の含有量は、アルカリ顆粒群中、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
工程(e)で用いる混合機は、例えば液状の陰イオン界面活性剤の酸前駆体等の液体成分を添加するためのノズルや、混合機内の温度を制御するためにジャケットを備えたものが好ましい。好適な混合時間(回分式の場合)及び平均滞留時間(連続式の場合)は、例えば1〜20分間が好ましく、さらに2〜10分間が好ましい。
好ましい混合装置として具体的には、以下のものが挙げられる。回分式で行う場合は、以下のものが好ましい。ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等がある。また、上記の混合機の連続型の装置を用いてもよい。
工程(f)は、工程(e)で得られた混合物を金属イオン封鎖剤で表面改質してアルカリ顆粒群を得る工程である。工程(f)を行うことにより、アルカリ顆粒群は、溶解初期において金属イオン捕捉能を発現することも可能となり、更にアルカリ顆粒群高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の流動性と耐ケーキング性を向上させることができる。
工程(f)で使用できる金属イオン封鎖剤は、工程(d)で使用できる金属イオン封鎖剤と同じであり、アルミノケイ酸塩が好ましく、金属イオン捕捉能の発現、該アルカリ顆粒群の流動性と耐ケーキング性の向上の点から、その一次粒子の平均粒径が0.1〜10μmのものが好ましい。
金属イオン封鎖剤の量としては、流動性及び使用感の点で工程(e)で得られた混合物100重量部に対して好ましくは2〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部である。
工程(f)で用いられる混合機は、添加する金属イオン封鎖剤の分散性の向上及び解砕効率の向上の点から例えば、混合機内に高速回転する解砕翼を具備しているものが好ましく、工程(e)と同一の装置で行うことも可能である。
また、本発明のアルカリ顆粒群は、国際公開第97/09414号パンフレットに記載のアルカリ粒子の製造方法にて製造することもできる。
5.高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群とアルカリ顆粒群の好適な組合せ
本発明の洗浄剤組成物は高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群(A)とアルカリ顆粒群(B)の重量比率((A)/(B))が0.25〜4.0でブレンドされたものであるが、その重量比率は、以下に示す洗浄剤組成物の標準使用量で洗濯に供した際に、洗濯液の硬度を計算上0.5°以下にするのに十分な量であり、洗濯液のpHを20℃で10.2以上にするのに十分な量になる様に、顆粒群(A)、(B)の比率を適宜選択すればよい。
洗浄剤組成物の標準使用量とは、使用する洗濯用水が2〜6°DHの時は0.40〜1.00g/L、6〜10°DHの時は0.5〜1.67g/L、10〜20°DHの時は0.80〜2.50g/Lである。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
なお、洗浄剤組成物の洗浄率の測定は、国際公開第97/09414号に記載の方法(ターゴトメーター使用して、回転数100r/min、洗濯時間10分、温度20℃、使用水4°(Ca硬度)で洗浄剤組成物を含有する水溶液(濃度:0.837g/L)と人工汚染布を用いた反射率を測定する洗浄試験)にて行った。また、反射率は12枚の人工汚染布の平均値を示す。
実施例1
高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の調製
<噴霧乾燥粒子の調製>
下記の手順にて噴霧乾燥粒子を作製した。
水382.1kgを攪拌翼を有した1m3 の混合槽に加え、水温が50℃に達した後に、硫酸ナトリウム100.0kg、亜硫曹2.1kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液104.2kg、食塩16.7kg、ゼオライト250kgの順で添加した。ジャケットを50℃に設定した。30分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は49℃であった。また、このスラリー中の水分は52重量%であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力40kg/cm2 で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が230℃で供給され、塔頂より108℃で排出された。得られた噴霧乾燥粒子の組成及び物性を表1に示す。
<高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記手順によって得られた噴霧乾燥粒子3.0kgを投入し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r/min(フルード数0.82)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L /分で流した。そこに、50℃に調温したポリオキシエチレンアルキルエーテル1.2kgとポリエチレングリコール0.09kgを予め混合しておいたものを1分間で投入し、その後3分間攪拌混合を行った。
続いてA型ゼオライト0.9kgを添加した後、主軸150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で1分間表面改質を行い、高速溶解性イオン封鎖顆粒群を得た。得られた高速溶解性イオン封鎖顆粒群の組成、物性及び品質を表1に示す。
得られた顆粒群は、流動性に優れ、粒子成長度の小さい単核性の顆粒群であり、高速金属イオン封鎖能を発現する粒子群であった。
アルカリ顆粒群の調製
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)にソーダ灰4.0kgを投入し、主軸を150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、50℃に調温したLAS−酸型(陰イオン界面活性剤の液体酸前駆体)1.07kgを2分間で投入し、その後5分間攪拌混合して乾式中和/凝集造粒を行った。
続いてA型ゼオライト1.03kgを添加した後、主軸150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で1分間表面改質を行い、アルカリ顆粒群を得た。得られた顆粒群の組成、物性及び品質を表2に示す。
得られた顆粒群は、所望のpH発現挙動を示す粒子群であった。
洗浄性能試験
上記製法にて得られた高速イオン封鎖顆粒群とアルカリ顆粒群を重量比52.5:47.5で混合した洗浄剤組成物の洗浄率は67.9%であった。
実施例2
高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の調製
<噴霧乾燥粒子の調製>
下記の手順にて噴霧乾燥粒子を作製した。
水382.1kgを攪拌翼を有した1m3 の混合槽に加え、水温が50℃に達した後に、硫酸ナトリウム100.0kg、亜硫曹2.1kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液104.2kg、食塩16.7kg、ゼオライト250kgの順で添加した。ジャケットを50℃に設定した。20分攪拌後ラインミル(「T.K.ホモミックラインミルS6型」(特殊機化工業(株)製)、クリアランス0.2mm、回転数3600r/min)にて循環粉砕しつつ60分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は50℃であった。また、このスラリー中の水分は52重量%であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力40kg/cm2 で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が230℃で供給され、塔頂より106℃で排出された。得られた噴霧乾燥粒子の組成及び物性を表1に示す。スラリーを粉砕し、ゼオライトの分散促進を行ったため、3分後のCa捕捉率が実施例1に比べて向上した。
<高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の調製>
上記手順によって得られた噴霧乾燥粒子を用いた以外は実施例1と同様にして高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を得た。得られた顆粒群の組成、物性及び品質を表1に示す。
得られた顆粒群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい顆粒群であり、高速金属イオン封鎖能を発現する顆粒群であった。
アルカリ顆粒群の調製
実施例1と同じアルカリ顆粒群を用いた。
洗浄性能試験
上記製法にて得られた高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群とアルカリ顆粒群を重量比52.5:47.5で混合した洗浄剤組成物の洗浄率は69.0%であった。
実施例3
高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の調製
<噴霧乾燥粒子の調製>
実施例2と同様の方法でスラリーを得た。このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力40kg/cm2 で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が245℃で供給され、塔頂より115℃で排出された。得られた噴霧乾燥粒子の組成及び物性を表1に示す。得られる噴霧乾燥粒子の水分を低減させたため、3分後のCa捕捉率が実施例2に比べて更に向上した。
アルカリ顆粒群の調製
実施例1と同じアルカリ顆粒群を用いた。
洗浄性能試験
上記製法にて得られた高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群とアルカリ顆粒群を重量比52.5:47.5で混合した洗浄剤組成物の洗浄率は69.5%であった。
実施例4
高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の調製
<噴霧乾燥粒子の調製>
下記の手順にて噴霧乾燥粒子を作製した。
水382.1kgを攪拌翼を有した1m3 の混合槽に加え、水温が55℃に達した後に、硫酸ナトリウム100.0kg、亜硫曹2.1kg、トリポリリン酸ナトリウム41.7kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液104.2kg、食塩16.7kg、ゼオライト208.3kgの順で添加した。ジャケットを60℃に設定した。20分攪拌後ラインミル(「T.K.ホモミックラインミルS6型」(特殊機化工業(株)製)、クリアランス0.2mm、回転数3600r/min)にて循環粉砕しつつ60分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は58℃であった。また、このスラリー中の水分は52重量%であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力40kg/cm2 で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が230℃で供給され、塔頂より109℃で排出された。得られた噴霧乾燥粒子の組成及び物性を表1に示す。
<高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記手順によって得られた噴霧乾燥粒子3.0kgを投入し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r/min(フルード数0.82)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L /分で流した。そこに、50℃に調温したポリオキシエチレンアルキルエーテル1.05kgとポリエチレングリコール0.09kgを予め混合しておいたものを1分間で投入し、その後3分間攪拌混合を行った。次に、60℃に調温した70重量%のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル水溶液0.15kgを1分間で投入し、その後通気をしながら5分間攪拌混合を行った。
続いてA型ゼオライト0.99kgを添加した後、主軸150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で1分間表面改質を行い、高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を得た。得られた高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群の組成、物性及び品質を表1に示す。
得られた顆粒群は、流動性に優れ、粒子成長の小さい顆粒群であり、高速金属イオン封鎖能を発現する顆粒群であった。
アルカリ顆粒群の調製
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に結晶性アルカリ金属ケイ酸塩2.5kgとソーダ灰2.5kgを投入し、主軸を150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L /分で流した。そこに、80℃に調温したポリオキシエチレンアルキルエーテル1.33kgとパルミチン酸ナトリウム0.21kgを予め混合しておいた混合液を2分間で投入し、その後5分間攪拌混合して乾式中和/凝集造粒を行った。
続いてA型ゼオライト0.83kgを添加した後、主軸150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で1分間表面改質を行い、アルカリ顆粒群を得た。得られた顆粒群の組成、物性及び品質を表2に示す。
得られた顆粒群は、所望のpH発現挙動を示す粒子群であった。
洗浄性能試験
上記製法にて得られた高速イオン封鎖顆粒群とアルカリ顆粒群を重量比66.6:33.4で混合した洗浄剤組成物の洗浄率は69.7%であった。
比較例1
金属イオン封鎖顆粒群の調製
<噴霧乾燥粒子の調製>
実施例1と同じ噴霧乾燥粒子を用いた。
<金属イオン封鎖顆粒群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記手順によって得られた噴霧乾燥粒子3.0kgを投入し、主軸250r/min(フルード数10.5)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L /分で流した。そこに、50℃に調温したポリオキシエチレンアルキルエーテル1.2kgとポリエチレングリコール0.09kgを予め混合しておいたものを1分間で投入し、その後3分間攪拌混合を行った。
続いてA型ゼオライト0.9kgを添加した後、主軸150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で1分間表面改質を行い、金属イオン封鎖顆粒群を得た。得られた金属イオン封鎖顆粒群の組成、物性及び品質を表1に示す。
得られた顆粒群は、粒子成長の大きい凝集粒子群であり、所望の高速金属イオン封鎖能を発現しなかった。
アルカリ顆粒群の調製
実施例1で得られたアルカリ顆粒群を用いた。
洗浄性能試験
上記製法にて得られた高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群とアルカリ顆粒群を重量比52.5:47.5で混合した洗浄剤組成物の洗浄率は65.7%であった。金属イオン封鎖顆粒群が凝集粒子であり所望の高速金属イオン封鎖能を示さなかったため、実施例1の洗剤粒子群を用いた洗浄率より低い値となった。
比較例2
洗剤粒子群の調製
<噴霧乾燥粒子の調製>
実施例1と同じ噴霧乾燥粒子を用いた。
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記手順によって得られた噴霧乾燥粒子1.0kgとソーダ灰1.05kgを投入し、主軸250r/min(フルード数10.5)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L /分で流した。そこに、50℃に調温したLAS−酸型(陰イオン界面活性剤の液体酸前駆体)0.28kgを2分間で投入し、その後5分間攪拌混合して乾式中和/凝集造粒を行った。そこに、50℃に調温したポリオキシエチレンアルキルエーテル0.4kgとポリエチレングリコール0.03kgを予め混合しておいたものを1分間で投入し、その後3分間攪拌混合を行った。
続いてA型ゼオライト0.57kgを添加した後、主軸150r/min(フルード数3.8)、チョッパー3600r/min(フルード数870)で1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性及び品質を表1に示す。
得られた顆粒群は、粒子成長の大きい凝集粒子群であった。
洗浄性能試験
上記製法にて得られた洗浄剤粒子群の洗浄率は58.8%であった。実施例1と同じ成分を1剤型で凝集造粒を行ったため、洗浄性能は実施例1に比べて大幅に低下した値となった。
Figure 0004384906
Figure 0004384906
本発明の洗浄剤組成物は、衣料用粉末洗剤、自動食器洗浄機用洗剤等に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 以下の工程
    工程(a):金属イオン封鎖剤、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有するスラリーを調製する工程、
    工程(b):工程(a)で得られたスラリーを噴霧乾燥して、金属イオン封鎖剤を20〜80重量%含む噴霧乾燥粒子を調製する工程、
    工程(c):工程(b)で得られた噴霧乾燥粒子に該噴霧乾燥粒子100重量部に対して10〜60重量部の界面活性剤を担持させる工程、
    工程(d):工程(c)で得られた混合物を金属イオン封鎖剤で表面改質して粒子成長度1.5以下の高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群を得る工程、
    によって得られる、10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.2以下で、3分後のCaイオン封鎖能が10分後のCaイオン封鎖能の75%以上である高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群(A)及び
    以下の工程
    工程(e):100重量部の水溶性アルカリ無機塩と10〜60重量部の陰イオン界面活性剤の酸前駆体とを混合して乾式中和する工程、
    工程(f):工程(e)で得られた混合物100重量部に対して2〜40重量部の金属イオン封鎖剤で表面改質してアルカリ顆粒群を得る工程
    によって得られる、10分後の水溶液(濃度1g/L)の20℃におけるpHが10.5以上であるアルカリ顆粒群(B)
    を重量比率((A)/(B))で0.25〜4.0で含む衣料用粉末洗剤組成物。
  2. 工程(b)で得られる噴霧乾燥粒子の全金属イオン封鎖剤中に結晶性アルミノ珪酸塩を60重量%以上含む請求項1記載の衣料用粉末洗剤組成物
  3. 工程(a)においてスラリーを粉砕する工程を有する請求項又は記載の衣料用粉末洗剤組成物
  4. 工程(b)で得られた噴霧乾燥粒子の水分(KETT値)が3%以下である請求項1〜3いずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物
  5. 工程(c)で用いる界面活性剤がα−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される1種以上である請求項1〜4いずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物。
  6. 高速溶解性金属イオン封鎖顆粒群(A)の平均粒径が150〜500μm、かつ、嵩密度が400g/L〜1100g/Lである請求項1〜5いずれか記載の衣料用粉末洗剤組成物
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