JP4145154B2 - 洗剤粒子群の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、噴霧乾燥によって得られるベース顆粒に界面活性剤組成物を担持してなる洗剤粒子群の製造方法に関する。さらに詳しくは、ベース顆粒の吸油能を制御することで、品質・物性の安定した洗剤粒子群を得る洗剤粒子群の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粒状洗剤組成物の製造に関しては、安定した物性(例えば流動性等)を得る方法として、粒状ノニオン洗剤組成物の製造に際し、造粒機又は混練/押出機の負荷を検出することにより造粒物の流動性を把握し、負荷に応じてバインダー成分の供給量を制御する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、粉体原料に液体原料を添加しながら攪拌し造粒する攪拌造粒に際し、造粒の進行状態を検知し、検出値に応じて造粒条件(ミキサーの回転数、バインダーの添加速度)を制御する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、いずれの例においても、安定した物性を得るために、洗剤粒子の組成を変化させているため、得られる洗剤粒子群の組成が安定せず、設計通りの性能が発現しないという問題があった。また、前記いずれの公報にも、制御因子として洗剤原料(ベース顆粒)の物性(吸油能)に着目するという記載は無く、また、粉体原料中に液体原料を担持する(液体原料が粉体原料の細孔に浸透して保持されること)ベース顆粒というものに関する記載も無い。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−343498号公報
【特許文献2】
特開2000−84391号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、噴霧乾燥によって得られるベース顆粒に界面活性剤組成物を担持してなる洗剤粒子群の製造方法において、従来何ら着目されていなかったベース顆粒の吸油能を制御することで、品質・物性の安定した洗剤粒子群を得られることを初めて見いだした。
従って、本発明の課題は、品質・物性の安定した洗剤粒子群を生産性よく製造することができる洗剤粒子群の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、噴霧乾燥によって得られるベース顆粒に液状界面活性剤を担持してなる洗剤粒子群の製法において、該ベース顆粒の吸油能を制御する工程を有する洗剤粒子群の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
(ベース顆粒の態様 組成)
ベース顆粒は、例えば、水不溶性無機物、水溶性ポリマー、及び水溶性塩類を含むスラリーであって、各成分の含有量が該スラリー中の固形分基準でそれぞれ20〜90重量%、2〜30重量%、5〜78重量%であるスラリーを噴霧乾燥して得ることができる。上記組成範囲にて乾燥方法並びに乾燥条件等の調整により平均粒径、嵩密度、細孔容積、粒子強度の制御が可能となる。スラリー中の水不溶性無機物、水溶性ポリマー、及び水溶性塩類の含有量は、スラリー中の固形分基準でそれぞれ、30〜75重量%、3〜20重量%、及び10〜67重量%の範囲がより好ましく、40〜70重量%、5〜20重量%、及び20〜55重量%の範囲が特に好ましい。なお、スラリー中の水分量は、40〜60重量%が好ましく、42〜58重量%がより好ましい。
【0007】
ここで、水不溶性無機物としては、結晶性又は非晶質のアルミノケイ酸塩;二酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等が挙げられる。水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類等が挙げられる。水溶性塩類としては、炭酸根、炭酸水素根、硫酸根、亜硫酸根、硫酸水素根、塩酸根、又はリン酸根等をそれぞれ有するアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩に代表される水溶性の無機塩類や、クエン酸やフマル酸塩などの低分子量の水溶性有機塩類等が挙げられる。
【0008】
また、スラリーを噴霧乾燥する方法、その条件等については、公知の方法、条件であればよい。
【0009】
(平均粒径及び嵩密度)
ベース顆粒の平均粒径は、溶解性並びに流動性に優れた洗剤粒子群が得られる点で150〜500μmが好ましく、更に好ましくは180〜350μmである。嵩密度は、特に限定されずに実施できる。例えば、コンパクト化の点から400g/L以上が好ましく、更に好ましくは500g/L以上である。溶解性の点から1500g/L以下が好ましく、1200g/L以下が更に好ましい。
本発明のベース顆粒の平均粒径については、所望の洗剤粒子の平均粒径との関係から適宜選択できる。特に、ベース顆粒の高速溶解性等の性能を保持するためには、その形状を可能な限り保持することが好ましい。よって、洗剤粒子の平均粒径はベース顆粒の平均粒径の1.5倍以下が好ましく、1.3倍以下がより好ましい。
【0010】
(粒子強度)
また、該ベース顆粒に液状界面活性剤を担持させている間にベース顆粒が崩壊するのを抑制する観点から、ベース顆粒はより硬いものが好ましい。具体的には、ベース顆粒の粒子強度は、100kg/cm2 以上が好ましく、200kg/cm2 以上が更に好ましい。
【0011】
(物性測定方法)
ベース顆粒の平均粒径は、JIS Z 8801に規定の標準篩を用いて試料を5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率から測定する。ベース顆粒の嵩密度は、JIS K 3362により規定された方法で測定する。
【0012】
粒子強度の測定法は、以下の通りである。
内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に、試料20gを入れ、30回タッピング(筒井理化学器機(株)、TVP1型タッピング式密充填嵩密度測定器、タッピング条件;周期36回/分、60mmの高さから自由落下)を行う。タッピング操作終了直後の試料高さを測定し、初期試料高さとする。その後、加圧試験機にて容器内に保持した試料の上端面全体を10mm/minの速度で加圧し、荷重−変位曲線の測定を行う。該曲線における変位率が5%以下での直線部における傾きに初期試料高さをかけ、得られる値を加圧面積で除した値を粒子強度とする。
【0013】
(液状界面活性剤)
本発明でベース顆粒と混合する界面活性剤は、混合時に液状であり、その例としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤の1種又は組み合わせを挙げることができる。好ましくは、非イオン性界面活性剤100重量部に対して、硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン性界面活性剤0〜300重量部、該非イオン性界面活性剤の固定化剤1〜100重量部である。本明細書において固定化剤とは、常温で液状の非イオン性界面活性剤の流動性を抑え、且つ該組成物が流動性を失った状態での硬度を著しく高めることができる基剤を意味する。なお、固定化剤としては、脂肪酸塩、ヒドロキシ脂肪酸塩、アルキルリン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレン型非イオン性化合物、ポリエーテル系非イオン性化合物等が挙げられる。上記液状界面活性剤組成物を使用すると、洗剤粒子群の溶解性及び流動特性の向上、混合時のベース顆粒の崩壊の抑制、保存時(常温)での界面活性剤組成物のシミ出しを抑制することができる。硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン性界面活性剤の配合は、洗剤粒子群の流動特性の向上、保存時(常温)での界面活性剤組成物のシミ出し抑制に更に有利となる。
【0014】
液状界面活性剤の配合量は、洗浄力を発揮させる点からベース顆粒100重量部に対して界面活性剤10〜100重量部が好ましく、より好ましくは12〜80重量部、更に好ましくは15〜70重量部である。この範囲において、溶解性並びに流動特性に優れた洗剤粒子群が得られる。
【0015】
(ベース顆粒の吸油能)
本明細書でいうベース顆粒の吸油能とは、ベース顆粒内部での液状界面活性剤の保持力を表し、ベース顆粒の吸油能が大きいとは、より多くの液状界面活性剤をベース顆粒内部に担持できることを意味する。
【0016】
本発明の洗剤粒子群の製造方法では、前記のように、ベース顆粒の吸油能を制御する工程を有することに一つの大きな特徴があり、かかる工程を有することにより、品質・物性の安定した洗剤粒子群を生産性よく製造することができるという効果が発現される。
【0017】
ベース顆粒の吸油能が変動したり、ベース顆粒の吸油能の変動がなくとも、液状界面活性剤やベース顆粒と共に使用し得るその他の洗剤原料の影響等により、液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面の性状(シミ出し状態)が変化すると、洗剤粒子群の品質に影響を及ぼす。つまり、吸油能が高く変化した場合(シミ出し状態が少ない場合)は、製造された洗剤粒子群の液状界面活性剤のシミ出しは抑制され、耐ケーキング性は向上するが、余剰の表面改質剤(表面改質剤量が一定の場合)により流動性が低下する。また、逆に吸油能が低く変化した場合(シミ出し状態が多い場合)は、ある程度までは流動性は良好に保たれるが、液状界面活性剤のシミ出しにより耐ケーキング性が低下する傾向となる。そのため品質を安定化させるためには、液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面への液状界面活性剤のシミ出し状態を常に最適値(範囲)に保つ必要がある。そこで、ベース顆粒の吸油能を制御することで液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面への液状界面活性剤のシミ出し状態を制御することができる。液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面が所望の状態よりもシミ出し量が多い(粒子表面の液の残存が多い)状態であれば、ベース顆粒の吸油能を大きくすることで表面状態を調整でき、逆に液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面が所望の状態よりもシミ出し量が少ない(粒子表面の液の残存が少ない)状態であれば、ベース顆粒の吸油能を小さくすることで表面状態を調整できる。
【0018】
(シミ出し状態の検知方法)
液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面への液状界面活性剤のシミ出し状態を検知する方法として、液状界面活性剤担持後の粒子を観察したり、物性(例えば流動性)を測定することでもある程度は把握できる。また、本発明の製造方法が、攪拌翼を有する攪拌型混合機を用いてベース顆粒と液状界面活性剤を混合する工程を有する場合は、混合時の攪拌型混合機の負荷を検出することにより液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面への液状界面活性剤のシミ出し状態を検知することができる。粒子表面へのシミ出しが少ない状態であるほど検出時の負荷は低くなり、粒子表面へのシミ出しが多い状態であるほど負荷は高くなる。従って負荷により液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面のシミ出し状態を検知し、負荷の値が所定の範囲内になるようにベース顆粒の吸油能を制御するのが好ましい。
【0019】
(吸油能の制御因子)
ベース顆粒の吸油能と相関する制御因子として、例えばベース顆粒の温度が挙げられる。液状界面活性剤が担持されるときのベース顆粒の温度が高いほどベース顆粒の吸油能は大きくなり、ベース顆粒の温度が低いほどベース顆粒の吸油能は小さくなる。即ち液状界面活性剤が担持されるときのベース顆粒の温度を制御することで吸油能の制御が可能となる。ベース顆粒の制御温度範囲は、液状界面活性剤の種類により一概に限定されないが、液状界面活性剤の流動点以上が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。該流動点は、JIS K 2269の方法により測定することができる。ベース顆粒の温度の制御方法としては、噴霧乾燥条件の調整、噴霧乾燥後のベース顆粒を例えば温冷風と直接接触させたり、混合機のジャケット等により温度を調整することができる。また、ベース顆粒の空気輸送を伴う製造設備の場合は同伴エアーの温度により調整する方法が好ましい。
【0020】
ベース顆粒の吸油能と相関するその他の制御因子として、例えばベース顆粒を製造する際に噴霧乾燥するスラリーの水分が挙げられる。スラリー水分が、ある範囲内において高いほどベース顆粒の吸油能は大きくなる。吸油能がアップする理由はスラリー水分を高くすると、ベース顆粒の細孔容積が大きくなるためと考えられる。スラリー水分の制御範囲は特に限定されないが、噴霧液滴径や乾燥条件への影響が少ない範囲において標準のスラリー水分(標準量、即ち、所望のスラリー水分量)に対してその範囲を設定する必要がある。例えば、前記範囲としては、標準量±3重量%が好ましく、標準量±2重量%がより好ましい。
【0021】
また、標準量のスラリー水分で調製したベース顆粒の細孔容積は0.2cc/g以上が好ましく、更に好ましくは0.3cc/g以上である。細孔容積がこの範囲であれば、所望の液状界面活性剤を担持するのに好適である。
ベース顆粒の細孔容積は、水銀ポロシメーター〔「PORE SIZER 9320」(株)島津製作所製〕にて測定することができる。
【0022】
ベース顆粒の吸油能と相関するその他の制御因子として、例えばベース顆粒の水分が挙げられる。ベース顆粒の水分が低いほど吸油能は大きくなる。水分の制御範囲はベース顆粒の粒子強度の観点から5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下が更に好ましい。ベース顆粒の水分を低くするには、噴霧圧力の低下、送風温度のアップ、送風量のアップ等の乾燥速度を早くする操作により調整することが好ましい。
【0023】
前記のベース顆粒の吸油能と相関する因子は単独で操作してもよいし、組み合わせて操作してもよい。また、優先順位をつけて操作することもできる。例えば、操作順位としては、▲1▼ベース顆粒温度、▲2▼スラリー水分、▲3▼ベース顆粒の水分が挙げられる。
【0024】
また、ベース顆粒の吸油能の直接的な制御因子ではないが、担持される液状界面活性剤の温度もシミ出し状態の制御に使用することができる。担持される液状界面活性剤の温度が高いほどシミ出し状態は小さくなり、液状界面活性剤の温度が低いほどシミ出し状態は大きくなる。例えば、液状界面活性剤の温度としては、界面活性剤の流動点〜90℃が好ましく、該流動点より10℃高い温度〜85℃がより好ましい。
【0025】
また、ベース顆粒の吸油能の制御因子ではないが、ベース顆粒と液状界面活性剤の添加量を調整することでもシミ出し状態は制御できる。例えば、ベース顆粒100重量部に対する液状界面活性剤の添加量が標準量(設計)±3重量部が好ましく、標準量(設計)±2重量部がより好ましい。
【0026】
(ベース顆粒以外の洗剤原料)
本発明においては、前記ベース顆粒以外の洗剤原料も所望によりベース顆粒と同時あるいは前後で配合して混合され得る。かかる洗剤原料としては、ゼオライト、クエン酸等の金属イオン封鎖能を示す基剤、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性珪酸塩等の金属イオン封鎖能、アルカリ能いずれも有する基剤等や、高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノシリケート等の粉末原料が挙げられる。その場合の配合量は、所望の効果を発揮させる点からベース顆粒100重量部に対して好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上である。また、ベース顆粒の吸油能制御効果の観点から好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
【0027】
(洗剤粒子群の製造方法 担持工程)
本発明においては、ベース顆粒と液状界面活性剤を混合することで、液状界面活性剤がベース顆粒に担持される。好ましい混合条件としては、液状界面活性剤の担持促進の点から、混合時の混合物のピーク温度が液状界面活性剤の流動点以上になることである。なお、ピーク温度とは、液状界面活性剤添加後の混合工程中で最も混合物の温度が高くなった温度をいう。流動点は、JIS K 2269の方法により測定される。また、混合時の負荷を検出することにより液状界面活性剤担持後の粒子表面への液状界面活性剤のシミ出し状態を検知する場合は、攪拌翼を有する攪拌型混合機を用いることが好ましい。この場合、攪拌負荷検出時の回転数を適宜設定すればよい。
【0028】
攪拌型混合機としては、回分式で混合を行う場合、特に限定されないが、例えば、(1)混合槽で内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー:例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等がある。(2)円筒型又は半円筒型の固定された容器内でスパイラルを形成したリボン状の羽根が回転することにより混合を行う形式のミキサー:例えばリボンミキサー(日和機械工業(株)製)、バッチニーダー(佐竹化学機械工業(株)製)等、(3)コニカル状の容器に沿ってスクリューが容器の壁と平行の軸を中心として自転しながら公転することにより混合を行う形式のミキサー、例えばナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
【0029】
上記の攪拌型混合機の中で特に好ましくは、混合槽で内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサーでレディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等である。また、円筒型の固定された容器内でスパイラルを形成したリボン状の羽根が回転することにより混合を行う形式のミキサー:例えばリボンミキサー(日和機械工業(株)製)が好ましい。
【0030】
また、連続式で混合を行う場合、本発明を満足できる連続式攪拌型混合機を用いれば、特に限定されないが、例えば上記の攪拌型混合機のうちで連続型の装置を用いてベース顆粒と液状界面活性剤を混合させてもよい。
【0031】
好適な混合時間(回分式の場合)及び平均滞留時間(連続式の場合)は、例えば1〜20分間が好ましく、特に2〜10分間が好ましい。
【0032】
(表面改質工程)
本発明は、更に、液状界面活性剤を担持した洗剤粒子群に微粉体を混合する工程(表面改質工程)を有するのが好ましい。本工程において、微粉体が該混合物の表面を被覆し、流動性に優れた洗剤粒子群を得ることができ、また、液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面への液状界面活性剤のシミ出し状態に応じて添加する微粉体の量を調整して洗剤粒子群の品質を安定化することができる。即ち、表面状態が所望よりもシミ出しが多い場合は、添加する微粉体の量を多くし、所望よりもシミ出しが少ない場合は添加する微粉体の量を少なくする。微粉体の調整量は表面のシミ出しに応じて予め設定しておいてもよいし、複数回添加することで適量を判断してもよい。
【0033】
シミ出し状態の検知は、表面改質工程に入る前に行ってもよいし、表面改質工程にて行うこともできる。即ち、微粉体を添加する前の負荷、所定量の微粉体の一部を添加して混合する負荷、微粉体の所定量を添加して混合する負荷のどれか一つ以上を検出することで検知することができる。そのなかで、微粉体の一部を添加する方法は、より感度良くシミ出し状態を検出することができる。
【0034】
好ましい混合条件としては、攪拌機と解砕翼を両方具備した攪拌型混合機を用いることであり、攪拌翼と解砕翼の運転条件(回転数等)はベース顆粒をなるべく崩壊しない様に適宜設定すればよいが、本工程にて液状界面活性剤担持後の洗剤粒子表面のシミ出し状態を検知する場合、負荷検知中は解砕翼は停止した方が好ましい。また、負荷検出時の回転数は適宜設定すればよい。
【0035】
好ましい混合装置としては、前記攪拌型混合機のうち、攪拌翼と解砕翼を両方具備したものが挙げられる。このような攪拌型混合機を用いた場合には、ベース顆粒と液状界面活性剤を混合する工程と表面改質工程を同一の装置を用いて行うことができるので、設備の簡略化の点から好ましく、そのような装置としてレディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等が挙げられる。
【0036】
表面改質工程において、微粉体との混合時間は、0.5〜3分程度が好ましい。
【0037】
(微粉体)
本明細書において微粉体とは、洗剤粒子群の表面に被覆され、洗剤粒子群の流動性を向上させるために配合する粉体であり、高いイオン交換能や高いアルカリ能を有するものが洗浄面から好ましい。具体的には、アルミノケイ酸塩が望ましい。アルミノケイ酸塩以外では、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性ケイ酸塩化合物等のケイ酸塩化合物のような無機微粉体も好ましい。また、一次粒子が10μm以下の金属石鹸も同様に用いることができる。
【0038】
微粉体は、洗剤粒子群表面の被覆率が向上し、洗剤粒子群の流動性が向上する点で、その一次粒子の平均粒径が0.1〜10μmのものが好ましい。該微粉体の平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)、又は顕微鏡観察により測定される。
【0039】
微粉体の使用量としては、表面被覆の効率性の点から液状界面活性剤担持後の混合物100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。また、流動性の点から100重量部以下が好ましく、75重量部以下がより好ましく、50重量部が更に好ましい。
【0040】
以上のような、本発明の洗剤粒子群の製造方法としては、例えば、以下に説明する方法で行われることが好ましい。なお、本発明の洗剤粒子群の製造方法の各工程の流れをまとめたフローチャートを図1に示す。また、本発明の洗剤粒子群の製造方法の制御ブロック図を図2に示す。
【0041】
洗剤粒子群の造粒開始とともに、攪拌型混合機1にベース顆粒と必要に応じて、粉体原料を仕込む(図1の▲1▼)。一定時間混合を行った後(図1の▲2▼)、ポンプ2aにより液状界面活性剤貯槽用タンク3中の液状界面活性剤を攪拌型混合機1に仕込む(図1の▲3▼)。液状界面活性剤仕込み後、一定時間混合した後(図1の▲4▼)、粉体供給機4を用いて、微粉体貯槽用ホッパー5中の表面改質用の微粉体を一定量添加する(図1の▲5▼)。
【0042】
一定時間混合(図1の▲6▼)した後、混合終了直前の混合時の負荷を攪拌型混合機1のモーター6aに接続した負荷検出器7を用いて計測し、予め制御計算機8のメモリにインプットしておいた負荷と必要微粉体量の関係から、追加添加すべき微粉体量を決定する。微粉体量の調整は、制御計算機8に電気的に接続した(図示せず)重量調節積算計19aの設定を調節し、これに電気的に接続したモーター6bの回転数を制御することで行なう。
尚、攪拌型混合機1の負荷は制御計算機8の信号入力部において平均化の処理が行われることが好ましい。
【0043】
また、計測した混合時の負荷を、予め制御計算機8のメモリにインプットしておいた目標となる負荷の上下限値と比較を行ってベース顆粒のシミ出し状態の検出を行い、以下のようにして、ベース顆粒の吸油能の制御を行う。なお、この目標となる上下限値は、装置種類やスケールによって異なるが、所望の洗剤粒子の品質を基準に適宜設定する。
【0044】
1.混合負荷が目標の上限値を超えている場合は、ベース顆粒の吸油能がアップするよう制御を行う(図1の▲7▼)。即ち、ベース顆粒温度調節計9の設定値を上げる操作、又はスラリー水分の流量調節積算計10aの設定値を上げる操作、又はベース顆粒水分調節計11の設定値を下げる操作を行う。これらの操作の変更量は、予め制御計算機8のメモリにインプットしておいた混合時の負荷の値(混合負荷)とベース顆粒温度、混合負荷とスラリー水分、混合負荷とベース顆粒水分とのそれぞれの関係(例えば、後述の実施例では、
【0045】
【数1】
【0046】
を満たす関係)を用いて決定を行う。
【0047】
尚、ベース顆粒温度調節計9は、蒸気の流量コントロールバルブ12aと電気的に接続しており、前記のようにベース顆粒温度調節計9の設定値を上げることで、流量コントロールバルブ12aの開度が大きくなり、ベース顆粒温度が上昇する。
【0048】
また、流量調節積算計10aは、ポンプ2bと電気的に接続しており、前記のように流量調節積算計10aの設定値を上げることで、スラリータンク13への水供給量が上がる。
【0049】
また、ベース顆粒水分調節計11は、圧力指示調節計24、温度指示調節計22及び流量指示調節計23に電気的に接続している(図示せず)。そして、前記のように、ベース顆粒水分調節計11の設定値を下げることで、以下の(1) 〜(3) の制御操作を行なうことによりベース顆粒の水分が低下する:
(1) 圧力指示調節計24の設定値が下がり、これに接続した噴霧圧力調節用インバータ14の出力が減少して噴霧圧力が下がる、
(2) 温度指示調節計22の設定値が上がり、これに接続した流量コントロールバルブ12bの開度が大きくなり、噴霧乾燥装置15に流入する熱風(ガス)の温度が上昇する、
(3) 流量指示調節計23の設定値が上がり、これに接続した送風ブロワ用インバータ18の出力が上がり噴霧乾燥装置15に流入する風量が上がる。
【0050】
2.混合負荷が目標の下限値より小さい場合は、ベース顆粒の吸油能がダウンするよう制御を行う(図1の▲8▼)。即ち、ベース顆粒温度調節計9の設定値を下げる操作、又はスラリー水分の流量調節積算計10aの設定値を下げる操作、又はベース顆粒水分調節計11の設定値を上げる操作を行う。この際、操作の変更量は、予め制御計算機8のメモリにインプットしておいた混合負荷とベース顆粒温度、混合負荷とスラリー水分、混合負荷とベース顆粒水分とのそれぞれの関係を用いて決定を行う。なお、これらの具体的な調整は、前記負荷が目標の上限値を超えている場合の反対の操作を行う。
【0051】
上記操作は、これ以降に製造されるベース顆粒の吸油能を現時点の吸油能から変更する操作であり、現時点の吸油能が目標値をオーバーしているベース顆粒に対しては、製品の流動性を確保するために次の操作を行う。
1.混合負荷が目標の上限値を超えている場合は、粒子表面の液状界面活性剤のシミだし量が多く、表面改質用の微粉体が既定量となるように、残りの表面改質用の微粉体を添加すると、表面改質用微粉体が足りない状況となり、製品の流動性は劣化する。このような場合は、表面改質用の微粉体量が既定量以上となるように、残りの微粉体量を多くする添加を行う(図1の▲9▼A)。添加量の増分は、制御計算機8のメモリに予めインプットしておいた値を用いて決定を行う。例えば、この増加量は、テスト生産を行い、そのデータに基づいて決定する。
【0052】
2.混合負荷が目標の下限値より小さい場合は、粒子表面の液状界面活性剤のシミだし量が少なく、表面改質用の微粉体が既定量となるように、残りの表面改質用の微粉体を添加すると、表面改質用微粉体が過剰な状況となり、この場合も製品の流動性は劣化する。このような場合は、表面改質用の微粉体量が既定量以下となるように、残りの微粉体量を少なくする添加を行う(図1の▲9▼B)。添加量の減分は、制御計算機8のメモリに予めインプットしておいた値を用いて決定を行う。例えば、この減少量は、テスト生産を行い、そのデータに基づいて決定する。
【0053】
なお、混合負荷が目標の範囲内である場合、微粉体の量は既定量のままでよい(図1の▲9▼C)。
【0054】
以上のようにして微粉体を添加した後、一定時間混合し、洗剤粒子群の造粒を終了する。
【0055】
(洗剤粒子群の好ましい物性/測定方法)
本発明において製造される洗剤粒子群は、洗剤粒子群の平均粒径がベース顆粒の平均粒径の1.5倍以下である単核性洗剤粒子群であることが好ましい。
単核性洗剤粒子群とはベース顆粒を核として製造された洗剤粒子群であって、実質的に1個の洗剤粒子の中に1個のベース顆粒を核として有する洗剤粒子群をいう。実質的に1個とはベース顆粒同士が予め2個以上凝集したものも1個とみなすものとする。
【0056】
洗剤粒子群の単核性を表す指標として、下式で定義される粒子成長度を用いることができる。ここで言う単核性洗剤粒子群は、粒子成長度が、1.5以下が好ましく、1.3以下がより好ましい。
粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(ベース顆粒の平均粒径)
最終の洗剤粒子群とは、液状界面活性剤担持後の洗剤粒子群、もしくは表面改質工程を有するならば表面改質工程を得た粒子群のことである。
【0057】
単核性洗剤粒子群の嵩密度は、特に限定されずに実施できる。例えば、コンパクト化のためには、500g/L以上が好ましく、より好ましくは500〜1000g/L、更に好ましくは600〜1000g/L、特に好ましくは650〜850g/Lである。単核性洗剤粒子群の平均粒径は、好ましくは150〜500μm、より好ましくは180〜380μmである。嵩密度及び平均粒径の測定方法はベース顆粒の場合と同様である。
【0058】
洗剤粒子群の流動時間としては、7秒以下が好ましく、6.5秒以下がより好ましい。流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、100mlの粉末が流出するのに要する時間とする。
【0059】
洗剤粒子群の耐ケーキング性は、好ましくは篩通過率が90%以上、より好ましくは95%以上である。ケーキング性の試験法は次の通りである。
濾紙(ADVANTEC社製、No.2)で長さ10.2cm×幅6.2cm×高さ4cmの天部のない箱を作り、四隅をステープラーでとめた。試料50gを入れた該箱の上にアクリル樹脂板(15g)と鉛板(250g)をのせる。これを温度35℃、湿度40%雰囲気下2週間放置した後のケーキング状態について下記の通過率を求めることによって行う。
<通過率>
試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760μm)上に静かにあけ、通過した粉末重量を計り、試験後の試料に対する通過率(%)を求める。
【0060】
洗剤粒子群のシミ出し性は、下記の試験法による評価が、好ましくは2ランク以上、より好ましくは1ランクであれば搬送系での機器への非イオン性界面活性剤含有粉末の付着防止、容器にシミ出し防止の工夫が不要となり好ましい。
シミ出し性の試験法:耐ケーキング試験を行った濾紙の容器の底部(粉体と非接触面)でのシミ出し状態を目視評価する。評価は、底部の濡れ面積で判定し、下記の1〜5ランクとする。
ランク1:濡れていない。ランク2:1/4程度の面が濡れている。ランク3:1/2程度の面が濡れている。ランク4:3/4程度の面が濡れている。ランク5:全面が濡れている。
【0061】
洗剤粒子群の溶解率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。溶解率の測定方法は次の通りである。
【0062】
5℃に冷却した71.2mgCaCO3 /リットルに相当する1リットルの硬水(Ca/Mgのモル比7/3)を1リットルビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1リットルガラスビーカー)の中に満たし、5℃の水温をウオーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン丸型細型)にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800rpm)で攪拌する。1.0000±0.0010gとなるように縮分・秤量した単核性洗剤粒子群を攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー中の単核性洗剤粒子群分散液を重量既知のJIS Z 8801(ASTM No.200に相当)規定の目開き74μmの標準篩(直径100mm)で濾過し、篩上に残留した含水状態の単核性洗剤粒子群を篩と共に重量既知の開放容器に回収する。尚、濾過開始から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。回収した単核性洗剤粒子群の溶残物を105℃に加熱した電気乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持して冷却する。冷却後、乾燥した洗剤の溶残物と篩と回収容器の合計の重量を測定し、次式によって単核性洗剤粒子群の溶解率(%)を算出する。尚、重量の測定は精密天秤を用いて行うこととする。
溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1)
S : 単核性洗剤粒子群の投入重量(g)
T : 上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量(乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持する)(g)
【0063】
【実施例】
(検知運転)
攪拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水5393kgを入れ、温度を50℃に調整した。これに硫酸ナトリウム(無水中性芒硝、四国化成(株)製)1296kg、亜硫酸ナトリウム(亜硫酸ソーダ、三井東圧(株)製)60kg、蛍光染料(チノパールCBS−X、チバガイギー社製)24kgを添加した。10分間攪拌後、炭酸ナトリウム(デンス灰(平均粒径:290μm)、セントラル硝子(株)製)1536kgを添加した後に40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(特公平2−24283号公報の実施例に記載の方法に従って製造した。平均分子量10000、花王(株)製)1950kgを添加し、更に10分間攪拌後、塩化ナトリウム(やき塩:日本精塩(株)製)480kgを添加し、ゼオライト(トヨビルダー(4A型、平均粒径:3.5μm)、東ソー(株)製)1644kgを加えた。更に30分間攪拌してスラリーを得た。このスラリーの最終温度は、50℃に調整した。尚、このスラリーは水溶性塩類の一部が未溶解の状態で存在し、このスラリーの水分量は53重量%であった。
【0064】
スラリーをポンプで8000kg/Hrで噴霧乾燥塔(向流式)に供給し、塔頂及び塔中付近に設置した6本の圧力噴霧ノズルから噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が280℃で供給され、塔頂より105℃で排出された。得られたベース顆粒の水分量は1重量%、温度は120℃であった。
【0065】
ベース顆粒を70℃の熱風を用いてベース顆粒貯槽用ホッパーに空気輸送した。輸送後のベース顆粒の温度は80℃であった。
【0066】
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量4200L、ジャケット付)に上記ベース顆粒500kgと炭酸ナトリウム(デンス灰(平均粒径:290μm)、セントラル硝子(株)製)100kgを投入し、主軸(20rpm)の攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を150L/分で流した。
【0067】
1分間攪拌した後に(攪拌は継続)、界面活性剤組成物(80℃で混合下のポリオキシエチレンアルキルエーテル10重量部に対してポリエチレングリコール1.2重量%、パルミチン酸ナトリウム0.7重量%に相当するパルミチン酸(ルナックP−95、花王(株)製)及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム12重量部に相当するドデシルベンゼンスルホン酸前駆体(ネオペレックスGS、花王(株)製)及び中和剤として水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって作製したもの)250kgを3分間で投入し、その後6分間攪拌を行った。
【0068】
次に、ゼオライト50kg(規定量1)を投入し、主軸(60rpm)とチョッパー(3600rpm)の攪拌を1分間行った後、主軸(60rpm)の攪拌を0.5分間行った。このとき混合終了時の負荷は20.5kwであった。この値は目標とする混合負荷の上限値(19.0kw)よりも1.5kw高くなった。そこで、製品の物性を所望の状態に保持するために、ゼオライト70kg(規定量2+10kg)を投入し、主軸(60rpm)とチョッパー(3600rpm)の攪拌を0.5分間行った後、主軸(60rpm)の攪拌を1分間行い、造粒を終了した。得られた造粒物の流動性は5.8秒と良好であった。
【0069】
制御比較例1
規定量1のゼオライトを投入し攪拌するまでは、前記検知運転と同様の方法で製剤化を行った。このとき混合終了時の負荷は20.4kwであった。この値は目標とする混合負荷の上限値(19.0kw)よりも1.4kw高くなった。次に、しかしながら製品の物性を所望の状態に保持する微粉体量の調節を行なわずに、規定量のゼオライト60kg(規定量2)を投入し、主軸(60rpm)とチョッパー(3600rpm)の攪拌を0.5分間行った後、主軸(60rpm)の攪拌を1分間行い、造粒を終了した。得られた造粒物の流動性は7.3秒となり、好ましい流動性とはならなかった。これは、物性安定化の方法を行わなかったためである。
【0070】
制御実施例1
ベース顆粒をベース顆粒貯槽用ホッパーに空気輸送する熱風の温度を70℃→80℃にアップした。その結果、ベース顆粒の温度が80℃→85℃となった。このベース顆粒を用いて、規定量1のゼオライトの投入、攪拌まで前記検知運転の方法と同様に製剤化を行った結果、負荷は18.7kwとなった。この値は目標とする混合負荷の範囲内(17.0kw〜19.0kw)であった。そこで、規定量のゼオライト60kg(規定量2)を投入し、主軸(60rpm)とチョッパー(3600rpm)の攪拌を0.5分間行った後、主軸(60rpm)の攪拌を1分間行い、造粒を終了した。得られた造粒物の流動性は6.0秒と良好であった。
【0071】
制御実施例2
スラリーの水分量を0.5%増加する操作として、水の投入量を5393kg→5526kgにしてスラリーを調製し、ベース顆粒を得た(乾燥条件は変更しなかった)。このベース顆粒を用いて、規定量1のゼオライトの投入、攪拌まで前記検知運転の方法と同様に製剤化を行った結果、負荷は18.0kwとなった。この値は目標とする混合負荷の範囲内(17.0kw〜19.0kw)であった。そこで、規定量のゼオライト60kg(規定量2)を投入し、主軸(60rpm)とチョッパー(3600rpm)の攪拌を0.5分間行った後、主軸(60rpm)の攪拌を1分間行い、造粒を終了した。得られた造粒物の流動性は5.7秒と良好であった。
【0072】
【発明の効果】
本発明により、品質・物性の安定した洗剤粒子群を生産性よく製造することができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の洗剤粒子群の製造方法の各工程の流れをまとめたフローチャート図を示す。
【図2】図2は、本発明の洗剤粒子群の製造方法の制御ブロック図を示す。
【符号の説明】
1 攪拌型混合機
2 ポンプ
3 液状界面活性剤貯槽用タンク
4 粉体供給機
5 微粉体貯槽用ホッパー
6 モーター
7 負荷検出器
8 制御計算機
9 ベース顆粒温度調節計
10 流量調節積算計
11 ベース顆粒水分調節計
12 流量コントロールバルブ
13 スラリータンク
14 噴霧圧力調節用インバータ
15 噴霧乾燥装置
16 燃焼炉
17 送風ブロワ
18 送風ブロワ用インバータ
19 重量調節積算計
20 ベース顆粒貯槽用ホッパー
21 排風ブロワ
22 温度指示調節計
23 流量指示調節計
24 圧力指示調節計
Claims (4)
- 噴霧乾燥によって得られるベース顆粒に液状界面活性剤を担持してなる洗剤粒子群の製法において、攪拌型混合機を用いてベース顆粒と液状界面活性剤を混合する工程を有し、該工程において攪拌型混合機の負荷を検出し、該負荷が所定内でない場合、所定内になるように、混合に供されるベース顆粒の温度を調整し、及び/又は噴霧乾燥によりベース顆粒を調製する際のスラリーの水分を調整して、該ベース顆粒の吸油能を制御する工程を有する洗剤粒子群の製造方法。
- ベース顆粒の温度調整を、液状界面活性剤の流動点以上、120℃以下で行う請求項1記載の製造方法。
- 噴霧乾燥するスラリーの水分調整を、標準量±3重量%で行う請求項1又は2記載の製造方法。
- 攪拌型混合機が、攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサーである請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
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