JP3269616B2 - 単核性洗剤粒子群の製法 - Google Patents

単核性洗剤粒子群の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性剤組成物
を添加してなる単核性洗剤粒子群の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】非イオン性界面活性剤等の液状の界面活
性剤を粉末洗剤として用いるための方法としては、液状
の界面活性剤を粉体に担持させる方法がある。
【0003】特開昭52−110710号公報には、多
孔質外面と骨格内部構造を有する基剤ビーズの内部に液
体又は液化可能な有機物質を配置させ、該ビーズ表面に
は非イオン性洗剤が実質上存在しない顆粒状洗剤が開示
されている。しかしながら、この技術では該ビーズが吸
油可能な量以上の液状成分を配合することができず、し
かも界面活性剤の配合量が増加すると粒子表面に液が残
存し易く、流動性が悪化する傾向があるために、本技術
によっては界面活性剤の配合量を高めることができな
い。
【0004】特開平5−209200号公報には、非イ
オン性界面活性剤を主基剤とする混合物を洗剤原料とし
て用い、そして攪拌羽根を備え、攪拌羽根と器壁との間
にクリアランスを有する攪拌混合機の壁に洗剤原料の付
着層を形成させ、攪拌羽根により嵩密度を高めつつ造粒
する非イオン性洗剤粒子の製法が開示されている。しか
しながら、この技術は工程が繁雑であり、界面活性剤の
配合量が変動すると洗剤粒子の粒径が変動する。さらに
この技術は、当然のことながら機内での洗剤原料の付着
も顕著であり、その付着状況によっても洗剤粒子の粒径
や嵩密度に変動をきたす。
【0005】従って、品質の安定した製品を生産するた
めには、該非イオン性界面活性剤の配合量の変動に対し
て安定した品質の製品を得るという粉末洗剤の製法を構
築することは極めて重要である。取り分け、液状界面活
性剤の含有量の高い粉末洗剤は洗浄性能に優れている
が、上記の理由により、品質の安定した製品を生産する
ことは困難であり、多量配合による粉末物性の悪化の問
題も未解決であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、界面活性剤組成物を含有する単核性洗剤粒子群の製
法において、製造工程が簡潔であり、界面活性剤組成物
の配合量の変動に対して該洗剤粒子群の平均粒径及び粒
度分布の変動が少なく、ベース顆粒群の選択により平均
粒径及び粒度分布を容易に調節し得る単核性洗剤粒子群
を高収率で得る製法を提供することにある。さらに本発
明の課題は、該洗剤粒子群の流動性等の粉末物性が良好
で、かつ界面活性剤組成物の多量配合が可能な単核性洗
剤粒子群の製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
工程(A):平均粒径が150〜500μm、嵩密度が
400g/L以上、及び粒子強度が50kg/cm2
上のベース顆粒群と、該ベース顆粒群100重量部に対
して20〜100重量部の界面活性剤組成物(但し、界
面活性剤組成物は、非イオン性界面活性剤、該非イオン
性界面活性剤100重量部に対して0〜300重量部
の、硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン性界面活
性剤、及び該非イオン性界面活性剤100重量部に対し
て1〜100重量部の、該非イオン性界面活性剤の固定
化剤を含有する)とを、ベース顆粒を実質的に崩壊せし
めない混合条件にて混合し、混合物を得る工程であり、
該工程(A)で得られる混合物の形態が、ファニキュラ
ーII域、キャピラリー域又はスラリー域のいずれかであ
る工程、及び工程(B):工程(A)で得られる混合物
と、該混合物100重量部に対して5〜100重量部の
微粉体とを、界面活性剤組成物を含有するベース顆粒の
形態を実質的に維持しつつ混合して単核性洗剤粒子群を
得る工程、を含む、粒子成長度が1.3以下で、嵩密度
が500g/L以上である単核性洗剤粒子群の製法に関
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】1.ベース顆粒群 本明細書において「ベース顆粒群」とは、平均粒径が1
50〜500μm、嵩密度が400g/L以上、及び粒
子強度が50kg/cm2 以上の顆粒群である。
【0009】ベース顆粒群の平均粒径は、溶解性並びに
流動性に優れた単核性洗剤粒子群が得られる点で150
〜500μm、好ましくは180〜350μmである。
嵩密度はコンパクト化の点から400g/L以上、好ま
しくは500g/L以上である。溶解性の点から150
0g/L以下が好ましく、1200g/L以下が更に好
ましい。粒子強度は50kg/cm2 以上であり、単核
性洗剤粒子群の安定生産性の点から100kg/cm2
以上が好ましく、200kg/cm2 以上が更に好まし
い。溶解性の点から5000kg/cm2 以下が好まし
く、3000kg/cm2 以下が更に好ましい。ベース
顆粒群の粒子強度がこの範囲であれば、該ベース顆粒の
工程(A)での混合時の崩壊が実質的に抑制される。
【0010】平均粒径は、JIS Z 8801の標準
篩を用いて試料を5分間振動させた後、篩目のサイズに
よる重量分率から測定する。嵩密度は、JIS K 3
362により規定された方法で測定する。
【0011】粒子強度の測定法は、下記の通りである。
内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に試料20gを
入れ、30回タッピング(筒井理化学器械(株)製、T
VP1型タッピング式密充填カサ密度測定器、タッピン
グ条件:周期36回/分、60mmの高さから自由落
下)を行い、その時の試料高さ(初期試料高さ)を測定
する。その後、加圧試験機にて容器内に保持した試料の
上端面全体を10mm/minの速度で加圧し、荷重−
変位曲線の測定を行い、変位率が5%以下での直線部に
おける傾きに初期試料高さをかけ、加圧面積で除した値
を粒子強度とする。
【0012】本発明におけるベース顆粒群は、一般に洗
剤に配合され、水中で溶解又は分散する物質の顆粒群で
あればよく、例えば、トリポリリン酸塩、炭酸塩、重炭
酸塩、亜硫酸塩、ケイ酸塩、結晶性アルミノケイ酸塩、
クエン酸塩といったアルカリ性を呈する粒子群;芒硝、
食塩、クエン酸といった中性又は酸性を呈する粒子群;
又は各種洗剤ビルダーを含有する水スラリーを噴霧乾燥
等により乾燥した粒子群が挙げられる。ベース顆粒群は
単独成分のみで構成されていても良く、複数成分から構
成されていても良い。
【0013】その中でも、洗剤ビルダーを含有する水ス
ラリーを乾燥した粒子群が、界面活性剤組成物の配合量
を多くできるという点から顆粒群として好ましい。かか
るベース顆粒群は、例えば、水不溶性無機物、水溶性ポ
リマー及び水溶性塩類を含む水スラリーであって、各成
分の含有量が該水スラリー中の固形分基準でそれぞれ、
20〜90重量%、2〜30重量%、5〜78重量%で
ある水スラリーを噴霧乾燥して得ることができる。上記
組成範囲において、乾燥方法並びに乾燥条件の調整によ
りベース顆粒群の粒子強度、嵩密度、平均粒径の制御が
可能となる。
【0014】ここで、水不溶性無機物としては、結晶性
又は非晶質のアルミノケイ酸塩;二酸化ケイ素、水和ケ
イ酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物
等が挙げられる。水溶性ポリマーとしては、カルボン酸
系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱
粉、糖類等が挙げられる。水溶性塩類としては、炭酸
基、炭酸水素基、硫酸基、亜硫酸基、硫酸水素基、塩酸
基、又はリン酸基等をそれぞれ有するアルカリ金属塩、
アンモニウム塩、又はアミン塩に代表される水溶性の無
機塩類や、クエン酸やフマル酸塩などの低分子量の水溶
性有機塩類等が挙げられる。また、水スラリー中に配合
できる他の任意成分として蛍光染料等が挙げられる。色
むら等の抑制の観点から蛍光染料等を水スラリーへ配合
することが好ましい。
【0015】水スラリー中の水不溶性無機物、水溶性ポ
リマー、及び水溶性塩類の含有量は、水スラリー中の固
形分基準でそれぞれ、30〜75重量%、3〜20重量
%、10〜67重量%の範囲がより好ましく、40〜7
0重量%、5〜20重量%、20〜55重量%の範囲が
特に好ましい。
【0016】2.界面活性剤組成物 界面活性剤組成物は、例えば工程(A)の混合操作時に
おいて液状を呈する界面活性剤を含有する組成物が挙げ
られる。したがって、混合操作時の温度にて液体の界面
活性剤だけでなく、該温度にて固体の界面活性剤であっ
ても、それを適当な媒体に溶解又は分散させて溶液又は
懸濁液として得ることができるものであれば、かかる界
面活性剤も本工程において使用することができる。
【0017】界面活性剤としては、陰イオン性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン
性界面活性剤を単独で用いても、2種以上を組み合わせ
て用いても良い。また、本明細書において界面活性剤組
成物の一つの態様として、非イオン性界面活性剤、該非
イオン性界面活性剤100重量部に対して0〜300重
量部の、硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン性界
面活性剤、及び該非イオン性界面活性剤100重量部に
対して1〜100重量部の、該非イオン性界面活性剤の
固定化剤を含有する界面活性剤組成物が挙げられる。硫
酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン性界面活性剤
は、より好ましくは非イオン性界面活性剤100重量部
に対して20〜200重量部である。かかる組成の界面
活性剤組成物は、望ましい泡立ち性や洗浄性能を得られ
ることから、より好ましい。
【0018】本明細書において「固定化剤」とは、常温
で液状の非イオン性界面活性剤の流動性を抑え、かつ、
かかる非イオン性界面活性剤を含有する界面活性剤組成
物が流動性を失った状態での硬度を著しく高めることが
できる基剤を意味する。かかる固定化剤としては、例え
ば、脂肪酸塩、ヒドロキシ脂肪酸塩、アルキルリン酸塩
等の陰イオン性界面活性剤等、ポリエチレングリコール
等のポリオキシアルキル型非イオン性化合物、ポリエー
テル系非イオン性化合物等が挙げられる。固定化剤は、
より好ましくは非イオン性界面活性剤100重量部に対
して5〜50重量部である。固定化剤を含有する界面活
性剤組成物を使用することにより、常温での保存時にお
ける界面活性剤のシミ出しを抑制することができる。
【0019】界面活性剤組成物の配合量は、洗浄力を発
揮させる観点から、ベース顆粒100重量部に対して2
0重量部以上であり、好ましくは25重量部以上、更に
好ましくは30重量部以上である。溶解性及び流動性の
観点から、ベース顆粒100重量部に対して100重量
部以下であり、好ましくは80重量部以下、更に好まし
くは70重量部以下である。
【0020】3.ベース顆粒群以外の粉体原料 本明細書で言う「ベース顆粒群以外の粉体原料」とは、
常温で粉末の洗浄力強化剤又は吸油剤を意味する。具体
的には、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能
を示す基剤、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカ
リ能を示す基剤、結晶性ケイ酸塩等の金属イオン封鎖能
・アルカリ能のいずれも有する基剤等や、金属イオン封
鎖能は低いが高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質
アルミノケイ酸塩等が挙げられる。かかる粉体原料を所
望によりベース顆粒群と併用することで、界面活性剤組
成物の高配合化及び混合機内への混合物の付着の低減化
が達成され、また、洗浄力の向上を図ることもできる。
【0021】ベース顆粒群以外の粉体原料は所望により
工程(A)で配合して混合される。その場合の配合量
は、所定の効果を発揮させる点から、ベース顆粒群10
0重量部に対して好ましくは1重量部以上、より好まし
くは3重量部以上である。また、溶解性の点から、ベー
ス顆粒群100重量部に対して好ましくは30重量部以
下、より好ましくは20重量部以下、特に好ましくは1
5重量部以下である。
【0022】4.微粉体 本明細書において、「微粉体」とは単核性洗剤粒子の表
面に被覆され、洗剤粒子群の流動性を向上させるために
配合する粉体であり、高いイオン交換能や高いアルカリ
能を有するものが、洗浄面から好ましい。具体的には、
アルミノケイ酸塩が好ましい。アルミノケイ酸塩以外で
は、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、
タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性ケイ酸塩
化合物等のケイ酸塩化合物のような無機微粉体も好まし
い。また、一次粒子が10μm以下の金属石鹸も同様に
用いることができる。
【0023】微粉体は、単核性洗剤粒子表面の被覆率が
向上し、洗剤粒子群の流動性が向上する点で、その一次
粒子の平均粒径が0.1〜10μmのものが好ましい。
該微粉体の平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えば
パーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)、又
は顕微鏡観察により測定できる。
【0024】微粉体の使用量としては、単核性粒子群を
得る観点から、工程(A)で得られる混合物100重量
部に対して5重量部以上であり、10重量部以上がより
好ましい。また、流動性の観点から、100重量部以下
であり、75重量部以下が好ましく、50重量部以下が
特に好ましい。
【0025】5.単核性洗剤粒子群の製法 5−1.工程(A) 工程(A)における混合条件は、ベース顆粒を実質的に
崩壊せしめない混合条件を選択すれば良い。例えば、攪
拌翼を具備する混合機を用いる場合、ベース顆粒の崩壊
を抑制させる観点及び混合効率の観点から、機内に具備
された攪拌翼の混合羽根の形状がパドル型の場合は、該
攪拌翼のフルード数が好ましくは0.5〜8、更に好ま
しくは0.8〜4、特に好ましくは0.8〜2である。
また、混合羽根の形状がスクリュー型の場合は、該攪拌
翼のフルード数が好ましくは0.1〜4、更に好ましく
は0.15〜2である。また、混合羽根の形状がリボン
型の場合は、該攪拌翼のフルード数が好ましくは0.0
5〜4、更に好ましくは0.1〜2である。
【0026】さらに、攪拌翼及び解砕翼を具備する混合
機を用いても良い。かかる混合機を用いて粉体と液体を
混合する場合、従来では混合を促進する点から該解砕翼
を高速回転させることが通例であった。しかしながら本
発明においては、かかる場合、ベース顆粒の崩壊を抑制
する観点から、解砕翼を実質的に回転させないことが好
ましい。解砕翼を実質的に回転させないとは、該解砕翼
を全く回転させないこと、又は該解砕翼の形状、大きさ
等を鑑みて、ベース顆粒を崩壊させない範囲内で、該解
砕翼近傍の各種原料の滞留を防止する目的で該解砕翼を
回転させることをいう。具体的には連続的に該解砕翼を
回転させる場合はフルード数として200以下、好まし
くは100以下、間欠的に回転させる場合、フルード数
は特に制限されない。このような条件で混合することに
より、ベース顆粒を実質的に崩壊させることなく混合物
を得ることができる。本明細書において、ベース顆粒を
実質的に崩壊せしめないとは、混合物中でベース顆粒の
70%以上がその形態を維持していることであり、その
確認方法として、例えば得られた混合物を有機溶媒を用
いて可溶分を抽出した後の粒子を観察する方法が挙げら
れる。
【0027】本明細書で定義されるフルード数は以下の
式で算出する。 フルード数=V2 /(R×g) ここで、V:攪拌翼又は解砕翼の先端の周速〔m/s〕 R:攪拌翼又は解砕翼の回転半径〔m〕 g:重力加速度〔m/s2
【0028】混合時の機内温度は、ベース顆粒の崩壊を
実質的に抑制しながら界面活性剤組成物とベース顆粒群
を効率的に混合できる温度が好ましい。例えば、混合す
る界面活性剤組成物の流動点以上が好ましく、流動点の
10℃以上がより好ましく、流動点の20℃以上が特に
好ましい。また、混合時間は2〜10分程度が好まし
い。機内温度の調整はジャケット等に冷水や温水を流す
ことにより行うことができる。そのため、混合に用いる
装置はジャケットを備えた構造のものが好ましい。界面
活性剤組成物の流動点は、JIS K 2269の方法
により測定される値である。
【0029】界面活性剤組成物とベース顆粒群の混合方
法としては、回分式でも連続式でも良い。回分式で混合
する場合、予めベース顆粒群を混合機に仕込んだ後、界
面活性剤組成物を液体状態で添加することが好ましく、
特に液体状態の界面活性剤組成物を噴霧して供給するこ
とが好ましい。供給する界面活性剤組成物の温度は、界
面活性剤組成物の流動点の10℃以上が好ましく、流動
点の20℃以上が更に好ましい。
【0030】回分式で混合を行う場合、本発明を満足で
きる混合機を用いれば、特に限定されないが、例えば混
合羽根の形状がパドル型の混合機として、(1)混合槽
で内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌翼を取り付けて粉
末の混合を行う形式のミキサー:例えばヘンシェルミキ
サー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサ
ー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター
((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研
(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)
製)、特開平10-296064 号公報、特開平10-296065 号公
報記載の混合装置等、混合羽根の形状がリボン型の混合
機として、(2)円筒型、半円筒型又は円錐型の固定さ
れた容器内でスパイラルを形成したリボン状の羽根が回
転することにより混合を行う形式のミキサー:リボンミ
キサー(日和機械工業(株)製)、バッチニーダー(佐
竹化学機械工業(株)製)、リボコーン((株)大順製
作所製)等、混合羽根の形状がスクリュー型の混合機と
して、(3)コニカル状の容器に沿ってスクリューが容
器の壁と平行の軸を中心として自転しながら公転するこ
とにより混合を行う形式のミキサー:例えばナウターミ
キサー(ホソカワミクロン(株)製)、SVミキサー
(神鋼パンテック(株)製)等がある。
【0031】上記の混合機の中でも好ましくは、横型の
混合槽で円筒状の混合槽内の中心に攪拌軸を有し、この
軸に攪拌翼を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサ
ーであり、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プ
ロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、特開平10-2
96064 号公報、特開平10-296065 号公報記載の混合装置
等があり、後述の工程(B)を同一の装置で行うことが
できるので、設備の簡略化の点から好ましい。中でも、
特開平10-296064 号公報、特開平10-296065 号公報記載
の混合装置は通気によって混合物の湿分や温度を調節
し、ベース顆粒群の崩壊を抑制できることから好まし
い。また、強い剪断力を与えることなく、粉体と液体の
混合が可能な円錐型スクリュー混合機、リボンミキサー
等の混合装置も、ベース顆粒の崩壊を抑制できる点から
好ましい。
【0032】また、連続式で混合を行う場合、本発明を
満足できる連続式混合機を用いれば、特に限定されない
が、例えば上記の混合機のうちで連続型の装置を用いて
ベース顆粒群と界面活性剤組成物とを混合させてもよ
い。
【0033】粉体と液体の混合物の形態は、粉体工学用
語辞典(日刊工業新聞社、昭和56年発行)等の文献に
記載されており、表1に要約する。工程(A)で得られ
る混合物の形態は、ファニキュラーII域、キャピラリー
域又はスラリー域のいずれかであることがより好まし
い。混合物のこのような形態は、混合物中の界面活性剤
組成物がベース顆粒群が担持可能な量以上存在している
ことを意味する。混合物をこのような形態とすることに
より、ペンデュラー域、ファニキュラーI域に比べて界
面活性剤組成物を高配合できるだけでなく、混合物の形
態をホイップ状にすることができ、その結果、ベース顆
粒間に働くせん断力(混練抵抗)を低減させることがで
きる。そのため、ベース顆粒の崩壊を抑制できる。ま
た、混合物の形態がファニキュラーII域、キャピラリー
域又はスラリー域のいずれかであれば、微粉体による表
面被覆効果が効率的に発揮されるため、流動性に優れた
単核性洗剤粒子群が得られる。混合物がどの領域の形態
であるかの確認はルーペ等により行うことができる。
【0034】
【表1】
【0035】混合物の形態を、ファニキュラーII域、キ
ャピラリー域又はスラリー域のいずれかとするには、ベ
ース顆粒群に担持可能な量を鑑み、界面活性剤組成物の
量を適宜調整すれば良い。
【0036】また、ベース顆粒群以外の粉体原料を工程
(A)で配合する場合、該粉体原料は、界面活性剤組成
物を添加する前に混合機に仕込むのが好ましい。粉体原
料を配合した場合の混合条件は、ベース顆粒群と界面活
性剤組成物とを混合する場合と同様の条件であることが
好ましい。
【0037】5−2.工程(B) 本工程において、微粉体と工程(A)で得られる混合物
とを混合させることで、微粉体が該混合物(界面活性剤
組成物を含有するベース顆粒群)の表面を被覆し、流動
性に優れた単核性洗剤粒子群が得られる。混合物の形態
がファニキュラーII域、キャピラリー域、及びスラリー
域である様な、界面活性剤組成物が連続相を形成してい
る場合は、微粉体は混合初期において連続相を断ち切る
粉砕助剤としての機能を有する。
【0038】混合時の機内温度は、ベース顆粒の崩壊を
抑制しながら微粉体による被覆を効率的に実施できる温
度が好ましい。例えば、工程(A)で添加した界面活性
剤組成物の流動点の10℃以上が好ましく、20℃以上
がより好ましい。また、該界面活性剤の熱安定性の観点
から、機内温度は95℃以下が好ましく、90℃以下が
より好ましい。但し、工程(A)で得られる混合物の形
態がペンデュラー域又はファニキュラーI域である場合
は、機内温度は工程(A)で添加した界面活性剤組成物
の流動点以下でもよく、所望の温度に調節することがで
きる。混合時間は、0.5〜5分程度が好ましく、0.
5〜3分程度がより好ましい。
【0039】工程(B)における混合条件は、界面活性
剤組成物を含有するベース顆粒の形態を実質的に維持す
る混合条件を選択すれば良い。好ましい混合条件として
は、攪拌翼と解砕翼を両方具備した混合機を用いること
であり、かかる混合機を用いる場合、ベース顆粒の崩壊
を抑制する観点から、機内に具備された攪拌翼のフルー
ド数を好ましくは10以下、更に好ましくは7以下とす
る。微粉体との混合、微粉体との分散の効率性の観点か
ら、該フルード数を、好ましくは2以上、更に好ましく
は3以上とする。さらに、微粉体との混合、微粉体の分
散の効率性の観点から、解砕翼のフルード数としては2
00以上が好ましく、500以上が更に好ましい。ベー
ス顆粒の崩壊を抑制する観点から、該フルード数として
は8000以下が好ましく、5000以下がより好まし
い。フルード数がこの範囲であれば、流動性の優れた単
核性洗剤粒子群を得ることができる。但し工程(B)に
おいて、混合物の温度を調整する目的で混合する場合
は、攪拌翼及び解砕翼のフルード数を適宜調整すればよ
い。本明細書において、界面活性剤組成物を含有するベ
ース顆粒の形態を実質的に維持するとは、得られた洗剤
粒子の70%以上が1個のベース顆粒から構成され、且
つそのベース顆粒が崩壊していないことを意味する。そ
の確認方法としては、工程(A)の場合と同様の手法を
用いることができる。
【0040】好ましい混合機としては、工程(A)で例
示した混合機のうち、攪拌翼と解砕翼を両方具備したも
のが挙げられる。また、工程(A)と工程(B)を別の
装置を用いることにより、混合物の温度調整が容易とな
る。例えば、工程(B)の途中又は終了後に香料、酵素
等の非耐熱性成分を添加する場合、工程(B)で混合物
の温度調整を行うことが好ましい。ジャケット温度の設
定や通気によって、温度を調整できる。工程(A)と工
程(B)を別の装置を用いて行う場合、工程(A)で得
られた混合物を効率よく工程(B)の装置へ移送するた
めに、工程(A)終了時に微粉体の一部を添加すること
も好ましい態様である。
【0041】6.単核性洗剤粒子群 本発明の製法により得られる単核性洗剤粒子とは、ベー
ス顆粒を核として製造された洗剤粒子であって、実質的
に1個の洗剤粒子の中に1個のベース顆粒を核として有
する洗剤粒子をいう。
【0042】洗剤粒子の単核性を表す指標として、下式
で定義される粒子成長度を用いることができる。本発明
における単核性洗剤粒子群は、粒子成長度が1.5以
下、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下
である。 粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(ベー
ス顆粒群の平均粒径) 最終の洗剤粒子群とは、工程(B)を経て得られる洗剤
粒子群をいう。
【0043】かかる単核性洗剤粒子は粒子間の凝集が抑
制されているため、所望の粒径範囲外の粒子(凝集粒
子)が生成することなく、高収率で所望の洗剤が得られ
るという利点を有する。
【0044】ベース顆粒群が噴霧乾燥粒子群の場合、本
発明の製法により得られる単核性洗剤粒子群は高速溶解
性を実現することができる。高速溶解性とは、以下の方
法で算出される洗剤粒子群の溶解率が90%以上である
性質を言う。
【0045】5℃に冷却した、71.2mgCaCO3
/Lに相当する1Lの硬水(Ca/Mgのモル比=7/
3)を1Lビーカー(内径105mm、高さ150mm
の円筒型、例えば岩城硝子社製1Lガラスビーカー)の
中に満たす。ウォーターバスにて5℃の水温を保った状
態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型
式:ADVANTEC社製、テフロン丸型細型)にて水深に対す
る渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800rp
m)で攪拌する。1.00gとなるように秤量した洗剤
粒子群を攪拌下に前記硬水中に投入・分散させ、攪拌を
続ける。投入から60秒後にビーカー中の洗剤粒子分散
液を重量既知のJIS Z 8801(ASTM No.200に
相当)規定の目開き74μmの標準篩(直径100m
m)で濾過し、篩上に残留した含水状態の洗剤粒子を篩
と共に重量既知の開放容器に回収する。なお、濾過開始
から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。
回収した洗剤粒子の溶残物を105℃に加熱した電気乾
燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデ
シケーター(25℃)内で30分間保持して冷却する。
冷却後、乾燥した洗剤の溶残物と篩と回収容器の合計の
重量を測定し、篩上に残留した洗剤粒子の乾燥重量を求
める。そして、次式によって洗剤粒子群の溶解率(%)
を算出する。なお、重量の測定は精密天秤を用いて行う
こととする。
【0046】 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 S:洗剤粒子群の投入重量(g) T:篩上に残留した洗剤粒子の乾燥重量(g)
【0047】単核性洗剤粒子群の嵩密度は500g/L
以上であり、好ましくは500〜1000g/L、より
好ましくは600〜1000g/L、特に好ましくは6
50〜850g/Lである。嵩密度の測定方法はベース
顆粒群と同様である。
【0048】単核性洗剤粒子群の平均粒径は、好ましく
は150〜500μm、より好ましくは180〜350
μmである。平均粒径の測定方法はベース顆粒群と同様
である。
【0049】単核性洗剤粒子群の流動性は、流動時間と
して10秒以下が好ましく、8秒以下がより好ましい。
流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩
密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出す
るのに要する時間とする。
【0050】単核性洗剤粒子群の収率は、平均粒径を測
定した際に1000μmの篩目を通過した試料の重量分
率から求められる。かかる収率は90%以上が好まし
く、95%以上がより好ましい。
【0051】
【実施例】実施例1 下記の製法に従い洗剤粒子群を得た。レディゲミキサー
(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に
表2記載のベース顆粒群100重量部(20kg)を投
入し、主軸(攪拌翼付き、主軸の回転数:60rpm、
攪拌翼のフルード数:1)の回転を開始した。なお、チ
ョッパー(解砕翼付き)は回転させず、ジャケットに8
0℃の温水を10L/分で流した。そこに、80℃の液
状界面活性剤組成物50重量部(10kg)を2分間で
投入し、その後5分間混合を行った。続いて、このレデ
ィゲミキサー内に微粉体15重量部(3kg)を投入
し、主軸(主軸の回転数:120rpm、攪拌翼のフル
ード数:4)及びチョッパー(チョッパーの回転数:3
600rpm、解砕翼のフルード数:1300)の回転
を1分間行った後、28kgの洗剤粒子群を得た。得ら
れた洗剤粒子群の組成、物性を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】実施例2〜7 表2記載の組成にて実施例1と同様の方法で洗剤粒子群
を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。な
お、実施例5において、粉体原料はベース顆粒群と同時
に投入した。
【0054】実施例8 特開平10−296064号公報記載の横形混合装置
(容量130L、ジャケット・補助解砕翼・ガス噴出パ
イプ付)に表2記載のベース顆粒群100重量部(20
kg)を投入し、主軸(補助攪拌翼付き、主軸の回転
数:60rpm、攪拌翼のフルード数:1)の回転を開
始した。なお、チョッパー(解砕翼付き)は回転させ
ず、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流し、ガ
ス噴出パイプから80℃の温風を0.3m3 /分で流し
た。そこに80℃の液状界面活性剤組成物50重量部
(10kg)を3分間で投入し、その後5分間混合を行
った。続いて、温風の供給を停止した後、この混合装置
内に微粉体15重量部(3kg)を投入し、主軸(主軸
の回転数:120rpm、攪拌翼のフルード数:4)及
びチョッパー(チョッパーの回転数:3600rpm、
解砕翼のフルード数:1300)の回転を1分間行った
後、28kgの洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群
の組成、物性を表2に示す。
【0055】実施例9 ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製、実効容
量30L、ジャケット付)に表2記載のベース顆粒群1
00重量部(14kg)を投入し、スクリュー(自転回
転数:100rpm、フルード数:0.83、公転回転
数:4rpm)の回転を開始した。なお、ジャケットに
80℃の温水を10L/分で流した。そこに80℃の液
状界面活性剤組成物30重量部(4.2kg)を3分間
で投入し、その後5分間混合を行い混合物を得た。続い
て、上記混合物全量と微粉体8重量部(1.1kg)を
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量130L、
ジャケット付)に投入し、主軸(主軸の回転数:120
rpm、攪拌翼のフルード数:4)及びチョッパー(チ
ョッパーの回転数:3600rpm、解砕翼のフルード
数:1300)の回転を1分間行った。その後主軸(主
軸の回転数:60rpm、攪拌翼のフルード数:1)を
回転させ、チョッパーは回転させずに3分間混合を行っ
た後、17kgの洗剤粒子群を得た。なお、ジャケット
に40℃の温水を10L/分で流した。得られた洗剤粒
子群の組成、物性を表2に示す。このときの洗剤粒子群
の温度は48℃であった。
【0056】実施例10 リボンミキサー(不二パウダル(株)製、全容量90
L、ジャケット付)に表2記載のベース顆粒群100重
量部(25kg)を投入し、(回転数:67rpm、フ
ルード数:0.85)の回転を開始した。なお、ジャケ
ットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに80
℃の液状界面活性剤組成物30重量部(7.5kg)を
3分間で投入し、その後5分間混合を行った。次に、微
粉体の一部の5重量部(1.25kg)をリボンミキサ
ーに投入し、2分間混合を行い混合物を得た。続いて、
上記混合物全量と微粉体3重量部(0.75kg)をレ
ディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量130L、ジ
ャケット付)に投入し、主軸(主軸の回転数:120r
pm、攪拌翼のフルード数:4)及びチョッパー(チョ
ッパーの回転数:3600rpm、解砕翼のフルード
数:1300)の回転を1分間行った後、33kgの洗
剤粒子群を得た。なお、ジャケットに40℃の温水を1
0L/分で流した。得られた洗剤粒子群の組成、物性を
表2に示す。
【0057】微粉体混合前の混合物の形態に関して、ル
ーペによる観察から判断した結果、実施例3、9、10
の混合物の形態はペンデュラー域であり、実施例1〜
2、5〜8の混合物の形態はファニキュラーII域、実施
例4はキャピラリー域であった。実施例4と5の洗剤粒
子群は実施例3の洗剤粒子群よりも洗浄力に優れてい
た。また、実施例1〜6、8〜10の洗剤粒子群は高速
溶解性を有していた。また、実施例1〜5、7〜10の
洗剤粒子群は実施例6の洗剤粒子群よりも界面活性剤組
成物のシミ出し防止性に優れていた。粒子成長度のデー
タから、実施例1〜10において得られた洗剤粒子群は
いずれも単核性洗剤粒子群であることが分かった。
【0058】また、得られた洗剤粒子群から有機溶媒を
用いて可溶物を抽出・除去して観察した結果、いずれの
実施例においてもベース顆粒は実質的に崩壊しておら
ず、かつ界面活性剤組成物を含有するベース顆粒の形態
は実質的に維持されていた。
【0059】なお、界面活性剤組成物、噴霧乾燥粒子は
次のものを用いた。 界面活性剤組成物1:ポリオキシエチレンアルキルエー
テル(花王(株)製、商品名:エマルゲン108KM
(エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキ
ル鎖の炭素数:12〜14、融点:18℃)) 界面活性剤組成物2:ポリオキシエチレンアルキルエー
テル/ポリエチレングリコール/LAS−Na/水=4
2/8/42/8(重量比)の組成物(流動点は45
℃);ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲ
ン108KM);ポリエチレングリコール(花王(株)
製、商品名:K−PEG6000(平均分子量:850
0、融点:60℃));LAS−Na:ドデシルベンゼ
ンスルホン酸(花王(株)製、商品名:ネオペレックス
FS) 噴霧乾燥粒子:嵩密度620g/L、平均粒径225μ
m、粒子強度320kg/cm2 、組成:ゼオライト/
ポリアクリル酸ナトリウム/炭酸ナトリウム/硫酸ナト
リウム/水=50/10/20/15/5(重量比)
【0060】ここで用いた噴霧乾燥粒子は次のようにし
て調製した。水480kgを攪拌翼を有した1m3 の混
合槽に加え、水温が55℃に達した後に、40重量%の
ポリアクリル酸ナトリウム水溶液150kgを添加し
た。15分間攪拌した後に、炭酸ナトリウム120k
g、硫酸ナトリウム90kgを添加した。更に15分間
攪拌した後に、ゼオライト300kgを添加し、30分
間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終
温度は58℃であった。
【0061】このスラリーをポンプで噴霧乾燥塔に供給
し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力25
kg/cm2 で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高
温ガスは塔下部より温度が225℃で供給され、塔頂よ
り105℃で排出された。
【0062】比較例1 下記の製法に従い洗剤粒子群を得た。レディゲミキサー
(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に
ベース顆粒100重量部(20kg)を投入し、主軸
(攪拌翼付き、主軸の回転数:120rpm、攪拌翼の
フルード数:4)とチョッパー(解砕翼付き、チョッパ
ーの回転数:3600rpm、解砕翼のフルード数:1
300)の回転を開始した。なお、ジャケットに80℃
の温水を10L/分で流した。そこに、80℃の液状界
面活性剤組成物50重量部(10kg)を2分間で投入
し、その後5分間混合を行った。この混合物の形態はフ
ァニキュラーI域であった。
【0063】続いて、このレディゲミキサー内に微粉体
15重量部(3kg)を投入し、主軸(主軸の回転数:
120rpm、攪拌翼のフルード数:4)とチョッパー
(チョッパーの回転数:3600rpm、解砕翼のフル
ード数:1300)の回転を1分間行った後、28kg
の洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性
を表2に示す。粒子成長度のデータから、得られた洗剤
粒子群は単核性洗剤粒子群ではなかった。また、収率も
劣っていた。また、この洗剤粒子群を同一組成の実施例
1と比較すると、溶解性は劣っていた。
【0064】比較例2 下記の製法に従い洗剤粒子群を得た。レディゲミキサー
(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に
ベース顆粒群100重量部(20kg)を投入し、主軸
(攪拌翼付き、主軸の回転数:60rpm、攪拌翼のフ
ルード数:1)の回転を開始した。なお、チョッパー
(解砕翼付き)は回転させず、ジャケットに80℃の温
水を10L/分で流した。そこに、上記80℃の液状界
面活性剤組成物50重量部(10kg)を2分間で投入
し、その後5分間混合を行った。この混合物の形態はフ
ァニキュラーII域であった。
【0065】続いて、このレディゲミキサー内に微粉体
15重量部(3kg)を投入し、主軸(主軸の回転数:
60rpm、攪拌翼のフルード数:1)の回転を1分間
行った後、28kgの洗剤粒子群を得た。この工程にお
いても、チョッパーは回転させなかった。得られた洗剤
粒子群の組成、物性を表2に示す。粒子成長度のデータ
から、得られた洗剤粒子群は単核性洗剤粒子群ではなか
った。また、収率も劣っていた。また、この洗剤粒子群
の流動性、溶解性も劣っていた。
【0066】比較例3 表2記載の組成にて実施例1と同様の方法で洗剤粒子群
を得た。但し微粉体の混合工程は実施しなかった。得ら
れた洗剤粒子群は粉末状態を呈しておらず(ペンデュラ
ー域)、各物性値を測定することができなかった。得ら
れた洗剤粒子群は嵩密度が低く、流動性も測定できない
程の感触の悪い物性であった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、製造工程を簡潔化で
き、界面活性剤組成物の配合量の変動に対する洗剤粒子
群の物性の変動を抑えることができ、さらには洗剤粒子
群の流動性が良好で、且つ界面活性剤組成物の多量配合
が可能な単核性洗剤粒子群の製法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 秀一 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究 所内 (56)参考文献 特開 昭57−159898(JP,A) 特開 昭57−173000(JP,A) 特開 平5−209200(JP,A) 特開 平5−125400(JP,A) 特開 平10−158699(JP,A) 特公 昭60−21200(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 17/06 C11D 11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工程(A):平均粒径が150〜500
    μm、嵩密度が400g/L以上、及び粒子強度が50
    kg/cm2 以上のベース顆粒群と、該ベース顆粒群1
    00重量部に対して20〜100重量部の界面活性剤組
    成物(但し、界面活性剤組成物は、非イオン性界面活性
    剤、該非イオン性界面活性剤100重量部に対して0〜
    300重量部の、硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イ
    オン性界面活性剤、及び該非イオン性界面活性剤100
    重量部に対して1〜100重量部の、該非イオン性界面
    活性剤の固定化剤を含有する)とを、ベース顆粒を実質
    的に崩壊せしめない混合条件にて混合し、混合物を得る
    工程であり、該工程(A)で得られる混合物の形態が、
    ファニキュラーII域、キャピラリー域又はスラリー域の
    いずれかである工程、及び工程(B):工程(A)で得
    られる混合物と、該混合物100重量部に対して5〜1
    00重量部の微粉体とを、界面活性剤組成物を含有する
    ベース顆粒の形態を実質的に維持しつつ混合して単核性
    洗剤粒子群を得る工程、 を含む、粒子成長度が1.3以下で、嵩密度が500g
    /L以上である単核性洗剤粒子群の製法。
  2. 【請求項2】 工程(A)において、混合羽根の形状が
    パドル型の攪拌翼を具備する混合機を用いて、該攪拌翼
    のフルード数が0.5〜8、該混合機に更に解砕翼が具
    備されている場合は該解砕翼を実質的に回転させない混
    合条件にて混合操作を行う請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 工程(A)において、混合羽根の形状が
    スクリュー型の攪拌翼を具備する混合機を用いて、該攪
    拌翼のフルード数が0.1〜4の混合条件にて混合操作
    を行う請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】 工程(A)において、混合羽根の形状が
    リボン型の攪拌翼を具備する混合機を用いて、該攪拌翼
    のフルード数が0.05〜4の混合条件にて混合操作を
    行う請求項1記載の製法。
  5. 【請求項5】 工程(B)において、攪拌翼及び解砕翼
    を具備する混合機を用いて、該攪拌翼のフルード数が2
    以上、該解砕翼のフルード数が200以上の混合条件に
    て混合操作を行う請求項1〜4いずれか記載の製法。
  6. 【請求項6】 混合機内温度が混合する界面活性剤組成
    物の流動点以上である請求項1〜5いずれか記載の製
    法。
  7. 【請求項7】 ベース顆粒群が噴霧乾燥粒子の粒子群
    ある請求項1〜6いずれか記載の製法。
  8. 【請求項8】 単核性洗剤粒子群の溶解率が90%以上
    である請求項1〜7いずれか記載の製法。
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