JP2004175930A - 界面活性剤担持用粒子群 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観や溶解性等を低下させず、被覆がより良好となる、保存安定性に優れた界面活性剤担持用粒子群、その製造方法並びに前記界面活性剤担持用粒子群を用いた洗剤粒子群の製法を提供。
【解決手段】水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含む界面活性剤担持用粒子群で、少なくとも一部の粒子が2個以上の界面活性剤担持用粒子が接合した態様を有する粒子(接合粒子)で、該接合粒子が各接合粒子を構成する粒子の中で最も大きな粒子(核粒子)に対して該核粒子の1/2以下の直径を有する粒子が1個以上、該核粒子に接合した態様を有し、JIS Z 8801に規定に規定の方法で求めた平均粒径が含まれる篩上の界面活性剤担持用粒子群が式:X=(4πA)1/2 /P〔式中の A:投影面積、P:投影像の周囲長〕で表される円形度(X)0.83以下で、125μm未満の粒子の含有量が7%以下である界面活性剤担持用粒子群、及びその界面活性剤担持用粒子群の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、界面活性剤担持用粒子群、その製造方法並びに洗剤粒子群の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉末洗剤を得る方法の一つとして、液状の界面活性剤組成物を界面活性剤担持用粒子群に担持させる製法がある。該製法においては、界面活性剤担持用粒子群に多くの液状界面活性剤を担持できることが望ましく、従来、液状界面活性剤が多く担持できる界面活性剤担持用粒子群に関する検討がなされている。また、一般的に粉末洗剤は、流通過程や家庭内で保存された場合、その環境下において経時的に水分や炭酸ガスを吸収し、洗剤成分の溶解や洗剤粒子表面への洗剤成分の染み出し或いは洗剤粒子表面での水和結晶の生成・成長等によって洗剤粒子同士が固着する所謂ケーキング現象が起こる不都合が生じる。この保存時におけるケーキング現象を抑制し、粉末洗剤の保存安定性を向上させる方法としては、アルミノ珪酸塩等の微粉体によって洗剤粒子表面を被覆し、洗剤粒子同士の固着を抑制する方法が知られている。
【0003】
例えば、水溶性ポリマー、水溶性塩類及び水不溶性無機物を含有するベース顆粒群(界面活性剤担持用粒子群)に界面活性剤を担持させてなる高速溶解性の洗剤粒子群が開示されている(特許文献1参照)。ここで水溶性ポリマーは乾燥によって造膜する性質を有する剤であり、調製液に配合すると乾燥後の粒子表面に水溶性ポリマーを含む平滑な被膜が形成する。また、界面活性剤担持用粒子群に界面活性剤を担持させることによって得られる洗剤粒子群の保存安定性を向上させる方法としては、上記の一般的な方法であるアルミノ珪酸塩等の微粉体(以下、表面改質剤)を添加・混合し、該微粉体で洗剤表面を被覆することによって洗剤粒子同士の固着を抑制する方法が利用できる。しかし、上記の如く水溶性ポリマーを含む被膜が形成する場合等のように、界面活性剤担持用顆粒群の表面が平滑で凸凹が少ない場合においては、表面改質剤を添加・混合した際の該表面改質剤の付着性が不十分となるばかりでなく、表面改質剤で被覆した洗剤粒子群を混合、搬送、充填する等の洗剤組成物の製造過程において、一旦界面活性剤担持用粒子の表面を被覆した表面改質剤の脱落等が生じる結果、表面改質剤による十分な被覆が確保されないという課題があった。一方、表面改質剤の付着性を向上させる方法としては、表面改質剤を界面活性剤担持用粒子の表面に付着させるバインダー成分を強化する方法が考えられるが、バインダーを過剰に強くした場合においては、表面改質剤の添加・混合時に界面活性剤担持用粒子同士の付着・凝集(多核化)を引き起こし、結果として表面改質剤の添加・混合後の洗剤粒子群の平均粒径が上昇すると共に粗大粒子の増加が起こり、外観の劣化や洗剤粒子群の収率の低下、更には洗剤を使用した際の溶解性が著しく低下する等の不都合が生じる。
【0004】
【特許文献1】
特許第3123757号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような課題を解決するべく、本発明者らは、界面活性剤担持用粒子同士の付着・凝集(多核化)が抑制された状態で、即ち外観や溶解性といった品質を低下させることなく、界面活性剤担持用粒子群に液状界面活性剤が担持されてなる洗剤粒子群の保存安定性を向上するためには、表面改質剤による被覆性がより良好となるような界面活性剤担持用粒子群を見出すことができることに着目し、表面改質剤による被覆性がより良好となる界面活性剤担持用粒子群を用いることで、単核にて造粒され且つ表面改質剤によって十分に被覆された高品質な洗剤粒子群を製造することを可能にした。
【0006】
従って、本発明の課題は、外観や溶解性等の品質を低下させることなく、表面改質剤による被覆がより良好となる、保存安定性に優れた界面活性剤担持用粒子群、その製造方法並びに前記界面活性剤担持用粒子群を用いた洗剤粒子群の製法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
〔1〕 水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含んでなる界面活性剤担持用粒子群であって、該界面活性剤担持用粒子群を構成する少なくとも一部の粒子が2個以上の界面活性剤担持用粒子が接合した態様を有する粒子(接合粒子)であり、該接合粒子が各接合粒子を構成する粒子の中で最も大きな粒子(核粒子)に対して該核粒子の1/2以下の直径を有する粒子が1個以上、該核粒子に接合した態様を有するものであり、JIS Z 8801に規定の2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μm、88μm、62μm、44μmである12段の篩と受け皿を用いて求めた平均粒径が含まれる篩上の界面活性剤担持用粒子群が式〔I〕で表される円形度(X)0.83以下を有し、125μm未満の粒子の含有量が7%以下である界面活性剤担持用粒子群、
X=(4πA)1/2 /P 〔I〕
〔式中の A:投影面積、P:投影像の周囲長〕
〔2〕 水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含む調製液を噴霧乾燥して界面活性剤担持用粒子群を製造する方法であって、核粒子の平均粒径の1/2以下の粒径である粒子を90%以上含む接合粒子を構成する粒子の粒子群を、噴霧乾燥塔内へ供給する工程を含む、前記〔1〕記載の界面活性剤担持用粒子群の製造方法、
〔3〕 前記〔2〕記載の製造方法によって得られる請求項1〜4いずれか記載の界面活性剤担持用粒子群、並びに
〔4〕 下記の工程(I)及び工程(II)を含む単核性の洗剤粒子群の製法:
工程(I):界面活性剤組成物が液状の条件下にて、請求項1〜4又は6いずれか記載の界面活性剤担持用粒子群と界面活性剤組成物とを混合する工程、
工程(II):工程(I)で得られた混合物と微粉体とを混合し、洗剤粒子群の表面を該微粉体で被覆する工程
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.接合粒子による表面改質剤の被覆性向上
界面活性剤担持用粒子(以下、担持用粒子ともいう)が液状界面活性剤組成物に対する高い担持能を発現するための条件としては、該粒子内部に液状界面活性剤組成物を担持するための空間(担持サイト)を多く有することが必要である。また、界面活性剤担持用粒子群に液状界面活性剤組成物が担持されてなる粒子群を表面改質剤で被覆してなる洗剤粒子群の外観や溶解性といった品質を低下させることなく保存安定性を向上するためには、表面改質剤による被覆がより良好となるように担持用粒子群を改善し、単核にて造粒された洗剤粒子群を提供することが重要である。
【0009】
一般に水溶性ポリマー、水溶性塩類を含んでなる調製液を噴霧乾燥すると、水分の蒸発は主として噴霧された液滴の表面で起こるため、乾燥の進行に伴い液滴中に溶解している水溶性成分は水分と共に表面に移動し、液滴を噴霧乾燥した後に得られる粒子は、表面が主として水溶性塩類と水溶性ポリマーを含む平滑な被膜で覆われた球状構造となる。図1に水溶性塩類と水溶性ポリマーを含む平滑な被膜で覆われて球状構造となった噴霧乾燥粒子の一例を示す。この界面活性剤担持用粒子群に界面活性剤組成物を吸収・担持させ、表面改質剤を添加・混合した場合、該担持用粒子表面が平滑な被膜を有するがために、前記粒子に外力がかかると表面改質剤が剥がれやすく、これによる被覆が不十分となる。
【0010】
そこで、担持用粒子表面への表面改質剤の被覆性を高める方法を検討した結果、噴霧乾燥粒子(担持用粒子)の形状を変化させることによって、表面改質剤による被覆性を向上できることを見出した。噴霧乾燥粒子は、一般的に球状あるいは噴霧した液滴の干渉(例えば、噴霧乾燥塔内で乾燥過程にある液滴同士が衝突した時に、相互の粒子の乾燥状態によっては粒子同士が接着する場合がある)によって生ずる該球状粒子の接合体として得られるが、積極的に接合した粒子を増やすこと、特にある程度以上の大きさの差異を持った粒子を接合させることで担持用粒子の表面が凸凹な状態となり、界面活性剤組成物を吸収・担持させた粒子群に表面改質剤を添加・混合した際に、表面改質剤による被覆性が著しく向上することを見出した。すなわち、担持用粒子群を構成する少なくとも一部の粒子が2個以上の界面活性剤担持用粒子が接合した態様を有する粒子(接合粒子)であり、該接合粒子が各接合粒子を構成する粒子の中で最も大きな粒子(核粒子)に対して該核粒子の1/2以下の直径を有する粒子が1個以上、該核粒子に接合した粒子とすることによって、担持用粒子群の表面改質剤による被覆性が極めて良好になることを見出した。
【0011】
そして、該担持用粒子群を用いて単核にて造粒され、且つ表面改質剤で良好に被覆された洗剤粒子群及び該洗剤粒子群を含む洗剤組成物は、保存安定性に極めて優れたものとなることを見出した。
【0012】
また、上記の如く、特にある程度以上の大きさの差異を持った粒子を接合させることで担持用粒子の表面が凸凹な状態となり、表面改質剤による被覆性が改善されるが、同時に、ある程度以上の大きさの差異を持った粒子を接合させること、即ち、界面活性剤担持用粒子に該粒子に対してより小さな界面活性剤担持用粒子を接合させることから、粒径の小さな界面活性剤担持用粒子の頻度が減少し、担持用粒子群の粒度分布はよりシャープなものとなる。そして、小粒径の界面活性剤担持用粒子の頻度を減じ、粒度分布をよりシャープなものとすることによって、該担持用粒子群を用いた洗剤粒子群は、小粒径部分が少ないシャープな粒度分布を有するものとなり、洗剤粒子同士の接触点が減じられる効果も保存時における耐ケーキング性の向上に寄与する。また、小粒径の洗剤粒子群の頻度を減じ、粒度分布をよりシャープなものとすることは、特に低温の水中での分散・溶解性が向上することによって、低水温での洗濯時にペースト状に洗剤の塊が溶け残るという不都合を抑制する効果も発現する。また、この粒度分布のシャープ化は、後述の如き表面改質剤添加後の洗剤粒子群の球形度が担持用粒子群より向上することと相乗的に作用し、洗剤粒子群の流動性を著しく向上する効果が発現する。
【0013】
また、本発明の特定の接合粒子を含有し、粒度分布がシャープな担持用粒子群を効率よく得る方法としては、調製液を噴霧乾燥することによって得る方法が挙げられる。特定の組成を有する調製液を噴霧乾燥する際の噴霧乾燥条件等を調整することによって、噴霧乾燥粒子中の接合粒子の含有率を著しく増大させることができる。
【0014】
接合粒子について更に詳述すると、本発明の界面活性剤担持用粒子に含まれる接合粒子の如き態様を有することにより、界面活性剤担持用粒子に液状界面活性剤組成物を担持させ、表面改質剤で被覆した際の表面改質剤による被覆が極めて良好となる効果が発現する。これは、粒子と粒子が接合した部分に生じる谷間(溝)に表面改質剤が入りこみ、界面活性剤担持用粒子表面を被覆した表面改質剤をより強固に保持することができるためと考えられ、この接合部分に生じる谷間(溝)が、表面改質剤をより強く保持することによって表面改質剤による被覆性が向上するものと考えられる。また、混合や搬送時、充填作業時においても、一旦洗剤粒子表面を被覆していた表面改質剤が、洗剤粒子にかかる外力によって剥離する等の不都合が抑制されるものと考えられる。接合部分に生じる谷間(溝)が多いほど、界面活性剤担持用粒子表面における表面改質剤の保持力が強化される観点から、接合粒子を構成する粒子数は多い方が好ましく、核粒子に接合する粒子及び核粒子に接合した粒子にさらに接合する粒子は、より小さく且つ多いほうが好ましい。また、洗剤粒子群の粒度分布を小さな粒径の粒子が少ないシャープなものにすることによって、低温の水中におけるペースト状残留を抑制する効果を高めると共に流動性や外観を向上させるといった観点からも、核粒子に接合する粒子はより小さく且つ多いほうが好ましい。
【0015】
2.接合粒子の説明
本発明の界面活性剤担持用粒子群に含まれる「2個以上の界面活性剤担持用粒子が接合した態様を有する粒子(接合粒子)であり、該接合粒子が各接合粒子を構成する粒子の中で最も大きな粒子(核粒子)に対して該核粒子の1/2以下の直径を有する粒子が1個以上、該核粒子に接合した粒子」とは、例えば、図2のSEM像で示されるような外観を有する粒子である。
【0016】
ここで、本発明の界面活性剤担持用粒子群に含まれる接合粒子の好ましい態様を規定する。
接合粒子を構成する核粒子(接合粒子を構成する粒子の中で最も大きな粒子)の直径は、図3の上段のSEM像に示されるように核粒子に接合した粒子(付属粒子)が正面となるように顕微鏡を用いて接合粒子を撮影し、撮影した粒子画像から測定される核粒子の投影面積(S1)を用いて、式(II)によって核粒子の円相当直径として求めることができる。図3の下段の模式図に核粒子の投影面積(S1)として測定する部分を斜線で示す。尚、図4の上段の模式図に示すように撮影した核粒子Aに別の付属粒子b1〜b3が接合して核粒子Aの外周が不明確な場合は、図4の下段の模式図に示したように付属粒子が接合した粒子部分を核粒子との接点を結ぶ直線にて削除する画像処理を行うことによって得られた粒子画像から測定される核粒子の投影面積(S1)を用いて求められる核粒子の円相当直径とする。図4の下段の模式図に核粒子Aの投影面積(S1)として測定する部分を斜線で示す。
核粒子の円相当直径=2×(S1/π)1/2 (II)
【0017】
また、核粒子に接合した粒子(付属粒子)の直径は、図5の上段の模式図に示されるように付属粒子が正面となるように顕微鏡を用いて接合粒子を撮影し、撮影した粒子画像から測定される付属粒子の投影面積(S2)を用いて、式(III)によって付属粒子の円相当直径として求めることができる。図5の下段の模式図に付属粒子の投影面積(S2)として測定する部分を斜線で示す。尚、撮影した付属粒子に別の付属粒子が接合して図6の上段の模式図に示すように付属粒子の外周が不明確な場合は、図6の下段の模式図に示したように別の付属粒子が接合した粒子部分を削除する画像処理を行うことによって得られた粒子画像から測定される付属粒子の投影面積(S2:斜線部分)を用いて求められる付属粒子の円相当直径とする。
付属粒子の円相当直径=2×(S2/π)1/2 (III)
【0018】
尚、上記測定における顕微鏡としては、例えばKEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VH−6300」や日立(株)製「S−4000形電界放射形走査電子顕微鏡」等のSEMを用いることができる。投影面積の算出には、例えば三谷製「WinRoof」等を用いることができる。ここでかぎ括弧内の用語は商品名を示す(以下、同じ)。
【0019】
本発明の界面活性剤担持用粒子群に含まれる接合粒子の好ましい態様については、2個以上の粒子が接合した接合粒子であり、〔(付属粒子の円相当直径)/(核粒子の円相当直径)〕が1/2以下である。また、接合部分に生じる谷間(溝)が多いほど、界面活性剤担持用粒子表面における表面改質剤の保持力が強化され、表面改質剤による被覆性が向上する観点から、接合粒子を構成する粒子数はより多い方が好ましく接合粒子を構成する粒子の個数は、3個以上が好ましく、4個以上がより好ましく、5個以上が更に好ましく、7個以上が特に好ましく、10個以上が最も好ましい。また、上記観点から、〔(付属粒子の円相当直径)/(核粒子の円相当直径)〕は、1/3以下が好ましく、1/4以下がより好ましく、1/5以下が更に好ましく、1/6以下が特に好ましく、1/7以下が最も好ましい。特に、核粒子に接合する付属粒子はより多く且つ小さいほうが好ましい。但し、表面改質に用いる表面改質剤の粒径にもよるが、付属粒子は、ある程度の大きさを有することが好ましく、好ましくは直径5μm以上、より好ましくは7μm以上、更に好ましくは10μm以上、特に好ましくは15μm以上である。また、その直径は、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
【0020】
また、本発明における接合粒子を構成する粒子は、球状粒子或いは球状粒子の一部が陥没した形状(穴)を有する陥没粒子、部分的に欠損を有する粒子等であってもよく、本発明における調製液を乾燥することによって得られる粒子であれば良い。
【0021】
本発明の界面活性剤担持用粒子群の構成粒子における「2個以上の界面活性剤担持用粒子が接合した態様を有する粒子(接合粒子)であり、該接合粒子が核粒子(各接合粒子を構成する粒子の中で最も大きな粒子)に該核粒子の1/2以下の直径を有する粒子が1個以上、該核粒子に接合した粒子」の含有率は、洗剤粒子群とした時の表面改質剤による被覆性を向上させ、洗剤組成物の耐ケーキング性を高める観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ましくは65%以上、最も好ましくは80〜100%であることが望ましい。
【0022】
また、本発明において前記接合粒子以外の構成粒子としては、粒子が接合することなく単独で存在する粒子、割れた粒子等が挙げられ、これらの含有率は70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは35%以下、最も好ましくは20%以下であることが望ましい。
【0023】
尚、本発明における接合粒子の含有率とは下記の方法で測定したものをいう。すなわち、担持用粒子群をJIS Z 8801に規定の目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μm、88μm、62μm、44μmである12段の篩と受け皿を用い、ロータップマシーン(HEIKO SEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を10分間振動して篩い分けを行った後、受け皿及び各篩上の粒子群の重量を測定し、各粒度の重量頻度(T1重量%,…,T10重量%)を算出する。次に、篩い分けられた各粒度の試料から無作為に100個以上の粒子(U1個,…,U10個)を採取し、各粒度において前述した接合粒子に該当する粒子の個数(V1個,…,V10個)を調べる。そして、前記各粒度の接合粒子含有比率(V1/U1,…,V10/U10)それぞれに前記重量頻度を掛けたものの合計を接合粒子の含有率とする。
【0024】
接合粒子の接合度合い(粒子の形状、接合している粒子の数・大きさ、接合の深さ等)を評価する方法として、粒子の円形度を測定する方法がある。これは、粒子の投影面積から円相当の周囲長を計算し、その値を実際の投影面積の周囲長で割った値である。この値によって接合粒子の接合度合いが一義的に決まるものではないが、画像処理装置により簡便に計測でき、粒子の接合度合いを見積もるための指標として有効である。又、一度に多量の粒子を計測できるため、界面活性剤担持用粒子群の平均的な粒子の接合度合いを知ることができる。測定装置としては、「LUZEX−F」((株)セイシン企業製)、「FPIA−2100」((株)シスメックス製)、「ミリトラックJPA」(日機装(株)製)がある。本明細書に記載の測定値はミリトラックJPAにて計測したものである。測定は、前述の12段の篩にて篩分けを行い、重量頻度が最も多い粒度のサンプルを用いて行う。測定条件は、計測時間約800sec、計測粒子数約4000〜7 000、サンプルを分散・落下させるための振動篩の振動Volume3〜4にて計測を行う。粒子同士が凝集すると正確な円形度の測定ができないため、吸湿性の粒子の場合には乾燥雰囲気下で計測を行う必要がある。
【0025】
本発明の界面活性剤担持用粒子群の円形度は、式〔I〕で表現される円形度(X)として、0.83以下、好ましくは0.82以下であり、より好ましくは0.81以下、更に好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.79以下、最も好ましくは0.78以下である。
X=(4πA)1/2 /P 〔I〕
〔式中の A:投影面積、P:投影像の周囲長〕
【0026】
円形度が小さいほど界面活性剤担持用粒子群中の接合粒子の比率が多い、又は接合の度合いが大きいということであり、洗剤粒子群の保存安定性も向上する。
【0027】
3.界面活性剤担持用粒子群の組成
本発明の界面活性剤担持用粒子群は、主として水溶性ポリマー、水溶性塩類から構成されている。水溶性塩類は、調製液から乾燥した際に析出する結晶等によって作られる液状界面活性剤の担持サイトを形成するのに重要である。また、水溶性ポリマーは、水溶性塩類の結晶形状を有効な形状に変化させる作用及び粒子に強度を付与する作用を有する。
【0028】
水溶性ポリマーとしては、例えば、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリグリオキシル酸塩、ポリアスパラギン酸塩等のアミノカルボン酸系のポリマー、可溶性澱粉、糖類等からなる群より選ばれる一種以上が好ましいものとして例示でき、中でもカルボン酸系ポリマーが水溶性塩類の微細化作用の点、並びに洗浄力、具体的には、金属イオンを封鎖する作用、固体粒子汚れを衣料から洗濯浴中へ分散させる作用及びその粒子が衣料へ再付着することを防ぐ作用の点からより好ましい。
【0029】
カルボン酸系ポリマーの中で、アクリル酸−マレイン酸共重体とその塩(Na、K、NH等)、アクリル酸重合体とその塩(Na、K、NH等)が特に優れている。これらのカルボン酸系ポリマーの重量平均分子量は2千〜10万が好ましく、3千〜8万がより好ましく、4千〜5万が更に好ましく、5千〜3万が特に好ましく、6千〜2万が最も好ましい。
【0030】
上記カルボン酸系ポリマー以外に、ポリグリオキシル酸塩等のポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体並びにポリアスパラギン酸塩等のアミノカルボン酸系のポリマーも金属イオン封鎖能、分散能及び再汚染防止能を有するものとして用いることができる。
【0031】
その他にポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等があげられる、PVPは、色移り防止剤として好ましく、また分子量100〜2万程度のPEG及びPPGは、粉末洗剤が含水して生じるペースト粘度特性を改善することから好ましい。
【0032】
水溶性ポリマーの担持用粒子群中の含有量は2〜30重量%が好ましく、4〜28重量%がより好ましく、6〜26重量%が更に好ましく、8〜24重量%が特に好ましく、10〜22重量%が最も好ましい。この範囲であると、粒子の強度が十分高いものとなる。
【0033】
水溶性塩類としては、炭酸、硫酸、炭酸水素、亜硫酸、硫酸水素、リン酸等の水溶性の無機塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩)を挙げることができる。また、塩化物、臭化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)及びアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩)等が挙げられる。
【0034】
これらの中で、炭酸塩、硫酸塩及び亜硫酸塩が好ましく、炭酸塩及び硫酸塩がより好ましい。水溶性塩類は単独成分からなっていても、複数成分から構成されていても良い(例えば、炭酸塩と硫酸塩の併用)。中でも特に有効な水溶性塩類は炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムである。これらの無機塩は、噴霧乾燥過程において微細な結晶として析出することから担持用粒子群の担持能を向上する作用を有している。
【0035】
また、塩化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金属塩は、担持用粒子群の担持サイトの形成に有効に作用し、担持能を向上させるのに有効である。
【0036】
また、硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム等の解離度の高い塩類は、洗濯液のイオン強度を高め、皮脂汚れ洗浄等に好適に作用する。また、亜硫酸基は水道水中に含有されている次亜塩素酸イオンを還元し、酵素や香料等の洗剤成分の、次亜塩素酸イオンによる酸化劣化を防止する効果がある。また、トリポリリン酸ナトリウムも水溶性塩類として使用可能である。
【0037】
尚、非晶質珪酸塩は、担持用粒子群の粒子強度を高める作用を有するが、担持用粒子群に含まれる水不溶性無機物としてアルミノ珪酸塩を使用した場合、非晶質珪酸塩が後述の担持用粒子群を作製するための調製液に配合されていると経時的に水に難溶化する凝集塊を形成することから、本発明の担持用粒子群には実質的に含まれないことが好ましい。また、結晶性珪酸塩も調製液中では溶解して非晶質化することから非晶質珪酸塩と同様に調製液に配合しないことが好ましい。
【0038】
低分子量の水溶性有機酸塩類としては、クエン酸塩、フマル酸塩等のカルボン酸塩が挙げられる。また、洗浄力の点から、メチルイミノジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩、エチレンジアミンジコハク酸塩、タウリンジ酢酸塩、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、グルタミン酸ジ酢酸塩、アスパラギンジ酢酸塩、セリンジ酢酸塩等が好ましいものとして挙げられる。
【0039】
水溶性塩類の担持用粒子群中の含有量は、20〜98重量%が好ましく、25〜95重量%がより好ましく、30〜85重量%が更に好ましく、35〜80重量%が特に好ましく、40〜70重量%が最も好ましい。これらの範囲内であれば、担持用粒子は粒子強度が十分高いものとなり、また、洗剤粒子群の溶解性の点でも好ましい。
【0040】
本発明の界面活性剤担持用粒子群の構成成分としては、水不溶性無機物を用いることが出来る。水不溶性無機物は、界面活性剤担持用粒子の内部における吸油サイトの形成に有用である。
【0041】
水不溶性無機物としては、結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩、二酸化珪素、水和珪酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等を用いることができ、液状界面活性剤組成物の担持への寄与及び未溶解残留物の発生を促さない理由等から、結晶性アルミノ珪酸塩及び非晶質アルミノ珪酸塩が好ましい。また、該アルミノ珪酸塩の平均粒径は、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
【0042】
結晶性アルミノ珪酸塩として好適なものは、A型ゼオライト(例えば、「トヨビルダー」;東ソー(株)製、「合成ゼオライト」;日本ビルダー(株)製、「VALFOR100」;PQ CHEMICALS(Thailand)Ltd、「VEGOBOND」;CONDEA社製、「ZEOBUILDER」;ZEOBUILDER Ltd、商品名:「VEGOBOND A」;OMAN CHEMICAL INDUSTRIES Ltd、「Zeolite」;THAI SILICATE CHEMICALS Ltd)であり、金属イオン封鎖能及び経済性の点でも好ましい。ここで、A型ゼオライトの、JIS K 5101法による吸油能の値は40〜50mL/100gであることが好ましい。その他、P型(例えば「Doucil A24」や「ZSE064」等;Crosfild社製;吸油能60〜150mL/100g)やX型(例えば「WessalithXD」;Degussa社製;吸油能80〜100mL/100g)が挙げられる。国際公開第98/42622号明細書のハイブリッドゼオライトも好適な結晶性アルミノ珪酸塩として挙げられる。
【0043】
また、金属イオン封鎖能は低いが、高い吸油能を有する非晶質アルミノ珪酸塩や非晶質シリカ等も水不溶性無機物として用いることが出来る。例えば特開昭62−191417号公報第2頁右下欄第19行〜第5頁左上欄第17行(特に初期温度は15〜60℃の範囲が好ましい。)、特開昭62−191419号公報第2頁右下欄第20行〜第5頁左下欄第11行(特に吸油量は170mL/100gが好ましい。)に記載の非晶質アルミノ珪酸塩や、特開平9−132794号公報第17欄第46行〜第18欄第38行、特開平7−10526号公報第3欄第3行〜第5欄第9行、特開平6−227811号公報第2欄第15行〜第5欄第2行、特開平8−119622号公報第2欄第18行〜第3欄第47行に記載されている非晶質アルミノ珪酸塩(吸油能285mL/100g)等を挙げることが出来る。例えば、「トクシールNR」(徳山ソーダ(株)社製:吸油能210〜270mL/100g)、「フローライト」(同:吸油能400〜600mL/100g)、「TIXOLEX25」(韓仏化学社製:吸油能220〜270mL/100g)、「サイロピュア」(富士ディビソン(株)社製:吸油能240〜280mL/100g)等の吸油担体を用いることが出来る。特に吸油担体としては特開平6−179899号公報第12欄第12行〜第13欄第1行、第17欄第34行〜第19欄第17行に記載のものが好適である。
【0044】
水不溶性無機物は単独成分又は、複数成分から構成されていても良い。
【0045】
水不溶性無機物の担持用粒子群中の含有量は、0〜49重量%の範囲が好ましく、この範囲であれば、粒子強度や溶解性に優れる担持用粒子群が得られる。
【0046】
特に、本発明の界面活性剤担持用粒子群としては、水溶性ポリマーの含有量が2〜30重量%、水溶性塩類の含有量が20〜98重量%であるものが好ましい。
【0047】
その他の成分として担持用粒子群には、界面活性剤の配合も可能であるが、界面活性剤をある程度以上含有してなる調製液を噴霧乾燥して担持用粒子群を製造する場合、得られる担持用粒子の表面に形成される被膜から粒子内部への界面活性剤組成物の吸収が抑制される傾向となるため、結果として担持用粒子群の液状界面活性剤の担持能が低下する傾向があるのみならず、粒子強度が低下し、攪拌・混合等の操作によって担持用粒子群が潰れる等の不都合が生じる。したがって、かかる観点からは、担持用粒子群中の界面活性剤含有量はより少ない方が好ましく、むしろ界面活性剤を存在させない方が好ましい。以上のことから、界面活性剤の担持用粒子群中の含有量は0〜5重量%が好ましく、0〜3重量%がより好ましく、0〜1重量%が特に好ましく、中でも含有しないことが最も好ましい。
【0048】
界面活性剤の例としては、後述の担持用粒子群に担持させる界面活性剤組成物と同じものを用いることができる。
【0049】
また、担持用粒子群中には、蛍光染料、顔料、染料、酵素等の補助成分を含むことができる。該補助成分の含有量は担持用粒子群中の10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下である。
【0050】
4.接合粒子の製造方法
本発明の界面活性剤担持用粒子群は、界面活性剤を担持し得る複数の粒子を接合させることによって製造される。
また、本発明の界面活性剤担持用粒子群をより効率的に製造する方法としては、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有する調製液を噴霧乾燥して担持用粒子群を得る方法が好ましい。通常の噴霧乾燥操作においても乾燥過程において一部の粒子同士が干渉し接合粒子が形成されるが、そのような条件では接合粒子の発生率は少なく、本発明のような保存安定性を向上する効果を望むことはできない。接合粒子を多量に含有する界面活性剤担持用粒子群を製造する好適な方法として、界面活性剤担持用粒子群(核粒子)の平均粒径の1/2以下の粒径である粒子を90%以上含む界面活性剤担持用粒子群(核粒子以外の接合粒子を構成する粒子の粒子群)を、噴霧乾燥塔内へ供給する方法があげられる。噴霧乾燥塔内への供給方法としては、塔内を負圧に保持し、塔壁の任意の位置に設置した供給口からロータリーバルブによって切り出す方法や、ロータリーバルブから切り出された担持用粒子群を送風機を用いて噴霧乾燥塔内へ圧送する方法があげられる。送風機はどのようなものでもよいが、供給配管での閉塞を防止するため、ルーツタイプのものが好ましい。なお、核粒子は、各種原料を混合したスラリーを公知の方法により前記噴霧乾燥塔内へ噴霧して製造することができる。
【0051】
界面活性剤担持用粒子群(核粒子以外の接合粒子を構成する粒子の粒子群)を噴霧乾燥塔内へ供給する位置はどの位置でもよいが、通常、洗剤のような大規模生産に用いられる噴霧乾燥塔は向流式であり、その場合には熱風の吹込み口よりも上の位置から供給することが好ましい。そうすることにより、熱風の吹込み口よりも下の位置から供給するよりも接合粒子の発生率は多くなり、本発明の効果をより向上させることができる。界面活性剤担持用粒子群を噴霧乾燥塔内へ供給する角度についてはどのような角度でもよい。また、核粒子はスラリーとして噴霧されるため、核粒子となるスラリーの噴霧位置は核粒子である界面活性剤担持用粒子群が好ましい含水率となるように適宜配置することが好ましい。
【0052】
噴霧乾燥塔内へ供給する界面活性剤担持用粒子群(核粒子以外の接合粒子を構成する粒子の粒子群)の供給量は、少ないと接合粒子の発生率が少なくなり本発明の効果が十分に得られず、多すぎると接合しなかった界面活性剤担持用粒子群が微粉となり最終の製品の物性に悪影響を及ぼすため、噴霧乾燥塔内に設置されたノズルから噴霧している調製液の固形分量の3〜20重量%であることが好ましく、5〜15重量%がより好ましい。
【0053】
噴霧乾燥塔内へ供給する、ノズルから噴霧された調製液を乾燥して得られる核粒子の平均粒径の1/2以下の粒径である粒子を90%以上含む界面活性剤担持用粒子群(接合粒子を構成する粒子の粒子群)は、別の装置、例えば噴霧乾燥塔を用いて製造した粒子群であってよい。この場合には調製液を噴霧するノズルのオリフィス径や噴霧圧力を調整して、メインの噴霧乾燥塔から製造される核粒子の1/2以下の粒径である粒子が90%以上となるようにする。接合させる粒子の組成は、核粒子の組成と同じでもよいし異なっていてもよい。好ましい形態は、噴霧乾燥塔からの排風に含まれる微粒の界面活性剤担持用粒子群をサイクロンやバッグフィルター等の装置により分離し、得られた担持用粒子群を噴霧乾燥塔内へリサイクルする方法である。通常噴霧乾燥塔からの排風に同伴される粒子は粒径が小さく、噴霧乾燥塔内へ供給する界面活性剤担持用粒子群(核粒子以外の接合粒子を構成する粒子の粒子群)としての粒度特性を十分満たしている。
【0054】
排風から分離された微粒子は、歩留りを向上させるため通常は噴霧乾燥以降の工程(例えば造粒工程)に戻される。しかしながらこの方法では粒子同士を凝集しながら造粒する方法においては問題が少ないが、そうでない場合には粒度分布がブロードになり、製品物性に好ましくない影響を及ぼす可能性がある。そこで、排風から分離した微粒子を噴霧乾燥塔内へリサイクルすることにより、接合粒子の含有率を向上させることができ、且つ微粉の発生量を低減して粒度分布をシャープにすることができる。
【0055】
その他の接合粒子の発生率を増大させる方法としては、噴霧乾燥塔に設置された噴霧ノズルの位置を調整することがあげられる。噴霧ノズル間の距離を縮めることにより液滴同士の接触確率が増加するため、接合粒子の発生割合は増加する。近接させすぎると液滴同士が合一して一つの球形に近い粒子となり、表面が凹凸とならないため注意が必要である。ノズル間の最適距離については、噴霧乾燥塔のスケール、乾燥条件、界面活性剤担持用粒子の組成等によって異なるため、それぞれの状況に応じて決定すべきである。
【0056】
又、メインの界面活性剤担持用粒子群(核粒子の群)の調製液を噴霧するノズルとは別のノズルから同一噴霧乾燥塔内で小粒径の液滴を噴霧する方法も有効である。この場合には別ノズルから噴霧する界面活性剤粒子群の液滴の平均粒径はメインの界面活性剤担持用粒子群の液滴の平均粒径よりも小さくなければならず、1/2以下であることが好ましい。別ノズルから噴霧する液滴の粒径は噴霧条件(オリフィス径、噴霧圧等)を変えて小さくしてもよいし、調製液の水分量を上げる等して調製液の粘度を低下させて小さくしてもよい。ここで、メインの界面活性剤担持用粒子群とは、メインのノズルと別ノズルから同一組成の調製液を噴霧する場合は、該調製液の大半を噴霧するノズルから噴霧乾燥される界面活性剤担持用粒子群をいい、メインのノズルと別ノズルから同一組成でない調製液を噴霧する場合は、噴霧乾燥に供する調製液の大半を占める組成のノズルから噴霧乾燥されるものをいう。
【0057】
その他、噴霧乾燥条件を液滴の乾燥速度が低下するように調整し(例えば送風量を低下させる)、液滴同士が干渉し易いようにして接合粒子の発生率を向上させることができる。ただしこの場合には界面活性剤担持用粒子群の含水率がアップして担持能が低下する可能性があるため、後述の界面活性剤担持用粒子群の好ましい含有率の範囲になるように乾燥条件を極端に弱めない等の注意が必要である。これらの方法において、接合粒子の発生率を増大させる上で最も効果がある方法は、核粒子の平均粒径の1/2以下の粒径である粒子を90%以上含む界面活性剤担持用粒子群(接合粒子を構成する粒子の粒子群)を、噴霧乾燥塔内へ供給する方法である。又、これらの方法は組み合わせて実施することで更に接合粒子の発生率が増加し、製品の保存安定性を向上することができる。
【0058】
本発明の特徴は、担持用粒子群に特定の態様を有する接合粒子が含まれていることであるが、界面活性剤担持用であるが故に界面活性剤組成物を担持する能力(担持能)を有することも重要である。担持能を高める方法の一つとして、調製液中の界面活性剤含有量を0〜3.5重量%とし、水分量を30〜75重量%の範囲内に調整することが好ましく、特に好ましくは、調製液中に水溶性無機塩の一部を未溶解の状態で存在させることであり、更に好ましくは、調製液中に存在する未溶解の水溶性無機塩がより小さく且つ多数存在する状態である。かかる範囲内及び状態に調製液を調整することにより、噴霧乾燥粒子群の界面活性剤担持能を著しく高めることができる。
【0059】
調製液中の界面活性剤の含有量は、調製液を噴霧乾燥することによって得られる担持用粒子群の界面活性剤担持能を高めること及び粒子強度を確保する観点から、0〜3.5重量%であり、好ましくは0〜2重量%、更に好ましくは0重量%である。
【0060】
調製液中の水分量は、30〜75重量%が好ましい。また、該水分量は、担持用粒子群の担持容量を大きくする観点から、好ましくは35重量%以上、より好ましくは38重量%以上、更に好ましくは40重量%以上、特に好ましくは42重量%以上、最も好ましくは45重量%以上である。また、水分量は、液滴の温度上昇による破裂の抑制及び粒子強度を確保する観点から、好ましくは70重量%以下、より好ましくは65重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、最も好ましくは55重量%以下である。
【0061】
また、調製液中におけるその他の成分の含有量として、水溶性ポリマーは0.5〜21重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜18重量%、更に好ましくは2.5〜15重量%であり、水溶性塩類は5〜69重量%が好ましく、より好ましくは7.5〜60重量%、更に好ましくは10〜49重量%である。水不溶性無機物を含有する場合は、0〜34重量%が好ましい。
【0062】
かかる組成を有する調製液は、ポンプでの送液が可能で非硬化性の調製液であればよい。また、各成分の添加方法及び順序については、状況に応じて適宜変更することができる。
【0063】
水溶性塩類の未溶解量は、調製液中の0.5〜15重量%が好ましく、より好ましくは1〜11重量%、更に好ましくは2〜9重量%、3〜7重量%が最も好ましい。また、上記の未溶解水溶性塩類の平均粒径は80μm以下であることが好ましく、より好ましくは60μm以下、更に好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下、最も好ましくは20μm以下である。
【0064】
尚、未溶解物を調製液中に存在させる方法としては、例えば、水溶性塩類の量と水の量を前記範囲内に調整すること、水溶性塩類の溶解度を考慮して調製液の温度を調整する等の手段が挙げられる。また、未溶解物の粒径を小さくする手段としては、調製液に配合する水溶性塩類の粒径をあらかじめ小さくしておく、調製液中の未溶解物を粉砕等によって小さくする、調製液の温度を変動させることによって溶解度を下げて結晶を析出させる、調製液中の水分の一部を蒸発させて結晶を析出させる、塩化ナトリウム等のハロゲン化物を調製液に配合し、溶解している水溶性塩類の結晶を析出させる等が挙げられる。
【0065】
尚、水溶性塩類の未溶解量の測定に関しては、調製液を遠心分離することによって上澄み液、すなわち調製液の溶液部分を回収する。該溶液を約3g精密天秤で秤量(ag)し、105℃で4時間乾燥した後、デシケーター内で30分冷却し、上澄み液の乾燥残分を精密天秤で秤量(bg)する。ここでb/(a−b)×100で上澄み液の溶解度(c%)を算出する。また、乾燥残分中に含まれる水溶性塩類の含有率(d%)を分析する。調製液の水分含有率(e%)及び調製液中の水溶性塩類含有率(f%)を用いて下記の式によって水溶性塩類の未溶解量(%)を算出する。
水溶性塩類の未溶解量(%)=f−e×(c/100)×(d/100)
【0066】
また、未溶解水溶性塩類の平均粒径の測定に関しては、以下に述べるインライン式粒体液滴モニタリングシステム(LASENTEC製「TSUB−TEC M100 」)を用いることで測定できる。本明細書に記載した未溶解の未溶解水溶性塩類の平均粒径は、この「TSUB−TEC M100 」を用いて計測した値である。
【0067】
即ち、1Lのステンレスビーカーに(調製液が水不溶性無機物を含む場合は、予め水不溶性無機物を除いて)配合した調製液1000gを調製し、調製液の調製温度とした恒温槽にて2×4cmの3枚のプロペラ羽のついた撹拌翼を200r/minの速度で回転させて撹拌する。これにLASENTEC製インライン式粒体モニタリングシステム(商品名:TSUB−TEC M100 )を静置した調製液の液面に対し45°の角度に浸入し、液面より下に3cm入る位置に取り付ける。これにより、攪拌した際に常に、ウインドウ表面に粒子が衝突する。ソフトウエアは「Control Interface for FBRM Ver5.4 Build 58b 」を用い、フォーカス位置はウインドウ表面から0.02mmフォーカスを内側に入れた位置に設定する。Measurement Duration(一回の測定時間)は14.5秒、Averaging (移動平均)は10でメジアンコードの測定を行う。得られたメジアンコード(粒子数の積算値の50%時の粒径)を調製液中の未溶解水溶性塩類の平均粒径とする。
【0068】
調製液を形成する方法としては、例えば、最初に水の全て又は殆ど全てを混合槽に加え、好ましくは水温が操作温度にほぼ到達した後に、他の成分を逐次又は同時に添加する。調製液中に全成分を添加した後に、好ましくは10分以上、さらに好ましくは30分以上混合して均質な調製液を得る。
【0069】
5.接合粒子調製による微粒界面活性剤担持用粒子の低減
分離装置により排風から分離された微粒子を噴霧乾燥塔内へリサイクルすることにより、接合粒子の発生率を向上させることができ、且つ微粉の発生量を低減して粒度分布をシャープにすることができる。界面活性剤担持用粒子群の粒度分布がシャープになれば、界面活性剤を担持させて製造される洗剤粒子群の粒度分布もシャープとなり、流動性が向上するとともに、低温における洗剤粒子の溶け残りを低減することができる。即ち、排風から分離された微粒子を噴霧乾燥塔内へリサイクルすることにより、洗剤粒子群の▲1▼保存安定性、▲2▼流動性、▲3▼低温分散性等の品質をそれぞれ向上させることができる。
【0070】
界面活性剤担持用粒子群に含まれる微粒子の量として、125μm未満の粒子の含有量が7%以下、好ましくは125μm未満が6%以下、より好ましくは125μm未満が5%以下、更に好ましくは125μm未満が4%以下、特に好ましくは125μm未満が3%以下、最も好ましくは125μm未満が2%以下である。この割合は、後述の「10.物性の測定方法」の項の(平均粒径)に記載の方法によって目開きが125μmの篩を通過する界面活性剤担持用粒子群の重量%として測定することができる。
【0071】
6.担持用粒子群の物性
本発明の担持用粒子群の嵩密度は、界面活性剤組成物の担持容量を確保する観点及び液状界面活性剤を担持した後の洗剤粒子群の嵩密度を確保する観点から、200〜900g/Lが好ましく、300〜800g/Lがより好ましく、400〜700g/Lが更に好ましく、450〜650g/Lが特に好ましい。
【0072】
また、担持用粒子群に界面活性剤組成物を担持してなる洗剤粒子群を含む洗剤組成物を使用した際の粉立ち性及び溶解性の観点から担持用粒子群の平均粒径としては、200〜500μmが好ましく、210〜450μmがより好ましく、220〜425μmが更に好ましく、230〜400μmが特に好ましく、240〜380μmが最も好ましい。
【0073】
担持用粒子群の好ましい粒子強度は、該粒子群に界面活性剤組成物を添加する際に該粒子群を構成する粒子が崩壊して接合粒子の態様を失うことを防止すること及び担持容量を減じてしまうことを防止する観点から、5〜200MPa、より好ましくは10〜150MPa、更に好ましくは15〜100MPa、特に好ましくは20〜90MPa、最も好ましくは25〜80MPaである。
【0074】
担持用粒子群の好ましい界面活性剤組成物の担持容量は、界面活性剤組成物配合量の許容範囲を大きくする観点から、好ましくは0.30mL/g以上、より好ましくは0.35mL/g以上、更に好ましくは0.40mL/g以上、特に好ましくは0.45mL/g以上、最も好ましくは0.50mL/g以上である。
【0075】
界面活性剤担持用粒子群の好ましい吸収性は、界面活性剤組成物をより速く効率的に吸収することによって生産性を高める観点から0.1mL/g以上が好ましく、0.15mL/g以上がより好ましく、0.2mL/g以上が更に好ましく、0.25mL/g以上が特に好ましく、0.3mL/g以上が最も好ましい。
【0076】
界面活性剤担持用粒子群の赤外線水分計で測定した水分量は、該粒子群の界面活性剤組成物の担持容量を多くする観点から少ない方が好ましく、好ましくは10重量%以下、より好ましくは8重量%以下、更に好ましくは4重量%以下、特に好ましくは2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下である。
【0077】
尚、前記嵩密度、平均粒径、粒子強度、界面活性剤組成物の担持容量、吸収性及び水分量は、後述の物性の測定方法に記載の方法で測定することができる。
【0078】
7.洗剤粒子群の組成及び物性
洗剤粒子群は、前記担持用粒子群に界面活性剤組成物を担持させてなるものであり、表面改質剤で被覆されてなるものである。
【0079】
界面活性剤組成物において、陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤をそれぞれ単独で用いることもできるが、両者を混合して用いるのがより好ましい。特に30℃以下に融点を有する非イオン性界面活性剤を用いる場合は、界面活性剤の見かけの融点を上昇させる作用を有する、融点45〜100℃、分子量1千〜3万の水溶性非イオン性有機化合物(以下、融点上昇剤という)又はこの水溶液を併用する事が好ましい。なお、本発明で用いることのできる融点上昇剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プルロニック型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。また、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤を目的に合わせ併用することもできる。また、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の陰イオン性界面活性剤を洗剤粒子群中に5〜25重量%配合することによって、低温の水中における洗剤粒子群の分散性を向上する効果が発揮される。
【0080】
界面活性剤組成物としては、例えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤よりなる群から選ばれる1種以上を用いることができる。陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はこのエステル、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤等が例示される。特に炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜18のアルキル硫酸塩又はアルキルエーテル硫酸塩があげられ、対イオンとしてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミンが好ましい。
【0081】
更に、消泡効果を得るために脂肪酸塩を併用することができる。好ましい脂肪酸の炭素数は、12〜18である。
【0082】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、商標プルロニックに代表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド等があげられる。中でも親水性の高いもの及び水と混和した際に生じる液晶の形成能の低い若しくは液晶を生じないものが好ましく、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルが特に好ましい。好ましくは炭素数が10〜18、より好ましくは12〜14であり、平均付加モル数が5〜30、好ましくは7〜30、より好ましくは9〜30、更に好ましくは11〜30であるアルコールのエチレンオキサイド(以下EO)付加物、その他に炭素数8〜18のアルコールのEO付加物及びプロピレンオキサイド(以下PO)付加物であることが好ましい。付加順序としてはEOを付加した後にPOを付加したもの、POを付加した後にEOを付加したもの、あるいはEOとPOをランダムに付加したものを用いることができるが、特に好ましい付加順序を有するものとしては、EOを付加した後、POをブロック付加し、更にEOをブロック付加した一般式:
R−O−(EO)−(PO)−(EO)−H
〔式中、Rは炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、X、Y及びZはそれぞれ平均付加モル数を表す。〕
で表されるものであり、その中でも最も好ましい平均付加モル数の関係に関しては、X>0、Z>0、X+Y+Z=6〜14であり、X+Z=5〜12であり、Y=1〜4である。
【0083】
陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4アンモニウム塩等が挙げられる。
【0084】
両性界面活性剤としては、カルボベタイン型のもの、スルホベタイン型のもの等が例示される。
【0085】
陰イオン性界面活性剤の配合量は、非イオン性界面活性剤100重量部に対し0〜300重量部が好ましく、より好ましくは20〜250重量部、更に好ましくは30〜200重量部、特に好ましくは40〜180重量部である。非イオン性界面活性剤への融点上昇剤の配合量は、非イオン性界面活性剤100重量部に対し1〜100重量部が好ましく、より好ましくは3〜70重量部、更に好ましくは5〜50重量部である。この範囲において、該組成物は、該組成物の流動点以上の温度で該組成物の粘度が10Pa・s以下、より好ましくは5Pa・s以下、更に好ましくは2Pa・s以下となる温度域を有し、且つ該組成物の流動点より低く非イオン性界面活性剤の融点より高い温度範囲において該組成物の進入硬度が10kPa以上、より好ましくは30kPa以上、更に好ましくは50kPa以上となる温度域を有することで、該組成物及び洗剤粒子群の製造時の取り扱いが良好となること及び洗剤粒子群の保存時における非イオン性界面活性剤のシミ出しを抑制できることから、好適である。
【0086】
界面活性剤組成物の物性値は以下の方法により測定することができる。流動点は、JIS K2269の方法により測定することができる。融点は、FP800サーモシステムの「メトラーFP81」(Mettler Instrumente AG製)を用い、昇温速度0.2℃/minで測定される。粘度は、B型粘度計(TOKYO KEIKI社製 「DVM−B型」)、ローターNo.3、60r/minの条件で測定して求める。また、該条件での測定値が2Pa・sを越え、測定不能となる場合は、ローターNo.3、12r/minの条件で測定して求める。進入硬度は、レオメーター(「NRM−3002D」、不動工業(株)製)と直径8mm、底面積0.5cmの円形アダプター(No.3、8φ)を用い、アダプターが界面活性剤組成物の内部に進入速度20mm/minで20mm進入したときの荷重を円形アダプターの底面積で除した値である。
【0087】
界面活性剤組成物の添加量は、洗浄性及び溶解性の観点から、担持用粒子群100重量部に対して、10〜100重量部の範囲が好ましく、15〜80重量部の範囲がより好ましく、20〜70重量部の範囲が更に好ましく、30〜60重量部の範囲が最も好ましい。ここでいう界面活性剤組成物の添加量とは、担持用粒子群を製造する際の調製液に界面活性剤が添加されていても、その界面活性剤の添加量を含めないものである。
【0088】
担持用粒子群に界面活性剤組成物を担持させる際に、所望により界面活性剤以外の成分を存在させても良く、特に、界面活性剤組成物を担持用粒子群に担持させる際に表面改質剤として作用し得る微粉体を存在させる及び/又は担持させた後に表面改質剤として作用し得る微粉体を添加する等により、粒子の表面が微粉体(表面改質剤)で被覆されている態様であることが好ましい。洗剤粒子群には、上記の界面活性剤組成物以外の成分として界面活性剤担持用粒子群において例示した水溶性ポリマー、水溶性塩類、水不溶性無機物、その他の成分を含むことができる。
【0089】
表面改質剤として作用し得る微粉体とは、一次粒子の平均粒径が10μm以下の微粉体であり、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜8μm、更に好ましくは0.1〜6μm、特に好ましくは0.1〜5μmである。該微粉体を例示するならば、アルミノケイ酸塩、SKS−6(クラリアント社製)等の後述する結晶性珪酸塩等が挙げられる。該微粉体の添加量としては、被覆対象となる担持用粒子群の比表面積によって適量を適宜選択できるが、担持用粒子群100重量部に対して、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜100重量部の範囲である。
【0090】
洗剤粒子群を構成する個々の洗剤粒子は、耐ケーキング性等の保存安定性の観点から、該微粉体を含む表面改質剤で被覆されていることが好ましく、耐ケーキング性等の保存安定性をより高める観点から、「洗剤粒子表面で表面改質剤による被覆が完全或いはほぼ完全になされている粒子」であることが特に好ましい。本発明の界面活性剤担持用顆粒群に界面活性剤組成物を担持させ、表面改質剤を十分に添加・混合した場合、極めて良好に表面改質剤にて被覆された洗剤粒子が得られる。上記の如く極めて良好に表面改質剤にて被覆された洗剤粒子の一例として表面改質剤として4A型ゼオライトを用いた場合の洗剤粒子のSEM像を図7に示す。また、該洗剤粒子の表面の拡大を図8に示す。「洗剤粒子表面で表面改質剤による被覆が完全或いはほぼ完全になされている粒子」とは図7及び図8に示した如き洗剤粒子である。
【0091】
ここで、本発明の界面活性剤担持用顆粒群を用いた場合、表面改質剤による被覆が良好となる理由としては、接合粒子において粒子と粒子が接合した部分に生じる谷間(溝)に表面改質剤が入りこみ、界面活性剤担持用粒子表面を被覆した表面改質剤をより強固に保持することができるためと考えられる。即ち、接合粒子に存在する上記の溝は、表面改質剤によって埋められる。それ故に、本発明の界面活性剤担持用粒子群を用いて表面改質剤にて被覆された洗剤粒子群の形状は、担持用粒子群の有する凸凹が減じられ、図7の如く図2の担持用粒子群より球形に変化する。
【0092】
本発明の界面活性剤担持用粒子群を用いて表面改質剤にて被覆された洗剤粒子群の円形度は、JIS Z 8801に規定の2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μm、88μm、62μm、44μmである12段の篩と受け皿を用いて求めた平均粒径が含まれる篩上の洗剤粒子群の円形度として、担持用粒子群の円形度の測定と同様に(ミリトラックを用いて)測定される。
【0093】
洗剤粒子群の円形度は、好ましくは0.79以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.81以上、特に好ましくは0.82以上、最も好ましくは0.83以上である。
得られる洗剤粒子群の円形度が高いほど、洗剤粒子の形状は球に近くなる。
【0094】
尚、バインダーとなりうる界面活性剤等の成分と微粉体を用いて洗剤粒子群を製造した際には、洗剤粒子群は該成分と微粉体による凝集層で被覆されて担持用粒子群の形状を外観からのみでは確認できない場合がある。この場合における担持用粒子群の形状を識別する方法の一つとして、洗剤粒子群から有機溶媒可溶分を抽出し、担持用粒子群を分離することによって確認することがあげられる。また、抽出に用いる有機溶媒の種類は洗剤粒子の各構成単位を結合しているバインダー物質の種類によって適宜選択する。
【0095】
以下に溶媒抽出による担持用粒子群の形状の確認方法を例示する。
縮分・秤量した洗剤粒子群15gをウォーターバスで加温した95%エタノール300mLによって1時間還流操作した後、熱エタノールで十分に洗浄しながら徐々にエタノール不溶分を吸引濾過で濾別する。分離したエタノール不溶分を24時間減圧下で乾燥した後、不溶分の粒子構造を破壊しないように注意深く回収する。このような操作を数回行い100gのエタノール不溶分を得る。得られたエタノール不溶分をJIS Z 8801の標準篩を用いて5分間振動させた後、各篩上の重量の測定及び上記各目開き篩にて分級された粒子を観察・分析し、得られた粒子群が本発明の担持用粒子群であるか否かの確認及び後工程で添加されたエタノール不溶分の有無の確認を行う。エタノール不溶分中に担持用粒子群に後工程で添加されたエタノール不溶分が確認される場合には、後工程添加分による粒度分布への影響を取り除いて担持用粒子群の平均粒径を求める。即ち、適正に選択された溶媒あるいはその組み合わせによって溶媒不溶分の分別操作を行うことによって、界面活性剤組成物及び後工程で添加された成分等を除いた後、担持用粒子群の形状を確認することができる。
【0096】
洗剤粒子群の好ましい物性は、以下の通りである。
嵩密度は、好ましくは400〜1100g/L、より好ましくは500〜1000g/L、更に好ましくは600〜950g/L、特に好ましくは650〜900g/L、最も好ましくは700〜850g/Lである。
【0097】
平均粒径は、200〜500μmが好ましく、210〜450μmがより好ましく、220〜425μmが更に好ましく、230〜400μmが特に好ましく、240〜380μmが最も好ましい。
【0098】
125μm未満の頻度は、小粒径の洗剤粒子の頻度を減じ、粒度分布をよりシャープにすることによって、洗剤粒子同士の接触点を減じて保存時の耐ケーキング性を向上させる観点、及び低温の水中での分散・溶解性を向上させる観点、更には流動性を向上させる観点から、7%以下が好ましく、より好ましくは6%以下、更に好ましくは5%以下、中でも更に好ましくは4%以下、特に好ましくは3%以下、最も好ましくは2%以下である。
【0099】
1000μmを超える頻度は、粒子の溶解時間をより短縮する観点及び外観を良くする観点から、7%以下が好ましく、より好ましくは6%以下、更に好ましくは5%以下、中でも好ましくは4%以下、特に好ましくは3%以下、最も好ましくは2%以下である。
【0100】
また、洗剤粒子群は、単核にて造粒された洗剤粒子群であることが好ましい。「 単核にて造粒された洗剤粒子群」 とは、単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群を意味し、洗剤粒子の溶解性を高める観点より単核性洗剤粒子を含有することが好ましい。「単核性洗剤粒子」とは、界面活性剤担持用顆粒群に界面活性剤組成物が担持されてなる洗剤粒子であって、1個の洗剤粒子の中に1個の界面活性剤担持用粒子を核として有する洗剤粒子をいう。ここで本発明の界面活性剤担持用粒子群に含まれる接合粒子は、「 1個の界面活性剤担持用粒子」 として取り扱う。
【0101】
単核性を表現する因子として、式(IV)で定義される粒子成長度を用いることができ、好ましい粒子成長度は、0.75〜1.5、より好ましくは0.8〜1.4、更に好ましくは0.85〜1.3、特に好ましくは0.9〜1.2、最も好ましくは0.95〜1.1である。
粒子成長度=
(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(担持用粒子群の平均粒径) (IV)
最終の洗剤粒子群とは、担持用粒子群に界面活性剤組成物を担持させ表面改質処理を施した洗剤粒子群のことをいう。
【0102】
洗剤粒子群の単核性の確認方法について例示すると、単核性は下記(a)法、(b)法、(c)法のうち少なくとも一つの方法により確認することができる。
(a)法:洗剤粒子群の平均粒径付近から任意にサンプリングした洗剤粒子を切断し、洗剤粒子内における担持用顆粒の有無及びその個数を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することによって洗剤粒子の単核性を確認する方法。(b)法:洗剤粒子内の担持用顆粒中の水溶性ポリマーを溶解しない有機溶媒(例えば、担持用顆粒中に、水溶性ポリマーとしてポリアクリル酸塩、界面活性剤として陰イオン性界面活性剤(LAS)や非イオン性界面活性剤が存在する場合、エタノールを好適に用いることができる)により、洗剤粒子中の有機溶媒可溶分を抽出し、その後の有機溶媒不溶分をSEM観察によって観察する方法。即ち、1個の洗剤粒子を上記有機溶媒で処理して得た有機溶媒不溶分に1個の担持用顆粒が存在する場合、単核性の洗剤粒子であることがわかる。(c)法:樹脂で包理した洗剤粒子の切断面の2次元の元素分布をエネルギー分散形X線分光器(EDS)や電子線マイクロアナライザー(EPMA)等で検出することによって洗剤粒子の単核性を確認する方法。
【0103】
8.洗剤粒子群の製法
洗剤粒子群を得る好適な製法は、以下の工程(I)及び工程(II)を含むことである。尚、工程(I)及び工程(II)は、同時に行っても良いが、工程(I)の後に工程(II)を行うのが好ましい。
【0104】
工程(I):界面活性剤組成物が液状の条件下にて、本発明の製造方法で得られた界面活性剤担持用粒子群と界面活性剤組成物を混合する工程。
【0105】
工程(II):工程(I)で得られた混合物と微粉体とを混合し、洗剤粒子群の表面を該微粉体で被覆する工程。但し、工程(II)は界面活性剤組成物によって凝集した界面活性剤担持用粒子群の解砕が同時に進行する場合も含まれる。
【0106】
<工程(I)>
担持用粒子群へ界面活性剤組成物を担持させる方法としては、例えば、回分式や連続式の混合機を用いて、担持用粒子群と界面活性剤組成物とを混合する方法が挙げられる。ここで、回分式で行う場合に、混合機への仕込み方法としては、
(1)混合機に先ず担持用粒子群を仕込んだ後、界面活性剤組成物を添加する、
(2)混合機に担持用粒子群と、界面活性剤組成物を少量ずつ仕込む、(3)担持用粒子群の一部を混合機に仕込んだ後、残りの担持用粒子群と界面活性剤組成物とを少量ずつ仕込む等の方法をとることができる。
【0107】
界面活性剤組成物の中で、実用上の温度範囲内、例えば、50〜90℃において昇温しても固体あるいはペースト状で存在するものについては、これらを予め、粘性の低い非イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤水溶液又は水中に、分散又は溶解させて界面活性剤組成物の混合液又は水溶液を調製し、該混合液又は水溶液の形態で担持用粒子群に添加すれば良い。この方法により、固体あるいはペースト状で存在する界面活性剤組成物をも容易に担持用粒子群に添加することができる。粘性の低い界面活性剤組成物又は水と固体あるいはペースト状の界面活性剤組成物の混合比率は、得られる混合液又は水溶液が噴霧可能である粘度範囲であれば好ましい。
【0108】
上記混合液の製法は、例えば、粘性の低い界面活性剤又は水に固体あるいはペースト状の界面活性剤組成物を投入して混合する方法や、粘性の低い界面活性剤中又は水中で界面活性剤の酸前駆体、例えば、陰イオン性界面活性剤の酸前駆体をアルカリ剤(例えば苛性ソーダ水溶液や苛性カリ水溶液)で中和することにより界面活性剤組成物の混合液を調製してもよい。
【0109】
また、この工程において、界面活性剤組成物の添加前、界面活性剤組成物の添加と同時、界面活性剤組成物の添加途中、又は界面活性剤組成物添加後に陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加することも可能である。陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加することで、界面活性剤の高配合化、担持用粒子群の吸油能、担持能コントロール及び洗剤粒子群の非イオン性界面活性剤のシミ出し抑制、流動性等の物性・品質の向上が可能となる。
【0110】
本発明で用いることのできる陰イオン性界面活性剤の酸前駆体としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸、アルキル又はアルケニル硫酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホン化脂肪酸、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸、脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸を界面活性剤の添加後に添加することが洗剤粒子群の流動性向上の観点より特に好ましい。
【0111】
陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の使用量は、担持用粒子群100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましく、1〜5重量部が特に好ましい。なお、該酸前駆体の使用量は、本発明における界面活性剤組成物の量には算入しない。また、陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の添加方法としては、常温で液体のものは噴霧して供給することが好ましく、常温で固体のものは粉末として添加してもよく、溶融させた後噴霧して供給してもよい。ただし、粉末で添加する場合は、粉末が溶融する温度まで混合機中の洗剤粒子群の温度を昇温するのが好ましい。
【0112】
好ましい混合装置として具体的には、以下のものが挙げられる。回分式で行う場合は、(1)〜(3)のものが好ましい。(1)ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等、(2)リボンミキサー(日和機械工業(株)製)等、(3)ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。上記の混合機の中でさらに好ましくは、レディゲミキサー、プロシェアミキサー等がある。
【0113】
また、上記の混合機の連続型の装置を用いて担持用粒子群と界面活性剤組成物を混合させてもよい。また、上記以外の混合機の連続型の装置としては、フレキソミックス型((株)パウレック製)、タービュライザー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
【0114】
また、この工程において、非イオン性界面活性剤が使用される場合、この界面活性剤の融点を上昇させる作用を有する、融点45〜100℃、分子量1千〜3万の融点上昇剤又はこの水溶液を、界面活性剤組成物の添加前、界面活性剤組成物の添加と同時、界面活性剤組成物の添加途中、又は界面活性剤組成物添加後、あるいは界面活性剤組成物に予め混合して添加することが好ましい。融点上昇剤を添加することで、洗剤粒子群のケーキング性、洗剤粒子群中の界面活性剤のシミ出し性を抑制することができる。尚、これらの融点上昇剤としては、前述の洗剤粒子群の組成の融点上昇剤において例示したものと同じものを使用することができる。融点上昇剤の使用量は、担持用粒子群100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、0.5〜8重量部がより好ましく、1〜5重量部が最も好ましい。この範囲が、洗剤粒子群の溶解性、液状成分のシミ出し抑制及び耐ケーキング性の点から好ましい。融点上昇剤の添加方法として、予め界面活性剤と任意の方法で混合して添加すること、又は界面活性剤の添加後に融点上昇剤を添加することが洗剤粒子群のシミ出し性やケーキング性の抑制に有利である。
【0115】
本工程における混合機内の温度は、界面活性剤組成物の流動点以上にすることが好ましい。なお、界面活性剤組成物の流動点は、JIS K 2269に規定の方法によって測定される。ここで、混合機内の温度としては、界面活性剤組成物の担持を促進させるために添加する界面活性剤組成物の流動点より高ければよいが、実用的な範囲を挙げると流動点を越えて流動点より50℃高い温度までが好ましく、流動点より10℃〜30℃高い温度がより好ましい。また、この工程で陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加する場合は、当該陰イオン性界面活性剤の酸前駆体が反応できる温度に昇温して混合を行えばより好ましい。
【0116】
好適な洗剤粒子群を得るための回分式の混合時間、及び連続式の混合における平均滞留時間は、1〜20分間が好ましく、2〜10分間が更に好ましい。
【0117】
また、界面活性剤組成物として、界面活性剤の水溶液や水溶性非イオン性有機化合物水溶液を添加した場合には余剰の水分を混合中及び/又は混合後に乾燥する工程を有してもよい。
【0118】
界面活性剤組成物の添加前、その添加と同時、その添加途中又はその添加後に粉末の界面活性剤及び/又は粉末ビルダーを添加することも可能である。粉末ビルダーを添加することで、洗剤粒子群の粒子径をコントロールすることができ、また洗浄力の向上を図ることができる。特に陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加する場合は該酸前駆体を添加する前にアルカリ性を呈する粉末ビルダーを添加することが中和反応を促進する観点から有効である。尚、ここで言う粉末ビルダーとは、界面活性剤以外の、粉末の洗浄力強化剤を意味し、具体的には、結晶性アルミノ珪酸塩、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性珪酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能いずれも有する基剤、その他硫酸ナトリウム等のイオン強度を高める基剤等を指す。
【0119】
ここで結晶性珪酸塩としては、特開平5−279013号公報第3欄第17行(特に、500〜1000℃で焼成して結晶化させたものが好ましい。)、特開平7−89712号公報第2欄第45行、特開昭60−227895号公報第2頁右下欄第18行(特に第2表の珪酸塩が好ましい。)に記載の結晶性珪酸塩を好ましい粉末ビルダーとして用いることができる。ここで、アルカリ金属珪酸塩のSiO/MO(但しMはアルカリ金属を表す。)が0.5〜3.2のもの、好ましくは1.5〜2.6のものがより好適に用いられる。
【0120】
<工程(II)>
工程(I)により界面活性剤が担持された洗剤粒子群の粒子表面を改質するために、添加時の形態として以下の(1)微粉体、(2)液状物を添加する工程(II)を一工程以上行うのが好ましい。
【0121】
洗剤粒子群の粒子表面を該表面改質剤で被覆することによって、洗剤粒子群の耐ケーキング性及び流動性が向上するので、この表面改質工程を設けることは極めて好ましい。工程(II)で使用される装置は、例えば、工程(I)で例示した混合機が好適に用いることができる。下記に(1)微粉体、(2)液状物についてそれぞれ説明する。
【0122】
(1)微粉体
微粉体とは、洗剤粒子群の組成及び物性で述べた「 表面改質剤として作用し得る微粉体」 であり、その一次粒子の平均粒径が10μm以下であることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。平均粒径がこの範囲において、洗剤粒子群の粒子表面の被覆率が向上し、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の観点から好適である。当該微粉体の平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所製)、又は顕微鏡観察による測定等で測定される。また、該微粉体が高いイオン交換能や高いアルカリ能を有していることが洗浄面から好ましい。
【0123】
該微粉体としては、アルミノ珪酸塩が特に好ましく、結晶性、非晶質の何れでも構わない。アルミノ珪酸塩以外では、硫酸ナトリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性珪酸塩等のシリケート化合物のような微粉体も好ましい。また、一次粒子が0.1〜10μmの金属石鹸、粉末の界面活性剤(例えばアルキル硫酸塩等)や水溶性有機塩も同様に用いることができる。結晶性シリケート化合物を用いる場合、吸湿や吸炭酸ガスによる結晶性シリケート化合物の凝集等による劣化を防ぐ目的から、結晶性シリケート化合物以外の微粉体と混合して用いることが好ましい。
【0124】
表面改質剤としての微粉体の使用量としては、洗剤粒子群100重量部に対して2〜70重量部が好ましく、3〜60重量部がより好ましく、4〜50重量部が更に好ましく、5〜40重量部が特に好ましい。該微粉体の使用量はこの範囲において、洗剤粒子群及び洗剤粒子群を含んでなる洗剤組成物の耐ケーキング性を向上できると共に洗剤粒子群の流動性が向上し、消費者に良好な使用感を与える。
【0125】
(2)液状物
液状物としては、水溶性ポリマーや脂肪酸等が挙げられ、水溶液や溶融状態で添加することができる。尚、該液状物の使用は、単独で使用するよりも(1)の微粉体と併用するのが好ましい。
【0126】
(2−1)水溶性ポリマー
水溶性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸とマレイン酸の共重合体又はその塩等のポリカルボン酸塩等が挙げられる。該水溶性ポリマーの使用量としては、洗剤粒子群100重量部に対して0〜15重量部が好ましく、0.5〜12重量部がより好ましく、1〜10重量部が更に好ましく、1.5〜8重量部が特に好ましく、2〜6重量部が更に好ましい。該水溶性ポリマーの使用量をこの範囲とすることで、良好な耐ケーキング性、溶解性及び流動性を示す洗剤粒子群を得ることができる。
【0127】
(2−2)脂肪酸
脂肪酸としては、例えば、炭素数10〜22の脂肪酸等が挙げられる。該脂肪酸の使用量としては、洗剤粒子群100重量部に対して0〜5重量部が好ましく、0.5〜4重量部がより好ましく、0.5〜3重量部が更に好ましい。該脂肪酸が常温で固体である場合は、流動性を示す温度まで加温した後に、噴霧して供給することが好ましい。
【0128】
9.洗剤組成物
本発明における洗剤組成物は、上記の洗剤粒子群を含有してなる組成物であり、さらに該洗剤粒子群以外に別途添加された洗剤成分(例えば、ビルダー顆粒、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等)を含有してなる組成物である。
【0129】
洗剤組成物中の洗剤粒子群の含有量は、洗浄力の点から50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、80重量%以上、100重量%以下が特に好ましい。
【0130】
洗剤粒子群以外の洗剤成分の洗剤組成物中における含有量は、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
【0131】
10.物性の測定方法
本明細書における物性値は以下の方法で測定した。
【0132】
(嵩密度):JIS K 3362により規定された方法で測定する。
【0133】
(平均粒径):JIS Z 8801に規定の篩を用いて求める。例えば、目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μm、88μm、62μm、44μmである12段の篩と受け皿を用い、ロータップマシーン(HEIKO SEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を10分間振動して篩い分けを行った後、受け皿、44μm、62μm、88μm、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの順番に受け皿及び各篩上に重量頻度を積算していくと、積算の重量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをαμmとし、またαμmよりも一段大きい篩の目開きをβμmとした時、受け皿からαμmの篩までの重量頻度の積算をγ%、またαμmの篩上の重量頻度をθ%とした場合、
【0134】
【数1】
Figure 2004175930
【0135】
にしたがって求めることができる。
【0136】
(粒子強度):内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に試料20gを入れ、30回タッピング(筒井理化学器械(株)、TVP1型タッピング式密充填カサ密度測定器、タッピング条件;周期36回/分、60mmの高さから自由落下)を行い、その時の試料高さ(初期試料高さ)を測定する。その後、加圧試験機にて該容器内に保持した試料の上端面全体を10mm/minの速度で加圧し、荷重−変位曲線を求める。変位率が5%以下での直線部における傾きに初期試料高さをかけ、加圧面積で除した値を粒子強度とする。
【0137】
(液状界面活性剤の担持容量と吸収性):内部に攪拌翼を備えた内径約5cm×約15cmの円筒型混合槽に粒子群100gを入れ、350rpmで攪拌しながら30℃でポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12/C14=6/4、EO=7.7、融点=25℃)を10mL/minの速度で滴下し、攪拌動力の経時変化を測定する。攪拌動力が最も高くなった時のポリオキシエチレンアルキルエーテルの投入量を粒子群の重量(100g)で除した値を該粒子群の担持容量(mL/g)とする。また、吸収性には、攪拌動力が最大値を示すまでに攪拌動力が上昇する過程において単位時間あたりの変化量が最も大きくなる時点のポリオキシエチレンアルキルエーテルの投入量を粒子群の重量(100g)で除した値(mL/g)で表現され、この数値が大きいほど吸収性に優れる、即ち吸収速さに優れる粒子ほど粒子表面でのポリオキシエチレンアルキルエーテルの余剰が抑制される結果、攪拌動力が上昇するまでの時間が遅延される。
【0138】
(水分):粒子群の水分測定は赤外線水分計法により行う。即ち、試料3gを重量既知の試料皿にはかり採り、赤外線水分計(ケット科学研究所(株)製(赤外線ランプ185W))により3分間試料の加熱、乾燥を行う。乾燥後、試料皿と乾燥試料の重量をはかる。前記操作により得られた乾燥前後の容器と試料の重量の差分を試料のはかり採り量で除し100を掛けることにより試料中の水分量を計算する。
【0139】
11.洗剤組成物の製造方法
洗剤組成物の製造方法は、特に限定はなく、例えば、前記洗剤粒子群及び別途添加された洗剤成分を混合する方法が挙げられる。このようにして得られた洗剤組成物は、界面活性剤の担持量の多い洗剤粒子を含有しているため、少量でも十分な洗浄効果を発現しうるものである。かかる洗剤組成物の用途としては粉末洗剤を用いる用途であれば特に限定はないが、例えば、衣料用粉末洗剤、自動食器用洗剤等が挙げられる。
【0140】
12.洗剤組成物の物性の評価方法
(低温分散性評価):松下電器産業(株)製、全自動洗濯機「愛妻号 NA−F42Y1」のパルセータの6分割された扇状の窪みの1つの外周に近い部分に洗剤粒子群サンプル20gを集合状態で置き、該集合状態で置いた洗剤粒子群サンプルを崩さないように衣料1.5kg(木綿肌着50重量%、ポリエステル/綿混Yシャツ50重量%)を洗濯槽に投入し、洗剤粒子群サンプルに直接水が当らないように10L/minの流量で5℃の水道水22Lを注水し、注水終了後に静置した。
【0141】
注水開始から5分間後、弱水流(手洗いモード)で撹拌を開始し、3分間撹拌した後に排水し、衣料及び洗濯槽に残留する洗剤の状態を下記の評価基準によって目視判定した。
【0142】
なお、本評価で用いた弱い撹拌力は標準よりも極めて弱く、以下の評価基準の◎及び○は優れた分散性を有していることを示している。
【0143】
また、以下の評価基準に記載の「凝集物」とは、洗剤粒子が凝集して生じた直径3mm以上のペースト塊をいう。
【0144】
〔評価基準〕
◎:洗剤粒子の凝集物がない。
○:洗剤粒子の凝集物が殆どない(直径3mm程度の塊が1〜5個認められる)。
△:洗剤粒子の凝集物が少量残留している(直径6mm程度の塊が認められ、直径3〜10mmの塊が10個以下認められる)。
×:洗剤粒子の凝集物が多量に残留している(直径6mmを越える塊が多数、或いは直径10mmを超える塊が認められる)。
【0145】
前記分散性評価においては、注水開始から静置の間に洗剤粒子群サンプルは、物理的な機械力を殆ど受けない環境で水にさらされることによって水の浸透及びペースト化による凝集が経時的に進行するため、洗剤粒子群の凝集力が弱いものほど、攪拌開始後の分散性が良好となる。本発明においては、前記分散性評価において、その評価が◎及び○以上のものが優れた分散性を有していることを示す。
【0146】
(耐ケーキング性):JIS P 3801に規定される2種型ろ紙(例えば、東洋濾紙(株)製「定性No2濾紙」)を用いた縦×横×高さ=14.5cm×9.2cm×13.5cmの上面が開口した容器を作る。この箱に洗剤粒子群サンプル1200gを入れる。これを温度30℃、湿度70%の恒温恒湿器中に放置し、8日後にケーキング状態について判定を行う。判定は、以下のようにして篩通過率を求めることによって行う。篩通過率が高いほど、耐ケーキング性が高く、洗剤粒子群として好ましい物性である。
【0147】
(篩通過率):試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760μm)上に静かにあけ、通過した粉末の重量を計り、試験後の試料に対する通過率を求める。
【0148】
(シミ出し性):JIS P 3801に規定される2種型ろ紙(例えば、東洋濾紙(株)製「定性No2濾紙」)を用いた縦×横×高さ=10cm×6cm×4cmの上面が開口した容器を作る。該容器の底面のサンプル充填面に油性マーカー(内田洋行(株)製「マジックインキM700−T1」)を用い対角線方向に線幅0.5〜1.0mmの線を引く。該容器に試料100gを充填し、その上にアクリル樹脂板と鉛板(又は鉄板)の合計重量15g+250gをのせる。これを防湿容器に入れ、温度30℃恒温器中に放置し、7日後に油性マーカーのにじみ具合を目視判定することにより、シミ出し性を判定した。判定基準は以下の通り。
ランク5:油性マーカーのにじみ幅が2cm以上。
ランク4:油性マーカーのにじみ幅が1cm以上、2cm未満。
ランク3:油性マーカーのにじみ幅が0.5cm以上、1cm未満。
ランク2:油性マーカーのにじみがわずかに認められる。
ランク1:油性マーカーのにじみが認められない。
【0149】
【実施例】
実施例1
攪拌装置を具備したジャケット付き混合槽で、表1に示す洗剤スラリーを調製した。調製方法は、45℃に調整した温水に硫酸ナトリウム(無水中性芒硝、四国化成(株)製)、亜硫酸ナトリウム(亜硫酸ソーダ、三井東圧(株)製)、蛍光染料(「チノパールCBS−X」、チバスペシャルティケミカルズ社製)を加えて約10分間攪拌し、炭酸ナトリウム(デンス灰(平均粒径:290μm))、40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(平均分子量10000、花王(株)製)を逐次添加し、更に約10分間攪拌した後、塩化ナトリウム(やき塩:日本精塩(株)製)、ゼオライト(PQケミカル(株)製(4A型、平均粒径:3.5μm))を添加して更に30分間攪拌した。スラリーの最終温度は50℃に調整した。このスラリーの水分量は51 重量%となるように調整した。
塔径6m、高さ20m、噴霧ノズル8本を(熱風吹込み口より4000mm上に6本/下段、8000mm上に2本/上段)備えた向流式の噴霧乾燥塔において、上記の方法で調製した洗剤スラリーを高圧ポンプで供給し、各噴霧ノズルから噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。この時噴霧したスラリーの総流量は11500kg/hrであり、噴霧乾燥塔に供給する熱風は塔下部より温度が280℃で供給され、塔頂より105℃で排出された。噴霧乾燥塔から排出された排風に同伴された微粒の界面活性剤担持用粒子群はサイクロン等の分離装置により分離された。分離された界面活性剤担持用粒子群は平均粒径72μm、この担持用粒子群をルーツブロアーによって500kg/hrで噴霧乾燥塔内へリサイクルした。リサイクルする位置は噴霧乾燥塔の熱風吹込み口より下部の逆円錐部(コニカル)とした。得られた界面活性剤担持用粒子群の物性は表2の通りであった。
【0150】
【表1】
Figure 2004175930
【0151】
【表2】
Figure 2004175930
【0152】
実施例2
実施例1と同様にスラリーを調製して噴霧乾燥を行った。サイクロンにより分離した担持用粒子群は、ルーツブロアーによって500kg/hrで噴霧乾燥塔内へリサイクルされるが、戻す位置は噴霧乾燥塔の熱風吹込み口より約300mm上部の円筒部(直胴)とし、吹込み角度は水平かつ塔の接線方向で熱風旋回流と同一方向とした。得られた界面活性剤担持用粒子群の物性は表2の通りであった。
【0153】
比較例
実施例1と同様にスラリーを調製して噴霧乾燥を行った。サイクロンにより分離した担持用粒子群は、塔下部から排出された担持用粒子群と空気輸送ライン中で混合され次工程へ送られた。得られた界面活性剤担持用粒子群の物性は表2の通りであった。
【0154】
実施例3
実施例2と同様にスラリーを調製して噴霧乾燥を行った。サイクロンにより分離した担持用粒子群は、実施例2と同じ位置に同じ供給量でリサイクルした。ただし噴霧乾燥条件を変更し、噴霧乾燥塔に供給する熱風の送風温度を265℃に低下した結果、塔頂より排出される排風の温度は97℃に低下した。得られた界面活性剤担持用粒子群の物性は表2の通りであった。
【0155】
実施例4
実施例3と同様にスラリーを調製して噴霧乾燥を行った。分離した担持用粒子群のリサイクル位置/量は実施例3と同様とした。更に下段6 本の噴霧ノズルの位置を、塔壁面からの距離を100mmから1600mmへと延長した。その結果、下段の各ノズル間の距離は1700mmから1400mmへと近づいた。噴霧乾燥塔に供給する熱風の送風温度は実施例3と同様の265℃としたが、塔頂より排出される排風の温度は100℃に上昇した。得られた界面活性剤担持用粒子群の物性は表2の通りであった。
【0156】
実施例及び比較例の担持用粒子群に対して表3に記載の比率にて界面活性剤混合液を添加して担持させることにより、洗剤粒子群を得た。洗剤粒子の製造方法は、レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記担持用粒子群50重量部を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を行い、そこに80℃にて調製した界面活性剤混合液28重量部を2分間でスプレーし、その後4分間攪拌を行った後、結晶性ケイ酸塩(リフュール、クラリアントジャパン(株)製)10重量部、及び結晶性アルミノケイ酸塩(4Aゼオライト、PQケミカル(株)製)10重量部を添加して2分間表面改質操作を行った。更に、結晶性アルミノケイ酸塩2重量部、及び酵素造粒物1重量部を添加することによって洗剤組成物を得た。得られた洗剤組成物を前記(ケーキング性)評価法に示した方法でケーキング試験を行った。洗剤組成物の物性を表4に示す。
【0157】
【表3】
Figure 2004175930
【0158】
【表4】
Figure 2004175930
【0159】
表2、4の結果より、実施例1の担持用粒子群は比較例の担持用粒子群に比べて大幅に125μmpassの微粉量が減少しており、洗剤粒子群とした場合の流動性、低温分散性が顕著に向上している。実施例2については更に微粉量が減少して低温分散性が向上した。又、実施例1の担持用粒子群は比較例の担持用粒子群に比べて円形度が減少して、洗剤組成物の耐ケーキング性の指標である篩通過率が大幅に向上しており、実施例2 では更なる耐ケーキング性の向上がみられた。界面活性剤担持用粒子群の塔内供給と併せて乾燥条件を接合粒子が増加するようにマイルド化し、噴霧ノズル間距離を調整することにより、実施例3、4に示すように更に洗剤組成物の耐ケーキング性が向上した。
【0160】
【発明の効果】
本発明により、表面改質剤による被覆がより良好となる界面活性剤担持用粒子群、高品質な洗剤粒子群、該洗剤粒子群を含有してなる洗剤粒子群が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、水溶性塩類と水溶性ポリマーを含む球状構造を有する噴霧乾燥粒子の外観の一例(走査電子顕微鏡像)である。
【図2】図2は、本発明の接合粒子を含む界面活性剤担持用粒子群の外観の一例(走査電子顕微鏡像)である。
【図3】図3は、接合粒子を構成する付属粒子が正面となるように置いた場合の一例(走査電子顕微鏡像)及び模式図である。
【図4】図4は、接合粒子を構成する付属粒子が正面となるように置いた時、核粒子に別の付属粒子が接合している場合の模式図である。
【図5】図5は、接合粒子を構成する付属粒子が正面となるように置いた場合の模式図である。
【図6】図6は、接合粒子を構成する付属粒子が正面となるように置いた時、付属粒子に別の付属粒子が接合している場合の模式図である。
【図7】図7は、本発明の界面活性剤担持用粒子群を用い、表面改質剤として4A型ゼオライトを用いて製造した洗剤粒子群の外観の一例(走査電子顕微鏡像)である。
【図8】図8は、図7の洗剤粒子群の表面の拡大像(走査電子顕微鏡像)である。

Claims (7)

  1. 水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含んでなる界面活性剤担持用粒子群であって、該界面活性剤担持用粒子群を構成する少なくとも一部の粒子が2個以上の界面活性剤担持用粒子が接合した態様を有する粒子(接合粒子)であり、該接合粒子が各接合粒子を構成する粒子の中で最も大きな粒子(核粒子)に対して該核粒子の1/2以下の直径を有する粒子が1個以上、該核粒子に接合した態様を有するものであり、JIS Z 8801に規定の2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μm、88μm、62μm、44μmである12段の篩と受け皿を用いて求めた平均粒径が含まれる篩上の界面活性剤担持用粒子群が式〔I〕で表される円形度(X)0.83以下を有し、125μm未満の粒子の含有量が7%以下である界面活性剤担持用粒子群。
    X=(4πA)1/2 /P 〔I〕
    〔式中の A:投影面積、P:投影像の周囲長〕
  2. 水溶性ポリマーがアクリル酸重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上を含むものであり、水溶性塩類が炭酸塩及び/又は硫酸塩を含むものである請求項1記載の界面活性剤担持用粒子群。
  3. 界面活性剤含有量が0〜5重量%である請求項1又は2記載の界面活性剤担持用粒子群。
  4. 水溶性ポリマー2〜30重量%及び水溶性塩類20〜98重量%を含有する請求項1〜3いずれか記載の界面活性剤担持用粒子群。
  5. 水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含む調製液を噴霧乾燥して界面活性剤担持用粒子群を製造する方法であって、核粒子の平均粒径の1/2以下の粒径である粒子を90%以上含む接合粒子を構成する粒子の粒子群を、噴霧乾燥塔内へ供給する工程を含む、請求項1〜4いずれか記載の界面活性剤担持用粒子群の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法によって得られる請求項1〜4いずれか記載の界面活性剤担持用粒子群。
  7. 下記の工程(I)及び工程(II)を含む単核性の洗剤粒子群の製法:
    工程(I):界面活性剤組成物が液状の条件下にて、請求項1〜4又は6いずれか記載の界面活性剤担持用粒子群と界面活性剤組成物とを混合する工程、
    工程(II):工程(I)で得られた混合物と微粉体とを混合し、洗剤粒子群の表面を該微粉体で被覆する工程。
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