JP2006282954A - 洗剤粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノンスプレープロセスにより、アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとを中和混合するに際し、中和度を特定の範囲に制御することができ、これにより、良好な溶解性と安定な製造工程とを実現できる洗剤粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の洗剤粒子の製造方法は、(1)アニオン界面活性剤酸前駆体と、該アニオン界面活性剤酸前駆体を中和するために必要な量以上の無機アルカリビルダーとを、中和度が50〜90%になるように混合してペースト状混合物を調製する調製工程と、(2)調製工程にて得られたペースト状混合物に吸油性微粉末を加えて粉末化する粉末化工程と、(3)粉末化工程にて得られた粉末にバインダーを加えて造粒化し、得られた粒状物に吸油性微粉末を加えて該粒状物を整粒する造粒・整粒工程とを包含する。

【選択図】 なし

Description

本発明は、ノンスプレープロセスにより製造される洗剤粒子の製造方法に関する。
従来の洗剤粒子の製造方法では、アニオン界面活性剤の酸前駆体物質(代表的には、アルキルベンゼンスルホン酸、脂肪酸、アルキル硫酸エステル等)を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、続いて、この中和物にノニオン界面活性剤およびビルダーを配合して含水率30〜50重量%の洗剤濃厚液(スラリー)を調製し、この洗剤濃厚液を噴霧乾燥処理して中空粒状の低嵩密度の粒子(含水率10重量%以下)を得、これに液体バインダーおよびその他の原料を添加して、この混合物を造粒装置で高密度化させることにより洗剤粒子を製造している。
しかしながら、この方法では、スラリーを調製し、さらに乾燥蒸発させるために水を大量に使用し無駄を生じており、かつ、噴霧乾燥工程(スプレープロセス)で多大な熱エネルギーを消費している。さらに、乾燥時に発生する多くの微粉が噴霧乾燥塔(スプレータワー)の内壁に層状に付着して故障または不調の原因となり、また、このような故障または不調を避けるために内壁への付着物や微粉回収装置(サイクロン)の掃除を定期的に行わなければならず、その都度、スプレーの運転を中断する必要がある等の問題があった。そのため、スプレープロセスを用いる製造方法では、最終製品のコストを低減するには限界があった。
これに対して、近年、上記問題を解消し、環境的側面への配慮、省資源、省エネルギー、製造工程管理コストの低減を追求する製造方法が研究され、スプレータワーを用いないノンスプレープロセスによる製造方法(直接造粒法)が考案されている(例えば、特許文献1〜7)。
特許文献1〜7に記載された方法によると、アニオン界面活性剤の酸前駆体とアルカリ剤との中和混合ペーストまたは界面活性剤と他の任意成分とによる混合ペーストを調製し、これを粉末化する製造工程が記載されている。
しかしながら、これまでのスプレープロセスにおける中空粒状の低密度粒子を液体バインダーで高密度化する製造方法とは異なり、上記文献に記載のノンスプレープロセスを単純に実践すると、溶解性が悪い圧密された粒子が製造されることから、低温でかつ低浴比化(洗濯物量に対する使用水量の比率の低下)された今日の洗濯条件では、満足のいく溶解性を持つ洗剤粒子を得ることはできない。
スプレープロセスにおける製造方法では、アルカリ成分と酸成分を混合して液スラリー状にし、それをスプレー噴霧して得られる中空粒状の低嵩密度粒子を高密度化する製法である。したがって、スプレープロセスの中和工程を含むスラリー調製では、中和の完了を製造条件に行ったとしても、中和度が溶解性に影響を与えることは無かった。しかしながら、ノンスプレープロセスでは、基本的には粉体原料と液体原料の混合による洗剤粒子の製造方法であることから、中和の完了を製造条件にすると、圧密された洗剤粒子が得られやすく、最終製品の溶解性が悪くなる傾向がある。このノンスプレープロセスにおける溶解性の問題は、中和時の中和の進行度合いに依存し、本発明が記載する工程(1)で中和を完了に近づけ、粉末化するほど溶解性が悪くなる傾向が確認された。このため、中和を完全に終わらせない工程管理方法が必要となったが、未中和のアニオン界面活性剤酸前駆体が多く残存すると後工程のトラブルの原因となることも確認されており、アルカリ過剰中の中和の進行をどのように制御するのかが非常に難しい問題として浮かび上がってきた。
特許文献8には、アニオン界面活性剤酸前駆体をアルカリ剤で中和する工程で、中和度が30〜80%になることが既に確認されているが、この文献には、中和度が後工程に及ぼす影響や最終生成物の溶解性に及ぼす影響については開示されておらず、単に中和時の混合条件によって変わる中和度を示しているにすぎない。
ノンスプレープロセスにおける中和を行う際に生じる問題点としては、液体のアニオン界面活性剤酸前駆体と粉体の無機アルカリビルダーとによる乾式中和であることにより反応性が著しく悪いという現状がある。中和反応を促進させるための最も有効な手段としては、添加水による反応促進が一般的であるが、水を添加しない乾式中和では湿度のために含まれることになる水が後の工程に不調をきたす要因となり、また、最終製品の物性に大きな影響を与えることが確認されている。また、配合水を加える場合には、水分コントロールが整った環境下でないと工程的にも最終製品としても生産は難しい。
このため、上記のような反応性の悪さを克服する方法として、特許文献9、10には、過剰のアルカリ剤による中和方法が記載されている。しかし、過剰のアルカリ剤の使用については、本出願の出願人が既に出願した特願2003−406211にて、中和等量の4倍以上のアルカリ剤の配合は、最終物の溶解性に悪影響を及ぼすことが判明しており、他方、中和等量の4倍未満のアルカリ剤の配合条件下では、中和の促進状態が満足できるものにならないことが記載されている。
特許文献11には、中和度の粒度を「50μm未満の粒子50容量%」に規定した中和方法が記載されている。しかし、中和剤の粒度による反応性への影響については、中和剤粒子の表面積が増えることから反応性が良くなることは確実であるが、細かく特殊な粒度を規定しており、予め、微粉砕する等の余分な工程が必要となる。
特許文献12には、中和時に熱を加えることによる中和の促進方法が記載されている。しかし、加温により中和を進めることは有効であるものの、発生する中和熱だけでも後工程の管理にリスクが伴うことになることから、外部から熱を加えることはできるだけ避けるべきであるという現状がある。
特表平11−504363号公報 特表平11−504364号公報 特許第2818248号 特許第2856915号 特許第3149189号 特許第3225041号 特許第3295083号 特公平2−7460号公報 特表2002−528599号公報 特許第3225041号 特許第3295083号 特開平9−59697号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ノンスプレープロセスにより、アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとを中和混合するに際し、中和度を特定の範囲に制御することができ、これにより、良好な溶解性と安定な製造工程とを実現できる洗剤粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとを中和混合するに際し、ペースト状混合物の中和度を特定の範囲に制御し、粉末化および造粒を行うことにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の洗剤粒子の製造方法は、(1)アニオン界面活性剤酸前駆体と、該アニオン界面活性剤酸前駆体を中和するために必要な量以上の無機アルカリビルダーとを、中和度が50〜90%になるように混合してペースト状混合物を調製する調製工程と、(2)調製工程にて得られたペースト状混合物に吸油性微粉末を加えて粉末化する粉末化工程と、(3)粉末化工程にて得られた粉末にバインダーを加えて造粒化し、得られた粒状物に吸油性微粉末を加えて該粒状物を整粒する造粒・整粒工程とを包含することを特徴とするものである。
上記本発明の洗剤粒子の製造方法において、ミキサーを用いてアニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーを混合する際に要する負荷値について、混合経過時間と一定時間毎の負荷値の平均および標準偏差との関係を示すグラフを予め作成し、さらに、該負荷値の平均および標準偏差と中和度との関係を求めておき、該負荷値の平均および標準偏差に基づいて前記中和度を制御することにより前記調製工程を行うことが好ましい。
上記本発明の洗剤粒子の製造方法において、調製工程において、粉末化工程で得られた粉末混合物の全重量に対して0〜10重量%のノニオン界面活性剤および/またはポリエチレングリコールを前記アニオン界面活性剤酸前駆体と前記無機アルカリビルダーと共に混合することが好ましい。
本発明は、アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとを中和混合するに際し、ペースト状混合物の中和度を特定の範囲に制御するので、後工程の粉末化工程および造粒・整粒工程に悪影響がなく、かつ、最終製品の洗剤粒子の溶解性が良好であるように洗剤粒子を製造することができる。
以下、本発明について、各工程毎に説明する。
(1.調製工程)
本工程は、アニオン界面活性剤酸前駆体と、該アニオン界面活性剤酸前駆体を中和するために必要な量以上の無機アルカリビルダーとを混合し、混合時の負荷データに基づいて中和度が50〜90%になるようにペースト状混合物を調製する。
本工程におけるアニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとの混合に用いられる混合装置としては、混合槽を有し、この混合槽の内部に攪拌軸が備えられ、この軸に取り付けられた攪拌羽根の回転により粉末の混合を行うミキサーが用いられる。このようなミキサーとしては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、フローシェアーミキサー(太平洋機工(株)製)、アイリッヒミキサー(Eirich社製)等が挙げられるが、特に好ましくはアイリッヒミキサーである。
本工程で用いられるアニオン界面活性剤酸前駆体としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルファオレフィンスルホン酸、脂肪酸などが挙げられ、特にアルキルベンゼンスルホン酸が好ましい。ここで挙げた各化合物の炭素数および分岐数については特に限定はなく、一般的に公知のものが使用可能であり、例えば、炭素数10〜16の直鎖のものが挙げられる。
このアニオン界面活性剤酸前駆体は、最終生成物である洗剤粒子中の配合量が60重量%以下になるような量で配合され、さらに好ましい配合量は、30〜50重量%である。配合量が60重量%を超えると、粒子径が1700μmを超える粗粒子が出来やすくなり、後工程で用いられる粗粒子粉砕機の負荷が高くなる。
無機アルカリビルダーとしては、炭酸水素ナトリウム、軽質炭酸ナトリウム、重質炭酸ナトリウムの粉砕品、過炭酸ナトリウムなどの炭酸塩等が好ましく、より好ましくは、粒径25〜500μmの軽質炭酸ナトリウム、さらにより好ましくは、粒径45〜250μmの軽質炭酸ナトリウムである。
アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとの混合比は、モル比で2:1〜1:2であることが好ましく、より好ましくは、2:1〜2:3であり、さらにより好ましくは、1:1〜2:3である。無機アルカリビルダーの比率が、中和等量より少なくなると中和に必要な量を下回ることになり、未中和のままの酸状態でアニオン界面活性剤酸前駆体が残存することになる。また、無機アルカリビルダーが中和等量の4倍を超える量になると最終生成物である洗剤粒子の溶解性が著しく悪化する。
本発明では、調製工程で、アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとを混合して得られるペースト状の混合物の中和度を50〜90%に制御する。これにより、最終製品の洗剤粒子の溶解性を良好にし、かつ、後の製造工程を安定して行うことができる。ペースト状の混合物の中和度のより好ましい制御範囲は、60〜80%である。ペースト状の混合物の中和度が50%未満であると、未中和のアニオン界面活性剤酸前駆体の残量が多く、このため、後工程の粉末化および造粒で、過剰のアニオン界面活性剤酸前駆体がバインダーとなり、この状態で造粒工程を行うと、適切な造粒時間を確保することができず、粗粉が多い均一性に欠けた粉体が生じることとなる。これにより、急激なミキサーの過負荷を引き起こす原因となり製造条件が難しくなる。一方、中和度が90%を超えると、圧密された硬い粘性混合物が得られることから、粉末化が難しくなり、この結果、最終製品の粒子の溶解性に悪影響を与えることになる。
上記のように、中和度を制御できなければ、工程上にも最終製品にも影響が生じることから、ノンスプレープロセスを用いる本発明の方法において、中和度を制御することが重要である。
中和度を制御する方法としては、アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーを混合する際の負荷データについて、混合経過時間と一定時間毎の負荷値の平均との変化に関するグラフを予め作成し、さらに、別の測定により該負荷値と中和度との関係を求め、実際に調製工程を行ったときに負荷値の平均の変化をリアルタイムに算出し、負荷値の平均に基づいて中和度を50〜90%に制御することが好適である。
負荷値から直接中和度を推定することは一般的に不可能であることから、経過時間毎の中和度の測定は、別法により求めている。この中和度の測定方法については、JIS K 3362を準用して、COガスの発生量から未中和のアニオン界面活性剤酸前駆体の量を推定し、これにより中和度を求めることが理論上可能である。
図1には、アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとの混合経過時間を横軸にし、負荷値の平均値と標準偏差のそれぞれを左右縦軸にして、経過時間毎にプロットしたグラフを示している。
図1の負荷の平均値の変化を示す曲線(a)から明らかなように、負荷値の平均は、混合開始時0から時間aまでは、徐々に増大し、時間aに至って増大が急激になり、時間aに近づくと、負荷の上昇が徐々に少なくなり、安定化する。
また、別途行うCOガスの発生量の測定により、中和度が50%に達するのは時間aの時点であり、中和度が90%に達するのは時間aであることが求められ、この結果、図1のグラフ中、時間aから時間aに至る区間Bで、混合時間を制御すれば、中和度50〜90%に制御することができる。
実際の調製工程では、一定時間毎にCOガスの発生量を追跡することは困難であるので、曲線(a)に示す負荷値の平均が時間経過に対して常時、正の傾きを有することから、時間aの時に負荷値の平均がYに至ったことを中和度が50%に至ったとみなし、また、時間aの時に負荷値の平均がYに至ったことを中和度が90%に至ったとみなすことにより、中和度を50〜90%に制御することができる。
さらに、負荷値の標準偏差を示す曲線(b)を参照すると、負荷値の標準偏差は、混合開始時0から時間aまでは徐々に増大し、時間a付近で極大になった後、徐々に下降し、少なくとも時間aに到達するまでには、安定化する。
すなわち、負荷の標準偏差の曲線(b)は、中和度が50〜90%になる時間a〜aの区間B内に極大値を有する山形の曲線となる。これを利用して、時間a4の時の標準偏差Sと標準偏差の極大値Sにより、負荷値の標準偏差がS〜Sになったことに基づいて中和度を少なくとも50〜90%の範囲に制御することができる。したがって、上記負荷の平均値および標準偏差の両方に基づくことにより、より確実に中和度を50〜90%に制御することができる。
時間幅としては、データの分解能によっても変わることから、特に限定はないが、例えば、10秒間に5回のデータが解析可能な状態である場合には、各10秒内の5回の負荷値の平均と標準偏差を算出し、制御値として利用することにより、測定値のバラツキを小さくすることが可能となる。ただし、一定区間の時間幅を長くしすぎると、得られる曲線の特徴が失われる。
また、本工程では、生産性の観点から中和混合に要する時間は、900秒未満であることが好ましく、より好ましくは、720秒未満である。このために、ノニオン界面活性剤および/またはポリエチレングリコールを必要に応じて添加することにより中和の反応を促進することが可能となる。その添加量は、後の粉末化工程で得られる粉末混合物の予定全重量に対して0〜10重量%になるように配合され、好ましくは、4.0〜8.0重量%である。ノニオン界面活性剤および/またはポリエチレングリコールの配合量が少なすぎると、反応性の促進効果が乏しく、10重量%を超えると、配合量が多すぎて、後の工程でバインダーとして作用し、粒状化や造粒が難しくなるという問題が生じる。
本発明で用いることのできるノニオン界面活性剤としては、炭素数8〜24の高級アルコール、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸アミド、アルキルフェノール等の活性水素を有する化合物を、n−パラフィン、α−オレフィンを酸化して得られるアルキレンオキシドに付加して得られるアルキレンオキシド付加物(例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(RO(CHCHO)H等)などが用いられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが用いられる。炭素数は10〜18が好ましく、より好ましくは、炭素数12〜14の直鎖または分岐鎖であり、1級または2級のアルコールのエチレンオキシド平均付加モル数は6〜60であることが好ましく、より好ましくは8〜12である。
また、ポリエチレングリコールの分子量は、好ましくは、3000〜30000であり、より好ましくは、6000〜10000である。使用時の形態については特に限定はないが、加熱溶融したペース状のものが中和物中でより速く均一化することができるので好ましい。最終製品の溶解性に影響を与える可能性が高いことから、ノニオン界面活性剤およびポリエチレングリコールの両方が配合される場合に、ポリエチレングリコールの好ましい配合量は、純分で5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
また、以上に説明した各成分に加えて、他のアニオン界面活性剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、脂肪酸、粉石けん、蛍光剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の公知の成分を必要に応じて配合することもできる。
(2.粉末化工程)
本工程は、上記調製工程にて得られたペースト状混合物に吸油性微粉末を加えて粉末化する工程である。
本工程は、上記調製工程に記載したミキサーを用いて実施される。この場合、調整工程に用いたミキサーにより引き続いて実施されても、別のミキサーに加えるようにしてもよい。本工程の粉末化工程により、粉末化された微粉末は、下記式により表される粗粉率が20%未満になるように行われることが好ましく、より好ましくは、10%未満である。
ここで、粗粉率の測定には、例えば、エンデコット・リミテッド製の篩振とう機が用いられ、目開き1700μmの篩で5分間振とうした後、篩上の粗粒子の割合を下記式により、算出することにより求められる。
Figure 2006282954
本工程に用いられる吸油性微粉末としては、結晶性アルミノケイ酸塩、二酸化ケイ素、またはそれらの混合物などが挙げられるが、特に、結晶性アルミノケイ酸塩が好ましい。結晶性アルミノケイ酸塩は、A型の合成ゼオライトで平均粒径が0.5〜7.0μmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜5.5μmである。
本工程の粉末化工程で得られる粉末は、150μm以下の微粉末を15%以上含むことが好ましく、このような微粉末を20%以上含むことがより好ましい。150μm以下の微粉末の含有量が15%未満であると、後の造粒・整粒工程での造粒が難しくなる。
(3.造粒・整粒工程)
本工程は、上記粉末化工程にて得られた粉末にバインダーを加えて粉末を造粒化し、さらに、得られた粉末に吸油性微粉末を加えてその混合物を整粒する。
本工程は、上記調製工程および粉末化工程に用いたミキサーにより引き続いて実施される。
本工程に用いられるバインダーは、70℃以下の温度条件下で流動性のある液状の性質のある原料であれば、特に限定されない。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。
また、本工程で用いられる吸油性微粉末は、上記粉末化工程で説明したものが挙げられ、上記の粉末化工程で加えたものと同じものを本工程で加えてもよいし、他種のものを加えてもよい。
また、本工程では、上記成分に加えて、粉石けん、蛍光剤、香料、色素、酵素、重質炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤等の公知の成分を必要に応じて配合することができる。
次に、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定するものではない。
ソーダ灰(軽灰)(セントラル硝子(株))、アルキルベンゼンスルホン酸(アルキル基の平均炭素数12、純分96重量%)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基の平均炭素数12、エチレンオキシド平均付加モル数10)、PEG6000S(三洋化成工業(株))をアイリッヒミキサー(形式:RV15、容量750L)に投入し、パン:18rpm、アジテーター:320rpmで投入した混合物を混合し、その際に要する負荷データについて、混合経過時間と一定時間毎の負荷値の平均と標準偏差との関係を示すグラフを作成した。図2は、その結果を示すグラフである。また、別途経過時間毎に、JIS K 3362を準用して、COガスの発生量を測定し、これに基づいて、各時間毎の混合物の中和度を算出した。その結果、図2に示すグラフにおいて、400〜800秒の区間Bにおいて中和度が50〜90%になることが分かった。
(実施例1)
以下の工程(1)〜(3)を順次行うことにより洗剤粒子を製造した。
(工程(1))
ソーダ灰(軽灰)(セントラル硝子(株))、アルキルベンゼンスルホン酸(アルキル基の平均炭素数12、純分96重量%)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基の平均炭素数12、エチレンオキシド平均付加モル数10)、PEG6000S(三洋化成工業(株))をアイリッヒミキサー(形式:RV15、容量750L)に投入し、パン:18rpm、アジテーター:320rpmで、負荷平均2.2kwと負荷標準偏差0.3で終点設定し中和混合を行ったところ、ミキサーが480秒運転された後自動停止した。得られたペースト状混合物の中和度は55%であった。
(工程(2))
引き続いてペースト状混合物に結晶性アルミノケイ酸塩(A型、平均粒径2〜5μm、合成ゼオライト、含水率7重量%)を投入し、パン:10rpm、アジテーター:1200rpmで90秒間混合した。ペースト状混合は解砕され、1700μm以上の粗粉が20%未満である粉末が得られた。なお、工程(1)および工程(2)の全仕込量は300kgであった。
(工程(3))
次に、プローシェアーミキサー(形式WB−75、容量69L)に工程(2)で得られた粉末を投入後、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基の平均炭素数12、エチレンオキシド平均付加モル数10)の存在下、終点負荷10アンペアで運転を開始したところ、造粒時間312秒で自動停止した。これに結晶性のアルミノケイ酸塩(A型、平均粒径2〜5μm、合成ゼオライト、含水率7重量%)を加え、これを整粒することで流動性が良好な洗剤粒子が得られた。
(実施例2〜6、比較例1〜5)
アイリッヒミキサー(形式:RV15、容量750L)では、中和度50〜90%に相当する混合経過時間(図1の区間B)は、負荷平均値を2.0〜3.0kw、負荷の標準偏差を0.10〜0.40の範囲で設定することにより中和度を制御することができる。実施例2〜4および比較例1〜3では、工程(1)における中和度と、得られた最終製品の粗粉率および溶解性との関係について比較した。その結果を表1に示す。
また、実施例1,5,6および比較例4、5については、負荷の平均値および標準偏差の設定値を種々変更した場合の最終製品の中和度を比較した。その結果を表2に示す。
Figure 2006282954
Figure 2006282954
上記各表において、各成分の数値は、重量%を表している。また、表中、アルキルベンゼンスルホン酸は、アルキル基の平均炭素数が12であり、純分は96重量%であり、軽質炭酸ナトリウムは、実質上無水であり、粒子径が45〜250μmのものである。また、結晶性アルミノケイ酸塩は、A型の合成ゼオライトであり、含水率が7重量%、粒子径が2.0〜5.0μmのものが90%を占めるものである。
次に、実施例1〜6および比較例1〜5の各工程後または最終の洗剤組成物の性状に関する下記各項目の評価は以下の通りである。
(中和度)
JIS K 3362に規定されている炭酸塩の定量法を準用して、工程(1)で得られるペースト状混合物を無水エタノール中で、炭酸塩と完全に反応させ、発生する炭酸ガスの量から理論的に中和度(%)を算出した。
(粗粉率)
篩振とう機(エンデコット・リミテッド製、型名;オクタゴン200)を用いて、工程(2)での目開き1700μmの篩で5分間振とうした後、篩上の粗粒子の割合を次式から算出した(%)。
Figure 2006282954
○:粗粉率が20%未満
×:粗粉率が20%以上
(溶解性テスト)
9.5cm×7.0cmのティーパック用パックに洗剤組成物を10g入れ、漏れないようにパック開口部をステーブルで閉じる。これを5個/1サンプル準備し、シャープ(株)製の二槽式洗濯機SHARP ES−25Eの洗濯槽内で5℃に調整した水道水30L中に静かに投入した。投入後5分間静置し、標準運転で15分間攪拌した後、組成物入りパックを脱水槽で1分脱水し、乾燥機に投入し、105℃で1時間乾燥した。乾燥後の組成物入りパックの重量から、下記式によって、溶解性(%)を算出した
Figure 2006282954
○:溶解性が95%以上
×:溶解性が95%未満
表1に示す結果により、工程(1)における中和度が50〜90%の範囲である実施例1〜4では、粗粉率および溶解性の双方について良好な結果が得られた。他方、中和度が50%に満たない比較例1(40%)では、粗粉率が20%以上となり好ましくない結果が得られた。また、中和度が90%を超える比較例2および3(92%)では、溶解性が95%未満となり好ましくない結果が得られた。
これらの結果から、粗粉率を低減し、かつ、溶解性を向上させるためには、ペースト状の混合物の中和度を50〜90%に制御することが必要であることが分かった。
次に、表2に示す結果により、負荷の平均値が2.0〜3.0kwの範囲である実施例1、5、6では、工程(1)における中和度が50〜90%に制御された。一方、負荷の平均値が2.0kwに満たない比較例4(1.8kw)では、中和度も50%に満たなかった(40%)。また、負荷の平均値が3.0kwを超える比較例5(3.5kw)では、中和度も90%を超えた(92%)。
これらの結果から、負荷の平均値を所定範囲に制御することにより、中和度を50〜90%に制御することができることが分かった。
アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとの混合経過時間を横軸にし、負荷値の平均および標準偏差のそれぞれを縦軸にして、経過時間による負荷値の平均および標準偏差の変化を概略的に説明するグラフである。 アニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーとの混合経過時間を横軸にし、負荷値の平均値と標準偏差のそれぞれを縦軸にして、各経過時間毎にプロットしたグラフである。

Claims (3)

  1. (1)アニオン界面活性剤酸前駆体と、該アニオン界面活性剤酸前駆体を中和するために必要な量以上の無機アルカリビルダーとを、中和度が50〜90%になるように混合してペースト状混合物を調製する調製工程と、
    (2)調製工程にて得られたペースト状混合物に吸油性微粉末を加えて粉末化する粉末化工程と、
    (3)粉末化工程にて得られた粉末にバインダーを加えて造粒化し、得られた粒状物に吸油性微粉末を加えて該粒状物を整粒する造粒・整粒工程と
    を包含することを特徴とする洗剤粒子の製造方法。
  2. ミキサーを用いてアニオン界面活性剤酸前駆体と無機アルカリビルダーを混合する際に要する負荷値について、混合経過時間と一定時間毎の負荷値の平均および標準偏差との関係を示すグラフを予め作成し、さらに、該負荷値の平均および標準偏差と中和度との関係を求めておき、該負荷値の平均および標準偏差に基づいて前記中和度を制御することにより前記調製工程を行う、請求項1に記載の洗剤粒子の製造方法。
  3. 調製工程において、粉末化工程で得られた粉末混合物の全重量に対して0〜10重量%のノニオン界面活性剤および/またはポリエチレングリコールを前記アニオン界面活性剤酸前駆体と前記無機アルカリビルダーと共に混合する、請求項1または2に記載の洗剤粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010067736A1 (ja) * 2008-12-09 2010-06-17 花王株式会社 洗剤粒子群の製造方法
CN106573729A (zh) * 2014-08-07 2017-04-19 阪东化学株式会社 传送带、传送带的制造方法、以及橡胶组合物

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