JP4514435B2 - 粒状洗剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、簡単な製造工程によって、広い範囲の嵩密度を持った洗剤粒子を効率良く製造することができる粒状洗剤の製造方法に関する。
現在の粒状洗剤の製造方法としては、洗剤スラリーを噴霧乾燥する工程を含む製造方法が主流であるが、エネルギー消費や環境へ与える影響の面から、噴霧乾燥を必要としない製造方法(ノンタワープロセス)が求められている。
従来における噴霧乾燥を必要としない粒状洗剤の製造方法としては、例えば、洗浄作用成分たるスルホン酸と炭酸ナトリウムと水とを強力な剪断装置で混合し、得られた固体物質を40℃以下に冷却してから微粉砕し、その結果得られた微粉を粒状化する方法(特許文献1参照)が知られており、また、高速ミキサー/造粒機中で55℃以下の温度で乾式中和後、液体バインダーを添加して粒状化する洗剤組成物の製造方法(特許文献2参照)が知られている。
更に、高速ミキサー/造粒機中で55℃以上の温度で乾式中和後、引き続き液体バインダーの存在下で造粒する洗剤粒子の製造方法(特許文献3参照)や、高速ミキサーデンシファイヤー中に、液体のアニオン界面活性剤の酸と粒状アルカリ無機物質を連続的に供給し、平均滞留時間5〜30秒、ミキサー内の粉末の含水率が5〜15%である単一ステップによる洗剤粒子の製造方法(特許文献4参照)が知られている。
更にまた、本願出願人によるアニオン界面活性剤の液体酸前駆体の水性スラリーを粒状アルカリ無機物質に少なくとも一部を含浸させた後、中和造粒を単一ステップで行う洗剤粒子の製造方法(特許文献5参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1に記載される製造方法では、中和反応生成物が団子状であり、中和反応を生起させるのに必要な極めて大きいエネルギーを供給できるニーダーのような混練装置を必要とする点に課題があり、上記特許文献2に記載される製造方法では、中和段階全体に渡って55℃以下に維持することが不可欠であり、冷却及び酸の添加速度を規定する等の煩雑な操作を要する点に課題がある。
また、上記特許文献3に記載される製造方法では、中和反応を促進するための水を加えないため、中和反応の進行が緩慢であり中和に数分間を要するという点と、洗剤粒子を得るまでに幾つかの処理ステップを含むという点に課題がある。
更に、上記特許文献4に記載される製造方法では、粉末の含水率が厳密に限定されており、含水率は原料の持ちこみ水分により左右されるため、使える原料の種類や量に自由度が狭いという課題を抱えており、また、上記特許文献5に記載される製造方法では、中和反応を促進するための水を加えないため、中和反応の進行が緩慢であり中和造粒に数分間を要すことから、嵩密度が0.7以上の比較的粗い粒子が形成される点に若干の課題がある。
一方、近年では、エネルギー消費や環境へ与える影響の面から、上述の如く、噴霧乾燥を必要としないノンタワープロセスへの移行が更に求められると共に、設備投資抑制、設備維持及び運転適正等の面から、更なるノンタワープロセスの簡素化及び多用性が求められるようになってきている。
また、洗剤市場では、包装材料費や輸送費の削減のために、粉末洗剤の高嵩密度化が進む一方で、アジア市場等では、手で洗う習慣が残っており洗剤の使用量も手で測り取ることが多く、嵩密度が低目の視覚的に割得感のある嵩密度0.4〜0.7g/cm3となる、いわゆる中嵩密度のニーズが依然として高いのも現状である。
特開昭60−72999号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平3−33199号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平4−363398号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平5−86400号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平11−172279号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、従来の簡素化されたノンタワープロセスにおいて、更に、中和反応をより速やかに行うことで、広い範囲の嵩密度を持った洗剤粒子、特に中嵩密度の粒状洗剤を効率良く製造することができる粒状洗剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等について鋭意検討した結果、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し特定量の水を添加混合する工程を経て、その混合物を攪拌翼及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機内で、特定範囲となる攪拌翼の先端速度で、少なくとも当量以上の粒状アルカリ無機物質と中和反応を生起させる工程を含むことにより、上記目的の粒状洗剤の製造方法が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。
(1)アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し5〜50質量%の水を添加混合する工程を経て、その混合物を攪拌翼及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機内で、1〜15m/secの攪拌翼の先端速度で少なくとも当量以上の粒状アルカリ無機物質と中和反応を生起させる工程を含むことを特徴とする粒状洗剤の製造方法。
(2)嵩密度が0.4〜0.7g/cm3であることを特徴とする上記(1)記載の粒状洗剤の製造方法。
本発明によれば、中和反応をより速やかに行うことができるので、外観及び溶解性に優れると共に、広い範囲の嵩密度を持った洗剤粒子を効率良く製造することができる粒状洗剤の製造方法が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の粒状洗剤の製造方法は、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し5〜50質量%(以下、「質量%」を単に「%」という)の水を添加混合する工程を経て、その混合物を攪拌翼及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機内で、1〜15m/secの攪拌翼の先端速度で少なくとも当量以上の粒状アルカリ無機物質と中和反応を生起させる工程を含むことを特徴とするものである。
本発明に用いるアニオン界面活性剤の酸前駆体(以下、単に「酸前駆体」という場合がある)としては、例えば、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、α−オレフィンスルホン酸、脂肪酸アルキルエステルスルホン酸などが挙げられ、これらは一種(単独)又は2種以上の混合物として用いることができる。
これらの酸前駆体は、安定性の点から、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸(以下、「前駆体LAS」という)が特に好ましい。
なお、上記酸前駆体に酸を中和した塩或いはその水溶液及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルコールエトキシレート等のノニオン界面活性剤スラリーを混合し使用することもできる。このノニオン界面活性剤の添加に伴い、更に、溶解性、洗浄力、低泡性等の向上効果が期待できる。
また、界面活性剤の含有率は、洗浄力と経済性のバランスの点から、界面活性剤を最終の組成物となる粒状洗剤全量に対して、10〜40%含有することが好ましい。
本発明において、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し、5〜50%の水(上水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等)を中和反応前に添加することで、中和反応を速く行うことができる。好ましくは、10%以上、より好ましくは、20%以上とすることが望ましい。
中和反応前の水の添加量が5%未満では、中和をより速やかに行うには不充分であり、また、水の添加量を5%以上、好ましくは、10%以上、より好ましくは、20%以上とすることで、解離する酸の量が増加し中和反応がより速やかに行われる。但し、この水の添加量が50%を超えると、洗剤中の水分が高すぎるため、造粒機壁面及び撹拌翼への付着が生じるなど製造に支障をきたす場合があり、好ましくない。更に、造粒後の輸送工程、例えば、排出口やベルトコンベアのベルト面への付着などを考慮すると、水の添加量を40%以下とすることが好ましく、より好ましくは30%以下とすることで粉体の付着性を低減でき製造しやすい物性を得やすくなる。
本発明において、アニオン界面活性剤の酸前駆体と添加する水とは、充分な混合を行うことが必要である。このような混合方法としては、例えば、槽を用いる場合は攪拌機を用い、槽を用いない場合は、ラインホモミキサー、セミオープンインペラーの渦巻きポンプ等のインラインミキサーを用いることができる。
与える攪拌仕事量としては、単位体積当り45kJ/m3以上、好ましくは、70kJ/m3以上であれば良い。この値は、下記式(I)で表されるの永田式〔撹拌技術451頁〜452頁、佐竹化学工業(株)編、1992年12月18日〕によって算出した動力P(kW)に、均一混合に至るまでに要した時間(sec)を乗じて、仕事量(kJ/m3)に換算した値である。
この撹拌仕事量が45kJ/m3未満では、酸前駆体中に水が不均一に存在し、解離する酸の量が減少してしまい、中和反応が緩慢になる恐れがあり、中和反応を完結させるために撹拌時間を長くする必要があり、結果として後述する撹拌距離が長くなることから0.4〜0.7g/cm3の中嵩密度の洗剤粒子、好ましくは、0.4以上0.7g/cm3未満、更に好ましくは、0.4〜0.65g/cm3の中嵩密度の洗剤粒子を得がたくなる。
Figure 0004514435
本発明において、上記アニオン界面活性剤の酸前駆体と添加する水との混合時の温度は、特に制御することを必要としない。原料の持ちこみ温度に、混合時の発熱が加わって、80℃を越える場合もあるが、その後の造粒工程に何ら支障をきたすものではない。但し、中和反応を生起させる工程においては水を添加した酸前駆体の温度は高い方がより反応が進みやすい。しかし、温度が高すぎると設備の腐食性が高くなること、また取り扱いに注意する必要があることなどから好ましくない。したがって、水を添加した酸前駆体の温度は、35〜80℃が好ましく、更に好ましくは、40〜70℃がより望ましい。
アニオン界面活性剤の酸前駆体に事前混合する上記範囲となる5〜50%の水としては、他の液体成分、例えば、界面活性剤スラリー、蛍光剤スラリー、ポリマー水溶液等と混合する場合、その液体成分が持ち込む水として加えられていてもよいものである。
本発明において、アニオン界面活性剤の酸前駆体と粒状アルカリ無機物質のモル比は、アニオン界面活性剤の液体酸前駆体に対し、当量以上の粒状アルカリ無機物質が必要である。このアニオン界面活性剤の液体酸前駆体に対し、当量以上の粒状アルカリ無機物質により完全に中和する。好ましくは、2〜8倍当量の粒状アルカリ無機物質にて中和することが好ましい。
1倍当量の粒状アルカリ無機物質においても、中和は可能であるが、反応完結をスムーズに行うために、2倍当量以上が好ましく、8倍当量以上のアルカリ剤の使用は、他の機能成分の配合量の減量に繋がるため、好ましくない。
本発明に用いる粒状アルカリ無機物質としては、任意の粒状アルカリ無機物質を単独で又は二種以上の組合せて使用できる。
用いることができる粒状アルカリ無機物質としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸塩、炭酸カリウムナトリウム等の複塩、珪酸ナトリウム等の珪酸塩が挙げられる。
好ましくは、洗剤のアルカリビルダーとしての機能を考慮し、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩の使用が特に好ましい。
本発明では、上記粒状アルカリ無機物質に加えて、任意の洗剤ビルダーを単独で又は二種以上の組合せて使用できる。
用いることができる洗剤ビルダーとしては、例えば、ゼオライト、ホワイトカーボン、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの無機物質、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩等の有機ビルダー、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸の共重合体等のポリマー、蛍光剤等の性能向上剤などが挙げられる。
また、これらの成分が液体水溶液で与えられる場合、粉体層又は酸前駆体に代表される液体成分に混合しても良い。
本発明において、中和反応を生起させる工程で用いる装置としては、攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機を使用することが必要である。
この装置の使用により、マクロな混合と共に、ミクロ的な剪断混合を行うことで、中和反応がより速やか進行することができる。剪断機能を備えないミキサー/造粒機では、中和反応が速やかに進行することができず、目的の粒状洗剤を得ることができないものとなる。
本発明方法では、上記攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機内で、攪拌翼の先端速度(周速:u)が1〜15m/secの範囲で中和、造粒を行うことが必要である。この撹拌翼の先端速度が1m/sec未満では、造粒機内の粉体の流動が充分に行われず速やかな混合、造粒を行うことができない。また、この撹拌翼の先端速度が15m/sec超過では粉体が撹拌翼と共回りしてしまい造粒を効率的に行えない。更に高速にすると一般的に高速ミキサーと同様な機能を示すこととなるが、この場合個々の原料粒子の凝集さらに造粒といった作用が行われにくいため粒度が大きくならず外観が悪く、また流動性の非常に悪い混合物(造粒物)となる。
本発明において、攪拌翼の先端速度(u)が上記1〜15m/secの範囲内であれば、攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機は、その構造等は特に限定されるものではない。
例えば、ミキサーの攪拌軸が水平方向のものと、垂直方向のものとのいずれも使用可能であり、特に好ましくは、水平方向のものが望ましい。
本発明では、剪断機の存在が重要な構成要素の一つと成っており、水平方向のものの方が、垂直方向のものと比較すると、剪断機の周辺、いわゆる円周方向に粉が集まりやすく、剪断機との接触率がより高くなるという点から、より有効に働くからである。
上記攪拌翼の先端速度(u)が1〜15m/secの範囲となる中速範囲内での運転に適したミキサー等の代表例として、具体的には、攪拌軸が水平方向のものとしては、市販の(株)マツボー社のLodige FKM型/KM型シリーズ、太平洋機工社のプロシェアーミキサーWB型/WA型等が挙げられ、また、攪拌軸が垂直方向のものとしては、深江工業社のハイスピードミキサー等が挙げられる。
本発明において、中和前粉体の混合状態としては、ミキサーに粉体原料を投入後、充分な攪拌混合を行ない、粉体を均一化させておくことが好ましい。この充分な攪拌混合を行うことにより、粉体層に適量の空気を含有させて、粉体層へ酸前駆体が含浸しやすくなり、中和反応をより速く行うことができる。
上記攪拌混合の時間としては、攪拌の回転速度によって異なるので、攪拌翼の周速(u、m/sec)と攪拌時間(sec)の積である攪拌距離(m)として表わすと、20m以上の攪拌が必要であり、好ましくは、60m以上、より好ましくは、120m以上とすることが望ましい。
また、剪断機(チョッパー)は、停止しても構わないが、1000rpm以上で、好ましくは、3000rpm程度で稼動させた方がより効果的である。
本発明において、液体成分の添加は、与える攪拌距離によって生成物の嵩密度が異なることとなるので、中和造粒を連続式で行う場合に限り、目標とする攪拌距離に対応する装置内滞留時間に合うよう、固体成分も含め、速度を制御する必要がある。また、バッチ式、連続式を問わず、粉体を攪拌しながら液体成分を添加する場合は、液体成分を粉体の存在する位置に添加する必要がある。
これらの点を勘案すると、バッチ式で且つ静置した粉体層に添加し、少なくともその一部が粉体層に含浸した後に、攪拌混合を始めるという方法を採れば、液体の添加速度や添加位置を制御する必要がなく、非常に簡素なプロセスでの生産を実現することができるものとなる。
本発明において、上記中和造粒条件としては、攪拌翼の回転速度として、攪拌軸が水平方向のものの場合、Fr(フルード)数を1.5〜3.0の範囲にすることが好ましい。ここで、Fr数とは、攪拌翼の周速u(m/s)、半径r(m)との関係により表わされる数で、Fr=u/(9.8×r)0.5で表わされる。
上記Fr数が1.5未満の攪拌では、攪拌効率が悪く、均一な粒子が得られるまでに時間がかかり、効率的ではない。また、Fr数が3.0を越える攪拌では、粉体が壁面に沿って攪拌翼と共回りしてしまうため、同様に効率的ではない。
また、攪拌軸が垂直方向のものの場合は、ほぼ同様な理由により、攪拌翼の先端速度が1〜15m/sec、好ましくは、5〜10m/secの範囲が望ましい。
更に、中和造粒条件における撹拌時間としては、回転速度によって異なるため、前述の攪拌距離(撹拌翼の周速×撹拌時間)として表わすと、40m以上が必要であり、好ましくは、60〜3000mとすることが望ましい。この撹拌距離が40m未満の攪拌では、造粒の進行が不足し、洗剤としての外観が悪いだけでなく、発塵も多い粉となる。また、3000mを越える攪拌では、性状的には問題ないが、高嵩密度化もほぼ終了しており、それ以上の攪拌を行うことにあまり意味を持たない。
特に嵩密度が0.4〜0.7g/cm3、好ましくは、0.4以上0.7g/cm3未満、特に好ましくは、0.4〜0.65g/cm3のいわゆる中嵩密度洗剤を製造する場合の撹拌条件としては、撹拌距離は40〜500mが好ましく、更に40〜250mがより好ましい。これは撹拌距離が長くなると、個々の粒子が造粒機壁面を転がる際に粒子の表面に圧力がかかり徐々に個々の粒子の密度が高くなってくるため洗剤の嵩密度が高くなってしまうからである。
また、剪断翼の回転速度としては、1000rpm以上が好ましい。この剪断翼の回転速度が1000rpm未満では、造粒の進行及び粗粉の解砕が共に不足し、その結果、微粉及び粗粉が共に多く、洗剤粒子としての外観が劣ることとなる。従って、1000〜6000rpmとすることがより好ましく、特に、3000rpm程度が望ましい。
本発明において、中和造粒時の温度は、特に制御することを必要としない。原料の持ちこみ温度に中和時の発熱が加わって、概ね40〜80℃になるが、この温度では中和造粒工程に何ら支障をきたすものではない。
また、装置への充填率においても、中和造粒に関して大きな影響を与える因子ではなく、各装置毎の一般的な範囲内での使用であれば問題ない。例えば、前記(株)マツボー社のLodigeミキサーシリーズでは、20〜70%程度である。
本発明では、上記中和造粒で得られた粒子を、目標品質に応じて、粉砕する工程を付加することもできる。この粉砕工程で用いる装置等としては、目標粒度によって異なるが、カッターミルが適しており、代表的なものとして、市販のフィッツミル(Fitz−Mill、ダルトン社製)、スピードミル(岡田精工社製)、クイックミル(セイシン企業社製)、パワーミル(ダルトン社製)、コミニューター(ダルトン社製)、ロートプレックス(ホソカワミクロン社製)等が挙げられる。また、粉砕前後の粒径に応じて、スクリーンサイズと回転数の両方を変更でき、調整幅の広いものを使用することが特に好ましい。
本発明では、得られた洗剤粒子の性能を更に向上させるために、流動性向上剤、酵素、香料、着色剤等を添加する工程を付加しても良い。
用いることができる流動性向上剤としては、洗剤中でのカルシウム捕捉能を考慮し、ゼオライトの使用が好ましい。また、流動性向上剤の添加の際、ノニオン界面活性剤等をバインダーとして噴霧すると、洗剤粒子に対して、しっかりとコーティングがなされるため、効果的である。その際のバインダーの添加量としては、洗剤組成全量に対して、0.3〜2%程度が良い。
また、中嵩密度の中でも、低目の嵩密度を目標生成物とする場合は、ホワイトカーボンや炭酸マグネシウムなどの嵩密度の低い粉体原料を、洗剤組成全量に対して、2〜5%程度添加すると効果的である。このホワイトカーボンの添加を行う際は、中和造粒前に添加しておく方が、発塵の面からは有利である。
更に、ポストアディションとして、炭酸ナトリウムや噴霧乾燥にて得た洗剤粒子を添加することもできる。
上記添加する工程としては、造粒後同ミキサー内にて添加混合する方法、または、生成物を別の混合機に移した後に添加混合する方法のどちらでも良い。
これらの場合、好適な混合機としては、洗剤粒子に対して圧密がかかりづらい混合機が好ましく、例えば、転動ドラムやリボンミキサー及び遊星式ミキサー等が挙げられる。
本発明によって得られる洗剤粒子の嵩密度は、組成によっても異なるが、0.4〜1.2g/cm3と広範囲に渡るものである。
本発明により得られる嵩密度領域が広がったのは、中和が短時間で終了することで、従来の方法と比較し攪拌距離が短くても造粒が可能になったため、攪拌距離の選択の範囲が広がったためである。
攪拌距離として40m以上、好ましくは、60m程度あれば、好適な洗剤粒子を得ることができる。
本発明において、嵩密度が低目の視覚的に割得感のある嵩密度0.4〜0.7g/cm3、好ましくは、0.4以上0.7g/cm3未満、特に好ましい0.4〜0.65g/cm3のいわゆる中嵩密度の粒子を得るためには、中和造粒の攪拌距離が40〜500m、更に好ましくは、40〜250m程度の比較的短い領域で造粒すればよい。また、中嵩密度の粒子を得るためのその他の条件としては、中和造粒前の粉体混合時の攪拌距離を長くすることが好ましい。この攪拌距離が40〜500mとなる領域では、中和反応の完了と初期の造粒段階であり、粒子の形状が一定していない、すなわち多孔質な粒子に成っているためであると推察される。また、この攪拌距離が40〜500mとなる領域での造粒を行う場合は、より速く中和を行うために、酸に対し20%以上の水を添加することが好ましい。また、組成面では、ホワイトカーボンや炭酸マグネシウムなどの嵩密度の低い粉体原料を2〜5%添加することも効果的である。
上記攪拌距離を長くして行くと、粒子形状が均一化され、高嵩密度化が進行して行くこととなる。攪拌距離が3000m程度で高嵩密度化も完了し、それ以上の攪拌を与えてもあまり意味を持たないものである。
このように構成される本発明では、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対し5〜50%の水を添加混合する工程により、少なくともその一部を中和反応前に解離させておき、攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機内で1〜15m/secの攪拌翼の先端速度で少なくとも当量以上の粒状アルカリ無機物質とをマクロな混合と共に、ミクロ的な剪断混合を行うことで中和反応がより速やかに進行する。これにより、適度な空隙を持った多孔質な洗剤粒子、すなわち、水との接触面積が大きい粒子が生成し、また、酸への水添加により洗剤自体の含水率も上昇することも併さって、溶解性に優れた洗剤粒子が得られるものとなる。
また、本発明では、中和反応前にアニオン界面活性剤酸前駆体に対し、特定量の水を添加した後、充分な混合を施し、少なくともその一部を中和反応前に解離させておくことで、攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機において、中和反応をより速やかに行うことができ、中和造粒時間の選択の幅が、短時間から長時間迄広がり、中和造粒時間を調整することで、嵩密度が比較的低い物から、高密度化された物まで、多様な洗剤粒子をワンステップで製造することができる。
更に、アニオン界面活性剤の酸前駆体を含む液体成分の添加方法として、静止させた状態の粉体層に該当液体成分を添加し、少なくともその一部が粉体層に含浸した後に、攪拌混合を始めるという方法を採れば、液体の添加速度等の調整も必要なく、非常に簡素なプロセスで粒状洗剤を製造することができる。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に詳述するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜14及び比較例1〜6〕
下記表1及び表2に示す配合組成、並びに、下記各製造方法により各粒状洗剤を得た。
得られた各粒状洗剤について、下記方法により、嵩密度(BD)、外観及び溶解性の評価等を行った。
これらの結果を下記表1及び表2に示す。
<嵩密度(BD)の測定方法>
BDの測定は、直径110mm、高さ110mmの円筒型ステンレス製カップ(1L型)に試料をサラサラと山盛り状態になるように静かに充填し、ガラス棒で上面を水平になるようにすり切り、天秤を用いて充填されている試料の重量を測定し、同様の操作を3回行い、その平均値をもって求めた。
<外観の評価方法>
外観の評価は、微粉、粗粉の量及び色調を目視にて総合判定し、下記評価基準により評価した。
評価基準:
◎:優れている
○:良い
△:やや良い
×:劣る
<溶解性の評価方法>
溶解性の評価は、三菱電機社製の二槽式洗濯機CW−225(W)型を使用し、20℃に調整した水道水及び被洗布としてアクリルシャツ2枚、ナイロンスリップ2枚、綿シャツ2枚の3種類と重量バランス布として肌シャツ5枚を用い、被洗布の重量を1.5kgとした。被洗布3種類は上部から眺めたときすべての布が見えるように仕込んだ。水量を30リットル、浴比1:20の条件下で被洗布を浸し、洗剤粒子30gで5分間洗濯を行った。
洗濯終了後、被洗布を1分間脱水した後、洗剤組成物の被洗布への付着量を目視で下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:付着物を全く又はほとんど認めないもの
○:付着物をごく僅かに認めるもの
△:付着物を僅かに認めるもの
×:付着物を認めるもの
(実施例1〜2及び比較例1)
攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機として、(株)マツボー社のLodige FKM50D内(表1及び表2中では「A」で表示)に下記の固体成分を供給した。ゼオライトは、純分78%を含み残りは水である粉末で加えた。なお、以下の実施例等においても、同様の粉末を使用した。
炭酸ナトリウム 2.35
ゼオライト(78%) 2.37
トリポリリン酸ナトリウム 0.56 (単位:kg)
この固体成分を、攪拌翼を攪拌速度Fr=2.2〔回転数150rpm、先端速度(u)約3.1m/s〕にて回転させ、20秒間混合を実施した。この時の攪拌距離としては、3.14×20=62.8mであった。
次に、下記液体成分である直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸(前駆体LAS)と水とを別槽にて、73kJ/mの攪拌を与え、十分に混合した。また、使用した直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸(前駆体LAS)は、純分が約96%のものであった。残りの成分としては、約2.2%が未反応の直鎖状アルキルベンゼンで、約1.5%が硫酸であり、その残分が水である。本実施例及び比較例において、酸に対する水添率を表わす場合には、この微量(残分)の水は考慮しなかった。また、以後の実施例等においても、前駆体LASは、上記と同様のものを使用した。更に、添加する水は、精製水を用いた。
実施例1 実施例2 比較例1
前駆体LAS(96%)(kg) 1.69 ⇒ ⇒
水(kg) 0.33 0.49 0.07
対酸水添加率(%) 20 30 4
なお、上記、並びに、下記表1及び表2中における「⇒」の表記は、左に記載の数値と同じ値、上記では、1.69と同じ値となることを示すものである。
次いで、この混合液を上記FKM50D内に静置した粉体層の上に供給した。
その後、少なくともその一部を粉体層に含浸させるための時間として、約10秒放置した後、攪拌速度Fr=2.2〔回転数150rpm、先端速度(u)約3.1m/s〕、剪断速度3000rpmにて20秒間中和造粒を行ない、粒状洗剤を得た。この時の攪拌距離としては、3.14×20=62.8mであった。
条件等の詳細は、下記表1に示す。なお、表1及び表2中の「遊離水分」とは、130℃、20分間で蒸発する水の質量%である。
(実施例3及び比較例2〜4)
この実施例及び比較例は、チョッパー及び酸に水を事前に添加することによる効果を明らかにするためのものである。
上記実施例1と同じ装置であるLodige FKM50D内に下記の固体成分を供給した。
炭酸ナトリウム 1.84
ゼオライト(78%) 2.03
トリポリリン酸ナトリウム 0.48
硫酸ナトリウム 0.33 (単位:kg)
この固体成分を、攪拌翼を攪拌速度Fr=2.2〔回転数150rpm、先端速度(u)約3.1m/s〕にて回転させ、20秒間混合を実施した。この時の攪拌距離としては、3.14×20=62.8mであった。但し、比較例2のみ下記液体成分のうち水のみを混合前に固体成分に加えた。実施例3及び比較例4では、下記液体成分を別槽にて、63kJ/m3の攪拌を与え、十分に混合した。
次いで、上記Lodige FKM50D内に静置した粉体層の上に、比較例2では酸のみを、比較例3ではそれぞれを個別に、実施例3及び比較例4では混合液として、それぞれ供給した。
前駆体LAS(96%)(kg) 1.45
水(kg) 0.28
対酸水添加率(%) 20
その後、少なくともその一部を粉体層に含浸させるための時間として、約10秒放置した後、攪拌速度Fr=2.2〔回転数150rpm、先端速度(u)約3.1m/s〕、剪断速度3000rpmにて20秒間中和造粒を行ない、粒状洗剤を得た。この時の攪拌距離としては、3.14×20=62.8mであった。但し、比較例4では剪断機は停止したままであった。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
(実施例4〜5)
この実施例では、攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機のスケールを大きくした結果を示す。
攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機として、(株)マツボー社製のLodige FKM2000D(表1及び表2中では「B」で表示)内に下記の固体成分を供給した。カルボキシメチルセルロースは、純分70%、水分10%である粉末で加えた。
炭酸ナトリウム 454.9
ゼオライト(78%) 108.8
トリポリリン酸ナトリウム 134.0
カルボキシメチルセルロース 7.1 (単位:kg)
この固体成分を、攪拌翼を攪拌速度Fr=2.2〔回転数88rpm、先端速度(u)約5.1m/s〕、剪断速度3000rpmにて回転させ、40秒間混合を実施した。この時の攪拌距離としては、5.1125×40=204.5mであった。
次に、下記液体成分を別槽にて、79kJ/mの攪拌を与え、十分に混合した。また、分散性を考慮して、蛍光剤CBS粉末は、液体成分に加えた。
実施例4 実施例5
前駆体LAS(96%)(kg) 223.1 ⇒
水(kg) 42.1 19.0
蛍光剤CBS−X(粉末)(kg) 0.5 ⇒
対酸水添加率%) 20 9
次いで、この混合液を上記FKM2000D内に静置した粉体層の上に供給した。
その後、少なくともその一部を粉体層に含浸させるための時間として、約10秒放置した後、攪拌速度Fr=2.2〔回転数88rpm、先端速度(u)約5.1m/s〕、剪断速度3000rpmにて30秒間中和造粒を行ない、粒状洗剤を得た。この時の攪拌距離としては、約153.4m(5.1125×30=153.375)であった。
得られた造粒物に、流動助剤としてゼオライト25.6kgを添加した後、転動ドラムへ空気輸送を実施した。その際の、空気輸送の条件は固気比として0.52kg/m3であり、粉末の供給速度としては、21.8kg/minであった。また、上記空気輸送と同時に空送配管中につないだFitz−Mill(ダルトン社製のFAS012)にて粗粉の解砕を行った。この時、Fitz−Millは、ブレードを回転数2100rpmで回し、スクリーンは8mm径のものを使用した。
次いで、転動ドラム内で前に添加したゼオライトのコーティングを実施し、また新たに酵素1.5kgの添加及び香料2.3kgの噴霧を実施した。転動ドラムは内径1.2m、回転数11rpmで滞留時間は約4分であった。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
(実施例6及び比較例5)
この実施例及び比較例では、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対する水分添加量の影響を確認した。
上記実施例1と略同様な方法で、活性剤の酸前駆体に対し実施例6は45%、比較例5は55%それぞれ水添加した。ミキサーは、攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機として、(株)マツボー社製のLodige FKM130D(表1及び表2中では「C」で表示)を用いた。撹拌翼の先端速度(u)は、約3.5(≒3.45)m/sであった。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
(実施例7〜9)
これらの実施例では、中和造粒時の攪拌距離による影響を確認した。
上記実施例1とほぼ同様な方法で、中和造粒時の攪拌距離を、実施例7では約35m、実施例8では約50m、実施例9では約2500mとした。ミキサーは、上記実施例6と同じものを用いた。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
(実施例10)
この実施例では、酸前駆体と水の混合についての影響を確認した。
上記実施例1とほぼ同様な方法で、液体成分の攪拌動力を47kJ/m3とした。またミキサーは、上記実施例6と同じものを用いた。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
(実施例11)
この実施例では、活性剤の酸前駆体に対する他の活性剤中和塩スラリーの混合の影響について確認した。
上記実施例1とほぼ同様な方法で、液体成分として、実施例11ではアルキルベンゼンスルホン酸にα−オレフィンスルホン酸のナトリウム中和塩の約37%水溶液を混合した。ミキサーは、上記実施例1のLodige FKM50Dを用いた。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
(実施例12)
この実施例では、活性剤の酸前駆体として脂肪酸アルキルエステルスルホン酸を使用した。
ミキサーは、攪拌及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機として、(株)マツボー社製のLodige FKM20D(表1中では「D」で表示)内に下記の固体成分を供給した。
炭酸ナトリウム 5.04
炭酸カリウム 0.56(単位:kg)
また、下記液体成分を別槽にて、80kJ/mの攪拌を与え、十分に混合した。
なお、脂肪酸アルキルエステルスルホン酸は、純分90%(水分無し)のものを使用した(特開2001−64248号公報における実施例1の記載に準拠し、エステル化工程後に抜き出したものを使用した)。
脂肪酸アルキルエステルスルホン酸(90%)(kg) 3.01
水(kg) 0.54
対酸水添加率(%) 20
ミキサーを、攪拌速度Fr=2.0(回転数150rpm、先端速度2.6m/s)、剪断速度5000rpmにて起動した。起動後、粉体混合時間として10秒を経過した後、前記液体混合物を15秒かけて添加し、その後、同条件のまま、20秒中和造粒を行った。
この時の攪拌距離としては、原料混合では2.6×10=26m、中和造粒(液体成分添加を含む)では2.6×35=91mであった。
次いで、色調改善のために、過酸化水素(35%品)0.43kgを同条件で攪拌しながら、60秒かけて添加し、続いて流動性向上のために、ゼオライト0.48kgを添加し、20秒撹拌を行った。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
(実施例13)
この実施例では、連続式にて中和造粒を行った。ミキサーは、太平洋機工社製のプロシェアーミキサーWA300型(表1中では「E」で表示)を使用した。
下記液体成分を下記比率で、別槽にて81kJ/mの攪拌を与え、十分に混合した。
前駆体LAS(96%)(kg) 100
水(kg) 19.5
対酸水添加率(%) 20
ミキサーを、攪拌速度Fr=2.2(回転数150rpm、先端速度3.1m/s)、剪断速度3000rpmにて起動した。
ミキサーの粉体投入口より、下記固体成分を下記添加速度で投入した。
炭酸ナトリウム 30.1
ゼオライト(78%) 30.4
トリポリリン酸ナトリウム 7.2 (単位:kg/min)
固体成分のミキサーへの投入開始から40秒後、先に別槽にて混合しておいた、液体成分を、モーノポンプ(兵神装備社製)にて、粉体投入口と排出口の中間点に25.9kg/minの速度で添加を開始した。
この操作における、平均滞留時間は40秒であり、粉体混合時間20秒、中和造粒時間20秒であった。
ここで、攪拌距離としては、粉体混合、中和造粒共に69.1mであった。
条件等の詳細は、下記表1及び表2に示す。
(比較例6)
この比較例では、撹拌翼の先端速度(u)が15m/sec超過となる高速ミキサーを用いて中和造粒を行った。ミキサーはバレストラ社製のケテミックスD300(表1中では「G」で表示)を使用した。
このミキサーの撹拌速度は、回転数1200rpmにて起動した。液体及び粉体成分は実施例13と同様の方法で実施した。但し液体成分の添加位置は粉体投入直後の位置とした。この操作における平均滞留時間は10秒であった。このときの撹拌距離は、189mであった。
条件等の詳細は下記表2に示す。
(実施例14)
この実施例では、ミキサー攪拌軸の方向の違いによる影響を確認した。
上記実施例1とほぼ同様な方法で、ミキサー攪拌軸の方向が垂直方向となる深江工業社製のハイスピードミキサーFS-65(表1中では「F」で表示)を用いて中和造粒を行った。なお、撹拌翼の先端速度(u)は、5.0m/sであった。
条件等の詳細は、下記表1に示す。
上記に記載の配合成分、並びに、下記表1及び表2中で用いた配合成分等の詳細は、下記のとおりである。
α−SF:特開2001−64248号の実施例1記載の方法に準拠し、エステル化工程後に抜き出したもの。
CMC:T−Sodium カルボキシメチルセルロース(タイセルロースプロダクツ社製)。
LAS−H:ライポンLH−200(ライオン(株)製)。
AOS−Na:リポランLB840(ライオン(株)製)。
炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製)。
ゼオライト(4A型ゼオライト):シルトンB(水沢化学(株)製)。
炭酸ナトリウム:軽灰(旭硝子(株)製)。
トリポリリン酸ナトリウム:トリポリリン酸ナトリウム(大洋化学工業(株)製)。
硫酸ナトリウム:試薬1級 硫酸ナトリウム(高杉製薬(株)製)。
炭酸カルシウム:純正1級 炭酸カルシウム(純正化学(株)製)。
ホワイトカーボン:トクシールURT((株)トクヤマ製)。
過酸化水素:過酸化水素(35%)(三菱ガス化学(株))。
蛍光剤:チノパールCBS−X(チバスペシャリティケミカルズ製)。
酵素:サビナーゼ12.0 Type−V (ノボ・ノルデイスクバイオインダストリー製)。
また、下記表1及び2中の香料は、下記配合組成となるものを用いた。
デカナール0.5質量%(以下%)、オクタナール0.3%、ヘキシルシンナミツクアルデヒド10.0%、ジメチルベンジルカルビニルアセテート8.0%、レモン油3.0%、リリアール6.0%、リラール2.0%、リナロール5.0%、フェニルエチルアルコール7.5%、トナリド2.0%、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート3.0%、ガラクソリド50BB2.0%、リナクソール2.5%、ゲラニオール1.0%、シトロネロール2.0%、ジャスモランジ2.0%、メチルジヒドロジャスモネート5.0%、ターピネオール1.0%、メチルヨノン3.0%、アセチルセドレン5.0%、レモニトリル1.0%、フルイテート1.0%、オリボン1.5%、ベンゾイン1.0%、シス−3−ヘキセノール0.5%、クマリン2.0%、ダマセノン0.2%、ダマスコン0.3%、ヘリオナール1.5%、ヘリオトロピン1.5%、アニスアルデヒド2.5%、ガンマーウンデカラクトン0.8%、バグダノール1.2%、トリプラール0.5%、スチラリルアセテート1.5%、カロン0.1%、ペンタリド3.0%、オキサヘキサデセン−2−オン2.9%、エチレンブラシレート6.2%。なお、上記BBは、ベンジルベンゾエートを意味する。
Figure 0004514435
Figure 0004514435
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜14は、本発明の範囲外となる比較例1〜6に較べて、より速やかに中和反応が行われるので、広い範囲の嵩密度を持った外観及び溶解性に優れた粒状洗剤が得られることが判明した。特に、0.4〜0.7g/cm3の中嵩密度の外観及び溶解性に優れた粒状洗剤が容易に得られることが判明した。
更に、各実施例及び比較例を検討してみると、実施例1及び2に対し、比較例1では、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対する水分量が少ない(4%である)と、中和が進んでいないようで、微粉が多く、色調も劣るものであった。また、実施例3に対し、比較例2の水のみを混合前の固体成分(粉体)に添加したもの、比較例3の液体成分と水とを個別に添加したもの、比較例4の剪断機能を備えないミキサーによる中和造粒では、洗剤粒子として外観上劣るものであった。特に、比較例4に関しては、造粒が進んでおらず、微粉が多く発塵性が非常に高いものであった。更に、実施例6に対して、比較例5では、アニオン界面活性剤の酸前駆体に対する水分量が多い(55%である)と、外観及び溶解性に劣るものであった。更にまた、比較例6の撹拌翼の先端速度(u)が15m/sec超過となる高速ミキサーを用いて中和造粒を行ったものは、外観及び溶解性に劣るものであった。

Claims (2)

  1. 嵩密度が0.4〜0.7g/cmである粒状洗剤の製造方法であって、
    (1) 直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、α−オレフィンスルホン酸、脂肪酸アルキルエステルスルホン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物に対し5〜50質量%の水を添加し、単位体積当り45kJ/m以上の攪拌仕事量で混合する工程と、
    (2) 前記(1)の混合物と少なくとも当量以上の粒状アルカリ無機物質とを、攪拌翼及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機内で、1〜15m/secの攪拌翼の先端速度、1000〜6000rpmの剪断翼の回転速度で、攪拌距離が40〜500mの混合攪拌を行うことで中和反応を生起させる工程とを含む粒状洗剤の製造方法。
  2. 前記攪拌翼及び剪断機能の両方を備えたミキサー/造粒機の攪拌軸が水平方向のものであって、攪拌翼の回転速度をFr数が1.5〜3.0とすることを特徴とする請求項1記載の粒状洗剤の製造方法。
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