JP2003336094A - 被覆粒子、洗剤組成物及び被覆粒子の製造方法 - Google Patents

被覆粒子、洗剤組成物及び被覆粒子の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 界面活性剤及び/又は洗浄ビルダーを含
有してなり、且つ嵩密度が0.5g以上/mLである核
粒子の表面に、5℃での水への溶解度が1g以上/10
0gであり、且つ陽イオンとしてカリウムイオン、マグ
ネシウムイオン又はカルシウムイオンを有する有機酸塩
及び無機酸塩からなる群より選ばれる1種以上の被覆物
質を粉末状態で被覆してなることを特徴とする被覆粒
子、及び該被覆粒子を含有してなることを特徴とする洗
剤組成物。 【効果】 本発明によれば、簡単な被覆工程で、良好な
製造適性や粉体物性を維持したまま溶解性が改善された
被覆粒子を得ることができ、該被覆粒子は、特に高嵩密
度粒状洗剤組成物の洗剤粒子、ビルダー粒子として好適
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆粒子、洗剤組
成物及び被覆粒子の製造方法に関し、より詳しくは、溶
解性が改善され、例えば洗剤粒子等として好適に使用さ
れる被覆粒子、該被覆粒子からなる粒子群を含有した溶
解性の改善された洗剤組成物及び溶解性が改善された洗
剤粒子等が得られる被覆粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年上市されている洗濯機は、『洗濯を
簡単に済ませてしまいたい』という消費者ニーズに対応
し、大容量化傾向にあり、また、洗濯時間に短時間洗濯
モードの設定等がなされている。更に、『衣類を大切に
洗いたい』というニーズに対し、弱攪拌モードの設定や
遠心力洗濯機の登場など、衣類いたみの軽減を訴求して
いる。更に、環境・エネルギーや経済性への対応から、
節水、低温洗濯、運転時間の短縮への潮流がある。
【0003】これらは、いずれも洗濯機の仕事量を低下
させる方向であり、その結果、洗剤粒子の溶解速度の低
下によって、洗浄力の劣化が生じ、洗濯終了時に粉末洗
剤の溶け残り、洗剤粒子の衣類残留量が増大することが
ある。
【0004】また、粉末洗剤の流動性、外観を向上さ
せ、微粉の発生を抑える目的で、嵩密度を高くした超コ
ンパクト洗剤が知られている。しかし、粉末洗剤組成物
の高嵩密度化は、輸送効率の向上や使用者の簡便性に大
きな利点をもたらした反面、洗剤粒子の圧密化により溶
解性に対する懸念が高まった。即ち、高嵩密度洗剤粒子
は低嵩密度洗剤粒子に比べて溶解時間が長いため、水温
や攪拌力等の洗濯条件によっては、洗浄力の低下や溶け
残りが生じるおそれがあった。
【0005】特に、水に溶解する際、ゲル化領域に達し
た界面活性剤が、近傍の他洗剤粒子と合一し、凝集物を
生じさせることがあり、この凝集物は近年の仕事量を低
下させた洗濯機の撹拌力では溶解し難くなっている。
【0006】このような問題を解決するために種々の提
案がなされており、単独又は主要な有機洗浄活性成分と
してナトリウム石けんを含む粉末状洗剤を製造するに当
たり、微細に分割された易水溶性のナトリウム塩でその
粉末粒子を含浸又は共粒状化する粉末状洗剤の製造方法
が開示されており(例えば、特許文献1参照。)、石け
んゲルの塊の形成を抑制して溶解性を改善することが提
案されているが、水溶性のナトリウム塩は、ナトリウム
石けん以外で、洗剤中で一般に良く用いられる界面活性
剤のナトリウム塩のゲル形成抑制には効果がない。
【0007】一方、洗剤成分混合物の解砕物を平均粒径
10μm以下の水不溶性微粉体、あるいはアルミノケイ
酸塩微粉末、疎水性微粉末等でコーティングした粒状洗
剤組成物が開示されているが(例えば、特許文献2,3
参照。)、水不溶性微粉体を用いるため、それ自体の凝
集が起こった場合など、洗剤組成物の溶解性については
改善の余地があった。
【0008】さらに、界面活性剤を含有する高嵩密度洗
剤粒子群であって、その構造においてその内部よりも表
面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩が多く存在
する偏在性を有する高速溶解性の洗剤組成物が開示され
ているが(例えば、特許文献4参照。)、これは水溶性
ポリマー及び/又は水溶性塩を含有するスラリーを噴霧
乾燥する際、水溶性成分が水分の蒸発に伴ってベース顆
粒表面に移動し、該顆粒表面近傍に該水溶性成分が多く
偏在した構造となりうることによる。即ち、莫大な熱エ
ネルギーを必要とする噴霧乾燥工程が必要となり、近年
の環境・エネルギー問題から鑑みると望ましくない。
【0009】一方、水溶性塩による被覆については、噴
霧乾燥粒子を水溶性の有機、あるいは無機ビルダーで被
覆することで、吸湿固化性が改善するとしているもの
の、高嵩密度の洗剤粒子についての言及はない(例え
ば、特許文献5,6参照。)。また、水溶性無機塩の洗
剤粒子への被覆について記載されているが(例えば、特
許文献7〜11参照。)、例えばナトリウム塩等を被覆
した場合、溶解性については改善の余地があった。
【0010】更に、硫酸アルカリ金属塩と硫酸マグネシ
ウム、塩化マグネシウムを被覆した過炭酸ナトリウム粒
子は、安定性や溶解性に優れる旨開示されており(例え
ば、特許文献12参照。)、また、アルカリ金属のクエ
ン酸塩を含む被覆剤で過炭酸ナトリウムを被覆するとの
記述がある(例えば、特許文献13参照。)。しかしな
がら、いずれも水などの溶媒に溶解、分散させたものを
粒子に噴霧し、更に乾燥する工程を経ており、被覆物質
の溶媒への溶解工程や被覆後に乾燥工程を必要とするな
ど工程が繁雑になる。更に、これらの提案は、過炭酸ナ
トリウムなどの漂白剤あるいは漂白活性化剤粒子の安定
化のために被覆するものであり、例えば洗濯機の仕事量
や水温が低い場合における溶解性の改善については、充
分に考慮されていなかった。
【0011】
【特許文献1】特開昭58−67799号公報
【特許文献2】特開昭61−272300号公報
【特許文献3】特開平3−111497号公報
【特許文献4】特開2001−3088号公報
【特許文献5】特開昭49−038906号公報
【特許文献6】特開昭50−025603号公報
【特許文献7】特表平10−500716号公報
【特許文献8】特表平10−505113号公報
【特許文献9】特表平11−504673号公報
【特許文献10】特開2000−073096号公報
【特許文献11】特開2000−073100号公報
【特許文献12】特開平10−310407号公報
【特許文献13】特開平5−301702号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、洗濯機の仕事量や水温が低い場合
における溶解性の改善を、界面活性剤のゲル化等による
近傍の他洗剤粒子との凝集を抑制しながら、良好な製造
適性や粉体物性を維持したまま、粉末状の被覆物質をそ
のまま被覆するという簡単な被覆工程で行うことがで
き、特に高嵩密度洗剤の洗剤粒子、原料粒子として好適
な被覆粒子、該被覆粒子からなる粒子群を含有する洗剤
組成物及び被覆粒子の製造方法を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するべく、種々検討を行った結果、5℃での水への
溶解度が1g以上/100gであり、且つ被覆する温度
で固体粉末状の塩化合物であって、陽イオンがカリウ
ム、マグネシウム、カルシウムから選ばれる少なくとも
1種の有機酸塩又は無機酸塩を被覆物質として用い、少
なくとも1種の界面活性剤及び/又は少なくとも1種の
洗浄ビルダーを含有する粒子の表面を、固体粉末状のま
まの上記被覆物質で被覆して高嵩密度被覆粒子とするこ
とにより、水に溶解する際、洗剤組成物中のゲル化領域
に達した界面活性剤が、近傍の他洗剤粒子と合一し、凝
集することを抑制し、洗濯機の仕事量や水温が低い場合
における溶解性の改善を図れることを見出し、本発明を
なすに至った。
【0014】即ち、本発明は、界面活性剤及び/又は洗
浄ビルダーを含有してなる核粒子の表面に、5℃での水
への溶解度が1g以上/100gであり、且つ陽イオン
としてカリウムイオン、マグネシウムイオン又はカルシ
ウムイオンを有する有機酸塩及び無機酸塩からなる群よ
り選ばれる1種以上の被覆物質を粉末状態で被覆してな
ることを特徴とする高嵩密度被覆粒子を提供する。ここ
で、上記被覆物質が、硫酸カリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化カリウム及び塩化カルシウムから選ばれる1種
以上の無機塩であると、より好適である。
【0015】また、本発明は、上記被覆粒子を含有して
なることを特徴とする洗剤組成物、及び(1)界面活性
剤及び/又は洗浄ビルダーを含有する高嵩密度核粒子を
製造する工程と、(2)上記核粒子の表面に、5℃での
水への溶解度が1g以上/100gであり、且つ陽イオ
ンとしてカリウムイオン、マグネシウムイオン又はカル
シウムイオンを有する有機酸塩及び無機酸塩からなる群
より選ばれる1種以上の被覆物質を粉末状態のままで被
覆する工程とを含むことを特徴とする被覆粒子の製造方
法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。本発明の被覆粒子は、界面活性剤及び/又は
洗浄ビルダーを含有する粒子を核粒子とし、5℃におけ
る水への溶解度が1g以上/100gの塩化合物であ
り、陽イオンとしてカリウムイオン、マグネシウムイオ
ン又はカルシウムイオンを有する有機酸塩及び無機酸塩
からなる群より選ばれる1種以上の粉体を被覆物質とす
るものであって、該被覆物質を水溶液、分散液などとす
ることなく、固体粉末状のままで上記核粒子の表面に被
覆することによって、上記被覆物質が上記核粒子に含浸
することなく、核粒子表面上を被覆した被覆粒子が得ら
れるものである。従って、本発明の被覆粒子は、上記核
粒子と上記被覆物質を含有するものであり、上記核粒子
は、1種以上の界面活性剤及び/又は1種以上の洗浄ビ
ルダーを含有するものであって、界面活性剤を主成分と
して含有する核粒子であれば、洗剤粒子として、洗浄ビ
ルダーを主成分として含有する核粒子であれば、ビルダ
ー粒子として好適に使用される。
【0017】上記界面活性剤としては、アニオン界面活
性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性
界面活性剤及びそれらの混合物を使用することができ
る。特に好ましく用いられる界面活性剤は、アニオン界
面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤である。
【0018】上記アニオン界面活性剤としては、従来よ
り洗剤において使用されるものであれば、特にその種類
が限定されることはなく、各種のアニオン界面活性剤を
使用することができる。上記アニオン界面活性剤とし
て、具体的には、例えば以下のものを挙げることができ
る。
【0019】(1)炭素数8〜18のアルキル基を有す
る直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(L
AS又はABS)。 (2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。 (3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩
(AOS)。 (4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニ
ル硫酸塩(AS)。 (5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基
若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルの
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド又はそれらの共重合体を付加したアルキルエ
ーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩(AE
S)。 (6)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキルフ
ェニル基若しくはアルケニルフェニル基を有し、平均3
〜30モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド又はそれらの共重合体を付加し
たアルキルフェニルエーテル硫酸塩又はアルケニルフェ
ニルエーテル硫酸塩。 (7)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基
もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜10モルの
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド又はそれらの共重合体を付加したアルキルエ
ーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸
塩。 (8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテル
スルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸
塩。 (9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪
酸塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル
(α−SF又はMES)。 (10)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアル
キルリン酸塩。 (11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル
又はセスキアルキルリン酸塩。 (12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩。
【0020】これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウ
ム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、アミン塩、アン
モニウム塩などとして用いることができる。特に好まし
くはナトリウム塩である。また、これらのアニオン界面
活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組
み合わせた混合物として使用してもよい。特に好ましい
アニオン界面活性剤としては、例えば直鎖アルキルベン
ゼンスルホン酸(LAS)、AOS、AESのアルカリ
金属塩、α−SFのナトリウム塩、高級脂肪酸のアルカ
リ金属塩などを挙げることができる。
【0021】上記ノニオン界面活性剤としては、従来よ
り洗剤に使用されているものであれば、特にその種類が
限定されるものではなく、各種のノニオン界面活性剤を
使用することができる。
【0022】上記ノニオン界面活性剤としては、具体的
には、例えば以下のものを挙げることができる。
【0023】(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜1
8の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキ
シドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加
したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)
エーテル。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキ
ル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテ
ルがより好適である。ここで使用される脂肪族アルコー
ルとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが使
用される。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有してい
てもよい。好ましい脂肪族アルコールとしては、第1級
アルコールが使用される。
【0024】(2)ポリオキシエチレンアルキル(又は
アルケニル)フェニルエーテル。長鎖脂肪酸アルキルエ
ステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加し
た、例えば下記一般式(1)で示される脂肪酸アルキル
エステルアルコキシレート。 R1CO(OA)nOR2 (1) (但し、上記式(1)中、R1COは、炭素数6〜2
2、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、
エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の炭素数2〜
4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位
を示し、nは、アルキレンオキシドの平均付加モル数を
示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数であ
る。R2は、炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級
アルキル基を示す。)
【0025】(3)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル。 (4)ポリオキシエチレンソルビット脂脂酸エステル。 (5)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。 (6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。 (7)グリセリン脂肪酸エステル。 (8)脂肪酸アルカノールアミド。 (9)ポリオキシエチレンアルキルアミン。 (10)アルキルグリコシド。 (11)アルキルアミンオキサイド。
【0026】上記のノニオン界面活性剤の中でも、融点
が40℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレン
アルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)
エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドが
付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸
メチルエステルにエチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシ
レート等がより好適に用いられる。また、これらのノニ
オン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上
を適宜組み合わせた混合物として使用してもよい。
【0027】上記カチオン界面活性剤としては、従来よ
り洗剤において使用されるものであれば、特にその種類
が限定されるものではなく、各種のカチオン界面活性剤
を使用することができる。上記カチオン界面活性剤とし
て、具体的には、例えば以下のものを挙げることができ
る。
【0028】(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4
級アンモニウム塩 [R3456N]+・X- (2) (但し、上記式(2)中、R3及びR4は、通常炭素数が
12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示
す。R5及びR6は、通常炭素数が1〜4、好ましくは1
〜2のアルキル基、ベンジル基、通常炭素数が2〜4、
好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオ
キシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CH3
4、C25SO4、1/2SO4、OH、HSO4、CH
3CO2又はCH3−C64−SO3を示す。)
【0029】上記一般式(2)で示されるジ長鎖アルキ
ルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩として、より具
体的には、例えばジステアリルジメチルアンモニウム
塩、ジ水添牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩、ジ水
添牛脂アルキルベンゼンメチルアンモニウム塩、ジステ
アリルメチルベンジルアンモニウム塩、ジステアリルメ
チルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジステアリルメ
チルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、ジステアリル
ジヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジオレイルジメチ
ルアンモニウム塩、ジココナッツアルキルジメチルアン
モニウム塩などが挙げられる。また、Xであるハロゲン
の具体例としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられ
る。
【0030】(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル
型4級アンモニウム塩 [R78910N]+・X- (3) (但し、上記式(3)中、R7は、通常、炭素数が12
〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。R
8、R9及びR10は、通常、炭素数が1〜4、好ましくは
1〜2のアルキル基、ベンジル基、通常炭素数が2〜
4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポ
リオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CH3
SO4、C25SO4、1/2SO4、OH、HSO4、C
3CO2又はCH3−C64−SO3を示す。)
【0031】上記一般式(3)で示されるモノ長鎖アル
キルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩として、よ
り具体的には、例えばラウリルトリメチルアンモニウム
塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、水添牛脂ア
ルキルトリメチルアンモニウム塩、水添牛脂アルキルベ
ンゼンジメチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩、ステアリルジメチルヒドロキシ
エチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルヒドロキシ
プロピルアンモニウム塩、ステアリルトリヒドロキシエ
チルアンモニウム塩、オレイルトリメチルアンモニウム
塩、ココナッツアルキルトリメチルアンモニウム塩など
が挙げられる。また、Xであるハロゲンの具体例として
は、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0032】(3)テトラ短鎖アルキル型4級アンモニ
ウム塩 [R11121314N]+・X- (4) (但し、上記式(4)中、R11、R12、R13及びR
14は、通常、炭素数が1〜4、好ましくは1〜3のアル
キル基、ベンジル基、通常、炭素数が2〜4、好ましく
は2〜3ヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキ
レン基を示す。Xは、ハロゲン、CH3SO4、C25
4、1/2SO4、OH、HSO4、CH3CO 2又はC
3−C64−SO3を示す。)
【0033】上記一般式(4)で示されるテトラ短鎖ア
ルキル型4級アンモニウム塩として、より具体的には、
例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエ
チルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイ
ド、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェー
ト、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベン
ジルトリメチルアンモニウムハイドロキサイド、ベンジ
ルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブ
チルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアン
モニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウム
クロライドなどが挙げられる。
【0034】(4)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル
型4級アンモニウム塩 [R15161718N]+・X- (5) (但し、上記式(5)中、R15、R16及びR17は、通
常、炭素数が12〜26、好ましくは14〜18のアル
キル基を示す。R18は、通常、炭素数が1〜4、好まし
くは1〜2のアルキル基、ベンジル基、通常、炭素数が
2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基又は
ポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CH
3SO4、C25SO4、1/2SO4、OH、HSO4
CH3CO2又はCH3−C64−SO3を示す。)
【0035】上記一般式(5)で示されるトリ長鎖アル
キルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩として、よ
り具体的には、例えばトリラウリルメチルアンモニウム
クロライド、トリステアリルメチルアンモニウムクロラ
イド、トリオレイルメチルアンモニウムクロライド、ト
リココナッツアルキルメチルアンモニウムクロライドな
どが挙げられる。
【0036】上記両性界面活性剤としては、従来より洗
剤において使用されるものであれば、その種類は特に限
定されるものではなく、各種の両性界面活性剤を使用す
ることができる。上記両性界面活性剤として、具体的に
は、例えば以下のものを挙げることができる。
【0037】(1)ベタイン類 ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ステアリン酸アミ
ドエチルベタイン、カルボベタイン、スルホベタイン
等。 (2)イミダゾリン誘導体類 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン、N−ヤシ油脂肪酸ア
シル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエ
チレンジアミンナトリウム等。 (3)リン酸塩型 レシチン(ホスファチジルコリン等)など。
【0038】本発明の被覆粒子、核粒子における上記界
面活性剤の含有量は、特に制限されるものではなく、界
面活性剤の種類、核粒子の他成分の種類、核粒子中での
含有形態などにより適宜選定することができるが、例え
ば本発明の被覆粒子を洗剤粒子とし、該洗剤粒子のみで
粒状洗剤組成物を構成するのであれば、一般に核粒子中
に含有される界面活性剤の合計量が被覆粒子全量に対し
て1〜60質量%、好ましくは5〜50質量%、より好
ましくは10〜45質量%となるように含有されると、
好適である。界面活性剤の含有量が少なすぎると、充分
な洗浄力が得られ難くなる場合があり、多すぎると洗剤
組成物として必要な他成分の配合量が減少し、洗浄力が
低下する場合がある。
【0039】次に、本発明の核粒子に、上記界面活性剤
と共に、又は、上記界面活性剤に代えて含有される洗浄
ビルダーとしては、通常洗剤原料に配合されているもの
であれば、特にその種類に制限はなく、各種のものを使
用することができる。例えば、水道水中のアルカリ土類
金属イオン(Ca2+,Mg2+)を補足するためのキレー
トビルダー(金属イオン封鎖剤)、アルカリ緩衝能を有
するアルカリビルダー、中性ビルダー及びそれらの混合
物を使用することができ、無機物、有機物を問わない。
なお、本発明の核粒子に配合する洗浄ビルダーは、核粒
子を被覆する物質(後述する被覆物質)として使用する
化合物と同じものであってもよい。
【0040】上記キレートビルダーとして、具体的に
は、例えば以下の(1)〜(3)の各種のものを挙げる
ことができる。
【0041】(1)アルミノケイ酸塩…A型ゼオライ
ト、P型ゼオライト、X型ゼオライト、非晶質ゼオライ
ト等。 (2)縮合リン酸塩…トリポリリン酸のアルカリ金属
塩、ピロリン酸のアルカリ金属塩等。 (3)有機ビルダー…クエン酸のアルカリ金属塩、エチ
レンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩(EDTA)、ニ
トリロ三酢酸のアルカリ金属塩(NTA)、ポリアクリ
ル酸のアルカリ金属、アクリル酸と無水マレイン酸の共
重合物のアルカリ金属塩、ポリアセタールカルボキシレ
ート、ヒドロキシイミノジコハク酸のアルカリ金属塩
等。
【0042】上記アルカリビルダーとして、具体的に
は、例えば以下の(1)〜(2)の各種のものを挙げる
ことができる。
【0043】(1)アルカリ金属炭酸塩…炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸ナトリウムカリウム等。 (2)アルカリ金属珪酸塩…珪酸ナトリウム(水ガラ
ス)、層状珪酸ナトリウム等。
【0044】上記中性ビルダーとして、具体的には、例
えば以下の(1)〜(2)の各種のものを挙げることが
できる。
【0045】 (1)硫酸塩…硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等。 (2)塩化物…塩化ナトリウム、塩化カリウム等。
【0046】本発明の被覆粒子、核粒子における上記洗
浄ビルダーの含有量は、特に制限されるものではなく、
洗浄ビルダーの種類、核粒子の他成分の種類、核粒子中
での含有形態などにより適宜選定することができるが、
一般に、核粒子中に含有される洗浄ビルダーの合計量が
被覆粒子全量に対して5〜99質量%、好ましくは10
〜98.5質量%、より好ましくは20〜98質量%と
なるように含有されると、好適である。洗浄ビルダーの
含有量が少なすぎると、洗浄力が低下する場合があり、
多すぎると、被覆物質の配合がし難くなる場合がある。
【0047】なお、本発明の核粒子において、上記界面
活性剤、洗浄ビルダーの含有形態としては、例えば後述
するように各種造粒法によって得られる造粒物中に含有
された状態のみならず、例えばノニオン界面活性剤を含
有する場合であれば、後述するように、核粒子の原料成
分により造粒物を得、この造粒物の表面にコーティング
剤としてノニオン界面活性剤をコーティングした状態で
含有する場合も含み、また、例えばアルミノケイ酸塩の
微粉体を含有する場合であれば、後述するように、核粒
子の原料成分により造粒物を得、この造粒物の表面に表
面改質剤としてアルミノケイ酸塩を被覆した状態で含有
する場合も含む。従って、本発明の核粒子には、例えば
上記界面活性剤、洗浄ビルダーを含有しない造粒物の表
面にコーティング剤としてノニオン界面活性剤をコーテ
ィングしたもの、上記界面活性剤、洗浄ビルダーを含有
しない造粒物の表面に表面改質剤としてアルミノケイ酸
塩を被覆したものなども含まれる。
【0048】本発明の核粒子は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、上記界面活性剤、洗浄ビルダー以外にも、
その他の洗剤成分として通常洗剤原料に配合されている
任意成分であれば、特に制限されることなく、各種のも
のを併用することができる。このような成分として、具
体的には、例えば以下の成分が挙げられる。
【0049】(1)再汚染防止剤 カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等。 (2)粘度調整剤 パラトルエンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キ
シレンスルホン酸塩、尿素等。 (3)柔軟剤付剤 第4級アンモニウム塩、モンモリロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト
鉱物等。 (4)還元剤 亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等。 (5)漂白剤 過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム、硫酸ナトリウム
過酸化水素付加体等。 (6)漂白活性化剤 エチレンジアミンテトラアセテート、オクタノイルオキ
シベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシ
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベン
ゼンカルボン酸等。 (7)蛍光増白剤 4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル
塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリ
ル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフト
チアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2
−イル)スチルベン誘導体、ビス(トリアジニルアミ
ノ)スチルベンジスルホン酸誘導体等。 (8)香料 炭素数10〜15のアルコール、炭素数7〜10の芳香
族アルコール、炭素数8〜17のギ酸エステル又は酢酸
エステル、炭素数10〜15の炭化水素、炭素数7〜1
5の芳香族アルデヒド、炭素数8〜14の脂肪族アルデ
ヒド、フェノール系香料等。 (9)酵素 プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ等。 (10)色素 (11)吸油性担体 非晶質珪酸、ホワイトカーボン、非晶質珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、スピネル、コーデイエライト、ムライト、澱粉分
解物等。 (12)表面改質剤 微粉炭酸カルシウム、微粉シリカ、微粉アルミナ、微粉
加工澱粉、粘土鉱物、ポリエチレングリコール等。 (13)抑泡剤 シリコーン、シリコーンコンパウンド、ワックス等。 (14)酸化防止剤 第3ブチルヒドロキシトルエン、4,4’−ブチリデン
ビス−(6−第3ブチル−3−メチルフェノール)、
2,2’−ブチリデンビス−(6−第3ブチル−4−メ
チルフェノール)、モノスチレン化クレゾール、ジスチ
レン化クレゾール、モノスチレン化フェノール、ジスチ
レン化フェノール、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン等。 (15)光活性化漂白剤 スルホン化アルミニウムフタロシアニン、スルホン化亜
鉛フタロシアニン等。
【0050】次に、本発明の被覆物質について詳述す
る。本発明の被覆物質は、5℃における水への溶解度が
1g以上/100g、好ましくは2g以上/100g、
より好ましくは3g以上/100gであり、且つ陽イオ
ンとしてカリウムイオン、マグネシウムイオン又はカル
シウムイオンを有する有機酸塩及び無機酸塩から選ばれ
る1種以上の粉体を1種単独で又は2種以上を適宜組み
合わせたものである。そして、本発明において、上記被
覆物質は、上記核粒子の表面を固体粉末状のまま被覆す
ることにより、洗濯機の仕事量や水温が低い場合におけ
る溶解性の改善を図るものである。従って、上記被覆物
質としては、上述した溶解性、陽イオンを有し、被覆す
る温度(通常、室温〜65℃、特に室温〜50℃)で固
体粉末状である塩化合物が使用される。なお、本発明の
被覆物質の水に対する溶解度の上限は、特に制限される
ものではないが、溶解時における局所的な塩濃度の上昇
を抑制するためには、5℃における水への溶解度が70
g/100g以下であるものが好適である。また、より
好ましくは60g/100g以下、更に好ましくは50
g/100g以下である。
【0051】本発明の被覆物質としてより具体的には、
有機酸塩としては、例えばクエン酸塩、コハク酸塩、フ
マル酸塩等の低級の有機酸塩が挙げられる。無機酸塩と
しては、例えば炭酸塩、硫酸塩、塩化物などが挙げら
れ、炭酸塩ではカリウム塩、マグネシウム塩が、硫酸
塩、塩化物では、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩が、好ましい。これらは単独で用いても良いし、
2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、更に
好ましいのは硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カ
リウム、塩化カルシウムである。
【0052】本発明において、これら被覆物質は、核粒
子が水に溶解する際、同時に溶解し、被覆粒子あるいは
近傍の他粒子中に含有するゲル化領域に達した界面活性
剤の対イオンを交換することで、更に近傍の他洗剤粒子
と合一し、凝集することを抑制し、溶解性の悪化を防ぐ
ものである。また、粒子群中に存在する水和により固化
する無機塩の凝集も抑制する。従って、本発明の被覆物
質としては、これらの中でも、溶解性悪化抑制能が最も
高く、潮解性のない硫酸カリウムが、最も好ましい。
【0053】上記被覆物質の粒子径は、特に制限される
ものではないが、平均粒径として、好ましくは0.1〜
100μm、より好ましくは0.5〜50μm、特に好
ましくは1〜30μmである。平均粒径が、0.1μm
未満では、発塵性が悪化する傾向となり、好ましくな
い。一方、平均粒径が100μmを超えると、核粒子表
面への被覆効率が下がる場合があり、溶解時の被覆粒子
同士の凝集を抑制する効果が少なくなる場合がある。こ
こで、平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパー
ティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)により、
また、顕微鏡観察による測定等で測定される。
【0054】本発明の被覆粒子における上記被覆物質の
配合量は、特に制限されるものではないが、通常、上記
核粒子100質量部に対して、1〜20質量部、好まし
くは1.5〜15質量部、より好ましくは2〜10質量
部が好適である。この量が、1質量部未満では、被覆物
質の絶対量が足りず、溶解時の粒子同士の凝集を抑制す
る効果が少なくなる場合がある。一方、この量が、20
質量部を超えると、発塵性が劣化し易く、流動性も悪化
する場合がある。
【0055】本発明の被覆粒子の製造方法は、(1)界
面活性剤及び/又は洗浄ビルダーを含有する含有する核
粒子を製造する工程と、(2)上記核粒子の表面に、5
℃での水への溶解度が1g以上/100gであり、且つ
陽イオンとしてカリウムイオン、マグネシウムイオン又
はカルシウムイオンを有する有機酸塩及び無機酸塩から
なる群より選ばれる1種以上の被覆物質を粉末状のまま
で被覆する工程とを含むものである。
【0056】まず、本発明の核粒子を製造する工程につ
いて詳述する。この工程は、高嵩密度粒子を造粒する造
粒工程を含むものであり、上記高嵩密度粒子は、界面活
性剤、洗浄ビルダーの含有形態が造粒物中に含有される
ものである場合は1種以上の上記界面活性剤及び/又は
1種以上の洗浄ビルダー、必要に応じて上述したその他
成分を用いて、ドライ中和法、撹拌造粒法、捏和・破砕
造粒法、ペースト造粒法、湿潤造粒・乾燥法、流動層造
粒法、押出造粒法、転動造粒法などの高嵩密度洗剤粒子
の製造方法として周知の造粒法によって製造することが
できる。また、一般に低嵩密度洗剤粒子の製造方法とし
て知られる噴霧乾燥法によって得られた噴霧乾燥粒子を
上記造粒法に供することにより高嵩密度粒子を得ること
も可能である。
【0057】即ち、本発明の核粒子が上記界面活性剤、
洗浄ビルダーが高嵩密度粒子中に含有されるものである
場合、その造粒工程における上記造粒法として、より具
体的には、上記界面活性剤及び/又は洗浄ビルダーを
少なくとも1種含有した洗剤スラリーを調製し、それを
微粒化しながら噴霧乾燥して得られた噴霧乾燥粒子及び
/又は上記界面活性剤及び/又は洗浄ビルダーを少なく
とも1種含有した噴霧乾燥を伴わない粉体原料及び/又
は上記界面活性剤及び/又は洗浄ビルダーを少なくとも
1種含有した噴霧乾燥を伴わない液体・ペースト原料の
いずれかを造粒原料として捏和(混練)して、固形物を
調製した後、該固形物を押出ながらペレットを形成し、
更に破砕造粒機で破砕処理して粒状化する方法(捏和破
砕造粒法)、上記と同様の造粒原料を攪拌造粒装置
(内部攪拌型混合機)に導入して、剪断作用と圧密作用
と転動作用を利用して造粒する方法(攪拌造粒法)、
上記と同様の造粒原料を転動造粒装置(容器回転型混
合機)に導入して、剪断作用と圧密作用と転動作用を利
用して造粒する方法(転動造粒法)等がある。なお、上
記造粒物の製造は、回分式でも、連続式でも可能であ
る。
【0058】本発明の核粒子は、上述したように上記界
面活性剤、洗浄ビルダー、その他成分を配合して製造し
た造粒物であれば、該造粒物をそのまま使用することも
できるが、本発明の被覆物質により被覆する前に、その
流動性及び非ケーキング性を向上させるために、上記造
粒物の表面を表面改質剤としての微粉体で被覆したもの
を本発明の核粒子として使用することもできる。また、
上記界面活性剤、洗浄ビルダーを含有しない高嵩密度粒
子の表面を表面改質剤としても使用されるアルミノケイ
酸等の洗浄ビルダーの微粉体で被覆したものを本発明の
核粒子として使用することもできる。このような表面改
質剤として使用される微粉体は、一次粒子の平均粒径が
10μm以下、特に0.5〜10μmであることが好ま
しい。また、この微粉体(表面被覆剤)としては、アル
ミノケイ酸塩が洗濯時にカルシウムイオン捕捉剤として
作用するので望ましく、特に一次粒子の平均粒径が10
μm以下のアルミノケイ酸塩が望ましい。アルミノケイ
酸塩以外に一次粒子の平均粒径が10μm以下の二酸化
珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、無定形シリカ誘
導体等のシリケート化合物などの無機微粉体も好まし
い。また、一次粒子の平均粒径が10μm以下の金属石
鹸も同様に用いることができる。一次粒子の平均粒径が
10μm以下の微粉体の平均粒径は、光散乱を利用した
方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所
(株)製)により、また顕微鏡観察による測定等で測定
される。
【0059】上記微粉体で上記造粒物を表面被覆する場
合、使用する微粉体(表面改質剤)の配合割合は、上記
造粒物100質量部に対して0.1〜30質量部が好ま
しく、更に好ましくは0.2〜20質量部である。上記
造粒物に対する上記表面被覆剤の添加量が0.1質量部
未満では、良好な流動性を示す粉末を得ることが困難と
なる場合があり、一方30質量部を超えると、流動性が
低下し、粉塵が発生し易くなり、消費者の使用感を損な
う恐れが生じる場合や被覆物質の効果が出難くなる場合
がある。
【0060】また、本発明の核粒子は、本発明の被覆物
質により表面を被覆する前に、発塵防止、溶解性促進の
ために、上記界面活性剤、洗浄ビルダーを含有する上記
造粒物の表面をハイドロトロープ剤、ノニオン界面活性
剤などでコーティングしたものであってもよい。また、
上記界面活性剤、洗浄ビルダーを含有しない高嵩密度粒
子の表面をノニオン界面活性剤でコーティングしたもの
を本発明の核粒子として使用することもできる。このよ
うな目的のためにコーティングされるハイドロトロープ
剤としては、好ましくは、ポリエチレングリコールやキ
ュメンスルホン酸、スルフィルコハク酸、キシレンスル
ホン酸、短鎖アルキルアリールスルホネート、短鎖アル
キルエトキシド等が挙げられる。また、ノニオン界面活
性剤としては、洗浄性能、ハンドリング性及び入手のし
やすさの点で、融点が40℃以下でHLBが9〜16の
ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルに
エチレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエト
キシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシド
とプロピレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステル
エトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。ま
た、これらのノニオン界面活性剤は、2種以上を混合物
として使用してもよい。
【0061】上記目的でコーティングされるハイドロト
ロープ剤、ノニオン界面活性剤の配合量は、上記核粒子
全量に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜
5質量%とすることが望ましい。このコーティング量が
0.1質量%未満であると発塵抑制効果、溶解性促進効
果が充分に発現されない場合があり、また、10質量%
を超えると、流動性が悪くなり、コーティング時間も長
くなる場合がある。
【0062】上記ハイドロトロープ剤、ノニオン界面活
性剤は、好ましくは噴霧処理により添加される。噴霧時
間や耐圧を考慮した上で、噴霧角が40°以上になるノ
ズルを用いることが好ましい。低圧で微粒化可能な二流
体ノズルや、圧力ノズルを用いることが好ましく、場合
によっては、噴霧するハイドロトロープ剤やノニオン界
面活性剤を微粒化しやすいように、濃度や温度によって
粘度を調整することが好ましい。
【0063】上記ハイドロトロープ剤、ノニオン界面活
性剤によるコーティング工程に好適に使用される装置と
しては、水平円筒混合機、二重円錐型混合機、V型混合
機、レーディゲミキサー、リボンミキサーなどが挙げら
れる。好ましいフルード数(以下、Fr数と記載する。
下記式により算出される)は、一般に0.01〜0.
8、好ましくは0.05〜0.6である。但し、レーデ
ィゲミキサー、リボンミキサーでは、1.0〜9.0が
好ましい。処理時間は0.5〜5分が好ましい。なお、
上記造粒物、上記ハイドロトロープ剤、上記ノニオン界
面活性剤の配合順序は特に限定されるものではない。
【0064】[Fr数(フルード数)の算出式] Fr=V2/(R×g) V=回転体最外周の周速(m/s) R=回転体の半径(m) g=重力加速度(m/s2
【0065】本発明における高嵩密度粒子あるいは高嵩
密度被覆粒子とは、いわゆる噴霧乾燥法によって製造さ
れる従来の低嵩密度の洗剤粒子に対比する意味で用いら
れ、通常、嵩密度として0.4g以上/mL、好ましく
は0.5g以上/mL、より好ましくは0.6g以上/
mL、更に好ましくは0.7g以上/mLである。上限
は好ましくは1.2g以下/mL、より好ましくは1.
1g以下/mL、更に好ましくは1.0g以下/mLで
ある。嵩密度が0.4g/mL未満であると、粒状洗剤
組成物とした際に、使用者の簡便性や輸送の効率性を損
なうおそれがある。なお、嵩密度が1.2g/mLを超
えると本発明が目的とする溶解性が得られ難くなる場合
がある。
【0066】本発明の核粒子は、嵩密度以外は、特にそ
の物性が制限されるものではないが、核粒子の平均粒径
は、300〜1500μmが好ましく、より好ましくは
350〜1000μmである。平均粒径が300μmよ
り小さいと、例えば他洗剤粒子と混合して洗剤組成物と
した際に、分級のおそれが生じる場合がある。一方、1
500μmより大きいと溶解性が劣化する場合がある。
なお、上記核粒子の平均粒径は、光散乱を利用した方
法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所
(株)製)により、また顕微鏡観察による測定等で測定
することができる。
【0067】次に、本発明の被覆物質を上記核粒子の表
面に被覆する被覆工程について詳述する。本発明におい
て、上記被覆物質は、固体粉末状のままで上記核粒子表
面の被覆に用いられるものである。具体的には、例え
ば、転動ドラム中に上記核粒子と固体粉末状の上記被覆
物質とを添加して転動することによって、固体粉末状の
上記被覆物質が上記核粒子表面を被覆し、本発明の被覆
粒子が得られる。また、上記造粒工程において、例えば
上記核粒子の原料成分を混練、押出した後、破砕造粒法
により造粒する際に、破砕造粒処理を上記被覆物質の共
存下で行なうか、又は、例えば攪拌造粒法により造粒す
る際に、造粒の終了付近で上記被覆物質を添加すること
によっても、固体粉末状の上記被覆物質で上記核粒子表
面を被覆することができる。
【0068】本発明の被覆工程は、いずれの条件でも被
覆を行う温度は65℃以下が好ましく、更に好ましくは
50℃以下である。65℃を超えると例えば上記核粒子
が上記界面活性剤を含有する場合、核粒子内の界面活性
剤の水和結晶状態に変化が起こり、被覆粒子の物性が悪
化するおそれがある。なお、被覆工程の温度の下限は、
特に制限されないが、製造コスト等を考慮すれば、室温
(0〜30℃)程度が好適である。
【0069】本発明の被覆粒子は、そのまま例えば洗剤
粒子、洗剤原料粒子として使用することもできるが、上
述した核粒子の場合と同様に、発塵を抑制するために上
記ハイドロトロープ剤、ノニオン界面活性剤などで更に
コーティングしてもよい。コーティング量としては、被
覆粒子100質量部に対して0.2〜7質量部が好まし
く、より好ましくは0.5〜5質量部である。0.2質
量部未満では発塵が抑制されない場合があり、7質量部
を超えた場合には流動性、固化性が悪化する場合があ
る。
【0070】また、本発明の被覆粒子は、上記核粒子の
場合と同様に、流動性の改善のために、一次粒子の平均
粒径が10μm以下の上記微粉体を被覆粒子100質量
部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ま
しくは0.2〜5質量部の割合となるように添加、混合
し、被覆粒子表面を更に被覆することもできる。かかる
微粉体の被覆により、被覆粒子表面の粘着性が抑制さ
れ、より良好な粉体物性を有する被覆粒子が得られる。
なお、上記微粉体の添加量が少なすぎると、充分な流動
性の改良効果が得られ難くなる場合があり、多すぎると
余剰な微粉体による被覆粒子の流動性の悪化が生じ易く
なる場合や被覆物質の効果が出難くなる場合がある。上
記被覆粒子の被覆に用いる微粉体としては、本発明の核
粒子の製造工程において上記造粒物を被覆する微粉体と
して挙げたものを用いることができる。
【0071】本発明において、上記のような本発明の被
覆物質以外のコーティングは、本発明の被覆物質の被覆
と同時(核粒子の表面を本発明の被覆物質と該被覆物質
以外のコーティング成分とによって被覆)に行なっても
よく、あるいは、上述したように本発明の被覆物質によ
る被覆前(核粒子を製造する工程における上記造粒物の
被覆)であっても、本発明の被覆物質による被覆後(被
覆工程により得られた被覆粒子の被覆)であってもよ
い。
【0072】本発明の被覆粒子の物性値は、特に制限さ
れるものではないが、嵩密度は上記核粒子とほとんど変
化しないことから、上記核粒子と同様の理由により嵩密
度は、通常0.4g以上/mL、好ましくは0.5g以
上/mL、より好ましくは0.6g以上/mLである。
上限は好ましくは1.2g以下/mL、より好ましくは
1.1g以下/mLである。また、平均粒径は、好まし
くは300〜1500μm、より好ましくは350〜1
000μmである。300μm未満になると粉塵が発生
し易くなる場合があり、一方、1500μmを超えると
本発明が目的とする溶解性が得られ難くなる場合があ
る。なお、平均粒径は、上述した方法により測定するこ
とができる。更に、上記被覆粒子の流動性は、安息角と
して60°以下、特に50°以下が好適である。60°
を超えると核粒子の取扱性が悪化する場合がある。な
お、安息角は、容器に満たした粒子が流出するときに形
成されるすべり面の水平面となす角を測定する、いわゆ
る排出法による安息角測定法により測定することができ
る。
【0073】本発明の洗剤組成物は、上記被覆粒子を含
有するものであり、本発明の被覆粒子が、上記核粒子中
に界面活性剤を含むものについては、そのまま単独で被
覆粒子の粒子群を高嵩密度洗剤組成物として用いること
もできるが、更に、本発明の被覆粒子以外の洗剤成分を
添加したり、本発明の被覆粒子以外の洗剤粒子と混合し
て粒状洗剤組成物としてもよい。一方、上記核粒子中に
界面活性剤を含有せず、洗浄ビルダーのみを核粒子中に
含有する被覆粒子については、該被覆粒子からなる粒子
群以外に界面活性剤が配合され、この場合、界面活性剤
をそのまま混合することもできるが、界面活性剤を適宜
成分と共に造粒した洗剤粒子として混合すると、より好
適である。なお、本発明の被覆粒子と混合する界面活性
剤としては、上記核粒子に配合する界面活性剤として例
示したものと同様の各種界面活性剤が好適なものとして
挙げられる。
【0074】ここで、本発明の洗剤組成物に上記被覆粒
子以外の成分を配合する場合、配合できる成分は、本発
明の効果を損なわない限り、特に制限されるものではな
く、例えば本発明の核粒子に添加できる任意成分として
上述した成分等の各種成分を本発明の効果を損なわない
範囲で配合することができる。
【0075】また、本発明の被覆粒子以外の洗剤粒子、
本発明の被覆粒子の含有成分以外の洗剤成分を造粒して
配合する場合、その製造法は、上述した造粒法が好適で
ある。
【0076】本発明の被覆粒子からなる粒子群とそれ以
外の成分とを混合して本発明の洗剤組成物とする場合、
その混合方法としては、乾式混合が好適に用いられる。
使用する混合機は、水平円筒型、二重円錐型、V型、自
転・公転型のいずれを使用してもよく、攪拌造粒機、転
動造粒機を用いてもよい。好ましくは、水平円筒型又は
二重円錐型を用い、温度25℃、Fr数0.14(算出
式は上述した通り)で攪拌する。このとき、本発明の被
覆粒子の粒子群とそれ以外の成分の添加順序は、特に問
わない。
【0077】本発明の洗剤組成物は、本発明の被覆粒子
とそれ以外の成分とを混合した後、本発明の被覆物質で
更に被覆してもよく、必要に応じて流動性改善のための
微粉体でコーティングしたり、香料、色素、発塵を抑制
するための液体バインダー等を噴霧してもよい。また、
本発明の洗剤組成物が上記被覆粒子以外の粒子を含有す
るものである場合、該粒子群以外の粒子の製造工程中
に、例えば流動性改善のための微粉体のコーティング、
発塵防止のための液体バインダーの噴霧の際に、同時に
本発明の被覆粒子及び必要に応じて本発明の被覆物質を
添加してもよい。
【0078】また、本発明の洗剤組成物を、タブレット
状、ブリケット状、シート状などの成型品として製造す
る場合には、上記被覆粒子を必要に応じてその他の任意
成分と共に、例えばタブレッティング法、ロールプレス
法などの周知の成型法によって成形することによって、
タブレット状、ブリケット状、シート状などの洗剤組成
物を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な被覆工程で、良
好な製造適性や粉体物性を維持したまま溶解性が改善さ
れた被覆粒子を得ることができる。従って、本発明の被
覆粒子は、特に高嵩密度粒状洗剤組成物の原料として使
用する洗剤粒子、ビルダー粒子として好適である。ま
た、本発明の洗剤組成物によれば、溶解性に優れた洗剤
組成物が得られる。更に、本発明の被覆粒子の製造方法
によれば、簡単な工程によって溶解性の改善された被覆
粒子が得られるので、特に高嵩密度粒状洗剤組成物を製
造する際に有用である。
【0080】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明をより具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。
【0081】以下の実施例、比較例において用いた表1
〜6中の各原料は、以下の通りである。また表中の各組
成における「%」、混合比は、質量基準の比率を表す。
なお、表中の各成分の量は、純分換算した配合量であ
る。
【0082】(1)原料 実施例及び比較例において用いた原料を、後述する表に
記載した略号とともに以下に示す。 α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82
のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム(AI=
70%、残部は、未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナ
トリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水など) α−SF−H:α−スルホ脂肪酸アルキルエステル(メ
チルエステル(パステルM−14、パステルM−16
(ライオンオレオケミカル(株)製)を2:8で混合した
もの)を特開2001−64248の実施例1で開示さ
れている方法に準拠してスルホン化し、エステル化工程
後に抜き出しα−スルホ脂肪酸アルキルエステルとした
もの) LAS−K:炭素数10〜14のアルキル基を有する直
鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム塩(AI=70
%、残部は未反応アルキルベンゼン、硫酸ナトリウム、
水など) 石鹸:C16:C18:TMD(C10〜20のエステ
ル系混合物)=1:3:1の脂肪酸ナトリウム(AI=
67%) AOS−K:炭素数14:16:18=15:50:3
5のα−オレフィンスルホン酸カリウム(AI=70
%、残部は未反応α−オレフィン、硫酸カリウム、サル
トン、水酸化カリウム、水など) EOノニオン:炭素数12〜13のアルコールに平均1
5モルのエチレンオキサイドを付加したアルコールエト
キシレート(AI=90%、残部は未反応アルコール、
PEG、水など) EOPOノニオン:炭素数12〜13のアルコールに平
均15モルのエチレンオキサイドを付加した後、平均3
モルのプロピレンオキサイドを付加したブロック型アル
コールアルコキシレート(AI=94%、残部は、未反
応アルコール、PEG、水など) 炭酸カリウム−1(粒子内):旭硝子(株)製、食添グ
レード 炭酸カリウム−2(粉砕品)(被覆物質):旭硝子
(株)製、微粉炭酸カリウムを卓上型微粉砕機(スタッ
ドミル63C型、アルピネ社製)で微粉砕したもの(平
均粒径25μm) 炭酸ナトリウム−1(粉砕品)(粒子内):旭硝子
(株)製、粒灰 炭酸ナトリウム−2(粉砕品)(粒子内及び被覆物
質):旭硝子(株)製、軽灰を卓上粉砕機(トリオサイ
エンス(株)製、トリオブレンダー)にて粉砕したもの
(平均粒径50μm) 珪酸ナトリウム:日本化学工業製、JIS1号珪酸ナト
リウム 亜硫酸ナトリウム:神洲化学(株)製、無水亜硫酸曹達 ホワイトカーボン:(株)トクヤマ製、トクシールN A型ゼオライト:水沢化学(株)製、シルトンB(微
粉、AI=80%) P型ゼオライト:イネオスシリカ(株)製、Douci
lA24(微粉、AI=88%) ポリマー:マレイン酸、アクリル酸の共重合体(日本触
媒(株)製、アクアリックTL−400) モンモリロナイト:SUD CHEMIE AG製、ラ
ウンドロジルEXM703 蛍光剤:チバスペシャリティケミカルズ製、チノパール
CBS−X 過酸化水素水溶液:純正化学(株)製、一級試薬、過酸
化水素35%含有水溶液その他成分:酵素、香料、色
素、過炭酸ナトリウム、有機過酸前駆体等の漂白成分、
また、硫酸ナトリウム、脂肪酸メチルエステル、未反応
アルコール等の原料由来の不純物成分等が含まれる。 硫酸カリウム:上野製薬(株)製、硫酸加里を卓上型微
粉砕機(スタッドミル63C型、アルピネ社製)で平均
粒径25μmまで微粉砕したもの 硫酸マグネシウム:純正化学(株)製、試薬一級を卓上
粉砕機(トリオサイエンス(株)製、トリオブレンダ
ー)にて粉砕したもの(平均粒径50μm) 塩化カリウム:純正化学(株)製、試薬一級を卓上粉砕
機にて粉砕したもの(平均粒径50μm) 塩化カルシウム:純正化学(株)製、試薬一級塩化カル
シウム二水和物を卓上粉砕機にて粉砕したもの(平均粒
径50μm) 炭酸カルシウム:純正化学(株)製、試薬一級を卓上粉
砕機で粉砕したもの(平均粒径50μm) ステアリン酸カルシウム:関東化学(株)製、試薬1級
ステアリン酸カルシウムを卓上粉砕機にて粉砕したもの
(平均粒径50μm)
【0083】(2)洗剤組成物の評価方法 <溶解性評価> ・評価方法 二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、CW−C30A1−
H)に、5℃の水道水30Lを張り、綿肌シャツ7枚、
ポリエステルシャツ2枚、アクリルシャツ2枚で浴比2
0倍に調整し、それらを折り畳んで水面に浮かべた。そ
の中心に各洗剤組成物30gを乗せ、布ごと2分間浸漬
後、弱水流で5分間撹拌した。排水後、布を1分間脱水
し、布上と洗濯機中にある溶け残りを拾い出し、目視に
て溶け残り量を、下記評価基準に基づいて評価した。
【0084】 ◎:溶け残りがほとんどない ○:溶け残りがやや見られる ×:溶け残りが著しく見られる 家庭における使用性を考慮すると、洗剤組成物としては
○以上の評価が好ましい。
【0085】被覆されていない各粒子(核粒子)の製造
方法について以下に説明する。 <粒子A> ・活性剤濃縮 α−SF−NaとEOノニオンとをAIで10/2とな
るように混合したスラリーを薄膜蒸発機(神鋼パンテッ
ク製エクセバ、伝面0.5m2)を用いて、クリアラン
ス3mm、ジャケット温度120℃、真空度0.027
MPa、回転羽根周速11m/sの条件で水分12%の
濃縮品を得た。
【0086】・撹拌造粒+破砕 表1に示した粉体原料(一部ゼオライトを除く)をレー
ディゲミキサー((株)マツボー製、M−20型)に投
入し、主軸(すき歯ショベル、200rpm、Fr数
(算出式は上述):2.6)、チョッパー(6000r
pm、Fr数:43.7)の攪拌下で均一に混合した
(仕込充填率:50%)。そこへ、表1に示した組成と
なるように上記活性剤濃縮品、EOノニオンの残部を滴
下し、5分間造粒処理を行った。更にゼオライト3質量
%(対粒子A全量)を添加して1分間コーティング処理
を行った。造粒品温度は35〜45℃であった。
【0087】次いで、フィッツミル(ホソカワミクロン
(株)製、DKASO−6型)にてスクリーン径2.3
mmφ、回転数2350rpmで、造粒物と粉砕助剤と
してのゼオライト3質量%(対粒子A全量)を15℃の
冷風とともに導入し(風速:16m/s、気/固比:
2.0m3/kg)、処理量186kg/hrで粉砕し
た。このときの粉砕品の温度は20〜25℃であった。
このようにして粒子A(平均粒径530μm、嵩密度
0.95g/cm3)を得た。
【0088】<粒子B> ・捏和・破砕造粒 表1に示した粉体原料(一部ゼオライトを除く)ととも
に、表1に示した組成となるように粒子Aと同様にして
得られた活性剤濃縮品とEOノニオンの残部を連続ニー
ダー(栗本鉄工所製、KRC−S4型)に投入し、温度
50〜65℃、処理量178kg/hrで連続的に混練
し、ドウ状物を得た。ニーダージャケットには、上記混
練温度を保つように、温水又は冷水、あるいはエチレン
グリコール水溶液を3〜7L/minで流した。このあ
とペレッター(不二パウダル製、ダイス孔径10mm
φ)で、温度45〜60℃で押出した後、回転式のカッ
ターで、5〜30mmのペレット状の固形洗剤を形成し
た。次いで、フィッツミル(ホソカワミクロン(株)
製、DKASO−6型)にてスクリーン径2.3mm
φ、回転数2350rpmで、造粒物と粉砕助剤として
のゼオライト3質量%(対粒子B全量)を15℃の冷風
とともに導入し、処理量186kg/hrで粉砕した。
このときの粉砕品の温度は20〜30℃であった。この
ようにして粒子B(平均粒径520μm、嵩密度0.9
7g/cm3)を得た。
【0089】<粒子C> ・撹拌造粒+破砕 表1に示した粉体原料(一部ゼオライトを除く)をレー
ディゲミキサー((株)マツボー製、M−20型)に投
入し、主軸(すき歯ショベル、200rpm、Fr数:
2.6)、チョッパー(6000rpm、Fr数:4
3.7)の攪拌下で均一に混合した(仕込充填率:50
%)。そこへEOノニオンを滴下し、5分間造粒処理を
行った。更にゼオライト3質量%(対粒子C全量)を添
加して1分間コーティング処理を行った。造粒品温度は
35〜45℃であった。次いで、フィッツミル(ホソカ
ワミクロン(株)製、DKASO−6型)にてスクリー
ン径2.3mmφ、回転数2350rpmで、造粒物と
粉砕助剤としてのゼオライト3質量%(対粒子C全量)
を15℃の冷風とともに導入し(風速:16m/s、気
/固比:2.0m3/kg)、処理量186kg/hr
で粉砕した。このときの粉砕品の温度は20〜25℃で
あった。このようにして粒子C(平均粒径450μm、
嵩密度0.95g/cm3)を得た。
【0090】<粒子D> ・転動造粒+破砕 表1に示した粉体原料(一部ゼオライトを除く)を転動
ドラム(直径0.6m、長さ0.48m、内容積136
L、バッフル形状厚さ1mm×幅12cm×長さ48c
m(粉層高に対し80%)×4枚)に投入し、充填率3
3%(45L)、Fr数(算出式は上述)0.14(回
転数20rpm)で、回転させながら、均一に1分間混
合した。そこへEOノニオンを加圧ノズル(池内MKB
0080063、噴霧圧1.2MPa)を用いて噴霧高
さ260mm、ノズル傾斜角約40°(対垂直)にて1
0分で添加し、3分間造粒処理を行った。
【0091】最後に、同じ転動ドラム内にてゼオライト
5質量%(対粒子D全量)を加え、得られた粒子を被覆
した。次いで、フィッツミル(ホソカワミクロン(株)
製、DKASO−6型)にてスクリーン径2.3mm
φ、回転数2350rpmで、造粒物と粉砕助剤として
のゼオライト3質量%(対粒子D全量)を15℃の冷風
とともに導入し(風速:16m/s、気/固比:2.0
3/kg)、処理量186kg/hrで粉砕した。こ
のときの粉砕品の温度は20〜25℃であった。このよ
うにして粒子D(平均粒径430μm、嵩密度0.84
g/cm3)を得た。
【0092】<粒子E> ・転動造粒 表1に示した粉体原料を転動ドラム(直径0.6m、長
さ0.48m、内容積136L、バッフル形状厚さ1m
m×幅12cm×長さ48cm(粉層高に対し80%)
×4枚)に投入し、充填率33%(45L)、Fr数
(算出式は上述)0.14(回転数20rpm)で、回
転させながら、均一に1分間混合した。そこへ水道水
(東京都江戸川区)を加圧ノズル(池内MKB0080
063、噴霧圧1.2MPa)を用いて噴霧高さ260
mm、ノズル傾斜角約40°(対垂直)にて3分で添加
し、3分間造粒処理を行った。このようにして粒子E
(平均粒径350μm、嵩密度1.1g/cm3)を得
た。
【0093】<粒子F、H> ・噴霧乾燥 表1に示した組成のうち、ノニオン界面活性剤、一部の
ゼオライトを除く任意成分を水道水(東京都江戸川区)
に溶解若しくは分散させ、スラリー(固形分濃度60質
量%)を調製した後、このスラリーを以下の噴霧乾燥条
件で噴霧乾燥し、乾燥粒子を得た。
【0094】[スラリー調製条件] ・固形分濃度:60%、温度:60℃ ・不純物:廃粉を水に再溶解し、これをスラリーに一部
配合する操作があり、洗剤の常用成分が微量混入する。
【0095】[噴霧乾燥条件] ・噴霧乾燥装置:向流式、塔径2.0m、有効長5.0
m、微粒化方式:加圧ノズル方式、噴霧圧力:30kg
/cm2、熱風入口温度:260℃、熱風出口温度:9
0℃、排出方法:塔底部にゼオライト2質量%(各々対
粒子F、H各全量)を冷風とともに導入し、冷却+流動
性改善を施した後に排出
【0096】[噴霧乾燥粒子の物性] ・平均粒径:約400μm、嵩密度:300g/L、安
息角:40°、水分:4.5質量%(粒子Fの結果)
【0097】・捏和・破砕造粒 次いで、得られた噴霧乾燥粒子とともに、表1の組成に
従って、粒子FはEOノニオン4.5質量%(対粒子F
全量)、粒子HはEOノニオン1.0質量%(対粒子H
全量)、EO/POノニオン全量と少量の水道水(東京
都江戸川区)を連続ニーダー(栗本鉄工所製、KRC−
S4型)に投入し、温度50〜65℃、処理量178k
g/hrで連続的に混練し、ドウ状物を得た。ニーダー
ジャケットには、上記混練温度を保つように、温水又は
冷水、あるいはエチレングリコール水溶液を3〜7L/
minで流した。
【0098】このあと、ペレッター(不二パウダル製、
ダイス孔径10mmφ)で、温度45〜60℃で押出し
た後、回転式のカッターで、5〜30mmのペレット状
の固形洗剤を形成した。
【0099】次いで、フィッツミル(ホソカワミクロン
(株)製、DKASO−6型)を3段直列に配置し(ス
クリーン径、回転数は、粒子Fの場合、1段目;12m
m、1880rpm、2段目;6mm、4700rp
m、3段目;3mm、4700rpm、粒子Hの場合、
1段目;8mm、4700rpm、2段目;3mm、4
700rpm、3段目;2mm、4700rpm)、得
られた固形洗剤と粉砕助剤としてのゼオライト4.3質
量%(対固形洗剤)を15℃の冷風とともに導入し、処
理量186kg/hrで粉砕した。このときの粉砕品の
温度は20〜30℃であった。
【0100】最後に、転動ドラム(直径0.6m、長さ
0.48m、厚さ1mm×幅12cm×長さ48cmの
邪魔板4枚付き、回転数20rpm)内でゼオライト
2.0質量%(対粉砕粒子)を加え、得られた洗剤粒子
を被覆し、EOノニオンの残部(発塵防止)を加えて高
嵩密度洗剤粒子とした。こうして粒子F(平均粒径59
0μm、嵩密度0.81g/cm3)、粒子H(平均粒
径550μm、嵩密度0.83g/cm3)を得た。
【0101】<粒子G> ・噴霧乾燥 表1に示した組成のうち、α−SF−Na、ノニオン界
面活性剤、一部のゼオライトを除く成分を用い、粒子
F、Hの方法に準拠して噴霧乾燥粒子を得た。
【0102】・活性剤濃縮 α−SF−NaとEOノニオンとをAIで10/2とな
るように混合したスラリーを薄膜蒸発機(神鋼パンテッ
ク製エクセバ、伝面0.5m2)を用いて、クリアラン
ス3mm、ジャケット温度120℃、真空度0.027
MPa、回転羽根周速11m/sの条件で水分12%の
濃縮品を得た。
【0103】・捏和・破砕造粒 得られた噴霧乾燥粒子とともに、表1の組成になるよう
に上記活性剤濃縮品とEOノニオン3.5質量%(対粒
子G全量)、少量の水道水(東京都江戸川区)を連続ニ
ーダー(栗本鉄工所製、KRC−S4型)に投入し、温
度50〜65℃、処理量178kg/hrで連続的に混
練し、ドウ状物を得た。ニーダージャケットには、上記
混練温度を保つように、温水又は冷水、あるいはエチレ
ングリコール水溶液を3〜7L/minで流した。この
あとペレッター(不二パウダル製、ダイス孔径10mm
φ)で、温度45〜60℃で押出した後、回転式のカッ
ターで、5〜30mmのペレット状の固形洗剤を形成し
た。
【0104】次いで、フィッツミル(ホソカワミクロン
(株)製、DKASO−6型)を3段直列に配置し(ス
クリーン径、回転数は1段目;6mm、1880rp
m、2段目;4mm、2350rpm、3段目;2m
m、3760rpm)、得られた固形洗剤と粉砕助剤と
してのゼオライト4.3質量%(対固形洗剤)を15℃
の冷風とともに導入し、処理量186kg/hrで粉砕
した。このときの粉砕品の温度は20〜30℃であっ
た。
【0105】最後に、転動ドラム(直径0.6m、長さ
0.48m、厚さ1mm×幅12cm×長さ48cmの
邪魔板4枚付き、回転数20rpm)内でゼオライト
2.0質量%(対粉砕粒子)を加え、得られた洗剤粒子
を被覆し、EOノニオンの残部(発塵防止)を加えた。
こうして粒子G(平均粒径540μm、嵩密度0.86
g/cm3)を得た。
【0106】<粒子I> ・流動層によるドライ中和 表1に示したアルカリ性無機粉体を含む粉体原料(コー
ティング剤は除く)を流動層((株)パウレックス製、
Glatt−POPOWREX、型番FD−WRT−2
0)に静置時の粉体層厚が200mmになる重量を添加
した。その後、20℃の風(空気)を流動層内に送り、
粉体が流動化したことを確認した後にα−SF−Hを流
動化している粉体層に向け、上部より噴霧した。流動層
内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜2.0m/
sの範囲で調整しながら造粒操作を行った。
【0107】α−SF−Hは60℃で噴霧を行い、噴霧
するためのノズルは噴霧角度70°の2流体ホローコー
ンノズルを使用した。噴霧速度は約400g/minで
行った。α−SF−Hの噴霧終了後、さらに20℃の風
(空気)を流動層内に送り、240秒間熟成を行った。
【0108】さらに、流動層より造粒物を排出し、転動
ドラム(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×
幅12cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数2
0rpm)内で、EOノニオンを造粒物に噴霧し、最後
にゼオライト4.5質量%相当分をコーティングした。
【0109】・漂白 その後、得られた粒子に過酸化水素水溶液を転動ドラム
(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×幅12
cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数20rp
m)内で噴霧し、流動性改善のために、さらにゼオライ
ト5.0%相当分をコーティングした。こうして粒子I
(平均粒径380μm、嵩密度0.50g/cm3)を
得た。
【0110】<粒子J> ・流動層によるドライ中和 表1に示したアルカリ性無機粉体を含む粉体原料(コー
ティング剤は除く)を流動層((株)パウレックス製、
Glatt−POPOWREX、型番FD−WRT−2
0)に静置時の粉体層厚が200mmになる重量を添加
した。その後、20℃の風(空気)を流動層内に送り、
粉体が流動化したことを確認した後にα−SF−Hを流
動化している粉体層に向け、上部より噴霧した。流動層
内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜2.0m/
sの範囲で調整しながら造粒操作を行った。
【0111】α−SF−Hは60℃で噴霧を行い、噴霧
するためのノズルは噴霧角度70°の2流体ホローコー
ンノズルを使用した。噴霧速度は約400g/minで
行った。α−SF−Hの噴霧終了後、さらに20℃の風
(空気)を流動層内に送り、240秒間熟成を行った。
【0112】その後、流動層より造粒物を排出し、レー
ディゲミキサー((株)マツボー製、M−20型)内
で、主軸(すき歯ショベル、200rpm、Fr数:
2.6)、チョッパー(6000rpm、Fr数:4
3.7)の攪拌下で圧密化処理を行いつつEOノニオン
を添加し(仕込充填率:50%、圧密化処理時間:1分
間)、引き続きゼオライト4.5%相当分を添加、コー
ティングした(コーティング時間15秒間)。
【0113】・漂白 その後、得られた粒子に過酸化水素水溶液を転動ドラム
(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×幅12
cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数20rp
m)内で噴霧し、流動性改善のために、さらにゼオライ
ト5.0%相当分をコーティングした。こうして粒子I
(平均粒径460μm、嵩密度0.60g/cm3)を
得た。表1に各粒子(核粒子)の組成を示す。
【0114】
【表1】
【0115】<実施例1〜10及び比較例1〜10:被
覆粒子のみを含有する洗剤組成物>上記各粒子(核粒
子)の被覆方法は以下に示す通りである。
【0116】実施例1〜6、8〜10及び比較例2〜1
0については、表2及び表3に示す組成に従って、得ら
れた各粒子(核粒子)と各被覆物質を転動ドラム(直径
0.6m、長さ0.48m、内容積136L、バッフル
形状厚さ1mm×幅12cm×長さ48cm(粉層高に
対し80%)×4枚)に投入し、充填率33%(45
L)、Fr数0.14(回転数20rpm)で、回転させ
ながら、均一に3分間混合して、実施例及び比較例の被
覆粒子を製造すると共に、洗剤組成物を得た。
【0117】実施例7については、粒子Fの製造法(上
記記載)で、転動ドラム内でゼオライト及びEOノニオ
ンで被覆する際に、同時に表2で示す組成に従って被覆
物質も添加して、核粒子の表面を被覆物質及びゼオライ
ト、EOノニオンで被覆した実施例7の被覆粒子を製造
すると共に、洗剤組成物を得た。
【0118】上記実施例1〜10及び比較例1〜10の
洗剤組成物について、上記評価方法に従って溶解性を評
価した。結果を表2及び表3に併記する。なお以下の例
において、被覆粒子の嵩密度、平均粒径も表中に併記し
た。
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】<実施例11〜25、比較例11〜18:
2種類の粒子を混合した洗剤組成物>上記各粒子(核粒
子)の被覆方法、被覆粒子と他粒子との混合方法は以下
に示す通りである。
【0122】被覆混合方法(実施例11〜13、1
5、16、19〜25、比較例11、13〜15、1
7、18;被覆粒子と他粒子との混合) 得られた各粒子(核粒子)(イ)と各被覆物質を表4〜
6に示す組成に従って、転動ドラム(直径0.6m、長
さ0.48m、内容積136L、バッフル形状厚さ1m
m×幅12cm×長さ48cm(粉層高に対し80%)
×4枚)に投入し、Fr数0.14(回転数20rp
m)で、回転させながら、均一に3分間混合して被覆粒
子(ロ)を得た。続いて、他粒子(ハ)を添加して、更
に均一に3分間混合して実施例及び比較例の洗剤組成物
を得た。充填率は、最終混合物として33%(45L)
となるよう調整した。但し、比較例11、14、15、
18は、被覆物質は添加していない。
【0123】被覆混合方法(実施例14、17、1
8、比較例12、16;2種類の核粒子の混合と被覆) 表4〜6に示す組成に従って流動性改善のためのゼオラ
イトと発塵抑制のためのノニオン界面活性剤の被覆をし
ていない他粒子(ハ)と各被覆物質による被覆前の各粒
子(核粒子)(イ)を、転動ドラム(直径0.6m、長
さ0.48m、内容積136L、バッフル形状厚さ1m
m×幅12cm×長さ48cm(粉層高に対し80%)
×4枚)に投入し、Fr数0.14(回転数20rp
m)で、回転させながら、均一に3分間混合した。この
あと、上記ゼオライトの混合と、ノニオン界面活性剤の
噴霧を行い、最後に表4〜6中の各被覆物質を添加し
て、更に3分間混合して、実施例14、17、18、比
較例12、16の被覆粒子を製造すると共に、洗剤組成
物を得た。充填率は最終混合物として33%(45L)
となるように調整した。
【0124】上記実施例11〜25及び比較例11〜1
8の洗剤組成物について、上記評価方法に従って溶解性
を評価した。結果を表4〜6に併記する。
【0125】
【表4】
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板倉 健介 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 増井 宏之 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 森田 章友 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H003 AB03 AB15 AB19 AB21 AC08 AC23 BA10 DA01 EA12 EA15 EA16 EA19 EA26 EA28 EB07 EB08 EB30 ED02 EE04 FA09 FA32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤及び/又は洗浄ビルダーを含
    有してなる核粒子の表面に、5℃での水への溶解度が1
    g以上/100gであり、且つ陽イオンとしてカリウム
    イオン、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンを有
    する有機酸塩及び無機酸塩からなる群より選ばれる1種
    以上の被覆物質を粉末状態で被覆してなることを特徴と
    する高嵩密度被覆粒子。
  2. 【請求項2】 上記核粒子の嵩密度が0.5g以上/m
    Lであることを特徴とする請求項1に記載の高嵩密度被
    覆粒子。
  3. 【請求項3】 上記被覆物質が、硫酸カリウム、硫酸マ
    グネシウム、塩化カリウム及び塩化カルシウムから選ば
    れる1種以上の無機塩である請求項1又は2記載の高嵩
    密度被覆粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の高嵩
    密度被覆粒子を含有してなることを特徴とする洗剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 (1)界面活性剤及び/又は洗浄ビルダ
    ーを含有する高嵩密度核粒子を製造する工程と、(2)
    上記核粒子の表面に、5℃での水への溶解度が1g以上
    /100gであり、且つ陽イオンとしてカリウムイオ
    ン、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンを有する
    有機酸塩及び無機酸塩からなる群より選ばれる1種以上
    の被覆物質を粉末状態のままで被覆する工程とを含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の高嵩密度被覆粒子の製造
    方法。
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