JP5142862B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
図9に示すスルーホールの充填方法では、先ず、図9(a)に示すように、絶縁材料である樹脂から成る樹脂基板100にドリルによって円筒状のスルーホール102を形成した後、図9(b)に示すように、スルーホール102の内壁面を含む樹脂基板100の表面に無電解めっきによって金属薄膜104を形成する。
更に、スルーホール102を含む金属薄膜104を覆うように塗布しためっきレジスト106にパターニングを施し、スルーホール102及び配線パターンを形成する部分の金属薄膜104を露出する(図9(b))。
引き続いて電解めっきを継続することにより、樹脂基板100に形成された凹部112,112の各々に金属を充填し、ボイド等の欠陥のない充填層114を形成することができる。
ところで、特許文献1のスルーホールの充填方法では、スルーホール内のストレート状の内壁面に対する金属析出速度が、樹脂基板の基板面の金属析出速度よりも速い電解めっき液を用いることを要する。
しかし、かかる電解めっき液は、その経時変化が大きいため、使用する電解めっき液が所定の性能を有することの厳格な管理が要請される。
そこで、本発明者は、管理に多大の注意を払う電解めっき液を用いた電解金属めっきによってスルーホール内をめっき金属で充填する従来のスルーホールの充填方法の課題を解消し、厳格な管理を要しない電解めっき液を用いても電解金属めっきによってスルーホール内をめっき金属で容易に充填できる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、絶縁材料により形成された基板の一面側と他面側に開口部を有するスルーホールの内壁面を含む基板表面の全面に第1金属薄膜を形成し、前記基板の一面側を第1絶縁膜で前記スルーホールの開口部が閉塞するように被覆し、前記基板の他面側に前記第1金属薄膜を給電層とする第1電解金属めっきを施すことで、前記スルーホールの他面側開口部をめっき金属で閉塞し、前記第1絶縁膜を除去して前記スルーホールの一面側開口部を開口させ、前記基板の他面側に形成された前記第1めっき金属層の表面を第2絶縁膜により被覆した後、少なくとも前記スルーホールの内壁面に露出した前記第1金属薄膜を除去した後に前記スルーホール内に残留する空間部を、前記第1めっき金属層を給電層とする第2電解金属めっきにより充填することにより、前記基板の一面側と他面側とを電気的に導通させる貫通電極を形成することを特徴とする配線基板の製造方法である。
このように、本発明では、基板に形成したスルーホールを、凹部状として第1電解金属めっきによってめっき金属を充填した後、この第1電解金属めっきの給電層を除去してから第1電解金属めっきの充填側と反対側の端面から第2電解金属めっきをすることにより、第2電解金属めっきを第1電解金属めっきに対してポストめっきにすることができる。これにより、スルーホール内にボイドを残留させることなくめっき金属を確実に充填することができ、スルーホール内における電気的接続の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係るスルーホールの充填方法では、スルーホールの開口部近傍のめっき金属層よりも厚いめっき金属層をスルーホールの中途部近傍に形成することを要しないので、汎用されているヴィアフィル用電解めっき液を用いることができ、電解めっき液の厳格な管理を不要にできる。
本発明に係るスルーホールの充填方法を適用した配線基板の製造方法の実施形態の一例を図1〜図4において各工程における断面図を参照しながら説明する。
まず、図1(a)に示すように、基板10にドリルやレーザ光線の照射等によってスルーホール12を形成する。基板10は、エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁材料によって形成されている。
次に図1(b)に示すように、スルーホール12が形成された基板10に対し、スルーホール12の内壁面を含む基板10の全面に第1金属薄膜14を成膜する。この第1金属薄膜14は、無電解めっきによって形成することができ、第1金属薄膜14の膜厚さは1μm程度である。このような第1金属薄膜14としては、無電解銅めっきによって形成される銅薄膜が好ましい。
更に、図1(c)に示すように、基板10の一面側を第1絶縁膜16によって被覆し、スルーホール12の開口部の一方を閉塞する。この第1絶縁膜16によって、スルーホール12を凹部状にすることができる。かかる第1絶縁膜16としては、ドライフィルムレジストを好適に用いることができる。
かかる第1電解金属めっきでは、電解めっき液として、ヴィアフィル用の電解めっき液を用いることが好ましい。特に、第1電解金属めっきとして、電解銅めっきを採用し、ヴィアフィル用の電解銅めっき液として、例えば特開2006−57177号公報に提案されている、硫酸銅、硫酸、塩化物イオンを基本組成とし、界面活性剤としての高分子化合物、ブライトナーとしての硫黄化合物及びレベラーとしての含窒素化合物が配合されている電解銅めっき液を好適に用いることができる。この電解銅めっき液では、攪拌することによるレベラー効果によって、凹部状のヴィアホール内にめっき金属を平滑に埋め込むことができる。
第1絶縁膜16を剥離した基板10には、図2(c)に示すように、基板10の他面側に形成した第1めっき金属層18の表面を、第2絶縁膜20によって被覆する。この第2絶縁膜20としては、ドライフィルムレジストを好適に用いることができる。
次いで、図3(a)に示すように、スルーホール12の一方の開口側の空間部12aにあらわれている(露出している)第1めっき金属層18の給電層とした第1金属薄膜14をフラッシュエッチングすることにより除去する。
第2電解金属めっきを施した基板10では、図3(b)に示すように、基板10の一面側に第2めっき金属層22を形成し、図3(a)に示す空間部12aが充填され、スルーホール12を第1めっき金属層18と第2めっき金属層22とによって密に充填することができ、基板10の一面側と他面側を電気的に接続するための貫通電極を形成することができる。第2電解金属めっきは、第2めっき金属層22の析出高さ位置がスルーホール12の一方側の開口面と面一の高さ位置となるまで継続する。
この後は必要に応じて配線基板30の一方側の面および他方側の面を被覆している第1めっき金属層18および第3めっき金属層26をサブトラクティブ法等の公知の方法によりエッチングすることで基板10の上下面のそれぞれにめっき金属層により形成された配線パターンを形成することができる。
第2金属薄膜24である無電解銅めっきは、被着対象面の表面形状に倣って付着するので、このような凹状部位においては、第2金属薄膜24にも凹部24aが形成されることがある。このような場合、第3電解金属めっき液にヴィアフィルめっき液を用いれば第2金属薄膜24の凹部24a部分に優先して第3めっき金属層26が析出し、図4(c)に示すように平坦面に形成された第3めっき金属層26に仕上ることができるため好都合である。
第1実施形態においては、スルーホール12が形成された基板10のスルーホール12の開口部が開口するそれぞれの面に電解金属めっきにより第1めっき金属層18および第3めっき金属層26を形成し、それぞれのめっき金属層をサブトラクティブ法により配線パターンに形成する形態について説明したが、本実施形態においては、第1めっき金属層18および第3めっき金属層26のそれぞれをセミアディティブ法により形成する実施形態について説明する。
本実施形態にかかる配線基板の製造工程においては、第1実施形態で説明した図1(a)〜(c)までの工程は共通工程であるため、第1実施形態の説明において用いた符号を付与することで詳細な説明は省略する。
図5(a)に示すように、スルーホール12の他方の開口部側が開口する基板の面(図5に示す基板10の上側面)に第1電解金属めっきを施すに先立って、第1電解金属めっきを析出させる第1金属薄膜14の表面に、図5(a)に示す基板10の上面側に形成すべき配線パターンの配線となる部位に開口部を有する第1めっきレジスト40を形成する。第1めっきレジスト40には、感光性樹脂フィルムを用い、配線パターンに沿って露光および現像することにより形成することができる。
所要の開口パターンに第1めっきレジスト40を形成した後、攪拌付のめっき槽に貯留した電解めっき液に浸漬させて、金属薄膜14を給電層とする第1電解金属めっきを施す。かかる第1電解金属めっきでは、電解めっき液として、ヴィアフィル用の電解めっき液を用いることが好ましいのは、第1実施形態と同様である。
次いで、図6(b)に示すように、スルーホール12の一方の開口側の空間部12aにあらわれている(露出している)第1めっき金属層18の給電層とした第1金属薄膜14をフラッシュエッチングすることにより除去する。
第2電解金属めっきを施した基板10では、図6(c)に示すように、基板10の一面側に第2めっき金属層22を形成し、図6(b)に示す空間部12aが充填される。スルーホール12は、第1めっき金属層18と第2めっき金属層22とによって密に充填され、基板10の板厚方向における電気的接続を可能にする貫通電極が形成される。第2電解金属めっきは、第2めっき金属層22の析出高さ位置がスルーホール12の一方側の開口面と面一の高さ位置となるまで継続する。
続いて図7(b)に示すように、第2金属薄膜24の表面に、第2金属薄膜24が形成されている基板表面に形成すべき配線パターンに従った開口部を有する第2めっきレジスト42を形成する。第2めっきレジスト42は第1めっきレジスト40と同様にして形成することができる。
この後、第2絶縁膜20および第1めっきレジスト40と、第2めっきレジスト42を除去することにより露出した第1金属薄膜14と第2金属薄膜24を、図8(a)に示すようにエッチングにより除去する。これにより、図8(b)に示すような基板10の上面および下面においてそれぞれ独立した配線パターンが形成された配線基板50を得ることができる。
また、第1のめっきレジストの除去タイミングは、第1めっき金属層18を形成してから第2絶縁膜20を積層するまでの間におこなうことも可能である。第2絶縁膜20を積層する前に第1めっきレジスト40を除去した後は、第1金属薄膜14と第1めっき金属層18との間に隙間が形成されないように第2絶縁膜20を積層するように十分注意が必要である。
12 スルーホール
12a 空間部
14 金属薄膜
16 第1絶縁膜
18 第1めっき金属層
18a 突出部
20 第2絶縁膜
22 第2めっき金属層
22a,24a 凹部
24 第2金属薄膜
26 第3めっき金属層
30 配線基板
40 第1めっきレジスト
42 第2めっきレジスト
50 配線基板
Claims (7)
- 絶縁材料により形成された基板の一面側と他面側に開口部を有するスルーホールの内壁面を含む基板表面の全面に第1金属薄膜を形成し、前記基板の一面側を第1絶縁膜で前記スルーホールの開口部が閉塞するように被覆し、前記基板の他面側に前記第1金属薄膜を給電層とする第1電解金属めっきを施すことで、前記スルーホールの他面側開口部をめっき金属で閉塞し、前記第1絶縁膜を除去して前記スルーホールの一面側開口部を開口させ、前記基板の他面側に形成された前記第1めっき金属層の表面を第2絶縁膜により被覆した後、
少なくとも前記スルーホールの内壁面に露出した前記第1金属薄膜を除去した後に前記スルーホール内に残留する空間部を、前記第1めっき金属層を給電層とする第2電解金属めっきにより充填することにより、前記基板の一面側と他面側とを電気的に導通させる貫通電極を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記第1金属薄膜を給電層とする第1電解金属めっきを施すに先立って、前記基板の他面側に形成すべき配線パターンと同一の開口パターンを有するめっきレジストを形成する工程をさらに有していることを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
- 前記スルーホールの一面側開口部端面位置まで第2めっき金属層を形成した後に、
前記基板の一面側に第2金属薄膜を形成する工程と、
前記第2金属薄膜を給電層とする第3電解金属めっきを施し、前記第2金属薄膜に第3めっき金属層を積層する工程をさらに有していることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。 - 前記第2金属薄膜を給電層とする第3電解金属めっきを施すに先立って、前記第2金属薄膜上に、当該第2金属薄膜上に形成すべき配線パターンと同一の開口パターンを有するめっきレジストを形成する工程をさらに有していることを特徴とする請求項3記載の配線基板の製造方法。
- 前記第1めっき金属層および前記第3めっき金属層のうちの少なくとも一方を所要のパターンにエッチングすることにより、配線パターンを形成する工程をさらに有していることを特徴とする請求項3記載の配線基板の製造方法。
- 前記第2電解金属めっきでは、第1電解金属めっきに比較してめっき金属の析出速度を遅くすることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
- 少なくとも前記第2電解金属めっきにおいては、ヴィアフィル用電解めっき液を用いることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
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