JP4956231B2 - スルーホールの充填方法 - Google Patents
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図5に示すスルーホールの充填方法では、先ず、図5(a)に示す様に、絶縁材料である樹脂から成る樹脂基板100にドリルによって円筒状のスルーホール102を形成した後、図5(b)に示す様に、スルーホール102の内壁面を含む樹脂基板100の表面に無電解めっきによって金属薄膜104を形成する。
更に、スルーホール102を含む金属薄膜104を覆うように塗布したレジスト106にパターニングを施し、スルーホール102及び配線パターンを形成する部分の金属薄膜104を露出する[図5(b)]。
次いで、金属薄膜104を給電層とする電解金属めっきを施し、スルーホール102の内壁面及び金属薄膜104の露出面上にめっき金属層108を形成する。この電解金属めっきでは、攪拌を施しつつ樹脂基板100に電解金属めっきを施したとき、スルーホール102内のストレート状の内壁面に対する金属析出速度が、樹脂基板100の基板面の金属析出速度よりも速い電解めっき液を用いる。
かかる電解めっき液に樹脂基板100を浸漬して、電解めっき液に攪拌を施しつつ樹脂基板100に電解金属めっきを施したとき、図5(c)に示す様に、スルーホール102の開口部近傍の金属層よりも厚い金属層110をスルーホール102の中途部近傍に形成でき、スルーホール102内の中途部近傍に最狭部102aを形成できる。
引き続いて電解めっきを継続することにより、樹脂基板100に形成された凹部112,112の各々に金属を充填し、ボイド等の欠陥のない充填層114を形成できる。
ところで、特許文献1のスルーホールの充填方法では、スルーホール内のストレート状の内壁面に対する金属析出速度が、樹脂基板の基板面の金属析出速度よりも速い電解めっき液を用いることを要する。
しかし、かかる電解めっき液は、その経時変化が大きいため、使用する電解めっき液が所定の性能を有することの厳格な管理が要請される。
そこで、本発明者は、管理に多大の注意を払う電解めっき液を用いた電解金属めっきによってスルーホール内をめっき金属で充填する従来のスルーホールの充填方法の課題を解消し、厳格な管理を要しない電解めっき液を用いても電解金属めっきによってスルーホール内をめっき金属で容易に充填できるスルーホールの充填方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、絶縁材料から成る基板を貫通するスルーホールの内壁面を含む基板表面の全面に金属薄膜を形成した後、前記スルーホールの開口部の一方が開口されている基板の一面側を第1絶縁膜で覆い、且つ前記スルーホールの他方の開口部が開口されている基板の他面側に、前記金属薄膜を給電層とする第1電解金属めっきを施して、前記スルーホールの他方の開口部側にめっき金属を充填しつつ、前記スルーホールの他方の開口部を閉塞するめっき金属層を形成し、次いで、前記第1絶縁膜を剥離してスルーホールの開口部の一方を開口した後、前記スルーホールの一方の開口部側に残留する空間部をめっき金属で充填するように、前記金属薄膜を給電層とする第2電解金属めっきを、前記基板の一面側に施すことを特徴とするスルーホールの充填方法にある。
かかる本発明において、第2電解金属めっきを施す際に、基板の他面側に形成しためっき金属層の表面を第2絶縁膜で覆うことによって、第2電解金属めっきの際に、基板の他面側に形成しためっき金属層上に更にめっき金属を析出させることを防止できる。
また、第2電解金属めっきでは、第1電解金属めっきに比較してめっき金属の析出速度を遅くすること、或いは第1電解金属めっき及び第2電解金属めっきでは、ヴィアフィル用電解めっき液を用いることによって、スルーホール内にボイドを形成することなく確実にめっき金属を充填できる。
この点、本発明に係るスルーホールの充填方法では、電解金属めっきによって基板に形成したスルーホールをめっき金属で充填する際に、スルーホールの一方の開口部側を第1電解金属めっきのめっき金属で充填しつつ、スルーホールの開口部一方を閉塞した後、このスルーホールの他方の開口部側を第2電解金属めっきのめっき金属で充填しつつ、スルーホールの開口部の他方を閉塞する。
この様に、本発明では、基板に形成したスルーホールを、凹部状として電解金属めっきによってめっき金属を充填する。このため、通常のヴィアフィル用の電解金属めっきによってスルーホール内にめっき金属を充填でき、スルーホール内にボイドを残留させることなくめっき金属を充填できる。
また、本発明に係るスルーホールの充填方法では、スルーホールの開口部近傍のめっき金属層よりも厚いめっき金属層をスルーホールの中途部近傍に形成することを要しないので、汎用されているヴィアフィル用電解めっき液を用いることができ、電解めっき液の厳格な管理を不要にできる。
かかるスルーホール12が形成された基板10には、図1(b)に示す様に、スルーホール12の内壁面を含む基板10の全面に金属薄膜14を形成する。この金属薄膜14は、無電解めっきによって形成でき、その厚さは1μm程度である。かかる金属薄膜14としては、無電解銅めっきによって形成される銅薄膜が好ましい。
更に、基板10の一面側を、図1(c)に示す様に、第1絶縁膜16によって覆い、スルーホール12の開口部の一方を覆う。この第1絶縁膜16によって、スルーホール12は、凹部状とすることができる。かかる第1絶縁膜16としては、感光性ドライフィルムを好適に用いることができる。
かかる第1電解金属めっきでは、電解めっき液として、ヴィアフィル用の電解めっき液を用いることが好ましい。特に、第1電解金属めっきとして、電解銅めっきを採用し、ヴィアフィル用の電解銅めっき液として、例えば特開2006−57177号公報に提案されている、硫酸銅、硫酸、塩化物イオンを基本組成とし、界面活性剤としての高分子化合物、ブライトナーとしての硫黄化合物及びレベラーとしての含窒素化合物が配合されている電解銅めっき液を好適に用いることができる。この電解銅めっき液では、攪拌することによるレベラー効果によって、凹部状のヴィアホール内にめっき金属を平滑に埋め込むことができる。
かかる第1電解金属めっきでは、図1(d)に示す様に、基板10の他面側にめっき金属層18を形成する。このめっき金属層18は、スルーホール12の他方の開口部近傍の内壁面にも形成されるが、開口部周縁から開口部中心に向かって突出部18aが突出する。スルーホール12の他方の開口部周縁を形成する角部に電流が集中し易いからである。
この突出部18aは、第1電解金属めっきの経時に従って成長し、図1(e)に示す様に、スルーホール12の他方の開口部を閉塞する。他方の開口部が閉塞されたスルーホール12の一方の開口部側には、空間部12aが形成されている。この空間部12aは、スルーホール12の他方の開口部が閉塞されているため、電解めっき液の入れ代わりがなく、第1電解金属めっきを更に継続しても充填されることがない。
第1絶縁膜16を剥離した基板10には、図1(g)に示す様に、基板10の他面側に形成しためっき金属層18の表面を、第2絶縁膜20によって覆う。この第2絶縁膜20としては、感光性ドライフィルムを好適に用いることができる。
次いで、めっき金属層18の表面を第2絶縁膜20によって覆った基板10の一面側には、めっき槽に貯留した電解めっき液に浸漬して金属薄膜14を給電層とする第2電解金属めっきを施す。
かかる第2電解金属めっきでは、電解めっき液として、汎用されているヴィアフィル用の電解銅めっき液を用いることが好ましい。かかるヴィアフィル用の電解銅めっき液としては、例えば硫酸銅、硫酸、塩化物イオンを基本組成とし、ブライトナー及びレベラーが配合されている電解銅めっき液を好適に用いることができる。
かかる第2電解金属めっきを施した基板10では、図1(h)に示す様に、基板10の一面側にめっき金属層22を形成し、図1(g)に示す空間部12aを充填でき、スルーホール12をめっき金属によって充填できる。
その後、第2絶縁膜20を剥離し、基板10の両面側に形成しためっき金属層18,22を利用して所望のパターンを形成できる。
かかる第2電解金属めっきによって、めっき金属層18の凹部19内にもめっき金属を充填しつつ、スルーホール12の一方の開口部側に形成された空間部12aにめっき金属を充填し、図2(b)に示す様に、基板10の一面側にめっき金属層22を形成できる。
基板10として、両面金属箔基板を用いた場合には、図3に示すスルーホールの充填方法を採用できる。
図3に示すスルーホールの充填方法のうち、図3(a)〜図3(e)の工程は、基板10として樹脂層10aの両面側に金属箔11a,11bが形成されている両面金属箔基板を用いた他は、図1(a)〜図1(e)に示す工程と同一である。このため、図3(a)〜図3(e)において、図1(a)〜図1(e)と同一部材は同一番号を付して、図1(a)〜図1(e)に示す工程と同一工程についての詳細な説明を省略する。
かかる凹部状のスルーホール12の内壁面及び基板10の一面側には、金属薄膜14が露出している。
この金属薄膜14は、通常、基板10を形成する金属箔11a,11bに比較して薄い。このため、基板10をエッチング液に短時間浸漬するフラッシュエッチングを施すと、露出する金属薄膜14がエッチングされ、図3(f)に示す様に、基板10の一面側には、金属箔11bが露出すると共に、凹部状のスルーホール12の内壁面には、樹脂層10aが露出する。
従って、基板10の一面側に露出する金属箔11bは、基板の他面側に形成されている金属薄膜14、めっき金属層18及び金属箔11aとは電気的に絶縁状態となる。
かかる第2電解金属めっきを続行していると、めっき金属層22aが成長し、金属箔11bと接触する状態に到達すると、金属箔11bにも通電されて基板10の一面側の金属箔11b上にもめっき金属が析出し、図3(h)に示す様に、基板10の一面側にめっき金属層22を形成し、図3(f)に示す空間部12aを充填でき、スルーホール12をめっき金属によって充填できる。
この様に、第2電解金属めっき開始直後には、凹部状のスルーホール12内のみにめっき金属層22aを形成することによって、確実に凹部状のスルーホール12内をめっき金属で充填できる。
片面金属箔基板を基板10に用いた場合のスルーホールの充填方法を図4に示す。図4に示すスルーホールの充填方法でも、基板10として片面金属箔基板を用いた他は、図3に示すスルーホールの充填方法と略同一である。このため、図3に示すスルーホールの充填方法と同一工程については、図4において図3に示す部材と同一部材については、同一番号を付して詳細な説明を省略する。
但し、基板10として片面金属箔基板を用いる場合には、図4(a)に示す様に、基板10の金属箔11aで形成された一面側を第1絶縁膜で覆うことが大切である。かかる基板10の一面側は、図4(b)に示す様に、露出する金属薄膜14をエッチング液に短時間浸漬するフラッシュエッチングによって除去するからである。
この基板10を、安定剤としてのロッシェル塩と還元剤としてホルマリンとが添加されたpH12の無電解銅めっき液に浸漬し、スルーホールの内壁面を含む基板10の全面に厚さ1μmの銅薄膜14を形成した。
次いで、厚さ25μmの感光性ドライフィルムを第1絶縁膜16として、基板10の一面側全面に貼着した後、攪拌機付のめっき槽に貯留している電解銅めっき液[奥野製薬工業(株)製のトップルチナBVF(商品名)]に基板10を浸漬して攪拌しつつ第1電解銅めっきを施した。この第1電解銅めっきの条件は、電流密度2A/dm2で電解銅めっき時間を1時間30分とした。
第1電解銅めっきを施した基板10の横断面を観察すると、図1(e)に示す様に、スルーホール12の他方の開口部がめっき金属層18によって閉塞されていると共に、スルーホール12の一方の開口部側には空間部12aが形成されていた。
第2絶縁膜20がめっき金属層18に貼着された基板10を、めっき槽に貯留されている電解銅めっき液[アトテックジャパン(株)製のカパラパルスS3(商品名)]に浸漬して第2電解銅めっきを施した。この第2電解銅めっきの条件は、電流密度1A/dm2で電解銅めっき時間を2時間とした。この様に、第2電解銅めっきは、第1電解銅めっきに比較して、銅金属の析出速度を遅くした。
第2電解銅めっきを施した基板10の横断面を観察すると、図1(h)に示す様に、スルーホール12内にボイドが形成されることなく銅金属が充填されていた。
この基板10を、安定剤としてのロッシェル塩と還元剤としてホルマリンとが添加されたpH12の無電解銅めっき液に浸漬し、スルーホールの内壁面を含む基板10の全面に厚さ1μmの銅薄膜14を形成した。
次いで、厚さ25μmの感光性ドライフィルムを第1絶縁膜16として、基板10の一面側全面に貼着した後、攪拌機付のめっき槽に貯留している電解銅めっき液[奥野製薬工業(株)製のトップルチナBVF(商品名)]に基板10を浸漬して攪拌しつつ第1電解銅めっきを施した。この第1電解銅めっきの条件は、電流密度2A/dm2で電解銅めっき時間を1時間30分とした。
第1電解銅めっきを施した基板10の横断面を観察すると、図3(d)に示す様に、スルーホール12の他方の開口部がめっき金属層18によって閉塞されていると共に、スルーホール12の一方の開口部側には空間部12aが形成されていた。
更に、めっき金属層18の表面に厚さ25μmの感光性ドライフィルムを第2絶縁膜20として貼着した。
第2絶縁膜20がめっき金属層18に貼着された基板10を、めっき槽に貯留されている電解銅めっき液[アトテックジャパン(株)製のカパラパルスS3(商品名)]に浸漬して第2電解銅めっきを施した。この第2電解銅めっきの条件は、電流密度1A/dm2で電解銅めっき時間を2時間とした。この様に、第2電解銅めっきは、第1電解銅めっきに比較して、銅金属の析出速度を遅くした。
第2電解銅めっきを施した基板10の横断面を観察すると、図3(h)に示す様に、スルーホール12内にボイドが形成されることなく銅金属が充填されていた。
10a 樹脂層
11a,11b 金属箔
12 スルーホール
12a 空間部
14 金属薄膜
16 第1絶縁膜
18,22,22a めっき金属層
18a 突出部
19 凹部
20 第2絶縁膜
Claims (5)
- 絶縁材料から成る基板を貫通するスルーホールの内壁面を含む基板表面の全面に金属薄膜を形成した後、
前記スルーホールの開口部の一方が開口されている基板の一面側を第1絶縁膜で覆い、且つ前記スルーホールの他方の開口部が開口されている基板の他面側に、前記金属薄膜を給電層とする第1電解金属めっきを施して、前記スルーホールの他方の開口部側にめっき金属を充填しつつ、前記スルーホールの他方の開口部を閉塞するめっき金属層を形成し、
次いで、前記第1絶縁膜を剥離してスルーホールの開口部の一方を開口した後、前記スルーホールの一方の開口部側に残留する空間部をめっき金属で充填するように、前記金属薄膜を給電層とする第2電解金属めっきを、前記基板の一面側に施すことを特徴とするスルーホールの充填方法。 - 絶縁材料から成る絶縁層の少なくとも一面側が金属箔で覆われた基板を貫通するスルーホールの内壁面を含む基板表面の全面に金属薄膜を形成した後、
前記スルーホールの開口部の一方が開口されていると共に、前記基板の金属箔側の一面側を第1絶縁膜で覆い、且つ前記スルーホールの他方の開口部が開口されている基板の他面側に、前記金属薄膜を給電層とする第1電解金属めっきを施して、前記スルーホールの他方の開口部側にめっき金属を充填しつつ、前記スルーホールの他方の開口部を閉塞するめっき金属層を形成し、
次いで、前記第1絶縁膜を剥離してスルーホールの開口部の一方を開口した後、前記スルーホールの空間部の内壁面を含む前記基板の他面側に露出する金属薄膜を剥離し、
その後、前記スルーホールの一方の開口部側に残留する空間部をめっき金属で充填するように、前記基板の一面側に残留している金属薄膜を給電層とする第2電解金属めっきを前記基板面の一面側に施すことを特徴とするスルーホールの充填方法。 - 第2電解金属めっきを施す際に、基板の他面側に形成しためっき金属層の表面を第2絶縁膜で覆う請求項1又は請求項2記載のスルーホールの充填方法。
- 第2電解金属めっきでは、第1電解金属めっきに比較してめっき金属の析出速度を遅くする請求項1〜3のいずれか一項記載のスルーホールの充填方法。
- 第1電解金属めっき及び第2電解金属めっきでは、ヴィアフィル用電解めっき液を用いる請求項1〜4のいずれか一項記載のスルーホールの充填方法。
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