JP5141707B2 - 被処理体の支持機構、支持方法およびそれを備えた搬送システム - Google Patents
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Description
図11は従来技術における被処理体(ウエハ)の支持機構を示す模式図である。図において、Wが被処理体であるウエハ、38A〜38Cが第1グループのリフトピン、40A〜40Cが第2グループのリフトピン、44が気密室の底部、80A〜80Cが第1グループの昇降アクチュエータ、82A〜82Cが第2グループの昇降アクチュエータ、84A〜84Cが第1グループの昇降ロッド、86A〜86Cが第2グループの昇降ロッド、68が昇降制御部、88がベローズである。
従来技術の被処理体の支持機構はウエハに対して成膜、エッチング、酸化、拡散等の各種処理を行う処理装置の処理室や搬送室で使用されるものである。これら処理室や搬送室は真空引き可能な気密室となっている。図11において、気密室の底部44から上部が真空環境となる箇所であり、下部が大気環境となる箇所である。ウエハWを支持するリフトピン38A〜38Cは、ウエハWの外周付近で支持できるように、円周上に等間隔に配置されている。なお、図11ではリフトピン38A〜38Cの配置を横一列にして模式的に表している。リフトピン38A〜38Cは昇降アクチュエータ80A〜80Cの可動部である昇降ロッド84A〜84Cに取り付けられている。また、気密室を真空に保つため、底部44と昇降ロッド84A〜84Cとの間にはベローズ88が設けられている。このように第1グループが構成されており、第2グループも同様にして、リフトピン40A〜40C、昇降ロッド86A〜86C、昇降アクチュエータ82A〜82Cにより構成されている。さらに、第1グループの3本のリフトピン38A〜38Cは昇降制御部68により同期して昇降制御され、第2グループも同様に3本のリフトピン40A〜40Cが同期して昇降制御される。
このように構成された被処理体の支持機構は、リフトピンを第1グループと第2グループに分けているので、例えば、未処理のウエハを支持するリフトピンと処理済のウエハを支持するリフトピンに分けて使用することができる。そのため、処理済のウエハを支持した際にリフトピンに付着する膜片等が未処理のウエハに付着することがなく、ウエハの汚染を防ぐことができる。
一つ目の問題は、気密室の下部に配置される支持機構が大きいことである。特に、特許文献1における支持機構は、弾性ヒンジを用いてリフトピン3本を昇降させる支持機構となっているため、その設置空間が極めて大きかった。そのため、気密室の下部に昇降制御部などの電機品を設置することができず、処理装置全体が大形化する問題があった。
二つ目の問題は、被処理体を支持機構へ搬送してくる搬送アームにたわみがある場合、支持機構が3本のリフトピンを同期して昇降させるため、ウエハを授受する際にウエハの位置ずれが起きてしまうことである。搬送アームに搭載されたウエハを3本のリフトピンにより支持する際、搬送アームのたわみにともなうウエハの傾きにより、リフトピンとウエハの接触するタイミングが3本の間で異なってしまう。その結果、ウエハの位置ずれが起きてしまう。近年、真空引きの時間を短縮するために気密室が小型、薄型になってきており、それに合わせ搬送アームの薄肉化が進んでいる。搬送アームは、薄肉になると剛性が低下し、重力方向のたわみ量が増える。よって、ウエハの位置ずれの問題が、従来にも増して顕著になってきている。
三つ目の問題は、支持機構内の機械精度や摩擦、負荷の変化にともない、ウエハの位置ずれが経年的に変化してしまうことである。例えば、支持機構が昇降を長期間繰り返すと、昇降アクチュエータ内の減速機や軸受などの機械精度、摩擦が変化する。また、ベローズなどの負荷の大きさも変わる。そのため、リフトピンの上下方向の位置に変化が生じる。その変化の仕方が3本のリフトピンで異なるため、ウエハの位置ずれが経年的に変化してしまう。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、支持機構の設置空間を極小化することで処理装置全体の小形化に貢献することができ、また、搬送アームとの間の移載時に起こる被処理体の位置ずれを格段に低減することができる被処理体の支持機構及び支持方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、被処理体を搬送する搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構において、前記被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、前記リフトピンを昇降させるモータと、前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、前記駆動制御装置が、前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるように前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする被処理体の支持機構とした。
請求項2に記載の発明は、前記N組のモータのそれぞれが、前記リフトピンを先端に装着された可動軸と、前記可動軸の周囲に設けられた界磁部と、前記界磁部の周囲に空隙を介して設けられた電機子部を保持するフレームと、前記フレームの下部を貫通した前記可動軸の下端に設けられた位置検出器と、を備えたリニアモータであること、を特徴とする請求項1記載の被処理体の支持機構とした。
請求項3に記載の発明は、前記ユニットが、前記N組を一つのグループとした複数のグループで構成され、前記複数のグループのそれぞれのユニットのすべてが同一円周上に等間隔に配置されたこと、を特徴とする請求項1記載の被処理体の支持機構とした。
請求項4に記載の発明は、前記ユニットが、前記N組を一つのグループとした複数のグループで構成され、前記複数のグループのそれぞれのユニットがグループごとに異なる径の同心円上に配置されたこと、を特徴とする請求項1記載の被処理体の支持機構とした。
請求項5に記載の発明は、被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、前記リフトピンを昇降させるモータと、前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、前記被処理体を搬送する搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構の支持方法であって、前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるよう前記駆動制御装置によって前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする支持機構の支持方法とした。
請求項6に記載の発明は、前記搬送アームによって搬送されてきた前記被処理体を前記N組のリフトピンにより支持する際、前記搬送アームに支持されている前記被処理体に対する前記N組のリフトピンのそれぞれの距離がすべて同じになるまで前記N組のリフトピンのそれぞれを前記モータによって高速動作させ、その後、一旦停止もしくは一旦停止せずに連続して、前記N組のリフトピンのそれぞれを前記高速動作よりも遅い低速動作で同時に上昇させて前記被処理体を支持すること、を特徴とする請求項5記載の支持機構の支持方法とした。
請求項7に記載の発明は、前記N組のリフトピンにより支持された前記被処理体を前記搬送アームに載置する際、前記N組のリフトピンにより支持された前記被処理体と、前記搬送アームにおける前記被処理体の支持面とが平行になるように前記N組のリフトピンのそれぞれを前記モータによって動作させ、その後、一旦停止もしくは一旦停止せずに連続して、前記N組のリフトピンのそれぞれを同時に下降させて前記被処理体を前記搬送アームに載置すること、を特徴とする請求項5記載の支持機構の支持方法とした。
請求項8に記載の発明は、被処理体を搬送する搬送アームと、前記搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構と、を備える搬送システムにおいて、前記支持機構が、前記被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、前記リフトピンを昇降させるモータと、前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、前記駆動制御装置が、前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるように前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする被処理体の搬送システムとした。
請求項9に記載の発明は、被処理体を搬送する搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構において、前記被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、前記リフトピンを昇降させるモータと、前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、前記モータのそれぞれが、減圧される気密室の底部に固定されて前記気密室の内部に設けられた前記リフトピンを昇降させるよう配置され、前記駆動制御装置が、前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるように、前記気密室内の圧力に応じて前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする被処理体の支持機構とした。
また、本発明の一実施形態のように、被処理体を支持するリフトピンと、リフトピンを昇降させるリニアモータと、リフトピンの昇降方向の位置を検出する位置検出器と、駆動制御装置から構成されたユニットを3組以上備えることにより、複数のリフトピンを個別に位置制御することができる。
また、本発明の一実施形態のように、リニアモータの可動軸の上端にリフトピンを締結し、可動軸の下端に位置検出器を締結すると、リフトピンの位置を直接的に高精度に検出することができる。よって、搬送アームのたわみにより被処理体に傾きがあったとしても、その傾きに合わせてリフトピンを個別に高精度に位置制御することができる。さらに、摩擦や負荷の変動が起きたとしても、常にリフトピンの位置を精度良く検出して不変的に位置制御することができる。つまり、搬送アームとの間の移載時に起きていた被処理体の位置ずれを格段に低減することができる。
また、本発明の一実施形態のように、リフトピンとリニアモータと位置検出器を同軸上に配置すると、支持機構のユニットを細長くし、それを分散配置して構成することができる。よって、ユニット間に大きな空間を作ることができ、そこに駆動制御装置や他の電機品を設置することで、処理装置全体を小形化することができる。
また、本発明の一実施形態のように、リフトピンとリニアモータを同軸上に配置し、位置検出器をリニアモータと平行に配置すると、支持機構のユニットの高さを小さくし、それを分散配置して構成することができる。よって、ユニット間に大きな空間を作りつつ高さも抑えているので、処理装置全体を小形化することができる。
また、本発明の一実施形態のように、搬送アームのたわみにより被処理体に傾きがあったとしても、リフトピンを円周上に等間隔に配置して個別に位置制御しているので、被処理体を安定して支持することができる。その結果、搬送アームとの間の移載時に起こる被処理体の位置ずれを低減することができる。
また、本発明の一実施形態のように、リフトピンを同心円上に配置し個別に位置制御しているので、大口径化した被処理体(例えば直径450mmのウエハ)にたわみがあったとしても、安定して支持することができる。その結果、搬送アームとの間の移載時に起こる被処理体の位置ずれを低減することができる。また、被処理体が搬送用リングといっしょに搬送アームに搭載され搬送されてきた場合であっても、外周側のグループを搬送用リングの支持に使用し、内周側のグループを被処理体の支持に使用することができる。
また、本発明の一実施形態のように、N組のユニットを一つのグループとして複数のグループで構成しているので、搬送アームがあらゆる方向から気密室に入り被処理体を支持する場合であっても、搬送アームとリフトピンが衝突することがないように複数のグループの中から選択して使用することができる。つまり、すべての方向から搬送された被処理体を支持することが可能となる。さらに、搬送アームのたわみによるウエハの傾きがどのような方向であったとしても、ウエハの位置ずれを起こさず支持することができる。
また、本発明の一実施形態のように、搬送アームに搭載された被処理体をリフトピンにより支持する際、もしくは、リフトピンにより支持された被処理体を搬送アームへ受け渡す際、被処理体からリフトピンの間隔、もしくは、被処理体から搬送アームの間隔がすべて同じになるようにN本のリフトピンを移動させ、その後、低速度で移動させて支持するようにしているので、衝撃を与えずに被処理体を移載することができる。その結果、搬送アームとの間の移載時に起こる被処理体の位置ずれを格段に低減することができる。
図2は、被処理体の支持機構を上面から見たときのリフトピンとリニアモータの配置を示したものである。ウエハWの中心と同じ中心の円周上にリフトピン38A〜38Cとリニアモータ100A〜100Cが等間隔に配置されている。本実施例では図2のようにリフトピンなどが3個配置されているが、リフトピン38A〜38Cと、これらを各々昇降させるリニアモータ100A〜100Cと、リニアモータをそれぞれ独立して駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)設置すればよい。
一方、ウエハWは搬送アーム14に搭載されて支持機構に搬送されてくる。搬送アーム14は、例えば、水平多関節ロボットの可動部である。搬送アーム14は、例えば複数のアームが連結された可動アームの先端部分に相当する。搬送アーム14は非常に薄肉かつ軽量に構成されているため、曲げ剛性が小さく、その根元から先端にかけ自重によりたわんでいることが多い。その結果、搬送アーム14に搭載されたウエハWも、気密室内の基準面(例えば、底部44の上面)から傾いている。
また、可動軸102Aの下端には位置検出器110Aのスケール112Aが取り付けられている。そして、ブラケット108Aには検出ヘッド取付部材115Aと、その先に位置検出器110Aの検出ヘッド114Aが取り付けられている。スケール112Aと検出ヘッド114Aの間は位置の読み取りが可能なように所定の空隙が設けられている。このような構成において、可動軸102Aが上下方向に移動すると、検出ヘッド114Aはスケール112Aから移動量や位置を検出することができる。なお、位置検出器110Aには、例えば光学式エンコーダ、磁気式エンコーダ、レゾルバなどが使用される。
以上のような構成において、位置指令装置300は駆動制御装置200A〜200Cに各リフトピン38A〜38Cの移動量や停止位置に合った位置指令値を送る。すると、駆動制御装置200A〜200Cは、位置検出器110A〜110Cの位置検出値をもとに、リフトピン38A〜38Cの位置が位置指令値になるようにリニアモータ100A〜100Cを位置制御する。その結果、可動軸102A〜102Cと、その上端に取り付けられたリフトピン38A〜38Cは位置指令値どおり移動する。
あるいは、仮に搬送アームがたわんでいなくとも、被処理体のウエハが高温下にさらされて、例えばポテトチップスのように変形していたとしても、その変形に合わせ、それぞれのリフトピンの先端からウエハまでの距離を同じにしつつウエハの授受がおこなわれるので、上記と同様に、授受の際、ウエハの予期せぬ位置ずれの発生を抑えることができる。
また、支持機構が本実施例のように気密室内での被処理体の授受に使用される場合、気密室内の圧力(真空度)によって例えばOリング50A〜50Cなどの摩擦が変化することがある。特に、気密室がロードロックなど真空と大気を繰り返すようなものである場合に摩擦が変化し、リニアモータにとって動作に必要な推力が変化する。このような場合、予め気密室内の真空度を変化させた状態でリニアモータ100A〜100Cが問題なく昇降できる推力を計測しておき、通常の被処理体の授受動作において、気密室内の真空度に応じてリニアモータを制御するとよい。
さらに、上記で説明したリニアモータ100A〜100Cの構成によれば、リフトピンとリニアモータと位置検出器を同軸上に配置しているので、支持機構のユニットを細長くし、それを分散配置して構成することができる。よって、ユニット間に大きな空間を作ることができ、そこに駆動制御装置や他の電機品を設置することができるので、処理装置全体を小形化することができる。
第2実施例が第1実施例と異なる点は、L字形のスケール取付部材116Aの一端を可動軸102Aに取り付け、もう一端にスケール112Aを取り付けるとともに、スケール112Aと所定の空隙を介して、フレーム109Aに検出ヘッド114Aを取り付けた点である。つまり、位置検出器110Aとリニアモータ100Aの配置を実施例1では同軸上に配置していたのに対し、実施例2では平行に配置している。
このような構成により、支持機構のユニットの高さを小さくし、それを分散配置して構成することができる。よって、ユニット間に大きな空間を作りつつ高さも抑えているので、処理装置全体を小形化することができる。
このような支持方法とすることで、搬送アームのたわみによりウエハが傾いていたとしても、搬送アームに搭載されたウエハを衝撃なくリフトピンへ移載することができる。その結果、搬送アームとの間の移載時に起こっていたウエハの位置ずれを格段に低減することができる。
このような支持方法とすることで、搬送アームがたわみで傾いていたとしても、リフトピンに搭載されたウエハを衝撃なく搬送アームへ移載することができる。その結果、搬送アームとの間の移載時に起こっていたウエハの位置ずれを格段に低減することができる。
実施例5が実施例1と異なる点は、ユニット(リフトピン、リニアモータ、位置検出器、駆動制御装置の組み合わせ)3組を一つのグループとし、これを2つのグループで被処理体の支持機構を構成した点である。つまり、本実施例の場合、支持機構として合計6つのユニットを備えている。
第1グループG1は3本のリフトピン38A〜38Cを有する3組のユニットにより構成され、第2グループG2は3本のリフトピン40A〜40Cを有する3組のユニットにより構成されている。第1グループG1のリフトピン38A〜38C、第2グループG2のリフトピン40A〜40Cともに同一円周上に等間隔に配置されている。図8(a)は図の右側から搬送アーム16により搬送されてきたウエハWを第1グループG1が支持した図であり、図8(b)は左側から搬送アーム18から搬送されてきたウエハWを第2グループG2が支持した図である。なお、搬送アーム16の下にリフトピン40Aが配置される第2グループG2は、右側から搬送されてきたウエハWを支持することができない。同様に、搬送アーム18の下にリフトピン38Aが配置される第1グループG1は、左側から搬送されてきたウエハWを支持することができない。よって、第1グループG1は右側から搬送アーム16により搬送されてきたウエハWを支持し、第2グループG2は左側から搬送アーム18により搬送されてきたウエハWを支持する。
このような支持機構及び支持方法とすることで、搬送アームがあらゆる方向から気密室に入り被処理体を支持する場合であっても、あるいは搬送アームの形状に変化があったとしても、搬送アームとリフトピンが干渉することがないように複数のグループの中から選択して使用することができる。つまり、すべての方向から搬送された被処理体を支持することが可能となる。
さらに、搬送アームのたわみによるウエハの傾きがどのような方向であったとしても、ウエハの位置ずれを起こさず支持することができる。
実施例6が実施例5と異なる点は、第1グループG1と第2グループG2を、異なる径の同心円上の外周側と内周側にそれぞれ配置した点である。第1グループG1は3本のリフトピン38A〜38Cを有する3組のユニットにより構成され、第2グループG2は3本のリフトピン40A〜40Cを有する3組のユニットにより構成されている。第1グループG1は外周側、第2グループG2は内周側に配置されている。
このような支持機構とすることで、ウエハ自身のたわみに対しても、そのたわみに合わせて第1グループと第2グループのリフトピンを個別に位置制御することで、安定した支持が可能となる。大口径化した被処理体(例えば直径450mmのウエハ)には、複雑な変形が発生する場合があるが、本実施例のように、複雑な変形に応じて多点を支持すると、搬送アームとの間の移載時に起こる被処理体の位置ずれを低減することができる。
また、ウエハが搬送用リングといっしょに搬送アームに搭載され搬送されてきた場合であっても、外周側の第1グループG1を搬送用リングの支持に使用し、内周側の第2グループG2をウエハの支持に使用することができる。
また、被処理体として異なる直径のウエハが混在して搬送されてきたとしても、その直径に応じて第1と第2のグループを使い分けることができる。
44 気密室の底部
38A〜38C、40A〜40C リフトピン
88 ベローズ
84A〜84C、86A〜88C 昇降ロッド
80A〜80C、82A〜82C 昇降アクチュエータ
68 昇降制御部
14、16、18 搬送アーム
50A〜50C Oリング
52A〜52C カップリング
100A〜100C、120A〜120C リニアモータ
102A〜102C 可動軸
103A、104A 直動案内
105A 界磁部
106A 電機子部
107A、108A ブラケット
109A フレーム
110A 位置検出器
112A スケール
114A 検出ヘッド
115A 検出ヘッド取付部材
116A スケール取付部材
G1 第1グループ
G2 第2グループ
Claims (9)
- 被処理体を搬送する搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構において、
前記被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、
前記リフトピンを昇降させるモータと、
前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、
前記駆動制御装置が、前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるように前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする被処理体の支持機構。 - 前記N組のモータのそれぞれが、
前記リフトピンを先端に装着された可動軸と、
前記可動軸の周囲に設けられた界磁部と、
前記界磁部の周囲に空隙を介して設けられた電機子部を保持するフレームと、
前記フレームの下部を貫通した前記可動軸の下端に設けられた位置検出器と、
を備えたリニアモータであること、を特徴とする請求項1記載の被処理体の支持機構。 - 前記ユニットが、前記N組を一つのグループとした複数のグループで構成され、
前記複数のグループのそれぞれのユニットのすべてが同一円周上に等間隔に配置されたこと、を特徴とする請求項1記載の被処理体の支持機構。 - 前記ユニットが、前記N組を一つのグループとした複数のグループで構成され、
前記複数のグループのそれぞれのユニットがグループごとに異なる径の同心円上に配置されたこと、を特徴とする請求項1記載の被処理体の支持機構。 - 被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、前記リフトピンを昇降させるモータと、前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、前記被処理体を搬送する搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構の支持方法であって、
前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるよう前記駆動制御装置によって前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする支持機構の支持方法。 - 前記搬送アームによって搬送されてきた前記被処理体を前記N組のリフトピンにより支持する際、
前記搬送アームに支持されている前記被処理体に対する前記N組のリフトピンのそれぞれの距離がすべて同じになるまで前記N組のリフトピンのそれぞれを前記モータによって高速動作させ、その後、一旦停止もしくは一旦停止せずに連続して、前記N組のリフトピンのそれぞれを前記高速動作よりも遅い低速動作で同時に上昇させて前記被処理体を支持すること、を特徴とする請求項5記載の支持機構の支持方法。 - 前記N組のリフトピンにより支持された前記被処理体を前記搬送アームに載置する際、
前記N組のリフトピンにより支持された前記被処理体と、前記搬送アームにおける前記被処理体の支持面とが平行になるように前記N組のリフトピンのそれぞれを前記モータによって動作させ、その後、一旦停止もしくは一旦停止せずに連続して、前記N組のリフトピンのそれぞれを同時に下降させて前記被処理体を前記搬送アームに載置すること、を特徴とする請求項5記載の支持機構の支持方法。 - 被処理体を搬送する搬送アームと、
前記搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構と、を備える搬送システムにおいて、
前記支持機構が、前記被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、前記リフトピンを昇降させるモータと、前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、
前記駆動制御装置が、前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるように前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする被処理体の搬送システム。 - 被処理体を搬送する搬送アームとの間で前記被処理体を授受する支持機構において、
前記被処理体と接触してこれを支持するリフトピンと、
前記リフトピンを昇降させるモータと、
前記モータを駆動する駆動制御装置と、からなるユニットをN組(Nは少なくとも3以上の整数)備え、
前記モータのそれぞれが、減圧される気密室の底部に固定されて前記気密室の内部に設けられた前記リフトピンを昇降させるよう配置され、
前記駆動制御装置が、前記授受に際して、前記N組のそれぞれのリフトピンの先端から、前記搬送アームに載置された前記被処理体までの距離あるいは前記搬送アームの前記被処理体の載置面までの距離、がすべて同じになるように、前記気密室内の圧力に応じて前記N組のモータのそれぞれを独立して駆動してから前記授受を行なうこと、を特徴とする被処理体の支持機構。
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