JP5137275B2 - 高飽和磁束密度フェライト材料及びこれを用いたフェライトコア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェライト材料組成物に関する。特に、高飽和磁束密度、高透磁率、高抵抗及び易焼結を示すフェライト材料、及びこれを用いたフェライトコアに関する。
【0002】
【従来の技術】
Ni-Zn系のフェライト材料は、インダクター・変圧器・安定器・電磁石・ノイズ除去等のコアとして広く使用されている。
【0003】
特に、近年、携帯電話やノート型パソコン等、バッテリー駆動の携帯機器の小型・薄型化の進展と共に、これらの携帯機器に求められる電源も小型・薄型化の要求が強くなっている。そこで、上記ノイズ除去用のコアも小型化されることから大きな電流を流しにくくなっており、体積が小さくても大きな電流を流すことの出来るフェライト材料が求められ、飽和磁束密度の大きいフェライト材料が望まれている。
【0004】
即ち、フェライト材料をコア形状とし、巻き線を施してコイルとした場合に、巻き線に加える電流を大きくするほど生じる磁束密度が大きくなるが、ある一定値で飽和してそれ以上にはならないという特性がある。この時の磁束密度が飽和磁束密度(以下Bs値)であり、このBs値を超える範囲の電流を流すと発熱等の不都合が生じてしまう。従って、Bs値が大きいほど大きな電流を流すことが出来るのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般的に用いられるNi-Zn系フェライトでは、Bs値が4000ガウス以下と低いという問題があった。また、高いBs値を示す金属磁性体であるMn-Zn系フェライト材等では、その抵抗値が低く、スイッチング電源用チョークコイル用等に適用すると、コアに直接巻き線したものは使用できないという問題があった。
【0006】
一方、Ni-Zn系フェライトにおいて各種添加物を加えることによって特性を高めることも提案されているが、いずれも上記問題を解決するものではなかった。すなわち、例えば特開平1-103953号公報においてはBi2O3、SiO2等を添加することにより、Bsおよび透磁率を大きくする試みがなされているが上記問題を解決できなかった。また、特開平1-72924号公報においてはFe-Ni-Zn-Cu系の組成比を変えることによりBsを大きくする試みがなされているが上記問題を解決できなかった。さらに、特開平6-295811号公報においてはMoO 3 を添加しているが上記問題を解決できなかった。
【0007】
そこで、本発明は、Bs値が4000ガウスを越え、室温で108Ω・cm以上の高抵抗、500以上の高い透磁率を示し、且つ易焼結である高飽和磁束密度のNi-Zn系フェライト材料を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の高飽和磁束密度フェライト材料は、Fe、Zn、Ni、Cu及びMnの酸化物をFe2O3、ZnO、NiO、CuO及びMnO換算で、48〜50モル%のFe2O3、1〜5モル%のCuOと0.1〜1モル%のMnOを含有し、且つZnO/NiOのモル比が1〜1.6である主成分の100重量部に対して、副成分としてMg、Si、Al及びCrの酸化物を、それぞれMgO、SiO 2、Al2O3及びCr2O3換算で、0.01〜0.2重量部のMgO、0.05〜0.5重量部のSiO2、0.05〜0.5重量部のAl2O3、及び0.01〜0.2重量部のCr2O3を含有し、
上記主成分と副成分の平均結晶粒径が5〜50μmであり、Bs値が0.4テスラを超え、抵抗値が室温において10 8 Ω・cm以上であり、透磁率が500以上であることを特徴とする。こ
こで、0.4テスラは単位換算で4000ガウスに相当する。
【0009】
また、本発明の高飽和磁束密度フェライト材料は、上記本発明の高飽和磁束密度材料100重量部に対して、更に副成分としてZr及びYの酸化物をZrO2及びY2O3換算で、0.001〜0.1重量部のZrO2及び0.001〜0.1重量部のY2O3を含有することを特徴とする。
【0010】
また、上記主成分と副成分の合計含有量(後の表現においては、これを成分含有量と記載する)が99〜99.99重量%であり、平均結晶粒径が5〜50μmであり、焼結密度が5.1g/cm3以上であることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明のフェライトコアは、本発明の高飽和磁束密度フェライト材料でもって所定形状になしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の高飽和磁束密度フェライト材料は、、Ni-Zn-Cu-Mn系フェライトに対して、所定のMgO、SiO2、Al2O3及びCr2O3並びに必要に応じてZrO2及びY2O3を添加すること、さらに好ましくは所定の成分含有量、平均結晶粒径そして、焼結密度を満足することによって、Bs値が4000ガウス以上、好適には4300ガウス以上となり、室温で108Ω・cm以上の高抵抗、500以上の高い透磁率を示し、且つ易焼結である高飽和磁束密度のフェライト材料を得られることが特徴である。
【0013】
本発明において、主成分の組成比を上記範囲とした理由は以下の通りである。Fe2O3を48〜50モル%としたのは、Fe2O3が48モル%未満ではBs値と透磁率が低下し、50モル%を超えると抵抗値が低下するためである。
【0014】
CuOを1〜5モル%としたのは、CuOが1モル%未満では焼結性が低下し、5モル%を超えると透磁率、Bs値が低下するためである。
【0015】
MnOを0.1〜1モル%としたのは、この範囲外では透磁率、Bs値が低下するためである。
【0016】
また、ZnO/NiO=1.0〜1.6としたのは、1.0未満では透磁率が低下し、1.6を超えるとBs値が低下する為である。
【0017】
また、副成分のMgO、SiO2及びAl2O3は、抵抗値を高くする作用を成す。即ち、上記主成分では、Fe2O3の量が比較的多い為、抵抗値低下が起こりやすいが、抵抗値低下抑制剤としてMgO、SiO2及びAl2O3を成分とすることにより抵抗値を高めている。
【0018】
ここで、MgOを0.01〜0.2重量部としたのは、0.01重量部未満では、抵抗値が低下し、0.2重量部を超えると透磁率とBs値が低下するためである。
【0019】
また、SiO2を0.05〜0.5重量部としたのは、0.05重量部未満では抵抗値が低下し、0.5重量部を超えると透磁率とBs値が低下するためである
また、Al2O3を0.05〜0.5重量部としたのは、0.05重量部未満では抵抗値が低下し、0.5重量部を超えると透磁率とBs値が低下するためである
また、Cr2O3を0.01〜0.2重量部としたのは、0.05重量部未満ではBs値が低下し、0.2重量部を超えると透磁率とBs値が低下するためである
また、本発明で副成分としてZrO2及びY2O3を添加することによりさらにBs値を高くすることができる。ZrO2及びY2O3の添加量を共に0.001〜0.1重量部としたのは、0.001重量部未満では透磁率が低下し、0.1重量部を超えると透磁率とBs値が低下する為である。
【0020】
また、本発明においては、さらに高い透磁率及び高いBs値を同時に実現するために、高飽和磁束密度フェライト材料の成分含有量を99〜99.99重量%とする。この数値に限定される理由は、99重量%未満では、非磁性体の影響により、更に透磁率及びBsを同時に高くすることができない。一方、99.99重量%を超える成分含有量のものを得ることは原料精製上大変困難である為である。
【0021】
なお、本発明の高飽和磁束密度フェライト材料は上記成分以外のものを含んでもよい。たとえば、CaO、K2O、P2O5、WO3、PbO、CoO等をいずれも0.05重量部未満の範囲で含んでもよい。
【0022】
また、本発明においては、更に高い透磁率及び高いBs値を同時にを実現するために、高飽和磁束密度フェライト材料の平均結晶粒径を5〜50μmとする。この数値に限定される理由は、5μm未満又は50μmを超えると、更に透磁率及びBs値を同時に高くすることが出来ない為である。
【0023】
また、本発明においては、さらに高い透磁率及び高いBs値を同時に実現するために、高飽和磁束密度フェライト材料の焼結密度を5.1g/cm3以上とする。この数値に限定される理由は、5.1g/cm3未満では、実効的な磁性体占有率が低くなるため、更に透磁率及びBs値を同時に高くすることが出来ないためである。
【0024】
本発明のNi-Zn系フェライト材料の製造方法は、例えばFe、Zn、Ni、Cu及びMnの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを前述した範囲になるように主成分の各原料を調合し、振動ミル等で粉砕混合した後仮焼し、この仮焼粉体に例えばMg、Si、Al、Cr、Zr及びYの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを前述した範囲になるように副成分を加え、ボールミルで粉砕した後、バインダーを加えて造粒し、得られた粉体をプレス成形にて所定形状に成形し、950〜1400℃の範囲で焼成する事によって得られる。
【0025】
また、副成分は仮焼後に加えることを拘束するのではなく、仮焼前に主成分へ加えても特性に何ら影響するものではない。
【0026】
また、本発明は、上記のNi-Zn系フェライト材料を用いてフェライトコアを形成したことを特徴とする。
【0027】
ここで、フェライトコアとしては、図1(a)に示すようなリング状のトロイダルコア1、あるいは、図1(b)に示すようなボビン状コア2とすれば良く、それぞれ巻き線部1a、2aに巻き線を施す事によってコイルとすることができる。
【0028】
この様な本発明のNi-Zn系フェライトコアは、特に、DC-DCコンバーター等、各種電気の電源のトランス等やノイズ除去用のチョークコイル等に好適に使用することが出来る。
【0029】
【実施例】
実施例1
表1に示すFe2O3、CuO、MnO及びZnO/NiOから成る主成分を振動ミルで混合した後、800℃〜950℃で仮焼した。この仮焼粉体100重量部に対して0.1重量部のMgO、0.1重量部のSiO2、0.1重量部のAl2O3及び0.05重量部のCr2O3から成る副成分を添加し、ボールミルにて粉砕した後、所定のバインダーを加えて造粒し、圧縮成型して図1に示すトロイダルコア1の形状に成形し、この成形体を950℃〜1400℃で焼成し、これによって試料No.1〜18を作製した。この焼成において、焼結性の良否を○と×で2分した。○は1400℃以下で焼結する場合であり、×は1400℃を超える温度にまで高めることで焼結する場合である。なお、いずれの試料も平均結晶粒径は、3μm以上で焼結密度は、5.0g/cm3以上であった。また、上記成分含有量は、98.5重量%以上であった。
【0030】
得られた焼結体をトロイダルコア1とし、これに線径0.2mmの被膜銅線を7ターン巻き付けて100kHzで初透磁率を測定した。次に、トロイダルコア1に、図2に示すように線径0.2mmの被膜銅線を用いて一次側巻き線3を100ターン、二次側巻き線4を30ターン巻き付けて、一次側巻き線3に電源5を、二次側巻き線4に磁束計6をそれぞれ接続し、100Hz、100エルステッドの条件でBs値を測定した。また、抵抗値はJIS C-2141の規格に添って測定を行った。
【0031】
結果は、表1に示す通りである。この結果より、Fe2O3の含有量が、48モル%未満の試料(No.1)では、Bs値及び透磁率が低かった。一方、Fe2O3が50モル%を超える試料(No.2)は抵抗値が低かった。また、CuOの含有量が1モル%未満の試料(No.3)では焼結性が悪く、5モル%を超える試料(No.4)では透磁率及びBs値が低くかった。また、MnOの含有量が、0.1モル%未満で1モル%を超える試料(No.5、6)では透磁率及びBs値が低くかった。また、Zn/Ni比が1.0未満の試料(No.7)では透磁率が低く、Zn/Ni比が1.6を超える試料(No.8)では、Bs値が低かった。
【0032】
これらに対し、48〜50モル%のFe2O3、1〜5モル%のCuOと0.1〜1モル%のMnO及びZnO/NiOのモル比を1〜1.6とした本発明の実施例(No.9〜18)では、透磁率が500以上で、焼結性も良好で、抵抗値108Ω・cm以上で、且つBs値4000ガウス以上と高いことが分かった。
【0033】
同様に、表1のNo.9〜No.18に示した主成分に対し、副成分として0.01〜0.2重量部のMgO、0.05〜0.5重量部のSiO2、0.05〜0.5重量部のAl2O3及び0.01〜0.2重量部のCr2O3を添加した結果、透磁率が500以上で、焼結性も良好で、抵抗値108Ω・cm以上で、且つBs値4000ガウス以上と良好な結果が得られた。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例2
次に、主成分を49.5モル%のFe2O3、4モル%のCuO、0.2モル%のMnO、0.2モル%及びZnO/NiO=1.4と固定し、副成分のMgO、SiO2、Al2O3及びCr2O3を表2に示すように幾通りにも変化させ、その他条件は、上記実施例1と同様にしてトロイダルコア1の形状をなす試料No.19〜36を得た。なお、いずれの試料も平均結晶粒径は、3μm以上で焼結密度は、5.0g/cm3以上であった。また、上記成分含有量は、98.5重量%以上であった。
【0036】
得られた焼結体に対して、実施例1と同様にして透磁率、Bs値及び抵抗値を測定したところ、表2に示すような結果が得られた。
【0037】
この結果よりMgOが0.01重量部未満の試料(No.19)では、抵抗値が低かった。一方、MgOが0.2重量部を超える試料(No.20)では、透磁率及びBs値が低かった。また、SiO2が0.05重量部未満の試料(No.21)では、抵抗値が低かった。一方、SiO2が0.5重量部を超える試料(No.22)では、透磁率及びBs値が低かった。また、Al2O3が0.05重量部未満の試料(No.23)では、抵抗値が低かった。一方、Al2O3が0.5重量部を超える試料(No.24)では、透磁率及びBs値が低かった。また、Cr2O3が0.01重量部未満の試料(No.25)ではBs値が低く、0.2重量部を超える試料(No.26)では、透磁率及びBs値が低かった。
【0038】
これに対し、MgOの添加量を0.01〜0.2重量部、SiO2の添加量を0.05〜0.5重量部、Al2O3の添加量を0.05〜0.5重量部、Cr2O3の添加量を0.01〜0.2重量部とした本発明の実施例(No.27〜36)では、透磁率が500以上で、抵抗値108Ω・cm以上と高くBs値4000ガウス以上と高いことがわかった。
【0039】
同様に、主成分が48〜50モル%のFe2O3、1〜5モル%のCuOと0.1〜1モル%のMnOを含有し、且つZnO/NiOのモル比が1〜1.6の範囲において表2のNo.27〜36に示した副成分を添加した結果、透磁率500以上、抵抗値108Ω・cm以上と高く、Bs値も4000ガウス以上と良好な結果が得られた。
【0040】
【表2】
【0041】
実施例3
次に、主成分を49.5モル%のFe2O3と 4モル%のCuO、0.2モル%のMnOとZn/Ni=1.4とし、副成分であるMgOを0.2重量部、SiO2を0.5重量部、Al2O3を0.5重量部とCr2O3を0.02重量部に固定し、Fe2O3、CuO、MnO、ZnO、NiO、MgO、SiO2、Al2O3およびCr2O3の合計100重量部に対して、副成分のZrO2とY2O3を表3に示すように変化させて、その他条件は上記実施例1と同様にしてトロイダルコア1の形状をなす試料No.37〜45を得た。なお、いずれの試料も平均結晶粒径は3μm以上で、焼結密度は5.0g/cm3以上であった。また、上記成分含有量は98.5重量%以上であった。
【0042】
得られた焼結体に対して、実施例1と同様にして透磁率、Bs値及び抵抗値を測定したところ、表3に示すような結果が得られた。
【0043】
この結果より、ZrO2とY2O3を添加していない本発明の試料(No.37)は、Bsが4110ガウスと優れた特性が得られた。また、ZrO2とY2O3を添加した結果、Bs4000以上、透磁率500以上、抵抗値108Ω・cm以上が得られた。ZrO2とY2O3を添加した試料のうち、ZrO2の添加量が0.001〜0.1重量部、Y2O3の添加量が0.001〜0.1重量部である本発明の実施例(No.42〜45)では、透磁率500以上、抵抗値108Ω・cm以上、Bs値4300ガウス以上と高く更に優れた特性が得られた。。
【0044】
同様に、主成分が48〜50モル%のFe2O3、1〜5モル%のCuOと0.1〜1モル%のMnOを含有し、且つZnO/NiOのモル比が1〜1.6で、副成分が0.01〜0.2重量部のMgO、0.05〜0.5重量部のSiO2、0.05〜0.5重量部のAl2O3及び0.01〜0.2重量部のCr2O3の範囲において、表3のNO.42〜45に示したZrO2とY2O3を添加した結果、焼結性が良好で、透磁率500以上、抵抗値108Ω・cm以上、且つBs値4300ガウス以上と優れた特性が得られた。
【0045】
【表3】
【0046】
実施例4
次に、主成分を49.5モル%のFe2O3と 4モル%のCuO、0.2モル%のMnOとZn/Ni=1.4とし、副成分であるMgOを0.1重量部、SiO2を0.1重量部、Al2O3を0.1重量部とCr2O3を0.05重量部に固定し、ZrO2及びY2O3の添加量、成分含有量、平均結晶粒径と焼結密度を表4に示すように変化させて、その他条件は上記実施例1と同様にしてトロイダルコア1の形状をなす試料No.46〜61を得た。
【0047】
得られた焼結体に対して、実施例1と同様にして透磁率、Bs値及び抵抗値を測定したところ、表4に示すような結果が得られた。また、各試料の焼結密度はアルキメデス法によって測定した。
【0048】
この結果より、平均結晶粒径が5〜50μmの範囲外の試料(No.46、47、56、57)では、透磁率とBs値を更に高くできなかった。
【0049】
これに対し成分含有量が99〜99.99重量%であり、平均結晶粒径が5〜50μmであり、焼結密度が5.1g/cm3以上でZrO2とY2O3を含有しない実施例(No.48〜55)では、透磁率が500以上、抵抗値も108Ω・cm以上で、Bs値は4300ガウス以上と優れた特性が得られた。また、ZrO2及びY203を含有した実施例(No.58〜65)では、透磁率600以上、抵抗値108Ω・cm以上でBs値4500ガウス以上と更に優れた特性が得られた。
【0050】
同様に、主成分が48〜50モル%のFe2O3、1〜5モル%のCuOと0.1〜1モル%のMnOを含有し、且つZnO/NiOのモル比が1〜1.6で、副成分が0.01〜0.2重量部のMgO、0.05〜0.5重量部のSiO2、0.05〜0.5重量部のAl2O3、及び0.01〜0.2重量部のCr2O3の範囲について表4のNo.46〜61の範囲で副成分、成分含有量、平均結晶粒径、結晶密度を変化させた結果、優れた特性が得られた。
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、Fe、Zn、Ni、Cu及びMnの酸化物をFe2O3、ZnO、NiO、CuO及びMnO換算で、48〜50モル%のFe2O3、1〜5モル%のCuOと0.1〜1モル%のMnOを含有し、且つZnO/NiOのモル比が1〜1.6である主成分中に、副成分としてMg、Si、Al、Cr、Zr及びYの酸化物をMgO、SiO2、Al2O3、Cr2O3、ZrO2及びY2O3換算で、0.01〜0.2重量部のMgO、0.05〜0.5重量部のSiO2、0.05〜0.5重量部のAl2O3及び0.01〜0.2重量部のCr2O3、0.001〜0.1重量部のZrO2及び0.001〜0.1重量部のY2O3を含有し、上記主成分と副成分の合計含有量が99〜99.99重量%であり、平均結晶粒径が5〜50μmであり、焼結密度が5.1g/cm3以上であることにより、優れた焼結性、透磁率及び抵抗値を維持したまま、Bs値を4000ガウス以上と優れた特性が得られる。
【0053】
また、本発明によれば、上記高飽和磁束密度フェライト材料でフェライトコアを形成したことによって、小型にしても大きな電流を流すことが可能となる。従って、このフェライトコアを電源用に用いれば、各種電子機器の小型化に貢献することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)(b)は本発明のフェライトコアを示す図である。
【図2】本発明のフェライトコアの特性を測定する方法を示す図である。
【符号の説明】
1:トロイダルコア
1a:巻線部
2:ボビンコア
2a:巻線部
3:一次側巻線
4:二次側巻線
5:電源
6:磁束計
Claims (4)
- Fe、Zn、Ni、Cu及びMnの酸化物をFe2O3、ZnO、NiO、CuO及びMnO換算で
Fe2O3:48〜50モル%
CuO:1〜5モル%
MnO:0.1〜1モル%
を含有し、残部をなすZnO/NiOのモル比が1〜1.6である主成分の100重量部に対して、副成分としてMg、Si、Al及びCrの酸化物を、それぞれMgO、SiO2、Al2O3及びCr2O3換算で、
MgO:0.01〜0.2重量部
SiO2:0.05〜0.5重量部
Al2O3:0.05〜0.5重量部
Cr2O3:0.01〜0.2重量部
を含有し、
上記主成分と副成分の平均結晶粒径が5〜50μmであり、
Bs値が0.4テスラを超え、抵抗値が室温において10 8 Ω・cm以上であり、透磁率が500以上であることを特徴とする高飽和磁束密度フェライト材料。 - 請求項1記載の高飽和磁束密度フェライト材料の主成分と副成分の合計100重量部に対
して、副成分として更にZr及びYの酸化物をZrO2及びY2O3換算で、
ZrO2:0.001〜0.1重量部
Y2O3:0.001〜0.1重量部
を含有することを特徴とする高飽和磁束密度フェライト材料。 - 上記主成分と副成分の合計含有量が99〜99.99重量%、且つ焼結密度が5.1g/cm3以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の高飽和磁束密度フェライト材料。
- 請求項1乃至3に記載した高飽和磁束密度フェライト材料を所定形状に形成したことを特徴とするフェライトコア。
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