JPH1097915A - 酸化物磁性材料及び耐熱衝撃性フェライトコア - Google Patents

酸化物磁性材料及び耐熱衝撃性フェライトコア

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JPH1097915A
JPH1097915A JP8274145A JP27414596A JPH1097915A JP H1097915 A JPH1097915 A JP H1097915A JP 8274145 A JP8274145 A JP 8274145A JP 27414596 A JP27414596 A JP 27414596A JP H1097915 A JPH1097915 A JP H1097915A
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JP
Japan
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oxide
magnetic material
thermal shock
ferrite core
core
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JP8274145A
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Inventor
Hideki Matsuzawa
秀樹 松沢
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田付けの際等にひび割れが発生しない、耐
熱衝撃性に優れたコアを製造するのに特に適した酸化物
磁性材料及びそれからなる耐熱衝撃性フェライトコアを
提供すること。 【解決手段】 主成分を酸化鉄(Fe23)、酸化ニッ
ケル(NiO)及び酸化亜鉛(ZnO)とし、副成分と
して0.05〜0.2wt%の酸化クロム(Cr23)を
含有させ、さらに、50〜500ppmの酸化ホウ素
(B23)及び0.05〜0.5wt%の酸化バナジウム
(V25)のうち少なくとも一種を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョークコイル等
に用いられる酸化物磁性材料及び耐熱衝撃性フェライト
コアに関し、特に、熱衝撃性に優れたNi−Zn系、N
i−Cu−Zn系フェライト及びそれからなるフェライ
トコアに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の分野でのデジタル化の進展
は、電子機器の機能と信頼性の向上に大きな役割を果た
したが、反面、機器から発生する伝導ノイズや輻射ノイ
ズ、あるいは雷サージや静電気等が原因となって、デジ
タル機器の誤動作や機能障害を誘引するというマイナス
の結果を生じさせるケースがきわだって増加しており、
社会問題にまで発展している。
【0003】従って、これらの対策には、各種の電子部
品の特長を活かした、より効果的な使い方が必要となっ
ている。その中で、ドラム型フェライトコアは、ノイズ
フィルターとして主に電子機器の電源装置において、リ
ップル電圧に発生するノイズを除去する目的で整流平滑
回路に使用されている。
【0004】又、通信線路や電子回路において、直列に
挿入して、特定の周波数範囲の信号を阻止したり、並列
に挿入して、回路のインピーダンスを損なうことなく、
直流などを重畳する目的で用いられている。
【0005】ところで、このドラム型フェライトコアで
は、焼結後、巻線を施し、その巻線の両端を、そのコア
の端面に引き出したうえ、その端面にあらかじめ設置さ
れたリードピンに巻き付け、これらの端面を溶融半田に
浸漬することにより、巻線のリードピンへの固定を行
い、併せて外部電極とすることが行われている。このい
わゆる半田ディップ法は、半田付けや外部電極の形成を
自動化するのにきわめて有効な手段である。
【0006】しかし、作業の能率を高めるため、最近で
は、400℃のような高い温度の半田浴が用いられるよ
うになり、コアが局部的に急激に熱膨張してひび割れが
生じ、不良率が高くなるという問題があった。
【0007】特に、高周波用として広い用途を有し、初
透磁率100以上のNi−Zn系及びNi−Cu−Zn
系焼結フェライトの場合に、上記のひび割れが著しいと
いう問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、例え
ば、半田付けの際等にひび割れが発生しない、耐熱衝撃
性に優れたコアを製造するのに特に適した酸化物磁性材
料及びそれからなる耐熱衝撃性フェライトコアを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の問題
点を解決するため、種々の検討を行った結果、Ni・M・
Fe24(MはZn、Cu等の2価の金属)で表される
酸化物焼結体、即ち、Ni−Zn系等のフェライトに、
必須のCr23と、B23及びV25のうち少なくとも
一種とを含有させることにより、耐熱衝撃性が向上する
ことを見いだした。
【0010】即ち、本発明は、Fe23、NiO及びZ
nOを主成分とする酸化物磁性材料において、副成分と
して、前記主成分の全量に対して0.05〜0.2wt%
のCr23を含有し、さらに、50〜500ppmのB
23及び0.05〜0.5wt%のV25のうち少なくと
も一種を含有することを特徴とする酸化物磁性材料であ
る。
【0011】又、本発明は、Fe23、NiO、CuO
及びZnOを主成分とする酸化物磁性材料において、副
成分として、前記主成分の全量に対して0.05〜0.2
wt%のCr23を含有し、さらに、50〜500pp
mのB23及び0.05〜0.5wt%のV25のうち少
なくとも一種を含有することを特徴とする酸化物磁性材
料である。
【0012】又、本発明は、上記酸化物磁性材料からな
ることを特徴とする耐熱衝撃性フェライトコアである。
【0013】Cr23の含有量を0.05〜0.2wt%
としたのは、この下限値より小さいときは、耐熱衝撃性
の改善が十分ではなく、上限値より大きいときは、耐熱
衝撃性及び磁気特性が劣化するためである。
【0014】B23の含有量を50〜500ppm、V
25を0.05〜0.5wt%としたのは、これらの下限
値より小さいときは、耐熱衝撃性の改善が十分ではな
く、上限値より大きいときは、磁気特性が低下するため
である。本発明によると、B23及びV25の添加量の
下限値ですでに耐熱衝撃性が著しく向上し、実用上ほと
んど問題がなくなる。
【0015】本発明の効果が得られる理由は、Cr23
を添加することにより、焼結時のぬれ性が向上し、焼結
体の組織が均一化でき、耐熱衝撃性の改善及び磁気特性
の向上に効果があり、B23及びV25の添加によって
粒界相の組成が熱膨張による応力の緩和に適したものと
なったためと考えられる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、Ni−Cu−Zn系フ
ェライトでは、主成分の組成が、Fe23:47.0〜
50.0mol%、NiO:15〜35mol%、Cu
O:10.0mol%以下(0を含まず)、ZnO:1
0〜33mol%の範囲で、又、副成分がCr23
23及びV25、Cr23及びB23、Cr23
及びV25の組み合せで実施可能である。又、本発明の
実施の際、半田槽の温度は、450℃以下であることが
望ましい。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0018】(実施例1)この実施例では、主成分の組
成をFe23:47.5mol%、NiO:15mol
%、CuO:5.5mol%、ZnO:32mol%と
した。この主成分の全量を基準にして、必須の副成分と
して、Cr23を0.1wt%添加し、さらにB23
0〜800ppm添加し、従来の公知の方法にしたがっ
て、図1に示すような形状のドラム型コア1を製造し
た。鍔部の外径Aは11.0mm、高さBは9.0mm、
上側の鍔部の厚さCは1.5mm、円柱部の長さDは5.
5mm、下側の鍔部の厚さEは2.0mmである。
【0019】このドラム型コアの端面を400℃の半田
浴に3秒間浸漬して引き上げたところ、B23を50p
pm以上含有する試料は20個中1個もひび割れを生じ
なかった。なお、40ppm添加した場合には、20個
中5個にひび割れが生じた。又、無添加の場合には、2
0個中18個にひび割れが生じた。
【0020】又、このときの初透磁率μi及び最大磁束
密度Bmを図2、図3に示した。図2及び図3におい
て、500ppmを越えると、磁気特性が急激に劣化し
ている。従って、B23の添加は、50〜500ppm
において有効であることがわかる。
【0021】(実施例2)実施例1において、B23
代わりに0〜0.8wt%のV25を用いた以外は、同
様な条件、手順でドラム型コアを製造し、半田浴に浸漬
した。V25を0.05wt%以上含有する試料は20
個中1個もひび割れを生じなかった。なお、0.04w
t%添加した場合に20個中4個にひび割れが生じた。
【0022】又、このときの初透磁率μi及び最大磁束
密度Bmを図4、図5に示した。図4及び図5におい
て、0.5wt%を越えると、磁気特性が急激に劣化し
ている。従って、V25の添加は、0.05〜0.5wt
%において有効であることがわかる。
【0023】(実施例3)実施例1において、副成分と
してCr23を0.15wt%、B23を50ppm、
25を0.05wt%添加した以外は、同様な条件、
手順でドラム型コアを製造し、半田浴に浸漬した。20
個中1個もひび割れを生じなかった。
【0024】又、このときの初透磁率μi及び最大磁束
密度Bmはそれぞれ490、3800Gであった。これ
により、B23及びV25を複合添加しても効果がある
ことがわかる。
【0025】(実施例4)実施例3において、Cr23
を0〜0.5wt%添加した以外は、同様な条件、手順
でドラム型コアを製造し、半田浴に浸漬した。Cr23
を0.05wt%以上含有する試料は、20個中1個も
ひび割れを生じなかった。
【0026】又、このときの初透磁率μi及び最大磁束
密度Bmを図6、図7に示した。図6及び図7におい
て、Cr23が0.05を越えると、磁気特性が急激に
劣化している。従って、Cr23の添加は、0.05〜
0.2wt%において有効であることがわかる。
【0027】(比較例)比較として、実施例1におい
て、Cr23、B23及びV25を添加しない条件でド
ラム型コアを製造し、半田浴に浸漬した。20個中19
個のひび割れが生じた。
【0028】以上、本実施例では、Ni−Cu−Zn系
フェライトについて述べたが、Ni−Zn系フェライト
に適用しても同様の効果が得られる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、半田付けの際等にひび
割れが発生しない、耐熱衝撃性に優れたコアを製造する
のに特に適した酸化物磁性材料及びそれからなる耐熱衝
撃性フェライトコアを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラム型コアの説明図。図1(a)は正面図。
図1(b)は平面図。
【図2】初透磁率μiとB23の関係を示す図。
【図3】最大磁束密度BmとB23の関係を示す図。
【図4】初透磁率μiとV25の関係を示す図。
【図5】最大磁束密度BmとV25の関係を示す図。
【図6】初透磁率μiとCr23の関係を示す図。
【図7】最大磁束密度BmとCr23の関係を示す図。
【符号の説明】
1 ドラム型コア A 鍔部の外径 B 高さ C 上側の鍔部の厚さ D 円柱部の長さ E 下側の鍔部の厚さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄(Fe23)、酸化ニッケル(N
    iO)及び酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする酸化物磁
    性材料において、副成分として、前記主成分の全量に対
    して0.05〜0.2wt%の酸化クロム(Cr23)を
    含有し、さらに、50〜500ppmの酸化ホウ素(B
    23)及び0.05〜0.5wt%の酸化バナジウム(V
    25)のうち少なくとも一種を含有することを特徴とす
    る酸化物磁性材料。
  2. 【請求項2】 酸化鉄(Fe23)、酸化ニッケル(N
    iO)、酸化銅(CuO)及び酸化亜鉛(ZnO)を主
    成分とする酸化物磁性材料において、副成分として、前
    記主成分の全量に対して0.05〜0.2wt%の酸化ク
    ロム(Cr23)を含有し、さらに、50〜500pp
    mの酸化ホウ素(B23)及び0.05〜0.5wt%の
    酸化バナジウム(V25)のうち少なくとも一種を含有
    することを特徴とする酸化物磁性材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の酸化物磁性材料か
    らなることを特徴とする耐熱衝撃性フェライトコア。
JP8274145A 1996-09-24 1996-09-24 酸化物磁性材料及び耐熱衝撃性フェライトコア Pending JPH1097915A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001151564A (ja) * 1999-11-26 2001-06-05 Kyocera Corp 高飽和磁束密度フェライト材料及びこれを用いたフェライトコア
JP2013229479A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Murata Mfg Co Ltd 巻線型電子部品

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JP2001151564A (ja) * 1999-11-26 2001-06-05 Kyocera Corp 高飽和磁束密度フェライト材料及びこれを用いたフェライトコア
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