JP2004269316A - フェライト材料及びこれを用いたフェライトコア - Google Patents
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Abstract
【課題】低いコア損失、高透磁率、高い磁束密度(Bs)、高電気抵抗、高いキュリー温度(Tc)を示すフェライト材料を提供する。
【解決手段】Fe2O3、ZnO、NiO、CuOを所定量含有する主成分100重量部に対しTiO2を所定量含有するフェライト材料とする。
【選択図】 図1
【解決手段】Fe2O3、ZnO、NiO、CuOを所定量含有する主成分100重量部に対しTiO2を所定量含有するフェライト材料とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェライト材料組成物に関する。特に、低いコア損失、高透磁率、高い磁束密度(Bs)、高電気抵抗、高いキュリー温度(Tc)を示すフェライト材料、及びこれを用いたフェライトコアに関する。
【0002】
【従来の技術】
Ni−Zn系のフェライト材料は、インダクター、変圧器、安定器、電磁石、ノイズ除去等のコアとして広く使用されている。
【0003】
特に近年、液晶ディスプレイの電子機器への搭載の拡大に伴い、バックライト点灯用のトランスの市場が拡大している。パソコン、ワープロ、液晶テレビ、カメラ一体型VTRをはじめ、情報通信機器、ゲーム機など液晶搭載機器が広がりを見せる中、トランス回路の小型化・薄型化・高効率化の要求が強まっている。トランス回路の小型・薄型化・高効率化を実現するためには、トランス用部材として用いられるフェライト材料の開発が重要となっている。
【0004】
また、液晶ディスプレイのバックライトシステムは、高輝度、高電気効率、高寿命などの理由から冷陰極管方式が主流となっている。冷陰極管を点灯するためには、トランス回路に比較的低圧の直流電圧入力から数千Vの交流高電圧出力を発生する必要があり、低電圧側と高電圧側の接点にあるトランス用部材として用いられるフェライト材料が高い耐絶縁性を有するということは、高い信頼性を有するトランスを得るための重要な課題である。
【0005】
また、液晶ディスプレイの小型化・薄型化・高効率化を実現するために、液晶ディスプレイ用トランスに搭載されるフェライト材料は、低いコア損失・高透磁率・高Bs・高Tc・高電気抵抗であることが要求されている。低いコア損失を有するフェライト材料が求められている理由は、電力損失を低減して発熱量を抑制し、放熱用のスペースをできるだけ小さくして、トランス回路を小型化・薄型化するためである。また、高電気抵抗のフェライト材料が求められている理由は、高電気抵抗のフェライト材料を用いることにより絶縁対策用の部材の追加を不要としトランスを小型化・薄型化するためである。また、高い透磁率及び高いBs、及び高いTc温度を有するフェライト材料が求められている大きな理由は、磁束密度の飽和による発熱を低減し、トランス内の放熱用スペースを小さくし、またはトランスへの放熱用部材の追加を不要とするためである。
【0006】
これまで上述の要求を満足すべくフェライト材料の開発が行われてきた。例えば、Ni−Zn系フェライト材料に各種添加物を加えることによって、コア損失を低く、透磁率およびBsを高く、Tcを高くしたフェライト材料が特許文献1、特許文献2および特許文献3に提案されているが、いずれも上記問題を解決するものではなかった。例えば特許文献1には、主成分がFe2O3が49.0〜50.0mol%、NiOが10.0〜15.0mol%、CuOが5.0〜8.0mol%、残部がZnOからなるフェライト材料に対して、副成分としてTiをTiO2換算で0.15重量%以下含有するフェライト材料が開示されている。
【0007】
また、使用周波数40〜100kHzの範囲で低いコア損失を示すMn−Zn系フェライト材料がトランス用フェライト材料として使用されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平2002−321971号公報
【特許文献2】
特開平1999−003813号公報
【特許文献3】
特開平1998−050514号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
Mn−Zn系フェライトは、フェライト材料の中では電気抵抗が数Ω・cmと低く、トランスとして耐電圧を確保する設計が必要であり、小型化、低コスト化の要求に対し限界状態にある。
【0010】
これに対し、Ni−Zn系フェライトはMn−Zn系フェライトに比べ約106倍も電気抵抗が高く、絶縁性に優れており、トランスとしての絶縁対策が容易に行える。さらに、Ni−Zn系フェライトは、コア・コイル間、コア・端子間などの絶縁対策が不要なため絶縁距離を短くできるため、トランスの小型化が容易に行えると同時に低コストが可能であるという大きな利点がある。ところが、従来のNi−Zn系フェライトは、Mn−Zn系フェライトに比べコア損失が約10倍と大きく、発熱のためトランスとしての実用性に欠けているという欠点がある。コア損失とは、フェライトコアをトランスとして使用する場合において、電圧を変換する際に生じるコアの損失を表すフェライトの材料定数である。発熱を抑えるためには、コア損失の絶対値は小さい方が好ましい。
【0011】
また、車載用のトランスにおいては、フェライトコアが高温にさらされる場合があるため、100℃以上の高温特に120℃を越える高温においてもコア損失が小さいフェライト材料が求められているが、従来のフェライト材料は高温でコア損失が大きくなるという問題があった。
【0012】
特に、従来の特許文献1に開示されているフェライト材料は120℃よりも高い温度におけるコア損失が200kW/m3よりも大きいという問題があった。
【0013】
本発明は、120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が200kW/m3以下と低く、室温で108Ω・cm以上の高い電気抵抗、1200以上の高い透磁率、3000ガウス以上のBsを示し、Tc が150℃以上のNi−Zn系フェライト材料を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のフェライト材料は、Fe、Zn、Ni、Cuを、それぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%含有する主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有することを特徴とする。
【0015】
また、コア損失が200kW/m3以下であることを特徴とする。
【0016】
また、平均結晶粒径が1〜30μm、且つ焼結密度が5.1g/m3以上であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のフェライトコアは、前記フェライト材料のいずれかを所定の形状に形成したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のフェライト材料においては、Fe、Zn、Ni、CuをそれぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%含有する主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有することが低いコア損失を有するフェライト材料を得るために重要である。
【0019】
本発明において、FeをFe2O3換算で48〜51モル%としたのは、Fe2O3が48モル%未満では、透磁率が低下し、51モル%を超えると電気抵抗値の低下が生じる為である。Fe2O3換算でのFeの含有量の下限は49モル%が望ましく、上限は50モル%が望ましい。
【0020】
また、ZnをZnO換算で15モル%以上30モル%未満としたのは、ZnOが15モル%未満では、透磁率が低下し、30モル%以上ではBs、Tcが低下するためである。ZnO換算でのZnの含有量の下限は23モル%、上限は29.8モル%が望ましい。特に望ましくは、ZnO換算でのZnの含有量の下限は26モル%、上限は29.5モル%である。最も望ましくは、ZnO換算でのZnの含有量の上限は28.5モル%である。
【0021】
また、NiをNiO換算で、7〜35モル%としたのは、NiOが7モル%未満では、Bs、Tcが低下し、35モル%を超えると透磁率が低下するためである。NiO換算でのNiの含有量の下限は11モル%、上限は25モル%が望ましい。特に望ましくは、NiO換算でのNiの含有量の下限は15.1モル%、上限は19モル%である。
【0022】
また、CuをCuO換算で2〜7モル%としたのは、2モル%未満では、Bs、Tcが低下し、7モル%を超えると透磁率が低下する為である。CuO換算でのCuの含有量の下限は4モル%、上限は6モル%が望ましい。
【0023】
また、主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部としたのは、0.16重量部未満では、120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失を著しく低減させることができないからであり、1.0重量部を超えると電気抵抗値が低下するためである。120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が小さなフェライト材料を得るためには、TiO2換算でのTiの含有量の下限は0.2重量部、上限は0.6重量部が望ましい。特に望ましくは、TiO2換算でのTiの含有量の下限は0.3重量部、上限は0.5重量部である。
【0024】
本発明のフェライト材料においては、TiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有することが特に重要である。TiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部を含有するとコア損失が小さくなる理由は次の様に考えられる。コア損失の主要因はヒステリシス損失である。TiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有させることによって、本発明のフェライト材料の結晶内部の気孔および結晶内部の応力が減少するため前記ヒステリシス損失が小さくなり、その結果120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が200 kW/m3以下と小さくなると考えられる。特に、TiをTiO2換算で0.2〜0.6重量部含有させると、120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失を180 kW/m3以下と小さくすることができる。
【0025】
上述の特許文献1に開示されているフェライト材料はTiO2含有量が0.15重量%以下と少ないために前記の結晶内部の気孔および結晶内部の応力を減少させることが困難となり、その結果120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が200 kW/m3よりも大きくなると考えられる。
【0026】
また、低いコア損失及び高い透磁率を同時に実現するために、フェライト材料の平均結晶粒径を1〜30μmとすることが望ましい。この理由は、平均結晶粒径が1μm未満又は30μmを超えると、コア損失は低くなるものの、透磁率を著しく高くすることが出来ない為である。
【0027】
また、本発明のフェライト材料においては、120℃よりも高い温度における低いコア損失及び高い透磁率を同時に実現するために、焼結密度を5.1g/cm3以上とすることが望ましい。この理由は、焼結密度が5.1g/cm3未満では、実効的な磁性体占有率が低くなるため、コア損失は低くなるものの、透磁率を著しく高くすることが出来ないためである。
【0028】
なお、平均結晶粒径は焼結体の結晶写真の画像解析、焼結密度はアルキメデス法により測定する。
【0029】
また、本発明においては、さらに低いコア損失及び高い透磁率を同時に実現するために、フェライト材料を構成する前記主成分の含有量を99〜99.99重量%とすることが好ましい。この理由は、主成分の含有量が99重量%未満では、非磁性体の影響により、更にコア損失及び透磁率を同時に著しく高くすることができないからであり、99.99重量%を超えるフェライト材料を得るには、原料精製上大変困難であるからである。
【0030】
なお、本発明のフェライト材料は上記成分以外のものとして例えば、SiO2、S、CaO、Cr2O3、MnO、ZrO2等をいずれも0.05重量部未満の範囲で含んでもよい。
【0031】
本発明のフェライト材料の製造方法は、例えばFe、Zn、Ni、Cuの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを前述した範囲になるように主成分の各原料を調合し、振動ミル等で粉砕混合した後仮焼し、この仮焼粉体に例えばTiの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを前述した範囲になるようにTiO2を加え、ボールミルで粉砕した後、バインダーを加えて造粒し、得られた粉体をプレス成形にて所定形状に成形し、400〜800℃の範囲で脱バインダーを行い、焼成する事によって得られる。本発明の製造方法においては、粉砕後の仮焼粉の粒子の90%以上を粒径0.9μm以下、成形体の密度を3.0g/cm3以上、かつ焼成条件を1000℃〜1300℃で1〜10時間保持とすることが、平均結晶粒径を1〜30μmかつ焼結密度を5.1 g/cm3以上とするために重要である。
【0032】
また、TiO2は仮焼後に加えることを拘束するのではなく、仮焼前に主成分へ加えても特性に何ら影響するものではない。
【0033】
また、本発明のフェライトコアは、前記フェライト材料を用いてフェライトコアを形成したことを特徴とする。
【0034】
ここで、フェライトコアとしては、図1(a)に示すようなリング状のトロイダルコア1、あるいは、図1(b)に示すようなボビン状コア2とすれば良く、それぞれ巻き線部1a、2aに巻き線を施す事によってコイルとすることができる。
【0035】
この様な本発明のNi−Zn系フェライトコアは、特に、DC−DCコンバーター等、各種電源のトランス等に好適に使用することが出来る。
【0036】
【実施例】
実施例1
主成分としてFe2O3、ZnO、NiO、CuO粉末を表1に示した割合で秤量し、振動ミルで混合した後、800℃〜950℃で仮焼した。この主成分を含む仮焼粉体に対してTiO2を表1に示した量を添加しボールミルにて粉砕した後、バインダーを加えて造粒し、圧縮成型して図1に示すトロイダルコア1の形状に成形し、この成形体を昇温速度75℃/時間で600℃に昇温した後600℃で5時間保持して脱バインダーし、さらに昇温して1140℃〜1260℃で2〜8時間保持して焼成し、これによって試料No.11〜25を作製した。得られた焼結体の平均結晶粒径を結晶写真の画像解析から求め、また焼結密度をアルキメデス法により測定した結果、いずれの試料も平均結晶粒径が1〜30μm、焼結密度が5.1g/cm3以上であった。
【0037】
得られた焼結体であるトロイダルコア1に線径0.2mmの被膜銅線を7ターン巻き付けて100kHzで初透磁率を測定した。次にTcを透磁率と同じ条件で10ターン巻き付けて測定した。トロイダルコア1に、図2に示すように線径0.2mmの被膜銅線を用いて一次側巻き線3を100ターン、二次側巻き線4を30ターン巻き付けて、一次側巻き線3に電源5を、二次側巻き線4に磁束計6をそれぞれ接続し、100Hz、100エルステッドの条件でBsを測定した。次に、コア損失はBs測定と同方法で、トロイダルコア1に一次巻き線3を10ターン、二次巻き線4を10ターン巻き付けて、50kHz、150mTの条件で140℃にて測定した。また、電気抵抗値はJIS C−2141の規格に添って測定を行った。
【0038】
その結果、Fe、Zn、Ni、CuをそれぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%含有する主成分100重量部に対してTiをTiO2を換算で0.16〜1.0重量部含有する本発明の試料(No.11〜25)では、Bsが3000ガウス以上、透磁率が1200以上、Tcが150℃以上、電気抵抗値が108Ω・cm以上で焼結性が良好で、且つコア損失が200kW/m3以下と優れた特性が得られた。また、平均結晶粒径は1μm以上で焼結密度は、5.1g/cm3以上であった。
【0039】
一方、Fe2O3の含有量が48モル%未満の試料(No.1)では透磁率が低くなり、Fe2O3の含有量が51モル%を超える試料(No.2)は電気抵抗値が低くなった。また、ZnOの含有量が15モル%未満の試料(No.3)では透磁率が低くなり、ZnOの含有量が30モル%以上の試料(No.4)ではBs、Tcが低くなった。また、NiOの含有量が7モル%未満の試料(No.5)ではBs、Tcが低くなり、NiOの含有量が35モル%を超える試料(No.6)では透磁率が低くなった。また、CuOの含有量2モル%未満の試料(No.7)ではBs、Tcが低くなり、CuOの含有量が7モル%を超える試料(No.8)では透磁率が低くなった。また、主成分100重量部に対しTiO2を0.16重量部未満含有する試料(No.9)ではコア損失が大きく、TiO2が1.0重量部より多い試料(No.10)では電気抵抗値が低くなった。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例2
次に、FeをFe2O3換算で49.7モル%、ZnをZnO換算で 29.5モル%、NiをNiO換算で 15.5モル%、CuをCuO換算で5.3モル%含有する主成分100重量部に対してTiをTiO2換算で0.35重量部と固定し、焼成温度を1110℃〜1290℃の範囲内、保持時間を1〜10時間の間で変化させることによって平均結晶粒径と焼結密度を変化させ、その他条件は、上記実施例1と同様にしてトロイダルコア1の形状をなす試料No.26〜29を得た。また、Fe、Ni、Zn、Cuの総含有量はそれぞれFe2O3、ZnO、NiO、CuO換算計で99重量%以上であった。
【0042】
その結果、平均結晶粒径が1〜30μmで焼結密度が5.1g/cm3以上の試料(No.28、29)は、平均結晶粒径が1〜30μmの範囲外でかつ焼結密度が5.1g/cm3以下の試料(No.26、27)よりも140℃におけるコア損失が低く優れていた。また、No.26〜29の試料においてはBsが3000G以上、透磁率が1200以上、Tcが150℃以上、電気抵抗値が108Ω・cm以上と高く、優れた特性が得られた。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
以上のようにFe、Zn、Ni、CuをそれぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%、及び主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有本発明のフェライト材料を用いることにより、低いコア損失、高い電気抵抗、高い透磁率、高いBs、高いTcを有するフェライト材料を提供することができる。また、さらには平均結晶粒径を1〜30μm、且つ焼結密度を5.1g/cm3以上とすることにより、さらに低いコア損失のフェライト材料を提供することができる。
【0045】
また、本発明のフェライト材料でフェライトコアを形成することによって、絶縁対策が不要となる。従って、このフェライトコアを電源用に用いれば、各種電子機器の小型化・薄型化・高効率化に大きく貢献することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明のフェライトコアを示す図である。
【図2】本発明のフェライトコアの特性を測定する方法を示す図である。
【符号の説明】
1:トロイダルコア
1a:巻線部
2:ボビンコア
2a:巻線部
3:一次側巻線
4:二次側巻線
5:電源
6:磁束計
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェライト材料組成物に関する。特に、低いコア損失、高透磁率、高い磁束密度(Bs)、高電気抵抗、高いキュリー温度(Tc)を示すフェライト材料、及びこれを用いたフェライトコアに関する。
【0002】
【従来の技術】
Ni−Zn系のフェライト材料は、インダクター、変圧器、安定器、電磁石、ノイズ除去等のコアとして広く使用されている。
【0003】
特に近年、液晶ディスプレイの電子機器への搭載の拡大に伴い、バックライト点灯用のトランスの市場が拡大している。パソコン、ワープロ、液晶テレビ、カメラ一体型VTRをはじめ、情報通信機器、ゲーム機など液晶搭載機器が広がりを見せる中、トランス回路の小型化・薄型化・高効率化の要求が強まっている。トランス回路の小型・薄型化・高効率化を実現するためには、トランス用部材として用いられるフェライト材料の開発が重要となっている。
【0004】
また、液晶ディスプレイのバックライトシステムは、高輝度、高電気効率、高寿命などの理由から冷陰極管方式が主流となっている。冷陰極管を点灯するためには、トランス回路に比較的低圧の直流電圧入力から数千Vの交流高電圧出力を発生する必要があり、低電圧側と高電圧側の接点にあるトランス用部材として用いられるフェライト材料が高い耐絶縁性を有するということは、高い信頼性を有するトランスを得るための重要な課題である。
【0005】
また、液晶ディスプレイの小型化・薄型化・高効率化を実現するために、液晶ディスプレイ用トランスに搭載されるフェライト材料は、低いコア損失・高透磁率・高Bs・高Tc・高電気抵抗であることが要求されている。低いコア損失を有するフェライト材料が求められている理由は、電力損失を低減して発熱量を抑制し、放熱用のスペースをできるだけ小さくして、トランス回路を小型化・薄型化するためである。また、高電気抵抗のフェライト材料が求められている理由は、高電気抵抗のフェライト材料を用いることにより絶縁対策用の部材の追加を不要としトランスを小型化・薄型化するためである。また、高い透磁率及び高いBs、及び高いTc温度を有するフェライト材料が求められている大きな理由は、磁束密度の飽和による発熱を低減し、トランス内の放熱用スペースを小さくし、またはトランスへの放熱用部材の追加を不要とするためである。
【0006】
これまで上述の要求を満足すべくフェライト材料の開発が行われてきた。例えば、Ni−Zn系フェライト材料に各種添加物を加えることによって、コア損失を低く、透磁率およびBsを高く、Tcを高くしたフェライト材料が特許文献1、特許文献2および特許文献3に提案されているが、いずれも上記問題を解決するものではなかった。例えば特許文献1には、主成分がFe2O3が49.0〜50.0mol%、NiOが10.0〜15.0mol%、CuOが5.0〜8.0mol%、残部がZnOからなるフェライト材料に対して、副成分としてTiをTiO2換算で0.15重量%以下含有するフェライト材料が開示されている。
【0007】
また、使用周波数40〜100kHzの範囲で低いコア損失を示すMn−Zn系フェライト材料がトランス用フェライト材料として使用されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平2002−321971号公報
【特許文献2】
特開平1999−003813号公報
【特許文献3】
特開平1998−050514号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
Mn−Zn系フェライトは、フェライト材料の中では電気抵抗が数Ω・cmと低く、トランスとして耐電圧を確保する設計が必要であり、小型化、低コスト化の要求に対し限界状態にある。
【0010】
これに対し、Ni−Zn系フェライトはMn−Zn系フェライトに比べ約106倍も電気抵抗が高く、絶縁性に優れており、トランスとしての絶縁対策が容易に行える。さらに、Ni−Zn系フェライトは、コア・コイル間、コア・端子間などの絶縁対策が不要なため絶縁距離を短くできるため、トランスの小型化が容易に行えると同時に低コストが可能であるという大きな利点がある。ところが、従来のNi−Zn系フェライトは、Mn−Zn系フェライトに比べコア損失が約10倍と大きく、発熱のためトランスとしての実用性に欠けているという欠点がある。コア損失とは、フェライトコアをトランスとして使用する場合において、電圧を変換する際に生じるコアの損失を表すフェライトの材料定数である。発熱を抑えるためには、コア損失の絶対値は小さい方が好ましい。
【0011】
また、車載用のトランスにおいては、フェライトコアが高温にさらされる場合があるため、100℃以上の高温特に120℃を越える高温においてもコア損失が小さいフェライト材料が求められているが、従来のフェライト材料は高温でコア損失が大きくなるという問題があった。
【0012】
特に、従来の特許文献1に開示されているフェライト材料は120℃よりも高い温度におけるコア損失が200kW/m3よりも大きいという問題があった。
【0013】
本発明は、120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が200kW/m3以下と低く、室温で108Ω・cm以上の高い電気抵抗、1200以上の高い透磁率、3000ガウス以上のBsを示し、Tc が150℃以上のNi−Zn系フェライト材料を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のフェライト材料は、Fe、Zn、Ni、Cuを、それぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%含有する主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有することを特徴とする。
【0015】
また、コア損失が200kW/m3以下であることを特徴とする。
【0016】
また、平均結晶粒径が1〜30μm、且つ焼結密度が5.1g/m3以上であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のフェライトコアは、前記フェライト材料のいずれかを所定の形状に形成したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のフェライト材料においては、Fe、Zn、Ni、CuをそれぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%含有する主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有することが低いコア損失を有するフェライト材料を得るために重要である。
【0019】
本発明において、FeをFe2O3換算で48〜51モル%としたのは、Fe2O3が48モル%未満では、透磁率が低下し、51モル%を超えると電気抵抗値の低下が生じる為である。Fe2O3換算でのFeの含有量の下限は49モル%が望ましく、上限は50モル%が望ましい。
【0020】
また、ZnをZnO換算で15モル%以上30モル%未満としたのは、ZnOが15モル%未満では、透磁率が低下し、30モル%以上ではBs、Tcが低下するためである。ZnO換算でのZnの含有量の下限は23モル%、上限は29.8モル%が望ましい。特に望ましくは、ZnO換算でのZnの含有量の下限は26モル%、上限は29.5モル%である。最も望ましくは、ZnO換算でのZnの含有量の上限は28.5モル%である。
【0021】
また、NiをNiO換算で、7〜35モル%としたのは、NiOが7モル%未満では、Bs、Tcが低下し、35モル%を超えると透磁率が低下するためである。NiO換算でのNiの含有量の下限は11モル%、上限は25モル%が望ましい。特に望ましくは、NiO換算でのNiの含有量の下限は15.1モル%、上限は19モル%である。
【0022】
また、CuをCuO換算で2〜7モル%としたのは、2モル%未満では、Bs、Tcが低下し、7モル%を超えると透磁率が低下する為である。CuO換算でのCuの含有量の下限は4モル%、上限は6モル%が望ましい。
【0023】
また、主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部としたのは、0.16重量部未満では、120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失を著しく低減させることができないからであり、1.0重量部を超えると電気抵抗値が低下するためである。120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が小さなフェライト材料を得るためには、TiO2換算でのTiの含有量の下限は0.2重量部、上限は0.6重量部が望ましい。特に望ましくは、TiO2換算でのTiの含有量の下限は0.3重量部、上限は0.5重量部である。
【0024】
本発明のフェライト材料においては、TiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有することが特に重要である。TiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部を含有するとコア損失が小さくなる理由は次の様に考えられる。コア損失の主要因はヒステリシス損失である。TiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有させることによって、本発明のフェライト材料の結晶内部の気孔および結晶内部の応力が減少するため前記ヒステリシス損失が小さくなり、その結果120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が200 kW/m3以下と小さくなると考えられる。特に、TiをTiO2換算で0.2〜0.6重量部含有させると、120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失を180 kW/m3以下と小さくすることができる。
【0025】
上述の特許文献1に開示されているフェライト材料はTiO2含有量が0.15重量%以下と少ないために前記の結晶内部の気孔および結晶内部の応力を減少させることが困難となり、その結果120℃よりも高くかつTcよりも低い温度におけるコア損失が200 kW/m3よりも大きくなると考えられる。
【0026】
また、低いコア損失及び高い透磁率を同時に実現するために、フェライト材料の平均結晶粒径を1〜30μmとすることが望ましい。この理由は、平均結晶粒径が1μm未満又は30μmを超えると、コア損失は低くなるものの、透磁率を著しく高くすることが出来ない為である。
【0027】
また、本発明のフェライト材料においては、120℃よりも高い温度における低いコア損失及び高い透磁率を同時に実現するために、焼結密度を5.1g/cm3以上とすることが望ましい。この理由は、焼結密度が5.1g/cm3未満では、実効的な磁性体占有率が低くなるため、コア損失は低くなるものの、透磁率を著しく高くすることが出来ないためである。
【0028】
なお、平均結晶粒径は焼結体の結晶写真の画像解析、焼結密度はアルキメデス法により測定する。
【0029】
また、本発明においては、さらに低いコア損失及び高い透磁率を同時に実現するために、フェライト材料を構成する前記主成分の含有量を99〜99.99重量%とすることが好ましい。この理由は、主成分の含有量が99重量%未満では、非磁性体の影響により、更にコア損失及び透磁率を同時に著しく高くすることができないからであり、99.99重量%を超えるフェライト材料を得るには、原料精製上大変困難であるからである。
【0030】
なお、本発明のフェライト材料は上記成分以外のものとして例えば、SiO2、S、CaO、Cr2O3、MnO、ZrO2等をいずれも0.05重量部未満の範囲で含んでもよい。
【0031】
本発明のフェライト材料の製造方法は、例えばFe、Zn、Ni、Cuの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを前述した範囲になるように主成分の各原料を調合し、振動ミル等で粉砕混合した後仮焼し、この仮焼粉体に例えばTiの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用い、これらを前述した範囲になるようにTiO2を加え、ボールミルで粉砕した後、バインダーを加えて造粒し、得られた粉体をプレス成形にて所定形状に成形し、400〜800℃の範囲で脱バインダーを行い、焼成する事によって得られる。本発明の製造方法においては、粉砕後の仮焼粉の粒子の90%以上を粒径0.9μm以下、成形体の密度を3.0g/cm3以上、かつ焼成条件を1000℃〜1300℃で1〜10時間保持とすることが、平均結晶粒径を1〜30μmかつ焼結密度を5.1 g/cm3以上とするために重要である。
【0032】
また、TiO2は仮焼後に加えることを拘束するのではなく、仮焼前に主成分へ加えても特性に何ら影響するものではない。
【0033】
また、本発明のフェライトコアは、前記フェライト材料を用いてフェライトコアを形成したことを特徴とする。
【0034】
ここで、フェライトコアとしては、図1(a)に示すようなリング状のトロイダルコア1、あるいは、図1(b)に示すようなボビン状コア2とすれば良く、それぞれ巻き線部1a、2aに巻き線を施す事によってコイルとすることができる。
【0035】
この様な本発明のNi−Zn系フェライトコアは、特に、DC−DCコンバーター等、各種電源のトランス等に好適に使用することが出来る。
【0036】
【実施例】
実施例1
主成分としてFe2O3、ZnO、NiO、CuO粉末を表1に示した割合で秤量し、振動ミルで混合した後、800℃〜950℃で仮焼した。この主成分を含む仮焼粉体に対してTiO2を表1に示した量を添加しボールミルにて粉砕した後、バインダーを加えて造粒し、圧縮成型して図1に示すトロイダルコア1の形状に成形し、この成形体を昇温速度75℃/時間で600℃に昇温した後600℃で5時間保持して脱バインダーし、さらに昇温して1140℃〜1260℃で2〜8時間保持して焼成し、これによって試料No.11〜25を作製した。得られた焼結体の平均結晶粒径を結晶写真の画像解析から求め、また焼結密度をアルキメデス法により測定した結果、いずれの試料も平均結晶粒径が1〜30μm、焼結密度が5.1g/cm3以上であった。
【0037】
得られた焼結体であるトロイダルコア1に線径0.2mmの被膜銅線を7ターン巻き付けて100kHzで初透磁率を測定した。次にTcを透磁率と同じ条件で10ターン巻き付けて測定した。トロイダルコア1に、図2に示すように線径0.2mmの被膜銅線を用いて一次側巻き線3を100ターン、二次側巻き線4を30ターン巻き付けて、一次側巻き線3に電源5を、二次側巻き線4に磁束計6をそれぞれ接続し、100Hz、100エルステッドの条件でBsを測定した。次に、コア損失はBs測定と同方法で、トロイダルコア1に一次巻き線3を10ターン、二次巻き線4を10ターン巻き付けて、50kHz、150mTの条件で140℃にて測定した。また、電気抵抗値はJIS C−2141の規格に添って測定を行った。
【0038】
その結果、Fe、Zn、Ni、CuをそれぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%含有する主成分100重量部に対してTiをTiO2を換算で0.16〜1.0重量部含有する本発明の試料(No.11〜25)では、Bsが3000ガウス以上、透磁率が1200以上、Tcが150℃以上、電気抵抗値が108Ω・cm以上で焼結性が良好で、且つコア損失が200kW/m3以下と優れた特性が得られた。また、平均結晶粒径は1μm以上で焼結密度は、5.1g/cm3以上であった。
【0039】
一方、Fe2O3の含有量が48モル%未満の試料(No.1)では透磁率が低くなり、Fe2O3の含有量が51モル%を超える試料(No.2)は電気抵抗値が低くなった。また、ZnOの含有量が15モル%未満の試料(No.3)では透磁率が低くなり、ZnOの含有量が30モル%以上の試料(No.4)ではBs、Tcが低くなった。また、NiOの含有量が7モル%未満の試料(No.5)ではBs、Tcが低くなり、NiOの含有量が35モル%を超える試料(No.6)では透磁率が低くなった。また、CuOの含有量2モル%未満の試料(No.7)ではBs、Tcが低くなり、CuOの含有量が7モル%を超える試料(No.8)では透磁率が低くなった。また、主成分100重量部に対しTiO2を0.16重量部未満含有する試料(No.9)ではコア損失が大きく、TiO2が1.0重量部より多い試料(No.10)では電気抵抗値が低くなった。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例2
次に、FeをFe2O3換算で49.7モル%、ZnをZnO換算で 29.5モル%、NiをNiO換算で 15.5モル%、CuをCuO換算で5.3モル%含有する主成分100重量部に対してTiをTiO2換算で0.35重量部と固定し、焼成温度を1110℃〜1290℃の範囲内、保持時間を1〜10時間の間で変化させることによって平均結晶粒径と焼結密度を変化させ、その他条件は、上記実施例1と同様にしてトロイダルコア1の形状をなす試料No.26〜29を得た。また、Fe、Ni、Zn、Cuの総含有量はそれぞれFe2O3、ZnO、NiO、CuO換算計で99重量%以上であった。
【0042】
その結果、平均結晶粒径が1〜30μmで焼結密度が5.1g/cm3以上の試料(No.28、29)は、平均結晶粒径が1〜30μmの範囲外でかつ焼結密度が5.1g/cm3以下の試料(No.26、27)よりも140℃におけるコア損失が低く優れていた。また、No.26〜29の試料においてはBsが3000G以上、透磁率が1200以上、Tcが150℃以上、電気抵抗値が108Ω・cm以上と高く、優れた特性が得られた。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
以上のようにFe、Zn、Ni、CuをそれぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%、及び主成分100重量部に対しTiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有本発明のフェライト材料を用いることにより、低いコア損失、高い電気抵抗、高い透磁率、高いBs、高いTcを有するフェライト材料を提供することができる。また、さらには平均結晶粒径を1〜30μm、且つ焼結密度を5.1g/cm3以上とすることにより、さらに低いコア損失のフェライト材料を提供することができる。
【0045】
また、本発明のフェライト材料でフェライトコアを形成することによって、絶縁対策が不要となる。従って、このフェライトコアを電源用に用いれば、各種電子機器の小型化・薄型化・高効率化に大きく貢献することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明のフェライトコアを示す図である。
【図2】本発明のフェライトコアの特性を測定する方法を示す図である。
【符号の説明】
1:トロイダルコア
1a:巻線部
2:ボビンコア
2a:巻線部
3:一次側巻線
4:二次側巻線
5:電源
6:磁束計
Claims (4)
- Fe、Ni、Zn、CuをそれぞれFe2O3換算で48〜51モル%、ZnO換算で15モル%以上30モル%未満、NiO換算で7〜35モル%、CuO換算で2〜7モル%含有する主成分100重量部に対し、TiをTiO2換算で0.16〜1.0重量部含有することを特徴とするフェライト材料。
- コア損失が200 kW/m3以下であることを特徴とする請求項1に記載のフェライト材料。
- 平均結晶粒径が1〜30μm、且つ焼結密度が5.1g/cm3以上であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のフェライト材料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフェライト材料を所定の形状に形成したことを特徴とするフェライトコア。
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