JP2007173384A - 平面磁気素子 - Google Patents

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裕史 吉田
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Abstract

【課題】製造する際のコイル特性の劣化やコイル線の破断がなく、かつ、インダクタンスが大きく、高温でも使用が可能な平面磁気素子を提供する。
【解決手段】下部フェライト基板の上に平面コイルを形成し、その平面コイルの線間およびその上部にフェライト粉末を含む磁性樹脂層を設け、その磁性樹脂層の上に上部フェライト基板を配設してなる平面磁気素子において、前記フェライト基板の少なくとも一方が、主成分組成がFe:45.0〜50.0mol%未満、ZnO:3.0〜23.5mol%、CoO:0.5〜4.0mol%、残部MnOからなり、P,B,S,Clの含有量がそれぞれ50,20,30,50massppm未満であり、キュリー温度が105℃以上で、比抵抗が100Ωm以上のMn−Co−Znフェライトで構成されていることを特徴とする平面磁気素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄型で、インダクタンスが大きく、高温での使用が可能な平面磁気素子に関するものである。
近年、携帯機器やノートパソコンのように、二次電池で駆動し、持ち運びが可能な携帯電子機器の普及が拡大している。このような携帯電子機器に対しては、従来から、小型化、軽量化への要求が強いが、最近では、これに加えて、マルチメディア化への対応、すなわち通信機能や表示機能の充実、画像等大量データの高速処理能力の向上等の高機能化が求められている。
これに伴い、二次電池から得られる単一電圧を、CPUやLCDモジュール、通信用パワーアンプ等の様々な搭載デバイスが必要とするそれぞれの電圧に的確に変換することができる小型電源への需要が増している。しかし、電子機器の小型化、軽量化と高機能化とを両立させるためには、小型電源の小型化、軽量化が、さらにそのためには、電源に用いられるトランスやインダクタ等の磁気素子の小型化、軽量が必要であり、その達成が重要な課題となっている。
従来、携帯電子機器等に搭載されているトランスやインダクタには、焼結フェライトからなるコアにコイル線を巻いたものが用いられていた。しかし、これらはいずれも薄型化が困難であったため、電源の小型化、軽量化を阻害する原因となっていた。
そこで、磁気素子の小型化、軽量化を図るために、平面コイルを上下部のフェライト磁性層で挟み込み、上記平面コイルの線間を、フェライトを含有する樹脂で埋めた構造の平面磁気素子が開発されている(例えば、特許文献1および2参照)。これらの技術は、基板上に下部フェライト層を印刷法などで形成し、その上に平面コイルをメッキ法などで形成し、その後、上記平面コイル線間およびその上部に、フェライト含有樹脂層を印刷法で形成して平面磁気素子を得るものである。このような構成の磁気素子とすることにより、薄型化だけでなく、高周波領域における損失を低減することにも成功している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、上部フェライト磁性層の形成に際して、平面コイルも同時に加熱するため、平面コイルの原料としてCuを用いた場合には、コイルの酸化や変形によってコイル特性が劣化し、甚だしい場合には、コイル線の破断を生じることがあるという問題があった。
一方、特許文献2に記載の技術では、少なくとも上部フェライト磁性層に、フェライト磁性粉を樹脂バインダで固着した低温合成層を採用しているので、上記のような問題は生じない。しかし、低温合成層は、フェライト磁性層の体積密度が低いため、磁気素子のインダクタンスが小さく、磁気素子の小型化が十分に達成できないという問題があった。
また、上下磁性層の透磁率を大きくするには、基本的に、上下磁性層を構成するフェライト磁性粉を焼結して体積密度を上げることが有効である。しかし、前述したように、平面コイル形成後に上部磁性層を焼成すると、コイル特性の劣化やコイル線の破断を招くおそれがある。この問題を避けるため、上下磁性層として、別途焼成済みのNi−Znフェライト基板を用いた平面磁気素子が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−244123号公報 特開2001−244124号公報 特開2003−234216号公報
しかしながら、Ni−Znフェライトは、通常、23℃,5MHzにおける初透磁率μがせいぜい400程度しかないことから、インダクタンスの値を高めるには依然として不十分である。また、Ni−Znフェライトの初透磁率を上昇させようとすると、キュリー温度Tの低下を招く。キュリー温度よりも高温では磁性が失われるため、キュリー温度の低下は、磁気素子にとっては好ましいことではない。さらに、近年では、電子機器の小型化に対応して電子部品の実装密度が高められる傾向にあるため、電子部品が作動する温度は100℃以上まで上昇することがある。したがって、磁気素子に用いられるフェライトのキュリー温度は、以前に増して、高いことが求められている。
そこで本発明の目的は、コイル特性の劣化やコイル線の破断がなく製造が可能で、かつ、インダクタンスが大きく、高温でも使用が可能な平面磁気素子を提供することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点は、平面磁気素子の上下磁性層として用いているNi−Znフェライト基板の特性に起因しており、平面磁気素子の特性を改善するためには、このフェライト基板の特性改善が有効であるとの考えの下、鋭意研究を重ねた。その結果、Ni−Znフェライトと比較して、高い初透磁率μと高いキュリー温度Tの両特性を併せもつMn−Co−Znフェライト基板を、上下磁性層のいずれか一方もしくは両方に用いればよいことを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、下部フェライト基板の上に平面コイルを形成し、その平面コイルの線間およびその上部にフェライト粉末を含む磁性樹脂層を設け、その磁性樹脂層の上に上部フェライト基板を配設してなる平面磁気素子において、前記フェライト基板の少なくとも一方が、主成分組成がFe:45.0〜50.0mol%未満、ZnO:3.0〜23.5mol%、CoO:0.5〜4.0mol%、残部MnOからなり、P,B,S,Clの含有量がそれぞれ50,20,30,50massppm未満であり、キュリー温度が105℃以上で、比抵抗が100Ωm以上のMn−Co−Znフェライトで構成されていることを特徴とする平面磁気素子である。
本発明によれば、製造時におけるコイル特性の劣化やコイル線の破断がなく、しかも、従来のNi−Znフェライトを用いた平面磁気素子と比較して、大きなインダクタンスと高い耐熱温度を有する平面磁気素子を得ることができるので、電源部分の小型化、軽量化、ひいては電子機器の小型化、軽量化に大いに寄与する。
本発明に係る平面磁気素子は、磁気素子の上下部の設けられる磁性層として、そのいずれか一方もしくは両方に、高い初透磁率μと高いキュリー温度Tの両特性を併せもつMn−Co−Znフェライト基板を用いたところに特徴がある。
図1は、一例として、上部、下部の磁性層の両方に、Mn−Co−Znフェライト基板を用いた本発明に係る平面磁気素子の断面構造を模式的に示した図である。上記Mn−Co−Znフェライト基板は、高い初透磁率μiを有するため、少ない平面コイルのターン数で、大きなインダクタンスを得ることができる。また、平面コイルの線間およびその上部には、フェライト粉末と樹脂バインダとを混合した磁性樹脂層が設けられている。この部分のフェライト粉末は、上下部のフェライト基板間の渡り磁束をコイル間に集中させて、磁束がコイル部に漏洩し、コイル内の渦電流損失によって銅損が増加するのを効果的に抑える効果がある。その結果、インダクタンスがさらに向上すると共に、コイル直流抵抗の低減も期待でき、交流損失の小さいインダクタを実現することができる。なお、上記磁性樹脂層は、フェライト粉末と樹脂バインダとを混合した磁性樹脂を、例えば、スクリーン印刷などの方法で刷り込むことによって、容易に形成することができる。
次に、本発明に係る平面磁気素子の磁性層として用いるMn−Co−Znフェライト基板が有すべき主成分組成および不純物含有量について説明する。
Fe:45.0〜50mol%未満
主成分の1つを構成するFeは、50mol%以上と過剰に含まれた場合には、比抵抗の低下を招く。その結果、電気絶縁性が劣化するだけでなく、渦電流損も増加するため、5MHz領域では高いインダクタンスを保つことができなくなる。よって、Feの含有量は、50mol%未満に抑える必要がある。しかし、Feの量を低減し過ぎると、キュリー温度の低下を招くだけでなく、インダクタンスも低下するようになるので、最低でも45.0mol%は含有させることが必要である。好ましいFeの含有量は、48.0〜49.5mol%の範囲である。
ZnO:3.0〜23.5mol%
ZnOは、含有量の増加に伴い、インダクタンスを高める効果があるので、最低でも3.0mol%は含有させる必要がある。しかし、ZnOの含有量が23.5mol%を超えると、キュリー温度の低下を招く。よって、ZnOの含有量は、3.0〜23.5mol%の範囲とする。好ましくは10.0〜20.0mol%の範囲である。
CoO:0.5〜4.0mol%
CoOは、適量の添加により、インダクタンスを上昇させる効果がある。その効果を得るためには、最低でも0.5mol%を含有させることが必要である。しかし、4.0mol%よりも多くなると、反対にインダクタンスが低下する。よって、CoOは、0.5〜4.0mol%の範囲で含有させる。好ましくは1.0〜3.0mol%の範囲である。
MnO:残部
本発明の平面磁気素子の磁性層に用いるフェライト基板は、Mn−Co−Zn系であり、上記以外の残部主成分は、MnOである。このMnOは、高いインダクタンスと高いキュリー温度を同時に実現するために、必要不可欠な成分である。
P,B,SおよびCl:それぞれ50,20,30および50massppm未満
P,B,SおよびClは、本発明の平面磁気素子の磁性層に用いるMn−Co−Znフェライトに不可避的に混入する不純物であり、フェライトを焼結する際に、異常粒を出現させる有害な成分である。異常粒が出現したフェライトは、比抵抗が著しく低下するのみならず、初透磁率も低下することから、磁気素子のインダクタンスの低下を招く。よって、上記4種類の不純物元素は、それぞれ、P:50massppm未満、B:20massppm未満、S:30massppm未満、Cl:50massppm未満に抑える必要がある。好ましくは、P:25massppm未満、B:15massppm未満、S:15massppm未満、Cl:40massppm未満である。
なお、P,B,SおよびCl各成分の含有量を上記規定量に抑えるためには、原料となるFe,MnOおよびZnO等の原料に、これら不純物の含有量が少ない高純度のものを用いることが好ましい。また、ボールミルやアトライター等で原料を混合、粉砕する際に使用する媒体についても、磨耗による混入を抑制するため、高純度のものを用いることが望ましい。
次に、上記Mn−Co−Znフェライト基板が有すべき特性について説明する。
比抵抗:100Ωm以上
本発明の平面磁気素子では、下部フェライト基板は、Cu製の平面コイルと直接接触する。そのため、該基板には、電気絶縁性が高いことが求められ、最低でも、100Ωm以上の比抵抗を有することが必要である。Mn−Co−Znフェライトにおいて、この比抵抗を実現するためには、主成分組成および不純物の含有量を上述した本発明の範囲内に規制し、異常粒の出現を抑制することが必要である。
キュリー温度:105℃以上
平面磁気素子内のCu製コイルは、電流が流れると発熱する。また、平面磁気素子の周辺には、発熱する電子部品が多数存在する。その結果、平面磁気素子の作動時の温度は高温となることがあるため、磁気素子に用いるフェライトは、高いキュリー温度を有していることが必要である。一般に、磁気素子は巻線を伴うことから、磁気素子に求められる耐熱性は、巻線に求められていものと同等以上であることが必要である。そこで、本発明では、フェライトが有すべきキュリー温度を、JIS C 4003「電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価」で定められたA種絶縁規格の許容最高温度(105℃)以上と規定した。なお、Mn−Co−Znフェライトにおいて、このような高いキュリー温度を実現するためには、先に述べた主成分組成とすることが必須である。
なお、図1では、上部、下部の両磁性層として上記Mn−Co−Znフェライトからなる基板を用いた例を説明したが、本発明は、上記例に限定されるものではなく、上部、下部いずれか一方の磁性層に、上記Mn−Co−Znフェライト基板を用いた場合でも、同様の効果を得ることができる。
図2は、本発明の他の例として、上部磁性層のみに、上記Mn−Co−Znフェライト基板を用いた平面磁気素子の断面構造を模式的に示した図である。この例では、下部磁性層として、従来公知のNi−Znフェライトからなる基板を用いているが、下部磁性層は、電気絶縁性を保つ観点から、100Ωm以上の比抵抗を有する磁性材料(例えば、Ni−Cu−Znフェライト,Mg−Cu−Znフェライト等)であればよく、Ni−Znフェライトには限定されない。また、図2とは反対に、下部磁性層として上記Mn−Co−Znフェライト基板を用い、上部磁性層としてNi−Znフェライト基板等を用いた構造としてもよい。
また、本発明の平面磁気素子において下部フェライト基板の上に形成する平面コイルの形状は、スパイラル型、ミアンダ型のいずれも適合するが、より大きなインダクタンスを実現するためには、スパイラル型の方が好ましい。さらに、電気的に絶縁されたコイルを2つ以上配置した場合には、トランスとしての機能を発揮するが、本発明は、このような構造の平面磁気素子に対して適用してもよい。
次に、本発明の平面磁気素子の製造方法について、その概略を説明する。
主成分組成および不純物含有量を上記基準を満たすよう調整したMn−Co−Znフェライトのブロック、もしくは比抵抗が100Ωm以上であるNi−Znフェライト等のブロックを焼成して得、これらのブロックを厚さ約250μm程度にスライスして、下部フェライト基板を作製する。このフェライト基板の上に、約0.5μmの厚さのCuシード層を形成し、このCuシード層の上に、レジストを塗布し、平面コイルパターンを露光し、現像し、スパイラル形状あるいはミアンダ形状のレジストフレームを形成する。その後、電気銅めっきを行い、上記レジストフレーム内にCuを析出させてから、レジストを剥離し、さらに、エッチングして不要なCuシード層を除去する。次いで、スクリーン印刷法を用いて、平面コイルの線間およびその上層に、フェライト粉未をエポキシ樹脂に混ぜたペーストで磁性樹脂層を形成し、熱硬化させ、最後に、この上に、厚さ約150μmにスライスした、本発明の基準を満たす成分組成を有するMn−Co−Znフェライト、もしくは比抵抗が100Ωm以上のNi−Znフェライト等からなる上部フェライト基板を配設し、平面磁気素子とする。
なお、本発明の製造条件は、これに限定されるものではない。
主成分であるFe,CoO,ZnO,MnOの組成および不純物であるP,B,S,Clの含有量が表1に示した値となるようフェライト原料を調整し、焼結してフェライトブロックを作製し、このフェライトブロックを250μmの厚さにスライスし、下部磁性層となるMn−Co−Znフェライト基板を作製した。
この基板上に、ポリイミド樹脂をスピンコート法で塗布して厚さ3μmの膜を生成し、その膜の上層全面に、無電解めっき法にて、シード層としてのCu膜を0.5μmの厚さで成膜し、その上にレジストを塗布し、露光し、現像処理してスパイラル形状のレジストフレームを形成し、次いで、該スパイラルフレーム内に電気メッキ法によりCuを析出させた。その後、上記レジストを剥離し、不要なシード層部分をエッチングで除去し、ライン幅:80μm、ライン間隔:20μm、厚さ:90μm、ターン数:14の平面スパイラルコイルを形成した。
次に、スクリーン印刷法にて、エポキシ樹脂にフェライト粉末を体積率で60%添加した磁性樹脂ペーストを、上記フェライト基板上に形成したスパイラルコイル間に充填し、さらにその上部を覆うように成膜して磁性樹脂層を形成し、熱硬化させ、最後に、その上に、下部フェライト基板と同じブロックから作製した厚さが150μmの上部Mn−Co−Znフェライト基板を接着し、平面磁気素子を作製した。
上記のようにして得た平面磁気素子について、23℃、5MHzにおけるインダクタンスLを測定し、この結果を、平面磁気素子の作製に用いたMn−Co−Znフェライト自体の初透磁率μ、比抵抗ρおよびキュリー温度Tの測定結果と併せて表1に示した。なお、参考例として、主成分組成がFe:ZnO:NiO=49:23:28(mol%)からなるNi−Znフェライト基板を上下磁性層に用いた平面磁気素子についても同様の測定を行い、結果を表1に示した。
Figure 2007173384
表1の結果から、本発明の基準を満たすNo.1〜4のフェライトは、いずれも初透磁率μが550以上、比抵抗ρが150Ωm以上、キュリー温度Tが120℃以上の特性を有しており、参考例のNi−Znフェライトと比較して、いずれも優れた特性を示している。その結果、該フェライトからなる基板を上下の磁性層として用いた本発明の平面磁気素子は、いずれもインダクタンスLが4.0μH以上と高く、参考例の両面にNi−Znフェライト焼結基板を用いた磁気素子(No.13)より優れた特性を有していることがわかる。
これに対して、Feが50.0mol%以上のNo.5のフェライトは、キュリー温度は高いものの、初透磁率、比抵抗が大幅に低下しており、その結果、該フェライトを用いた平面磁気素子のインダクタンスも大きく低下している。一方、Feが45.0mol%未満のNo.6のフェライトは、比抵抗は高いものの、キュリー温度、初透磁率が低下し、その結果、平面磁気素子のインダクタンスも低下している。
また、CoOが0.5mol%未満であるNo.7のフェライトおよびCoOが4.0mol%超えであるNo.8のフェライトは、いずれも初透磁率が低下し、その結果、平面磁気素子のインダクタンスが低下している。
また、ZnOを23.5mol%超え含有するNo.9のフェライトは、キュリー温度が低い。反対に、ZnOが3.0mol%未満であるNo.10のフェライトは、初透磁率が低下しており、平面磁気素子のインダクタンスも同様に大きく低下している。
また、不純物を本発明の基準を超えて含有するNo.11および12のフェライトは、焼結時に異常粒の出現が確認されており、その結果、フェライトの初透磁率、比抵抗がともに大幅に低下し、平面磁気素子のインダクタンスも低下している。
平面磁気素子の下部磁性層として、実施例1のNo.13で用いたのと同じNi−Znフェライト基板(厚さ:250μm)を全てに用い、上部磁性層として、実施例1と同じMn−Co−Znフェライト基板(厚さ:150μm)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、平面磁気素子を作製し、その特性を評価した。その結果を、Mn−Co−Znフェライト、Ni−Znフェライトの特性と併せて、表2に示した。
表2の結果から、本発明の基準を満たすNo.14〜17のフェライト基板を上部磁性層として用いた本発明の平面磁気素子は、いずれもインダクタンスLが4.0μH以上の高い値を示し、上下部磁性層にNi−Znフェライト基板を用いた参考例の平面磁気素子(No.13)より優れた特性が得られていることがわかる。
これに対して、主成分であるFe、CoO、ZnOのいずれかの組成が本発明の範囲外であるNo.18〜No.23のフェライト基板を上部磁性層として用いた平面磁気素子は、No.22を除いて、インダクタンスが低下している。なお、No.22の平面磁気素子は、高いインダクタンスを示すが、フェライトのキュリー温度が90℃しかなく、高温下での使用には向かない。また、不純物を本発明の基準を超えて多く含有するNo.23および24のフェライト基板を用いた平面磁気素子は、異常粒の発生によりインダクタンスが大幅に低下している。
Figure 2007173384
実施例2とは反対に、平面磁気素子の下部磁性層として、実施例1と同じMn−Co−Znフェライト基板(厚さ:250μm)を全てに用い、上部磁性層として、実施例1のNo.13で用いたのと同じNi−Znフェライト基板(厚さ:150μm)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、平面磁気素子を作製し、その特性を評価した。その結果を、Mn−Co−Znフェライト、Ni−Znフェライトの特性と併せて、表3に示した。
表3の結果から、本発明の基準を満たすNo.26〜29のフェライト基板を下部磁性層として用いた本発明の平面磁気素子は、いずれもインダクタンスLが4.0μH以上の高い値を示し、上下部磁性層にNi−Znフェライト基板を用いた参考例の平面磁気素子(No.13)より優れた特性が得られていることがわかる。
これに対して、主成分であるFe、CoO、ZnOのいずれかの組成が本発明の範囲外であるNo.30〜No.35のフェライトから作製した基板を下部磁性層として用いた平面磁気素子のインダクタンスは、No.34を除いて、いずれも低下している。なお、No.34の平面磁気素子は、高いインダクタンスを示すが、フェライトのキュリー温度が90℃しかなく、高温下での使用には向かない。また、不純物を本発明の基準を超えて多く含有するNo.36および37のフェライトから作製した基板を用いた平面磁気素子は、異常粒の発生によりインダクタンスが大幅に低下している。
Figure 2007173384
本発明に係る平面磁気素子の断面構造を模式的に説明する図である。 他の本発明に係る平面磁気素子の断面構造を模式的に説明する図である。

Claims (1)

  1. 下部フェライト基板の上に平面コイルを形成し、その平面コイルの線間およびその上部にフェライト粉末を含む磁性樹脂層を設け、その磁性樹脂層の上に上部フェライト基板を配設してなる平面磁気素子において、前記フェライト基板の少なくとも一方が、主成分組成がFe:45.0〜50.0mol%未満、ZnO:3.0〜23.5mol%、CoO:0.5〜4.0mol%、残部MnOからなり、P,B,S,Clの含有量がそれぞれ50,20,30,50massppm未満であり、キュリー温度が105℃以上で、比抵抗が100Ωm以上のMn−Co−Znフェライトで構成されていることを特徴とする平面磁気素子。
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