近年、コンピュータやテレビなどの家電製品の表示部として、液晶表示パネルが広く用いられている。液晶表示パネルは、一般的に薄膜トランジスタ(TFT)基板とカラーフィルタ(CF)基板とからなる一対のガラス基板が所定の間隔を置いて平行に対向配置され、両基板間に液晶が充填された構成をなしている。
例えばTFT基板を製造するにあたっては、ガラス基板表面への成膜処理、レジスト膜形成処理、露光処理、レジスト現像処理、エッチング処理、レジスト剥離処理等の複数の処理工程を順次経ることによりガラス基板表面にTFT等が形成される。
ガラス基板表面にTFT等の回路を形成するためには、ガラス基板表面に金属膜を成膜処理により形成した後に、この金属膜を所定のパターンにエッチング処理する方法が採られている。このエッチング処理の際のマスクとして感光性樹脂であるレジストが用いられており、エッチング処理後にレジストは剥離処理により除去されることになる。
ガラス基板表面のレジスト剥離処理には、剥離液をガラス基板の表面および裏面にシャワー方式で供給する剥離処理装置が採用されている。一般的なレジスト剥離処理装置は、複数の剥離室が順に並設された構成となっており、ガラス基板はニュートラル室から1枚ずつ順に各剥離室に搬送されて、剥離液によるレジスト剥離処理が施され、レジスト剥離処理が施された後、洗浄室に搬送され純水により水洗処理が施される。この場合、ガラス基板はレジスト剥離装置の最上流側に配置されたニュートラル室から最下流側に配置された洗浄室に向けて各剥離室を経て搬送されるようになっている。
図7は、レジスト剥離装置201が備える剥離室90と洗浄室100を正面から見た概略構成を示しており、図8は図7のB−B線における断面図を示している。このレジスト剥離装置201は、図8に示されるようにガラス基板2を垂直に立てた直立状態から裏面2b側に例えば15度の角度で傾倒させた状態、つまり水平方向に対して75度の角度に立てた状態で搬送しながらレジスト剥離を行う装置である。図7に示されるように、剥離室90と洗浄室100との間は隔壁101で仕切られており、隔壁101にはスリット状に開口した基板挿通口101aが設けられている。
剥離室90には、剥離液をガラス基板2の表面2aおよび裏面2bに供給する剥離液吐出バー7が設けられている。また、基板挿通口101aの上流側と下流側の近傍にはエア噴出バー12が設けられており、エア噴出バー12から高圧のエアを噴出させてガラス基板2の表面2aおよび裏面2bに付着した剥離液を除去することで、剥離液が隣りの洗浄室100に持ち込まれないようにされている。
図示されるように洗浄室100は、上流側の粗洗浄室103と下流側の精密洗浄室104の2室に、底壁105に立設された仕切板106によって区切られており、各洗浄室103,104には、純水5をガラス基板2の表面2aに供給する2本の表側純水吐出バー18と、純水5をガラス基板2の裏面2bに供給する1本の裏側純水吐出バー19が配置されている。各純水吐出バー18,19には、純水5をシャワー状に吐出する複数のノズル18a,19aが設けられている。
また、各洗浄室103,104には、図7および図8に示されるようにガラス基板2の裏面2bを支持する支持ローラ9と、ガラス基板2の下端を支持しつつガラス基板2を搬送する搬送ローラ10が搬送方向に沿って複数設けられている。
支持ローラ9は、ガラス基板2の傾斜方向下側となる裏面2b側に配されており、その軸線が搬送されるガラス基板2と平行、つまり75度の角度で傾斜されている。この場合、図示されるように支持ローラ9はボールベアリング9bによってローラ軸9aに回転可能に軸支されており、ローラ軸9aはその上端と下端が洗浄室100の上壁107と下壁108に固定されている。ローラ軸9aは、搬送方向に沿って所定間隔をおいて複数本設けられている。
また、ローラ軸9aの途中部位は、洗浄室100の後壁109に立設されたローラ軸支持板110の前端に支持されて偏心が防止されており、ガラス基板2の搬送中に軸心がずれないようになっている。このローラ軸支持板110には、図9に示されるように洗浄室100の後壁109を流れ落ちる純水5が通る開口部110aが複数形成されている。洗浄室100の後壁109や前壁111等を流れ落ちた純水5は、各洗浄室103の底壁105に開口形成された排液口21,22から排出される。
ガラス基板2の下端を支持する搬送ローラ10は、駆動軸10aの一端に固定されている。駆動軸10aの他端には歯車10bが取り付けられており、この歯車10bに噛合する歯車11bがモータ11の回転軸11aに取り付けられている。このモータ11によって搬送ローラ10を回転駆動させることで、搬送ローラ10とガラス基板2の下端との間に生じる摩擦力でガラス基板2を搬送することができるようになっている。
剥離室90から洗浄室100に搬送されるガラス基板2の表面2aおよび裏面2bには、隔壁101の上流側に配置されたエア噴出バー12によってエアが噴出され、付着した剥離液の除去が行われている。
一般的に、エア噴出バー12による剥離液の除去では、ガラス基板2が大きく撓んで隔壁101の基板挿通口101aに接触しないようにするため、噴出するエアの圧力を大きくできないことから、ガラス基板2の表面2aおよび裏面2bには、相当量の剥離液が付着残存し、これがガラス基板2と共に洗浄室100に持ち込まれている。
この洗浄室100に持ち込まれた剥離液により、上流側の粗洗浄室103では、剥離液の混合率が高い剥離液と純水5との混合液(濃厚排液)Hが生じ、下流側の精密洗浄室104では、粗洗浄室13で剥離液が適度に除去されているため、剥離液の混合率が低い剥離液と純水5との混合液(希釈排液)Lが生じることになる。
通常、粗洗浄室103の排液口21から回収された濃厚排液Hは、廃棄処理が為される。具体的には、濃厚排液Hはボイラーによって煮沸され、粉末状の廃物にされてから廃棄されるようになっている。一方、精密洗浄室104の排液口22から回収された希釈排液Lは、バクテリアなどにより比較的簡単に剥離液成分を除去することが可能であることから、洗浄室100で用いられる純水5として再度利用されている。図1に示されるように、希釈排液Lは、回収タンク25に一旦回収され、バクテリアなどにより浄化されて、ポンプ26およびフィルタ27を介して再度純水吐出バー18,19へと送液される。尚、本発明に関連する先行技術文献として下記特許文献が挙げられる。
以下に、本発明に係る基板処理装置の一実施形態ついて、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の基板処理装置は、液晶表示パネル用のガラス基板を製造する際に用いられるレジスト剥離装置である。
図1に示されるレジスト剥離装置1は、ガラス基板2を垂直に立てた直立状態から裏面2b側に例えば15度の角度で傾倒させた状態、つまり水平方向に対して75度の角度に立てた状態で搬送しながらガラス基板2の表面2aに形成されたレジストに剥離液4を供給する。
図示されるようにレジスト剥離装置1は、複数の剥離室40〜90が順に並設された構成となっており、ガラス基板2はニュートラル室30から1枚ずつ順に各剥離室40〜90に搬送されて、剥離液4によるレジスト剥離処理が施される。各剥離室40〜90間は隔壁51〜91で仕切られており、隔壁51〜91にはスリット状に開口した基板挿通口51a〜91aが設けられている。また、ニュートラル室30と剥離室40との間は隔壁41で仕切られ、剥離室90と洗浄室100との間は隔壁101で仕切られており、それぞれの隔壁41,101にはスリット状に開口した基板挿通口41a,101aが設けられている。
ニュートラル室30の上流側の隔壁31にはスリット状に開口した基板挿通口31aが設けられている。ニュートラル室30の上流側と下流側の基板挿通口31a,41aにはシャッタ3,3が設けられており、このシャッタ3,3により基板挿通口31a,41aを塞ぐことができるようになっている。また、洗浄室100の下流側の隔壁102にはスリット状に開口した基板挿通口102aが設けられており、シャッタ3によりこの基板挿通口102aを塞ぐことができるようになっている。
各剥離室40〜90にはエア噴出バー12が設けられており、このエア噴出バー12から高圧のエアを噴出させてガラス基板2の表面2aおよび裏面2bに付着した剥離液4を除去することが行われている。
図2に示されるようにエア噴出バー12は、ガラス基板2の搬送方向と直交するように配置されている。このようなエア噴出バー12は、図5に示されるように、内部にエア供給口12aから供給されたエアを一旦滞留させるエア収容室12bを有し、このエア収容室12bに連通すると共に、ガラス基板2に対して線状にエアを噴出するためのスリット状のエア噴出口12cが形成されている。そして、エア噴出バー12のエア供給口12aには図示しない空圧ポンプが接続され、圧縮エアが供給されている。
このようなエア噴出バー12は、例えば剥離室90で用いられた剥離液4が隣りの剥離室80に持ち込まれないようにするために隔壁91に形成された基板挿通口91aの下流側の近傍に配置されている。また、同様に、エア噴出バー12は、剥離室90で用いられた剥離液4が隣りの洗浄室100に持ち込まれないようにするために隔壁101に形成された基板挿通口101aの上流側の近傍に配置されている。
一般的に、ガラス基板2に供給される剥離液4は、その温度が高いほどレジストを剥離するのに要する時間を短縮することができるため、例えば各剥離室40〜90においては剥離液4の温度は80℃の高温に設定されている。各剥離室40〜90に供給される剥離液4は、貯留タンク6からポンプ14を介して剥離液供給バー7からシャワー状にガラス基板2に向けて供給される。
貯留タンク6には、剥離液4を加熱するための剥離液加熱手段8が設けられている。剥離液加熱手段8は、スチーム配管8aを備えており、このスチーム配管8aを剥離液4に浸漬させて貯留タンク6内の剥離液4の温度を80℃に昇温させている。この場合、スチーム配管8aの中には高温の水蒸気が流れている。
図2に示されるように剥離液吐出バー7は、ガラス基板2の搬送方向と直交するように配置されており、剥離液4を剥離液吐出ノズル7aからガラス基板2の表面2aと裏面2bにシャワー状に供給する。また、剥離液吐出バー7は搬送方向に沿って所定間隔をおいて複数設けられている。剥離液吐出バー7は、図1に示されるような剥離液供給管13によって貯留タンク6と接続されており、ポンプ14によって剥離液吐出バー7に剥離液4が送液される。
また、図示しないがポンプ14と剥離液吐出バー7との間の剥離液供給管13の途中には、その剥離液供給管13を通る剥離液4を濾過するためのフィルタや剥離液4の流量を調整する流量調整弁等が設けられている。
各剥離室40〜90の底壁42〜92には排液口15が開口形成されており、排液管16を介して貯留タンク6に接続されている。排液管16を通って回収される剥離液4は、貯留タンク6に一旦貯留されたあと、ポンプ14により再度剥離液吐出バー7に送液されるようになっている。
また、各剥離室40〜90の内部は、上壁に開口形成された図示しない排気口から同じく図示しない排気手段により各剥離室40〜90内部の排気が強制的に行われている。このように剥離室内部の排気が行われることにより、剥離室内で上方に広がった剥離液4の蒸気やミストが排気されている。剥離液4は通常、人体に毒性がある薬液であるため、剥離室から外部に漏れ出さないようにするためにこのような排気が行われている。
また、このような排気は、例えば剥離室90で用いられた剥離液4の蒸気やミスト、およびそれらに含まれる異物が隣りの剥離室80や洗浄室100に漏れ出さないようにするために行われる。特定の剥離室で異物が大量に発生した場合に、その異物が他の剥離室や洗浄室に進入してしまうと、レジスト剥離装置1全体をメンテナンスすることになってしまうからである。
そして、各剥離室40〜90を経たガラス基板2は、洗浄室100に搬送され、純水5によりガラス基板2の表面2aおよび裏面2bが水洗され、その後図示しない基板乾燥室において、エア等により乾燥が行われる。
図2に示されるように洗浄室100は、底壁105に立設された仕切板106によって上流側の粗洗浄室103と下流側の精密洗浄室104の2室に区切られており、各洗浄室103,104には、純水5をガラス基板2の表面2aに供給する2本の表側純水吐出バー18と、純水5をガラス基板2の裏面2bに供給する1本の裏側純水吐出バー19が配設されている。各純水吐出バー18,19には、純水5をシャワー状に吐出する複数のノズル18a,19aが設けられている。
図4に示されるように、表側純水吐出バー18はガラス基板2の表面2aに対向するように配され、裏側純水吐出バー19はガラス基板2の裏面2bに対向するように配されている。また、図2に示されるように各洗浄室103,104では、2本の表側純水吐出バー18,18の間の中央に1本の裏側純水吐出バー19が配置されている。
また、各洗浄室103,104には、図3および図4に示されるようにガラス基板2の裏面2aを支持する支持ローラ9と、ガラス基板2の下端を支持しつつガラス基板2を搬送する搬送ローラ10が搬送方向に沿って複数設けられている。尚、図3は、図の簡略化のためにエア噴出バー12、表側純水吐出バー18、裏側純水吐出バー19が省略された状態を示した斜視図となっている。
支持ローラ9は、ガラス基板2の傾斜方向下側となる裏面2a側に配されており、その軸線が搬送されるガラス基板2と平行、つまり75度の角度で傾斜されている。この場合、図4に示されるように支持ローラ9はボールベアリング9bによってローラ軸9aに回転可能に軸支されており、ローラ軸9aはその上端と下端が洗浄室100の上壁107と下壁108に固定されている。このローラ軸9aは、ガラス基板2の搬送方向に沿って所定間隔をおいて複数本設けられている。
また、ローラ軸9aの途中部位は、洗浄室100の後壁109に立設されたローラ軸支持板110の前端に支持されて偏心が防止されており、ガラス基板2の搬送中に軸心がずれないようになっている。このローラ軸支持板110には、洗浄室100の後壁109を流れ落ちる純水5が通る開口部110aが複数開口形成されている。
図3に示されるように、ガラス基板2の下端を支持する搬送ローラ10は、駆動軸10aの一端に固定されている。駆動軸10aの他端には歯車10bが取り付けられており、この歯車10bに噛合する歯車11bがモータ11の回転軸11aに取り付けられている。このモータ11によって搬送ローラ10を回転駆動させることで、搬送ローラ10とガラス基板2の下端との間に生じる摩擦力でガラス基板2を搬送することができるようになっている。
粗洗浄室103の底壁105には、排液口21が開口形成されている。粗洗浄室103では、隣りの剥離室90から搬送されてきたガラス基板2によって持ち込まれた剥離液4と、この剥離液4を洗い流す純水5とが混ざった濃厚排液Hが生じて、この濃厚排液Hが排液口21から排出される。
図1に示されるように粗洗浄室103の排液口21には濃厚排液管23が接続されており、この濃厚排液管23を通って回収された濃厚排液Hは、ボイラー等を備えた廃棄処理施設で粉末状の廃物にされて廃棄される。
また、精密洗浄室104の底壁105には、排液口22が開口形成されている。精密洗浄室104では、粗洗浄室103で剥離室90から持ち込まれた剥離液4が適度に除去されているため、濃厚排液Hよりも剥離液4の混合率が低い希釈排液Lが生じて、この希釈排液Lが排液口22から排出される。
図1に示されるように精密洗浄室104の排液口22には希釈排液管24が接続されており、この希釈排液管24を通って回収タンク25に希釈排液Lは回収される。回収タンク25に回収された希釈排液Lは、バクテリアなどにより浄化されて、ポンプ26、フィルタ27、純水供給管20を介して純水吐出バー18,19へと再度送液されるようになっている。
そして、図6に示されるように、表側純水吐出バー18から吐出されガラス基板2の表面2aを経由せずに、つまり剥離液4が付着されたガラス基板2の表面2aに当たらずに、粗洗浄室103の後壁109に当たって流れ落ちる純水5を受ける回収樋112が、下流側の精密洗浄室104側に向かって下傾するように設けられている。
この回収樋112は、図2に示されるように搬送されるガラス基板2の上流端2cが粗洗浄室103に設けられた表側純水吐出バー18を通過して、次のガラス基板の下流端2dがその表側純水吐出バー18まで搬送されてくるまでの間に、表側純水吐出バー18から吐出され粗洗浄室103の後壁109に当たって流れ落ちる純水5がそのまま底壁105に開口形成された排液口21へ流れてしまうのを堰き止めるためのもので、回収樋112によって粗洗浄室103の後壁109を流れ落ちる純水5を受けて、受けた純水5を精密洗浄室104へと導くことができるようになっている。
この場合、回収樋112は、上方に配設されたローラ軸支持板110の下側と下方に配設されたローラ軸支持板110の下側に設けられると共に、上方のローラ軸支持板110と下方のローラ軸支持板110との間にも設けられている。
この回収樋112は、金属板を折曲加工により断面が略L字状になるように成形されており、下流側の精密洗浄室104に向かって下傾した底部112a有している。
底部112aの後端には上方に向かって突出した後側取付部112bが設けられており、この後側取付部112bが、粗洗浄室103の後壁109に固定ネジ28によって固定されている。また、底部112aの前端には手前側に向かって突出した前側取付部112cが設けられている。
この場合、上方のローラ軸支持板110の下側と、下方のローラ軸支持板110の下側に配置される回収樋112は、その前側取付部112cがローラ軸支持板110に固定ネジ28によって固定されている。
また、上方のローラ軸支持板110と下方のローラ軸支持板110との間に配置される回収樋112は、その前側取付部112cがブラケット29によってローラ軸9aに固定されている。この場合、前側取付部112cはブラケット29の後端に固定ネジ28により固定されると共に、ブラケット29の前端がローラ軸9aを挟持することで、回収樋112の前側取付部112cはブラケット29を介してローラ軸9aに固定されている。
このような構成により、粗洗浄室103の後壁109への回収樋112の取付が容易であると共に、回収樋112の前後端部が固定されているので、回収樋112内を流れる純水の液量の重さによって回収樋112が撓んでしまうことが防止されている。
回収樋112の上流側の端部は閉塞されており、下流側の端部は開口された排出口112dが形成されている。また、回収樋112はローラ軸支持板110よりも長く形成されており、回収樋112の上流側端部はローラ軸支持板110の上流側端部よりも上流側に配置されると共に、回収樋112の下流側端部はローラ軸支持板110の下流側端部よりも下流側に配置されている。これにより回収樋112は、ローラ軸支持板110の開口部110aから流れ落ちる純水5を受けることができるのは勿論のこと、ローラ軸支持板110の上流側端部から溢れて流れ落ちる純水5や下流側端部から溢れて流れ落ちる純水5も受けることができるようになっている。
この場合、回収樋112の排出口112dは、図2および図3に示されるように、仕切板106を越えて精密洗浄室104内へと臨むように配置されているので、回収樋112内を流れる純水5は、全て精密洗浄室104の底壁105に流れ落ちるようになっている。
図4に示されるように直立状態から裏面2b側にやや傾斜されたガラス基板2の表面2aに対向して設けられた表側純水吐出バー18から吐出される純水5は、図6に示されるようにガラス基板2が表側純水吐出バー18を通過した後では、粗洗浄室103の後壁109に直接当たって後壁109を流れ落ちることになるが、後壁109を流れ落ちる純水5は回収樋112によって堰き止められているので、従来技術で説明した図9に示されるように粗洗浄室103の底壁105に設けられた排液口22から排出されることが防止されている。
したがって、粗洗浄室103の底壁105に設けられた排液口21から回収される濃厚排液Hは、表側純水吐出バー18から吐出されてガラス基板2の表面2aを経由せずに後壁109を流れ落ちる純水5によって希釈されないので、廃棄処理が必要な濃厚排液Hの液量を減少させることができ、廃棄処理にかかるコストを削減することができる。
また、粗洗浄室103の後壁109を流れ落ちる純水5は回収樋112によって精密洗浄室104へと排出されるので、精密洗浄室104の底壁105に設けられた排液口22から回収される再利用可能な希釈排液Lを増大させることができ、その結果、洗浄室100から回収される希釈排液Lの利用効率を向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、上述した実施の形態では、レジスト剥離装置に本発明を適用した場合について説明したが、薬液を基板に供給して薬液処理した後、洗浄液を基板に供給して水洗処理する構成を有した基板処理装置であれば本発明を適用することができる。また、薬液処理室としての剥離室および洗浄室の構成やその数についても上述した実施の形態には限定されない。