JP5129397B2 - 温度管理インジケータ及びそれが付された構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、検知又は測定すべき温度を目視可能な色調の変化によって表示する温度管理インジケータ、及びそれが付された温度変化部位を具備する構造物に関する。
機械、設備、定温保存品の温度管理のために、温度測定機械機器や水銀温度計等を使用せずに、特定の温度域を表示する温度インジケータが存在する。かかる温度インジケータとして、可逆的に変色する示温顔料を利用した示温材により温度に応じた色調を示す温度インジケータが知られている。この温度インジケータは、可逆的な色調の変化を観察することによって簡便に現在の温度を検知することができるので、機械設備の温度管理や火傷防止などのために使用されている。このような示温材に用いられる示温材料として、以前には、水銀含有ハロゲン錯化合物が汎用されていたが、近年では、水銀に対する人体安全性対策や環境保護対策の観点から、忌避されるようになっている。
水銀非含有の可逆性温度インジケータとしては、例えば下記特許文献1〜4の様に、可逆的に温度に応じて呈色する電子供与性有機化合物や有機染料を用いたものや、マイクロカプセルに内包された有機系顔料を用いたものが知られている。しかし一般に、有機化合物は経時的に分解し易いため、有機化合物である示温材料を用いたり、それを内包するマイクロカプセルを用いたり、それらをポリエステルフィルムで被覆したりしたインジケータは、耐久性、特に耐光性が不十分となり易い。
また、水銀非含有の可逆性温度インジケータとして、例えば下記特許文献5〜6の様に、可逆的に温度に応じて呈色するコバルト化合物を含有する示温材が知られている。このようなコバルト化合物を含有する示温材は、水銀含有ハロゲン錯化合物を含有する示温材に比べて人体や環境に配慮されており、一定レベルまでは安全で有用ではあるものの、コバルト化合物がそもそも環境負荷物質であることから、それの使用によって生態安全性や環境保全性が確保されるのかと懸念されている。例えば、欧州連合の化学物質の登録、評価、許可、制限に関する規則(REACH)において、欧州化学品庁が公表したもので企業に特別な管理が求められる「許可対象候補物質」には、コバルト化合物である塩化コバルト(II)が入っている(日経エコロジー 2008/9月号参照)。更に、下記非特許文献1の様に、配位子がトリアゾールでありそれが配位している中心金属がコバルトであるコバルト(II)トリアゾール錯化合物も、温度に応じ可逆的に色相変化するサーモクロミズムを示すが、同様にコバルト金属を含むため、将来的に何らかの規制を受ける可能性がある。
ところで、鉄含有錯化合物である鉄トリアゾール錯化合物が所定温度で可逆的に変色することは、例えば下記非特許文献2〜3に記載されているが、粉末状の鉄トリアゾール錯化合物は耐久性に乏しく示温材用の示温顔料として実用的で無い。また、鉄トリアゾール錯化合物を用いた機能フィルムデバイスとしては、例えば下記特許文献7に、鉄トリアゾール錯化合物を含みフィルム状にした電気光学的機能フィルムデバイスが記載されている。この機能フィルムは、乳化重合法によって合成されるため、用途に応じて粒径を制御する必要があり、手間とコストがかかる。更に、この機能フィルムデバイスは、鉄錯体を含む部分が半球体状の不連続な形状であり、示温材のデザイン性に制限を生じたりコスト高を招いたりする。また、鉄トリアゾール錯化合物を用いた応用例として、例えば下記特許文献8に、示温材としての用途よりもむしろ記憶素子等の用途に用いられる特定の高次集積構造のリガンドを有する鉄トリアゾール錯化合物が開示され、また特許文献9に、トリアゾール金属錯体と液晶性化合物とを含有する組成物がゲル状になった液晶性ゲルを含有する層を有した光学素子が、開示されている。
特公昭51−44706号公報 特公昭51−44709号公報 特公平2−19155号公報 特開2007−101469号公報 特許第4175519号公報 特開2009−185086号公報 特開2009−31667号公報 特開2005−187413号公報 特開2007−131673号公報
ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(Journal of the American Chemical Society)、2004年、第126巻、p.2016-2021 ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(Journal of the American Chemical Society)、1993年、第115巻、p.9810-9811 ロシアン ジャーナル オブ コオーディネーション ケミストリー(Russian Journal of Coordination Chemistry)、2001年、第27巻、第1号、p.46-50
本発明は前記の課題を解決するためになされたものであって、簡易な構造であって、有害金属、中でも水銀を含まず、安全で、しかも耐久性、特に、対光耐久性や加熱−冷却サイクルの繰り返し耐久性に優れ、特定の温度域を可逆的な変色によって表示でき、また必要に応じて併せて特定の温度に達したかを不可逆的な変色によっても表示できる温度管理インジケータ及び温度管理インジケータを装着した構造物を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、請求の範囲の請求項1に記載された温度管理インジケータは、所定温度で可逆的に変色する水銀非含有の可逆性示温顔料の粒子を含有する可逆性示温材を具備する温度管理インジケータであって、前記可逆性示温材中鉄含有錯化合物からなる前記可逆性示温顔料の粒子が樹脂内に分散されて配合されていることによって前記樹脂で直に被覆されており、前記鉄含有錯化合物は、1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,4−トリアゾール、4−エチル−1,2,4−トリアゾール、4−プロピル−1,2,4−トリアゾール、4−ブチル−1,2,4−トリアゾール、4−ペンチル−1,2,4−トリアゾール、4−ヘキシル−1,2,4−トリアゾール、及び4−アミノ−1,2,4−トリアゾールから選ばれる配位子が2価の鉄陽イオンである中心金属に配位しており、それの対アニオンがF 、Cl 、Br 、I 、At 、SO 2− 、SO 2− 、HSO 2− 、HSO 2− 、S 2− 、OH 、NO 、BF 、ClO 、NCS 、CN 、SCN 、CH COO 、HCOO 、C 2− 、CO 2− 、HPO 、PF 2− 、SiF 2− 、B(C 、C −SO 、CH −C −SO 、C −C −SO 、C 10 −SO 、NH −C 10 −SO 、HO−C 10 −SO 、SF −SO 、CH −SO 、C −SO 、C −SO 、C −SO 、C 11 −SO 、又はC 13 −SO からなる錯塩化合物、又はそれらの何れかの混合物であることを特徴とする。
請求項2に記載の温度管理インジケータは、請求項1に記載されたものであって、前記樹脂が、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、クマリン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、MMA−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、プロピルセルロース樹脂、酢酸・酪酸セルロース樹脂、硝酸セルロース樹脂、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合樹脂、ポリビニリデンフルオライド樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン610樹脂、ナイロン11樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、天然ゴムや合成ゴム、石油樹脂、油脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリフェニレンオキシド、アイオノマー樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、又はフッ素樹脂であることを特徴とする。
請求項3に記載の温度管理インジケータは、請求項1〜2の何れかに記載されたものであって、前記可逆性示温顔料の粒子は、インキ層又は成形体からなる前記示温材中で前記樹脂内に前記分散されていることを特徴とする。
請求項4に記載の温度管理インジケータは、請求項3に記載されたものであって、前記可逆性示温顔料の粒子は、前記樹脂を成す樹脂成分とインキ化された状態で基板に塗布されて形成した前記インキ層に前記分散され、或いは前記樹脂に練り込まれた状態で所定形状に形成された前記成形体に前記分散されていることを特徴とする。
請求項5に記載の温度管理インジケータは、請求項1〜4の何れかに記載されたものであって、前記可逆性示温材と、水銀非含有の不可逆性示温材とが、インジケータ基板上に並べて或いは一部重複して配設されており、前記不可逆性示温材には、表面を覆っていて測定温度で溶融する固体状の熱溶融性物質が熱溶融体状態となったときにその熱溶融体が不可逆的に吸収されて表面が露呈する熱溶融性物質吸収性基材、表面を覆っており測定温度で溶融する固体状の着色した熱溶融性物質が熱溶融体状態となったときにその熱溶融体が不可逆的に浸透されて着色される熱溶融性物質浸透材、又は測定温度で不可逆的に反応して変色する感温変色性物質を含有する変色層が用いられていることを特徴とする。
請求項6に記載の温度管理インジケータは、請求項1〜5の何れかに記載されたものであって、前記可逆性示温材の表面に、記可逆性示温顔料の変色温度未満又は前記変色温度以上において前記可逆性示温顔料の呈する色相とは異なる色彩が付されている不変表示部が、形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の温度管理インジケータは、請求項1〜6の何れかに記載されたものであって、前記可逆性示温材が、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セロファンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリメチル(メタ)アクリレートフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルムから選ばれる高分子フィルムで被覆されていることを特徴とする。
請求項8に記載の構造物は、外部又は内部の熱源によって温度が変化する温度変化部位を具備する構造物であって、前記温度変化部位に請求項1〜7の何れかに記載の温度管理インジケータが付されていることを特徴とする。
本発明に係る温度管理インジケータを構成する可逆性示温材には、検知又は測定すべき所定温度で可逆的に変色する鉄含有錯化合物を含有する可逆性示温顔料の粒子が、樹脂中で分散されている。このため、この樹脂に因り、可逆性示温顔料の粒子を基材に簡便にかつ均一に付着させることができる。しかも基材は、可逆性示温顔料の粒子を付着する付着面が平面状・曲面状又は立体状のものであっても、或いは可撓性又は剛直性を呈するものであっても、可逆性示温顔料の粒子を簡便にかつ確実に付着できる。また、可逆性示温顔料の粒子の表面がこの樹脂で被覆されて外界から遮断されているため、可逆性示温顔料は酸化等による変質から防止されており、温度管理インジケータは長期間劣化しない。
かかる本発明に係る温度管理インジケータは、大きくて高価な温度測定機械機器や水銀温度計を用いる必要がなく、明瞭な色調の変化によって、目視時の温度と、必要に応じ複合的に経時的な温度履歴とを、簡便に且つ正確に表示することができる。また、水銀のような有害金属を含有していないので、人体や環境に対し安全であるうえ、対光耐久性や加熱−冷却サイクルの繰り返し耐久性に優れ堅牢であるので、有効期間が長い。更に、小型で簡素な構造であるので製造し易く、安価である。また、従来の示温材技術では環境汚染問題または耐光性等の耐久能の脆弱性の観点から使用され難かった機械、設備、精密機械、食品、医薬品、医療等の産業分野においても、温度管理インジケータを使用することができる。それら広範な分野での温度管理対象物においてその少なくとも一部分で温度が変化する温度変化部位に、本発明に係る温度管理インジケータを付着させることによって、電源を必要とせずに、過熱に因る機械故障や材料変質・劣化或いは使用者の火傷等の未然防止のために、又は過熱若しくは過冷却による品質劣化等の警告のために用いることができるので、この温度管理インジケータは、それら対象物の温度管理に有用である。
本発明に係る温度管理インジケータの一例を示す模式縦断面図である。 図1に示す温度管理インジケータの雰囲気温度に応じた色調変化を説明する平面図である。 本発明に係る温度管理インジケータの他の例について、その雰囲気温度に応じた色調変化を説明する平面図である。 本発明に係る温度管理インジケータの他の例について、その雰囲気温度に応じた色調変化を説明する平面図である。 本発明に係る温度管理インジケータの他の例について、その雰囲気温度に応じた色調変化を説明する平面図である。 本発明に係る温度管理インジケータの他の例を示す模式縦断面図である。 図6に示す温度管理インジケータの雰囲気温度に応じた色調変化を説明する平面図である。 本発明に係る温度管理インジケータの他の例を示す模式縦断面図である。 図8に示す温度管理インジケータの雰囲気温度に応じた変化を説明する平面図である。 図8に示す温度管理インジケータの使用状態を説明する斜視図である。
10は温度管理インジケータ、12は基板、14は可逆性示温材、16は粘着剤層、18、18a,18b,18cは不可逆性示温材、20は吸収性基材、21はインキ層、22は熱溶融性物質、24は高分子フィルム、26は粘着剤層、28は剥離紙、30は不変表示部、31は高分子フィルム、32は不変表示部、33は白色不変インキ層、40は配管である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明に係る温度管理インジケータ10の一例を図1に示す。図1に示す温度管理インジケータ10を構成する基材としての基板12の一面側に、可逆性示温材14が膜状に形成されている。可逆性示温材14は、可逆性示温顔料の粒子と結着樹脂のような樹脂成分とを含有するインキ組成物が塗布されていることによって、膜状のインキ層として形成されたものである。この可逆性示温材14の表面の中央部には、粘着剤層16を介して不可逆性示温材18が貼着されている。かかる不可逆性示温材18は、粘着剤層16によって可逆性示温材14に貼着されている吸収性基材20と、吸収性基材20の表面に付されて膜状に形成されている熱溶融性物質22含有インキ層21とによって形成されている。この不可逆性示温材18と可逆性示温材14との表出面は、観察面となるものであって、透明な高分子フィルム24によって覆われている。尚、基板12の非観察面である他面側には、粘着剤層26を介して剥離紙28が剥離可能に付着されている。
かかる可逆性示温材14には、検知又は測定すべき所定温度に対応する固有の温度域で可逆的に変色する粉末状又は粒状の鉄含有錯化合物が結着樹脂と共に含有されている。このため、かかる鉄含有錯化合物が含有されている可逆性示温材14は、その鉄含有錯化合物が変色する温度(以下、変色温度と称することがある)未満の低温から変色温度以上の高温に昇温されると、その色相が変化し、温度管理インジケータ10の色調の変化となって現れる。再び、可逆性示温材14が鉄含有錯化合物の変色温度以上の高温から変色温度未満の低温に降温された場合、その呈する色相が元の色相に戻り、温度管理インジケータ10の色調の復色となって現れる。従って、温度管理インジケータ10の可逆性示温材14の色調を目視することによって、現在の温度が鉄含有錯化合物の変色温度未満或いは変色温度以上であるかを簡易に判断できる。この鉄含有錯化合物としては、鉄を中心金属とする錯化合物、特に鉄トリアゾール錯化合物を好適に用いることができる。
鉄含有錯化合物、特に鉄トリアゾール錯化合物は、当初の低温から、鉄トリアゾール錯化合物に特有の変色温度以上の高温に昇温されると、スピンクロスオーバー現象が起きてスピン状態が変化し、色相が有色(例えると、主にピンク色)から白色に変化する。再び高温から低温に戻ると、鉄トリアゾール錯化合物は、可逆的に元のスピン状態に戻って、白色から有色(例えると、主にピンク色)に変色して、元の色相へ戻る。このため、鉄トリアゾール錯化合物が含有されている可逆性示温材14も、その鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満から変色温度以上に昇温した場合、或いは変色温度以上の温度から変色温度未満に降温された場合、鉄トリアゾール錯化合物の変色に応じて、その呈する色調が変化する。従って、可逆性示温材14の色調を目視することによって、現在の温度が鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満或いは変色温度以上であるかを、簡易に判断できる。
この鉄トリアゾール錯化合物は、例えば、中心金属である2価の鉄陽イオン、その中心金属に配位している配位子であるトリアゾールやその誘導体、及び対アニオンから構成されている遷移金属錯体である。鉄トリアゾール錯化合物については、水和物および無水和物が存在し得るが、そのどちらでもよい。また、配位子であるトリアゾールやその誘導体は、鉄(II)陽イオンに配位して、スピンクロスオーバー現象を起こす配位子になるものが好ましく、例えば1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,4−トリアゾール、4−エチル−1,2,4−トリアゾール、4−プロピル−1,2,4−トリアゾール、4−ブチル−1,2,4−トリアゾール、4−ペンチル−1,2,4−トリアゾール、4−ヘキシル−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の誘導体が挙げられる。これらの配位子は単独で用いられても複数用いられてもよい。鉄トリアゾール錯化合物は、単独又は複数の配位子から形成される錯化合物の何れでもよい。錯化合物の対アニオンは、F、Cl、Br、I、At、SO 2−、SO 2−、HSO 2−、HSO 2−、S 2−、OH、NO 、BF 、ClO 、NCS、CN、SCN、CHCOO、HCOO、C 2−、CO 2−、HPO 、PF 2−、SiF 2−、B(C 、C−SO 、CH−C−SO 、C−C−SO 、C10−SO 、NH−C10−SO 、HO−C10−SO 、SF−SO 、CH−SO 、C−SO 、C−SO 、C−SO 、C11−SO 、C13−SO 、R−SO (Rは飽和又は不飽和の炭化水素基及び/又は芳香族基とする基)等のように、鉄(II)トリアゾール錯体陽イオンに対する対イオンをなす陰イオンが、挙げられる。これらの陰イオンは単独で用いられても複数用いられてもよい。鉄トリアゾール錯化合物は、単独又は複数の対イオンを持つ錯化合物の何れでもよい。この鉄トリアゾール錯化合物としては、鉄(4-アミノ−1,2,4−トリアゾール)硫酸塩錯化合物或いは鉄(4-アミノ−1,2,4−トリアゾール)臭化塩錯化合物或いは鉄(4−アミノ−1,2,4−トリアゾール)テトラフルオロほう酸塩錯化合物を最も好適に用いることができる。
かかる可逆性示温材14は、基板12の一面側に、可逆性示温顔料の粒子を必要に応じ溶媒存在下で樹脂原料モノマー乃至樹脂素材である樹脂成分中に分散したインキ組成物を、塗布、噴霧、又は印刷して膜状に付着させ溶媒を揮発させたり樹脂原料モノマーを硬化させたりすることによって、可逆性示温顔料の粒子とそれが分散した結着樹脂とを含有する膜状のインキ層を、簡易に形成できる。
この様に、可逆性示温顔料の粒子を樹脂中に分散して基板12上に付着することは、可逆性示温顔料の粒子を、樹脂成分とインキ化した状態で、基板12の観察面側での所定部位に塗布、噴霧、又は印刷することによって簡易に達成できる。可逆性示温材14を樹脂成分と共に塗布乃至印刷可能なインキ化した状態のインキ組成物とし塗布、噴霧、又は印刷で付することによって、鉄錯化合物を基板12の一面側に確実に付着させることができ、且つ可撓性や剛直性の基板12であっても、塗布面が平面状・曲面状又は立体上の基板12であっても簡易に、均一でむらなく付することができる。また、可逆性示温顔料として用いた鉄含有錯化合物は、その粒子の表面が樹脂によって被覆され外界の酸素や水分から遮断されて隔離されているから、酸化や分解等による変質乃至劣化から防止されている。
ここで、可逆性示温材14を形成する原材料をインキ化するには、鉄含有錯化合物を、バインダーとなる結着樹脂である樹脂成分と、溶剤と、必要により添加剤等とに混合し、インキ組成物にする。この際に、鉄系錯錯化合物、バインダー、溶剤を、0.1〜100:0.1〜50:1〜500の重量比で混練されて調製されることが好ましい。更に、このインキ組成物中には、必要に応じて添加物が適量添加されていてもよい。
かかるインキ化に用いるバインダーとしては、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、クマリン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、MMA−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、プロピルセルロース樹脂、酢酸・酪酸セルロース樹脂、硝酸セルロース樹脂、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合樹脂、ポリビニリデンフルオライド樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン610樹脂、ナイロン11樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、天然ゴムや合成ゴム、石油樹脂、油脂等を挙げることができる。また、これらは1種類であってもよいし、複数混合して用いてもよい。
かかるバインダーと共に用いられる溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、インキオイル、ソルベントナフサ、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、第二ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール、トリデシルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、ジペンテン、ヘプタン、メチルイソブチルカルビノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジエチルケトン、エチルアミルケトン、メチルシクロヘキサン、イソブチルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチルベンゼン、水等を挙げることができる。また、これらは1種類であってもよく、複数混合して用いてもよい。
これらのバインダー及び溶剤と併用する添加物としては、インキ組成物の塗布・噴霧又は印刷適性を向上させる材料、耐久性を向上させる材料、変色色調を調整する材料等が挙げられる。インキ組成物の塗布等の適性を向上させる材料としては、ろう、ワックス、ドライヤ、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、安定剤、つや消し剤、泡消し剤、色分かれ防止剤、光重合開始剤、カビ防止剤、可塑剤、チキソトロピー付与剤等が挙げられる。また、耐久性を向上させる材料として具体的には、紫外線吸収剤等が挙げられる。更に、変色色調を調整する材料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、アルミナホワイト(Al23・xH2O)、クレー、沈降性硫酸バリウム、グロスホワイト、ファストイエローG、ファストイエロー10G、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾイエローAAMX、ジスアゾイエローAAOT、黄色酸化鉄、ジスアゾイエローHR、ジニトロアニリンオレンジ、ジスアゾオレンジPMP、ジスニシジンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ビリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッドB、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、バリウムリソールレッド、レーキレッドC、ブリリアンカーミン6B、ピグメントスカーレット3Bレーキ、ローダミン6G PTMA トーナー、べんがら、ナフトールレッドFGR、キナクリドンマゼンダ、ローダミンB PTMA トーナー、メチルバイオレット PTMA トーナー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、ビクトリアピュアブルー PTMA トーナー、フタロシアニンブルー、アルカリブルートーナー、紺青、群青、ブリリアントグリーン PTMA トーナー、ダイヤモンドグリーン PTMA トーナー、フタロシアニングリーン、カーボンブラック、亜鉛華、アルミニウム粉、体質顔料、ブロンズ粉、蛍光顔料、蓄光顔料、パール顔料等を挙げることができる。これらの添加物は、印刷・噴霧・塗布適性やインキ組成物適性に応じ、必要により適宜選択して適量用いられるもので、1種類を用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
従来のインジケータにおける変色色調、例えば水銀含有の示温顔料であるヨウ化水銀(II)銅錯化合物(Cu[HgI])を有するインジケータにおける変色色調は、低温で赤色、高温で暗い茶紫色であり、何れも赤系統同士であるから、変色前後の色調を目視し易いように調整することは難しかった。しかし、鉄トリアゾール錯化合物は、変色色相が低温でピンク色、高温で白色である化合物が殆どであるため、温度によって変化しない顔料などをインキ組成物に添加することによって、可逆性示温材14を簡易に所望の変色色調に調整することができる。例えば、可逆性示温材14中、鉄トリアゾール錯化合物にフタロシアニンブルーを適量添加したものであると低温で紫色、高温で青色に変色する温度管理インジケータと成すことができ、鉄トリアゾール錯化合物にファストイエローを適量添加したものであると低温で暗桃色、高温で黄色に変色する温度管理インジケータと成すことができる。
インキ組成物中の樹脂成分として、樹脂素材である結着樹脂を用いインキ組成物を塗布・噴霧・印刷後に溶媒を揮発させて膜状の樹脂含有インキ層を形成する例を示したが、樹脂原料モノマーを用いインキ組成物を塗布・噴霧・印刷後にモノマーを硬化させ必要に応じ溶媒を揮発させて膜状の樹脂含有インキ層を形成してもよい。インキ組成物は、溶媒を用いなくてもよい。
また、前述のバインダー、溶剤、添加剤が混合された市販のインキビヒクルを用いてもよい。このインキビヒクルとしては、例えば、F−Glossメジウム(大日本インキ化学工業株式会社の商品名)、Hy Unity Soyメジウム(東洋インキ製造株式会社の商品名)、Nouvel Maxiメジウム(大日精化工業株式会社の商品名)、Nouvel Senior Soyメジウム(大日精化工業株式会社の商品名)、Qセット200メジウム(十条ケミカル株式会社の商品名)、No.900メジウム(十条ケミカル株式会社の商品名)、ハイセットマットメジウム(ミノグループ社の商品名)、JRPメジウム(セイコーアドバンス社の商品名)、PAS No.800メジウム(十条ケミカル株式会社の商品名)、FBHDメジウム(東洋インキ製造株式会社の商品名)、スチレンBメジウム(東洋インキ製造株式会社の商品名)、NEW LPスーパーRメジウム(東洋インキ製造株式会社の商品名)等を挙げることができる。市販のインキビヒクルは、溶剤乾燥タイプでも紫外線(UV)硬化型タイプでもよい。
前述した鉄含有錯化合物等を混合したインキ組成物は、鉄含有錯化合物、バインダー、必要に応じ溶剤、添加物をボールミル、ロールミル、サンドミル等の混練機で混合して得ることができる。得られたインキ組成物を基板12の一面側に印刷する印刷方法として、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷、平版印刷、凸版印刷、インクジェット印刷を採用できる。噴霧器等による噴霧、刷毛塗りや筆書き等による塗布であってもよい。ここで、基板12としては、濾紙、不織布、布帛、上質紙、模造紙等の多孔質の材料、或いはセルロース、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリスチレン、塩酸ゴム、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリブテン、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、ポリイミド等の何れかの樹脂で形成された多孔質又は非多孔質の樹脂シートを用いることができる。
この様に、基板12の一面側に鉄含有錯化合物を含有するインキ組成物を塗布して形成された可逆性示温材14の表面の中央部には、粘着剤層16を介して吸収性基材20と熱溶融性物質22とによって形成されている不可逆性示温材18を、有していてもよい。この熱溶融性物質22は、検知又は測定すべき所定温度に対応する固有の温度で溶融する固体状で、例えば粉末状または粒状の物質である。かかる熱溶融性物質22としては、脂肪酸誘導体、アルコール誘導体、エーテル誘導体、アルデヒド誘導体、ケトン誘導体、アミン誘導体、アミド誘導体、ニトリル誘導体、炭化水素誘導体、チオール誘導体、スルフィド誘導体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、複数混合して用いられてもよい。
ここで、脂肪酸誘導体としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシルレン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、プロピオール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オクタン酸、トリコサン酸、テトラトリアコンタン酸、2,3−ジメチルノナン酸、テトラコサン酸、2−ヘキセン酸、ブラシン酸、2−メチル−2−ドデセン酸、β−エレオステアリン酸、ベヘノール酸、cis−9,10−メチレンオクタデカン酸、ショールムーグリン酸、3,3’−チオジプロピオン酸−n−ドデシル、トリラウリン、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸アニリド、N−アセチル−L−グルタミン酸、カプロン酸−β−ナフチルアミド、エナント酸フェニルヒドラジド、アラキン酸−p−クロルフェナシル、ギ酸コレステリル、1−アセト−2,3−ジステアリン、チオラウリン酸−n−ペンタデシル、ステアリン酸塩化物、無水パルミチン酸、ステアリン酸−酢酸無水物、コハク酸、セバシン酸ベンジルアンモニウム塩、2−ブロム吉草酸、α−スルホステアリン酸メチルナトリウム塩、2−フルオルアラキン酸、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
アルコール誘導体としては、オクタデシルアルコール、コレステリン、D−マンニット、ガラクチトール、ヘプタトリアコンタノール、ヘキサデカン−2−オール、1−trans−2−オクタデセノール、β−エレオステアリルアルコール、シクロエイコサノール、d(+)セロビオース、p,p’−ビフェノール、リボフラビン、4−クロロ−2−メチルフェノール、2−ブロモ−1−インダノールが挙げられる。エーテル誘導体としては、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、シチジン、アデノシン、フェノキシ酢酸ナトリウム、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、アルミニウムトリエトキシドが挙げられる。
アルデヒド誘導体としては、ステアリンアルデヒド、パララウリルアルデヒド、パラステアリンアルデヒド、ナフトアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒドが挙げられる。
ケトン誘導体としては、ステアロン、ドコサン−2−オン、フェニルヘプタデシルケトン、シクロノナデカン、ビニルヘプタデシルケトン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、ビス(2,4−ペンタンジオナイト)カルシウム、1−クロロアントラキノン等が挙げられる。
また、アミン誘導体としては、トリコシルアミン、ジオクタデシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、ヘプタデカメチレンイミン、ナフチルアミン、p−アミノ安息香酸エチル、o−トリルチオ尿素、スルファメタジン、硝酸グアニジン、p−クロロアニリン、プロピルアミン塩酸塩等が挙げられる。
更に、アミド誘導体としては、ヘキシルアミド、オクタコシルアミド、N−メチルドデシルアミド、N−メチルヘプタコシルアミド、α−シアノアセトアミド、サリチルアミド、ジシアンジアミド、2−ニトロベンズアミド、N−ブロモアセトアミド、N,N’−エチレンビス酢酸アミド、N,N’−エチレンビスプロピオン酸アミド、N,N’−エチレンビス酪酸アミド、N,N’−エチレンビス吉草酸アミド、N,N’−エチレンビスカプロン酸アミド、N,N’−エチレンビスエナント酸アミド、N,N’−エチレンビスカプリル酸アミド、N,N’−エチレンビスペラルゴン酸アミド、N,N’−エチレンビスカプリン酸アミド、N,N’−エチレンビスウンデシル酸アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−エチレンビストリデシル酸アミド、N,N’−エチレンビスミリスチン酸アミド、N,N’−エチレンビスペンタデシル酸アミド、N,N’−エチレンビスパルミチン酸アミド、N,N’−エチレンビスヘプタデシル酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスノナデカン酸アミド、N,N’−エチレンビスアラキン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−エチレンビスリグノセリン酸アミド、N,N’−エチレンビスセロチン酸アミド、N,N’−エチレンビスヘプタコン酸アミド、N,N’−エチレンビスモンタン酸アミド、N,N’−エチレンビスメリシン酸アミド、N,N’−エチレンビスラクセル酸アミド、N,N’−エチレンビスリノール酸アミド、N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、N,N’−トリメチレンビス酢酸アミド、N,N’−トリメチレンビスプロピオン酸アミド、N,N’−トリメチレンビス酪酸アミド、N,N’−トリメチレンビス吉草酸アミド、N,N’−トリメチレンビスカプロン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスエナント酸アミド、N,N’−トリメチレンビスカプリル酸アミド、N,N’−トリメチレンビスペラルゴン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスカプリン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスウンデシル酸アミド、N,N’−トリメチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−トリメチレンビストリデシル酸アミド、N,N’−トリメチレンビスミリスチン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスペンタデシル酸アミド、N,N’−トリメチレンビスパルミチン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスヘプタデシル酸アミド、N,N’−トリメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスノナデカン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスアラキン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスリグノセリン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスセロチン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスヘプタコン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスモンタン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスメリシン酸アミド、N,N’−トリメチレンビスラクセル酸アミド、N,N’−トリメチレンビスリノール酸アミド、N,N’−トリメチレンビスエルカ酸アミド等のようなアミド誘導体:(R-CO-NH)-(C)-(NH-CO-R)(R、Rは飽和又は不飽和の炭化水素基及び/又は芳香族基とする基、p,q,rは正数)等が挙げられ、オキサミド、マロンアミド、スクシンアミド、グルタル酸ジアミド、アジピン酸ジアミド、ピメリン酸ジアミド、スベリン酸ジアミド、アゼライン酸ジアミド、セバシン酸ジアミド、マレイン酸アミド、フマル酸アミド、フタル酸アミド、イソフタル酸アミド、テレフタル酸アミド等のようなジカルボン酸アミド化合物とその誘導体:(R-NH-CO)-(C)-(CO-NH-R)(R、Rは飽和及び不飽和炭化水素を中心とする分子群、s、t、uは正数)等が挙げられる。
アミド誘導体としては、工業用原材料として分散剤や滑剤等として使用されるアルフローH−50シリーズ(日油株式会社の商品名;アルフローは登録商標)、アルフローAD−281シリーズ(日油株式会社の商品名)、アルフローAD−221シリーズ(日油株式会社製の商品名)、ビスアマイドシリーズ(日本化成株式会社の商品名)、スリパックスシリーズ(日本化成株式会社の商品名;スリパックスは登録商標)、トリノーンシリーズ(日本化成株式会社の商品名;トリノーンは登録商標)等でもよい。
ニトリル誘導体としては、ペンタデカンニトリル、マルガロニトリル、2−ナフトニトリル、o−ニトロフェノキシ酢酸、3−ブロモベンゾニトリル、3−シアンピリジン、4−シアノフェノール等が挙げられる。
更に、炭化水素誘導体としては、ヘキサデカン、1−ノナトリアコンテン、trans−n−2−オクタデセン、ヘキサトリアコンチルベンゼン、2−メチルナフタレン、ビセン、塩化シアヌル、1−フルオロノナデカン、1−クロロエイコサン、1−ヨードペンタデカン、1−ブロモヘプタデカン、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン等が挙げられる。
チオール誘導体としては、ペンタデカンチオール、エイコサンチオール、2−ナフタレンチオール、2−メルカプトエチルエーテル、2−ニトロベンゼンスルフェニルクロリド等が挙げられる。
スルフィド誘導体としては、1,3−ジアチン、2,11−ジチア[3,3]パラシクロファン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4−ジピリジルスルフィド、4−メチルメルカプトフェノール等が挙げられる。
この様な熱溶融性物質22を含有する不可逆性示温材18を形成するには、熱溶融性物質22を必要に応じバインダーや溶媒や添加物と共にインキ化してインキ組成物とし、可逆性示温材14の表面の中央部に粘着剤層16を介して貼着された吸収性基材20上に、可逆性示温材14と同様に、印刷・噴霧又は塗布によって付することが好ましい。かかる熱溶融性物質22をインキ化してインキ組成物を調製する際には、不可逆性示温材18を形成するインキ組成物と同様な、バインダーと溶剤とを使用できる。また、吸収性基材20としては、多孔質の材料が適しており、例えば、濾紙、不織布、布帛、上質紙、模造紙等を用いることができる。この吸収性基材20の色は、赤色、黒色、紺色、青色、オレンジ色、緑色、えんじ色等であることが好ましい。
かかる不可逆性示温材18と可逆性示温材14との表出面は、外界に露出していてもよいが、高分子フィルム24によって覆われていてもよい。この高分子フィルム24としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなポリエステルフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリイミドフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリスチレンフィルム;セルローストリアセテートフィルム;ポリビニルアルコールフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;セロファンフィルム;ナイロンフィルムのようなポリアミドフィルム;ポリメチルアクリレートやポリメチルメタクリレートのようなポリメチル(メタ)アクリレートフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリα−オレフィンのようなポリオレフィンフィルム;ポリ酢酸ビニルフィルム等を挙げることができる。また、これらの高分子フィルムは、単独でまたは複合し積層して形成されたものであってもよく、それらの高分子を共重合させて形成されたものであってもよい。更に、紫外線吸収剤を含有させたり紫外線遮蔽層をコーティングしたりする紫外線カット処理がされていてもよい。高分子フィルム24は、5〜200μmの厚さであることが好ましい。とりわけ、ポリイミドフィルムとしては、耐熱性や耐光性を有し、且つ耐久性を向上する、カプトン(東レ・デュポン株式会社製:商品名)等を好適に用いることができる。
以上、述べてきた図1に示す温度管理インジケータ10によれば、高分子フィルム24を通して、可逆性示温材14と不可逆性示温材18との表面を見ることができる。図1に示す温度管理インジケータ10では、例えば、鉄含有錯化合物として鉄トリアゾール錯化合物を含有し且つ変色色調を調整する顔料・染料のような材料を用いない可逆性示温材14と、この鉄トリアゾール錯化合物の変色温度よりも高温で溶融する固体状物質を熱溶融性物質22として用いている不可逆性示温材18とを、有している。このため、温度管理インジケータ10が鉄トリアゾール錯化合物の変色温度よりも低温の雰囲気にある場合には、図2(A)に示す様に、可逆性示温材14が有色(主にピンク色)を呈する。一方、周囲が可逆性示温材14に囲まれた不可逆性示温材18は、含有されている固体状の熱溶融性物質22によって光が乱反射されたり、或いは不可逆性示温材18の透過光を阻害したりして、有彩色である吸収性基材20の表面を隠蔽し、白色を呈している。このため、温度管理インジケータ10の可逆性示温材14と不可逆性示温材18との色調差は明確であって、両者を明確に区別して視認できる。
かかる図2(A)に示す温度管理インジケータ10を、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度以上に昇温すると、図2(B)に示す様に、可逆性示温材14が白色(無彩色)の色調に変色する。この現象は、鉄トリアゾール錯化合物にスピンクロスオーバー現象が発現したから、鉄トリアゾール錯化合物が白色の色相を呈するためである。但し、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度付近では、不可逆性示温材18の固体状の熱溶融性物質22が溶融せず、依然として吸収性基材20の表面を隠蔽している。このため、可逆性示温材14と不可逆性示温材18との色調差は小さくなり、図2(B)に示す様に、両者を明確に区別する視認ができ難くなる。ここで、温度管理インジケータ10の雰囲気温度を鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満に降温すると、可逆性示温材14は元の色調(主にピンク色)に戻り、図2(A)に示す様に、不可逆性示温材18と可逆性示温材14とを明確に区別して視認できる。
一方、図2(B)に示す状態の温度管理インジケータ10の雰囲気温度を更に昇温すると、不可逆性示温材18の固体状の熱溶融性物質22が溶融して溶融体となる。この溶融体は吸収性基材20(図1参照)に吸収される結果、吸収性基材20の有彩色の表面が表出するようになり、図2(C)に示す様に、不可逆性示温材18の吸収性基材20の表面が視認できるようになる。この際に、可逆性示温材14の鉄トリアゾール錯化合物は、スピンクロスオーバー現象が発現している状態であって白色の色相を呈したままである結果、可逆性示温材14は、白色(無彩色)の色調の状態のままである。このため、図2(C)に示す様に、不可逆性示温材18のみが明確に視認できる。
図2(C)に示す状態の温度管理インジケータ10における雰囲気温度を、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満に降温すると、可逆性示温材14は元の色調(主にピンク色)に戻る。しかし、不可逆性示温材18では、依然として吸収性基材20の表面が表出されており、図2(D)に示す様に、吸収性基材20の表面の色調を呈している。
図1に示す温度管理インジケータ10によれば、図2(A)に示す状態のとき、その雰囲気温度が、不可逆性示温材18に含有されている固体状の熱溶融性物質22の溶融温度未満で且つ鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満であることがわかる。また、温度管理インジケータ10が図2(B)に示す状態のとき、その雰囲気温度は、不可逆性示温材18に含有されている固体状の熱溶融性物質22の溶融温度未満であるが、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度以上であることがわかる。更に、温度管理インジケータ10が図2(C)に示す状態のとき、その雰囲気温度は、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度以上で且つ固体状の熱溶融性物質22の溶融温度以上であることがわかる。この様に、図1に示す温度管理インジケータ10では、可逆性示温材14と不可逆性示温材18との色調を目視することによって、その雰囲気温度を知ることができる。
ここで、図2(D)に示す状態の温度管理インジケータ10では、現在の温度管理インジケータ10の雰囲気温度では、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満であるものの、その雰囲気温度は、固体状の熱溶融性物質22の溶融温度以上に昇温されたことがあることを示している。この様に、図1に示す温度管理インジケータ10によれば、その雰囲気温度の昇温履歴も知ることができる。
図1及び図2に示す温度管理インジケータ10では、不可逆性示温材18の吸収性基材20の表面の色調を、鉄トリアゾール錯化合物が呈する色相による可逆性示温材14の色調と区別できるようにしていたが、その構成に更に加えて、図3(A)に示す様に、吸収性基材20の表面に不変色性インキ組成物で印刷等によって文字を付していてもよい。かかる文字としては、固体状の熱溶融性物質22の溶融温度を示す文字を印刷することが好ましい。図3(A)に示す温度管理インジケータ10は、その雰囲気温度を、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度以上に昇温させて、可逆性示温材14の色調が白色へ変色した後、さらに熱溶融性物質22の溶融温度以上に昇温させて、熱溶融した熱溶融性物質22が吸収性基材20に吸収される結果、不可逆性示温材18の表面が表出され文字が現れて状態を示している。その後、鉄トリアゾール錯化合物の色相が復色するまで降温すると、図3(B)に示す様に、可逆性示温材14の色調は復色するが、不可逆性示温材18の表面の文字は依然として現われたままであり確りと目視できる。
また、図1〜図3に示す構成に加えて、図4に示す様に、可逆性示温材14a、14bで異なる種類の鉄トリアゾール錯化合物を用いることによって、可逆性示温材14a、14bの各々の色調が異なる温度で夫々同系統又は異系統の色調に変色するようにしてもよい。図4には、一旦、温度管理インジケータ10の雰囲気温度を、熱溶融性物質22の溶融温度以上に昇温させて不可逆性示温材18の表面が表出され文字が現れて状態を示すようになってから、その後、鉄トリアゾール錯化合物の色相が復色するまで降温した状態を示している。図4に示す温度管理インジケータ10によれば、図1〜図3に示す温度管理インジケータ10よりも更に細かい温度管理を可能にできる。
更に、図1〜図3に示す構成に加えて、図5に示す様に、不可逆性示温材18a,18b,18cの各々に、異なる融点の熱溶融性物質22を含有させその溶融温度に対応する数字や文字を吸収性基材20の表面に不変色性インキ組成物で印刷等によって文字を付していてもよい。これによって、図1〜図3に示す温度管理インジケータ10に比較して、昇温履歴を更に詳細に知ることができる。図5に示す温度管理インジケータ10では、含有する熱溶融性物質22の融点が、不可逆性示温材18a<18b<18cの順序で高くなっている。このため、図5に示す温度管理インジケータ10においては、不可逆性示温材18bに含有されていた熱溶融性物質22が溶解する温度まで昇温されたことを示している。従って、温度管理インジケータ10の雰囲気温度は、不可逆性示温材18a、18bに含有されていた熱溶融性物質22が溶解する温度まで昇温されたが、不可逆性示温材18cに含有されている熱溶融性物質22が溶融される温度まで昇温されていないことが、示されている。
図1〜図5に示す温度管理インジケータ10の不可逆性示温材18のインキ層21中、所定温度で熱溶融した熱溶融性物質22に拡散可能な染料や顔料を含む固体状の熱溶融性物質22を用いてもよい。かかるインキ層21によれば、熱溶融性物質22が溶融したとき、染料や顔料によって着色された熱溶融性物質の溶融体が吸収性基材20に吸収拡散されて、吸収性基材20を着色する。
また、不可逆性示温材18には、検知又は測定すべき所定温度に対応する固有の温度域で不可逆的に反応して変色する感温変色性物質を含有する変色層を用いてもよい。この感温変色性物質としては、熱変色性化合物、有機染料と有機酸とが混合され所定の温度で反応して変色する感温変色性混合物、または感熱紙であってもよい。かかる熱変色性化合物としては、ニッケル-ヘキサメチレンテトラミン塩、水酸化銅を挙げることができる。
これまで説明してきた温度管理インジケータ10では、不可逆性示温材18に固体状の熱溶融性物質22と吸収性基材20とを用いてきたが、図6に示す様に、鉄トリアゾール錯化合物が含有された可逆性示温材14の表面に、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満において、鉄トリアゾール錯化合物が呈する色相と同一色調であり、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度以上では、鉄トリアゾール錯化合物が呈する色相と異なる色調である不変表示部30を形成してもよい。かかる不変表示部30は、所定の色調を呈する不変色性インキ組成物を可逆性示温材14の表面に印刷することによって簡易に形成できる。図6に示す温度管理インジケータ10の不変表示部30に、変色温度未満の鉄トリアゾール錯化合物が呈する色相と同一色調であるピンク色で「高温注意」の文字を印刷した例を示している。かかる図6に示す温度管理インジケータ10によれば、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満では、図7(A)に示す様に、温度管理インジケータ10の表面は全面ピンク色となって、不変表示部30を視認できない。一方、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度以上では、図7(B)に示す様に、温度管理インジケータ10の表面にピンク色の「高温注意」の文字から成る不変表示部30を浮かび上がらせて視認できる。また、温度管理インジケータ10が、鉄トリアゾール錯化合物が白色からピンク色に復色する温度域まで冷却されると、温度管理インジケータ10の表面は、図7(A)に示す様に全面ピンク色に戻り、再び不変表示部30を視認できない状態に戻る。尚、温度上昇時の鉄トリアゾール錯化合物の変色温度と冷却時の鉄トリアゾール錯化合物の変色温度に、温度差(ヒステリシス)が生じる場合があり、使用した鉄トリアゾール錯化合物の種類によって、そのヒステリシスの大きさは異なる。
図7(A)(B)に示す温度管理インジケータ10では、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度以上で不変表示部30が視認できるようにしたが、鉄トリアゾール錯化合物の変色温度未満で不変表示部30が視認できるようにしてもよい。かかる温度管理インジケータ10は、変色温度以上で鉄トリアゾール錯化合物が呈する色相と同一色調の不変表示部30を形成することによって得ることができる。この様に、温度管理インジケータ10の可逆的な色調変化によって、温度変化に伴って「低温注意」等のメッセージを表示してもよい(不図示)。
図1〜図7に示す温度管理インジケータ10では、図1、図6に示す様に、基板12の他面側に粘着剤層26を介して剥離紙28が剥離可能に付着されている。このため、温度管理インジケータ10は、構造物の温度変化部位に粘着剤層26によって簡易に貼り付けることができる。
また、図8に示す温度管理インジケータ10では、可逆性示温材14と不変表示部32とが、基板を兼ねる透明な高分子フィルム31へ印刷等によって付され、さらに白色不変インキ層33を介して、粘着剤層26および剥離紙28が前記同様に付着されている。例えば、高分子フィルム31が透明な可撓性フィルムの場合、温度管理インジケータ10も可撓性が高くなり、温度管理対象物への貼付部位が平坦な面であっても湾曲した面であって簡易に貼り付けることができる。
このように、図1〜図8に示す温度管理インジケータ10によれば、外部又は内部の熱源によって温度変化部位が高温に温度上昇され、若しくは低温に温度下降されることによって、その温度変化部位を具備する構造物の品質が劣化する場合、或いは構造物が利用者にやけど等の危害を加える場合を、目視できる明瞭な表示で警告することにより、効果的に防止できる。また、所定温度以上に昇温された場合や所定温度以下に降温された場合に、品質劣化等を起こす可能性がある機械、設備、精密機械、食品等に、図1〜図8に示す温度管理インジケータ10を付着することによって、機械等の温度上昇や温度降下を利用者に知らせ、機械等が過熱や過冷却によって故障や変質、或いは利用者へのやけど等を、未然に防止できる。
ところで、図1〜図8に示す可逆性示温材14は、鉄含有錯化合物を含有する可逆性示温顔料の粒子を樹脂成分とインキ化した状態で基板12の一面側に塗布して形成したが、鉄含有錯化合物を含有する可逆性示温顔料の粒子を樹脂に練り込んだ状態で、所定形状に成形することによっても可逆性示温材14を形成できる。かかる樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、セルロース系プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂等を挙げることができる。これら樹脂の単独又は複数を混合してもよく、顔料や染料を加えて着色していてもよい。かかる樹脂と可逆性示温顔料の粒子とを用いて可逆性示温材14を製造する際には、流動性を有する樹脂に可逆性示温顔料の粒子を練り込んだ練込物を、所定形状の成形型に流し込み硬化させた後、離型することによって、フィルム状、板状又は立体形状のような所定形状の可逆性示温材14を得ることができる。得られた可逆性示温材14を基板12の一面側に接着剤等によって付着等した後、不可逆性示温材18を形成することによって図1に示す温度管理インジケータを得ることができる。この様に、可逆性示温材14を、可逆性示温顔料の粒子を樹脂に練り込んだ状態で基板12の一面側に付着して形成した場合には、可逆性示温顔料の粒子が樹脂によって充分に被覆されているため、可逆性示温材14の表面を覆うフィルム24を設けなくてもよい。また、変色温度が異なる二種類の可逆性示温材14a,14bを成形し、可逆性示温材14a,14bを相互に接着して温度管理インジケータとしてもよい。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
反応容器中で、硫酸鉄・7水和物(FeSO・7HO)10gを100mlの蒸留水に溶解し、アスコルビン酸1gを加えた。その溶液に濃硫酸を2〜3滴加え、加熱して全ての溶質を溶かした(溶液1)。別の反応容器で4−アミノ−1,2,4−トリアゾール25gを100mlのエタノールで溶かし、ウォーターバスで温めた(溶液2)。次いで、溶液1を温めながら、溶液2を加え1〜2時間撹拌し、室温まで冷却すると、ピンク色の沈殿が得られた。この沈殿をエタノールで洗浄しながらろ過し、その後、自然乾燥で2〜3日間放置してピンク色の粉末12gを得た。ピンク色の粉末は、鉄(4-アミノ−1,2,4−トリアゾール)硫酸塩錯化合物であった。得られた鉄トリアゾール錯化合物10gと、バインダーとしてブチルゴム1g、溶剤としてミネラルスピリット10gを混練して可逆性示温インキ組成物を調製した。得られた可逆性示温インキ組成物を、ポリエステルフィルムから成る基板12の一面側に塗布し、溶媒を乾燥させて、縦15mm、横30mmの可逆性示温材14を形成した。この基板12の他面側には、粘着剤層26が形成されている。
更に、熱溶融性物質22として、融点が約120℃のセバシン酸100gと、バインダーとしてエチルセルロース10gと、溶媒としてトルエン160gとを、混練し、不可逆性示温材用インキ組成物を調製した。吸収性基材20として、不変色性インキ組成物により「120」の文字を印刷した縦6mm、横12mmの印刷用紙の表面に、調製した不可逆性示温材用インキ組成物を全面に印刷し、熱溶融性物質22を含有する不可逆性示温材18を形成した。熱溶融性物質22の粒子は、熱溶融していない状態で光を乱反射するため、「120」の文字を隠蔽している結果、不可逆性示温材18は、白色の色調を呈している。
形成した不可逆性示温材18をその裏側面で、可逆性示温材14の表面に塗布した粘着剤層16を介して、貼付した。更に、不可逆性示温材18及び可逆性示温材14を、粘着剤層16を介して、ポリエチレンテレフタレートから成る透明な高分子フィルム24で被覆して、温度管理インジケータ10を得た。得られた温度管理インジケータ10の可逆性示温材14は、図2(A)に示す様に、その雰囲気温度が60℃未満ではピンク色を呈し、不可逆性示温材18は白色を呈している。一方、温度管理インジケータ10の雰囲気温度が60℃以上、例えば80℃を超えると、図2(B)に示す様に、可逆性示温材14は白色を呈するが、不可逆性示温材18は白色の状態を維持している。このため、可逆性示温材14と不可逆性示温材18との境界は不明確となっている。
更に、温度管理インジケータ10の雰囲気温度を約120℃昇温すると、不可逆性示温材18に熱溶融性物質22として配合したセバシン酸が溶融し、吸収性基材20としての印刷用紙に吸収され、図3(A)に示す様に、印刷用紙に印刷された「120」の文字が浮き上がって観察された。その後、温度管理インジケータ10を自然放置して、常温(10〜30℃程度)に冷却すると、図3(B)に示す様に、不可逆性示温材18に「120」の文字が浮き上がったまま履歴として残り、周りの可逆性示温材14は白色からピンク色に復色した。
(実施例2)
反応容器中で、硫酸鉄・7水和物(FeSO・7HO)70gとアスコルビン酸20gとを900mlの蒸留水に溶かして、1規定の硝酸水溶液を100ml加え、溶液を得た。この溶液に硝酸カルシウム40gを加えて、ウォーターバスで約40〜50℃に温めながら、3〜4時間撹拌した。撹拌後、沈殿した白色の硫酸カルシウムをろ過して除去した濾液溶液を得た(溶液3)。また、別の反応容器中に臭化カリウム143gを入れ、蒸留水1000mlで溶かして調製した溶液(溶液4)と、さらに別の反応容器に4−アミノ−1,2,4−トリアゾール100gとアスコルビン酸20gを入れ、500〜700mlのエタノールで溶解した溶液(溶液5)とを、得た。次いで、溶液3をウォーターバスで温めながら、溶液4を加え充分に撹拌し、更に溶液5を加えた。これらの混合溶液をウォーターバスで撹拌しながら、溶媒であるエタノールと水とを充分に留去して飛ばすと沈殿が生じてきた。充分な撹拌後に溶媒を留去して減らし、冷蔵庫等で冷却するとピンク色の沈殿物が得られた。この沈殿物をエタノールで洗浄しながらろ過し、2〜3日間自然乾燥すると、ピンク色の粉末100gが得られた。このピンク色の粉末は、鉄(4-アミノ−1,2,4−トリアゾール)臭化塩錯化合物であった。尚、前述した非特許文献2〜3では、硝酸バリウムを用いているが、硝酸バリウムは医薬用外劇物に指定されているため、本実施例では硝酸カルシウムを使用した。
得られた鉄トリアゾール錯化合物50gと、バインダーとしてエチルセルロース5gと、溶剤としてn−ブタノール50gとを、混練して、可逆性示温インキ組成物を調製した。調製した可逆性示温インキ組成物を白色のポリエステルフィルムから成る基板12の一面側に塗布し、溶媒を乾燥させて、縦10mm、横40mmの可逆性示温材14を形成した。この基板12の他面側には、粘着剤層26が形成されている。次いで、図6のように、可逆性示温材14の表面に、「高温注意」の文字をピンク色の不変色性インキ組成物で印刷し乾燥させて不変表示部30を形成した。更に、不変表示部30の表面を、厚さ16μmの粘着剤層16付きポリエチレンテレフタレートから成るフィルム24で被覆して、図6に示す温度管理インジケータ10を得た。
図6に示すような得られた温度管理インジケータ10は、その雰囲気温度が約40℃未満では、可逆性示温材14がピンク色を示している。このため、図7(A)に示す様に、ピンク色の不変インキ組成物で印刷した不変表示部30の「高温注意」の文字は視認できない。一方、雰囲気温度が40℃以上、例えば50℃を超えると、可逆性示温材14中の鉄トリアゾール錯化合物が白色に変色し、図7(B)に示す様に、可逆性示温材14上で不変表示部30の「高温注意」の文字が浮き出る。次いで、温度管理インジケータ10の雰囲気温度を約25℃以下に冷却すると、可逆性示温材14が再びピンク色に復色し、不変表示部30の「高温注意」の文字は視認できなくなった。尚、本実施例で用いた鉄トリアゾール錯化合物では、温度上昇時の変色温度と温度下降時の変色温度との温度差となるヒステリシス温度は約15〜20℃であった。
(実施例3)
実施例2で合成した鉄(4-アミノ−1,2,4−トリアゾール)臭化塩錯化合物2gと、樹脂[jER828(ジャパンエポキシレジン株式会社製:jERはジャパンエポキシレジン株式会社の登録商標)10g及びjERキュアST12(ジャパンエポキシレジン株式会社製:jERキュアはジャパンエポキシレジン株式会社の登録商標)]5.5gとを混練して混練物を得た。内容積を縦20mm×横20mm×高さ20mmとするポリプロピレン製の成形型にこの混練物を充填した。この成形型の内面には、離型剤ダイフリーGA−7500(ダイキン工業株式会社製)を塗布した。成形型に混練物を充填した後、24時間自然放置し1次硬化し、更に80℃で3時間加熱して2次硬化して、成形型から取り出した。得られた成形物を構造物Aとする。
また、実施例1で合成した鉄(4-アミノ−1,2,4−トリアゾール)硫酸塩錯化合物2gを、エポキシ樹脂と混練して得た混練物を、同様にして成形型に充填し硬化させて得られた成形物を構造物Bとする。
得られた構造物Aと構造物Bとの各一面を平坦化し、エポキシ樹脂で両者を固着させて温度管理インジケータを得た。得られた温度管理インジケータを、化学実験用のウォーターバスに入れ加熱したところ、ウォーターバス中の水温の上昇に伴って、下記表1の様に、温度インジケータが変化した。
Figure 0005129397
(実施例4)
実施例3で得られた温度管理インジケータを用い、温度管理を行った。この温度管理インジケータと、エチルアルコール(沸点:78.3℃)とが入った容器を、ウォーターバスで加熱し、エチルアルコールに疎水性の固体溶質を溶かしエタノール溶液を作った。この際に、ウォーターバスの水温を、温度インジケータが常に表1の示温状態2を保持するように加熱すると、エチルアルコールの蒸発や沸騰を抑えて、適度に加熱することができた。
(実施例5)
反応容器中で、硫酸鉄・7水和物(FeSO・7HO)55.6gとアスコルビン酸8gとを400mlの蒸留水に溶かして、溶液を得た(溶液6)。また、別の反応容器に硝酸バリウム52.4gを加え400mlの蒸留水に溶かし、この溶液を溶液6に加え、ウォーターバスで約40〜50℃に温めながら、3〜4時間撹拌した。撹拌後、沈殿した白色の硫酸バリウムをろ過して除去し、濾液溶液を得た(溶液7)。この溶液7にテトラフルオロほう酸カリウム100gを加え、同様にウォーターバスで約40〜50℃に温めながら、3〜4時間撹拌した。撹拌後、沈殿した白色の硝酸カリウムをろ過して除去し、濾液溶液を得た(溶液8)。さらに、別の反応容器に4−アミノ−1,2,4−トリアゾール50gを加え400mlのエタノールでウォーターバスにて温めながら溶解し、この溶液をウォーターバスで約50〜60℃で温めながら撹拌している溶液8に加え、溶媒であるエタノールを充分に留去して飛ばした。その後、混合した反応溶液を冷蔵庫で冷却すると沈殿が生じてきた。この沈殿物をエタノールで洗浄しながらろ過し、2〜3日間自然乾燥すると、ピンク色の粉末約70gが得られた。このピンク色の粉末は、鉄(4−アミノ−1,2,4−トリアゾール)テトラフルオロほう酸塩錯化合物であった。
得られた鉄トリアゾール錯化合物10gと、メジウムとして市販のPAS
No.800メジウム10gと、溶剤としてブチルセロソルブ10gとを、ライカイ機で混練して、可逆性示温インキ組成物を調製した。得られた可逆性示温インキ組成物を、図8のように透明のポリエチレンテレフタレートフィルムから成り基板を兼ねる透明な高分子フィルム31の一面側にスクリーン印刷で塗布し、溶媒を乾燥させた。さらに、同様に高分子フィルム31にピンク色の不変色性インキ組成物で不変表示部32、および白色の不変色性インキ組成物で白色不変インキ層33を夫々形成するため、それら組成物をスクリーン印刷により塗布した後、溶媒を乾燥させ、粘着剤層26および離型紙28を付することで、図9に示す縦20mm、横100mmの帯状の温度管理インジケータ10を形成した。
この温度管理インジケータ10を、高温の液体や気体、例えば熱湯や高圧蒸気等が流通する温度管理対象の金属製配管40の外周へ、図10に示す様にして、貼付した。配管40表面が約40℃未満の時は、図10(A)に示す様に、温度管理インジケータ10は、可逆性示温材14のピンク色と不変表示部32のピンク色とにより、全体的にピンク色の色調を呈していた。一方、配管40内に熱湯等が流通することで配管40表面が40℃以上、例えば約60℃になると、温度管理インジケータ10は、図10(B)に示すように可逆性示温材14が白色に変色し、不変表示部32のピンク色でストライプカラーの表示を呈するようになり、配管40表面が高温であることを視覚的に識別可能となった。また、配管40表面が約30℃以下になると図10(A)に示すように再び温度管理インジケータ10が全体的にピンク色に呈するようになり、配管表面が冷めたことが識別できた。これらの温度管理インジケータ10の変色現象は、可逆的に観測することができた。また、この温度管理インジケータ10の特徴として、温度上昇時の変色温度と温度下降時の変色温度に差が生じることから(ヒステリシス現象)、一旦温度上昇して配管表面が熱くなっても、温度下降時は配管表面が充分に冷却されないと温度管理インジケータは復色しないことから、より安全な表示方法となる。
(実施例6)
反応容器中で、硫酸鉄・7水和物(FeSO・7HO)14gとアスコルビン酸2gとを200mlの0.1mol/lの硝酸に溶かして、溶液を得た(溶液9)。この溶液9に硝酸バリウム13gを加え、ウォーターバスで約40〜50℃に温めながら、3〜4時間撹拌した。撹拌後、沈殿した白色の硫酸バリウムをろ過して除去し、濾液溶液を得た(溶液10)。さらに、別の反応容器に1,2,4−トリアゾール10.4gを加え200mlのエタノールでウォーターバスにて温めながら溶解し、この溶液をウォーターバスで約50〜60℃で温めながら撹拌している溶液10に加え、1〜2時間撹拌した。撹拌後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去すると、ピンク色の粉末が得られた。このピンク色の粉末は、鉄(1,2,4−トリアゾール)硝酸塩錯化合物であった。
次に、別な溶液10を上記と同様の方法で得る。さらに、別の反応容器に4−アミノ−1,2,4−トリアゾール12.6gを加え200mlのエタノールでウォーターバスにて温めながら溶解し、この溶液をウォーターバスで約50〜60℃で温めながら撹拌している溶液10に加え、1〜2時間撹拌した。撹拌後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去すると、ピンク色の粉末が得られた。このピンク色の粉末は、鉄(4−アミノ−1,2,4−トリアゾール)硝酸塩錯化合物であった。
上記の方法で得られた鉄(1,2,4−トリアゾール)硝酸塩錯化合物および鉄(4−アミノ−1,2,4−トリアゾール)硝酸塩錯化合物の粉末を10gずつ反応容器に入れ、蒸留水100g入れて、ウォーターバスで約60℃に温めながら、約1時間撹拌した。その後、105℃恒温槽で水分を蒸発させて飛ばし、乾燥させると濃ピンク色の粉末が得られた。この濃ピンク色の粉末は、配位子が1,2,4−トリアゾールと4−アミノ−1,2,4−トリアゾールである複数の配位子が混合した鉄トリアゾール系硝酸塩錯化合物と考えられる。
得られた鉄トリアゾール錯化合物を用い実施例5と同様な方法で、温度管理インジケータ10を得た。
この温度管理インジケータ10を、実施例5と同様にして図10に示すような場所に、貼付した。配管40表面が約45℃未満の時は、図10(A)に示す様に、温度管理インジケータ10は、可逆性示温材14のピンク色と不変表示部32のピンク色とにより、全体的にピンク色の色調を呈していた。一方、配管40内に熱湯等が流通することで配管40表面が45℃以上、例えば約55℃になると、温度管理インジケータ10は、図10(B)に示すように可逆性示温材14が淡黄色に変色し、不変表示部32のピンク色でストライプカラーの表示を呈するようになり、配管40表面が高温であることを視覚的に識別可能となった。また、配管40表面が約40℃以下になると図10(A)に示すように再び温度管理インジケータ10が全体的にピンク色に呈するようになり、配管表面が冷めたことが識別できた。これらの温度管理インジケータ10の変色現象は、可逆的に観測することができた。また、この温度管理インジケータ10の特徴として、実施例5で示した可逆性示温顔料に鉄(4−アミノ−1,2,4−トリアゾール)テトラフルオロほう酸塩錯化合物を用いた温度管理インジケータ10よりも、ヒステリシス現象の差が小さい(ヒステリシス現象の温度差が約15℃程度)インジケータが得られ、可逆性示温顔料を使い分けることによって、使用用途の異なる温度管理インジケータ10を得ることができた。
(実施例7及び比較例1)
本発明を適用する実施例1で得られた温度管理インジケータ10について、温度管理インジケータ耐熱試験を実施した(実施例7)。比較として、本発明を適用外の市販の温度管理インジケータである組合せサーモラベルA−80(日油技研工業株式会社製:サーモラベルは日油技研工業株式会社の登録商標;ハロゲン化水銀錯化合物を含有)を用い、同様に耐熱試験を実施した(比較例1)。耐熱試験の方法として、図2の温度管理インジケータ10と、市販の温度管理インジケータとを、標準試験板A1050P(日本テストパネル株式会社製の商品名:縦150mm×横70mm×厚さ0.5mm)に貼付し、その標準試験板を試験サンプルとして、恒温槽FC−410(ADVANTEC社製の商品名)にて90℃で連続加熱を行なった。100日間経過後、温度管理インジケータ10と市販の温度管理インジケータの外観を確認すると、温度管理インジケータ10については、それほど外観変化が見られなかったものの、市販の温度管理インジケータについては、耐熱試験前が縦15mm、横30mmのインジケータの大きさに対して、耐熱試験後は中心部の縦10mm、横25mmが加熱前の色彩を残すのみで、インジケータ外周の約2〜2.5mmの可逆性インキ組成物が劣化して白色なっていることを確認した。また、劣化して白色になった部分は、加熱によって変色せず、温度検知能力を失っていた。これらの原因として、市販の温度管理インジケータの可逆性示温インキ組成物に使用しているハロゲン化水銀錯化合物が、長期の耐熱試験によってインジケータの外周から昇華したためと考えられる。それに対し、温度管理インジケータ10の可逆性示温インキ組成物に使用している鉄(4−アミノ−1,2,4−トリアゾール)硫酸塩錯化合物の昇華は見られず、長期の耐熱試験後も加熱によって可逆的に変色し、温度検知能力を有していた。
本発明の温度管理インジケータは、機械設備の温度管理、配電設備の過熱事故防止、定温保存品の温度履歴確認、やけど防止、設備や精密機械の故障防止と温度上昇履歴、食品等の温度管理のために用いられる。

Claims (8)

  1. 所定温度で可逆的に変色する水銀非含有の可逆性示温顔料の粒子を含有する可逆性示温材を具備する温度管理インジケータであって前記可逆性示温材中鉄含有錯化合物からなる前記可逆性示温顔料の粒子が樹脂内に分散されて配合されていることによって前記樹脂で直に被覆されており、前記鉄含有錯化合物は、1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,4−トリアゾール、4−エチル−1,2,4−トリアゾール、4−プロピル−1,2,4−トリアゾール、4−ブチル−1,2,4−トリアゾール、4−ペンチル−1,2,4−トリアゾール、4−ヘキシル−1,2,4−トリアゾール、及び4−アミノ−1,2,4−トリアゾールから選ばれる配位子が2価の鉄陽イオンである中心金属に配位しており、それの対アニオンがF 、Cl 、Br 、I 、At 、SO 2− 、SO 2− 、HSO 2− 、HSO 2− 、S 2− 、OH 、NO 、BF 、ClO 、NCS 、CN 、SCN 、CH COO 、HCOO 、C 2− 、CO 2− 、HPO 、PF 2− 、SiF 2− 、B(C 、C −SO 、CH −C −SO 、C −C −SO 、C 10 −SO 、NH −C 10 −SO 、HO−C 10 −SO 、SF −SO 、CH −SO 、C −SO 、C −SO 、C −SO 、C 11 −SO 、又はC 13 −SO からなる錯塩化合物、又はそれらの何れかの混合物であることを特徴とする温度管理インジケータ。
  2. 前記樹脂が、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、クマリン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、MMA−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、プロピルセルロース樹脂、酢酸・酪酸セルロース樹脂、硝酸セルロース樹脂、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合樹脂、ポリビニリデンフルオライド樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン610樹脂、ナイロン11樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、天然ゴムや合成ゴム、石油樹脂、油脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリフェニレンオキシド、アイオノマー樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、又はフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の温度管理インジケータ。
  3. 前記可逆性示温顔料の粒子は、インキ層又は成形体からなる前記示温材中で前記樹脂内に前記分散されていることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の温度管理インジケータ。
  4. 前記可逆性示温顔料の粒子は、前記樹脂を成す樹脂成分とインキ化された状態で基板に塗布されて形成した前記インキ層に前記分散され、或いは前記樹脂に練り込まれた状態で所定形状に形成された前記成形体に前記分散されていることを特徴とする請求項3に記載の温度管理インジケータ。
  5. 前記可逆性示温材と、水銀非含有の不可逆性示温材とが、インジケータ基板上に並べて或いは一部重複して配設されており、
    前記不可逆性示温材には、表面を覆っていて測定温度で溶融する固体状の熱溶融性物質が熱溶融体状態となったときにその熱溶融体が不可逆的に吸収されて表面が露呈する熱溶融性物質吸収性基材、表面を覆っており測定温度で溶融する固体状の着色した熱溶融性物質が熱溶融体状態となったときにその熱溶融体が不可逆的に浸透されて着色される熱溶融性物質浸透材、又は測定温度で不可逆的に反応して変色する感温変色性物質を含有する変色層が用いられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の温度管理インジケータ。
  6. 前記可逆性示温材の表面に、記可逆性示温顔料の変色温度未満又は前記変色温度以上において前記可逆性示温顔料の呈する色相とは異なる色彩が付されている不変表示部が、形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の温度管理インジケータ。
  7. 前記可逆性示温材が、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セロファンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリメチル(メタ)アクリレートフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルムから選ばれる高分子フィルムで被覆されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の温度管理インジケータ。
  8. 外部又は内部の熱源によって温度が変化する温度変化部位を具備する構造物であって、前記温度変化部位に請求項1〜7の何れかに記載の温度管理インジケータが付されていることを特徴とする構造物。
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