JP5125663B2 - スラブ鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁力によって鋳型内の溶鋼流動を制御しながら溶鋼を鋳造してスラブ鋳片を製造する連続鋳造方法に関し、詳しくは、電磁力を利用して鋳型内の溶鋼流動を制御することにより、表層部及び内部ともに酸化物系非金属介在物の少ない高品質の鋳片を鋳造するための連続鋳造方法に関するものである。
鋼の連続鋳造では、タンディッシュ内の溶鋼を、タンディッシュ底部に設置した浸漬ノズルを介して鋳型内に注入している。この場合、スラブ鋳片の連続鋳造では、2つの吐出孔を有する浸漬ノズルを用い、溶鋼の吐出流を鋳型短辺に向けて注入しており、鋳型内に注入された溶鋼の吐出流は、短辺側の凝固シェルに衝突して下降流と上昇流とに分かれ、下降流は鋳片未凝固層深部に進入し、また、上昇流は鋳型内溶鋼湯面で鋳型短辺側から浸漬ノズル側に向かう流れとなって、鋳型内溶鋼湯面に「渦」や、「盛り上がり」などの流れの乱れを生成させる。
脱酸生成物であるアルミナ(Al23)を主体とする酸化物系非金属介在物(以下、単に「介在物」とも記す)は、前記下降流により鋳片未凝固層深くまで侵入して凝固シェルに捕捉され、また、鋳型内溶鋼湯面上に添加されたモールドパウダーは、鋳型内溶鋼湯面での渦や盛り上がりにより溶鋼中に巻き込まれ、凝固シェルに補捉される。更に、アルミナを主体とする酸化物系非金属介在物や、アルミナ付着防止のために浸漬ノズル内に吹き込まれるArガスなどの不活性ガス気泡が、鋳型内溶鋼湯面近傍の溶鋼流の乱れなどに起因して、溶鋼中を浮上する過程で凝固シェルに捕捉される。鋳片に捕捉された、これら酸化物系非金属介在物及び気泡が、薄鋼板において表面疵欠陥を発生させる。尚、不活性ガス気泡には、酸化物系非金属介在物が付着している場合が多く、この酸化物系非金属介在物が、不活性ガス気泡とともに凝固シェルに捕捉される。
そこで、モールドパウダー、酸化物系非金属介在物及び気泡の凝固シェルへの捕捉を防止するために、鋳型内の溶鋼流動を電磁力により制御することが広く実施されている。
例えば、特許文献1には、浸漬ノズルの吐出孔からの溶鋼の吐出流を包囲する位置に静磁場印加装置を設置し、該静磁場印加装置により静磁場を印加して吐出流の流速を減速させるとともに、前記静磁場印加装置よりも鋳造方向下流位置に交流移動磁場印加装置を設置し、該交流移動磁場印加装置により溶鋼を水平方向に旋回・攪拌させながらスラブ鋳片を鋳造する方法が開示されている。特許文献1によれば、静磁場により吐出流が減速されて酸化物系非金属介在物の浮上が促進され、且つ、交流移動磁場による溶鋼の旋回・攪拌により、凝固シェルへの酸化物系非金属介在物の捕捉が防止されるとともに酸化物系非金属介在物の浮上が促進され、これらにより、酸化物系非金属介在物の少ない清浄なスラブ鋳片を得ることができるとしている。
しかしながら、特許文献1では、静磁場を鋳片の一部分に印加するのみで、鋳片の全幅にわたって印加していないので、吐出流が静磁場を迂回するように通過してしまい、静磁場による減速効果を十分に発揮できないという問題点がある。
また、特許文献2には、鋳型背面の浸漬ノズルの吐出孔よりも下流側の位置と、吐出孔よりも上流側の位置との二箇所に、スラブ鋳片全幅にわたる静磁場印加装置を設置し、それぞれの静磁場の磁場強度を調整してスラブ鋳片を鋳造する方法が開示されている。特許文献2によれば、吐出流が鋳片短辺側の凝固シェルに衝突して形成される上昇流は、上部側の静磁場によって減速され、また、吐出流が短辺側の凝固シェルに衝突して形成される下降流は、下部側の静磁場によって減速され、これにより、酸化物系非金属介在物の浮上が促進され、酸化物系非金属介在物の少ない清浄なスラブ鋳片を得ることができるとしている。
しかしながら、特許文献2では、鋳型短辺側の端部において、生成する渦電流の向きと印加される静磁場の方向とから、鉛直下向きのローレンツ力が発生し、このローレンツ力により鋳片短辺側凝固シェルに沿った下降流が形成され、該下降流に伴って酸化物系非金属介在物が鋳片未凝固層深くまで侵入し、凝固シェルに捕捉されるという問題がある。
また更に、特許文献3には、鋳型背面の浸漬ノズルの吐出孔よりも下方に、溶鋼の流動を抑制するための静磁場印加装置を鋳片全幅にわたって設置するとともに、その下方に、溶鋼を水平方向に攪拌するための交流移動磁場印加装置を設置し、鋳片の等軸晶面積率が40〜70%であるスラブ鋳片を製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3における交流移動磁場印加装置は、凝固シェル界面を洗い流して等軸晶を形成する目的で使用されており、交流移動磁場印加装置による酸化物系非金属介在物の挙動は記載されていない。また、特許文献3には、凝固シェルへの酸化物系非金属介在物の捕捉に重要な影響を及ぼしている、浸漬ノズル内に吹き込む不活性ガス流量をどの程度とすれば、酸化物系非金属介在物の少ない鋳片を得られるかが記載されておらず、酸化物系非金属介在物が少なく、高品質の鋳片を鋳造するための条件が十分でない。
特開昭61−193755号公報 特開平3−142049号公報 特開平11−285788号公報
以上説明したように、電磁力を利用して酸化物系非金属介在物の少ないスラブ鋳片を製造する方法は従来多数提案されているが、不活性ガス気泡の凝固シェルへの捕捉、つまり不活性ガス気泡とともに捕捉される酸化物系非金属介在物を含めて酸化物系非金属介在物の少ない、清浄性に優れた鋳片を安定して得ることのできる鋳造方法は未だ確率されていないのが実情である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電磁力を利用して鋳型内の溶鋼流動を制御し、それにより、表層部及び内部ともに酸化物系非金属介在物の少ない、高清浄性のスラブ鋳片を安定して鋳造することのできる、スラブ鋳片の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明に係るスラブ鋳片の連続鋳造方法は、その下部に、それぞれ鋳型短辺方向を向いた2つの吐出孔を有する浸漬ノズルを用いてタンディッシュ内の溶鋼を鋳型に注入してスラブ鋳片を連続鋳造するにあたり、前記浸漬ノズルを介して注入される溶鋼中に吹き込む不活性ガス流量を5NL/min以下とし、且つ、前記浸漬ノズルの吐出孔よりも下方位置に鋳片幅全域にわたる静磁場を印加するとともに、該静磁場の印加位置よりも下方であって、鋳型内溶鋼湯面から1m以上離れた下方位置に、溶鋼を水平方向に旋回させるための交流移動磁場を印加することを特徴とするものである。
第2の発明に係るスラブ鋳片の連続鋳造方法は、第1の発明において、前記浸漬ノズルの吐出孔よりも上方位置に、鋳片幅全域にわたる静磁場を更に印加することを特徴とするものである。
第3の発明に係るスラブ鋳片の連続鋳造方法は、第2の発明において、前記浸漬ノズルの吐出孔よりも下方位置に印加する静磁場の強度を、浸漬ノズルの吐出孔よりも上方位置に印加する静磁場の強度よりも小さくすることを特徴とするものである。
第4の発明に係るスラブ鋳片の連続鋳造方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記溶鋼は、Al及びTiにより脱酸された後にCa及び/またはREMの添加による、溶鋼中の酸化物系非金属介在物の形態制御が、連続鋳造される前に予め行われていることを特徴とするものである。
本発明によれば、浸漬ノズルのアルミナ付着を防止するために、浸漬ノズルを介して鋳型内に注入される溶鋼中に吹き込む不活性ガス流量を5NL/min以下に制限するので、鋳型内溶鋼に滞留する不活性ガス気泡が少なく、その結果、凝固シェルに捕捉される不活性ガス気泡を少なくすることができる。一方、不活性ガスの吹き込み流量を少なくすると、不活性ガス気泡に捕捉されて浮上する酸化物系非金属介在物は減少するが、浸漬ノズルの吐出孔よりも下方位置で鋳片幅全域にわたる静磁場を印加することによって、吐出流が鋳片短辺側凝固シェルに衝突して形成される下降流を減速するので、酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡の浮上を促進させることができる。また、鋳片幅全域にわたる静磁場を印加する際には、静磁場の方向及び渦電流の分布に起因して鋳型短辺近傍において下降流が強くなるが、この下降流の流れの方向を交流移動磁場によって水平方向へと矯正するので、この下降流に随伴した酸化物系非金属介在物及びArガス気泡の浮上を促進させることができる。このように、本発明によれば、酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡の少ない清浄なスラブ鋳片を得ることができる。
また、浸漬ノズルの吐出孔よりも上方に静磁場を追加設置した場合には、吐出流が鋳片短辺側凝固シェルに衝突して形成される上昇流が減速され、鋳型内溶鋼湯面における溶鋼流速を適正化でき、これにより、モールドパウダーの巻き込みを防止することも可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。先ず、本発明に至った経緯について説明する。本発明者等は、電磁力を利用することを必須条件として、表層部及び内部ともに酸化物系非金属介在物の少ないスラブ鋳片を鋳造する方法について検討した。
スラブ鋳片の連続鋳造においては、アルミナによる浸漬ノズルの閉塞を防止するために、タンディッシュから鋳型への溶鋼流出孔を流下する溶鋼中に、Arガスなどの不活性ガスが吹き込まれている。吹き込まれた不活性ガスは、微細な気泡となり、この微細な気泡に溶鋼中の酸化物系非金属介在物が捕り込まれることから、溶鋼中に懸濁する酸化物系非金属介在物の鋳型内での浮上を促進させる効果を発現する。従って、不活性ガスの吹き込み流量を増やすほど、鋳型内における酸化物系非金属介在物の浮上は促進される。一方、不活性ガスの吹き込み流量を増やすと、凝固シェルに捕捉される気泡が増加し、この捕捉された気泡による欠陥が多発する。
本発明者等は、スラブ鋳片の清浄性を高めるにあたり、凝固シェルに捕捉される不活性ガス気泡を少なくすることを基本的な条件、つまり、溶鋼流出孔を流下する溶鋼中に吹き込む不活性ガス流量を少なくすることを基本的な介在物低減対策とした。そして、不活性ガスの吹き込み流量を少なくすることに伴って生ずる、不活性ガス気泡による酸化物系非金属介在物の浮上促進効果の低減を、電磁力で補うこととした。
検討の結果、凝固シェルに捕捉される不活性ガス気泡を少なくするためには、タンディッシュから鋳型への溶鋼流出孔を流下する溶鋼中に吹き込む不活性ガス流量を5NL/min以下とすることが必要であることが分かった。更に、望ましくは、不活性ガスを吹き込まずに鋳造することが好ましいことが分かった。
このように不活性ガスの吹き込み流量が大幅に少なくなるので、介在物浮上のためには電磁力を効率的に利用することが必須となる。そこで、鋳型及び鋳型直下に静磁場或いは交流移動磁場を印加したときの溶鋼流動状態を、数値解析手法を用いて検討した。
図1に、磁場を印加しないときの鋳型から鋳型直下までの範囲の鋳片22の内部の溶鋼流動状況を示す。図1に示すように、浸漬ノズル9の吐出孔10から鋳片22の短辺面に向けて吐出された吐出流18は、短辺側の凝固シェルに衝突して、下降流aと上昇流bとに分かれ、下降流aは鋳片未凝固層深部に進入し、また、上昇流bは鋳型内溶鋼湯面19で鋳型短辺側から浸漬ノズル側に向かう流れとなって、鋳型内溶鋼湯面19で渦や盛り上がりなどの流れの乱れを生成させる。下降流aにのった介在物は鋳片22の内部に捕捉され、また、鋳型内溶鋼湯面上に添加されたモールドパウダーは、鋳型内溶鋼湯面19での渦や盛り上がりにより溶鋼中に巻き込まれ、凝固シェルに補捉される。
本発明では、下降流aによる鋳片内部への介在物の侵入を防止するために、吐出孔10よりも鋳造方向下流側で静磁場を印加することとした。この場合、吐出流18が静磁場を迂回できないようにするために、鋳片22の全幅にわたって静磁場を印加することとした。図2に、吐出孔10よりも鋳造方向下流側で静磁場印加装置24により静磁場を印加したときの鋳型から鋳型直下までの範囲の鋳片22の内部の溶鋼流動状況を示す。図2では、鋳片22を挟んで相対して配置される静磁場印加装置24を省略している。尚、後述する図3〜5においても、鋳片22を挟んで相対して配置される磁場印加装置を省略している。
図2に示すように、吐出孔10から吐出された吐出流のほとんどは、静磁場印加装置24による静磁場によって減速され、この静磁場により、大型の酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡を浮上させることが効果的であることが分かった。但し、鋳片全幅にわたる静磁場を印加する場合には、静磁場の方向及び渦電流の分布に起因して、鋳片短辺近傍の領域で溶鋼流動を制動する力(ブレーキ力)が低い領域が発生し、鋳片短辺近傍で下降流cの流速が大きくなるという問題が発生することが分かった。この下降流cに酸化物系非金属介在物や不活性ガス気泡が巻き込まれると、酸化物系非金属介在物や不活性ガス気泡が鋳片未凝固層深部に進入し、鋳片内部の欠陥となる。
そこで、この下降流cを減速させる或いは消滅させることを検討した。その結果、静磁場印加装置24によりも鋳造方向下流側に交流移動磁場を印加することが効果的であることが分かった。図3に、静磁場印加装置24によりも鋳造方向下流側に交流移動磁場印加装置25を配置し、静磁場印加装置24から静磁場を印加し、交流移動磁場印加装置25から交流移動磁場を印加したときの鋳型から鋳型直下までの範囲の鋳片22の内部の溶鋼流動状況を示す。図3に示すように、交流移動磁場印加装置25から印加する交流移動磁場により、溶鋼を水平方向に旋回するように攪拌して旋回流dを形成することで、下降流cの流れの方向が水平方向へと矯正され、それによって、この下降流cに随伴した酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡の浮上が促進されて、清浄なスラブ鋳片を得ることができるとの知見が得られた。
尚、交流移動磁場印加装置25のみを設置した場合には、図4に示すように、交流移動磁場印加装置25により旋回流dが形成されるが、下降流aの流速が速いことから、下降流aの一部は旋回流dの領域を通り抜けてしまい、酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡が鋳片22の内部に捕捉される恐れが高く、交流移動磁場印加装置25のみでは清浄鋼は得られないことが分かった。尚、図4は、鋳型直下に設けた交流移動磁場印加装置25から交流移動磁場を印加したときの鋳型から鋳型直下までの範囲の鋳片22の内部の溶鋼流動状況を示す図である。
また、更に、浸漬ノズル9の吐出孔10よりも上流側に第2の静磁場印加装置26を配置し、静磁場印加装置24及び静磁場印加装置26から静磁場を印加し、交流移動磁場印加装置25から交流移動磁場を印加することで、静磁場印加装置26からの静磁場によって鋳型内溶鋼湯面19における溶鋼流速が減速され、モールドパウダーの巻き込みなども防止されて、酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡のより一層少ないスラブ鋳片を得ることができるとの知見が得られた。この場合の鋳型から鋳型直下までの範囲の鋳片22の内部の溶鋼流動状況を図5に示す。
この場合、静磁場印加装置24及び静磁場印加装置26の磁場強度を相互に調整することで、酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡のより一層少ないスラブ鋳片を得ることができることも分かった。
即ち、吐出流が短辺凝固シェルに衝突した後、下降流aと上昇流bとに分かれるが、上下の流れのマスバランスを、上下2段の静磁場印加装置の強度の差で制御することが可能となる。このとき、下段の静磁場印加装置24の磁場強度が上段の静磁場印加装置26の磁場強度よりも弱いと、下方に向かう溶鋼流が強くなり、介在物が鋳造方向下方に行きやすくなることから、鋳片での内部欠陥が発生する恐れが高くなる。本来、注湯速度(「スループット」ともいう)が高い場合には、鋳型内溶鋼湯面19での溶鋼流速を抑えるために、上段の静磁場印加装置26の磁場強度を下段の静磁場印加装置24の磁場強度よりも高くすべきところ、前述したように、介在物の鋳片内部への侵入を恐れ、従来、上段の静磁場の強度を下段よりも強くすることができなかった。
しかしながら、吐出孔10を挟む上下2段の静磁場印加装置と、これらの下方に設けた交流移動磁場印加装置と、の3段の磁場印加装置を配置した場合には、上下2段の静磁場印加装置によって鋳片短辺近傍での下方に向いた溶鋼流を抑制できるとともに、交流移動磁場印加装置によって短辺近傍の下降流cが旋回流dにより減速或いは消滅し、下降流cに伴った酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡の浮上を促進できるので、上段の静磁場印加装置26の磁場強度を下段の静磁場印加装置24の磁場強度よりも強くし、高い注湯速度時での鋳型内溶鋼湯面19における溶鋼流速を抑えることが可能となる。
本発明は上記検討結果に基づきなされたものであり、浸漬ノズル9を介して注入される溶鋼中に吹き込む不活性ガス流量を5NL/min以下とし、且つ、浸漬ノズル9の吐出孔10よりも下方位置に鋳片幅全域にわたる静磁場を印加するとともに、該静磁場の印加位置よりも下方であって、鋳型内溶鋼湯面19から1m以上離れた下方位置に、溶鋼を水平方向に旋回させるための交流移動磁場を印加することを特徴とする。
ここで、交流移動磁場印加装置25を鋳型内溶鋼湯面19から1m以上離れた位置に設置する理由は、静磁場印加装置24からの静磁場によって生ずる鋳型短辺近傍の下降流が十分に発達し且つ安定する位置は、鋳型内溶鋼湯面19から1m以上離れた位置となり、交流移動磁場印加装置25は、これを制御するための装置であるからである。
次に、本発明の具体的な実施の形態例を、図面を参照して説明する。先ず、第1の実施の形態例を、図6を参照して説明する。図6は、本発明に係る連続鋳造方法を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の鋳型部の概略図である。
図6において、相対する鋳型長辺13と、この鋳型長辺13の内側に挟持された、相対する鋳型短辺14と、により構成される鋳型2の上方所定位置に、外殻を鉄皮15で覆われ、内部を耐火物16で施行されたタンディッシュ1が配置されている。このタンディッシュ1の底部には、耐火物16に嵌合する上ノズル3が設置され、そして、上ノズル3の下面に接して、上部固定板5、摺動板6、下部固定板7及び整流ノズル8からなるスライディングノズル4が配置され、更に、スライディングノズル4の下面に接して、その下部に、それぞれ鋳型短辺14の方向を向いた2つの吐出孔10を有する浸漬ノズル9が配置され、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼流出孔11が形成されている。浸漬ノズル9は、下部に設置される吐出孔10が鋳型内の溶鋼17に埋没するようにその先端が浸漬されて使用される。
また、摺動板6は、往復型アクチュエーター12と接続されており、往復型アクチュエーター12の作動により、上部固定板5と下部固定板7との間をこれらの固定板と接触したまま移動し、摺動板6と上部固定板5及び下部固定板7とで形成する開口部面積を調整することにより溶鋼流出孔11を通過する溶鋼量が制御される。
上ノズル3の一部はアルミナ質のポーラス煉瓦(図示せず)で形成されており、浸漬ノズル9の内壁面へのアルミナ付着防止のために、不活性ガス供給配管23から供給される不活性ガスが、上ノズル3のポーラス煉瓦部を介して溶鋼流出孔11に吹き込まれるようになっている。不活性ガスとしては、Arガスなどの希ガスを用いることとする。
鋳型長辺13の背面には、吐出孔10よりも下方側に、鋳型長辺13を挟んで相対する、鋳片幅全域にわたる静磁場印加装置24が配置されている。この静磁場印加装置24からは、鋳型長辺13及びその内部の鋳片22を貫通する静磁場が印加される。磁場の方向がどちら向きであっても溶鋼17の流動方向の逆方向に制動力が働くので、鋳型長辺13及び鋳片22を貫通するように印加しさえすればよい。
この静磁場印加装置24は、吐出孔10から吐出される吐出流18が鋳片短辺側の凝固シェル21に衝突して形成される下降流を減速する役割を担うことから、吐出流18が鋳片短辺側の凝固シェル21に衝突する位置よりも鋳造方向下方に配置することが好ましい。この場合、静磁場印加装置24の設置位置とは、静磁場印加装置24の鋳造方向中心の位置で定義する。従って、静磁場印加装置24の上端側が吐出孔10よりも上方であっても、静磁場印加装置24の鋳造方向の中心が吐出孔10よりも下方であれば、当該静磁場印加装置24は、吐出孔10よりも下方側に配置されているとする。静磁場は、永久磁石でも印加できるが、本発明では静磁場の強度を変更する場合もあるので、直流電流による静磁場印加装置を使用する。
そして、この静磁場印加装置24よりも下方であって、鋳型内溶鋼湯面19から1m以上離れた位置に、鋳片22を挟んで相対する交流移動磁場印加装置25が配置されている。交流移動磁場印加装置25の設置位置は、静磁場印加装置24と同様に、交流移動磁場印加装置25の鋳造方向の中心位置で定義する。この交流移動磁場印加装置25からは、鋳片22の内部の未凝固の溶鋼17を水平方向に旋回させるように、交流移動磁場を印加する。具体的には、鋳片22を挟んで相対する交流移動磁場印加装置25から印加する交流移動磁場の移動方向が逆向きとなるように、鋳片22の幅方向に沿って移動させる。この場合、浸漬ノズル9の左右では同一方向に移動させる。
スラブ連続鋳造機の鋳型2の鋳造方向長さは、1m程度の場合が大半であり、しかも、鋳型内溶鋼湯面19は鋳型2の上端よりも60〜100mm程度下方であることから、ほとんどの場合、交流移動磁場印加装置25は、鋳型直下の二次冷却帯に配置される。図6でも、交流移動磁場印加装置25は二次冷却帯に配置されている。尚、図6では二次冷却帯に配置される鋳片支持ロールを省略しており、鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロールの間隙に交流移動磁場印加装置25を配置する。尚、鋳型2が長く、鋳型内溶鋼湯面19から1m以上離れた、鋳型2の背面に設置可能な場合には、鋳型長辺13の背面に交流移動磁場印加装置25を配置しても構わない。交流移動磁場の周波数は、0.1Hz〜10Hz程度とする。
このように構成されるスラブ連続鋳造機を用い、以下のようにして本発明に係る連続鋳造方法を実施する。
転炉または電気炉などの一次精錬炉若しくはRH真空脱ガス装置などの二次精錬炉で溶製された溶鋼17を、取鍋(図示せず)からタンディッシュ1に注入し、タンディッシュ内の溶鋼量が所定量になったなら、摺動板6を開き、溶鋼流出孔11を介して溶鋼17を鋳型2に注入する。溶鋼17は、吐出孔10から、鋳型短辺14に向かう吐出流18となって鋳型内に注入される。鋳型内に注入された溶鋼17は鋳型2により冷却され、凝固シェル21を形成する。そして、鋳型内に所定量の溶鋼17が注入されたなら、吐出孔10を鋳型内の溶鋼17に浸漬した状態で、鋳型2の下方に設置したピンチロール(図示せず)を駆動して、外殻を凝固シェル21とし、内部に未凝固の溶鋼17を有する鋳片22の引き抜きを開始する。
引き抜き開始後は鋳型内溶鋼湯面19の位置を鋳型内の略一定位置に制御しながら、鋳片引き抜き速度を増速し、所定の速度に達したならば、その速度で維持する。鋳型内の鋳型内溶鋼湯面19の上にはモールドパウダー20を添加する。モールドパウダー20は溶融して、溶鋼17の酸化防止や凝固シェル21と鋳型2との間に流れ込み潤滑剤として機能する。上ノズル3からは、5NL/min以下の流量で、Arガスなどの希ガスを溶鋼流出孔11の内部に吹き込む。
また、鋳片引き抜き速度が所定速度に達したならば、静磁場印加装置24及び交流移動磁場印加装置25から所定強度の磁場を印加する。磁場の磁束密度は、特に規定するものではなく、鋳造条件に応じて設定すればよいが、例えば、静磁場の場合は、0.1〜0.3テスラ程度、交流移動磁場の場合は、0.05〜0.2テスラ程度とすればよい。
このようにして、スラブ鋳片を鋳造することで、浸漬ノズル9のアルミナ付着を防止するために溶鋼流出孔11に吹き込む不活性ガス流量が5NL/min以下であるので、鋳型内の溶鋼17に滞留する不活性ガス気泡が少なく、その結果、凝固シェル21に捕捉される不活性ガス気泡を少なくすることができる。一方、不活性ガス流量を少なくすると、不活性ガス気泡に捕捉されて浮上する酸化物系非金属介在物は減少するが、本発明においては、浸漬ノズル9の吐出孔10よりも下方位置で鋳片幅全域にわたる静磁場を印加し、吐出流18が鋳片短辺側の凝固シェル21に衝突して形成される下降流を減速するので、酸化物系非金属介在物及び気泡の浮上が促進される。また、鋳片幅全域にわたる静磁場を印加する際には静磁場の方向及び渦電流の分布に起因して鋳型短辺近傍での下降流が強くなるが、本発明においては、鋳型短辺近傍で生ずる下降流の流れの方向を、交流移動磁場によって強制的に下向き方向から水平方向へと変更するので、この下降流に随伴した酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡の浮上が促進される。その結果、酸化物系非金属介在物及び不活性ガス気泡の少ない清浄なスラブ鋳片を得ることができる。
次いで、第2の実施の形態例を図7を参照して説明する。図7は、本発明に係る連続鋳造方法を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の鋳型部の概略図である。
図7に示すように、第2の実施の形態例で用いるスラブ連続鋳造機と、図6に示す、第1の実施の形態例で用いるスラブ連続鋳造機とを対比して異なる点は、第2の実施の形態例に用いるスラブ連続鋳造機では、鋳型長辺13の背面に、吐出孔10よりも上方側に、鋳型長辺13を挟んで相対する、鋳片幅全域にわたる静磁場印加装置26が更に配置されていることである。
この静磁場印加装置26からは、鋳型長辺13及びその内部の鋳片22を貫通する静磁場が印加される。磁場の方向は、静磁場印加装置24と同様に、鋳型長辺13及びその内部の鋳片22を貫通する限り、どちら向きであっても構わない。この静磁場印加装置26は、吐出孔10から吐出される吐出流18が鋳片短辺側の凝固シェル21に衝突して形成される上昇流を減速する役割、並びに、鋳型内溶鋼湯面19における溶鋼流速を制御する役割を担うことから、鋳型内溶鋼湯面19の近傍位置が最も磁場強度が高くなるように、静磁場印加装置26を設置することが好ましい。静磁場印加装置26の設置位置は、静磁場印加装置24と同様に、静磁場印加装置26の鋳造方向の中心位置で定義する。
第2の実施の形態例に用いる図7に示すスラブ連続鋳造機において、その他の構造は、図6に示す第1の実施の形態例で用いるスラブ連続鋳造機と同一構造となっており、同一の部分は同一符号により示し、その説明は省略する。
このように構成されるスラブ連続鋳造機を用い、以下のようにして本発明に係る連続鋳造方法を実施する。
転炉または電気炉などの一次精錬炉若しくはRH真空脱ガス装置などの二次精錬炉で溶製された溶鋼17を、取鍋(図示せず)からタンディッシュ1に注入し、タンディッシュ内の溶鋼量が所定量になったなら、摺動板6を開き、溶鋼流出孔11を介して溶鋼17を鋳型2に注入する。溶鋼17は、吐出孔10から、鋳型短辺14に向かう吐出流18となって鋳型内に注入される。鋳型内に注入された溶鋼17は鋳型2により冷却され、凝固シェル21を形成する。そして、鋳型内に所定量の溶鋼17が注入されたなら、吐出孔10を鋳型内の溶鋼17に浸漬した状態で、鋳型2の下方に設置したピンチロール(図示せず)を駆動して、外殻を凝固シェル21とし、内部に未凝固の溶鋼17を有する鋳片22の引き抜きを開始する。
引き抜き開始後は鋳型内溶鋼湯面19の位置を鋳型内の略一定位置に制御しながら、鋳片引き抜き速度を増速し、所定の速度に達したならば、その速度で維持する。鋳型内の鋳型内溶鋼湯面19の上にはモールドパウダー20を添加する。モールドパウダー20は溶融して、溶鋼17の酸化防止や凝固シェル21と鋳型2との間に流れ込み潤滑剤として機能する。上ノズル3からは、5NL/min以下の流量で、Arガスなどの希ガスを溶鋼流出孔11の内部に吹き込む。
また、鋳片引き抜き速度が所定速度に達したならば、静磁場印加装置24、交流移動磁場印加装置25及び静磁場印加装置26から所定強度の磁場を印加する。磁場の磁束密度は、特に規定するものではなく、鋳造条件に応じて設定すればよく、例えば、静磁場の場合は、0.1〜0.3テスラ程度、交流移動磁場の場合は、0.05〜0.2テスラ程度とすればよい。但し、本発明においては、静磁場印加装置24から印加する磁場の強度を、静磁場印加装置26から印加する磁場の強度よりも小さくすることが好ましい。これは、高速鋳造時には、モールドパウダー20の巻き込みを防止する上で、鋳型内溶鋼湯面19での溶鋼流を抑制することが重要であり、そのためには、静磁場印加装置26の磁場強度を静磁場印加装置24の磁場強度よりも高くすることが望ましいからである。
浸漬ノズル9の吐出孔10の上方及び下方でそれぞれ静磁場を印加することによって、吐出流18が鋳型短辺側の凝固シェル21に衝突して形成される下降流及び上昇流のマスバランスを制御している場合に、上記のように、下方側の静磁場印加装置24の磁場強度を、上方側の静磁場印加装置26の磁場強度に比較して小さくすると、下方に向かう溶鋼流、つまり下降流が強くなり、酸化物系非金属介在物及び気泡が鋳片22の未凝固層深部に侵入しやすくなって、鋳片内部の欠陥が増加する傾向となる。しかしながら、本発明では、下方側の静磁場印加装置24の更に下方に、交流移動磁場印加装置25を設置し、該交流移動磁場印加装置25から交流移動磁場を印加して、下降流の流れ方向を強制的に水平方向に変えるので、下降流が強くなっても、酸化物系非金属介在物及び気泡が鋳片22の未凝固層深部に侵入することを防止するのみならず、その浮上を促進させるので、鋳片内部の介在物を減少することができる。
つまり、本発明の第2の実施の形態例においては、前述した第1の実施の形態例における効果に加えて、モールドパウダー20の巻き込みがより一層防止され、表層部及び内部ともに介在物性欠陥の少ない清浄な鋳片22を得ることができる。
尚、本発明においては、溶鋼流出孔11に吹き込む不活性ガス流量を5NL/min以下とするので、脱酸生成物がアルミナ単体であると浸漬ノズル9のアルミナによる閉塞が発生しやすく、従って、脱酸生成物の形態制御処理を実施し、アルミナを予め低融点化合物組成としておくことが望ましい。脱酸生成物のアルミナを低融点化組成とするための形態制御処理としては、金属Alで脱酸した後に金属Ca或いは金属Mgを添加してCaO−Al23系組成、或いはMgO−Al23系組成とする方法などがあるが、特に、生成される介在物の浮上性に優れることから、出鋼後の溶鋼をAl及びTiにより脱酸し、その後、Caおよび/または金属REMを添加して行う形態制御処理を実施することが好ましい。この形態制御処理により生成される酸化物の組成は、Al23:10〜30質量%、Ca及び/または金属REMの酸化物:5〜30質量%、Ti酸化物:50〜85質量%となる。ここで、「REM」とは、原子番号が57のランタン(La)から71のルテシウム(Lu)までの15元素に、原子番号が21のスカンジウム(Sc)および原子番号が39のイットリウム(Y)を加えた、合計17元素の総称を意味する。
図7に示す連続鋳造設備を用い、各磁場印加装置の印加条件及び溶鋼流出孔に吹き込むArガス流量を変更して、約300トンの溶鋼の試験鋳造(No.1〜13)を実施した。この場合、交流移動磁場印加装置は、鋳型内溶鋼湯面から2mの位置に設置し、また、吐出孔よりも下方に設置する静磁場印加装置は、吐出孔の下端よりも500mm下方位置に、吐出孔よりも上方に設置する静磁場印加装置は、鋳型内溶鋼湯面の位置とした。磁場強度は、交流移動磁場が0.05〜0.2テスラ、直流静磁場は0.1〜0.3テスラの範囲で変化させた。そして、溶鋼流出孔に吹き込むArガス流量を0〜10NL/minとして、幅が1200〜1500mm、厚みが250mmの鋳片を、4.5〜6.0トン/minの注湯速度で鋳造した。浸漬ノズルの吐出孔は、縦及び横ともに80mmの正方形である。また、試験No.13では、出鋼後の溶鋼をAl及びTiにより脱酸し、その後、Caを添加して介在物の形態制御処理を実施した。それ以外の試験(No.1〜12)では、Al脱酸のみとした。
鋳造後のスラブ鋳片を熱間圧延及び冷間圧延して薄鋼板とし、更に、この薄鋼板に溶融亜鉛メッキ処理を施し、溶融亜鉛メッキ後の薄鋼板にて酸化物系非金属介在物に起因する表面欠陥の発生比率を評価した。また、鋳片内部の介在物に対応する薄鋼板の内部欠陥は、薄鋼板の静圧プレス試験を行い、どこまでの歪量まで割れが発生しなかったかを評点化し、評点1〜5(1が最善)で比較した。表1に、磁場の印加条件及び薄鋼板における欠陥個数の測定値を示す。尚、表1の備考欄には、本発明の範囲内の試験には「本発明例」と表示し、それ以外の試験には「比較例」と表示している。
Figure 0005125663
表1に示すように、本発明を適用することで、気泡及び非金属介在物が削減することが分かった。特に、二段の静磁場と更に1段の交流移動磁場を印加することにより、表面及び内部ともに清浄なスラブ鋳片を製造できることが確認できた。
磁場を印加しないときの鋳型から鋳型直下までの鋳片内部の溶鋼流動状況を示す図である。 吐出孔よりも下流側で静磁場を印加したときの鋳型から鋳型直下までの鋳片内部の溶鋼流動状況を示す図である。 吐出孔よりも下流側で静磁場を印加し、更に静磁場よりも下流側で交流移動磁場を印加したときの鋳型から鋳型直下までの鋳片内部の溶鋼流動状況を示す図である。 鋳型の下流側で交流移動磁場を印加したときの鋳型から鋳型直下までの鋳片内部の溶鋼流動状況を示す図である。 吐出孔の上下で静磁場を印加し、更に静磁場よりも下流側で交流移動磁場を印加したときの鋳型から鋳型直下までの鋳片内部の溶鋼流動状況を示す図である。 本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の鋳型部の概略図である。 本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の鋳型部の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1 タンディッシュ
2 鋳型
3 上ノズル
4 スライディングノズル
5 上部固定板
6 摺動板
7 下部固定板
8 整流ノズル
9 浸漬ノズル
10 吐出孔
11 溶鋼流出孔
12 往復型アクチュエーター
13 鋳型長辺
14 鋳型短辺
15 鉄皮
16 耐火物
17 溶鋼
18 吐出流
19 鋳型内溶鋼湯面
20 モールドパウダー
21 凝固シェル
22 鋳片
23 不活性ガス供給配管
24 静磁場印加装置
25 交流移動磁場印加装置
26 静磁場印加装置

Claims (4)

  1. れぞれ鋳型短辺方向を向いた2つの吐出孔を有する浸漬ノズルを用いてタンディッシュ内の溶鋼を鋳型に注入してスラブ鋳片を連続鋳造するにあたり、前記浸漬ノズルを介して注入される溶鋼中に吹き込む不活性ガス流量を5NL/min以下とし、且つ、前記浸漬ノズルの吐出孔よりも下方位置に鋳片幅全域にわたる静磁場を印加するとともに、該静磁場の印加位置よりも下方であって、鋳型内溶鋼湯面から1m以上離れた下方位置に、溶鋼を水平方向に旋回させるための交流移動磁場を印加することを特徴とする、スラブ鋳片の連続鋳造方法。
  2. 前記浸漬ノズルの吐出孔よりも上方位置に、鋳片幅全域にわたる静磁場を更に印加することを特徴とする、請求項1に記載のスラブ鋳片の連続鋳造方法。
  3. 前記浸漬ノズルの吐出孔よりも下方位置に印加する静磁場の強度を、浸漬ノズルの吐出孔よりも上方位置に印加する静磁場の強度よりも小さくすることを特徴とする、請求項2に記載のスラブ鋳片の連続鋳造方法。
  4. 前記溶鋼は、Al及びTiにより脱酸された後にCa及び/またはREMの添加による、溶鋼中の酸化物系非金属介在物の形態制御が、連続鋳造される前に予め行われていることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載のスラブ鋳片の連続鋳造方法。
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