JP2005152996A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動磁場によって溶鋼の吐出流に制動力を付与して連続鋳造する際に、モールドパウダーの巻き込みのみならず、凝固シェルへ捕捉される脱酸生成物及びArガス気泡も極めて少ない清浄な鋳片を鋳造する。
【解決手段】 鋳型6の両短辺8側から浸漬ノズル11側に向かって移動する移動磁場を鋳型内の溶鋼1に印加し、浸漬ノズルから吐出される溶鋼の吐出流4に制動力を付与しながら鋳造する鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズルの吐出口の下端位置を、移動磁場印加装置13の鉄心の下端よりも上方に位置させると同時に、浸漬ノズルから吐出される吐出流の軌跡が移動磁場印加装置13の鉄心の設置位置の範囲を上下方向に逸脱しないように吐出角度を適正化した浸漬ノズルを用いて鋳造する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、鋳型内の溶鋼に移動磁場を印加しながら鋳造する鋼の連続鋳造方法に関するものである。
連続鋳造によって製造される鋼の鋳片に要求される品質として、鋳片表層の介在物が少ないことが必要である。鋳片表層にとり込まれる介在物には、タンディッシュ内からモールド内に流入する溶鋼中に懸濁している脱酸生成物、タンディッシュや浸漬ノズルで溶鋼内に吹き込まれるArガス気泡、鋳型内の溶鋼湯面上に添加したモールドパウダーの溶融物が鋳型内の溶鋼流れに巻込まれて懸濁したものなどがある。
一方、薄鋼板製品の表面欠陥は、通常、コイルの長手方向に沿った線状の欠陥として現れ、この欠陥の幅は0.5〜2.0mmの範囲である。この線状の欠陥と直交するようにレーザー照射して欠陥部分の介在物・地鉄を昇華させて、誘導結合プラズマによる発光分析を行い、線状欠陥の幅に対応する介在物の幅を調査した結果でも、欠陥の幅は0.5〜2.0mmの範囲であることを確認している。薄鋼板製品はほぼスラブ長手方向の圧延のみであり、圧延によってスラブ幅方向の寸法はほとんど変化しないことを考慮すると、介在物のスラブ幅方向の寸法もスラブから薄鋼板製品に至るまで変化しないと考えられる。従って、前述した表面欠陥の原因となる介在物の大きさは、0.5〜2.0mmの範囲であるといえる。
溶鋼中の介在物は、凝固界面の溶鋼流速が速いほど凝固シェルに捕捉され難いことが知られている。前述した0.5〜2.0mmの大きさの介在物が凝固シェルに捕捉されない条件として、山田等(材料とプロセス12(1999),682)は、0.1m/sec程度のバルク溶鋼流速があれば、これらの介在物は凝固界面に捕捉されないとしている。
このような、溶鋼流を利用した介在物の低減手段として、鋳型内の溶鋼に移動磁場を印加して溶鋼を強制的に攪拌する電磁攪拌(Mold-Electromagnetic Stirrer:以下「M-EMS」と記す)を利用した介在物低減方法が広く行われている(例えば、特許文献1参照)。このM-EMSとは、鋳型の長辺方向に沿って水平に移動する磁界を、相対する長辺面に沿ってそれぞれ相反する向きに移動させ、鋳型内に水平方向に旋回する溶鋼流を形成し、凝固界面に沿った溶鋼流動を誘起させる方法である。
しかしながら、M-EMSの印加によって鋳型内湯面の溶鋼にも旋回流が付与される。近年、連続鋳造機では生産性向上のニーズが強く、鋳造速度を増速した上で、更にM-EMSを印加した場合には、鋳造速度が高速であるが故にM-EMS印加前の鋳型内湯面の溶鋼流速は速くなっており、M-EMSを印加すると更にこの鋳型内湯面の溶鋼流速が増大する。この溶鋼流速の増大に起因して、モールドパウダー溶融物の巻込まれる頻度が高くなり、鋼製品の表面欠陥を増加させる恐れが極めて高い。
鋳型内の溶鋼に対して移動磁場を利用した他の介在物低減手段として、浸漬ノズルから吐出される溶鋼の吐出流にブレーキ力を作用させるように移動磁場を印加する方法(Electromagnetic Level Stabilizer:以下「EMLS」と記す)が行われている(例えば、特許文献2参照)。
このEMLSとは、鋳片の両短辺側から浸漬ノズル側に向かって水平方向に移動する磁場を印加し、吐出流に制動力を付与するものである。EMLSでは、鋳造速度が速いときの鋳型内湯面の溶鋼流速を効率的に減衰させることが可能であるため、モールドパウダーの巻込みは防止される。また、EMLSによる制動力を印加した場合、鋳型内の長辺面の凝固界面には、吐出流が制動されることによって発散流が生じることが知られている。この発散流の流速及び方向を、凝固シェルのデンドライト傾角から推定し、ベクトルマップとして表わした図を図1に示す。このように、EMLSを印加することによっても湯面下の凝固界面には溶鋼流が生じ、介在物の凝固シェルへの捕捉防止に有効である。
但し、1.6〜1.9m/minの比較的遅い鋳造速度でEMLSを印加して薄鋼板製品用のスラブ鋳片を鋳造した場合、鋳造条件によっては薄鋼板製品における表面欠陥の発生率の変動が大きく、平均値でみるとM-EMSの印加で鋳造した場合と比較して表面欠陥の発生率が高いという問題があった。これは、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流速が遅いため、EMLSによる制動力によって生じる発散流が十分でないことに起因する。
しかしながら、前述したように鋳造速度を1.9m/min以上に増速する場合には、モールドパウダーの巻込みが増大するため、M-EMSの印加は本来不適当である。一方、EMLS印加では鋳型内の溶鋼流れを適度に抑制する働きがあるため、モールドパウダーの巻込みを懸念する必要はなく、また、吐出流速が増大することに伴って発散流も自ずと増速される。従って、EMLSを印加して鋳造する場合、前述したように鋳造条件に左右されずに、凝固界面での安定した溶鋼流速を得ることが、低い製品表面欠陥発生率を達成するための今度の課題である。
ところで、スラブ連続鋳造機において、電磁力を使用した鋳型内の溶鋼流動制御には、鋳型へ溶鋼を注入する浸漬ノズルの位置や吐出角度と、磁場印加装置との位置関係が溶鋼の流動制御に大きな影響を及ぼすことが知られている。
例えば、特許文献3では、鋳型の湯面直下付近に設けた電磁力印加装置で湯面直下の溶鋼流速を制御する際に、浸漬ノズルの吐出角度の上向き上限値を22.5°と規定している。この理由として、吐出角度が上向きになり過ぎると、湯面に波立ち現象が生じ好ましくないためとしている。また、特許文献4には、浸漬ノズルからの溶鋼下降流を鋳型全幅に設けた静磁場印加装置で制動する際に、浸漬ノズルの吐出角度を水平ないし上向き20°とする方法が開示されている。これは、下向きにすると、下降流が強くなり過ぎて静磁場印加装置を設置しても不適であり、一方、吐出角度が20°を超えて上向きになると、湯面の波立ちが大きくなり過ぎるとしている。また、特許文献5には、鋳片の引き抜き方向に推力を発生する電磁力印加装置を、その上端と鋳型内湯面との距離が、浸漬ノズルからの吐出流速が1/2になる位置以上、即ち、「L+3d×sin θ」以上(但し、L:鋳型内湯面から吐出口の中心までの距離、d:浸漬ノズルの吐出口の直径、θ:浸漬ノズルの吐出角度)で700mm以下の位置に設置する方法が開示されている。これは、浸漬ノズルからの吐出流と、電磁力印加装置との距離を十分にとって、吐出流の強い流れが電磁力印加装置の磁場範囲に直接流れ込まないようにして、電磁力印加装置による介在物の浮上効率を高めることを目的としている。
特許第2633764号 特許第3125665号 特許第2633768号 特開2001−87846号公報 特開平10−166119号公報
上記に説明したように、浸漬ノズルからの吐出流に制動力が作用するように移動磁場を印加して連続鋳造する場合、鋳造速度が2.5〜3.0m/min程度の速い場合には何ら問題はないが、1.6m/min程度の比較的遅い鋳造速度域で、発散流による凝固界面での溶鋼流速が不足し、凝固シェルに捕捉された介在物に起因する欠陥が発生する場合があった。この発散流を増大させるには、浸漬ノズルの位置及び吐出角度、並びに、浸漬ノズルと電磁力印加装置との位置関係が重要な要因であることが予想されるが、上記の特許文献3〜5は、何れもEMLSを印加しながら介在物の凝固シェルへの捕捉防止効果を高めることを目的としたものではなく、これらを適用したとしても、EMLSを印加した場合には介在物の凝固シェルへの捕捉防止効果を高めることはできない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、浸漬ノズルから吐出される溶鋼の吐出流に制動力が作用するように移動磁場を印加して連続鋳造する際に、鋳造速度が3.0m/min程度の高速鋳造時のみならず比較的遅い1.6m/min程度の鋳造速度であっても、モールドパウダーの巻き込みによる介在物のみならず、脱酸生成物やArガス気泡の凝固シェルへの捕捉を防止することで、凝固シェルへ捕捉される脱酸生成物やArガス気泡に起因する介在物も極めて少ない清浄な鋳片を鋳造することの可能な鋼の連続鋳造方法を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討・研究を行った。以下に、検討・研究結果を示す。
EMLSを印加して鋳造する際に凝固界面の介在物捕捉防止を担うのは、前述したように、図1に示したようなEMLS印加時に鋳型長辺面の凝固界面に沿って発生する発散流である。この発散流を安定して発現させる方法を考えるに当たり、先ずこの発散流の発生メカニズムを電磁流体シミュレーションで調査した。
図2に、そのシミュレーションの結果を溶鋼流速のベクトル図で示した。図2(A)はEMLSを印加しない場合の溶鋼流速ベクトル図、図2(B)は1Hzの周波数で0.08Tの磁束密度のEMLSを印加した場合の溶鋼流速ベクトル図で、それぞれ上段は鋳型内湯面を上から見た図、中段は鋳型長辺の側面図であって鋳型厚み中央断面を見た図、下段は鋳型長辺の側面図であって鋳型長辺面での断面(=実機では凝固界面に相当)を見た図である。シミュレーション時の鋳造条件は、鋳型サイズが200mm厚で1600mm幅、鋳造速度が2.2m/min、浸漬ノズルは、吐出口形状が角孔で横辺は80mm、縦辺は100mm、吐出口の吐出角度は0°(水平)であるが、実際にシミュレーションを行ったところ、浸漬ノズルを流下する溶鋼の下向き慣性により、実質的な溶鋼の吐出角度は18°となった。
図2(A)のEMLSを印加しない場合には、図の中段及び下段を見ると、鋳型厚み中央断面及び長辺面での断面ともに、吐出口から出た溶鋼流は鋳型短辺に衝突した後に上方と下方に分岐し、上方に分岐したものは湯面に到達した後、湯面に沿って短辺から浸漬ノズルへ向かう流れとなり、浸漬ノズルに到達した後は下方へ転回して再び吐出流と合流するような循環流を形成している。
一方、図2(B)のEMLSを印加した場合には、図の中段の鋳型厚み中央断面における湯面直下では、図2(A)のEMLS無印加の場合に見られた短辺から浸漬ノズルへ向かう流れと、EMLS印加によって形成された、浸漬ノズルから短辺へ向かう流れとが干渉して、鋳型幅の1/4位置付近で水平方向の流速が0になっている。このような相反する向きの溶鋼流が干渉しあう条件では、湯面付近の溶鋼の流速は良く減衰されており、モールドパウダーの巻込みが少ない状態となっている。更に、下段の鋳型長辺面での断面における溶鋼流れを見ると、EMLSコイルが戴置された範囲内から、発散流が長辺面に沿って流れていることが分かる。これが前述したEMLSの印加時に生じる長辺面に沿った発散流であり、このうち上方に向かって湯面に到達するような発散流が凝固界面への介在物の捕捉を防止する働きをすると考えられる。
次に、発散流の形成メカニズムについて説明する。図3は、鋳型内の湯面に平行であり、湯面から330mm下の断面位置における溶鋼流ベクトル図で、上段の図がEMLS無印加の場合で下段の図がEMLSを1Hzの周波数で0.08Tの磁束密度で印加した場合の図である。この断面は鋳型の高さ方向でみると、浸漬ノズルの吐出口の下端の直下であり、下向き18°で吐出される吐出流が横切る断面である。この図3によると、EMLS無印加の場合には溶鋼流ベクトルは長辺に平行である。これに対して、EMLSを印加した条件ではEMLSによって吐出流は減速されるため、マスバランスから吐出方向と直交する方向への速度成分が生じ、吐出流は流束径を広げながら流れるため、その一部は長辺面に衝突していることが図から分かる。この長辺面への衝突流が前述した長辺面に沿った発散流となる。
以上、長辺面に沿った発散流の形成メカニズムについて説明したが、本発明の目的は、介在物の捕捉を防止するために安定した凝固界面流を得て、この長辺面に沿った凝固界面流を鋳型幅方向で一定速度以上でまんべんなく得ることである。また、この発散流が変動して、時間的にも介在物洗浄効果を失うほど小さくなることがないようにすることである。一方で、前述したように発散流は、吐出流がEMLSの移動磁場によって減速されることで生じるものであるから、吐出流のEMLSによる減速様式、具体的にはEMLSを印加する移動磁場印加装置と吐出流との位置関係が、十分な発散流を得るのに最適な条件になることが必要である。
そこで、十分な発散流を得るために適した、EMLSを印加する移動磁場印加装置と吐出流との位置関係を次のように考えた。図4〜図6を用いてそれを説明する。
十分な発散流を得るには、吐出流は浸漬ノズルから吐出して鋳型短辺に到達するまでの間に極力継続的にEMLSの移動磁場と反応し、減速されることが望ましい。そのためには、EMLSの磁場が極力強い領域を吐出流が通過することが望ましい。図4には、検討に用いたEMLS磁場印加装置における磁束密度プロファイルを示す。図4(A)は、鋳型の高さ中央で、鋳型厚み中央位置での鋳型幅方向に沿った磁束密度プロファイルである。また図4(B)は、鋳型の幅中央、鋳型厚み中央位置での鋳型高さ方向に沿った磁束密度プロファイルである。吐出流は鋳型の幅方向に走行するので、鋳型幅方向の磁束密度プロファイルの影響を受けることは避け難いが、鋳型高さ方向の磁束密度プロファイルの影響は、吐出流の吐出角度を調節することで可能と考えた。
図4の磁束密度プロファイルを示すEMLS磁場印加装置におけるコイルの巻かれた鉄心の高さは245mmであり、図4(B)の高さ方向の磁束密度プロファイルをみると、この鉄心の高さ範囲内では磁束密度は最大値の72%までの範囲内にあることが分かる。移動磁場による吐出流への制動力即ちローレンツ力は磁束密度の2乗に比例するので、この鉄心の高さの範囲内であれば、発生する制動力は磁束密度の最大値に対応する制動力を基準として約50%〜100%の範囲で印加されることになる。
そこで発明者等は、吐出流に対して有効な制動力が作用する鋳型高さ方向の範囲を、この鉄心の高さの範囲内とした。また、鋳型の幅方向に関しては、前述したように鋳型の幅方向で磁束密度が極大値を持つようなプロファイルであるものの、吐出流が鋳型短辺に到達するまでの期間に極力多くの制動力を吐出流に付与するという観点から、吐出流が鋳型短辺に到達するまでの間、吐出流の軌跡が前述した鉄心の鋳型高さ方向の範囲内から逸脱しないようにすることが有効であると考えた。
上記に説明した、EMLSによる制動力を極力多く付与するための、吐出流軌跡と移動磁場印加装置との位置関係の設定の考え方を図示したものが図5及び図6である。図5及び図6において、3は鋳型内の溶鋼湯面、8は鋳型短辺、11は浸漬ノズル、12は吐出孔、13は移動磁場印加装置、Wは鋳型幅、dは浸漬ノズルの外径、Hは移動磁場印加装置の鉄心の高さ寸法、Y1 は、鋳型内湯面から浸漬ノズルの吐出口の下端までの距離、Y2 は、鋳型内湯面から移動磁場印加装置の鉄心の高さ方向中心位置までの距離を示している。
図5には、吐出流の軌跡が鋳型短辺に到達するまでの間に、鉄心の高さ範囲を下方に逸脱しない条件を図示した。ここでは、吐出流の軌跡は簡単のために直線で近似し、吐出口の下端から出発した軌跡を示した。この図5で図示した関係から、浸漬ノズルの吐出角度を、水平線を基準として下向きを正とし上向きを負とした場合、EMLSによる発散流を極力多く発生させるための、浸漬ノズルの吐出角度の上限値は、次の(1)式から定まる角度θD として導かれる。
Figure 2005152996
図6には、吐出流の軌跡が鋳型短辺に到達するまでの間に、鉄心の高さ範囲を上方に逸脱しない条件を図示した。ここでは、吐出流の軌跡は簡単のために直線で近似し、吐出口の下端から出発した軌跡を示した。この図6で図示した関係から、浸漬ノズルの吐出角度の基準を上記と同一にした場合、EMLSによる発散流を極力多く発生させるための、浸漬ノズルの吐出角度の下限値は、次の(2)式から定まる角度θU として導かれる。
Figure 2005152996
但し、(1)式及び(2)式において、θD は、水平線を基準として下向きを正とし上向きを負とした、浸漬ノズルの吐出口の下端を起点として鋳片短辺位置での移動磁場印加装置の鉄心の下端位置までを測った角度(deg)、θU は、水平線を基準として下向きを正とし上向きを負とした、浸漬ノズルの吐出口の下端を起点として鋳片短辺位置での移動磁場印加装置の鉄心の上端位置までを測った角度(deg)、Hは、移動磁場印加装置の鉄心の高さ(m)、Y1 は、鋳型内湯面から浸漬ノズルの吐出口の下端までの距離(m)、Y2 は、鋳型内湯面から移動磁場印加装置の鉄心の高さ方向中心位置までの距離(m)、Wは、鋳型の幅(m)、dは、浸漬ノズルの吐出口部分における外径(m)である。
つまり、移動磁場印加装置の鋳型への取り付け位置、移動磁場印加装置の鉄心の高さ方向の寸法、鋳型内の溶鋼湯面の位置、鋳型幅、及び、浸漬ノズルの吐出口部分における外径寸法に応じて、その吐出角度が、(1)式で求まる角度θD よりも上向きで、且つ、(2)式で求まる角度θU よりも下向きである浸漬ノズルを用いることで、十分な発散流が得られ、鋳片表層部の介在物を低減することが可能であるとの知見が得られた。この場合、浸漬ノズルの吐出孔の下端は、少なくとも鉄心の下端位置よりも上方に位置させる必要がある。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、本発明に係る鋼の連続鋳造方法は、鋳型の両短辺側から浸漬ノズル側に向かって移動する移動磁場を鋳型内の溶鋼に印加し、浸漬ノズルから吐出される溶鋼の吐出流に制動力を付与しながら鋳造する鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズルの吐出口の下端位置を、移動磁場印加装置の鉄心の下端よりも上方に位置させると同時に、浸漬ノズルの吐出角度を、上記の(1)式で定まる角度θD よりも上向きで且つ上記の(2)式で定まる角度θU よりも下向きの範囲内とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、鋳造速度が3.0m/min程度の高速鋳造時のみならず比較的遅い1.6m/min程度の鋳造速度であっても、鋳型内の湯面変動を小さく抑えてモールドパウダーの巻き込みのない安定した鋳造操業を維持しつつ、鋳片表層部の凝固シェルに捕捉される介在物の少ない清浄な鋳片を鋳造することが可能となる。その結果、鋳片を手入れすることなく直接圧延することが可能となり、鋳片の手入れ作業費、圧延加熱炉の燃料原単位、鋳造から圧延までのリードタイムの何れをも低減することが可能となり、鉄鋼製品の製造コストを大幅に低減することが達成される。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図7〜図9は、本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図であり、図7は、鋳型部位の概略斜視図、図8は、鋳型部位の概略正面図、図9は、鋳型部位の断面斜視詳細図である。
図7〜図9において、相対する鋳型長辺7と、この鋳型長辺7内に内装された相対する鋳型短辺8とを具備した鋳型6の上方所定位置にタンディッシュ9が配置されており、このタンディッシュ9の底部には上ノズル16が設置され、そして、上ノズル16の下面に接して、固定板17、摺動板18及び整流ノズル19からなるスライディングノズル10が配置され、更に、スライディングノズル10の下面に接して、下部に一対の吐出孔12を有する浸漬ノズル11が配置され、タンディッシュ9から鋳型6への溶鋼流出孔20が形成されている。浸漬ノズル11の内壁面へのアルミナ付着防止のために、上ノズル16、固定板17、浸漬ノズル11などから溶鋼流出孔20内にArガスなどの希ガスや窒素ガスなどの非酸化性ガスが吹き込まれている。
鋳型長辺7の背面には、浸漬ノズル11を境として鋳型長辺7の幅方向左右で2つに分割された合計4基の移動磁場印加装置13が、鋳型長辺7を挟んで対向して配置されている。移動磁場印加装置13は、図9に示すように、鉄心21にコイル22が巻回されて構成されている。図7及び図8では、移動磁場印加装置13の外殻を鉄心21の外殻として表示している。4つに分割されたそれぞれの移動磁場印加装置13は電源(図示せず)と結線されており、電源から供給される電力により、移動磁場印加装置13から印加される磁場強度はそれぞれ個別に制御されるようになっている。吐出流4に制動力を与えるためのEMLS印加における磁場は、図9に示すように、対向する移動磁場印加装置13間で鋳型6の厚み方向を貫通して印加され、且つ、その磁場が、図10に示すように、両方の鋳型短辺8側から浸漬ノズル11側に向かって移動するように印加されている。尚、図10は、EMLSを印加した際の磁場の移動方向を鋳型6の真上から示した図であり、図中の矢印が磁場の移動方向を表している。
この場合に、吐出孔12の下端位置が、鉄心21の下端よりも上方側になるように、移動磁場印加装置13の設置位置に応じて浸漬ノズル11を配置する。そして、用いる浸漬ノズル11は、その吐出孔12の吐出角度が、移動磁場印加装置13の鉄心21の高さ(H)、鋳型6内の溶鋼湯面3から浸漬ノズル11の吐出口12の下端までの距離(Y1 )、鋳型6内の溶鋼湯面3から鉄心21の高さ方向中心位置までの距離(Y2 )、鋳型6の幅(W)、及び、浸漬ノズル11の吐出口部分における外径(d)に基づき、前述した(1)式で算出される角度θD よりも上向きで且つ前述した(2)式で計算される角度θU よりも下向きの範囲内のものを使用する。
浸漬ノズル11の吐出孔12の下端位置を、鉄心21の下端位置と上端位置との範囲内に配置すると、溶鋼1の吐出流4は吐出孔12から鋳型内に流出した時点からEMLSの移動磁場が作用して、EMLSの制動力による発散流が多く発生するので、吐出孔12の下端位置を鉄心21の下端位置と上端位置との範囲内に配置することが好ましい。但し、吐出流4は浸漬ノズル11内を流下する際の下向きの慣性力を有しているので、吐出孔12の下端位置が鉄心21の上端よりも上方であっても、十分にEMLSが印加され、発散流を形成することができる。
鋳型6の下方には、鋳造される鋳片5を支持するための複数のガイドロール(図示せず)と鋳片5を鋳型6の下方に引き抜くための複数のピンチロール14が設置されている。尚、図8ではピンチロール14を1つのみ記載し、他のピンチロールは省略している。本発明を実施する際に用いるスラブ連続鋳造機は、このように構成されている。
このように構成されるスラブ連続鋳造機において、溶鋼1を取鍋(図示せず)からタンディッシュ9に注入し、タンディッシュ9内の溶鋼量が所定量になったなら、摺動板18を開き、溶鋼流出孔20を介して溶鋼1を鋳型6内に注入する。溶鋼1は、吐出孔12から、鋳型短辺8に向かう吐出流4となって鋳型6内に注入される。鋳型6内に注入された溶鋼1は鋳型6により冷却され、凝固シェル2を形成する。そして、鋳型6内に所定量の溶鋼1が注入されたなら、吐出孔12を鋳型6内の溶鋼1に浸漬した状態でピンチロール14を駆動して、外殻を凝固シェル2として内部に未凝固の溶鋼1を有する鋳片5の引き抜きを開始する。引き抜き開始後は溶鋼湯面3の位置を鋳型6内の略一定位置に制御しながら、鋳造速度を増速して所定の鋳造速度とする。鋳型6内の溶鋼湯面3の上にはモールドパウダー15を添加する。モールドパウダー15は溶融して、溶鋼1の酸化防止や凝固シェル2と鋳型6との間に流れ込み潤滑剤としての効果を発揮する。
そして、鋳造速度の昇速途中に鋳造速度が所定の値、例えば1.2m/min以上となったなら、移動磁場印加装置13からEMLSの移動磁場を印加しながら昇速し、鋳造速度が目標速度になったなら、その目標速度で鋳造を継続する。鋳造速度を増すほど、吐出流4の吐出流速は速くなるので、それに応じて印加する移動磁場の強度を変更する。印加する磁場の強度の目安としては、鋳型幅の1/4位置付近での鋳型厚みの中心位置における溶鋼湯面3の溶鋼流速が0〜0.05m/secになる程度の磁場強度とすれがよい。
このようにして、鋳型6内の溶鋼1の吐出流4に制動力を付与しつつ溶鋼1を連続鋳造することにより、広範囲の鋳造速度において、鋳片5の表層部での脱酸生成物やArガス気泡が少なく、且つ、モールドパウダー15の巻込みが少ない、清浄な高品質の鋳片5を安定して鋳造することが可能となる。
前述した図7〜9に示すスラブ連続鋳造機を用い、浸漬ノズルの吐出角度を変更して低炭素Alキルド鋼を鋳造し、鋳造した鋳片の表面性状を調査する試験を実施した。用いたスラブ連続鋳造機は、2.5m長さの垂直部を有する垂直曲げ型の2ストランドのスラブ連続鋳造機であり、鋳造する鋳片の厚みは235mm、鋳造可能な鋳片幅は700〜1650mm、最大鋳造速度は3m/min、タンディッシュ容量は80トンである。また、EMLSを印加するための移動磁場印加装置は、リニアモーター型の移動磁場印加装置で、鉄心の高さ方向の寸法(H)は320mmである。その他の移動磁場印加装置の仕様を表1に示す。
Figure 2005152996
試験に供した低炭素Alキルド鋼の組成は、C:0.03〜0.05mass%、Si:0.03mass%以下、Mn:0.2〜0.3mass%、P:0.020mass%以下、S:0.03mass%以下、Cu:0.08mass%以下、sol.Al:0.03〜0.06mass%、N:0.003〜0.006mass%であり、この低炭素Alキルド鋼を4水準の試験水準で鋳造した。各試験水準で、浸漬ノズルの吐出角度を下向き25°、下向き15°、下向き10°、上向き10°の4水準とし、印加する移動磁場の磁束密度を各水準で若干変更したが、その他の条件は同一とした。4水準の試験水準を表2に示す。
Figure 2005152996
表2に示す条件、即ち、移動磁場印加装置の鉄心の高さ(H)が320mm、溶鋼湯面から浸漬ノズルの吐出口下端までの距離(Y1 )が337mm、溶鋼湯面から鉄心の高さ方向中心位置までの距離(Y2 )が395mm、鋳型の幅(W)が1650mm、浸漬ノズルの吐出口部分における外径(d)が145mmである条件に基づき、前述した(1)式及び(2)式を算出すると、θD =16.1°(吐出方向は水平より下向き)、θU =−7.7°(吐出方向は水平より上向き)と計算される。
従って、表2における各水準の意味するところは、(1)水準1は、本発明で示される浸漬ノズル吐出角度の最適範囲を下向きに外れた場合、(2)水準2は、本発明で示される浸漬ノズル吐出角度の最適範囲に含まれる場合で、吐出角度が比較的深い場合、(3)水準3は、本発明で示される浸漬ノズル吐出角度の最適範囲に含まれる場合で、吐出角度が比較的浅い場合、(4)水準4は、本発明で示される浸漬ノズル吐出角度の最適範囲を上向きに外れた場合となる。
この4つの試験水準で得られた鋳片から全幅にわたるサンプルを切り出し、鋳片の引抜き方向に垂直な断面を研磨・腐食してデンドライト組織を現出させ、デンドライト1次アームの傾角を測定し、測定した傾角に基づき、凝固界面を流れる水平方向の溶鋼流の向き及び流速を推定した。その結果を図11に示す。ここで、デンドライト傾角の測定は、鋳型内の溶鋼湯面から50mm下に相当する凝固シェル厚みの位置で測定し、測定したデンドライト傾角から溶鋼流速を推定する計算式は、岡野等(鉄と鋼61(1975),p2982)の提案した下記の(3)式及び(4)式をを用いた。但し、(3)式及び(4)式において、vは溶鋼流速(cm/sec)、fは凝固速度(cm/sec)、ψはデンドライト1次アームが鋳片表面の法線となす角度(deg)であり、(3)式は溶鋼流速vが50cm/sec未満のとき、(4)式は溶鋼流速vが50cm/sec以上のときの計算式である。
Figure 2005152996
Figure 2005152996
図11は、鋳片の厚み方向断面(横断面)を上方から見た図であり、デンドライト傾角の測定用サンプルを採取した位置において、推定された凝固界面溶鋼流から水平方向の向きと流速とをベクトルで表わした図で、(A)が水準1の結果、(B)が水準2の結果、(C)が水準3の結果、(D)が水準4の結果を表している。また、図11において中央の丸印は浸漬ノズルを表わしている。
図11に示すように、水準1では、凝固界面の溶鋼流速は他の3水準と比較して小さく、また、その向きも数値シミュレーションで得られた図2のように揃うことなく、ばらつきが大きい。これは吐出流から生じる上向きの発散流が十分な強さでないことを示している。
水準2では、水平方向の凝固界面流の向きは、鋳片断面の左側では紙面の左方向に、右側では紙面の右方向に揃う傾向が現れており、図2の数値シミュレーションの結果に近づいている。これは水準2における浸漬ノズルの吐出角度がθD よりも上向きとなったため、吐出流に対して十分な制動力が作用し、長辺面凝固界面に沿った発散流がより安定して生じるようになったことを示している。
水準3では、更に凝固界面溶鋼流の流れる方向が揃っている上に、溶鋼の流速も鋳片幅方向の各位置で、より均等に揃っていることが分かる。これは、水準3における浸漬ノズル吐出角度がθD とθU とで決まる最適範囲内であり、且つ、水準2よりも上向きで、EMLS移動磁場による吐出流の減速作用が鋳型幅方向全体にわたって、より一層行われたことを示している。
しかし、水準4では、凝固界面流の流れる方向は他の水準とは逆方向になり、流速の大きさも大きい。これは、水準4における浸漬ノズルの吐出角度がθU よりも上向きであるため、EMLSによる吐出流の制動が十分でなく、吐出流は鋳型短辺に強く衝突して分岐し、上方に分岐した溶鋼流は湯面で反転して強い湯面直下溶鋼流になったためと考えられる。
水準4においてEMLSによる制動が十分でなかったことは、図12に示すように、鋳型幅の1/4位置での鋳型厚みの中心位置における溶鋼湯面での溶鋼流速が、他の3水準では0m/secに近い流速まで制動されているのに対し、水準4では約0.2m/secの流速が測定されていることからも知ることができる。尚、図12は、水準1〜4において、鋳型幅の1/4位置での鋳型厚みの中心位置における溶鋼湯面での溶鋼流速を、溶鋼湯面に耐火物製の棒を浸漬させ、その傾斜角度から測定した結果を示す図であり、流速の正符号が、短辺側から浸漬ノズル側に向かう流れを示している。
また、水準1〜水準4で鋳造した鋳片を、表面手入れをしないまま熱間圧延し、その後、酸洗・冷延・溶融亜鉛メッキ工程を経た後に、鋼板表面を目視観察して表面欠陥を検索し、検出した表面欠陥個数から表面欠陥発生率を求めるとともに、検出した表面欠陥を全数サンプリングし、EPMAによって欠陥原因部の介在物の元素同定を行い、介在物の種類を判定した。
その結果を図13に示す。得られた結果は、前述した図11の湯面直下の凝固界面流のプロファイルとよく対応しており、凝固界面流が最も弱かった水準1において表面欠陥発生率が最も高くなった。浸漬ノズルの吐出角度が、本発明の最適範囲内である水準2では、製品表面欠陥発生率が水準1と比較して約半減した。また、水準3は、今回の試験の中で最も良好な凝固界面の溶鋼流速プロファイルが得られた場合であり、表面欠陥発生率もそれに応じて最も低くなっていた。水準4は、本発明による浸漬ノズル吐出角度の最適範囲を外れたため、EMLSの制動力が吐出流に十分に作用せず、結果として強い湯面直下の溶鋼流を生じてしまったため、モールドパウダー起因の表面欠陥が増加した結果となった。
EMLSの制動力によって生ずる発散流の流速及び方向をベクトルマップとして表わした図である。 鋳型内の溶鋼流速を電磁流体シミュレーションによって調査した結果を示す図である。 鋳型内の湯面に平行で、湯面から330mm下の断面における溶鋼流ベクトル図である。 EMLS磁場印加装置における磁束密度プロファイルを示す図である。 吐出流の軌跡が鉄心の高さ範囲を下方に逸脱しない条件を図示した図である。 吐出流の軌跡が鉄心の高さ範囲を上方に逸脱しない条件を図示した図である。 本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図であり、鋳型部位の概略斜視図である。 本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図であり、鋳型部位の概略正面図である。 本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図であり、鋳型部位の断面斜視詳細図である。 EMLSを印加した際の磁場の移動方向を鋳型の真上から示した図である。 実施例において、デンドライト1次アームの傾角より推定した、凝固界面を流れる水平方向の溶鋼流の向き及び流速を示す図である。 実施例において、鋳型幅の1/4位置での鋳型厚みの中心位置における溶鋼湯面での溶鋼流速を測定した結果を示す図である。 実施例において調査した鋼板表面の表面欠陥の発生率、及び欠陥原因部の元素同定の結果を示す図である。
符号の説明
1 溶鋼
2 凝固シェル
3 溶鋼湯面
4 吐出流
5 鋳片
6 鋳型
7 鋳型長辺
8 鋳型短辺
9 タンディッシュ
10 スライディングノズル
11 浸漬ノズル
12 吐出孔
13 移動磁場印加装置
14 ピンチロール
15 モールドパウダー
16 上ノズル
17 固定板
18 摺動板
19 整流ノズル
20 溶鋼流出孔
21 鉄心
22 コイル

Claims (1)

  1. 鋳型の両短辺側から浸漬ノズル側に向かって移動する移動磁場を鋳型内の溶鋼に印加し、浸漬ノズルから吐出される溶鋼の吐出流に制動力を付与しながら鋳造する鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズルの吐出口の下端位置を、移動磁場印加装置の鉄心の下端よりも上方に位置させると同時に、浸漬ノズルの吐出角度を、上記の(1)式で定まる角度θD よりも上向きで且つ上記の(2)式で定まる角度θU よりも下向きの範囲内とすることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    Figure 2005152996
    Figure 2005152996
    但し、(1)式及び(2)式において各記号は以下を表すものである。
    θD :水平線を基準として下向きを正とし上向きを負とした、浸漬ノズルの吐出口の下端を起点として鋳片短辺位置での移動磁場印加装置の鉄心の下端位置までを測った角度(deg)
    θU :水平線を基準として下向きを正とし上向きを負とした、浸漬ノズルの吐出口の下端を起点として鋳片短辺位置での移動磁場印加装置の鉄心の上端位置までを測った角度(deg)
    H:移動磁場印加装置の鉄心の高さ(m)
    1 :鋳型内湯面から浸漬ノズルの吐出口の下端までの距離(m)
    2 :鋳型内湯面から移動磁場印加装置の鉄心の高さ方向中心位置までの距離(m)
    W:鋳型の幅(m)
    d:浸漬ノズルの吐出口部分における外径(m)
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