以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態である分注装置の概略構成図である。この分注装置は、遠心分離処理後の検体を適宜、子検体容器に分注するための装置である。本実施形態の分注装置では、分注に関わる工程の全てが自動化されているが、場合によっては、一部あるいは全部の工程が用手的に行われてもよい。また、以下の説明では、分注対象の検体として、遠心分離処理された血液検体を例示しているが、分離剤を挟んで二種類の検体成分が上下に分離している検体であれば、他の検体を分注対象として取り扱ってもよい。
図1において、分注装置は、筐体12、可動部14、ラック16,17、筒体取り外し機構20及びノズルチップ取り外し機構18、および、制御部10を有している。筐体12は、ベース22、一対の支柱24,26及び上部レール30を有している。上部レール30は可動部14を図においてY方向に運動させるための部材である。
可動部14は、本実施形態において、フレーム32、ノズルユニット34及び分離剤除去ユニット36を有している。ノズルユニット34は、検体を吸引吐出する吸引吐出手段として機能する。このノズルユニット34は、チップフィッティングとしての装着部38と、それに対して着脱自在に装着されるノズルチップ40とを有している。ノズルチップ40は血漿分注及び血球分注において用いられるディスポーザブルの部材である。血漿分注と血球分注とで別々のタイプのノズルチップが用いられてもよい。ノズルユニット34と分離剤除去ユニット36は互いに独立してフレーム32上において昇降運動することが可能である。それらの昇降駆動機構については図示省略されている。
このノズルユニット34には、ポンプ(図示せず)が接続されており、当該ポンプによりノズルチップ40の内圧が調整されることにより検体の吸引および吐出が図られる。また、このノズルチップ40の内圧は、圧力センサ(図示せず)で監視されている。制御部10は、この圧力センサでの検出値に基づいて、液面検出や閉塞検出を行うが、これについては後に詳説する。
分離剤除去ユニット36は、モータ46、モータ46の軸に連結された装着部42及び分離剤除去部材としての筒体44を有している。筒体44は、モータ46の駆動により回転自在となっており、装着部42に対して着脱自在となっている。図2は、この筒体44の斜視図である。筒体44はストロー状の形態を有するとともに、ある程度の堅さをもった柔軟な材料、例えば透明樹脂などにより構成されている。この筒体44の外径は、検体容器50の内径よりも小さく、かつ、ノズルチップ40の外径よりも十分に大きくなっている。この筒体44が、検体容器50の内部に挿し込まれることで、当該筒体44の内部に分離剤が充填される。そして、この分離剤が充填された筒体44を引き上げることで、分離剤の検体容器からの除去が図られる。
なお、図2に図示するとおり、本実施形態の筒体44の下端には軸方向に延びるスリット76が形成されている。このスリット76は、筒体44を分離剤に挿し込む際に筒体44の内外を連通する空気孔として機能し、筒体44の分離剤への挿し込みを容易にする。また、スリット76を設けることで筒体44が容易に変形できるようになる。そして、これにより、位置決め誤差等に起因する筒体44と検体容器50との干渉が生じても、その衝撃を吸収するべく筒体44が変形するといった利点が得られる。
ベース22上にはラック16,17が搭載されている。ラック16は搬送機構56によってX方向(紙面垂直方向)に運動可能である。符号58は搬送機構56の駆動源を表している。ラック16がX方向に位置決めされ、一方、可動部14がY方向に位置決めされ、これによってラック16に対して可動部14を相対的にX方向及びY方向の両方向に位置決めすることができる。ラック16は、本実施形態において複合ラックであり、ラック16上には複数の検体容器50、複数のノズルチップ(未使用のノズルチップ)52、複数の筒体(未使用の筒体)54が保持されている。
ラック17も、搬送機構56によってX方向(紙面垂直方向)に運動可能となっており、当該ラック17には、複数の子検体容器51や複数の廃棄用容器53が保持されている。子検体容器51は、分析処理に用いられる検体が小分け分注される容器である。また、廃棄用容器53は、分析処理には用いられることなく廃棄される血漿成分が吐出され、貯留される容器である。
ノズルチップ取り外し機構18はチップリムーバ60及び廃棄ボックス62を有している。チップリムーバ60は従来同様にU字型の溝を有しており、その溝内に装着部38を差込み、それを上方に引き上げれば、装着部38に装着されているノズルチップ40を離脱させることができ、その離脱したノズルチップは廃棄ボックス62内に落下する。
筒体取り外し機構20は、挟持機構64及び廃棄ボックス66を有している。図3は、挟持機構64の概略上面図である。この図3から明らかなとおり、挟持機構64は、X方向に一定の間隔を開けて配設された一対のローラ102,104を備えている。このローラ102,104間に筒体を進入させると、当該一対のローラ102,104が筒体を挟み込むとともに、当該筒体を部分的に変形させて潰すことになる。そして、その状態において筒体44が取り付けられた装着部42を上方に引き上げることによりその装着部42から筒体44を離脱させることができる。その離脱した筒体は直ちに廃棄ボックス66(図1参照)内に落下し、あるいは次の筒体の除去の時点で押し出されて廃棄ボックス66内に落下する。
以上、説明したノズルユニット34や分離剤除去ユニット36、搬送機構56などは、いずれも、制御部10により駆動制御される。この制御部10は、また、血漿吸引中に生じた閉塞が、ノズルチップ40の分離剤への接触に起因する閉塞か否かを判定する判定手段としても機能する。
図1に示される検体容器50には遠心分離処理後の血液検体が入れられている。図4は、遠心分離処理後の血液検体を収容した検体容器50の断面図である。図4から明らかなとおり、遠心分離処理後の血液検体は、三つの層、すなわち、上から順に、血漿成分112からなる上層、分離剤114からなる中間層、および、血球成分116からなる下層に大別される。分離剤114は、高粘度のゼリー状の物質であり、その量(体積)は既知である。本実施形態では、血球成分116の分注処理に先立って、この分離剤114を分離剤除去ユニット36により除去している。
血漿成分112および血球成分116は、いずれも、血液を構成する成分である。本実施形態では、この二種類の成分それぞれについて分析を行うため、各成分ごとに分注処理を行う。ここで、検体容器50に収容される血液検体の総体積や、血漿成分112および血球成分116それぞれの体積は、各検体容器50ごとに異なっており、分注装置側で事前に把握することは困難である。その一方で、血漿成分112と血球成分116の体積比率は、検体容器ごとの差は少ないことが知られている。すなわち、多少の個人差はあるものの、通常、血漿成分112と血球成分116との体積比率は、66:34〜48:52程度の比率であることが知られている。本実施形態では、この既知の体積比率を用いて、分離剤114の上面レベルZ1等の算出を行うが、これについては後に詳説する。
検体容器50は、その形状(断面積)が既知であれば、その形状は特に限定されず、例えば、試験管のようなチューブ体でもよいし、バイアルや採血管等であってもよい。また、遠心分離装置からラック16に対して自動的に検体容器を搬送する機構を設けることもでき、そのような搬送を手作業にて行うことも可能である。さらに、図1に示す構成では、ラック16が複合ラックを構成していたが、検体容器用のラック、ノズルチップ用のラック、及び、筒体用のラックをそれぞれ別に構成することも、もちろん可能である。
次に、この分注装置で行われる処理のうち、いくつかの特徴的な処理の原理について説明する。はじめに、この分注装置に設けられた分離剤除去ユニット36による分離剤除去処理の原理について図5を参照して説明する。図5は、分離剤除去処理の原理を示す図である。既述したように分離剤除去ユニット36は昇降自在となっており、その先端には筒体44が設けられている。分離剤114を除去する場合には、この筒体44を、検体容器50の真上位置に位置決めした後に下降させ、当該筒体44を検体容器50に収容されている分離剤114の中に挿し込む(図5(a)参照)。筒体44の挿し込みに伴い、当該筒体44の内部には、分離剤114が充填されることになる(図5(b)参照)。このとき充填された分離剤114と筒体44の内側面との間には摩擦力が生じる。その後、筒体44を上昇させると、この摩擦力により分離剤114が筒体44の内部に保持され、分離剤114が筒体44とともに引き上げられることになる。そして、結果として、分離剤114が検体容器50から除去されることになる(図5(c)参照)。
ここで、この分離剤114を除去する際に、当該分離剤114よりも上層に位置する血漿成分112が残存していると、図5(c)に図示するように、分離剤114除去後に血漿成分112が下方に落下し、血球成分116の中に混入することになる。この場合、血球成分116を適切に分析することができないという問題を招く。そのため、分離剤114を除去する際には、予め、血漿成分112のほぼ全量が吸引除去されていなければならない。
そこで、従来では、次の手順で血漿成分112の全量吸引を図っていた。まず、ノズルユニット34に設けられたノズルチップ40の先端を、血漿成分112の液面近傍まで移動させた後、ポンプを駆動して、血漿成分112の吸引を行う。この吸引の際には、ノズルチップ40の先端が、常に、血漿成分112の液面近傍に位置するべく、吸引に伴う液面レベルの下降と連動してノズルチップ40も下降させる。そして、この血漿成分112の吸引中に、ノズルチップ40の閉塞が発生すれば、当該ノズルチップ40の先端が分離剤114の上面まで到達、換言すれば、血漿成分112のほぼ全量が吸引できたと判断し、吸引動作を停止していた。
しかし、この従来の方法では、分離剤114とノズルチップ40との接触以外の理由による閉塞を考慮しておらず、誤判定が生じる恐れがあった。すなわち、ノズルチップ40の閉塞は、分離剤114の上面に接触した場合だけでなく、血漿成分112中に浮遊する塊物質を吸引した場合にも生じる。ここで、塊物質とは、検体の検体容器50への投入時に当該検体をろ過するフィルタの破片や、血漿成分112中に存在する繊維状のタンパク質などが該当する。かかる塊物質に起因する閉塞を、分離剤114に起因する閉塞と誤判定した場合には、血漿成分112が残存しているにもかかわらず吸引動作を停止することになり、結果として、血漿成分112の血球成分116への混入という問題を招く。
そこで、本実施形態では、血漿成分112の吸引中において、閉塞が発生した場合には、当該閉塞が分離剤114に起因する閉塞か否かを判定するようにしている。これについて図6を参照して説明する。図6は、閉塞原因の判定原理を説明する図である。
本実施形態では、血漿成分112を吸引する場合には、まず、分離剤上面レベルZ1を取得する。この分離剤上面レベルZ1の取得方法としては種々の形態が考えられるが、本実施形態では、後に詳説するように血漿上面レベルZ0や、検体容器50の断面積、血漿成分112と血球成分116との体積比などに基づく演算により分離剤上面レベルZ1を取得している。
レベルZ1が取得できれば、実際にノズルユニット34を動作させて、血漿吸引を行う。この血漿吸引は、従来技術と同じく、ノズルチップ40の先端が常に血漿の液面近傍に位置するべくノズルチップ40を下降させながら行う。この吸引中における閉塞の有無は、ノズルユニット34に設けられた圧力センサにより常時監視されている。具体的には、ノズルチップ40の内圧は、吸引開始時には負圧に調整されている。この内圧が、穏やかに上昇している(大気圧に近づいている)場合には、血漿吸引が適切に行われていると判断する。一方、吸引途中で、内圧の変動が殆どなくなり、内圧が一定圧力で停滞した場合、制御部10は、閉塞が発生したと判断する。閉塞が発生した場合、制御部10は、当該閉塞発生時のノズルチップ40の先端高さzと、事前取得された分離剤上面レベルZ1との比較に基づいて、当該閉塞の原因を判定する。
具体的には、閉塞発生時におけるノズルチップ40の先端高さzと事前取得された分離剤上面レベルZ1との差が規定の許容誤差αよりも大きい場合、すなわち、|z−Z1|>αである場合、当該閉塞は、図6(b)に図示するような、塊物質117に起因する閉塞であると判断する。この閉塞発生時において、血漿成分112は多量に残存していることになる。したがって、この場合、制御部10は、ノズルユニット34に対して、血漿吸引の一時停止とノズルチップ40の交換とを指示する。そして、ノズルチップ40が交換されれば、残存する血漿成分112の吸引処理を再開する。
一方、閉塞発生時におけるノズルチップ40の先端高さzと事前取得された分離剤上面レベルZ1との差が規定の許容誤差α以下である場合、すなわち、|z−Z1|≦αである場合、当該閉塞は、図6(c)に図示するような、分離剤114に起因する閉塞であると判断する。この閉塞発生時において血漿成分112は殆ど残存していないことになる。したがって、この場合、制御部10は、ノズルユニット34に対して血漿吸引の終了を指示するとともに、分離剤除去ユニット36に対して分離剤114の除去処理を指示する。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、分離剤上面レベルZ1と閉塞発生時におけるノズルチップ40の先端高さとを比較することにより、当該閉塞の発生原因を判別することができる。そして、これにより、血漿成分112の全量吸引をより確実に行うことができる。
次に、分離剤上面レベルZ1の取得原理について説明する。上述の説明から明らかなとおり、血漿成分112の全量吸引を行うためには、分離剤上面レベルZ1を取得することが必要となる。この分離剤上面レベルZ1は、種々の方法で取得することができる。例えば、光の反射率に基づいて血漿成分112と分離剤114との境界位置を検出する光学センサなどを利用しても分離剤上面レベルZ1を取得できる。本実施形態では、血漿上面レベルZ0や、検体容器50の断面積、血漿成分112および血球成分116の体積比などに基づく演算により分離剤上面レベルZ1を取得している。この演算原理について簡単に説明する。
分離剤上面レベルZ1を算出する際には、まず、血漿上面レベルZ0を取得する。ここで、血漿上面レベルZ0とは、血漿成分112が一切吸引されていない状態、換言すれば、初期状態での血漿成分112の上面レベルであり、吸引動作により変化する液面レベルとは若干異なる概念である。この血漿上面レベルZ0は、エア吐出しながらノズルチップ40を低速下降させていった際における当該ノズルチップ40の内圧変化に基づいて検出できる。すなわち、エア吐出しているノズルチップ40が、血漿液面に近接すると、チップ内圧は急激に上昇する。本実施形態では、この内圧が急上昇した時点におけるノズルチップ40の先端高さを血漿上面レベルZ0として取得している。
制御部10は、上記手法により血漿上面レベルZ0が取得できれば、この血漿上面レベルZ0、検体容器50の断面積、分離剤114の体積、および、血漿成分112と血球成分116との体積比率に基づいて、分離剤上面レベルZ1を算出する。具体的には、血漿上面レベルZ0および検体容器50の断面積から、分離剤114を含む検体全体の体積を算出し、この検体全体の体積から分離剤114の体積を除外することで血液試料のみ(血漿成分112および血球成分116のみ)の体積を算出する。この血液試料の体積と、血漿成分112と血球成分116との体積比率と、を用いれば、血漿成分112単独の体積、および、血球成分116単独の体積が算出できる。そして、これら各成分の体積と検体容器50の断面積とを用いれば、分離剤上面レベルZ1を算出することができる。このように演算により上面レベルZ1を取得すれば、光学センサなどの専用のセンサを設ける必要がなくなり、コスト増加を防止できる。なお、既述したとおり血漿成分112と血球成分116との体積比率は、多少の個人差がある。したがって、閉塞原因を判定する際には、この個人差を考慮して許容誤差αの値を設定することが望ましい。
なお、本実施形態では、さらに、血球上面レベルZ2も算出し、当該血球上面レベルZ2の値に応じて、分離剤除去ユニット36の動作を制御するようにしている。すなわち、既述したとおり、本実施形態では、筒体44を検体容器50の内部に進入させて当該筒体44の内部に分離剤114を充填させた後に、当該筒体44を引き上げることで分離剤114の除去を図っている。このとき、筒体44を、血球上面レベルZ2よりも大幅に下側位置まで下降させた場合、当然ながら、筒体44の内部には分離剤114だけでなく、血球成分116も充填されることになる。そして、筒体44の上昇時には、当該筒体44内部に充填された血球成分116の一部も、筒体44の内側面に付着したまま筒体44とともに引き上げられ、除去されることになる。換言すれば、筒体44を過度に下降させた場合、本来、除去する必要のない血球成分116まで除去することになる。収集された検体総量(血球成分116量)が少ない場合において、かかる意図しない血球成分116の除去が生じると、分析処理に必要な量の血球成分116が確保できないという問題を招く恐れがある。
そこで、本実施形態では、検体容器50の断面積や、分離剤114の体積、血漿成分112および血球成分116の体積比率、分離剤上面レベルZ1などに基づいて、血球上面レベルZ2も算出している。そして、血球上面レベルZ2が求まれば、下降時における筒体先端の最下点が、この血球上面レベルZ2近傍になるように分離剤除去ユニット36の駆動を制御する。これにより、意図しない血球成分116の除去を防止できる。
次に、この分注装置を用いての血漿成分112および血球成分116の分注処理の流れについて説明する。図7は、分注処理の全体的な流れを示すメインフローチャートである。また、図8〜図11は、メインフローチャートに含まれる各処理の詳細フローチャートである。
図7に示すとおり、分注処理を開始する場合は、まず、リセット処理を実行する(S10)。これは、分注装置を駆動する各種モータの初期化等の処理を含む。リセット処理が完了すれば続いて、血漿成分112の分注処理A、余剰血漿の除去処理B、分離剤114の除去処理C、血球成分116の分注処理Dを順に行う。そして、次に処理すべき検体があるか否かを判断し(S12)、次検体がある場合は、再度、処理A〜Dを実行する。次検体が無い場合は、そのまま終了する。
ここで、血漿成分112の分注処理Aは、分析のために必要な量の血漿成分112を検体容器50から吸引し、子検体容器51に吐出する処理である。余剰血漿の除去処理Bは、分離剤114の除去処理Cを適切に行うために、処理Aの後、検体容器50に残存している血漿成分112を吸引し、廃棄用容器53に吐出する処理である。つまり、血漿成分112の分注処理Aおよび余剰血漿の除去処理Bは、いずれも、血漿成分112を吸引、吐出する処理であり、その具体的な処理内容は類似している。したがって、以下では、血漿成分112の分注処理Aおよび余剰血漿の除去処理Bの流れを並行して説明する。
図8は、血漿成分112の分注処理Aの流れを示すフローチャートである。また、図9は、余剰血漿の除去処理Bの流れを示すフローチャートである。この図8、図9から明らかなとおり、血漿成分112を分注する場合および余剰血漿を除去する場合には、まず、ノズルユニット34の装着部に新しいノズルチップ40を装着する(A1,B1)。このノズルチップ40の装着処理は、公知の従来技術を応用できるため、ここでの詳説は省略する。
ノズルチップ40が装着されれば、続いて、血漿成分112の液面を検出する(A2,B2)。図12は、この液面検出処理の詳細を示すフローチャートである。液面を検出する場合は、まず、ノズルチップ40の真下に検体容器50が位置するべく、搬送機構56や可動部14を駆動する。また、ノズルユニット34に接続されたポンプを駆動して、液面検出に必要な量のエアをノズルチップ40内に吸引する(AB21)。続いて、予め規定された液面検出高さまでノズルユニット34を高速で下降させる(AB22)。ここで、液面検出高さは、ノズルチップ40の先端が血漿液面に接触しないであろう高さであって、当該先端から液面までの距離が過大にならない高さである。
ノズルユニット34が、液面検出高さまで移動すれば、液面検出動作を開始する(AB24)。ここで、液面検出動作とは、ノズルユニット34を低速で下降させつつ(ノズルチップ40を血漿液面に徐々に近づけつつ)、当該ノズルチップ40の先端からエアを吐出させる動作である。この液面検出動作は、ノズルチップ40内の内圧の急上昇が検出されるまで行われる(AB25)。
ノズルチップ40の内圧が急上昇した場合、制御部10は、当該ノズルチップ40の先端が血漿液面に近接したと判断する。そして、この場合、ノズルユニット34の下降を停止するとともに、この時点におけるノズルチップ40の先端高さを血漿液面レベルとして検出する(AB26)。
血漿分注処理Aにおいては、この検出された血漿液面レベルを血漿上面レベルZ0として、一時記憶する。そして、この血漿上面レベルZ0や、容器の断面積、分離剤114の体積、血漿成分112および血球成分116の体積比率に基づいて、検体の総量や、分離剤上面レベルZ1を算出する。そして、その後、次の処理、すなわち、血漿成分112の吸引処理A3(図8参照)へと移行する。
余剰血漿の除去処理Bについては、液面レベルを検出した後は、分離剤上面レベルZ1の算出処理を行うことなく、そのまま、次の処理、すなわち、血漿成分112の吸引処理B3(図9参照)へと移行する。
血漿成分112の吸引処理A3、B3は、図13に示すフローに従って実行される。液面レベルの検出A2,B2が終了した時点で、ノズルチップ40の先端は、血漿の液面に近接していることになる。したがって、液面レベルの検出後が終了すれば、その状態のまま、ポンプを駆動して血漿の吸引を開始する(AB301)。この血漿の吸引は、ノズルチップ40の先端を常に血漿成分112の液面近傍に位置させるべく、吸引に伴う液面レベルの下降に合わせてノズルユニット34(ノズルチップ40)を下降させながら行われる。また、制御部10は、圧力センサでの検出値に基づいて、この吸引動作中のノズルチップ40内の内圧を常時監視している。
ここで、ノズルチップ40の内圧は、吸引開始時には、大気圧となっている。その後、負圧をかけることで、当該ノズルチップ40の内部に血漿成分が吸引されていく。血漿成分が正常に吸引されている場合、ノズルチップ40の内圧は、穏やかに低下(負圧化)していく。一方、この吸引時において、何らかの理由で、ノズルチップ40の閉塞が発生した場合、ノズルチップ40の内圧は、急激に低下(負圧化)する。制御部10は、この内圧の急低下を検出した場合、あるいは、検出された内圧値が規定の閾値を下回る場合、ノズルチップ40の閉塞が発生したと判断する(AB302)。この場合は、ステップAB307以降の処理に移行する。
一方、閉塞が発生することなく、吸引量が規定量に達した場合(AB303のYesの場合)には、吸引動作を終了する(AB304)。ここでいう規定量とは、血漿成分112の吸引処理Aの場合には、分析処理に必要な量である。また、余剰血漿成分の除去処理Bの場合には、一つのノズルチップ40で保持できる最大液体量である。
制御部10は、この吸引動作を停止した時点におけるノズルチップ40の先端高さを血漿液面レベルとして一時記憶する(AB305)。そして、吸引のために下降させたノズルユニット34を初期位置に移動させれば、血漿吸引処理A3,B3は終了となる(AB306)。したがって、この後は、血漿成分112の吐出処理A4,B4へと移行する。
ところで、血漿成分112を吸引する過程で閉塞が発生した場合(AB302のNoの場合)は、次のような流れになる。まず、閉塞が発生した場合には、ポンプやモータの駆動を停止して、吸引動作を停止する(AB307)。そして、一時的に圧力異常が生じたノズルチップ40の内圧を正常状態に戻すために、負圧解消動作を実行する(AB308)。具体的には、吸引した血漿成分112を微量吐出するとともに、ノズルユニット34を微量上昇させる。
その後、制御部10は、閉塞発生時点におけるノズルチップ40の先端高さと事前に演算で求められた分離剤上面レベルZ1とを比較して、この度の閉塞が分離剤114に起因するものか否かを判断する(AB309)。具体的には、先端高さzと分離剤上面レベルZ1との差が規定の許容誤差量αよりも大きい場合、制御部10は、当該閉塞は、分離剤114に起因する閉塞ではなく、血漿成分112中に浮遊する塊物質等に起因する閉塞であると判断する。この場合、制御部10は、さらに、閉塞の発生が連続2回目であるか否かを判断する(AB310)。閉塞の発生が連続2回目である場合は、何らかの問題が発生していると判断して、全ての処理を中断して、エラー終了する(AB314)。一方、1回目の閉塞である場合は、ノズルユニット34を初期位置に移動させた後に、ノズルチップ40の交換を実行する(AB311,AB312)。そして、新たなノズルチップ40が装着されれば、再び、ノズルチップ40の真下に検体容器50が位置するべく、可動部14や搬送機構56を駆動する。そして、閉塞発生時点の高さにノズルユニット34を移動させ(AB313)、再度、ステップAB301以降を実行する。
一方、閉塞の発生原因が分離剤114にある場合について説明する。この場合、ノズルチップ40の先端は分離剤114の上面に接触しており、検体容器50に血漿成分112は殆ど残っていないと判断できる。したがって、この場合、制御部10は、閉塞発生時点におけるノズルチップ40の先端高さを分離剤上面レベルZ1(実測値)として一時記憶(AB315)する。そして、ノズルユニット34を初期位置に移動させた後(AB316)、血漿成分112の吐出処理A4,B4へと移行する。
図14は、血漿成分112の吐出処理A4,B4の詳細な流れを示すフローチャートである。血漿成分112を吐出する場合は、まず、ノズルチップ40の真下に子検体容器51または廃棄用容器(以下「子検体容器等」という)が位置するべく、可動部14や搬送機構56を駆動する(AB41)。続いて、所定の吐出開始高さまでノズルユニット34を下降させる(AB42)。ここで、液体の飛散等を防止するためには、吐出時におけるノズルチップの先端は、極力、容器底面に近接していることが望ましい。そこで、本実施形態では、ノズルチップ40の容器底面への接触がジャミングセンサにより検出されるまで、ノズルユニット34を低速下降させた後、ノズルユニット34を微小量(例えば1mm)上昇させた位置を吐出開始高さとしている。
ノズルユニット34が吐出開始高さまで移動すれば、ポンプを駆動して、血漿成分112の吐出を開始する(AB43)。この吐出の間、制御部10は、圧力センサでの検出値に基づいて、ノズルチップ40内の内圧を常時監視している。そして、監視の結果、チップ内圧変動に異常が生じた場合には、ノズルチップ40の閉塞が発生したと判断する(AB44)。この場合、制御部10は、何らかの問題が発生したと判断し、全ての処理を終了する(AB49)。
一方、閉塞が発生することなく、吐出量が規定量に達すれば、吐出動作を停止する(AB45,AB46)。この場合は、ノズルユニット34を微小量下降させて、ノズルチップ40の先端を子検体容器等の底面に接触させるタッチオフ動作を実行する(AB47)。その後、ノズルユニット34を初期位置に戻せば、血漿の吐出処理A4,B4は終了となる(AB48)。なお、タッチオフ動作は、ノズルチップ40の先端に付着した液ダマを容器底面に付着させ、これにより液の飛散を防止するために実行する。
血漿の吐出処理A4,B4が終了した後の処理を、再度、図8,9を参照して説明する。血漿分注処理Aにおいて、血漿の吐出処理A4が終了すれば、ノズルユニット34を駆動して、当該ノズルユニット34に装着されたノズルチップ40を取り外し、廃棄する(A5)。その後、余剰血漿の除去処理Bへと移行する。
余剰血漿の除去処理Bにおいて、血漿の吐出処理B4が終了すれば、続いて、血漿成分112が残存しているか否かを判断する(B5)。この判断は、血漿成分112の吸引処理(B3)において、分離剤114に起因する閉塞が発生したか否か(図13のAB309のYesが発生したか否か)で判断できる。分離剤114に起因する閉塞が発生していない場合には、血漿成分112は、まだ、残存していると判断できる。したがって、この場合は、ステップB3、B4を再度、実行する。一方、分離剤114に起因する閉塞が発生している場合は、血漿成分112は残存していないと判断できる。この場合には、ノズルチップ40の取り外し、廃棄処理B6を実行した後に、分離剤114の除去処理Cへと移行する。
次に、分離剤114の除去処理Cの詳細について、図10、図15、図16を参照して説明する。分離剤114を除去する場合は、まず、分離剤除去ユニット36の装着部に筒体44を装着させる(C1)。続いて、この筒体44の真下位置に検体容器50が位置するべく、可動部14および搬送機構56を駆動する(図15のC20)。続いて、分離剤除去開始高さまで、分離剤除去ユニット36を高速で下降させる(C21)。ここで、分離剤除去開始高さは、筒体44の先端が分離剤の上面に近接する高さである。本実施形態では、ステップAB315(図13)で取得された分離剤上面レベルZ1(実測値)に基づいて、この分離剤除去開始高さを決定する。具体的には、本実施形態では、筒体44の先端が、分離剤上面レベルZ1よりも規定の余裕量(例えば2mm程度)分だけ上側に位置する高さを分離剤除去開始高さとしている。
分離剤除去開始高さまで移動できれば、続いて、筒体44を回転させつつ分離剤除去ユニット36を低速下降させる(C22)。この下降により、筒体44の内部には分離剤114が充填されていくことになる。また、回転することにより、分離剤114から筒体44が受ける抵抗を低減できる。
この下降の際に、制御部10は、ジャミングセンサでの検出値に基づいて筒体44の有無を判断する(C23)。すなわち、分離剤除去ユニット36には、筒体44が受ける軸方向の負荷を検出するジャミングセンサが設けられている。本実施形態では、分離剤除去ユニット36を低速下降させている際に、当該ジャミングセンサで軸方向の負荷が検出されない場合には、筒体44が分離剤114に進入していない、ひいては、分離剤除去ユニット36に筒体44が装着されていないと判断する(C23のNo)。この場合には、エラー終了となる(C29)。反対に、ジャミングセンサで軸方向負荷が検出された場合、分離剤除去ユニット36には、筒体44が正常に装着されていると判断して、以降の処理を続行する。
分離剤除去ユニット36の低速下降は、下降停止高さに到達するまで行われる(C24,C25)。下降停止高さは、筒体44の先端が、血球上面レベルZ2または血球上面レベルZ2より僅かに下側になる高さである。かかる高さで下降を停止することで、筒体44の血球成分層への進入を最低限に抑えることができる。そして、これにより、筒体44に付着することで生じる意図しない血球成分116の除去を防止できる。なお、血球上面レベルZ2は、分離剤上面レベルZ1や、検体容器50の断面積などに基づいて算出されるが、この血球上面レベルZ2の算出に用いられる分離剤上面レベルZ1は、ステップA27(図12)で算出される値ではなく、ステップAB315(図13)で検出された実測値であることが望ましい。実測の分離剤上面レベルZ1を用いることで、血球上面レベルZ2の値をより正確に算出することができる。
分離剤除去ユニット36の下降が停止すれば、続いて、当該分離剤除去ユニット36を上昇させる。このとき、筒体44の内部に充填された分離剤114は、当該筒体44の内側面との間に生じる摩擦力により筒体44の内部に保持されたままとなる。つまり、筒体44とともに分離剤114も、検体容器50から離脱することになる。そして、筒体44が検体容器50から完全に離脱する高さまで達すれば、筒体44の回転を停止する(C27)。その後、分離剤除去ユニット36を初期位置まで高速移動させた後(C28)、筒体44の取り外し処理C3へと移行する。
筒体44の取り外し処理C3の詳細を図16を参照して説明する。筒体44を取り外し、廃棄する場合は、まず、筒体44が挟持機構64の真上からY方向に僅かにずれた箇所に位置するべく、可動部14および搬送機構56を駆動する(C31)。続いて、筒体取り外し開始高さまで分離剤除去ユニット36を下降させる(C32)。ここで、筒体取り外し開始高さとは、筒体44の上端が、挟持機構64に設けられたローラ102,104の設置高さより、数ミリ(例えば10ミリ程度)、上側になる高さである。
次に、当該筒体44を二つのローラ102,104の間に進入させるべく、ローラ102,104をY方向に移動させる(C33)。このとき、二つのローラ102,104は、筒体44の上端近傍、換言すれば、分離剤114が充填されていない部分を挟持することになる。この状態で、今度は、分離剤除去ユニット36を低速微量下降させる(C34)。この低速下降の際、分離剤除去ユニット36に筒体44が装着されており、かつ、当該筒体44がローラ102,104で挟持されていれば、ジャミングセンサで軸方向負荷が検出されるはずである。逆に言えば、ジャミングセンサで軸方向負荷が検出されない場合には何らかの問題が発生しているといえる。したがって、低速下降の際に、ジャミング検出が出来なければ、エラー終了とする(C28)。
一方、低速下降の際に、正常にジャミング検出ができれば、今度は、分離剤除去ユニット36を低速上昇させる(C36)。このとき、筒体44は、一対のローラ102,104で挟持されているため、分離剤除去ユニット36とともに上昇することはできず、分離剤除去ユニット36から離脱することになる。分離剤除去ユニット36が筒体44の取り外しに必要な量だけ低速で上昇すれば、当該分離剤除去ユニット36を初期位置へと戻す(C37)。そして、これにより、筒体44の取り外し処理C3、ひいては、分離剤の除去処理C(図10参照)が終了となる。
分離剤114の除去処理Cが終了すれば、続いて、血球成分116の分注処理Dが行われる。この血球成分116の分注処理Dについて、図11、図17、図18を参照して説明する。血球成分116を分注する場合は、まず、ノズルユニット34に新たなノズルチップ40を装着する(図11のD1)。続いて、ノズルユニット34を駆動して血球成分116を吸引する。図17は、この血球成分116の吸引処理の流れを示すフローチャートである。
血球成分116を吸引する場合は、まず、ノズルチップ40の真下に検体容器50が位置するように可動部14および搬送機構56を駆動する(D20)。続いて、規定の吸引開始高さまでノズルユニット34を高速下降させる(D21)。ここで吸引開始高さとは、検体容器50の底面から数mm(例えば5mm)上の高さである。吸引高さまで下降すれば、続いて、底面検出を実行する(D22)。この底面検出は、ジャミングセンサにより軸方向の負荷発生が検出されるまで、ノズルユニット34を低速下降させることにより行われる。
底面が検出されれば、ノズルユニット34を僅かに(例えば1mm)上昇させ、ノズルチップ40の先端が底面に近接した状態とする(D23)。そして、この状態でポンプを駆動し、血球成分116の吸引動作を開始する(D24)。この吸引動作中、制御部10は、圧力センサの検出値に基づいて、ノズルチップ40の内圧を監視する。そして、内圧変化に基づいて、ショートサンプルか否か、閉塞が発生しているか否かを判定する(D25,D26)。より具体的には、ノズルチップ40の内圧は、通常、吸引開始時には、負圧に調整されているが、血球成分116を吸引していくにつれ徐々に上昇していく。一方、血球成分116が少ないショートサンプルの場合、吸引動作の過程で血球ではなくエアを吸引することになる。エアを吸引した場合、ノズルチップ40の内圧は、急激に上昇する(大気圧に近づく)ことになる。よって、内圧の急上昇を検知した場合、制御部10は、ショートサンプル(血球成分116の量不足)であると判断する。この場合、エラー終了となる(D29)。また、閉塞により血球成分116の吸引が行えない場合、ノズルチップ40の内圧は、一定圧力のまま停滞することになる。よって、内圧が一定値で停滞した場合、制御部10は、閉塞が発生したと判断する。この場合も、エラー終了(D29)となる。
一方、閉塞もショートサンプルも発生することなく、規定量の血球成分116が吸引できた場合には、吸引動作を停止するとともに、ノズルユニット34を初期位置へと移動させる(D28)。そして、次の処理、すなわち、血球成分116の吐出処理D3へと移行する。
図18は、血球成分116の吐出処理D3の流れを示すフローチャートである。血球成分116を吐出する場合には、まず、ノズルチップ40の真下に子検体容器51が位置するべく、可動部14および搬送機構56を駆動する。続いて吐出開始高さまでノズルユニット34を高速下降させた後、子検体容器51の底面検出動作を実行する(D31,D32)。その後、ノズルユニット34を僅かに(例えば1mm)上昇させて、ノズルチップ40の先端を容器底面に近接させた状態とする(D33)。なお、この一連の動作は、基本的に、血球吸引処理D2におけるステップD21〜D23とほぼ同じであるため、ここでの詳説は省略する。
次に、ノズルチップ40先端を容器底面に近接させれば、その状態で、血球成分116の吐出動作を開始する(D34)。この吐出動作の間、制御部10は、圧力センサでの検出値に基づいてノズルチップ40の内圧を監視する。そして、吐出動作を続行しているにも関わらず、ノズルチップ40の内圧が一定値で停滞した場合、制御部10は、閉塞が発生したと判断する(D35)。この場合、エラー終了となる(D39)。一方、閉塞が生じることなく、規定量の吐出が完了すれば、吐出動作を停止する(D36)。そして、その後、ノズルユニット34を低速下降させて、当該チップ先端を容器底面に接触させるタッチオフ動作を実行し、チップ先端の液ダマを容器底面に擦りつける。そして、その後、ノズルユニット34を上昇させて、初期位置に移動させれば(D38)、血球吐出処理D3は終了となる。血球吐出処理D3が終了すれば、当該吐出処理に用いたノズルチップ40を取り外す(図11のD4)ことで、血球成分116の分注処理Dが終了となる。
血球成分116の分注処理Dが終了すれば、図7に図示するとおり、制御部10は、次検体の有無を判断する(S12)。判断の結果、次検体が存在する場合は、再度、処理A〜処理Dを繰り返す。一方、次検体が無い場合は、そのまま、全ての処理が終了となる。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、血漿成分112の吸引中に閉塞が発生した場合には、当該閉塞発生時におけるノズルチップ40の先端高さと事前取得された分離剤上面レベルZ1との比較に基づいて当該閉塞の発生原因を判断している。そして、これにより、血漿成分112の全量吸引をより確実に行うことができる。血漿成分112が全量吸引されることにより、当該血漿成分112と血球成分116との混合が防止され、適切に血球成分116を分注できることになる。
なお、上記説明は一例であり、少なくとも、血漿成分112の吸引中において発生した閉塞の原因を判断する工程を有するのであれば、それ以外の工程は、適宜、変更、省略してもよい。
10 制御部、12 筐体、14 可動部、16,17 ラック、18 ノズルチップ取り外し機構、20 筒体取り外し機構、34 ノズルユニット、36 分離剤除去ユニット、40 ノズルチップ、44 筒体、50 検体容器、51 子検体容器、53 廃棄用容器、56 搬送機構、60 チップリムーバ、62,66 廃棄ボックス、64 挟持機構、112 血漿成分、114 分離剤、116 血球成分、117 塊物質。