JP4135329B2 - 検体容器におけるフィブリン塊の除去方法および血液の凝固検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検体容器におけるフィブリン塊の除去方法および血液の凝固検査方法に関するものであり、詳しくは、血液凝固検査で検体容器中に生成したフィブリン塊を簡便に除去でき、検体容器の再生に有効なフィブリン塊の除去方法、ならびに、当該除去方法を利用した血液の凝固検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
臨床検査としての血液の凝固検査においては、血漿が収容された検体容器に凝固試薬を注入した後、所定波長の光を照射し、凝固成分の生成による濁度の変化を一定時間測定することにより、血液の凝固状態を検査する。一方、上記の検査においては、血液成分と試薬の反応によって生成・凝集したゼリー状のフィブリンの塊が検体容器内に残るが、斯かるフィブリン塊は、その保形性および容器に対する付着性により、検体容器から容易に排出できないため、検体容器は、使用後に廃棄している。なお、血液の凝固検査は、通常、生化学血清検査や免疫血清検査と併行し、別個の検査装置を使用して実施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、血液の凝固検査においては、上記の様に、検体個々に高価な検体容器を使い捨てにしなければならないため、検査コストを低減できないと言う問題があり、また、検体容器の廃棄は、資源の有効利用と言う観点からも好ましくない。更に、検体容器を洗浄および再利用する生化学血清検査や免疫血清検査と異なり、凝固検査を行う検査装置は、検体容器の廃棄を前提にしているため、検体容器の供給機構および廃棄機構によって複雑化し且つ大型化する。また、その結果、臨床検査の全ての項目を測定し得る1つの統合された検査装置の開発に至っていないと言う実情もある。
【0004】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、血液の凝固検査で検体容器に生成したフィブリン塊を簡便に除去でき、特に自動検査装置において検体容器の再生に有効なフィブリン塊の除去方法を提供することにある。また、本発明の目的は、上記の除去方法を適用した血液の凝固検査方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る検体容器におけるフィブリン塊の除去方法は、血液の凝固検査において検体容器の中に生成したフィブリン塊を除去する方法であって、検体容器に上方から筒状の除去部材を挿入し、当該除去部材の内部を減圧し、除去部材の内部にフィブリン塊全体を吸引することなく、除去部材の先端側にフィブリン塊の一部を捕捉して引き上げることにより、鎖状に絡み合ったフィブリン塊の連鎖構造を利用して検体容器からフィブリン塊全体を引摺り出すことを特徴とする。
【0006】
すなわち、上記の除去方法においては、検体容器の中のフィブリン塊を捕捉する際、特定の除去部材の吸引操作により、フィブリン塊の一部を捕捉し、そして、検体容器から引摺り出す様に上方へ取り出す。その際、鎖状に絡み合ったフィブリン塊の連鎖構造により、フィブリン塊の全体を検体容器から容易に取り出すことが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に適用する除去部材の一例ならびにフィブリン塊の除去操作の工程を示す一部破断の側面図である。図2は、本発明に適用する除去部材の他の例ならびにフィブリン塊の除去操作の工程を示す一部破断の側面図である。なお、実施形態の説明においては、検体容器におけるフィブリン塊の除去方法を「フィブリン塊の除去方法」又は「除去方法」と略記する。
【0008】
本発明に係るフィブリン塊の除去方法は、図1に示す様に、血液の凝固検査において検体容器(1)の中に生成したフィブリン塊(21)を除去する方法であり、斯かる除去方法においては、検体容器(1)に上方から特定の除去部材(5)を挿入し、除去部材(5)の内部を減圧することにより除去部材(5)の先端側にフィブリン塊(21)を捕捉して引き上げる。
【0009】
血液成分を検査する臨床検査においては、生化学血清検査や免疫血清検査と伴に、血液の凝固時間を測定する。すなわち、血液の凝固検査においては、血漿が収容された所謂キュベット又は反応容器と称する検体容器(以下「検体容器」と言う。)に凝固試薬を順次注入した後、例えば540nmの波長の光を照射し、凝固成分の生成による透過光または散乱光の経時変化、換言すれば、濁度の経時変化を0.1〜2秒の測光間隔で3〜7分間測定することにより、血液の凝固状態の経時変化を測定する。
【0010】
凝固時間の測定に使用される凝固試薬としては、ウサギ脳由来トロボプラスチン及び塩化カルシュウムを主成分とするプロトロンビン時間の測定試薬(PT試薬)、アクチン(ウサギ脳由来セファリン)及び塩化カルシュウムを主成分とする活性化部分トロンボプラスチン時間測定試薬(APTT試薬)、ならびに、牛トロンビンを主成分とするフィブリン量測定用試薬(Fb試薬)が挙げられる。
【0011】
検体容器(1)は、一般的には透明性樹脂材料によって略有底角筒状に形成されている。検体容器(1)の上端には、検査装置の検体搬送用のターンテーブルに載せるための鍔(図示省略)が張出しており、検体容器(1)は、ターンテーブルの保持穴に挿入された際に保持穴の周縁によって鍔が支持される構造を備えている。凝固検査においては、検体としての血漿および上記の試薬を検体容器(1)に分注することにより、フィブリンの凝集によってフィブリン塊(21)が生成する。
【0012】
本発明においては、吸引によってフィブリン塊(21)の一部を捕捉するため、除去部材(5)は、筒状(中空状)の部材から成り且つ吸引管として構成される。除去部材(5)は、ステンレス等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂によって構成される。繰り返して使用するためには金属製のものが望ましい。また、一回の使用毎に廃棄する場合は合成樹脂製のものが使用される。なお、除去部材(5)を都度交換する場合は、検査装置において自動的に付け替える機能が設けられてもよい。
【0013】
除去部材(5)の断面形状は、円形、楕円形の他、適宜の多角形に形成されてもよい。除去部材(5)の外形は、基端(上端)から先端(下端)まで一定の太さに形成されていてもよいし、また、先端部での吸引力を上昇させるために先細りに形成されていてもよい。何れの形態にしても、フィブリン塊(21)を有効に捕捉する観点から、少なくとも除去部材(5)の先端の直径は0.1mm〜3mm、好ましくは0.2mm〜1mmに設定される。また、除去部材(5)の本体の有効長さは、検体容器(1)への挿入深さの観点から、通常、10〜100mm程度とされる。
【0014】
除去部材(5)の基端側は、図示しないが、継手、可撓性の導管を介し、制御弁、減圧タンクおよび真空ポンプから成る吸引装置に接続される。すなわち、除去部材(5)の内部は、吸引操作する際、制御弁の開閉により減圧タンクの圧力に準じて減圧される様になされている。
【0015】
そして、吸引する際の除去部材(5)の内部圧力(吸引圧)は、−50〜−700mmHg(大気圧からの陰圧の程度)、好ましくは−200〜−600mmHgに設定される。除去部材(5)における吸引圧を上記の様に設定する理由は次の通りである。すなわち、吸引圧が小さすぎるとフィブリン塊(21)を確実に補足することができない。また、吸引圧が大きすぎるとフィブリン塊(21)が除去部材(5)の内部まで入り込んで閉塞する虞がある。
【0016】
上記の様な除去部材(5)は、血液の検査装置(図示省略)において搬送された検査済の検体容器(1)に挿入するため、例えば、水平旋回可能で且つ昇降可能なアーム装置(図示省略)に装着して使用される。上記アーム装置は、検査装置において検体容器(1)を洗浄するための洗浄機構として付設されている。
【0017】
本発明の除去方法は、上記の検査装置などによって血液の凝固検査をした後、フィブリン塊(21)が生成した検体容器(1)を洗浄する場合に適用される。本発明の除去方法によるフィブリン塊(21)の除去操作においては、先ず、図1(a)に示す様に、例えば、上記アーム装置により支持した除去部材(5)をアームの操作によって検体容器(1)に上方から挿入する。
【0018】
除去部材(5)の先端は、検体容器(1)で発生したフィブリン塊(21)を確実に捕捉できる位置まで下げることが必要である。フィブリン塊(21)は、通常、検体容器(1)の中心付近から発生するため、除去部材(5)の先端は、検体容器(1)の中心付近まで下げるのが好ましい。除去部材(5)の先端の挿入位置は、検体容器(1)の底面から当該検体容器の高さの20%〜80%に相当する位置、好ましくは40%〜60%に相当する位置である。
【0019】
図1(b)に示す様に、検体容器(1)に除去部材(5)を挿入してフィブリン塊(21)に接触させた後、吸引装置の制御弁を瞬間的に開閉操作することにより、除去部材(5)の内部を減圧にする。斯かる減圧操作により、除去部材(5)の内部にフィブリン塊(21)の一部を吸引でき、除去部材(5)の先端側にフィブリン塊(21)の一部を捕捉できる。
【0020】
そして、図1(c)に示す様に、アームの操作によって除去部材(5)を引き上げることにより、検体容器(1)からフィブリン塊(21)を引き出す。フィブリン塊(21)が除去部材(5)の先端に確実に補足されている限り、除去部材(5)の引き上げ速度はさほど重要ではないが、装置の駆動部分の制約上、現実的には約10〜500mm/毎秒の速度で引き上げられる。
【0021】
すなわち、本発明の除去方法においては、検体容器(1)中のフィブリン塊(21)を捕捉する際、特定の除去部材(5)による吸引操作により、フィブリン塊(21)の一部を捕捉し、そして、検体容器(1)から引摺り出す様に上方へ取り出す。その際、鎖状に絡み合ったフィブリン塊(21)の連鎖構造により、フィブリン塊(21)の全体を検体容器(1)から容易に取り出すことが出来る。
【0022】
なお、除去部材(5)で捕捉したフィブリン塊(21)は、従来法に従って廃棄処理される。除去部材(5)を再利用する場合は、例えば、他の流路から供給した洗浄水を除去部材(5)の先端から吐出させることにより、捕捉したフィブリン塊(21)を廃棄し且つ除去部材(5)の内部を洗浄する。そして、更に洗浄槽などに移送して流水により除去部材(5)の外部を洗浄する。除去部材(5)を再利用した場合には、除去部材(5)の交換の手間や交換コストを削減できる。
【0023】
また、除去部材(5)を廃棄する場合は、従来の検体容器の廃棄におけるのと同様の方法に従い、捕捉したフィブリン塊(21)と共に廃棄処理される。除去部材(5)を廃棄した場合には、洗浄コストが不要であり、かつ、洗浄機構が必要ないので検査装置全体を小型化し得る。
【0024】
また、本発明の除去方法においては、図1に示す構造の除去部材(5)に替え、図2に示す様な構造の除去部材(5)を使用することも出来る。図2に示す除去部材(5)は、先端側の構造および先端の大きさが異なる点を除き、前述の態様の除去部材(5)と略同様である。
【0025】
具体的には、除去部材(5)の先端の大きさ(外径)は、検体容器(1)の開口部の短辺の長さの40%〜95%、好ましくは50%〜90%に相当する口径に設定される。除去部材(5)の先端の大きさについては、検体容器(1)へ円滑に挿入し得る大きさであればよいが、あまり小さすぎるとフィブリン塊(21)を確実に捕捉することが出来ないので好ましくない。
【0026】
更に、除去部材(5)の先端側には、網目状のフィルタ(51)が設けられる。捕捉したフィブリン塊(21)を洗浄操作によって洗い落とすことを前提とした場合、フィルタ(51)は、図示する様に、除去部材(5)の最先端部に取り付けられるか、あるいは、内部に0.1〜5mm程度入り込んだ位置に取り付けられるのが好ましい。フィルタ(51)は、通常、接着、溶接、ねじ止め、嵌合などによって除去部材(5)の先端に取り付けられる。
【0027】
フィルタ(51)の網の材料としては、ステンレス等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂が挙げられる。繰り返して使用するためには金属製のものが望ましい。また、廃棄を前提とした場合には、濾紙を使用することも出来る。更に、廃棄する場合には、フィルタ(51)のみを交換してもよく、また、除去部材(5)全体を交換してもよい。
【0028】
フィルタ(51)の網目間隔は、フィブリン塊(21)の大きさからして0.01mm〜1mmに設定される。特に、網目間隔が大きすぎる場合には、フィブリン塊(21)が網目を通過し、フィルタ(51)の表面に捕捉できない。また、網目間隔が小さすぎる場合には、目詰まりを惹起して捕捉力が低下したり、絡み付きから洗浄が困難になる。斯かる理由から、フィルタ(51)を繰り返して使用する場合には、フィルタ(51)の網目間隔は0.1mm〜0.5mmが好ましく、交換する場合(1回毎に廃棄する場合)には、フィルタ(51)の網目間隔は0.01mm〜0.5mmが好ましい。
【0029】
図2に示す除去部材(5)の素材、断面形状、外形、有効長さ、接続される吸引装置、吸引圧力、操作条件などは、図1に示す除去部材(5)におけるのと同様である。すなわち、図2に示す除去部材(5)を使用した本発明の除去方法は、前述の態様と同様であり、先ず、図2(a)に示す様に、上記アーム等の操作によって除去部材(5)を検体容器(1)に上方から挿入する。
【0030】
次いで、図2(b)に示す様に、検体容器(1)に挿入した除去部材(5)をフィブリン塊(21)に接触させた後、除去部材(5)の内部を瞬間的に減圧することにより、フィルタ(51)の表面(下面)にフィブリン塊(21)の一部を吸着し、除去部材(5)の先端側にフィブリン塊(21)の一部を捕捉する。そして、図2(c)に示す様に、除去部材(5)を引き上げることにより、検体容器(1)からフィブリン塊(21)を引き出す。
【0031】
なお、除去部材(5)で捕捉したフィブリン塊(21)は、前述の態様と同様に、従来法に従って廃棄処理される。そして、除去部材(5)の交換の手間や交換コストを削減するため、前述の態様と同様にして除去部材(5)及びフィルタ(51)を洗浄して再利用してもよい。また、洗浄コストを削減し、検査装置全体を小型化するため、捕捉したフィブリン塊(21)と共に除去部材(5)及びフィルタ(51)を廃棄処理してもよい。更に、捕捉したフィブリン塊(21)と共にフィルタ(51)だけを廃棄処理してもよい。
【0032】
また、本発明の除去方法によって上記の様に検体容器(1)からフィブリン塊(21)を除去することにより、検体容器(1)を容易に再生することが出来る。すなわち、検体容器を再生するには、本発明の除去方法によって検体容器(1)中のフィブリン塊(21)を除去した後、検体容器(1)に残存した液体成分(反応残液)(22)(図1(c)及び図2(c)参照)を排出し、次いで、洗浄液によって検体容器(1)を洗浄する。液体成分(22)は、検体容器(1)を転倒させることによって所定の廃棄ポット等に排出してもよいし、あるいは、吸引装置によって吸引除去してもよい。また、洗浄液による洗浄は、通常、アルカリ洗浄および純水洗浄を組み合わせて実施する。
【0033】
上記の様に、本発明の除去方法によれば、凝固検査などで検体容器(1)に生成したフィブリン塊(21)を特定の除去部材(5)によって極めて簡便に除去できるため、検査に使用した検体容器(1)を洗浄処理して再生することが出来る。従って、特に、自動化された検査装置を構築する場合、多数の検体容器の廃棄処理機構を設ける必要がないため、装置構成を小型化できる。また、その結果、生化学血清検査、免疫血清検査および血液凝固検査の全ての臨床検査を実施し得る統合された検査装置を構築できる。
【0034】
また、臨床検査の手順として前述した通り、上記の除去方法を利用した本発明に係る血液の凝固検査方法は、検体容器(1)の中に血漿および凝固試薬を注入する工程、血漿の凝固状態の経時変化を測定する工程、検体容器(1)の中に生成したフィブリン塊(21)を除去する工程、および、検体容器(1)の中を洗浄する工程から主として構成され、かつ、斯かる検査方法においては、洗浄後の検体容器(1)を使用して前記の各工程を繰り返す。そして、フィブリン塊(21)を除去する工程を行うにあたり、前述の通り、検体容器(1)に上方から筒状の除去部材(5)を挿入し、除去部材(5)の内部を減圧することにより除去部材(5)の先端側にフィブリン塊(21)を捕捉して引き上げる。この様な本発明の検査方法によれば、上記の除去方法を適用してフィブリン塊を除去し、検体容器(1)を再利用するため、資源の有効利用を図ることが出来、そして、検査コストを一層低減できる。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る検体容器におけるフィブリン塊の除去方法によれば、鎖状に絡み合うフィブリン塊の連鎖構造を利用し、吸引可能な特定の除去部材によるフィブリン塊の部分的な捕捉によってフィブリン塊の全体を保持することにより、検体容器からフィブリン塊を容易に取り出すことが出来る。従って、検査に使用した検体容器を洗浄処理して容易に再生することが出来、特に、自動化された検査装置を構築する場合、多数の検体容器の廃棄処理機構を設ける必要がないため、装置構成を小型化でき、また、その結果、生化学血清検査、免疫血清検査および血液凝固検査の全ての臨床検査を実施し得る統合された検査装置を構築できる。そして、本発明の検査方法によれば、上記の除去方法によってフィブリン塊を除去し、検体容器を再利用するため、検査コストを一層低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用する除去部材の一例ならびにフィブリン塊の除去操作の工程を示す一部破断の側面図
【図2】本発明に適用する除去部材の他の例ならびにフィブリン塊の除去操作の工程を示す一部破断の側面図
【符号の説明】
1 :検体容器
21:フィブリン塊
5 :除去部材
51:フィルタ
Claims (5)
- 血液の凝固検査において検体容器(1)の中に生成したフィブリン塊(21)を除去する方法であって、検体容器(1)に上方から筒状の除去部材(5)を挿入し、除去部材(5)の内部を減圧し、除去部材(5)の内部にフィブリン塊(21)全体を吸引することなく、除去部材(5)の先端側にフィブリン塊(21)の一部を捕捉して引き上げることにより、鎖状に絡み合ったフィブリン塊(21)の連鎖構造を利用して検体容器(1)からフィブリン塊(21)全体を引摺り出すことを特徴とする検体容器におけるフィブリン塊の除去方法。
- 除去部材(5)の先端の直径が0.1mm〜3mmに設定されている請求項1に記載のフィブリン塊の除去方法。
- 除去部材(5)の先端側に網目状のフィルタ(51)が設けられている請求項1に記載のフィブリン塊の除去方法。
- フィルタ(51)の網目間隔が0.01mm〜1mmに設定されている請求項3に記載のフィブリン塊の除去方法。
- 検体容器(1)の中に血漿および凝固試薬を注入する工程、血漿の凝固状態の経時変化を測定する工程、検体容器(1)の中に生成したフィブリン塊(21)を除去する工程、および、検体容器(1)の中を洗浄する工程を含み、かつ、洗浄後の検体容器(1)を使用して前記の各工程を繰り返す血液の凝固検査方法であって、フィブリン塊(21)を除去する工程を行うにあたり、検体容器(1)に上方から筒状の除去部材(5)を挿入し、除去部材(5)の内部を減圧し、除去部材(5)の内部にフィブリン塊(21)全体を吸引することなく、除去部材(5)の先端側にフィブリン塊(21)の一部を捕捉して引き上げることにより、鎖状に絡み合ったフィブリン塊(21)の連鎖構造を利用して検体容器(1)からフィブリン塊全体(21)を引摺り出すことを特徴とする血液の凝固検査方法。
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