JPH09257808A - 分注装置 - Google Patents

分注装置

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JPH09257808A
JPH09257808A JP7045296A JP7045296A JPH09257808A JP H09257808 A JPH09257808 A JP H09257808A JP 7045296 A JP7045296 A JP 7045296A JP 7045296 A JP7045296 A JP 7045296A JP H09257808 A JPH09257808 A JP H09257808A
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JP
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nozzle
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ultrasonic
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tip
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Application number
JP7045296A
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English (en)
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Masaaki Takeda
雅明 竹田
Toru Matsuda
徹 松田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分注装置において、試料吸引時に超音波を利
用して試料容器内の試料の様子を診断して分注異常を未
然に防止する。 【解決手段】 ノズル10には超音波センサ18が設け
られ、ノズル10を介して試料22内が超音波診断され
る。超音波診断部40は、容器20の内底面の位置の検
出、試料22に含まれる分離剤の位置の検出、試料22
に含まれる異物の検出、及び液面からのノズル先端の離
脱の検出などの機能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分注装置に関し、特
に、超音波を利用した試料の診断に関する。
【0002】
【従来の技術】分注装置は、試料(元検体)が入った試
料容器から試料を吸引し、その吸引試料を複数の容器に
分配するための装置である。かかる分注装置において、
試料の吸引・吐出は、吸引圧力及び吐出圧力を発生する
分注ポンプにエアチューブを介して接続されたノズルに
よって行われる。近年、金属製のノズル基部に、樹脂な
どからなるノズルチップを装着し、ノズルを部分的にデ
ィスポーザブル化したものが普及している。なお、本明
細書では、便宜上、試料の吸引のみを行う装置も分注装
置の概念に含めることにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
分注装置では、分注に先立って試料容器内の試料状態
(様子)を総合的に診断することは行われていなかっ
た。例えば、血液試料内にフィブリン集積物などが存在
していると、吸引を行う際にノズル先端開口の閉塞など
を引き起こす可能性があるが、そのような異物を吸引に
先立って検出できれば、ノズル先端開口の閉塞などを未
然に防止できる。これと同様に、試料内に気泡層などが
存在すると、ノズルによって試料の吸引を行う場合にそ
の気泡層中のエアが吸い込まれて吸引量に誤差が生じる
ような場合もあるが、そのような異物についても吸引以
前に検知できれば分注の信頼性を向上できる。なお、試
料容器に沿って光を透過させ、その光量変化から異物の
検知を光学的に行うことも可能であるが、それは試料容
器が透明である場合に限られ、また、試料の透明度が低
い場合にはフィブリン集積物などを検出できない。
【0004】また、遠心分離後の血液試料においては、
血清と血球(赤血球)とが分離剤を仲立ちとして分離さ
れており、血清の吸引時には、分離剤の吸引によるノズ
ル先端開口の閉塞を防止する必要がある。したがって、
分離剤の上面の位置(高さ)を検出し、それに応じてノ
ズルの下降制御を行うことが望まれる。
【0005】さらに、試料吸引に先立って、分注制御部
には試料容器の種別などのデータがあらかじめ与えられ
ており、そのデータに従ってノズル下降制御を行ってい
るが、試料容器がラックに適正に保持されておらず、浮
き上がっていたりあるいは傾いていたりすると、吸引を
行いながらノズルを下降させた際にノズル先端が試料容
器の底に衝突してしまうという問題がある。
【0006】なお、従来の分注装置において、ノズルに
よって試料の吸引を行う場合には、まず、液面検出によ
って検出された液面内にノズル先端を所定量挿入させ、
その状態で吸引を開始し、液面の下降に従ってノズル位
置を下降させる追従制御が行われるが、何らかの事情で
ノズル先端が液面から離脱すると、エアを吸い込んでし
まう。このため、そのエアの吸い込みを迅速に判定する
ことが望まれる。
【0007】なお、特開平7−146168号公報や特
開平6−341998号公報には、超音波振動子を備え
た超音波伝播体(又はノズル)を利用して液面検出を行
うことが記載されているが、試料容器内の超音波診断に
ついては何ら言及されていない。
【0008】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、試料吸引時に試料容器内の試
料の状態(様子)を診断し、これによって分注異常を未
然に検知して分注の信頼性を向上することができる分注
装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の目的は、光学的な測定によ
らずに、試料容器の内底面の高さを測定でき、あるいは
分離剤上面の高さを測定できる分注装置を提供すること
にある。
【0010】また、本発明の目的は、試料吸引に伴う液
面下降に追従させてノズルを下降させる追従制御におい
て、ノズルの液面からの離脱を判定できる分注装置を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、試料を吸引するノズルと、前記ノズルの
基端側に設けられ、前記ノズルを介して超音波の送受波
を行う超音波センサと、前記超音波センサからの受信信
号に基づいて、前記ノズルの先端部が接触している試料
を超音波診断する超音波診断手段と、を含むことを特徴
とする。
【0012】上記構成によれば、超音波センサにて発生
した超音波はノズルを通過して、その先端が接触してい
る試料内へ伝達される。そして試料内(試料容器の内底
面を含む)で反射した反射波が再びノズルを通過して超
音波センサにて受波される。よって、その受信信号を解
析することにより、試料の様子を超音波診断でき、その
超音波診断結果を分注制御に利用できる。
【0013】本発明の好適な態様では、前記超音波診断
手段は試料の中に含まれる異物を検出する異物検出手段
を含む。すなわち、フィブリン集積物などの異物が試料
内に存在していれば、その存在が反射波として現れるの
で、それによって異物の存在や位置を検出するものであ
る。
【0014】本発明の好適な態様では、前記試料は遠心
分離後の血液試料であり、前記超音波診断手段は試料容
器内における分離剤の表面位置を検出する分離剤検出手
段を含む。すなわち、高粘性の分離剤は良好な超音波反
射体であり、その反射波が得られるまでの時間を計測す
ることにより、分離剤の位置を把握できる。なお、下降
制御手段は、分離剤へノズル先端が接触する以前でノズ
ルの下降を停止するために、前記分離剤の表面位置に基
づいて前記ノズルの下降制御を行う。
【0015】本発明の好適な態様では、前記超音波診断
手段は試料容器の内底位置を検出する内底検出手段を含
む。すなわち、ノズルから試料に伝達された超音波は試
料内を通過し、試料の最下面に相当する試料容器の内底
面で反射するため、その反射波が得られるまでの時間か
ら、内底面の高さを演算できる。なお、下降制御手段
は、内底面へのノズル先端の接触を防止するために、内
底面の高さに基づいて前記ノズルの下降制御を行う。
【0016】本発明の好適な態様では、前記内底位置に
基づいて試料容器の異常を判定する容器異常判定手段を
含む。すなわち、内底面の位置が正常でない場合には、
試料容器自体が誤っていることや試料容器が傾いている
可能性などが考えられ、いずれにしても適正分注を期待
できないので、例えばアラームが発生される。
【0017】また、本発明の好適な態様では、受信信号
に基づいて、試料吸引時にノズル先端が試料の液面から
離脱する状態を判定する離脱判定手段を含む。すなわ
ち、追従制御により液面下降に追従させてノズル下降を
行っている際に、ノズルの下降速度が液面の下降速度よ
りも遅くなると、液面からノズル先端が離脱するが、こ
の場合、超音波は試料内に伝達されず、試料内からの反
射波が途絶えると共にノズル先端面での反射波の強度が
大きくなるため、そのような反射波の変化をもってノズ
ルの液面からの離脱を判定するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。
【0019】図1には、本発明に係る分注装置の好適な
実施形態が示されており、図1はその全体構成図であ
る。試料の吸引及び吐出を行うノズル10は、この実施
形態において、金属製のノズル基部12と透明な樹脂な
どで成形されたノズルチップ14とで構成される。ノズ
ル基部12の下端には、外面がテーパ状のチップ装着部
12Aが形成され、そのチップ装着部12A内に、ノズ
ルチップ14の上端部14Aが着脱自在に嵌合する。こ
のノズルチップ14は、いわゆるディスポーザブルに使
用されるものであり、1つの試料の分注後には、次の試
料の分注に先立ってノズルチップ14が交換される。
【0020】ノズル基部12の上端部12Bには、超音
波振動子を内蔵した小型の超音波センサ18が配置され
ている。その超音波センサ18の送受波面は、超音波伝
達のために上端部12Bに接合されている。ノズルチッ
プ14は、その先端部が先細に成形されてテーパ状とな
っており、その先端には微小孔としての開口14Bが形
成されている。なお、その開口14Bの直径は、例え
ば、0.5〜0.7mmである。
【0021】容器20内には吸引対象としての試料22
が入れられており、その容器20はラック24により垂
直に保持されている。なお、図1には、吸引を行うため
にノズル10を下降させ、その先端を試料22に接触
(挿入)させた状態が示されている。
【0022】ノズル基部12のコネクタ部12Cにはエ
アチューブ26を介してエアポンプ28が連結されてい
る。このエアポンプ28は、分注ポンプとして機能する
もので、具体的にはシリンジ30とピストン32とで構
成される。シリンジ30に対するピストン32の移動量
に応じて、吸引圧力又は吐出圧力が発生する。その圧力
変化は、エアチューブ26を介してノズル10の内部に
伝達され、試料の吸引や吐出が行われる。ポンプ28は
ポンプ駆動機構34によって機械的に駆動される。ノズ
ル10は、ノズル搬送機構36によって昇降自在、水平
移動自在に保持されている。具体的には、ノズル基部1
2がノズル搬送機構36に保持されている。
【0023】図1において、分注制御部38は、例えば
コンピュータで構成されるものであり、受信信号に基づ
いて試料内の超音波診断を行う超音波診断部40を有す
る。分注制御部38は、超音波診断結果に基づきなが
ら、吸引時・吐出時におけるノズル昇降制御及びポンプ
駆動制御を行うものである。分注制御部38から送信ト
リガが送信部44に与えられると、送信部44から超音
波センサ18に対して送信信号が供給され、これにより
超音波センサ18から超音波パルスが放射される。
【0024】図2において、伝搬経路100示すよう
に、この超音波パルスは、ノズル10自体を伝搬し、ノ
ズル10が接触している媒体(試料22)に伝達され
る。試料内や容器20の内底面で反射した反射波は、再
びノズル10を通って超音波センサ18にて受波され
る。なお、超音波は周知のように音響インピーダンスの
異なる境界面で反射する性質を有する。
【0025】図1に戻って、超音波センサ18からの受
信信号は、受信部46で増幅、検波、ノイズ除去などの
処理がなされた後、分注制御部38内の超音波診断部4
0に送られ、その超音波診断部40が受信信号に基づい
て各種の判定や演算を行う。後述のように、超音波診断
部40は試料内の様子を診断する機能を有し、具体的に
は、内底面検出機能、分離剤検出機能、液量演算機能、
異物検出機能、離脱判定機能、などを有する。
【0026】超音波センサ18から放射される超音波パ
ルスの中心周波数は、伝搬媒体がノズル10であること
及びノズル10の形態などを考慮しつつ、例えば数十K
Hzから数MHzの間のいずれかの値に設定される。そ
の超音波パルスの送信繰り返し周期は、超音波センサ1
8から容器20の底壁までの距離を超音波パルスが往復
する時間よりも大きい値に設定される。超音波パルスを
構成する波の波数は、距離分解能や信号強度を考慮して
適宜設定するのが望ましい。
【0027】上記超音波センサ18においては、送波用
振動子と受波用振動子の2つの振動子が内蔵されている
が、例えば、送受信一体型の超音波振動子を利用するこ
ともできる。
【0028】ちなみに、チップ装着部12Aと上端部1
4Aとの間の装着面で超音波の反射を少なくするために
は、嵌合状態を強固にして一体部材化を図るとともに、
ノズル基部12とノズルチップ14の音響インピーダン
スをできるだけ合わせる(音響整合を図る)ことが望ま
れる。例えば、ノズル基部12における少なくとも超音
波伝搬部分をノズルチップと同様の部材(例えば樹脂)
などで形成することも考えられる。なお、ノズルチップ
14は先細形状を有するため、超音波集束効果を期待で
きる。
【0029】次に、図1に示した超音波診断部40の各
機能について説明する。まず最初に内底面検出機能につ
いて説明する。
【0030】図3、図5、図7、図9には、本発明の原
理を説明するために受信信号が模式的に例示されてい
る。各図における横軸は送信時からの経過時間を示す時
間軸であり、縦軸は反射波の強度を示す受信信号レベル
を示している。
【0031】図3において、受信信号には装着部12A
と上端部14Aの境界面で生じる装着部エコー200が
含まれ、またノズルチップ14の先端面での反射を示す
端面エコー202及び容器20の内底面での反射を示す
内底面エコー204が含まれている。もちろん、受信信
号中には細かいノイズや各部分での反射波が含まれる
が、図においてはそのようなノイズ成分が図示省略され
ている。また、一般に反射波の強度は超音波センサ18
から離れるにしたがって弱くなるが、図においては深い
方の反射波が誇張して示されている。なお、受信部46
において適当な波高弁別及び深さに応じた増幅度制御な
どを行えば、各図に示すような受信信号を得ることも可
能である。
【0032】図3に示すように、送信時から内底面エコ
ー204までが生じる時間t1を計測すれば、その時間
t1に基づいて容器20の内底面の位置すなわち試料2
2の最深部の位置を演算することが可能である。この場
合、ノズル基部12、ノズルチップ14及び試料22の
各層における超音波の伝搬速度を別個に考慮すればより
正確に内底面の高さを演算できる。また、図2に示すノ
ズルチップ14の先端から内底面までの距離h1は、図
3に示すように端面エコー202から内底面エコー20
4までの時間t2 に基づいて容易に演算できる。この場
合、ノズル10の下降の際に液面検出が行われ、液面の
高さを特定できるので、本来の液面から内底面までの距
離を演算することも可能である。
【0033】この演算によれば容器20内における試料
22の液量を演算することも可能である。もちろん、ノ
ズルチップ14の先端の高さと液面の高さが同一視でき
るような場合には、距離h1に相当する液量を試料22
の液量とみなしてもよい。
【0034】このように超音波診断部40によって内底
面の高さが検出されると、分注制御部38は、その内底
面の高さに基づいてノズル10の下降制御を行う。具体
的には、試料吸引と共に下降する液面に追従させてノズ
ル10を下降させる際に、内底面にノズルチップ14の
先端が接触しないようにノズル10の下降を停止させ
る。これによって、内底面へのノズルの衝突を未然に防
止することが可能である。
【0035】また、超音波診断部40は、検出された内
底面の高さに基づいて容器20の異常の判定も行ってい
る。すなわち、容器20が傾いていたりあるいは異なる
容器20がセットされていたような場合には、内底面の
高さが異なる可能性があるので、あらかじめ求められた
内底面の高さと実際に検出された内底面の高さとを比較
し、両者が不一致である場合には容器異常を判定する。
これにより例えばアラームが発生する。
【0036】次に、超音波診断部40の分離剤検出機能
について説明する。図4には、遠心分離後の血液試料が
示されている。血液試料は分離剤102によって上側の
血清成分104と下側の血球成分106とに分離されて
いる。このような血液試料に対してノズル10によって
血清の吸引を行う場合、ノズル10の先端が分離剤10
2に接触してノズル10の先端開口が閉塞されることを
防止する必要がある。図5には、図4に示すような状態
で血液試料に対する超音波診断を行った場合の受信信号
が示されている。図5に示されるように、端面エコー2
02及び内底面エコー204の他に分離剤の表面エコー
208及び分離剤の裏面エコー210が生じている。そ
こで、その分離剤表面エコー208を検知することによ
って、分離剤102の表面の高さを演算することが可能
である。具体的には、例えば送信から分離剤表面エコー
208が生じるまでの時間t3に基づいてその位置が演
算される。また、ノズル10の先端から分離剤表面まで
の距離h2は例えば図5に示すように端面エコー202
から分離剤表面エコー208までの時間t4に基づいて
演算することができる。分注制御部38は、このように
分離剤の表面の高さが演算されると、その表面の高さに
基づいてノズル10の下降制御を行う。具体的には、分
離剤102にノズル10の先端が接触しないように下降
停止制御を行っている。
【0037】なお、分離剤表面エコー208を検出する
場合には、例えば所定のしきい値206を設定し、その
しきい値206を超えるエコーの中で送信から所定番目
のエコー(例えば2番目のエコー)を特定することによ
って分離剤表面エコー208を判別することが可能であ
る。もちろん、端面エコー202及び内底面エコー20
4などに比べて分離剤102の表面エコー208のレベ
ルが極端に異なる場合には適切なしきい値206の設定
によりその分離剤表面エコー208のみを抽出すること
も可能である。もちろん、深さに応じて、しきい値20
6のレベルを可変させてもよい。また、端面エコー20
2の発生位置はノズルチップ14の長さなどから既知と
なるのでそのエコーを排除したゲート信号を発生させ注
目する範囲内において分離剤表面エコー208をサーチ
してもよい。
【0038】図6には、試料22内に異物108が含ま
れている場合が示されている。この異物は、例えば海綿
状あるいは繊維状のフィブリンが集積したものである。
このような異物108が試料22内に含まれると、図7
に示すように、受信信号中において端面エコー202及
び内底面エコー204の間に異物エコー212が生じる
ことになる。そこで、所定のしきい値206を設定すれ
ばそのような異物エコー212を判別することが可能で
ある。この場合、上述したように、端面エコー202と
内底面エコー204との間に異物エコー212を検知す
るためのゲート期間などを設定し、その期間内において
異物エコー212をサーチしてもよい。図6に示すよう
に、ノズル10の先端から異物108までの距離h3
は、端面エコー202から異物エコー212が生じるま
での時間などに基づいて容易に算出できる。
【0039】図8には、試料吸引時におけるエアの吸い
込みが示されている。ノズル10によって試料22を吸
引する場合、その試料22の液面下降に追従させてノズ
ル10を下降させる追従制御が行われる。しかしなが
ら、何らかの事情によって試料22の液面からノズル1
0の先端が離脱すると、ノズル10内にエアが取り込ま
れすなわちショートサンプルが生じることになる。図9
には、そのようなノズルの離脱が生じた場合の受信信号
が示されている。図9に示すように、端面エコー202
が通常よりも大きくなると共に、その端面エコー202
よりも後には、試料22あるいは内底面に相当するよう
な反射波が消失する。そこで、しきい値206を利用し
て端面エコー202よりも後のエコーの存在を確認する
ことにより、あるいは通常の端面エコー202よりも高
いレベルに設定されたしきい値214を利用して端面エ
コー202の増大を検出することによって、図8に示す
ようなノズルの離脱を容易に判別するものである。分注
制御部38は、このようなノズルの離脱が生じた場合、
必要に応じてアラームを発生させ、あるいは試料22の
吐き戻し後に再吸引を行わせるなどの制御を行う。
【0040】図10には、本発明に係る分注装置の動作
がフローチャートとして示されている。
【0041】図1において、S101では、分注制御部
38の制御の下、ノズル10が下方に引き下げられ、所
定の液面検出が行われて、ノズル10の先端が試料22
内に所定量挿入される。そして、S102では、分注制
御部38から送信トリガが出力され、超音波センサ18
によって超音波診断が開始される。S103では、通常
の試料に対する分注かあるいは遠心分離後の血液試料に
対する分注かが判断され、通常の分注の場合にはS10
4において、上述したように受信信号に基づいて内底面
の位置が検出され、必要に応じてノズル先端から内底面
までの距離が演算される。これと共に、演算された内底
面の位置に基づいて容器の異常が判定される。この場
合、容器異常が認められれば、S112においてアラー
ムが出力される。
【0042】一方、S103において遠心分離後の血液
試料に対する分注であると認められると、S105にお
いて上述したように受信信号に基づいて分離剤の位置が
検出され、必要に応じてノズル先端から分離剤までの距
離が演算される。この場合、その分離剤の位置が予想さ
れる範囲内にないような場合、すなわち遠心分離前の血
液試料であるような場合には異常が判定され、S112
においてアラームが出力される。
【0043】S106においては、上述したように受信
信号に基づいて試料22内に含まれる異物が検出され
る。ここで、異物には、例えば上述したフィブリン集積
体などの他、気泡層なども含まれる。S107において
は、分注制御部38の制御によってポンプ28が駆動さ
れ、これによってノズル10による吸引が開始される。
これと共に、S108においては液面の下降に追従させ
てノズルが下方に引き下げられる制御が行われる。S1
09では、そのような追従下降における受信信号に基づ
いて上述したようにノズルの液面からの離脱が判定され
る。この場合、ノズルが液面から離脱してエアが吸引さ
れるような状態になった場合には、S112においてア
ラームが出力される。
【0044】S110においては、吸引終了か否かが判
断され、吸引続行であると判定されるとS108からの
各ステップが繰り返し実行され、吸引が終了するとS1
11において吸引が停止されると共に送受波が停止され
る。これと共にノズル10が上方に引き上げられ、他の
容器への分注がなされる。
【0045】以上説明したように、本実施形態の分注装
置によれば、試料の総合的な超音波診断を行った上で分
注を行うことができ、分注の信頼性を向上することがで
きる利点がある。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料吸引時に試料容器内の試料の状態を超音波診断し
て、これによって分注異常を未然に検知でき、分注の信
頼性を向上することができる。また、本発明によれば、
光学的な測定によらずに試料用の内底面の高さや分離剤
上面の高さなどを測定することができる。さらに、本発
明によれば、超音波診断結果に基づいて吸引時における
吸引異常を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る分注装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 超音波の伝搬経路を示す図である。
【図3】 超音波センサからの受信信号を模式的に示す
図である。
【図4】 遠心分離後の血液試料に対する超音波診断を
示す図である。
【図5】 超音波センサからの受信信号を模式的に示す
図である。
【図6】 試料内に異物が含まれる場合における超音波
診断を示す図である。
【図7】 超音波センサからの受信信号を模式的に示す
図である。
【図8】 液面からのノズルの離脱を示す図である。
【図9】 超音波センサからの受信信号を模式的に示す
図である。
【図10】 本発明に係る分注装置の動作例を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10 ノズル、12 ノズル基部、14 ノズルチップ
18 超音波センサ、22 試料、28 ポンプ、3
4 ポンプ駆動機構、36 ノズル搬送機構、38 分
注制御部、40 超音波診断部、100 超音波伝搬経
路。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を吸引するノズルと、 前記ノズルの基端側に設けられ、前記ノズルを介して超
    音波の送受波を行う超音波センサと、 前記超音波センサからの受信信号に基づいて、前記ノズ
    ルの先端部が接触している試料を超音波診断する超音波
    診断手段と、 を含むことを特徴とする分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記超音波診断手段は試料の中に含まれる異物を検出す
    る異物検出手段を含むことを特徴とする分注装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、 前記試料は遠心分離後の血液試料であり、 前記超音波診断手段は試料容器内における分離剤の表面
    位置を検出する分離剤検出手段を含むことを特徴とする
    分注装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の装置において、 前記分離剤の表面位置に基づいて前記ノズルの下降制御
    を行う下降制御手段を含むことを特徴とする分注装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置において、 前記超音波診断手段は試料容器の内底面位置を検出する
    内底検出手段を含むことを特徴とする分注装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の装置において、 前記内底面位置に基づいて前記ノズルの下降制御を行う
    下降制御手段を含むことを特徴とする分注装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の装置において、 前記内底面位置に基づいて試料容器の異常を判定する容
    器異常判定手段を含むことを特徴とする分注装置。
  8. 【請求項8】 試料を吸引するノズルと、 前記ノズルの基端側に設けられ、前記ノズルを介して超
    音波の送受波を行う超音波センサと、 前記超音波センサからの受信信号に基づいて、試料吸引
    時にノズル先端が試料の液面から離脱する状態を判定す
    る離脱判定手段を含むことを特徴とする分注装置。
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