ところで、このようなパチンコ機において、従来、表示画面に、当たりに関与する図柄(メイン図柄)と関与しない図柄(ブランク図柄)が表示されるものがある。メイン図柄は同じ種類のものが1つのライン上に揃うと大当たり図柄配列を形成するのに対し、ブランク図柄は同じ種類のものが1つのライン上に揃っても大当たり図柄配列とはならない。また、一般にメイン図柄が遊技者が視認し易い大きさで表示される一方、ブランク図柄は当たりに関与しないため目立たない(メイン図柄よりも小さい)大きさで表示されるようになっている。このように、上記従来のパチンコ機では、ブランク図柄は、単にはずれ図柄配列を構成するに過ぎずメイン図柄のようにリーチ演出や大当たり演出等に用いられることがないゆえ、図柄表示列にブランク図柄が表示されても遊技者の抱くリーチや大当たりに対する期待感を今一歩増加させることができなかった。
そこで本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、表示画面に図柄を変動させて表示する遊技機において、表示画面の図柄が変動を開始してから特定の表示態様を形成するまでの遊技過程に新規な興趣を与え、遊技者の期待感を増加させることができる技術を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明における遊技機は請求項1〜8に記載した通りに構成されている。なお、本発明は、表示画面に図柄を変動させて表示する遊技機において、本来当たりに関与しない図柄(ブランク図柄)をリーチ演出や当たり演出等に用い、当たりに関与させることによって演出効果を高め、遊技者の期待感を増加させるようにした技術である。
請求項1に記載した遊技機では、表示画面において当たりに関与する第1図柄と当たりに関与しない第2図柄が変動するようになっている。この第1図柄は、本来当たりに関与するものであり、好適には遊技者に当たりを認識させ易い図柄、例えば「1」〜「9」の数字を用いることができる。また、第2図柄は、本来当たりに関与しないものであり、例えば星マーク、ハートマーク等を用いることができる。一方、特典の付与に関する抽選を行うようになっている。そして、その抽選の結果が当たりになると、遊技者に特典が付与されることとなる。例えば、パチンコ機において、第1種始動口にパチンコ球が入賞したとき各種の乱数が読み込まれ、その乱数に基づいた表示パターンに応じて表示画面に第1図柄、第2図柄が表示されることとなる。この場合、大当たりとなる表示パターンが選択されると、通常は、第1図柄によって大当たり図柄配列が形成されるようになっている。更に、本発明の遊技機では、遊技者に特典が付与される場合、所定の表示パターン(第2図柄を含む特定の表示態様を形成させるパターン)が選択されたとき、少なくとも本来当たりに関与しない状態の第2図柄を含んだ特定の表示態様が形成されるようになっている。すなわち、本発明でいう「特定の表示態様」とは、本来当たりに関与しない図柄を用いて形成される表示態様であって、ここでは、第2図柄のみによって形成される場合や、第1図柄と第2図柄の組み合わせによって形成される場合がある。例えば、表示画面に、当たりに関与するメイン図柄(第1図柄)と関与しないブランク図柄(第2図柄)を表示するパチンコ機において、本来ブランク図柄(第2図柄)は同じ種類のものが1つのライン上に揃っても大当たり図柄配列は形成されないが、このブランク図柄(第2図柄)によって大当たり図柄配列が形成されることとなる。また、このブランク図柄(第2図柄)によってリーチ図柄配列を形成させ大当たり図柄配列を形成させないパターンが選択されたときは、一旦リーチ図柄配列が形成された後はずれとなる。このようにして、リーチ図柄配列や大当たり図柄配列に対する遊技者の期待感が高まる。そして、抽選の結果が大当たりの場合、遊技者に大当たり遊技(特典)が付与されることとなる。以上のように請求項1に記載した遊技機によれば、通常では当たりに関与しない第2図柄を用いて当たりとなる特定の表示態様を構成するため、当たりの表示となる可能性が見かけ上高くなり、遊技者の期待感が高められると同時に、表示に面白味を増すことができる。なお、本発明でいう「図柄」には、特別図柄や普通図柄等のように抽選に関与する抽選表示用図柄のみならず、遊技に関係して表示画面に表示する全ての図柄(英数字、漢字、仮名等の文字、記号、絵柄、図形、静止画、動画等の画像など)が含まれる。従って、例えばキャラクタや背景図柄等の装飾図柄も本発明でいう図柄に含まれるものとする。また、図柄の個数は一つのみならず、複数の場合も含む。また、本発明でいう「表示画面」は、1つの表示画面のみならず複数の表示画面も含むものとし、例えば液晶表示器が好適に用いられる。
請求項2に記載した遊技機では、遊技者に特典が付与される場合、所定の表示パターン(第3図柄によって特定の表示態様を形成させるパターン)が選択されると、まず第2図柄が当たりに関与する第3図柄に変化する。そして、少なくともこの第3図柄を含んだ特定の表示態様が形成されるようになっている。すなわち、本発明でいう「特定の表示態様」とは、本来当たりに関与しない図柄を用いて形成される表示態様であって、ここでは、第3図柄のみによって形成される場合や、第1図柄と第3図柄の組み合わせによって形成される場合がある。そして、この特定の表示態様が形成されると、遊技者に特典が付与されることとなる。この第3図柄は、変化前の第2図柄と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。第2図柄と第3図柄の区別は、例えば図柄の大きさ、図柄の表示色等を変更することによって行うことができる。これにより、第3図柄が変化前の第2図柄と同じ種類であっても、当たりに関与する状態に切り換わったことを遊技者は容易に認識することができる。例えば、表示画面に、当たりに関与するメイン図柄(第1図柄)と関与しないブランク図柄(第2図柄)を表示するパチンコ機において、本来ブランク図柄(第2図柄)は同じ種類のものが1つのライン上に揃っても大当たり図柄配列は形成されないが、このブランク図柄(第2図柄)を大当たりに関与する第3図柄に変化させ、この第3図柄或いは第3図柄とメイン図柄(第1図柄)との組み合わせによって大当たり図柄配列が形成されることとなる。また、この第3図柄によってリーチ図柄配列を形成させ大当たり図柄配列を形成させないパターンが選択されたときは、一旦リーチ図柄配列が形成された後はずれとなる。このようにして、リーチ図柄配列や大当たり図柄配列に対する遊技者の期待感が高まる。以上のように請求項2に記載した遊技機によれば、通常では当たりに関与しない第3図柄を用いて当たりとなる特定の表示態様を構成するため、当たりの表示となる可能性が見かけ上高くなり、遊技者の期待感が高められると同時に、表示に面白味を増すことができる。
ここで、請求項2に記載の遊技機における第3図柄は、請求項3に記載のように第2図柄を拡大したものであることが好ましい。すなわち、当たりに関与しない第2図柄は、当たりに関与する第3図柄に変更される際に拡大されることとなる。これにより、視認性が良いうえに、遊技者は、本来当たりに関与しない第2図柄が、当たりに関与しない状態から当たりに関与する状態に変化したことを認識し易い。
また、請求項4に記載した遊技機では、第2図柄が第3図柄に変化するとき、これにあわせて本来当たりに関与する第1図柄を、当たりに関与しない第4図柄に変化させるようになっている。この第4図柄は、変化前の第1図柄と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。第1図柄と第4図柄の区別は、例えば図柄の大きさ、図柄の表示色等を変更することによって行うことができる。これにより、第4図柄が変化前の第1図柄と同じ種類であっても、当たりに関与しない状態に切り換わったことを遊技者は容易に認識することができる。従って、表示画面における表示に面白味を付与することができるうえに、遊技者は、当たりに関与する第3図柄の変動のみに集中することができる。
ここで、請求項4の遊技機における第4図柄は、請求項5に記載のように第1図柄を縮小したものであることが好ましい。すなわち、当たりに関与する第1図柄は、当たりに関与しない第4図柄に変更される際に縮小されることとなる。これにより、遊技者は、本来当たりに関与する第1図柄が、当たりに関与する状態から当たりに関与しない状態に変化したことを認識し易い。
また、請求項6に記載した遊技機では、特定の表示態様が表示されたとき、遊技者に特典が付与されたことを報知するようになっている。例えば、特定の表示態様とは別に、当たりの表示態様を表示させたり、当たりであることを示唆するメッセージを表示させたりすることができる。これにより、特典が付与される特定の表示態様が表示されたにも関わらず、遊技者が当たりでないと誤認するのを極力回避することができる。
ここで、請求項7に記載した遊技機において、遊技者に特典が付与されたことを報知する方法としては、特定の表示態様を形成した後に、第1図柄によって形成された当たりの表示態様を表示するのが好ましい。すなわち、例えば、第3図柄を用いた特定の表示態様が形成された後に、図柄を再変動させ、第1図柄によって形成される当たりの表示態様が表示される。第1図柄は、本来当たりに関与する図柄であるため、第2図柄から変化して当たりに関与する図柄となった第3図柄よりも、遊技者は当たりをイメージし易い。これにより、第3図柄によって当たりが報知されたにも関わらず、第1図柄でないがために遊技者が当たりでないと誤認するのを極力回避することができる。
また、請求項8に記載した遊技機では、第2図柄の種類が第1図柄の種類よりも少なくなるように設定されている。これにより、第2図柄が変動して当たりの表示態様が形成される可能性が、第1図柄が変動する場合に比して見かけ上高くなる。
以上説明したように、本発明によれば、表示画面に図柄を変動させて表示する遊技機において、表示画面の図柄が変動を開始してから特定の表示態様を形成するまでの遊技過程に新規な興趣を与え、遊技者の期待感を増加させることができる技術を実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態のパチンコ機を図1〜図9に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、第1種パチンコ機の特別図柄表示器の表示画面に表示される図柄の表示態様について説明する。ここで、図1は本実施の形態のパチンコ機10の外観を示す正面図である。図2は図1中の複合装置14を拡大して表した正面図である。また、図3〜図9は、いずれも表示画面21に表示される表示態様を示す図である。
図1において、本発明の遊技機としてのパチンコ機10の遊技盤面12上には、複合装置14、装飾ランプ16、第1種始動口30、中ゲート32、大入賞口34、下部第1種始動口62、一般の入賞口等が適宜に配置されている。第1種始動口30は始動口センサ56を有し、パチンコ球が入賞すると通常の入賞口と同様に賞球(賞品球)を払い出す。中ゲート32はゲートセンサ54を有し、パチンコ球が通過しても賞球を払い出さない。大入賞口34は蓋66を有し、当該蓋66はソレノイド50によって開閉される。また、大入賞口34はVゾーン52を有し、そのVゾーン52はVゾーンセンサ48を有する。大入賞口開放期間内にパチンコ球がVゾーン52に入賞すると、大当たり遊技を所要回数(例えば16回)内で継続することができる。上記大入賞口開放期間としては、例えば大入賞口34にパチンコ球が10個入賞するか、開放してから30秒間を経過するまでのいずれか早いほうが該当する。さらに蓋66の下部には、第1種始動口30と同等の機能を備えた下部第1種始動口62を配置している。下部第1種始動口62は始動口センサ56と同様の機能を備えた始動口センサ60を有する。
ここで、始動口センサ56,60は、それぞれの始動口に入賞したパチンコ球を検出する。Vゾーンセンサ48はVゾーン52に入賞したパチンコ球を検出する。ゲートセンサ54は中ゲート32を通過したパチンコ球を検出する。なお上記ゲートセンサ54、始動口センサ56,60、Vゾーンセンサ48には、例えば近接センサやマイクロスイッチ、光センサ(発光体と受光体)等を用いる。
また、遊技盤面12には1個または複数個の装飾ゲートを有し、この例では左ゲート26、右ゲート27を有する。右ゲート27は普通図柄表示器27aを有するが、左ゲート26は普通図柄表示器を有しない。普通図柄表示器27aは1個または複数個の発光体(この例では2個のLED)を有し、当該発光体の点灯・消灯が普通図柄となる。普通図柄は、例えば中ゲート32にパチンコ球が通過したときに点滅が始まり、その後に各発光体についてそれぞれ点灯または消灯する。そして、各発光体の点灯または消灯の態様に応じて(例えば2個のLEDのうち右側のLEDが点灯すると)、下部第1種始動口62の蓋を一定期間(例えば4秒間)だけ開放する。
次に、図2を参照しながら複合装置14の構成について説明する。図2に示すように、複合装置14には、天入賞口14a、特別図柄表示器20等が設けられている。天入賞口14aは一般の入賞口の一つである。特別図柄表示器20には、例えば液晶表示器が用いられ、この特別図柄表示器20の表示画面21には特別図柄等が表示される。なお、特別図柄として用いる図柄は、数字、文字(英数字や漢字等)、記号、図形、絵柄等がある。また、背景図柄には、例えば動画(映像、アニメーション等)や静止画等がある。また、特別図柄表示器20は液晶表示器以外に、CRT、LED表示器、プラズマ表示器等のように特別図柄等が表示可能な表示器を用いてもよい。表示画面21の下方位置には、特別図柄用の保留球ランプ28が表示されている。保留球ランプ28は、ほぼ水平状に並べて複数(例えば4個)設けられ、特別図柄の図柄変動中に第1種始動口30に入賞したパチンコ球の個数を表示する。
特別図柄表示器20の表示画面21は方形に形成され、この表示画面21に3つの図柄表示列(左図柄表示列110、中図柄表示列130、右図柄表示列150)が形成されるように構成されている。そして、図柄表示列110,130,150に表示された図柄の配列によって、遊技者に大当たり遊技を付与する大当たりか否かを報知する。具体的には、第1種始動口30に入賞したパチンコ球が始動口センサ56によって検出されたとき当たりに関与する抽選を行い、この抽選結果が当たりの場合に、図柄表示列110,130,150の図柄によって形成された大当たり図柄配列(例えば、同じ図柄が3つ揃った配列)を表示する。
なお、本実施の形態では、各図柄表示列に表示される図柄として、例えば図4に示すようなメイン図柄170とブランク図柄190がある。このメイン図柄170は「1」〜「9」の9種類の数字であり、ブランク図柄190は図4中に示すような「☆」の1種類である。また、ブランク図柄190はメイン図柄間の計9箇所に表示される。すなわち、各図柄表示列には、メイン図柄170とブランク図柄190が見かけ上交互に配置されることとなる。
また、本実施の形態では、図柄の変動開始当初、メイン図柄170は大当たり(本発明の当たりに対応している)に関与する状態に設定され、ブランク図柄190は大当たりに関与しない状態に設定されている。そして、メイン図柄170およびブランク図柄190は、パチンコ球が始動口センサ56によって検出された際に行われる抽選の結果に基づいて、大当たりに関与する状態と大当たりに関与しない状態に切り換わるようになっている。すなわち、メイン図柄170が大当たりに関与しない状態に、また、ブランク図柄190が大当たりに関与する状態に切り換わる。
これを具体的に説明すると、図柄表示列110,130,150の変動開始当初は、通常メイン図柄170は遊技者が視認し易い通常の大きさ(以下、「第1の大きさ」という)で表示され、ブランク図柄190はメイン図柄170よりも小さい縮小された大きさ(以下、「第2の大きさ」という)で表示される。この状態では、第1の大きさで表示されているメイン図柄170のみがリーチ図柄配列や大当たり図柄配列を形成するのに有効である。一方、パチンコ球が始動口センサ56によって検出された際に行われる抽選の結果に基づいて、ブランク図柄190によってリーチ図柄配列や大当たり図柄配列を形成させる場合は、第2の大きさで表示されている9箇所全てのブランク図柄190を、第1の大きさの変形ブランク図柄192へと切り換える。この変形ブランク図柄192は、ブランク図柄190を拡大して表示したものであり、リーチ図柄配列や大当たり図柄配列を形成する可能性があることを示すものである。また、これにあわせて、第1の大きさで表示されている全てのメイン図柄170を、第2の大きさの変形メイン図柄172へと切り換える。この変形メイン図柄172は、メイン図柄170を縮小して表示したものであり、リーチ図柄配列や大当たり図柄配列を形成する可能性がないことを示すものである。このように、本実施の形態では、メイン図柄170とブランク図柄190のうちのいずれか一方が他方の大きさよりも縮小表示されるようになっている。なお、これらメイン図柄170、ブランク図柄190、変形ブランク図柄192、変形メイン図柄172が、それぞれ本発明の第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄に対応している。
次に、本実施の形態の特別図柄表示器20の表示画面21に表示される態様について、図3〜図9を参照しながら詳細に説明する。なお、これらの図において、図柄が変動している状態を図中下向きの矢印で示している。遊技盤面12に打ち出されたパチンコ球が第1種始動口30に入賞すると、特別図柄表示器20の表示画面21の3つの図柄表示列110,130,150は、図3に示すように順変動方向(図2中の矢印40方向)にほぼ一斉に変動(例えば、図柄が認識できない程度の高速変動)を開始する。
なお、パチンコ機の遊技制御部では、例えば4[msec]毎に各種乱数が更新されており、第1種始動口30にパチンコ球が入賞すると、この入賞球を検知したタイミングで大当たり判定乱数、大当たり図柄用乱数が取得される。大当たり判定乱数は大当たりにするか否かの決定に用いられ、大当たり図柄用乱数は大当たりが決定した場合に大当たりの特別図柄の停止態様を決定する乱数である。また、はずれ図柄や、図柄の変動態様の決定には、左特別図柄乱数、中特別図柄乱数、右特別図柄乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン用乱数が使用される。これらの乱数は、変動に先立って取得される。左特別図柄乱数、中特別図柄乱数、右特別図柄乱数は、はずれが決定している場合の、特別図柄の停止態様を決定する乱数である。リーチ判定用乱数は、はずれが決定している場合の、はずれリーチの演出を行うか否かを決定する乱数である。はずれリーチの演出を行うと決定された場合、左特別図柄乱数、中特別図柄乱数、右特別図柄乱数の中から1種類の乱数を捨て、はずれリーチが形成される特別図柄の停止態様を決定する。変動の態様を決定する際は、大当たりの場合、はずれリーチの演出を行う場合、単なるはずれの場合、それぞれについて、変動パターン用乱数を参照し、演出の種類、変動の態様を示す変動パターン番号を決定する。このようにして、パチンコ機の遊技制御部で決定された左、中、右特別図柄の停止態様、変動パターン番号は、特別図柄表示制御部にコマンドとして送信される。特別図柄表示制御部では、この左、中、右特別図柄の停止態様と変動パターン番号に従って図柄の変動や再変動を行う。
このようにして、例えば変形ブランク図柄192によって大当たり図柄配列を形成させる所定の変動パターン(表示パターン)が選択された場合、まず、高速変動する図柄表示列110,130,150の変動速度を、図4に示すように図柄が認識できる程度まで低下させる。そして、図5に示すように、第2の大きさで表示された9箇所全てのブランク図柄190を第1の大きさの変形ブランク図柄192へと切り換え、また、第1の大きさで表示されたメイン図柄170を全て第2の大きさの変形メイン図柄172へと切り換える。このように、実際はメイン図柄170およびブランク図柄190は、それぞれ大きさの異なる図柄へと切り換え表示されることになるが、切り換え前後の図柄の種類が同じであるため見かけ上、ブランク図柄190自体が拡大表示され、メイン図柄170自体が縮小表示されたように遊技者に認識されることとなる。そして、ブランク図柄190が変形ブランク図柄192へと拡大表示され、メイン図柄170が変形メイン図柄172へと縮小表示されたことを視認した遊技者は、ブランク図柄190によってリーチ図柄配列や大当たり図柄配列が形成され、メイン図柄170ではリーチ図柄配列や大当たり図柄配列が形成されないことが判る。なお、本実施の形態のように、メイン図柄170やブランク図柄190の自体の大きさを1段階で切り換える態様以外に、例えばズームアップのように無段階で切り換える態様を用いることもできる。
図5に示す低速で変動する図柄表示列のうち、まず、左図柄表示列110が変動を停止し、例えば図6に示すような図柄配列(中段の横一列に「☆,↓↓,↓↓」が形成された配列)が表示される。続いて、右図柄表示列150が変動を停止し、例えば図7に示すような図柄配列(中段の横一列に「☆,↓↓,☆」が形成された配列)、すなわちリーチ図柄配列(有効ラインL1)が表示される。この場合、最後に中図柄表示列130が変動を停止して有効ラインL1上に変形ブランク図柄192が表示されると、表示画面21の中段位置に大当たり図柄配列「☆,☆,☆」(本発明における特定の表示態様に対応している)が形成されることとなる。一方、右図柄表示列150が変動を停止したとき、リーチ図柄配列が表示されない場合は、はずれが報知されることとなる。なお、一旦リーチ図柄配列を形成した後はずれとなる、いわゆる「はずれリーチ」の変動パターンが選択された場合、中図柄表示列130が変動を停止してはずれ図柄配列を形成する。
なお、左図柄表示列110が変動を停止した際に、図6に示すような図柄配列に代えて、例えば図8に示すような図柄配列(上段および下段の横一列に「☆,↓↓,↓↓」が形成された配列)が表示される場合もある。このような場合、続いて、右図柄表示列150が変動を停止し、図9に示すような図柄配列(上段および下段の横一列に「☆,↓↓,☆」が形成された配列)、すなわちリーチ図柄配列(有効ラインL2〜L5)が表示されると、次に変動を停止する中図柄表示列130の表示態様に関わらず常に大当たり図柄配列(100%大当たり)となる。すなわち、中図柄表示列130が変動を停止した場合、上段、中段、下段のうちの少なくとも一箇所に変形ブランク図柄192が表示されるため、中図柄表示列130にいかなる表示態様が形成されても、有効ラインL2〜L5上のいずれかに大当たり図柄配列が形成されることとなる。
図8に示すような図柄配列が表示されると、大当たり図柄配列が形成される確率は見かけ上50%と100%の2種類となる。右図柄表示列150が図9に示すような態様(100%大当たり)以外となった場合、すなわち、右図柄表示列150の中段位置に「☆」が表示された場合に大当たり図柄が形成される確率が見かけ上50%となる。このように、見かけ上大当たり図柄配列が形成される確率を、今までになかった演出方法で設定することができるため斬新である。なお、見かけ上大当たり図柄配列が形成される確率やその設定数は、変形ブランク図柄192の種類数、各図柄表示列における変形ブランク図柄192の配列パターン等によって種々設定可能である。
変形ブランク図柄192によって一旦大当たり図柄配列が形成されると、図柄表示列110,130,150が再び高速変動を開始し、その後、この大当たり図柄配列はメイン図柄170による大当たり図柄配列に変更される。具体的には、図柄表示列110,130,150の高速変動後、それ以前に第2の大きさで表示されていた変形メイン図柄172は、第1の大きさのメイン図柄170に切り換わり、且つ大当たり図柄配列で表示される。例えば、メイン図柄170が同じ種類で形成された図柄配列、例えば、同じ図柄が3つ揃って形成された大当たり図柄配列「7,7,7」が表示される。このように、本来当たりに関与する図柄であるメイン図柄170によって大当たり図柄配列を表示させるため、変形ブランク図柄192によって大当たり図柄配列を表示させる場合に比して、遊技者は大当たりが報知されたことを認識し易い。これにより、変形ブランク図柄192によって大当たりが報知されたにも関わらず、遊技者が大当たりでないと誤認するのを極力回避することができる。そして、表示画面21に大当たり図柄配列「7,7,7」を表示することで、遊技者に大当たり遊技が付与されたことが報知され、遊技者は引き続き大当たり遊技を行う。
なお、上記実施の形態では、メイン図柄170およびブランク図柄190の表示が変形メイン図柄172および変形ブランク図柄192に切り換わることで大当たり図柄配列が形成される場合について記載したが、この表示パターンとは異なる表示パターンが選択された場合、図柄の変動開始当初からメイン図柄170およびブランク図柄190の表示が切り換わることなく、メイン図柄170によって大当たり図柄配列が形成される場合があるのはもちろんである。
以上のように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、本来当たりに関与しないブランク図柄190をリーチ演出や大当たり演出に用い、大当たりに関与させることによって演出効果を高め、遊技者の期待感を増加させることができる。また、所定の表示パターンが選択されたとき、本来大当たりに関与しない状態のブランク図柄190を拡大して、大当たりに関与する変形ブランク図柄192として表示させるため、拡大された変形ブランク図柄192の視認性が良いうえに、遊技者は、本来大当たりに関与しないブランク図柄190、大当たり関与しない状態から大当たりに関与する状態に変化したことを認識し易い。また、そのとき、本来大当たりに関与する状態のメイン図柄170を縮小して、大当たりに関与しない変形メイン図柄172として表示させるため、表示態様に新規な面白味を付与することができる。また、本実施の形態のパチンコ機10によれば、ブランク図柄190が変化した変形ブランク図柄192によって大当たり図柄配列を形成させるため、本来大当たりに関与しない図柄が当たりとなる特定の表示態様を形成することになるという新規な態様を実現することができる。また、本実施の形態のパチンコ機10によれば、変形ブランク図柄192によって大当たり図柄配列を形成した後、再び図柄が高速変動し、メイン図柄170によって大当たり図柄配列を形成するため、変形ブランク図柄192によって大当たりが報知されたにも関わらず、遊技者が大当たりでないと誤認するのを極力回避することができる。また、本実施の形態のパチンコ機10によれば、ブランク図柄190および変形ブランク図柄192は「☆」の1種類であり、「1」〜「9」のメイン図柄170の種類よりも少ないため、大当たり図柄配列が形成される可能性が見かけ上高くなる。
また、上記実施の形態に鑑みた場合、請求項1に記載の遊技機に関連して、「表示画面に当たりに関与する第1図柄と当たりに関与しない第2図柄を変動させる遊技機であって、遊技者に特典を付与する当たりの場合、第1の表示パターンが選択されると前記第1図柄によって第1の表示態様を形成し、第2の表示パターンが選択されると、少なくとも前記第2図柄を含む第2の表示態様を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成を採り得る。このように構成すれば、請求項1と同様の効果を奏する。すなわち、通常では当たりに関与しない第2図柄を用いて当たりとなる第2の表示態様を構成するため、当たりの表示となる可能性が見かけ上高くなり、遊技者の期待感が高められると同時に、表示に面白味を増すことができる。
〔他の実施の形態〕上述したパチンコ機(遊技機)において、他の部分の構造、形状、材質、個数、配置及び動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでなく、必要に応じて種々変更可能である。また、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(A)上記実施の形態では、ブランク図柄190が変形ブランク図柄192に変化するとき、メイン図柄170を変形メイン図柄172に変化させる場合について記載したが、メイン図柄170は変化させなくてもよい。また、本実施の形態では、図柄が大当たりに関与する状態か大当たりに関与しない状態かを認識させる態様としては、ブランク図柄190やメイン図柄170の縮小図柄あるいは拡大図柄を表示させる以外に、例えばブランク図柄190やメイン図柄170の表示色を変更する等がある。
(B)また、上記実施の形態では、変形ブランク図柄192によって大当たり図柄配列(本来大当たりに関与しないブランク図柄190を用いて形成された特定の表示態様)が形成される場合について記載したが、例えば、変形ブランク図柄192とメイン図柄170とによって大当たり図柄配列が形成されるように構成することもできる。
(C)また、上記実施の形態では、抽選結果が当たりの場合、所定の表示パターンが選択されると、ブランク図柄190を当たりに関与する変形ブランク図柄192に変化させ、この変形ブランク図柄192によって大当たり図柄配列を形成する場合について記載したが、ブランク図柄190のみによって、或いはブランク図柄190とメイン図柄170との組み合わせによって大当たり図柄配列を形成してもよい。
(D)また、上記実施の形態では、変形ブランク図柄192である図柄「☆」がライン上に3つ揃った場合を大当たり図柄配列としたが、大当たり図柄配列はこれに限定されず、異なる図柄が揃った場合であってもよい。例えば、複数の種類の変形ブランク図柄192を用い、図柄「☆」,「○」,「△」がライン上に揃った場合を大当たり図柄配列としてもよい。
(E)また、上記実施の形態では、メイン図柄170(「7」等の数字)とブランク図柄190(図柄「☆」)とは全く別の図柄である場合について記載したが、本実施の形態のようにメイン図柄170とブランク図柄190とは、必ずしも全く別の図柄である必要はなく、大きさが異なるのみの相似関係にある場合であってもよい。このようにすれば、メイン図柄170とブランク図柄190の組み合わせによって形成された図柄配列は、全く別の図柄の組み合わせによって形成された図柄配列に比して配列に違和感を生じにくい。
(F)また、上記実施の形態では、遊技者に特典が付与されたことを報知する方法としては、変形ブランク図柄192である図柄「☆」によって大当たり図柄配列を形成した後に、メイン図柄170である図柄「7」によって大当たり図柄配列を形成する場合について記載したが、例えば表示画面21に大当たりであることを示唆するメッセージを表示させることで遊技者に特典が付与されたことを報知することもできる。
(G)また、上記実施の形態では、第1種のパチンコ機10に本発明を適用した。この形態に代えて、第1種パチンコ機以外の遊技機(例えば、第2種パチンコ機、第3種パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール機、テレビゲーム機等)であって図柄を変動して表示する表示画面を有するものについても同様に本発明を適用することができる。