JP5114859B2 - 燃料電池用触媒電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製造が容易であり、白金触媒の有効利用率が高い燃料電池用触媒電極、その製造方法、この触媒電極を使用した燃料電池用高分子電解質膜・電極接合体および燃料電池に関する。
水素と酸素を使用する燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであり環境への悪影響がほとんどない発電システムとして注目されている。近年、燃料電池のなかでも、水素イオン伝導性を有するイオン交換膜を電解質として使用する固体高分子型燃料電池は、作動温度が低く、出力密度が高く、かつ、小型化が容易に可能なため、車載用電源や家庭据置用電源などへの使用が有望視されている。
固体高分子型燃料電池は多数の単セルが積層されて構成されている。単セルは、図2に示すように、アノード側のセパレータ1、アノード側触媒電極2、水素イオン伝導性高分子電解質膜3、カソード側の触媒電極4及びカソード側のセパレータ5を、この順に積層して構成されている。アノード側触媒電極2は、電極基材21とこの表面に積層された触媒層22とで構成されており、カソード側の触媒電極4は電極基材41とこの表面に積層された触媒層42とで構成されている。アノード側電極基材21とカソード側電極基材41とは、いずれも、ガス拡散性と導電性とを有する材質から構成されており、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロス等が利用されている。また、アノード側触媒層22とカソード側触媒層42とは、いずれも、カーボン粒子に白金触媒を担持させて粒子状とし、これを水素イオン伝導性高分子電解質で電極基材21,41に固定して構成されている。
そして、アノード側のセパレータ1に反応ガス流路が設けられ水素ガスを供給する。他方、カソード側のセパレータ5にも反応ガス流路が設けられて酸素ガスを供給する。これら水素ガスと酸素ガスとを、白金触媒の存在下で反応させることにより、両電極2,4の間に起電力を生じる。
ところで、固体高分子型燃料電池が普及する上で、前記白金触媒の使用量の低減化が重要な課題として挙げられる。その理由として、地球全体における白金の埋蔵量が限られているためである。たとえば、現在の自動車台数がガソリン車から燃料電池車に置き換わっていった場合に、現在の単位面積あたりの白金使用量では地球の埋蔵量をオーバーしてしまう恐れがある。
白金触媒の使用量の低減化を図るためには、白金触媒の有効利用率を高めることが重要である。しかしながら、ダイコーターやスクリーン印刷などの一般的な湿式法による塗工方法で触媒層22,42を形成した場合には、その溶媒を徐々に乾燥するため、この乾燥工程中で白金触媒担持カーボンの凝集が進行する。このため、触媒層22,42における空孔度が低下して燃料ガスの経路が遮断されやすくなり、触媒層22,42における触媒と水素イオン伝導性高分子電解質から形成される三相界面を十分に形成させることが困難となってしまう。結果として、白金触媒の有効利用率を高めることが困難となり、単位白金量あたりで得られる電池性能が低下してしまうという欠点があった。特に、車載用で用いる場合では瞬時に大電流の発生を必要とするためにコジェネレーション用として用いる場合と比べて燃料ガスの拡散性が不足し電池性能が低下する傾向がある。
そこで一般的な高圧スプレーを用いて電極触媒層を形成することが提案されている(特許文献1参照)。高圧スプレーを用いた場合では、触媒インクの乾燥速度を高めることができ触媒の凝集を防止し、より多くの三相界面が形成されることが可能となり電池性能を改善する傾向を示す。しかしながら、高圧スプレーを用いて形成された触媒層の空孔度は、おおよそ30%程度の値であり、低白金量では十分な電池性能を発揮できない。また、高圧スプレーでは圧力をかけて噴霧するために吹きつけが強くなってしまいオーバースプレーおよび二次飛散が起こりやすい。そのために吹きつけたインクの回収サイクルを確立するなどの工夫をしない限り、触媒インクの塗着効率が15〜20%前後と低く、堆積した触媒層における白金触媒の有効利用率も5〜50%前後と低くなってしまう欠点がある。さらに、オーバースプレーおよび二次飛散によって膜厚のムラも起こりやすい欠点もある。
また、電池性能を向上させるために、従来から種々の傾斜構造を有する触媒電極が提案されている。例えば、ガス拡散電極側は比較的ガス濃度が高く、水素イオン伝導性電解質膜側は電離したイオンおよび電子の濃度が比較的高い点に着目し、触媒電極層の厚み方向の組成を変化させ、水素イオン伝導性電解質膜側の触媒担持量を多くして反応サイトを増加させる技術(例えば特許文献2参照。)、反応ガスの拡散制御を目的として厚み方向の水素イオン伝導性電解質量を変化させる技術(例えば特許文献3参照。)、また厚み方向にプロトン伝導性や電子伝導性を変化させる技術(例えば特許文献4参照。)等が挙げられる。
特開平8-115726号公報 特開平9-180730号公報 特開2001-319663号公報 特開2005−259525号公報
しかしながら、上記技術はいずれも、ダイコーターやスクリーン印刷などの一般的な湿式法による塗工方法や高圧スプレーを用いて製造した傾斜構造である。ダイコーターやスクリーン印刷などでは傾斜構造に連続的に変化する傾斜勾配を与えようとした場合は製造上極めて困難である。また、高圧スプレーを用いた場合でも、オーバースプレーおよび二次飛散によって膜厚のムラも起こりやすいために、傾斜構造の傾斜を制御することは難しい。
本発明は、以上のような技術的背景の下でなされたもので、三相界面を十分に形成し白金触媒利用率を高めることで、白金触媒の使用量を低減し且つ発電特性が優れた燃料電池用触媒電極、その製造方法、燃料電池用高分子電解質膜・電極接合体及び燃料電池を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明は、白金触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質とを固形分として含む懸濁液を、燃料電池の60〜120℃に加熱した電極基材表面に超音波振動を利用して、振動周波数10kHz〜500kHzの範囲でスプレーノズルを共振させながら霧化させて噴霧し、前記電極基材表面に前記懸濁液を付着させ、触媒層を形成する工程を有することを特徴とする燃料電池用触媒電極の製造方法である。
本発明においては、超音波振動を利用してスプレーノズルを共振させながら懸濁液を噴霧するため、懸濁液に超音波エネルギーを付与して固形分をその凝集エネルギーから開放する。このため、噴霧される懸濁液中の微粒子の粒度分布がシャープとなり、また、平均粒子径も小さくなる。そして、このため、形成される触媒層の空孔度が大きくなり、ガス拡散性が向上し、三相界面を十二分に形成することが可能となる。なお、触媒層の空孔度とは、電極面積と触媒層の厚みとの積に対する空孔自体の体積の割合で、細孔分布測定装置ポアサイザー9320((株)島津製作所製)などにて測定が可能である。
また、超音波振動を利用してスプレーノズルを共振させながら懸濁液を噴霧することによって、触媒電極に傾斜構造を付与させることができる。特に、超音波振動を利用したスプレー方式ではオーバースプレーおよび二次飛散を抑制しその塗着効率を向上させ、白金触媒の使用量を低減することができ、且つ傾斜勾配が連続的に変化するような傾斜構造を形成させることができる。その結果、よりいっそう三相界面を増加させて電池性能を向上させた触媒電極の製造が可能となる。
したがって本発明によれば、三相界面を十分に形成し白金触媒利用率を高めることで、白金触媒の使用量を低減し且つ発電特性が優れた燃料電池用触媒電極、その製造方法、燃料電池用高分子電解質膜・電極接合体及び燃料電池を提供することができる。
本発明は、白金触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質とを固形分として含む懸濁液(触媒インク)を、超音波振動を利用してスプレーノズルを共振させながら電極基材表面に噴霧して、白金触媒粒子の周囲を水素イオン伝導性高分子電解質で被覆した微粒子を電極基材表面に付着させて触媒層とするものである。
本発明で用いる白金触媒粒子としては、白金単体もしくは白金担持カーボン粒子が使用できる。その他では、パラジウム、ルテニウム等と白金との合金、もしくはその合金を担持したカーボン粒子などでもよい。水素イオン伝導性高分子電解質は、ナフィオン(デュポン社製;登録商標)等のフッ素系陽イオン交換樹脂であることが好ましい。白金触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質は混合後に分散処理を行うことが必要である。触媒インクの分散は、ボールミルや超音波ホモジナイザーなどで行うことが可能である。この水素イオン伝導性高分子電解質は、分散処理や噴霧処理の際に白金触媒粒子の周囲に付着して、全体として微粒子を形成する。
また、触媒インクで使用する溶媒は特に限定されず、白金触媒粒子や水素イオン伝導性高分子電解質が反応することがない揮発性の液体有機溶媒が含まれることが望ましく、特にイソプロパノールなどのアルコールが望ましい。水素イオン伝導性高分子電解質と親和性が高い水が含まれていてもよい。
また、本発明において、超音波振動を利用して共振させながら噴霧させるスプレーは、ピエゾセラミックなどによって発生させた超音波をスプレーノズル部に伝え共振させることによって、そこを通過する触媒インクに超音波エネルギーを付与させて、インク自体が寄り集まろうとする凝集エネルギーから解き放させることにより霧化させて噴霧させるもの(超音波スプレー)である。
このような超音波スプレーの振動周波数は10kHz〜500kHzが望ましい。振動周波数が10kHz未満の場合では、超音波エネルギーが足りなくて触媒インクの凝集エネルギーによる束縛を開放しきれずに液体を霧状態とすることができない。また、振動周波数が500kHzを超える場合では、与えられた超音波振動に対して追随できず共振できなくなってしまう触媒インクの割合が増加してしまい、霧微粒子のシャープな粒子分布が損なわれてしまう。
本発明における触媒電極の触媒層は傾斜構造を有することが望ましい。傾斜構造とは、触媒電極における白金触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質の含有量が、前記触媒電極の厚さ方向に変化する構造であり、例えば、水素イオン伝導性高分子電解質膜からガス拡散電極に向かって、白金触媒粒子の含有量が増加し且つ水素イオン伝導性高分子電解質の含有量が減少するような傾斜構造である。触媒層にそのような傾斜構造を与えることにより、均一な単一層である場合と比較して、ガス拡散層側から供給されるガスが反応サイトに運ばれやすく白金触媒粒子が反応しやくなり、且つ反応して生じた水素イオンを円滑に水素イオン伝導性高分子電解質膜側に流れやすくことができる。また、外部回路からの供給される電子と酸化性ガスの反応も同様に円滑に進行する。結果的に、燃料電池の内部抵抗が減少し、発電性能を向上させることができる。
傾斜構造は2層以上の複数層であればよい。多層構造とするほど反応及びイオンの移動は円滑に進行し、発電性能は向上しやすく且つ安定性までも向上する。傾斜構造を複数層にするためには、組成の異なる触媒インクを満たした複数本のノズルを用意して、噴霧すればよい。噴霧の際にオンラインで行いたい場合は、ノズルをライン上に連続的に用意して噴霧することができる。超音波スプレーの場合ではオーバースプレーおよび二次飛散が起きにくいために生産性を飛躍的に向上させることができる。
触媒インクにおける白金触媒粒子の含有量は10質量%〜40質量%が望ましい。10質量%未満では触媒が不足となり発電特性を十分に発揮させることが難しく、40質量%以上では反応せずに無駄になってしまう白金触媒が増えてしまう。
また、水素イオン伝導性高分子電解質の含有量は20質量%〜80質量%が望ましい。20質量%未満では水素イオン伝導性高分子電解質が不足となり発電特性を十分に発揮することが難しく、80質量%以上では白金触媒粒子が包埋されすぎてしまい三相界面を減少させてしまうためである。
触媒電極における触媒層の空孔度は、30%未満であると反応ガスの供給が不十分となり電池性能が低下する。また、空孔度が90%を越えると導電性が低下し直流抵抗が増加すること及び触媒層としての機械的強度が低下して不十分となる。
次に、本発明において、噴霧する電極基材は、固体高分子型燃料電池の電極基材であって、一般にガス拡散性と導電性とを有する材質から成り、ガス拡散電極(ガス拡散層)としての機能を有し、例えば、カーボンペーパー又はカーボンクロス等が使用できる。噴霧する前に予め電極基材上に目処め層を形成させてもよい。目処め層は、触媒インクが電極の中へ染み込むことを防止する層であり、その噴霧量が少ない場合でも電極の中へ染み込むことがなく、電極上に堆積して皮膜を形成して三相界面を形成する。このような目処め層は、例えば、カーボンとフッ素系樹脂を混練してフッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結させることにより形成することができる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が利用できる。
また、この電極基材の表面を60〜120℃に加熱した状態で噴霧することが望ましい。60〜120℃に加熱した電極基材の表面に噴霧することによって、触媒インク中の溶媒を瞬時に乾燥させて、着滴後の白金触媒粒子の凝集を防止して、触媒層の空孔度を向上させることができる。電極基材表面が60℃未満では溶媒を瞬時に乾燥させる効果が低い。また、電極基材表面が120℃を越えると乾燥ムラを発生することがある。超音波スプレーする際に雰囲気ガスを管理・制御することによって、この効果を更に顕著にできる。
次に、超音波スプレーにおける噴霧速度は、0.01ml/分〜10ml/分程度の割合で触媒インクが通過するように行えばよい。この程度の噴霧速度の場合には、自然落下噴霧が可能が高い。超音波スプレーのノズル径は噴霧圧力と噴霧速度に応じて選択することができ、一般に数mm程度でよい。
また、このような超音波スプレーで噴霧する場合、噴霧した微粒子の自然落下噴霧を妨げることがない程度の低い圧力の範囲で、この微粒子を搬送させるガスを送り流してもよい。搬送用ガスの圧力は、0.005〜0.02MPa程度が望ましい。また、搬送用ガスを送ることによって噴きつけ角度がわずかに影響を受ける場合があるが、触媒層を形成するにあたり特に問題とはならない。ガスの種類は圧縮空気や窒素などでよく、安価で安全であれば特に問わない。
こうして電極基材の表面に触媒層を形成して得られたものは、固体高分子型燃料電池のアノード側触媒電極又はカソード側触媒電極として利用できる。すなわち、まず、図1に示すように、電極基材21,41に触媒層22,42を形成して、それぞれ、アノード側触媒電極、カソード側触媒電極とする。次に、これら触媒電極の間に、水素イオン伝導性高分子電解質膜3を挟み、熱プレスなどで接合することでMEAを製造することができる。
そして、このMEAを、反応ガス流路を有する2枚のセパレータで挟持させることにより、燃料電池セルを形成することができる。燃料電池セルは単体でも燃料電池として機能するが、この燃料電池セルを多数積層することによって、大きい起電力を得ることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明する。
(実施例1)
白金担持量が30質量%である市販の白金担持カーボン触媒2.0g及び市販の水素イオン伝導性高分子電解質20質量%溶液(ナフィオン溶液)5.0gを、水20.0gとイソプロパノール23.0gの混合溶媒中で超音波ホモジナイザーを使用して30分間攪拌して触媒インク1を調製した(白金触媒粒子固形分比20質量%、水素イオン伝導性高分子電解質固形分比33質量%)。
白金担持量が30質量%である市販の白金担持カーボン触媒1.5g及び市販の水素イオン伝導性高分子電解質20質量%溶液(ナフィオン溶液)7.5gを、水20.0gとイソプロパノール23.0gの混合溶媒中で超音波ホモジナイザーを使用して30分間攪拌して触媒インク2を調製した(白金触媒粒子固形分比15質量%、水素イオン伝導性高分子電解質固形分比50質量%)。
白金担持量が30質量%である市販の白金担持カーボン触媒1.0g及び市販の水素イオン伝導性高分子電解質20質量%溶液(ナフィオン溶液)10.0gを、水20.0gとイソプロパノール23.0gの混合溶媒中で超音波ホモジナイザーを使用して30分間攪拌して触媒インク3を調製した(白金触媒粒子固形分比10質量%、水素イオン伝導性高分子電解質固形分比67質量%)。
調整した触媒インク1をシリンジに入れて、ノズルの内径が約2mmであり振動周波数が100kHzである超音波スプレーにて、噴霧圧0.01MPa 、送液速度0.15ml/分で、目処め層付きカーボンペーパー(E―Tek社製)上に、超音波噴霧した。ついでその上へ、触媒インク2を、同じようにノズルの内径が約2mmである超音波スプレーにて、噴霧圧0.01MPa、送液速度0.15ml/分で超音波噴霧を行った。さらにその上へ、触媒インク3を、ノズルの内径が約2mmである超音波スプレーにて、噴霧圧0.01MPa、送液速度0.15ml/分で超音波噴霧を行った。触媒層の白金担持量はアノード側を0.10mg/cm2、カソード側を0.15mg/cm2となるように作製した。そのときのアノード側の触媒層とカソード側の触媒層はともに、空孔度55%であった。
得られた触媒電極を所定の面積にカットして、水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン膜)と接合してMEAを作製した。接合には熱プレスを用いて、150℃、50kg/cm2、5分の条件で行った。次に、このMEAを、反応ガス流路を有する2枚のセパレータで挟持させて図2に示すような燃料電池セルを製造した。
(実施例2)
触媒インク1を、ノズルの内径が約2mmであり振動周波数が100kHzである超音波スプレーにて、噴霧圧0.01MPa 、送液速度0.15ml/分で、目処め層付きカーボンペーパー(E―Tek社製)上に、超音波噴霧を行った。ついでその上へ、触媒インク3を、ノズルの内径が約2mmであり振動周波数が100kHzである超音波スプレーにて、噴霧圧0.01MPa 、送液速度0.15ml/分で超音波噴霧を行った。触媒層の白金担持量はアノード側を0.10mg/cm2 、カソード側を0.15mg/cm2となるように作製した。そのときのアノード側の触媒層とカソード側の触媒層はともに、空孔度50%であった。
得られた触媒電極を所定の面積にカットして、水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン膜)と接合してMEAを作製した。接合には熱プレスを用いて、150℃、50kg/cm2、5分の条件で行った。次に、このMEAを、反応ガス流路を有する2枚のセパレータで挟持させて図2に示すような燃料電池セルを製造した。
(実施例3)
触媒インク2を、ノズルの内径が約2mmであり振動周波数が100kHzである超音波スプレーにて、噴霧圧0.01MPa 、送液速度0.15ml/分で、目処め層付きカーボンペーパー(E―Tek社製)上に、超音波噴霧を行った。触媒層の白金担持量はアノード側を0.10mg/cm2 、カソード側を0.15mg/cm2となるように作製した。そのときのアノード側の触媒層とカソード側の触媒層はともに、空孔度45%であった。
(比較例1)
実施例1で用いた超音波スプレーを、エアスプレーに変更したこと以外は実施例1と同様である。
得られた触媒電極を所定の面積にカットして、水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン膜)と接合してMEAを作製した。接合には熱プレスを用いて、150℃、50kg/cm2、5分の条件で行った。次に、このMEAを、反応ガス流路を有する2枚のセパレータで挟持させて図2に示すような燃料電池セルを製造した。
(燃料電池の電池性能測定)
水素流量が400ml/分、酸素流量が200ml/分となるようにして80℃で加湿・加熱した水素ガスと、加湿していない酸素ガスを供給して反応を行わせ、電池性能を測定した。その結果を表1に示す。実施例1及び実施例2の触媒電極を用いた場合では比較例1の触媒電極を用いた場合と比べて電池性能が向上することがわかった。
Figure 0005114859
(電気化学的な白金表面積の測定)
周知の電気化学測定法に準じて、触媒電極の水素脱離電気量を測定し、この値を電極面積で割って電極単位面積あたりの水素脱離電気量を求め、次いで210μC/cm2で割り、さらにこの値を電極単位面積あたりの白金担持量で割ることによって、白金単位重量あたりの活性な表面積を測定した。なお、アノード極側には水素ガスを、カソード極側には窒素ガスを加湿状態40℃の条件でそれぞれ供給して測定した。
その測定の結果、実施例1のカソード極側の電気化学的に活性な表面積は910cm2/mgであった。実施例2のカソード極側の電気化学的に活性な表面積は840cm2/mgであった。実施例3のカソード極側の電気化学的に活性な表面積は770cm2/mgであった。一方、(比較例1)のカソード極側の電気化学的に活性な表面積は480cm2/mgであった。白金触媒のサイズを約2nmと仮定すると、白金触媒がすべて有効に利用された場合の表面積は1400cm2/mg程度となる。この値を用いて白金触媒の有効利用率を求めると、実施例1では65%、実施例2では60%、実施例3では55%、比較例1では34%となることが分かった。
以上の測定結果より、実施例1〜3の触媒電極は、比較例1の触媒電極と比べて、白金有効利用率が高くなり、且つ電池性能が優れていることが確認できた。
本発明の燃料電池用触媒電極は、低白金量でも白金触媒の有効利用率が高くなり優れた発電性能を有し、安価で製造可能であり、そして優れた発電性能を有する固体高分子型燃料電池を製造できることから、固体高分子型燃料電池の分野での応用が期待できる。
膜・電極接合体の製造工程の説明図である。 燃料電池の分解斜視図である。
符号の説明
1……アノード側のセパレータ、2……アノード側触媒電極、21……アノード側電極基材、22……アノード側触媒層、3……水素イオン伝導性高分子電解質膜、4……カソード側触媒電極、41……カソード側電極基材、42……カソード側触媒層、5……カソード側のセパレータ。

Claims (1)

  1. 白金触媒粒子と水素イオン伝導性高分子電解質とを固形分として含む懸濁液を、燃料電池の60〜120℃に加熱した電極基材表面に超音波振動を利用して、振動周波数10kHz〜500kHzの範囲でスプレーノズルを共振させながら霧化させて噴霧し、前記電極基材表面に前記懸濁液を付着させ、触媒層を形成する工程を有することを特徴とする燃料電池用触媒電極の製造方法。
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