JP2008171702A - 燃料電池用接合体の製造方法、燃料電池の製造方法、燃料電池用接合体及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用接合体の製造方法、燃料電池の製造方法、燃料電池用接合体及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン導電性、耐久性能等に優れる燃料電池用接合体の製造方法及び燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体を形成し、その造粒触媒粉体をシート状に成形して触媒層シートを形成し、さらにその触媒層シートと電解質膜とを接合することにより、イオン導電性、耐久性能等の燃料電池性能に優れる燃料電池用接合体の製造方法及び燃料電池の製造方法を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池用接合体の製造方法、燃料電池の製造方法、燃料電池用接合体及び燃料電池に関する。
環境問題や資源問題への対策の一つとして、酸素や空気等の酸化性ガスと、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等とを原料として電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する燃料電池が注目されている。燃料電池において、電解質膜の一方の面に燃料極(アノード触媒層)と、もう一方の面に空気極(カソード触媒層)とを電解質膜を挟んで対向するように設け、電解質膜を挟持した各触媒層の外側に拡散層をさらに設け、これらを原料供給用の通路を設けたセパレータで挟んで電池を構成し、各触媒層に水素、酸素等の原料を供給して発電する。
燃料電池の発電時には、燃料極に供給する原料を水素ガス、空気極に供給する原料を空気とした場合、燃料極において、水素ガスから水素イオンと電子とが発生する。電子は外部端子から外部回路を通じて空気極に到達する。空気極において、供給される空気中の酸素と、電解質膜を通過した水素イオンと、外部回路を通じて空気極に到達した電子により、水が生成する。このように燃料極及び空気極において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。この燃料電池は、発電に使用される原料のガスや液体燃料が豊富に存在すること、また、その発電原理より排出される物質が水であること等より、クリーンなエネルギー源として様々な検討がされている。
燃料電池の触媒層は、通常、白金(Pt)等を担持した触媒担持カーボン等の触媒担持粒子と、固体高分子電解質等の樹脂とを含んで構成される。燃料電池の触媒層については、イオン導電性等の電池性能の向上のため、各種提案がされている。例えば、白金(Pt)等を担持した触媒担持カーボン等の触媒担持粒子と、固体高分子電解質等の樹脂とを含む触媒粉体により触媒層を形成することが知られている。
例えば特許文献1には、触媒担持カーボンと電解質溶液との混合インクをアルコールに対して易溶解性となる程度に乾燥、粉砕後、その触媒粉末を圧延することによって、触媒層シートを作製し、その触媒層シートにアルコール水溶液を含浸することによって、あるいは触媒担持カーボンと電解質溶液との混合インクをアルコールに対して難溶解性となる程度に乾燥、粉砕後、この粉末と電解質溶液との混合インクをアルコールに対して易溶解性となる程度に乾燥、粉砕後、その触媒粉末を圧延することによって、触媒層シートを作製し、その触媒層シートにアルコール水溶液を含浸することにより得た触媒層シートを電解質膜にホットプレスすることが記載されている。この方法により、触媒粒子同士の結着性が向上し、イオン伝導性が向上するとしている。
また、特許文献2には、触媒担持カーボンと、ポリテトラフルオロエチレン(結着剤)と、炭酸カルシウム等の造孔剤との混合物を圧延してシート体にして、多孔性基板(拡散層)と圧着させ、このシートを電解質膜にホットプレスすることが記載されている。この方法では、圧延してシート体形成後、硝酸水溶液への含浸等により炭酸カルシウムを溶解させて造孔し、高温処理によりポリテトラフルオロエチレンを溶融して撥水機能を向上させた後、電解質溶液に含浸することで、電池性能が向上するとしている。
また、特許文献3には、触媒担持カーボンと電解質溶液とを混合し、ポリテトラフルオロエチレン(結着剤)、水を加えて懸濁液とし、その混練物を圧延等によりシート化し、このシートを電解質膜にホットプレスすることが記載されている。
また、特許文献4には、触媒担持カーボンと電解質溶液との混合物を乾燥させ、ポリテトラフルオロエチレン/水に加えて混合し、得られたペーストを圧延によりシート化し、このシートを電解質膜にホットプレスすることが記載されている。
また、特許文献5には、触媒担持カーボンと電解質溶液との混合物の噴霧乾燥により得た混合体に、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョンを加えて混練物とし、圧延等によりシート化し、このシートを電解質膜にホットプレスすることが記載されている。
特開平7−130375号公報 特開平9−120821号公報 特開平7−130371号公報 特開2001−185162号公報 特開平10−189002号公報
しかし、特許文献1の方法では、圧延前に用いる触媒粉末が単純に粉砕されたものであるため、圧延により圧縮されると触媒層シート中で気孔が閉塞され、十分な気孔が確保されず、ガス拡散性が低下する。
また、特許文献2の方法では、圧延してシート体形成後に電解質溶液を含浸させるため、電解質がシート体の内部全体に均一に拡散せず、特にシート体表面近傍に存在する造孔部位に電解質が偏析するので、イオン伝導性が低下する。また、圧延前に用いる触媒粉末が単純に粉砕されたものであるため、圧延により圧縮されると触媒層シート中で気孔が閉塞され、十分な気孔が確保されず、さらにシート体表面近傍に偏析する電解質がシート体内部へのガス拡散を阻害するため、ガス拡散性が低下する。さらに、造孔のために電池反応とは無関係の物質(炭酸カルシウム等)が使用されているため、シート体内部に不純物として残存し、電池性能が低下する。
また、特許文献3〜5の方法では、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンが使用されているため、300℃以上の高温条件で圧延を行う必要があり、電解質の劣化により耐久性能等の電池性能が低下する。また、触媒粉体の製造条件等については具体的になんら規定されておらず、製造条件によっては電池性能に問題が生じる。
このように、イオン導電性、ガス拡散性、耐久性能等の燃料電池性能の向上のためには、いずれの方法も不十分である。
本発明は、イオン導電性、ガス拡散性、耐久性能等に優れる燃料電池用接合体の製造方法、燃料電池の製造方法、燃料電池用接合体及び燃料電池である。
本発明は、電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体の製造方法であって、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体を形成する造粒触媒粉体形成工程と、前記造粒触媒粉体をシート状に成形し、触媒層シートを形成する成形工程と、前記触媒層シートと電解質膜とを接合する接合工程と、を含む。
また、前記燃料電池用接合体の製造方法において、前記造粒触媒粉体は、前記触媒担持粒子と前記固体高分子電解質と溶媒とを混合して触媒インクを作製する触媒インク作製工程と、前記触媒インクを噴霧、乾燥することにより、前記造粒触媒粉体を形成する噴霧乾燥工程と、を含む方法により得られることが好ましい。
また、前記燃料電池用接合体の製造方法において、前記造粒触媒粉体は、気相に分散した前記触媒担持粒子に前記固体高分子電解質と溶媒とを含む電解質溶液を噴霧しながら乾燥することにより、前記造粒触媒粉体を形成する噴霧乾燥工程と、を含む方法により得られることが好ましい。
また、前記燃料電池用接合体の製造方法において、前記噴霧、乾燥時の温度が100℃以下であることが好ましい。
また、前記燃料電池用接合体の製造方法において、前記造粒触媒粉体の重量に対して10〜20重量%の範囲で前記溶媒が残存するように、前記乾燥を行うことが好ましい。
また、前記燃料電池用接合体の製造方法において、前記電解質膜の表面に接合補助溶液を塗布した後、前記触媒層シートと前記電解質膜とを接合することが好ましい。
また、本発明は、電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体と、前記触媒層上に形成された拡散層とを含む燃料電池の製造方法であって、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体を形成する造粒触媒粉体形成工程と、前記造粒触媒粉体をシート状に成形し、触媒層シートを形成する成形工程と、前記触媒層シートと電解質膜とを接合する接合工程と、を含む。
また、本発明は、電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体であって、前記触媒層は、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体がシート状に成形されたものである。
さらに、本発明は、電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体と、前記触媒層上に形成された拡散層とを含む燃料電池であって、前記触媒層は、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体がシート状に成形されたものである。
本発明では、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体を形成し、その造粒触媒粉体をシート状に成形して触媒層シートを形成し、さらにその触媒層シートと電解質膜とを接合することにより、イオン導電性、耐久性能等の燃料電池性能に優れる燃料電池用接合体の製造方法及び燃料電池の製造方法を提供することができる。
本発明では、触媒層として触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体をシート状に成形したものを用いることにより、イオン導電性、耐久性能等の燃料電池性能に優れる燃料電池用接合体及び燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<燃料電池用接合体及び燃料電池>
本実施形態に係る燃料電池用接合体及び燃料電池について説明する。本実施形態に係る燃料電池用接合体は、燃料極(アノード触媒層)と、電解質層と、空気極(カソード触媒層)とを備える。また、本実施形態に係る燃料電池は、この燃料電池用接合体と、拡散層とを備える。
図1に、本実施形態に係る燃料電池の構成の一例の概略断面図を示す。燃料電池1は、電解質膜10と、燃料極(アノード触媒層)12と、空気極(カソード触媒層)14と、拡散層16と、セパレータ18とにより構成される。
図1に示すように、燃料電池1は、電解質膜10の一方の表面に燃料極12が、もう一方の表面に空気極14が電解質膜10を挟んでそれぞれ対向するように形成された燃料電池用接合体である膜電極複合体20(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、膜電極複合体20を挟んで両面に設けられた拡散層16と、拡散層16の両外側を挟持するセパレータ18とを備える。セパレータ18には空洞部が設けられ、燃料極12及び空気極14にそれぞれ水素ガス、空気等の原料を供給するための原料供給路22,24となっている。
燃料電池1において、例えば、燃料極12に供給する原料を水素ガス、空気極14に供給する原料を空気として運転した場合、燃料極12において、
2H → 4H+4e
で示される反応式(水素酸化反応)を経て、水素ガス(H)から水素イオン(H)と電子(e)とが発生する。電子(e)は拡散層16から外部回路を通り、拡散層16から空気極14に到達する。空気極14において、供給される空気中の酸素(O)と、電解質膜10を通過した水素イオン(H)と、外部回路を通じて空気極14に到達した電子(e)により、
4H+O+4e → 2H
で示される反応式(酸素還元反応)を経て、水が生成する。このように燃料極12及び空気極14において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。そして、一連の反応において排出される成分は水であるので、クリーンな電池が構成されることになる。
本実施形態において、燃料極12及び空気極14は、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体がシート状に成形されたものである。すなわち燃料極12及び空気極14は、触媒担持粒子及び固体高分子電解質を所望の均一な粒径及び形状で造粒した造粒触媒粉体が粉体状態からシート状に成形された触媒層シートにより構成されたものである。
本実施形態に係る造粒触媒粉体の概略図を図2に示す。造粒触媒粉体30は、触媒担持粒子32と固体高分子電解質34とを含んで構成されたものである。造粒触媒粉体30は、「中実状粒子」でも、内部に空間が形成された「中空状粒子」であってもよい。また、「中実状粒子」及び「中空状粒子」の両方を含むものであってもよい。なお、本明細書において「中空状粒子」とは、内部に空間を有する球殻状粒子のことをいうが、その空間は必ずしも閉空間に限られず、例えば、球殻状粒子の外殻部の一部が欠けることにより外界に連続された開空間をも含むものである。
また、造粒触媒粉体30の形状は球状であることが好ましく、一部が窪んだ略球状等であってもよい。造粒触媒粉体30の形状が球状または略球状であると、触媒粒子間の気孔を十分に確保することができ、ガス拡散性及び排水性等が向上するため好ましい。
触媒担持粒子32の触媒は、白金(Pt)の他にPtFeやPtCo等の合金でも良い。
固体高分子電解質34としては、プロトン(H)等のイオン伝導性の高い材料であれば特に制限はなく、例えば、パーフルオロスルホン酸系等の固体高分子電解質が用いられる。具体的には、ジャパンゴアテックス(株)のゴアセレクト(Goreselect、登録商標)、デュポン社(Du Pont社)のナフィオン(Nafion、登録商標)、旭化成(株)のアシプレックス(Aciplex、登録商標)、旭硝子(株)のフレミオン(Flemion、登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系固体高分子電解質を使用することができる。
造粒触媒粉体30の体積平均粒径は、通常1〜20μmの範囲である。本実施形態に係る方法では、触媒層内で形成される細孔(気孔)は、造粒粒子内部に由来する従来の数十nm〜100nm程度のものに加えて、粒子間空隙に由来する0.1〜5μmレベルの大きなものも含み、スムーズな原料ガス供給及び生成水排出を行うことができる。
なお、造粒触媒粉体の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を使用して測定することができる。造粒触媒粉体の製造方法については後述する。
造粒触媒粉体30は、撥水性を向上させるために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水化剤を含有しても良い。
本実施形態において、触媒担持粒子及び固体高分子電解質を含む造粒触媒粉体がシート状に成形されたものであるため、触媒層シートの表面の平滑性が良好であり、電解質膜と接合時に電解質膜への食いこみを防止することができ、電池の耐久性を向上することができる。
燃料極12及び空気極14は、造粒触媒粉体30を使用してシート化された触媒層シートにより構成される。
電解質膜10としては、プロトン(H)等のイオン伝導性の高い材料であれば特に制限はなく、パーフルオロスルホン酸系や炭化水素系等の固体高分子電解質膜が用いられる。具体的には、ジャパンゴアテックス(株)のゴアセレクト(Goreselect、登録商標)、デュポン社(Du Pont社)のナフィオン(Nafion、登録商標)、旭化成(株)のアシプレックス(Aciplex、登録商標)、旭硝子(株)のフレミオン(Flemion、登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系固体高分子電解質膜を使用することができる。電解質膜10の膜厚は例えば、10μm〜200μm、好ましくは15μm〜50μmの範囲である。
また、電解質膜10には、必要に応じて補強膜として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン、ポリイミド等の、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の延伸多孔質膜を設けてもよい。この場合、溶液キャスト法等の方法により補強膜の表裏面に電解質膜10を形成する。補強膜の表裏面に電解質膜10が形成された3層構造であってもよいが、5層構造、あるいはそれ以上の層構造であってもよい。
拡散層16としては、導電性が高く、燃料及び空気等の原料の拡散性が高い材料であれば特に制限はないが、多孔質導電体材料であることが好ましい。導電性の高い材料としては、例えば、金属板、金属フィルム、導電性高分子、カーボン材料等が挙げられ、カーボンクロス、カーボンペーパ、ガラス状カーボン等のカーボン材料が好ましく、カーボンクロス、カーボンペーパ等の多孔質カーボン材料であることがより好ましい。拡散層16の膜厚は例えば、50μm〜1000μm、好ましくは100μm〜300μmの範囲である。
また、拡散層16は、拡散層16の撥水性の向上のために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂と、電子伝導性を有する、例えばカーボンブラック等との混合溶液である撥水ペーストにより撥水処理がされてもよい。
セパレータ18は、耐食処理が施された金属板または焼成カーボン等のカーボン系材料等で構成される。セパレータ18の空洞部は、燃料極12及び空気極14にそれぞれ水素ガス、空気等の原料を供給するための原料供給路22,24となっている。
このようにして製造された燃料電池1において、燃料極12側の拡散層16と空気極14側の拡散層16とを外部回路に電気的に接続し、燃料極12及び空気極14にそれぞれ原料を供給して運転すれば、電池として機能させることができる。
燃料極12側に供給する原料としては、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等が挙げられる。空気極14側に供給する原料としては、酸素や空気等の酸化性ガス等が挙げられる。
<燃料電池接合体及び燃料電池の製造方法>
(造粒触媒粉体の製造方法)
本発明の実施形態に係る造粒触媒粉体は、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを混合、造粒、乾燥して、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体を形成する造粒触媒粉体形成工程により得ることができる。触媒粉体形成工程としては、例えば、触媒担持粒子と固体高分子電解質と溶媒とを混合して触媒インクを作製する触媒インク作製工程と、触媒インクを噴霧、乾燥することにより、造粒触媒粉体を形成する噴霧乾燥工程とを含む方法(方法A)、あるいは、気相に分散した触媒担持粒子に固体高分子電解質と溶媒とを含む電解質溶液を噴霧しながら乾燥することにより、造粒触媒粉体を形成する噴霧乾燥工程とを含む方法(方法B)等が挙げられるが、これらに限定されない。
まず、方法Aについて説明する。図3に方法Aの一例の概略を図示する。まず、触媒担持粒子32と固体高分子電解質34と溶媒36とを容器38中で混合、分散して触媒インク40を作製する(触媒インク作製工程)。次に、噴霧乾燥手段42を用いて当該触媒インク40を噴霧乾燥することにより、触媒担持粒子32と固体高分子電解質34とを含む造粒触媒粉体30を形成、造粒する(噴霧乾燥工程)。
触媒担持粒子32と固体高分子電解質34と溶媒36との混合、分散は、ボールミル、ジェットミル、ロールミル等の各種ミルによる分散方法や、超音波分散法等により行うことができる。
触媒インクを噴霧乾燥する方法としては、噴霧乾燥手段42であるスプレードライヤを使用して、アトマイザ44等により触媒インク40を微粒子液滴状に噴霧し高温気流と接触させることによりミストを瞬間的に乾燥して造粒触媒粉体を得るスプレードライ法や超音波霧化装置を用いる方法等が挙げられる。このスプレードライ法において、触媒インク40の固形分濃度、もしくは触媒インク40の粘度、表面張力、噴霧乾燥時の温度、噴霧液量、噴霧圧力、噴霧ノズル径等を制御して、触媒担持粒子32と固体高分子電解質34との凝集体を形成させることにより、所望の均一な粒径及び形状で造粒した造粒触媒粉体30を得ることができる。例えば、触媒インク40の固形分濃度を高くしたり、噴霧圧力を小さくすれば、より大きな粒径の造粒触媒粉体30が得られ、触媒インク40の固形分濃度を低くしたり、噴霧圧力を大きくすれば、より小さな粒径の造粒触媒粉体30が得られる。このように、触媒インクを噴霧乾燥する方法により、造粒触媒粉体の粒径を自由に制御することができる。また、触媒インク組成や噴霧乾燥時の温度、噴霧液量、噴霧圧力等の条件等により、中空状の造粒触媒粉体30を得ることもできる。
溶媒36としては、固体高分子電解質34を溶解し、触媒担持粒子32を良好に分散することができればよく特に制限されないが、固体高分子電解質34に対する良溶媒、あるいは固体高分子電解質34に対する良溶媒と水との混合溶媒を使用することが好ましい。固体高分子電解質34に対する良溶媒としては、例えば、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒等の有機溶媒が挙げられるが、取り扱い性、触媒担持粒子32の分散性の点からエタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。
例えば、水とエタノールとの混合溶媒を使用するときには、水の量が多すぎると、混合溶液の分散性が低下する場合がある。また、水の量が少なすぎると、アルコール系溶媒の引火性等から、取り扱い性が悪くなる場合がある。これらの点から、固体高分子電解質34に対する良溶媒単独よりも、固体高分子電解質34に対する良溶媒と水との混合溶媒を使用することが好ましい。
噴霧乾燥時の温度は、使用する溶媒の沸点、使用する固体高分子電解質34のガラス転移温度(Tg)等に応じて決めればよい。噴霧乾燥時の温度は例えば、30℃〜150℃の範囲であるが、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。好ましくは例えば、50℃〜100℃の範囲である。噴霧乾燥時の温度が100℃を超えると、噴霧乾燥中に溶媒が急激に蒸発し、固体高分子電解質34中の溶剤分が減少することで、固体高分子電解質34の結晶化度が大きくなり、水分を吸収しにくくなるため、電池性能が低下する場合がある。また、噴霧乾燥時の温度が使用する固体高分子電解質34のガラス転移温度(Tg)より高いと、電解質のプロトン導電性等に影響し電池性能が劣化する場合がある。
次に、方法Bについて説明する。図4に方法Bの一例の概略を図示する。本方法では、気相に分散した触媒担持粒子32に、固体高分子電解質及び溶媒を含む電解質溶液46をアトマイザ44等により噴霧しながら、造粒、乾燥することにより、造粒触媒粉体30を形成する(噴霧乾燥工程)。これにより、所望の形状、粒径に制御して造粒触媒粉体30を作製することができる。
溶媒としては上記方法Aで用いる溶媒と同様のものを使用することができる。また、噴霧乾燥時の温度条件は、方法Aと同様のものとすることができる。触媒担持粒子32の分散時の気相としては、例えば窒素気相中、アルゴン気相中で行うことができる。
方法Aの場合は、方法Bの場合に比べて、球状の粒子を生成しやすいという利点がある。また、方法Aの場合は、粒子の表面近傍だけでなく粒子内部にも電解質が存在する、すなわち触媒担持カーボンの凝集体の内部にも電解質が存在する傾向にあるが、方法Bの場合は、造粒触媒粉体の粒子の表面近傍、すなわち触媒担持カーボンの凝集体の表面近傍に電解質が存在する傾向にある。したがって方法Bの場合は、造粒触媒粉体の周囲で触媒/電解質/ガスの三相界面が形成されやすいため、造粒触媒粉体の粒径を小さくして表面積を増やすことにより、方法Aに比べて電池反応の効率が向上する可能性がある。さらに、方法Bの場合は、方法Aの場合に比べてコスト面で有利である。
また、噴霧乾燥工程において、造粒触媒粉体の乾燥は、造粒触媒粉体の重量に対して10〜20重量%の範囲で溶媒が残存するように行うことが好ましい。例えば、噴霧乾燥温度、乾燥時間等の条件を制御することにより、残存溶媒量を上記範囲にすることができる。これにより、触媒層シートを形成する際の電解質同士の結着性確保による成形性が向上し、プロトン導電パスを十分に確保することができる。残存溶媒が10重量%より少ないと電解質同士の結着性確保による成形性の向上が不十分となり、20重量%より多いと、シート化したときにシートの強度が不足する場合があり、さらにシート化する際、ロール等に造粒触媒粉体が付着したりする場合がある。
(燃料電池)
燃料電池接合体は、上記造粒触媒粉体を粉体状態からシート状に成形して触媒層シートを形成し(成形工程)、その触媒層シートと電解質膜とを接合する(接合工程)ことによって得ることができる。
図5に、燃料電池接合体の製造方法の概略を図示する。造粒触媒粉体30を粉体のまま、圧延ロール48によりシート化し、触媒層シート50を得る(成形工程)。触媒層シート50形成後、そのシートを電解質膜10と加熱、圧着により接合して、電極化する(接合工程)。なお、触媒層シートと電解質膜との接合時に、触媒層シートと電解質膜と拡散層とを同時に接合しても良い。
上記の方法により造粒して球状又は略球状とした造粒触媒粉体を用いて成形することにより、シート中の粒子間に気孔を十分に確保することができ、十分なガス拡散性及び排水性を得ることができる。また、シート化の前に触媒/電解質混合体を作製しているため、触媒層シート中に電解質を均一に分散させることができ、イオン伝導性を向上することができる。
成形工程における成形方法としては粉体をシート化できる方法であれば良く特に制限はないが、面プレス、圧延(ロールプレス)等が挙げられる。面プレスに比べて、圧延は圧力をかける時間が短くてすむため、電解質等の劣化を抑制することができ、生産性も高いため好ましい。
面プレスまたは圧延時には、例えば100℃〜150℃程度の温度で加熱することが好ましい。本範囲の温度で加熱することにより、電解質の劣化をほとんど起こさずに電解質のバインダ効果を十分に発揮させることができる。また、面プレス時には、電解質の劣化を防止するためにプレス時間を所定の時間に調整することが好ましい。
触媒層シートの厚みが小さいために所望の触媒量の圧延等ができない場合には、所望の触媒量よりも多い量で圧延を行った後、研磨等により所定の触媒量としても良い。
また、触媒層シートと電解質膜との接合前に、電解質膜表面を予め水等の溶媒や電解質溶液等の接合補助溶液で湿潤させることにより、触媒層シートと電解質膜との結着性が向上し、界面抵抗の低減により電池性能をより向上させることができる。また、圧着力を低減することができるため、さらに耐久性能の向上を図ることができる。
本実施形態に係る燃料電池の製造方法において、造粒触媒粉体を方法Aにより製造する場合の一例は以下の通りである。図3に示すように、白金担持カーボン(触媒担持粒子32)とパーフルオロスルホン酸系の固体高分子電解質34とを、水/エタノール(重量比30:70〜80:20)混合溶媒(溶媒36)に添加、混合し、超音波を当てながら分散して触媒インク40を作製する。
次に、スプレードライヤを使用して、アトマイザ44により触媒インク40を微粒子液滴状に噴霧し高温気流と接触させることによりミストを瞬間的に乾燥して造粒触媒粉体30を得る。このスプレードライ法において、例えば、噴霧乾燥時の温度は30〜150℃、好ましくは100℃以下、噴霧液量は0.1〜50mL/min、乾燥空気量0.1〜3.0m/minとする。また、噴霧圧力は、例えば、0.05〜0.5MPaとすればよい。
次に図5に示すように圧延ロール48により、例えば、白金含有量が0.4mg/cm程度になるように、温度100〜150℃、圧力30〜50kgf/cmの条件で触媒層シート50を形成した後、ロールプレス機を用いて温度100〜160℃、プレス圧10〜50kgf/cm、速度0.5〜15m/minの条件で触媒層シート50を電解質膜10と、あるいは電解質膜10及び拡散層16と定着させる。以降、公知の方法に従い、拡散層16及びセパレータ18を形成し、両側の拡散層16を外部回路に電気的に接続し、セルを形成する。
また、本実施形態に係る燃料電池の製造方法において、造粒触媒粉体を方法Bにより製造する場合の一例は以下の通りである。パーフルオロスルホン酸系の固体高分子電解質を、水/エタノール(重量比30:70〜80:20)混合溶媒に添加、混合し、電解質溶液46を作製する。電解質溶液46の固形分濃度は、例えば、1〜20重量%とすればよい。
次に、図4に示すように、白金担持カーボン(触媒担持粒子32)を窒素気相中に分散させた状態で、アトマイザ44により電解質溶液46を微粒子液滴状に噴霧し高温気流と接触させることによりミストを瞬間的に乾燥して造粒触媒粉体30を得る。この方法において、例えば、噴霧乾燥時の温度は50〜150℃、好ましくは100℃以下、噴霧液量は0.1〜50mL/min、乾燥空気量0.1〜3.0m/minとする。また、噴霧圧力は、例えば、0.05〜0.5MPaとすればよい。さらに、白金担持カーボンの窒素気相中での分散圧力を調整して、造粒触媒粉体30の粒径を制御することができる。以降、方法Aと同様にして、圧延、接合を行うことができる。
造粒触媒粉体を電解質膜上に塗布し、圧着(定着)する方法では、触媒粉体が電解質膜に食い込むため、電解質膜あるいは拡散層への物理的ダメージを与え、耐久性能を低下させてしまうが、本実施形態に係る方法では、触媒層シートの表面は平滑であるため、加熱、圧着による定着、電極化の際の電解質膜あるいは拡散層に対する物理的ダメージを軽減し、耐久性能を向上させることができる。
本実施形態に係る燃料電池としては、図1のような平板状に限らず、チューブ状等であってもよい。また、本実施形態に係る燃料電池は、1つの燃料電池(単セル)を複数個集合させて、直列に接続することにより、必要とする電流、電圧を得ることができる。
本実施形態に係る燃料電池は、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、家庭用電源等として用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<カソード触媒インク作製>
触媒担持粒子として10重量%白金担持カーボン1重量部と、固体高分子電解質としてナフィオン(Nafion、登録商標、デュポン社(Du Pont社)製)0.63重量部と、溶媒として水6重量部及びエタノール8重量部とを混合して、超音波ホモジナイザにより20分間分散を行い、カソード触媒インクを作製した。
<アノード触媒インク作製>
触媒担持粒子として10重量%白金担持カーボン1重量部と、固体高分子電解質としてナフィオン(Nafion、登録商標、デュポン社(Du Pont社)製)0.9重量部と、溶媒として水6重量部及びエタノール8重量部とを混合して、超音波ホモジナイザにより20分間分散を行い、アノード触媒インクを作製した。
<造粒触媒粉体A,B作製>
上記カソード触媒インク、アノード触媒インクを用いスプレードライヤを使用して造粒触媒粉体A、Bをそれぞれ作製した。スプレードライヤによる噴霧乾燥の条件(噴霧圧力、噴霧乾燥温度)は表1の通りとした。なお、噴霧乾燥温度はスプレードライヤのインク入口における温度である。粉体回収容器に捕捉された造粒触媒粉体に約10重量%の溶媒が残存するように乾燥を行った。得られた造粒触媒粉体Aの体積平均粒径は約4〜5μm、造粒触媒粉体Bの体積平均粒径は約4〜5μmであった。造粒触媒粉体の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を使用して測定した。また、走査型電子顕微鏡(SEM)により造粒触媒粉体の粒子形状を観察したところ、粉体Aは球状であり、粉体Bは概ね球状であった。
<シート化及び接合>
造粒触媒粉体Aをカソード触媒粉体含有量が白金含有量として1.8mgPt/cmと、造粒触媒粉体Bをアノード触媒粉体含有量が白金含有量として1.2mgPt/cmとなるように圧延ロールによって140℃、50kgf/cmの条件でカソード触媒層シート及びアノード触媒層シートをそれぞれ作製した。その後、カソード触媒量が0.6mgPt/cm、アノード触媒量が0.3mgPt/cmとなるようにそれぞれについて平面研磨を行い、カソード触媒層シート及びアノード触媒層シートをそれぞれ作製した。電解質膜としてナフィオン112(Nafion112、登録商標、デュポン社(Du Pont社)製)を使用し、作製した各触媒層シートを電解質膜両面上に、140℃、5MPaの条件で圧着させて接合体を形成し、燃料電池セルを作製した。
<電池性能評価>
上記のようにして作製したサンプルの電池性能を評価した。耐久時間と電圧との関係を評価した結果を図6に示す。図6において、縦軸は1.0A/cmの電圧値を1とし、横軸は後述する比較例2の電圧値が5%低下した耐久時間を1として表示した。
(比較例1)
<触媒粉体作製>
実施例1で作製したカソード触媒インク及びアノード触媒インクをそれぞれ80℃で徐々に乾燥させて固化させた。残存した固形分をミルで粉砕し、触媒粉体を作製した。得られた触媒粉体の体積平均粒径は6.5μmであり、造粒したものに比べて粒径が大きかった。また、走査型電子顕微鏡(SEM)により触媒粉体の粒子を観察したところ、造粒していないためいずれも異形状が混合された状態であった。
<シート化、接合及び電池性能評価>
このようにして得た各触媒粉体を用いた以外は実施例1と同様にして、カソード触媒層シート及びアノード触媒層シートをそれぞれ作製し、電解質膜上に接合して接合体を形成し、燃料電池セルを作製した。作製したサンプルの電池性能を実施例1と同様にして評価した。結果を図6に示す。
(比較例2)
<触媒層形成及び接合>
実施例1で作製したカソード触媒インク及びアノード触媒インクを用い、カソード触媒粉体含有量が白金含有量として0.6mgPt/cmと、アノード触媒粉体含有量が白金含有量として0.3mgPt/cmとなるように、メイヤーバーを使用してPTFEシート上に塗布、乾燥して各触媒層を順次形成した。
電解質膜としてナフィオン(Nafion112、登録商標、デュポン社(Du Pont社)製)を使用し、電解質膜の両面に、PTFEシート上に形成した各触媒層を配置し、温度140℃、プレス圧5MPaの条件で熱圧転写することにより、接合体を形成し、燃料電池セルを作製した。
<電池性能評価>
上記のようにして作製したサンプルの電池性能を実施例1と同様にして評価した。結果を図6に示す。
図6からわかるように、造粒触媒粉体をシート状に成形した触媒層シートを用いた実施例1の接合体の耐久性能は、造粒していない触媒粉体をシート状に成形した触媒層シートを用いた比較例1、及び造粒触媒粉体を湿式塗布した比較例2の接合体に比べて約1.3倍の向上が見られた。
(実施例2〜4)
スプレードライヤによる噴霧乾燥時の噴霧乾燥温度を80℃、90℃、110℃とした以外は実施例1と同様にして造粒触媒粉体を作製した。作製した造粒触媒粉体を用いてカソード触媒層シート及びアノード触媒層シートをそれぞれ作製し、電解質膜上に接合して接合体を形成し、燃料電池セルを作製した。作製したサンプルの電圧0.6Vにおける電流密度を評価し、比較した結果を図7に示す。
図7からわかるように、噴霧乾燥温度が100℃以下の場合に電流密度が高かった。また、噴霧乾燥温度が80℃の場合に電流密度が最も高かった。一方、噴霧乾燥温度が110℃の場合には電流密度がやや低下した。これより噴霧乾燥温度は100℃以下が好ましいことが分かった。
Figure 2008171702
本発明の実施形態に係る燃料電池の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る造粒触媒粉体の概略を示す図である。 本発明の実施形態に係る造粒触媒粉体の作製方法の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る造粒触媒粉体の作製方法の他の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る触媒層シート及び燃料電池用接合体の作製方法の一例を示す図である。 本発明の実施例1、比較例1及び2において作製した燃料電池セルの耐久時間と電圧との関係を示す図である。 本発明の実施例1〜4において作製した燃料電池セルの電流密度を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池、10 電解質膜、12 燃料極(アノード触媒層)、14 空気極(カソード触媒層)、16 拡散層、18 セパレータ、20 膜電極複合体(MEA)、22,24 原料供給路、30 造粒触媒粉体、32 触媒担持粒子、34 固体高分子電解質、36 溶媒、38 容器、40 触媒インク、42 噴霧乾燥手段、44 アトマイザ、46 電解質溶液、48 圧延ロール、50 触媒層シート。

Claims (9)

  1. 電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体の製造方法であって、
    触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体を形成する造粒触媒粉体形成工程と、
    前記造粒触媒粉体をシート状に成形し、触媒層シートを形成する成形工程と、
    前記触媒層シートと電解質膜とを接合する接合工程と、
    を含むことを特徴とする燃料電池用接合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用接合体の製造方法であって、
    前記造粒触媒粉体は、
    前記触媒担持粒子と前記固体高分子電解質と溶媒とを混合して触媒インクを作製する触媒インク作製工程と、
    前記触媒インクを噴霧、乾燥することにより、前記造粒触媒粉体を形成する噴霧乾燥工程と、
    を含む方法により得られることを特徴とする燃料電池用接合体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の燃料電池用接合体の製造方法であって、
    前記造粒触媒粉体は、
    気相に分散した前記触媒担持粒子に前記固体高分子電解質と溶媒とを含む電解質溶液を噴霧しながら乾燥することにより、前記造粒触媒粉体を形成する噴霧乾燥工程と、
    を含む方法により得られることを特徴とする燃料電池用接合体の製造方法。
  4. 請求項2または3に記載の燃料電池用接合体の製造方法であって、
    前記噴霧、乾燥時の温度が100℃以下であることを特徴とする燃料電池用接合体の製造方法。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用接合体の製造方法であって、
    前記造粒触媒粉体の重量に対して10〜20重量%の範囲で前記溶媒が残存するように、前記乾燥を行うことを特徴とする燃料電池用接合体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用接合体の製造方法であって、
    前記電解質膜の表面に接合補助溶液を塗布した後、前記触媒層シートと前記電解質膜とを接合することを特徴とする燃料電池用接合体の製造方法。
  7. 電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体と、前記触媒層上に形成された拡散層とを含む燃料電池の製造方法であって、
    触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体を形成する造粒触媒粉体形成工程と、
    前記造粒触媒粉体をシート状に成形し、触媒層シートを形成する成形工程と、
    前記触媒層シートと電解質膜とを接合する接合工程と、
    を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  8. 電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体であって、
    前記触媒層は、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体がシート状に成形されたものであることを特徴とする燃料電池用接合体。
  9. 電解質膜を挟んで対向するように触媒層が形成された燃料電池用接合体と、前記触媒層上に形成された拡散層とを含む燃料電池であって、
    前記触媒層は、触媒担持粒子と固体高分子電解質とを含む造粒触媒粉体がシート状に成形されたものであることを特徴とする燃料電池。
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