JP2004139789A - 燃料電池用触媒粉末とその製造方法、ならびに電解質膜/電極接合体とこれを備える高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

燃料電池用触媒粉末とその製造方法、ならびに電解質膜/電極接合体とこれを備える高分子電解質型燃料電池 Download PDF

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Makoto Uchida
内田 誠
Yoshihiro Hori
堀 喜博
Yasushi Sugawara
菅原 靖
Shinichi Arisaka
有坂 伸一
Junji Morita
森田 純司
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】燃料電池の触媒層において反応面積を増大させる。
【解決手段】水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記電解質膜を挟持する一対の電極と、前記電極のアノードに燃料を供給するためのガス流路を有するアノード側導電性セパレータと、前記電極のカソードに酸化剤ガスを供給するためのガス流路を有するカソード側導電性セパレータとを備える高分子電解質型燃料電池において、前記アノードおよびカソードは、前記電解質膜と接する触媒層と、前記触媒層を支持するガス拡散層とからなり、前記触媒層は、複次粒子からなり、前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなり、前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料として純水素またはメタノールもしくは化石燃料からの改質水素もしくはメタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料を直接用い、空気や酸素を酸化剤として用いる燃料電池に関し、特に高分子電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものである。その一般的な構造は、まず、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜の両面に、白金等の貴金属を担持した炭素粒子を主成分とする触媒層を形成する。次に、触媒層の外面に、ガス通気性と電子伝導性とを併せ持つガス拡散層を形成する。このガス拡散層と触媒反応層との組み合わせが電極となる。
【0003】
次に、供給するガスが外にリークしたり、2種類のガスが互いに混合しないように、電極の周囲には高分子電解質膜を挟んでシール材やガスケットを配置する。予めシール材やガスケットを電極および高分子電解質膜と一体化したものを電解質膜−電極接合体(MEA)と呼ぶ。MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータを配置する。セパレータのMEAとの接触面には、電極に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路を形成する。ガス流路はセパレータと別に設けることもできるが、セパレータの表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的である。
【0004】
ガス拡散層は、例えば撥水処理を施したカーボンペーパやカーボンクロスなどを用いて形成される。また、触媒層や高分子電解質膜の保湿を目的として、触媒層とガス拡散層との界面に、撥水カーボン層を設けることもある。撥水カーボン層は、炭素粒子と、界面活性剤を含んだポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)粒子の分散液を用いて形成される。まず、炭素粒子とPTFE分散液とを混合し、これを乾燥もしくは濾過して、炭素粒子とポリテトラフルオロエチレン粒子との混合物を調製する。この混合物を水または有機溶媒と混合して、インクを調製し、そのインクをガス拡散層となるカーボンペーパやカーボンクロスの片面に塗工する。塗工法には、スクリーン印刷法、スプレー塗工法、ドクターブレード法、ロールコーター法などが採用される。その後、インクが塗工されたガス拡散層を300〜400℃程度の温度で焼成し、界面活性剤を焼散させることにより、撥水カーボン層が得られる。撥水カーボン層は、触媒層に隣接させて配置する。
【0005】
触媒層は、一般に、貴金属を担持した炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とを用いて形成される。高分子電解質は、エタノールなどのアルコールに溶解または分散させたものが用いられる。まず、白金などの貴金属を担持した炭素粒子と高分子電解質の溶液または分散液をとを混合し、これにイソプロピルアルコールやブチルアルコールなどの比較的高沸点の有機溶媒を添加して、触媒インクを調製する。この触媒インクを、ガス拡散層や高分子電解質膜上に塗工し、乾燥することにより、触媒層が形成される。ここでも、塗工法には、スクリーン印刷法、スプレー塗工法、ドクターブレード法、ロールコーター法などが採用される。
【0006】
ところで、触媒層においては、水素イオン伝導経路、電子伝導経路および反応ガス供給経路(ガスチャネル)が確保されていることが重要である。水素イオン伝導性を持つ高分子電解質と、電子伝導体と、反応ガスの移動路となる細孔とが形成する三相界面の大きさは、燃料電池の放電性能を左右する。
【0007】
三相界面を増大させるために、電子伝導体と高分子電解質との混合層を、電解質膜と電極との界面に付与する試みがなされている。例えば、高分子電解質の分散液と触媒金属原料との混合物を、電解質膜上に塗着し、電極を配してホットプレスし、その後、金属原料を還元する方法が提案されている。また、上記混合物を還元後、電解質膜上に塗着し、ホットプレスを行う方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0008】
電極上に高分子電解質溶液を散布し、この電極を電解質膜とホットプレスする方法、樹脂粒子表面に高分子電解質を被覆して電極中に混入させる方法、高分子電解質の粉末を電極中に混入させる方法、高分子電解質と触媒金属と炭素粒子とフッ素樹脂とを混合し、これを成膜して電極とする方法も提案されている(特許文献3〜6参照)。
【0009】
グリセリンもしくはテトラブチルアンモニウム塩からなる溶媒に、高分子電解質と触媒金属と炭素粒子を分散させてインクを調製し、PTFE製フィルム上に塗布して溶媒を揮散させ、塗膜を高分子電解質膜の表面に転写する方法、電解質膜のイオン交換基をNa型とし、その膜上に上記インクを塗布し、125℃以上で加熱・乾燥し、その後、イオン交換基をH型に戻す方法も提案されている(特許文献7参照)。
【0010】
触媒層にガスチャネルを形成する有効な方法としては、フッ素樹脂などの撥水材を触媒層に添加することが提案されている。例えば、PTFE粉末と触媒金属を担持した炭素粒子を、高分子電解質溶液に分散させ、これを用いて触媒層を作製することが提案されている(特許文献5参照)。また、触媒を担持した炭素粒子をPTFEのコロイド液に分散させ、これを用いて触媒層を作製することが提案されている(特許文献8参照)。さらに、PTFEにより撥水処理した炭素粒子と触媒金属を担持した炭素粒子の混合物から、酸性電解液用のガス拡散電極を作製することが提案されている(非特許文献1参照)。一方、撥水材を用いずに高分子電解質と触媒金属と炭素粒子のみから、触媒層を作製することも提案されている(特許文献7参照)。
【0011】
ところが高分子電解質溶液に、触媒金属を担持した炭素粒子と、撥水材もしくは撥水処理された炭素粒子を添加する場合、撥水材や撥水処理された炭素粒子に高分子電解質が多く吸着し、その分だけ高分子電解質と触媒金属との接触が不均一となる。そのため電極と電解質膜との界面に十分な反応面積が確保できない。また、触媒金属を担持した炭素粒子と高分子電解質のみで触媒層を作製すると、生成水によるフラッディングにより、高電流密度では電池電圧が不安定となる。
【0012】
高分子電解質と触媒金属との接触を高めて触媒金属を有効利用する観点から、高分子電解質のコロイド液を、触媒金属を担持した炭素粒子に吸着させる方法も提案されている(特許文献9参照)。しかし、従来から用いられている重合度約1000のパーフルオロカーボンスルホン酸の高分子電解質を用いた場合、コロイド粒子よりも小さな細孔に存在する触媒金属を有効に機能させることができない(非特許文献2参照)。触媒層の細孔径の最適値は30〜1000nmと報告されており(特許文献10〜12参照)、一次の炭素粒子の細孔径は2.5〜7.5nm、8nm以下、6nm以下などと報告されている(特許文献13〜16参照)。
【0013】
現在市販されている水素イオン伝導性高分子電解質の溶液や分散液は、10%重量程度の濃度である。このため、触媒金属を担持した炭素粒子と高分子電解質の溶液や分散液とを混合して調製したインクには、大量の溶媒または分散媒が含まれている。従って、インクの粘度は低く、スクリーン印刷法などによるインクの塗工は困難である。溶媒または分散媒を蒸発させ、高粘度のインクを得る方法も考えられるが、その場合には均一なインクを調製することが困難である。そこで、あらかじめ水素イオン伝導性高分子電解質溶液を蒸発乾固させ、固体の電解質をイソプロピルアルコールやブチルアルコールなどの比較的高沸点を有する溶媒に溶解し、所望濃度の電解質溶液を調製する方法も提案されている。
【0014】
また、触媒金属を担持した炭素粒子を乾燥雰囲気中に流動させ、流動している粒子に電解質溶液を噴霧し、十分に乾燥させ、電解質で被覆された粒子を調製する方法も提案されている。電解質で被覆された粒子を比較的高沸点を有する溶媒に分散させることによって、所望濃度のインクを調製することができる(特許文献17参照)。
【0015】
【特許文献1】
特公昭62−61118号公報
【特許文献2】
特公昭62−61119号公報
【特許文献3】
特公平2−48632号公報
【特許文献4】
特開平3−184266号公報
【特許文献5】
特開平3−295172号公報
【特許文献6】
特開平5−36418号公報
【特許文献7】
米国特許第5,211,984号明細書
【特許文献8】
特開平4−264367号公報
【特許文献9】
特開平8−264190号公報
【特許文献10】
特開平8−88007号公報
【特許文献11】
特開平9−92293号公報
【特許文献12】
特開平11−329452号公報
【特許文献13】
特開平3−101057号公報
【特許文献14】
特開平9−167622号公報
【特許文献15】
特開2000−3712号公報
【特許文献16】
特開2000−100448号公報
【特許文献17】
特願2000−187260号公報
【非特許文献1】
J.Electroanal.Chem.1986年、第197号、p.195
【非特許文献2】
化学と工業、1995年11月、p.864−869、図4
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
電解質で被覆された粒子を調製する場合、燃料電池の効率を向上させるには、触媒金属を担持した炭素粒子の表面を被覆する電解質の被膜を薄く、かつ、均一にする必要がある。また、できるだけ多くの触媒金属を、高分子電解質と接触させることが重要である。しかし、炭素粒子は、一次粒子同士の融着を有するアグリゲート構造や、一次粒子同士の二次的な絡み合いを有するアグロメレート構造を有する。燃料電池の触媒層に一般的に用いられている炭素粒子は、アグリゲート粒子がさらに凝集して、アグロメレート粒子を形成している。一次粒子の粒径が10〜50nmで50m/g以上の大きな比表面積を有する炭素粒子の場合、アグロメレート粒子内の細孔は非常に小さくなる。
【0017】
従来から用いられている重合度約1000のパーフルオロカーボンスルホン酸の高分子電解質は、アグロメレート粒子内の細孔に入り込めず、細孔内の触媒金属と接触できない。従って、細孔内の触媒金属と高分子電解質とを接触させ、反応面積を増大させるためには、炭素粒子に担持された触媒金属の分布状態を最適化する必要がある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記を鑑みたものであり、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記電解質膜を挟持する一対の電極と、前記電極のアノードに燃料を供給するためのガス流路を有するアノード側導電性セパレータと、前記電極のカソードに酸化剤ガスを供給するためのガス流路を有するカソード側導電性セパレータとを備える高分子電解質型燃料電池において、前記アノードおよびカソードは、前記電解質膜と接する触媒層と、前記触媒層を支持するガス拡散層とからなり、前記触媒層は、複次粒子からなり、前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなり、前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池に関する。
【0019】
本発明は、また、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記電解質膜を挟持する一対の電極とからなる電解質膜/電極接合体であって、前記電極のアノードおよびカソードは、前記電解質膜と接する触媒層と、前記触媒層を支持するガス拡散層とからなり、前記触媒層は、複次粒子からなり、前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなり、前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とする電解質膜/電極接合体に関する。
【0020】
本発明は、また、複次粒子からなる燃料電池用触媒粉末であって、前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなり、前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とする燃料電池用触媒粉末に関する。
【0021】
本発明は、また、(a)触媒金属を担持した炭素粒子を乾燥雰囲気中に流動させる工程、(b)流動している前記粒子に、水素イオン伝導性高分子電解質を含む液Aおよび触媒金属の原料を含む液Bを、順不同もしくは同時に噴霧することにより、前記粒子に前記触媒金属の原料と前記水素イオン伝導性高分子電解質とを付着させる工程、を有することを特徴とする燃料電池用触媒粉末の製造方法に関する。
【0022】
前記工程(b)は、前記粒子が凝集してなる複次粒子を粉砕しては造粒する工程を含むことが好ましい。
前記工程(b)は、前記触媒金属の原料が付着した粒子を、還元性ガス雰囲気中で還元する工程を含むことが好ましい。
前記液Bには、例えば少なくとも白金の原料を含む液や、少なくとも白金の原料とルテニウムの原料を含む液を用いることができる。
前記液Bとして、少なくとも白金の原料を含む液B1と、少なくともルテニウムの原料を含む液B2を調製し、前記工程(b)において液B1と液B2とを別々に噴霧してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池用触媒粉末は、複次粒子からなり、前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなる。前記複次粒子に含まれる触媒金属の量は、炭素粒子100重量部あたり、10〜100重量部、さらには10〜70重量部であることが好ましい。また、前記複次粒子に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質の量は、炭素粒子100重量部あたり、10〜70重量部であることが好ましい。ただし、触媒金属および水素イオン伝導性高分子電解質の好適な量は、炭素粒子の比表面積により異なる。比表面積の大きな炭素粉末、例えばケッチェンブラックの名で販売されている比表面積約800m/gの炭素粒子の場合、触媒金属は炭素粒子100重量部あたり40〜70重量部が好ましい。また、比表面積が比較的小さな炭素粒子、例えば比表面積約70m/gのアセチレンブラックの場合、水素イオン伝導性高分子電解質は炭素粒子100重量部あたり10〜50重量部が好ましい。
【0024】
前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれている。このような複次粒子は、例えば、予め所定量の触媒金属を担持した炭素粒子の二次粒子に、再び所定量の触媒金属を担持させることにより、得ることができる。二次粒子が炭素粒子100重量部あたりX重量部の触媒金属を含み、この二次粒子に再び炭素粒子100重量部あたりY重量部の触媒金属を担持させて複次粒子を得る場合、複次粒子の表層部には、炭素粒子100重量部あたり(X+Y)重量部の触媒金属が含まれ、内部には炭素粒子100重量部あたりX重量部の触媒金属が含まれることになる。この場合、X:Yは10:1〜1:10であることが好ましい。
【0025】
複次粒子の平均粒子径は0.1〜20μmであることが好ましい。上述のように、予め所定量の触媒金属を担持した炭素粒子の二次粒子を用いる場合、二次粒子の平均粒子径は0.1〜5μmであることが好ましい。炭素粒子の平均一次粒子径は10〜70nmであることが好ましい。二次粒子は、炭素粒子100重量部あたり10〜70重量部の触媒金属を担持させたものであることが好ましい。これが上述のXの範囲に対応する。
触媒金属には、白金、ルテニウム、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、錫等の金属を用いることができる。炭素粒子に担持されている状態の触媒金属の平均粒子径は1〜5nmであることが好ましい。
水素イオン伝導性高分子電解質には、例えば、従来から用いられている重合度約1000のパーフルオロカーボンスルホン酸を用いることができるが、これに限定されない。
【0026】
次に、上記複次粒子の製造方法の一例について説明する。
好ましい製造方法は、工程(a)と工程(b)からなる。工程(a)は、触媒金属を担持した炭素粒子を乾燥雰囲気中に流動させる工程である。乾燥雰囲気は80〜300℃の乾燥ガスが流通する雰囲気であることが好ましい。
工程(b)は、流動している前記粒子に、水素イオン伝導性高分子電解質を含む液Aおよび触媒金属の原料を含む液Bを、順不同もしくは同時に噴霧することにより、前記粒子に前記触媒金属の原料と前記水素イオン伝導性高分子電解質とを付着させる工程である。
【0027】
液Aには、水素イオン伝導性高分子電解質を含む溶液または分散液を用いることができる。溶媒ないし分散媒は、主に水からなり、99%以上が水であることが好ましい。液Aにおける水素イオン伝導性高分子電解質の濃度は、1〜20重量%であることが好ましい。
液Bには、触媒金属の原料の溶液または分散液を用いることができる。溶媒ないし分散媒は、主に水からなり、99%以上が水であることが好ましい。液Bにおける触媒金属の原料の濃度は、1〜30重量%であることが好ましい。
【0028】
カソード用の触媒粉末を調製する場合、液Bには、少なくとも白金の原料を含む液を用いることが好ましい。また、アノード用の触媒粉末を調製する場合、液Bには、少なくとも白金の原料とルテニウムの原料を含む液を用いることが好ましい。
液A、液Bは、それぞれ複数種を用いてもよい。例えば、少なくとも白金の原料を含む液B1と、少なくともルテニウムの原料を含む液B2を調製し、工程(b)において液B1と液B2とを別々に噴霧してもよい。
【0029】
上記製造方法は、工程(b)に次いで、触媒金属の原料と水素イオン伝導性高分子電解質との付着により凝集した複次粒子を、還元性ガス雰囲気中で還元する工程を有することが好ましい。還元性ガスは、HおよびNHから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0030】
次に、本発明の燃料電池用触媒粉末の製造に用いる装置の一例について説明する。図1は、スプレードライ式装置の概念図である。
容器1は、下部の円筒状容器、上部の径が大きくなるようにテーパーを付された筒部、および上部の円筒状容器が相互に連結されて構成されている。容器1の下部には、ヒータ付きのガス導入管4が設けてあり、ここから容器内を乾燥雰囲気とするために一定温度に制御された窒素ガスが導入される。容器1の下部には、塵埃の進入を阻止する金属フィルタ5が設けてある。金属フィルタ5の上方には、多数の通気孔を有する造粒プレート6、および造粒プレート上に固定された、中央に衝突ターゲット8を有する攪拌羽根7が回転可能に設けてある。これらの上方の容器壁面には、衝突ターゲット8に向けて圧縮ガスを噴射する一対の圧縮ガス噴射ノズル9が設けられている。容器1の中程には、高圧スプレー3が設けてある。高圧スプレー3は、容器2内の溶液ないし分散液を容器内へ噴霧する。容器1の上方には、バグフィルタ10が設けられている。バグフィルタ10内にはポンプ11から供給される圧縮ガスを噴出させるためのパイプ12が挿入されている。適宜ポンプ11からパイプ12を通じてバグフィルタ10内へ圧縮ガスを噴射することにより、バグフィルタの外面に付着した粉末などを払い落とす。容器の上部にはガス排出管13を有する。
【0031】
この装置により燃料電池用触媒粉末を製造するには、まず、容器1内の造粒プレート6上に予め触媒金属を担持した炭素粒子を入れ、高圧スプレー3から水素イオン伝導性高分子電解質を含む液Aまたは塩化白金酸水溶液のような触媒金属の原料を含む液Bを噴霧する。容器1内の粒子は、ガス導入管4から供給される一定温度の窒素ガスにより容器の上方へ吹き上げられる。ガス導入管4から導入された窒素ガスは、ガス流れ方向を示した矢印a、bにしたがって、金属フィルタ5および造粒プレート6から容器内上方へ吹き上がる。造粒プレート6は、流動風量が外周に向かって大きくなるように開孔した通気スリットを有している。この造粒プレート6を通過したガスによる流動風により、容器1に投入された粒子は容器の上方へ流動し、そこで液Aまたは液Bが付着され、乾燥される。
【0032】
高分子電解質および/または触媒金属の原料を付着されて造粒プレート6の上部に沈降してきた粒子は、回転する造粒プレート6上で造粒される。攪拌羽根7は、高速で回転して、そこに沈降してくる粒子を粉砕する。また、圧縮ガス噴射ノズル9から衝突ターゲット8に向けて間欠的に噴射されるパルスジェットは、流動状態の粒子をジェット粉砕により低次構造の粒子に粉砕する。系内に導入された窒素ガスは、容器内上方に配置されたバグフィルタ10によって、粒子や固化した電解質の粉末をフィルトレーションし、窒素ガスのみを排出管13より系外に排出する。
【0033】
この装置により、液Aまたは液Bを触媒金属を担持した炭素粒子に噴霧して粒子に付着し、乾燥させるとともに、適度の粒径に造粒させることができる。すなわち、噴霧された液Aまたは液Bは触媒金属を担持した炭素粒子の表面に付着し、これが乾燥されて溶媒が揮散するから、触媒金属を担持した炭素粒子の表面に水素イオン伝導性高分子電解質または触媒金属の原料を均一に付着させることができる。また、粉砕工程が加わることで、高次構造の粒子が低次構造の粒子に粉砕されるというように粒子が細かく粉砕され、水素イオン伝導性高分子電解質や触媒金属の原料を粒子に均一に付着することが可能となる。液Aと液Bのどちらを先に噴霧してもよく、高圧スプレーを2本以上設けて、液Aと液Bとを同時に噴霧することもできる。
【0034】
流動風を形成するガス種は、触媒金属種や溶媒種に応じて選択する。例えば、触媒金属の原料の還元を行う場合には、必要に応じて還元性ガスを用い、可燃性の溶媒を用いる場合には、必要に応じて不活性ガスを用い、酸素濃度を低減して溶媒の燃焼を防止する。
【0035】
図2に理想的に設計された電解質膜−電極接合体の断面概略図を示す。
上記製造方法で得られた複次粒子からなる触媒粉末を用いることにより、図2に示したように、電極の触媒層22において、触媒金属の微粒子23と炭素粒子24と高分子電解質25とを、ガスチャンネルを十分に確保した状態で相互に均一に密着した状態にすることが可能となる。
このような触媒層22の構成によって、水素や液体燃料などの燃料ガスまたは酸素などの酸化剤ガスの供給路となる炭素粒子24相互間の空孔が形成するガスチャネル27と、含水した高分子電解質25が形成するプロトンチャネル28と、炭素粒子相互が接続して形成する電子チャネル26の3つのチャネルが、同じ触媒層内部に、極めて近接して効率よく形成される。
【0036】
それぞれ2つの触媒層22とガス拡散層21は、高分子電解質膜211を挟持してアノード29およびカソード210を形成しており、これらを合わせて電解質膜−電極接合体と呼ぶ。
理想的に設計されたアノードでは、式(1)に示す反応により、カソードでは、式(2)に示す反応により、水素および酸素ガスの供給と、プロトンおよび電子の伝達が同時にかつスムーズに広範囲で行われる。このため、反応速度および反応面積が増大して、より高い放電性能を発揮する高分子電解質型燃料電池を実現することが可能となる。
 → 2H+  + 2e                      (1)
1/2O + 2H + 2e → 2HO     (2)
【0037】
ただし、炭素粒子24は、前述のように、一次粒子同士の融着を有するアグリゲート構造や、一次粒子同士の二次的な絡み合いを有するアグロメレート構造を有する。また、燃料電池に一般的に用いられる炭素粒子は、10〜50nmの一次粒子からなるアグリゲート粒子がさらに凝集した100〜1000nmのアグロメレート粒子を形成している。従って、図2の炭素粒子24は、実際にはアグロメレート粒子である。
【0038】
上記製造方法では、図3に示すように、炭素粒子30上に予め担持された触媒金属31とは別に、炭素粒子からなるアグロメレート粒子およびアグロメレート粒子がさらに凝集した複次粒子32の表面に、追加の触媒金属33を担持することが可能となる。このため、アグロメレート粒子およびさらに凝集した複次粒子の表面の触媒金属濃度が内部の触媒金属濃度より高い状態となる。水素イオン伝導性高分子電解質34は、サイズが大きいため、炭素粒子の10〜50nmの一次粒子からなるアグリゲート粒子の細孔内部には分布不可能であり、結果的にアグリゲート粒子がさらに凝集した100〜1000nmのアグロメレート粒子およびアグロメレート粒子がさらに凝集した複次粒子の表面に分布する。従って、水素イオン伝導性高分子電解質が分布する表面において、触媒金属濃度が高くなる。そして、触媒金属と水素イオン伝導性高分子電解質との接触界面が増大し、より広い反応面積が得られ、電極性能が向上する。
【0039】
上記の製造方法において、触媒金属31を担持した炭素粒子30に、始めに触媒金属の原料を含む液Bを噴霧し、次いで粒子を還元する場合、図4(a)に示したように、触媒金属31を担持した炭素粒子30に新たに触媒金属33を追加することができる。次いで、高分子電解質を含む液Aを噴霧することにより、アグロメレート粒子およびアグロメレート粒子がさらに凝集した複次粒子32の表面に、水素イオン伝導性高分子電解質34を均一に付着することができる。
一方、触媒金属31を担持した炭素粒子30に、始めに高分子電解質を含む液Aを噴霧する場合、図4(b)に示したように、アグロメレート粒子およびアグロメレート粒子がさらに凝集した複次粒子32の表面に、水素イオン伝導性高分子電解質34を均一に付着することができる。次いで、触媒金属の原料を含む液Bを噴霧し、粒子を還元することにより、アグロメレート粒子およびアグロメレート粒子がさらに凝集した複次粒子32の表面に、新たに触媒金属33を担持することができる。
【0040】
なお、触媒金属を担持した炭素粒子に、液Aまたは液Bを噴霧する場合、粒子表面に液Aまたは液Bが微細な液滴となって付着する。これを素早く乾燥することで、液滴同士が凝集することなく溶媒が除去される。従って、得られた触媒粉末の表面には、水素イオン伝導性高分子と触媒金属が均一に付着する。
【0041】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
《実施例1》
(i)カソード用触媒粉末の製造
図1に示した装置を用いて触媒粉末を調製した。
まず、カソードの触媒層に用いる触媒金属を担持した炭素粒子を調製した。炭素粒子には30nmの平均一次粒子径を持つ導電性炭素粒子であるケッチェンブラックEC(オランダ国、AKZO Chemie社製)を用いた。これに、平均粒子径約2.5nmの白金粒子を触媒金属として25重量%担持させた。
次に、触媒金属を担持した炭素粒子に、図1で示した装置を用いて、塩化白金酸の15重量%水溶液(HPtCl、田中貴金属(株)製)を噴霧しながら乾燥した。流動風を形成するガス種には、水素ガスを4体積%含む窒素ガスを用いたため、乾燥後に粒子は還元された。こうして得られた粒子には、触媒金属として白金粒子が合計50重量%担持された。
【0042】
上記工程は以下の条件で行った。
装置の造粒プレートへの粒子の投入量:40g
塩化白金酸水溶液の噴霧量:70g
高圧スプレーによる塩化白金酸水溶液の噴霧速度:2g/分
ガス導入管の温度:150℃
ガス風量:0.06m/分
撹拌羽根の回転速度:300rpm
パルスジェットのOn/Off間隔:1回/12秒
【0043】
以上の例では、触媒金属の原料を含む液として塩化白金酸水溶液を用いたが、代わりにジニトロジアミン白金水溶液(Pt(NO(NH)、ヘキサアンミン白金塩化物溶液(Pt(NH)Cl)を用いても同様の結果が得られた。また、還元ガスとして、水素の代わりにアンモニアを含む窒素ガスを用いても同様の結果が得られた。
【0044】
次に、上記の触媒金属として白金粒子を合計50重量%担持した炭素担粒子に、水素イオン伝導性高分子電解質であるパーフルオロカーボンスルホン酸の10重量%溶液(デュポン社製のSE10072)を噴霧しながら乾燥した。その際の条件を以下に示す。流動風を形成するガス種には、窒素ガスを用いた。
【0045】
水素イオン伝導性高分子電解質溶液の噴霧量:300g
高圧スプレーによる水素イオン伝導性高分子電解質溶液の噴霧速度:2g/分
ガス導入管の温度:100℃
ガス風量:0.06m/分
撹拌羽根の回転速度:300rpm
パルスジェットのOn/Off間隔:1回/12秒
こうして得られた触媒粉末は、複次粒子であり、その表面には水素イオン伝導性高分子電解質が均一に付着しており、複次粒子の平均粒子径は5μmであった。
【0046】
(ii)カソードの触媒層の形成
上記触媒粉末を窒素雰囲気中でエチレングリコールと混合し、カソードの触媒層を形成するためのペースト状インクを調製した。次に、外寸13cm×13cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製のナフィオン112)の片面に、上記インクをスクリーン印刷法により塗布し、カソードの触媒層を形成した。得られた触媒層に含まれる白金量は、0.5mg/cmとした。触媒層の平均的な厚さは20μmとした。
【0047】
(iii)アノード用触媒粉末の製造
図1に示した装置を用いて触媒粉末を調製した。
炭素粒子には30nmの平均一次粒子径を持つ導電性炭素粒子であるケッチェンブラックEC(オランダ国、AKZO Chemie社製)を用いた。これに、平均粒子径約3nmの白金粒子およびルテニウム粒子を触媒金属として、それぞれ26.3重量%および13.2重量%担持させた。
次に、触媒金属を担持した炭素粒子に、図1で示した装置を用いて、塩化白金酸の15重量%水溶液(HPtCl、田中貴金属(株)製)を噴霧しながら乾燥した。流動風を形成するガス種には、水素ガスを4体積%含む窒素ガスを用いたため、乾燥後に粒子は還元された。続いて、塩化ルテニウムの8.3重量%水溶液(RuCl3 、田中貴金属(株)製)を噴霧しながら乾燥した。流動風を形成するガス種には、水素ガスを4体積%含む窒素ガスを用いたため、乾燥後に粒子は還元された。こうして得られた粒子には、触媒金属として白金粒子およびルテニウム粒子が、それぞれ合計30重量%および合計24重量%担持された。
【0048】
上記工程は以下の条件で行った。
装置の造粒プレートへの粒子の投入量:38g
塩化白金酸水溶液の噴霧量:70g
塩化ルテニウム水溶液の噴霧量:173g
高圧スプレーによる塩化白金酸水溶液
および塩化ルテニウム水溶液の噴霧速度:2g/分
ガス導入管の温度:150℃
ガス風量:0.06m/分
撹拌羽根の回転速度:300rpm
パルスジェットのOn/Off間隔:1回/12秒
【0049】
次に、上記の触媒金属として白金粒子およびルテニウム粒子をそれぞれ合計30重量%および合計24重量%担持した炭素担粒子に、水素イオン伝導性高分子電解質であるパーフルオロカーボンスルホン酸の10重量%溶液(デュポン社製のSE10072)を噴霧しながら乾燥した。その際の条件を以下に示す。流動風を形成するガス種には、窒素ガスを用いた。
【0050】
水素イオン伝導性高分子電解質溶液の噴霧量:230g
高圧スプレーによる水素イオン伝導性高分子電解質溶液の噴霧速度:2g/分
ガス導入管の温度:100℃
ガス風量:0.06m/分
撹拌羽根の回転速度:300rpm
パルスジェットのOn/Off間隔:1回/12秒
こうして得られた触媒粉末は、複次粒子であり、その表面には水素イオン伝導性高分子電解質が均一に付着しており、複次粒子の平均粒子径は5μmであった。
【0051】
(iv)アノードの触媒層の形成
上記触媒粉末を窒素雰囲気中でエチレングリコールと混合し、アノードの触媒層を形成するためのペースト状インクを調製した。次に、上記のカソードの触媒層が形成された水素イオン伝導性高分子電解質膜の他方の面に、上記インクをスクリーン印刷法により塗布し、アノードの触媒層を形成した。得られたアノード側の触媒層に含まれる白金量は0.3mg/cm、ルテニウム量は0.24mg/cmとした。触媒層の平均的な厚さは20μmとした。
【0052】
(v)電解質膜−電極接合体の作製
各電極のガス拡散層となるカーボンペーパを撥水処理した。
外寸6cm×6cm、厚さ360μmの導電性カーボン不織布(東レ(株)製、TGP−H−120)を、フッ素樹脂の水性分散液(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND−1)に含浸した後、これを乾燥し、400℃で30分加熱することで、撥水性を与えた。さらに、このカーボン不織布の一方の面に、導電性カーボン粉末とPTFE微粉末を含む分散液を、スクリーン印刷法を用いて塗布することで、撥水層を形成した。このとき、撥水層の一部はカーボン不織布の中に埋め込まれた。
【0053】
次に、カソードの触媒層とアノードの触媒層を一方および他方の面に有する電解質膜を、上述のカーボンペーパで撥水層が触媒層に接するように挟持し、ホットプレスで全体を接合し、これを電解質膜−電極接合体(MEA)とした。同時に、MEAの電解質膜の外周部に、ゴム製ガスケット板を接合し、冷却水、燃料ガスおよび酸化剤ガスを流通させるマニホールド穴を形成した。
【0054】
(vi)燃料電池の組み立て
外寸が12cm×12cm、厚さが1.3mm、ガス流路および冷却水流路の深さが0.5mmの樹脂含浸黒鉛板からなるセパレータを準備した。MEAの一方の面に、酸化剤ガス流路が形成されたセパレータのガス流路側を、他方の面に燃料ガス流路が形成されたセパレータのガス流路側を配し、これらのセパレータでMEAを挟持し、単電池とした。この単電池を2セル積層後、これらを冷却水流路が形成された一対のセパレータで挟み込み、このパターンを繰り返して50セルからなる電池スタックAを得た。このとき、電池スタックAの両端部には、それぞれステンレス鋼製の集電板と電気絶縁板とを順に配し、全体を端板と締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータの面積あたり15kgf/cmとした。
【0055】
なお、本実施例では、触媒粉末を、エチレングリコールと混合してペースト状インクを調製したが、ブタノール、イソプロパノール、ヘキサン、ヘプタンなどを用いることもできる。
【0056】
《実施例2》
アノード用触媒粉末の製造において、白金粒子およびルテニウム粒子をそれぞれ26.3重量%および13.2重量%担持させたケッチェンブラックECに、塩化白金酸水溶液と塩化ルテニウム水溶液とを、別々の高圧スプレーから同時に噴霧しながら乾燥したこと以外、実施例1と同様の条件で、触媒粉末を製造した。この触媒粉末をアノードに用いたこと以外、実施例1と同様の電池スタックBを作製した。
【0057】
《実施例3》
アノード用触媒粉末の製造において、予め塩化白金酸水溶液70gと塩化ルテニウム水溶液173gとを混合した。そして、その混合液を白金粒子およびルテニウム粒子をそれぞれ26.3重量%および13.2重量%担持させたケッチェンブラックECに噴霧しながら乾燥したこと以外、実施例1と同様の条件で、触媒粉末を製造した。この触媒粉末をアノードに用いたこと以外、実施例1と同様の電池スタックCを作製した。
【0058】
《実施例4》
カソード用触媒粉末の製造において、まず、白金コロイドを含む溶液を調製した。ここでは、塩化白金酸の15.217重量%水溶液(田中貴金属(株)製)70gを水1600mlと混合し、これに亜硫酸水素ナトリウム150gを加えて攪拌した。これに、水7400mlを加えて攪拌し、さらに水酸化ナトリウムの5重量%水溶液を約300ml加えてpHを5とした。さらに30重量%過酸化水素水1300mlを滴下し、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を約800ml加えてpHを5に保った。これにより白金コロイドを含む溶液を得、次いで溶液全体が500gになるまで濃縮させた。
塩化白金酸水溶液70gの代わりに、上記白金コロイドを含む溶液500gを用いたこと以外、実施例1と同様の条件で、カソード用触媒粉末を製造した。
【0059】
アノード用触媒粉末の製造において、白金粒子およびルテニウム粒子をそれぞれ26.3重量%および13.2重量%担持させたケッチェンブラックECの代わりに、白金とルテニウムの合金を担持したケッチェンブラックEC(田中貴金属(株)製、TEC61E54、Pt濃度30重量%、Ru濃度24重量%)を用い、水素イオン伝導性高分子電解質溶液を噴霧しながら乾燥する工程のみを行ったこと以外、実施例1と同様の条件で、アノード用触媒粉末を製造した。すなわち、さらなる触媒金属の付与は行わなかった。
こうして得られたカソード用触媒粉末とアノード用触媒粉末を用いたこと以外、実施例1と同様の電池スタックDを作製した。
【0060】
《実施例5》
カソード用触媒粉末の製造において、白金粒子を25重量%担持させたケッチェンブラックECに、塩化白金酸水溶液70gと水素イオン伝導性高分子溶液300gとを、別々の高圧スプレーから同時に噴霧しながら乾燥したこと以外、実施例1と同様の条件で、触媒粉末を製造した。
【0061】
アノード用触媒粉末の製造において、白金粒子およびルテニウム粒子をそれぞれ26.3重量%および13.2重量%担持させたケッチェンブラックECの代わりに、白金とルテニウムの合金を担持したケッチェンブラックEC(田中貴金属(株)製、TEC61E54、Pt濃度30重量%、Ru濃度24重量%)を用い、水素イオン伝導性高分子電解質溶液を噴霧しながら乾燥する工程のみを行ったこと以外、実施例1と同様の条件で、アノード用触媒粉末を製造した。すなわち、さらなる触媒金属の付与は行わなかった。
こうして得られたカソード用触媒粉末とアノード用触媒粉末を用いたこと以外、実施例1と同様の電池スタックEを作製した。
【0062】
《実施例6》
カソード用触媒粉末の製造において、白金粒子を25重量%担持させたケッチェンブラックECに、先に、水素イオン伝導性高分子溶液300gを噴霧しながら乾燥し、次いで、塩化白金酸水溶液70gを噴霧しながら乾燥したこと以外、実施例1と同様の条件で、触媒粉末を製造した。
【0063】
アノード用触媒粉末の製造において、白金粒子およびルテニウム粒子をそれぞれ26.3重量%および13.2重量%担持させたケッチェンブラックECの代わりに、白金とルテニウムの合金を担持したケッチェンブラックEC(田中貴金属(株)製、TEC61E54、Pt濃度30重量%、Ru濃度24重量%)を用い、水素イオン伝導性高分子電解質溶液を噴霧しながら乾燥する工程のみを行ったこと以外、実施例1と同様の条件で、アノード用触媒粉末を製造した。すなわち、さらなる触媒金属の付与は行わなかった。
こうして得られたカソード用触媒粉末とアノード用触媒粉末を用いたこと以外、実施例1と同様の電池スタックFを作製した。
【0064】
《比較例1》
カソード用触媒粉末の製造において、白金粒子を25重量%担持させたケッチェンブラックECの代わりに、白金粒子を50重量%担持させたケッチェンブラックEC(田中貴金属(株)製、TEC10E50E)を用い、水素イオン伝導性高分子溶液300gを噴霧しながら乾燥する工程のみを行ったこと以外、実施例1と同様の条件で、カソード用触媒粉末を製造した。すなわち、さらなる触媒金属の付与は行わなかった。
【0065】
アノード用触媒粉末の製造において、白金粒子およびルテニウム粒子をそれぞれ26.3重量%および13.2重量%担持させたケッチェンブラックECの代わりに、白金とルテニウムの合金を担持したケッチェンブラックEC(田中貴金属(株)製、TEC61E54、Pt濃度30重量%、Ru濃度24重量%)を用い、水素イオン伝導性高分子電解質溶液を噴霧しながら乾燥する工程のみを行ったこと以外、実施例1と同様の条件で、アノード用触媒粉末を製造した。すなわち、さらなる触媒金属の付与は行わなかった。
こうして得られたカソード用触媒粉末とアノード用触媒粉末を用いたこと以外、実施例1と同様の電池スタックXを作製した。
【0066】
[特性評価]
電池スタックA〜F、Xの特性を以下の方法で評価した。
(i)電池スタックA〜F、Xのアノードに20%の炭酸ガスを混入した水素ガスを供給し、カソードに空気を供給した。電池スタック温度を75℃、燃料ガス利用率(Uf)を70%、空気利用率(Uo)を40%とした。燃料ガスおよび空気は、それぞれ70℃のバブラーを通して加湿した。以上の条件で、水素を燃料とし、空気を酸化剤とする燃料電池の特性を評価し、単電池の平均出力を求めた。結果を図5に示す。図5は、電池スタックを構成する単電池の平均的な電圧と電流密度との関係を示している。
【0067】
(ii)電池スタックA〜F、Xのアノードに液体燃料である2mol/Lのメタノール水溶液を温度50℃で供給し、カソードに空気を供給した。電池スタック温度を75℃、空気利用率(Uo)を40%とした。空気は50℃のバブラーを通して加湿した。以上の条件で、メタノールを直接燃料とし、空気を酸化剤とする燃料電池の特性を評価し、単電池の平均出力を求めた。結果を図6に示す。図6は、電池スタックを構成する単電池の平均的な電圧と電流密度との関係を示している。
【0068】
図5において、電池A、B、C、D、E、FおよびXの電流密度200mA/cmにおける単電池の電圧は、それぞれ0.793V、0.792V、0.780V、0.810V、0.805V、0.770Vおよび0.741Vである。
比較例の電池Xと比べて、本発明の電池A〜Fは、いずれも高い電圧を示している。また、透過型電子顕微鏡(TEM)で各実施例の触媒粉末と比較例1の触媒粉末を観察したところ、本発明の触媒粉末は、複次粒子の表面近くで触媒金属の濃度が高くなっていることが確認された。また、走査型電子顕微鏡(SEM)およびエレクトロプローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて観察したところ、複次粒子の表面には、水素イオン伝導性高分子電解質と見られるフッ素樹脂の分布が観察された。
【0069】
各実施例と比較例の電極において、対極に水素を流し、作用極に窒素を導入して、サイクリックボルタモグラムによる電気化学的水素吸着量の測定を行った。結果を表1に示す。表1中の数値は、単位白金重量あたりの水素の吸着した白金の比表面積(m/g)を表している。表1より、比較例1の電極と比べて、各実施例のカソードは、20%〜41%水素吸着面積が増大していることが判る。また、比較例1の電極と比べて、実施例A、B、Cのアノードは、27〜50%水素吸着面積が増大している。
【0070】
【表1】
Figure 2004139789
【0071】
上記結果より、実施例の触媒粉末は、比較例よりも、触媒金属と水素イオン伝導性高分子電解質の分布が重なり、触媒金属と水素イオン伝導性高分子電解質の接触面積が増大し、反応面積が増大していると考えられる。その結果、高い電圧が得られたと考えられる。
【0072】
次に、電池スタックA〜F、Xの連続作動試験を行った。
電池スタックA〜F、Xのアノードに20%の炭酸ガスを混入した水素ガスを供給し、カソードに空気を供給した。電池スタック温度を75℃、燃料ガス利用率(Uf)を70%、空気利用率(Uo)を40%、電流密度を200mA/cmとした。燃料ガスおよび空気は、それぞれ70℃の露点となるように加湿・加温した。以上の条件で連続発電を行い、出力特性の時間変化を測定した。
【0073】
その結果、本実施例の電池A〜Fは、2000時間以上にわたってそれぞれ初期特性の約90%の性能、すなわち約1.07kW(35.6V−30A)、約1.07kW(35.6V−30A)、約1.05kW(35.1V−30A)、約1.09kW(36.4V−30A)、約1.08kW(36.1V−30A)、約1.05kW(35.1V−30A)、約1.04kW(34.6V−30A)の電池出力を維持することを確認した。また、比較例1の電池Xの特性は約0.56kW(18.5V−30A)であり、2000時間経過後の特性は初期の約半分にまで低下していた。
実施例の電池は反応面積が大きいために、電極全体に反応が分布し、単位触媒表面積あたりの電流密度が小さくなるため、長時間にわたり電圧が維持できたものと考えられる。
【0074】
図6において、電池A、B、C、D、E、FおよびXの電流密度200mA/cmにおける単電池の電圧は、それぞれ0.670V、0.690V、0.650V、0.580V、0.570、0.554および0.430Vである。このことは、水素―空気燃料電池と同様に、液体燃料電池にも本発明が有効であることを示している。電池A、B、Cは、比較例の電池Xと比べて、カソードの特性が向上したことに加え、アノードの特性も向上していることから、電極電位が下がり、電池電圧が特に増大していると考えられる。また、単位触媒表面積あたりの電流密度が小さくなると、単位触媒表面積あたりの二酸化炭素の発生量が減少するため、二酸化炭素の電極外への排出がスムーズに行われる。その結果、逆方向の流となるメタノール燃料の供給がスムーズに行われ、濃度分極が低減され、電池電圧がさらに増大するものと考えられる。
【0075】
上述の実施例では、所定のパーフルオロカーボンスルホン酸を用いたが、これをスルホン酸基を有する芳香族系および脂肪族系高分子に代えて、それ以外は同一の構成で電池を作製し、同一の条件で評価した。その結果、高分子の分子量、重合度、粒子径、ならびに炭素粒子の細孔構造の相関性に関して上述と同様の傾向を得た。
【0076】
スルホン酸基を有する芳香族系高分子および脂肪族系高分子の代表例として、ポリチオフェニレンスルホン酸とポリアニリンとの複合高分子、ポリジフェニルアミン、ポリフェニレン誘導体poly(4−phenoxybenzoyl−1, 4−phenylen)、ポリ(ベンズイミダゾール)−ブタンスルホン酸、ポリ(サイラミン)、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレントリブロックコポリマー、ポリエーテルエーテルケトンなどを用いた。
【0077】
上述の実施例では、燃料として、炭酸ガスを含有する水素とメタノールを用いたが、水素をメタンガスや一酸化炭素などの不純物を含む改質水素に置き換えても同様の結果が得られた。また、メタノールの代わりにエタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料およびその混合物を用いても同様の結果が得られた。また、液体燃料はあらかじめ蒸発させてから供給してもよい。
また、本発明の電解質膜−電極接合体を用いて、酸素、オゾン、水素などのガス発生機、ガス精製機、酸素センサ、アルコールセンサなどの各種ガスセンサを作製した場合にも、優れた特性が得られた。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、炭素粒子のアグロメレート粒子およびアグロメレート粒子が凝集した複次粒子の表面に触媒金属を担持することが可能となるため、アグロメレート粒子およびアグロメレート粒子が凝集した複次粒子の表面の触媒金属濃度が内部の触媒金属濃度より高い状態が実現する。分子量の大きな水素イオン伝導性高分子電解質は、炭素粒子の一次粒子からなるアグリゲート粒子の細孔内部には分布不可能であり、結果的にアグリゲート粒子が凝集したアグロメレート粒子およびアグロメレート粒子が凝集した複次粒子の表面に分布する。従って、水素イオン伝導性高分子電解質が分布する粒子表面に高濃度で触媒金属が分布し、触媒金属と水素イオン伝導性高分子電解質との接触界面が増大し、より広い反応面積が得られ、電極性能が向上する。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池用触媒粉末の製造に用いる装置の一例の概念図である。
【図2】理想的に設計された電解質膜−電極接合体の断面概略図である。
【図3】炭素粒子からなるアグロメレート粒子がさらに凝集した複次粒子の表面に追加の触媒金属が担持された状態の概念図である。
【図4】本発明の触媒粉末の製造工程を段階的に示す概念図である。
【図5】本発明の水素を燃料とする燃料電池の電圧−電流特性を示す図である。
【図6】本発明のメタノールを燃料とする燃料電池の電圧−電流特性を示す図である。
【符号の説明】
1 下部円柱状容器
2 溶液または分散液の容器
3 高圧スプレー
4 ガス導入管
5 金属フィルタ
6 造粒プレート
7 撹拌羽根
8 衝突ターゲット
9 圧縮ガス噴射ノズル
10 バグフィルタ
11 ポンプ
12 パイプ
13 ガス排出管
21 ガス拡散層
22 触媒層
23 触媒金属微粒子
24 炭素粒子
25 高分子電解質
26 電子チャネル
27 ガスチャネル
28 プロトンチャネル
29 アノード
210 カソード
211 高分子電解質膜
30 炭素粒子
31 触媒金属
32 複次粒子
33 追加された触媒金属
34 水素イオン伝導性高分子電解質

Claims (10)

  1. 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記電解質膜を挟持する一対の電極と、前記電極のアノードに燃料を供給するためのガス流路を有するアノード側導電性セパレータと、前記電極のカソードに酸化剤ガスを供給するためのガス流路を有するカソード側導電性セパレータとを備える高分子電解質型燃料電池において、
    前記アノードおよびカソードは、前記電解質膜と接する触媒層と、前記触媒層を支持するガス拡散層とからなり、
    前記触媒層は、複次粒子からなり、
    前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなり、
    前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
  2. 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記電解質膜を挟持する一対の電極とからなる電解質膜/電極接合体であって、
    前記電極のアノードおよびカソードは、前記電解質膜と接する触媒層と、前記触媒層を支持するガス拡散層とからなり、
    前記触媒層は、複次粒子からなり、
    前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなり、
    前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とする電解質膜/電極接合体。
  3. 複次粒子からなる燃料電池用触媒粉末であって、
    前記複次粒子は、触媒金属と、炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質とからなり、
    前記複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とする燃料電池用触媒粉末。
  4. (a)触媒金属を担持した炭素粒子を乾燥雰囲気中に流動させる工程、
    (b)流動している前記粒子に、水素イオン伝導性高分子電解質を含む液Aおよび触媒金属の原料を含む液Bを、順不同もしくは同時に噴霧することにより、前記粒子に前記触媒金属の原料と前記水素イオン伝導性高分子電解質とを付着させる工程、を有することを特徴とする燃料電池用触媒粉末の製造方法。
  5. 前記工程(b)が、前記粒子が凝集してなる複次粒子を粉砕しては造粒する工程を含む請求項4記載の燃料電池用触媒粉末の製造方法。
  6. 前記工程(b)が、前記触媒金属の原料が付着した粒子を、還元性ガス雰囲気中で還元する工程を含む請求項4記載の燃料電池用触媒粉末の製造方法。
  7. 前記還元性ガスが、HおよびNHから選ばれる少なくとも1種を含む請求項6記載の燃料電池用触媒粉末の製造方法。
  8. 前記液Bが、少なくとも白金の原料を含む請求項4記載の燃料電池用触媒粉末の製造方法。
  9. 前記液Bが、少なくとも白金の原料とルテニウムの原料を含む請求項4記載の燃料電池用触媒粉末の製造方法。
  10. 前記液Bとして、少なくとも白金の原料を含む液B1と、少なくともルテニウムの原料を含む液B2を用い、前記工程(b)において液B1と液B2とを別々に噴霧する請求項4記載の燃料電池用触媒粉末の製造方法。
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