JP2007250312A - 固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体、その製造方法および固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体、その製造方法および固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 固体高分子膜の両面に電極触媒層およびガス拡散層を設けた固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体には、電極触媒層とガス拡散層間に界面層を設けることがある。この界面層の形成には、これまで塗布法やスクリーン印刷法などが用いられてきた。この場合、界面層の主成分であるカーボンの凝集が起こりやすく、その結果、界面層における空隙率が低下し、発生した水分の排水経路が遮断され、セルの出力密度が低下するなどの問題点があった。
【解決手段】 本発明の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、噴出口1および導電性基板2間に電圧を印加し、多孔質カーボン基材あるいは電極触媒層からなる基材4上に、噴出口1から多孔質界面層の形成用材料溶液3を静電噴霧法により噴霧し、多孔質界面層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体、その製造方法および固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は水素、酸素を燃料として、水の電気分解の逆反応を起こさせることにより電気を生み出す発電システムである。これは、従来の発電方式と比較して高効率、低環境負荷、低騒音といった特徴を持ち、将来のクリーンなエネルギー源として注目されている。中でも、室温付近で使用可能な固体高分子型燃料電池は車載用電源や家庭据置用電源などへの使用が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。燃料電池の実用化に向けての課題は、出力密度、耐久性の向上、コスト削減などがあげられる。このうち、出力密度を向上させる手段として、セル内の内部抵抗を低減させることが挙げられ、性能向上にむけた様々な検討がおこなわれている。
固体高分子型燃料電池は、一般的に多数の単セルが積層されて構成されている。単セルは、二つの電極(酸化極と還元極)で固体高分子膜を挟んで接合した膜・電極接合体を、ガス流路を有するセパレータで挟んだ構造をしている。この膜・電極接合体にはいくつかの成分からなる内部抵抗が存在する。セルの内部抵抗は大きく分けて2種類あり、電解質膜の伝導度や、電子伝導部分の接触性に依存するオーミック抵抗と、電極反応界面における反応抵抗である。この中で、オーミック抵抗を低減させるためには、電解質膜の導電性を向上させるだけで無く、セル内部の電子伝導部分の電気抵抗を低減させる必要がある。セル内部の電子伝導部分は大きく分けると、電極触媒層中のカーボン粒子、ガス拡散層、セパレータである。電気抵抗を低減させるためには、これら各々の伝導性を高めることのほかに、それぞれの界面における接触性を向上させる必要がある。中でも電極触媒層とガス拡散層の界面は、発電時において供給ガス、生成した水の通路になっており、単に接触性を向上させるだけでなく、ガスの透過性、発電による水の排水性等の特性が要求される。このため、電極触媒層とガス拡散層の間の界面構造を最適化することはセルの出力密度だけでなく、ガスの利用率、高負荷時の発電の安定性を高める為に重要な課題であるといえる。これまで、電極触媒層とガス拡散層の界面層を作製する研究が盛んに行われてきた。
膜・電極接合体の排水性を向上させるためには、一般的に撥水性の樹脂等を含有させる手法が用いられてきた。特許文献1によると、ガス拡散層中に撥水剤を含有させ、またその含有量をガス拡散層の膜厚方向で傾斜させることで発電により発生する水の排水性を向上させることができる。また、特許文献2によると、電極触媒層中に撥水剤を含有させることで発電により発生する水の排水性を向上させることができる。
電極触媒層とガス拡散層の界面層は、これまで塗布法やスクリーン印刷法などで基材上に塗工される事が多かった。この場合、塗工されたインキを乾燥させる際に主成分であるカーボンの凝集が起こりやすく、その結果、界面層における空隙率が低下することで燃料ガスの経路や発電により発生した水分の排水経路が遮断され、セルの出力密度が低下するなどの傾向が見られた。また、撥水剤を含有させた場合、得られた層における撥水剤の分布が均一でなく、部分的に空隙が水により閉塞されてしまう、いわゆるフラッディング現象が起こりやすいことがわかった。このため、界面層にはカーボン粒子の凝集が無く、撥水剤の分布が均一であり、空隙率の高い形態が必要とされる。
そこで、圧力式スプレーを用いて界面層を形成することが提案されている。圧力式スプレーを用いた場合では、インキの乾燥が早くなるため、カーボン粒子の凝集が起こりにくく、また撥水剤の分布も均一であり、結果発電特性が改善された。しかしながら、従来の圧力式スプレーでは、ノズルから噴出してから塗着するまでの間のカーボン粒子および撥水剤の二次凝集、塗着後の粒子の飛散、霧の粒子径のばらつきなどがあり、これらが空隙率低下の要因となっていた。
特開平7−134993号公報 特開2001−357858号公報
本発明は上記課題点について鑑み、供給されるガスの拡散性が高く、また発電により発生した水の排水性が高い固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体、その製造方法および固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、膜・電極接合体における電極触媒層とガス拡散層の界面に着目し、その界面に好ましくは撥水性高分子を含む多孔質の界面層を設けるものであり、その多孔質界面層において主成分であるカーボン粒子の凝集が少なく、また排水性向上のために添加した撥水剤の分布が均一であり、かつ空隙率の高い形態を形成させるため、導電性基板と噴出口との間に電圧を印加し、その噴出口から多孔質界面層形成用材料を噴霧する静電噴霧法を用いて多孔質界面層を製造する方法を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、多孔質カーボン基材上に、触媒担持カーボンおよびプロトン伝導性高分子からなる触媒層が設けられた電極によってプロトン伝導性固体高分子膜を挟持し、かつ前記多孔質カーボン基材と触媒層との間に触媒を含まないカーボンからなる多孔質界面層を形成した固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体において、少なくとも前記多孔質界面層が、静電噴霧法により形成されることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記プロトン伝導性固体高分子膜上に直接塗布または転写法によって前記触媒層を設け、その上に前記静電噴霧法により多孔質界面層を形成し、それを前記多孔質カーボン基材で挟持させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記多孔質カーボン基材上に静電噴霧法により多孔質界面層を形成し、それを予め前記触媒層を設けたプロトン伝導性高分子膜上に圧着させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記静電噴霧法による多孔質界面層の形成が、導電性基板との間に電圧を印加した噴出口から、多孔質界面層の形成用材料を噴出するものであり、前記噴出口と導電性基板との間に印加する電圧が1kV〜50kVであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、前記噴出口と基材との距離が3cm〜50cmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、基材の温度が20℃〜120℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、前記噴出口と導電性基板との間に印加する電圧、前記噴出口と基材の間の距離、前記基材の温度を経時的に変化させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項8に記載の発明は、前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、複数の噴出口を用いて、その下で基材を移動させ、前記多孔質界面層の形成用材料を前記複数の噴出口から噴霧することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項9に記載の発明は、前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、前記噴出口に供給される前記多孔質界面層の形成用材料中に撥水性の高分子が含まれていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法である。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により製造された固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体であって、前記多孔質界面層の空隙率が70〜90%であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体である。
請求項11に記載の発明は、前記固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体における多孔質界面層の空孔径が0.01〜5μmであることを特徴とする請求項10に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体である。
請求項12に記載の発明は、前記固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体における多孔質界面層の空隙率および空孔径が膜厚方向で変化していることを特徴とする請求項10または11に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体である。
請求項13に記載の発明は、前記固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体における多孔質界面層の空隙率および空孔径が触媒層側で小さく、多孔質カーボン基材側で大きいことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体である。
請求項14に記載の発明は、請求項10〜13のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体を用いて作製されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池である。
本発明によれば、供給されるガスの拡散性が高く、また発電により発生した水の排水性が高い固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体、その製造方法および固体高分子型燃料電池を提供することができる。
以下、本発明の詳細について説明する。本発明では、固体高分子型燃料電池用の膜・電極接合体における触媒層とガス拡散層の界面に多孔質界面層を設けるものである。多孔質界面層は、例えば多孔質カーボン、撥水性高分子、分散媒からなる混合液を多孔質カーボン基材または予め触媒層が設けられたプロトン伝導性固体高分子膜が置かれた基材に塗布することで得られる。
多孔質カーボンの種類は、微粉末状で導電性を有し、触媒におかされないものであればどのようなものでも構わないが、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、フラーレンが使用できる。カーボンの粒径は、小さすぎると層が緻密になり、ガス拡散および排水のパスが形成されにくくなる。また大きすぎると界面の接触性が低下する。このため、粒径は10〜1000nm程度が好ましい。更に好ましくは10〜100nmが良い。
撥水性高分子としては、様々なものが用いられるが、一般的に用いられているフッ素樹脂、シリコーン樹脂を用いるのが好ましい。フッ素樹脂としてはPTFE、FEP、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン‐エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等が用いられる。また、シリコーン樹脂としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドロシロキサン、ポリフェニルヒドロシロキサン等を用いることができる。
混合液の分散媒として使用される溶媒は、多孔質カーボンや撥水性高分子を浸食することがなく、流動性の高い状態で撥水性高分子を溶解または微細ゲルとして分散できるものあれば特に制限はないが、揮発性の液体有機溶媒が少なくとも含まれることが望ましく、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、1-プロパノ―ル、2-プロパノ―ル、1-ブタノ−ル、2‐ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、ペンタノ−ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1-メトキシ-2-プロパノ-ル等の極性溶剤等が使用される。また、これらの溶剤のうち二種以上を混合させたものも使用できる。また、成膜後の多孔質界面層の空孔率を制御するためにグリセリンを添加したり界面活性剤を用いることもできる。
混合液中の固形分含有量は、多すぎると液の粘度が高くなるため本発明における静電噴霧法による霧化が困難になり、また少なすぎると成膜レートが非常に遅く、生産性が低下してしまうため、1〜50質量%であることが好ましい。固形分は多孔質カーボンと撥水性高分子からなるが、多孔質カーボンの含有量を多くすると同じ固形分含有量でも粘度は高くなり、少なくすると粘度は低くなる。混合液中の多孔質カーボンと撥水性高分子の比率は、特に制限されるものではないが、撥水性高分子の含有量が多くなると、作製した多孔質界面層の電気抵抗や噴霧をおこなう際の粘度が大きくなることを考慮すると、好ましくは多孔質カーボンの質量100に対し、撥水性高分子が5〜60であるのが良い。またこのときの混合液の粘度は静電噴霧を行うことを考慮すると、0.1〜500cP程度が好ましい。さらに好ましくは5〜100cPが良い。また混合液の分散時に分散剤を添加することで、粘度を制御することもできる。
混合液の粘度、液中の粒子のサイズは、混合液の分散処理の条件によって制御することができる。分散処理は、様々な装置を用いて行うことができる。例えば、ボールミル、ロールミル、せん断ミル、湿式ミル、超音波分散処理などが挙げられる。また、遠心力で撹拌を行うホモジナイザーなどを用いてもよい。
多孔質界面層の形成方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などの塗布法が一般的に用いられる。中でもスプレー法は、塗工された混合液を乾燥させる際に多孔質カーボンの凝集が起こりにくく、均質で空孔率の高い多孔質界面層が得られるため、好ましい。スプレー法の中でも本発明で用いている静電噴霧法はノズルから噴出してから塗着するまでの間のインキの二次凝集、塗着後の粒子の飛散がなく、また霧の粒径のばらつきも小さいため好ましい。以下、この静電噴霧法について説明する。
図1に本発明における静電噴霧法による多孔質界面層の形成工程の概略図である。この手法は、噴出口1と導電性基板2との間に電圧を印加することで噴霧させる多孔質界面層の形成用材料溶液3が帯電し、反対の電荷を帯びた導電性基板2上の基材4にクーロン力で引き寄せられて付着するものである。本研究においてはこの基材4として多孔質カーボン基材または予め触媒層が設けられたプロトン伝導性高分子膜を用いる。一般的には噴出口1がプラスに、基材4がマイナスに帯電するように電源5を用いて負荷を与える。噴出口から噴霧された材料溶液3は、電荷を帯びた自身の反発力によって微細化する。この微細化によって得られる形状は、噴霧する物質によって異なる。たとえば、高分子を用いた場合は噴霧した物質が繊維化する。また分子量の低い物質や微粒子が分散した溶液の場合は噴霧した液滴が基材に到達するまでの間に徐々に微細化される。また、このような形状の違いは溶液の濃度によっても変化する。液滴のサイズは数μm〜数十μmのオーダーである。
高電圧を発生させるための電源5は、電流量50mA、電圧50kV程度の出力が発生でき、可変であるものであれば問題ない。好ましくは、噴出口1と基材4の間で放電が起こった場合のために安全回路をもった構造であるのが良い。噴出口1は噴霧させる材料溶液3によって腐食されないものであればどのようなものであっても構わないが、一般的には負荷を与えるため金属製のノズルやシリンジが用いられる。噴出口1に材料溶液3を供給する際、供給速度を制御するため、定速供給機器6を用いる。この機器6には図1に示すようなシリンジポンプや、定量ポンプを用いることができる。
本発明における材料溶液3を噴霧する場合、図1に示すような液滴の微細化が起こると考えられる。微細化された液滴が基材4の表面に付着し、溶媒が乾燥することで目的の多孔質界面層を得ることができる。この噴霧の際に、噴出口1と基材4との距離h、基材4の温度、電源5による負荷の大きさによって、多孔質界面層の形態が大きく変化する。
噴出口1と基材4との距離hは、放電が起こらないための十分な距離であれば特に制限はないが、3cm〜50cmの場合、霧の粒径が均質な噴霧が行われるため好適である。さらに好ましくは3cm〜30cmである。距離hが大きくなるにつれ、液滴の微細化、溶媒の乾燥が進むため、霧の付着後の多孔質カーボン粒子の二次凝集が抑制でき、空隙率、空孔径の大きい多孔質界面層を得ることができる。
基材4の温度は、材料溶液3における撥水性高分子および基材4の軟化点以下であれば特に制限はないが、温度が高くなるほど溶媒の蒸発が速くなる為、好ましい。溶媒の蒸発速度が変化することによって、上記同様、霧の付着後の多孔質カーボン粒子の二次凝集が抑制でき、空隙率、空孔径の大きい多孔質界面層を得ることができる。基材の温度は、材料溶液3および基材4の軟化点以上であれば特に制限はないが、温度が高くなるほど溶媒の蒸発が速くなる為、好ましい。溶媒の蒸発速度が変化することによって、前記と同様に霧の基材4への付着後の触媒粒子の2次凝集が抑制でき、空隙率の高い触媒層を得ることができる。通常、基材の温度は20〜120℃程度である。
電源5によって与える負荷の大きさは、放電が起こらない範囲であれば特に制限はないが、好ましくは1kV〜50kVがよい。電圧が変化すると液滴の微細化の程度が変化するため、この電圧値によって霧の粒径が制御でき、その結果多孔質界面層の空隙率、空孔度を最適化することができる。また、このときの電圧は混合液の組成や粘度によって制限され、インキの組成、固形分濃度が変化すると、最適な電圧値が変化する。
上記静電噴霧法において噴出口の数は複数であっても何ら問題はなく、複数の噴出口を設けることで、大面積の塗布や、組成を段階的に変化させた多孔質界面層を作製することが可能になる。さらに、この静電噴霧法では、霧の粒径が小さく、溶媒の乾燥が従来のスプレー法と比較して早い為、塗布後のカーボン粒子の凝集や流動が起こりにくい。そのため作製した材料の安定供給が可能になる。図2は、複数の噴出口を用いて基材上に噴霧を行う静電噴霧法を説明するための概略図である。基材4上に複数の噴出口1があり、噴出口1と基材4の間の距離はhとする。またこのとき、基材4の下部には図示しない導電性基板が存在し、導電性基板と噴出口1の間には電圧が印加されている。また各噴出口に対して、それぞれの材料溶液3が定速供給器によって供給される。噴出口1はX方向、Y方向にそれぞれn本、k本ずつ合計(n×k)本設置されている。噴出口の位置は、例えば図2右上の噴出口の場合、X方向n番目、Y方向k番目というかたちで記載するものとする。n、kの値は基材4の大きさにもよるが特に定められるものではない。
各々の噴出口に供給する材料溶液3の組成は同じであっても異なっていても構わない。同じである場合は均一な多孔質界面層が得られ、異なる場合は面方向で組成が段階的に変化した多孔質界面層が得られる。これによって、たとえば撥水性高分子の含有量が膜面方向で傾斜した材料を得ることができる。
また、噴霧時に基材4を移動させることも可能である。基材4を移動させることで、基材4のある部分に異なる複数の噴出口から異なる組成の材料溶液3を噴霧することで、組成が膜厚方向で傾斜した多孔質界面層を得ることができる。この場合も上記同様、撥水性高分子の含有量などを膜厚方向で変化させることができる。基材4の移動形式は特に定められていないが、導電性基板の上に基材4を1方向に通過させたり、基材4の下部にある導電性基板をパターン化された動きで移動させることができる。また、導電性基板上を通過した基材4を巻き取ることで、ロール・トゥ・ロール方式で多孔質界面層を基材4上に作製することもできる。
得られた多孔質界面層の空隙率および空孔径は、形状が保たれるものであれば特に制限はないが、三相界面の面積、ガスの拡散性、形状安定性等を考慮すると、空隙率は70%〜90%、空孔径は0.01〜5μmであるのが好ましい。またこの空隙率および空孔径は、基材4の温度、噴出口1と基材4の距離、噴出口1と導電性基板の間に印加する電圧などを経時的に変化させることで膜厚方向に傾斜的に変化させることが可能である。噴霧条件を最適化することで、ガス拡散性が高く、かつ撥水性高分子の局在がなく均一な多孔質界面層を得ることができる。このとき、多孔質界面層の空隙率および空孔径は、後述する膜・電極接合体において、触媒層側で小さく、多孔質カーボン基材で大きくなるように傾斜させていると、ガス拡散の効率がよくなる為好適である。
膜・電極接合体における触媒層は、触媒が表面に担持されたカーボン、プロトン伝導性高分子、分散媒からなる混合液をプロトン伝導性固体高分子膜または予め多孔質界面層が作製された多孔質カーボン基材上に塗布することで作製される。
触媒層の形成方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などの塗布法が一般的に用いられる。また、本発明における静電噴霧法も用いることができる。
本発明で用いる触媒粒子としては、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属又はこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が使用できる。またこれらの触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5〜20nmが好ましい。更に好ましくは1〜5nmが良い。
触媒インキ中に含まれるプロトン伝導性高分子には様々なものが用いられるが、用いるプロトン伝導性固体高分子膜の成分によって、インキ中のプロトン伝導性高分子を選択する必要がある。市販のナフィオンをプロトン伝導性固体高分子膜として用いた場合は、ナフィオンを使用するのが好ましい。プロトン伝導性固体高分子膜にナフィオン以外の材料を用いた場合はインキ中にプロトン伝導性固体高分子膜と同じ成分を溶解させるなど、最適化をはかる必要がある。
触媒インキの分散媒として使用される溶媒は、触媒粒子やプロトン伝導性高分子を浸食することがなく、流動性の高い状態でプロトン伝導性高分子を溶解または微細ゲルとして分散できるものあれば特に制限はない。基本的に前述した多孔質界面層作製時の溶媒が使用できる。触媒層作製時においても、多孔質界面層作製時と同様、成膜後の触媒層の空孔率を制御するためにグリセリンを添加したり界面活性剤を用いることもできる。また、溶剤として低級アルコールを用いたものは発火の危険性が高く、このような溶媒を用いる際は水との混合溶媒にするのが好ましい。プロトン伝導性高分子となじみがよい水が含まれていてもよい。水の添加量は、プロトン伝導性高分子が分離して白濁を生じたり、ゲル化しない程度であれば特に制限はない。
触媒インキ中の固形分含有量は特に制限されるものではないが、含有量が低い場合、複数回の塗布の必要があり、スプレー法の場合は成膜レートが低下するため、好ましくは5〜50質量%であるのが良い。固形分は触媒担持カーボンとプロトン伝導性高分子からなるが、触媒担持カーボンの含有量を多くすると同じ固形分含有量でも粘度は高くなり、少なくすると粘度は低くなる。触媒担持カーボンの固形分に占める割合は10〜80%が好ましい。またこのときの触媒インキの粘度は、塗布可能な粘度であれば特に制限されるものではないが、静電噴霧を行うことを考慮すると、5〜100cPが好ましい。またインキの分散時に分散剤を添加することで、粘度の制御をすることもできる。
触媒インキの粘度、インキ中の粒子のサイズは、インキの分散処理の条件によって制御することができる。分散処理は、様々な装置を用いて行うことができる。例えば、ボールミル、ロールミル、せん断ミル、湿式ミル、超音波分散処理などが挙げられる。また、遠心力で撹拌を行うホモジナイザーなどを用いてもよい。
ガス拡散層としては電子伝導性を有し、ガスの拡散性が高く、耐食性の高いものであれば特に制限はないが、一般的にはカーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素系多孔質材料が用いられる。
膜・電極接合体の作製においては、現状ではプロトン伝導性固体高分子膜上に直接塗布または転写法によって触媒層を設けたものをガス拡散層である多孔質カーボン基材で挟持させる手法や、多孔質カーボン基材上に触媒層を塗布したものでプロトン伝導性高分子膜を挟持させる手法などが用いられている。本発明における多孔質界面層は、前者の作製法の場合、触媒層を設けたプロトン伝導性固体高分子膜上にガス拡散層を設ける前段階に、静電噴霧法を用いて作製される。後者の作製法の場合はガス拡散層上に触媒層を形成する前段階に作製される。多孔質界面層の上に触媒層を塗布する後者のプロセスにおいては、触媒層の塗布により多孔質界面層の空隙が閉塞される場合があるため、好ましくはスプレー法など、インキの乾燥が速い塗布法を用いるのが良い。これに対し、前者のプロセスを用いた場合、様々な塗布法を用いることができ、好適である。なお、多孔質カーボン基材上に静電噴霧法により多孔質界面層を形成し、それを予め前記触媒層を設けたプロトン伝導性高分子膜上に圧着させてもよい。
以下に本発明を具体的な実施例によって説明するが、本発明は下記例によって制限されるものではない。
(実施例1)
先ず、触媒層の作製方法について述べる。白金担持量が45質量%である白金担持カーボン触媒と市販のプロトン伝導性高分子(ナフィオン)溶液を分散媒中で混合し、遊星型ボールミル(FRITSCH社製 Pulverisette7)で分散処理を行った。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。出発原料の組成比は白金担持カーボン触媒とナフィオンは重量比で2:1とし、分散媒は水、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ルを体積比で1:1:1とした。また、固形分含有量は10質量%とした。作製したインキを離型フィルム上にドクターブレード法により塗布し、塗工後、触媒層を60℃で5分乾燥させた。触媒層の厚さは、触媒層の白金担持量が0.3mg/cmになるように調節した。塗布した触媒層を市販のプロトン伝導性固体高分子膜であるナフィオン112の両面に熱圧着により転写した。
次に、多孔質界面層の作製方法について述べる。市販の多孔質カーボンブラックを分散媒中に投入し、ボールミルで分散処理を行った。分散条件は前述の触媒層の分散条件と同様にした。分散媒、固形分含有量も触媒層作製時と同様にした。このインキをフュ‐エンス社製の噴霧装置を用いて静電噴霧法により触媒電極上に噴霧することで多孔質界面層を両面に作製した。静電噴霧の負荷電圧は20kV、基材とノズル間の距離は10cmとした。このときの触媒電極つき電解質膜の温度は25℃であった。また、定速供給機器としてシリンジポンプを用い、供給速度を15μl/minとした。作製した多孔質界面層について、多孔質界面層のみの空孔率を細孔分布測定装置で測定したところ、空孔率は80%であった。
(実施例2)
実施例1と同様な条件で触媒層をプロトン伝導性固体高分子膜の両面に転写した。その上に多孔質界面層を静電噴霧法を用いて両面に作製した。噴霧した混合液は、市販の多孔質カーボンブラックおよびPTFE分散液を分散媒中に投入し、ボールミルで分散処理を行うことで作製した。分散媒、固形分含有量、分散条件は実施例1と同様にした。またこのとき多孔質カーボンブラックとPTFEの重量比は100:30とした。このインキをフュ‐エンス社製の噴霧装置を用いて静電噴霧法により触媒電極上に噴霧することで多孔質界面層を作製した。静電噴霧の条件は実施例1の場合と同様とした。作製した多孔質界面層について、多孔質界面層のみの空孔率を細孔分布測定装置で測定したところ、空孔率は80%であった。
(実施例3)
実施例1と同様な条件で触媒層をプロトン伝導性固体高分子膜の両面に転写した。その上に多孔質界面層を静電噴霧法を用いて両面に作製した。噴霧した混合液の組成、分散条件は実施例2の場合と同様にした。静電噴霧の条件は、負荷電圧20kV、基材とノズル間の距離を10cmとした。このときの触媒層付きプロトン伝導性固体高分子膜の温度は最初25℃に設定し、そこから100℃まである一定速度で昇温させた。また、定速供給機器としてシリンジポンプを用い、供給速度を15μl/minとした。作製した多孔質界面層について、多孔質界面層のみの空孔率を細孔分布測定装置で測定したところ、空孔率は90%であった。
(比較例1)
実施例1と同様な条件で触媒層をプロトン伝導性固体高分子膜の両面に転写した。その上に多孔質界面層を高圧スプレーを用いて両面に作製した。噴霧した混合液の組成、分散条件は実施例2の場合と同様にした。基材と高圧スプレーノズル間の距離は10cmとした。またこのときの触媒層付きプロトン伝導性固体高分子膜の温度は25℃とした。作製した多孔質界面層について、多孔質界面層のみの空孔率を細孔分布測定装置で測定したところ、空孔率は70%であった。
<膜・電極接合体作製>
実施例1〜3、比較例1においてプロトン伝導性固体高分子膜の両面に触媒層、多孔質界面層の順で積層された電解質膜をガス拡散層であるカーボンペーパーで挟持させることで膜・電極接合体を作製した。このときの電極面積は5cmとした。図3は、本実施例および比較例で作製した膜・電極接合体の断面模式図であり、膜・電極接合体10は、プロトン伝導性固体高分子膜13の両面に酸化極11および還元極12を有し、さらにその外側に多孔質界面層14およびガス拡散層15をこの順に有する。
<発電性能測定結果>
作製した膜・電極接合体の発電性能測定を行った。測定セルとして、膜・電極接合体を、ガス流路を有するセパレータで挟持させ、ボルトで両極を締め付けたものを用いた。評価条件はセル温度80℃、ガスは酸化極が水素、還元極は酸素とした。流量は酸化極が200mL/min.、還元極が100mL/min.とした。また、ガスの相対湿度は酸化極100%、還元極26%とした。性能の比較は、電圧が0.7Vのときの電流密度および内部抵抗値で行った。内部抵抗の測定は交流インピーダンス法を用いて測定した。測定時には、セル電圧が0.7Vのときの電流を直流で加えた。交流インピーダンス法による測定では図4に示す複素平面上に描かれたいわゆるコールコールプロットから内部抵抗値を導く。内部抵抗は前述したオーミック抵抗21、反応抵抗22からなり、各々について比較した。表1に比較結果を示す。
Figure 2007250312
本発明は、膜・電極接合体における触媒層とガス拡散層の界面に、好適には撥水性高分子を含む多孔質界面層を設けるものであり、その多孔質界面層において主成分であるカーボン粒子の凝集が少なく、また排水性向上のために添加した撥水剤の分布が均一であり、かつ空隙率の高い形態を形成させるため、導電性基板と噴出口との間に電圧を印加し、その噴出口から多孔質界面層形成用材料を噴霧する静電噴霧法を用いて多孔質界面層を製造する方法を提供するものである。本発明による製造方法により作製された多孔質界面層は、空隙率、導電性、撥水性を兼ね備えており、供給されるガスの拡散性が高く、また発電により発生した水の排水性が高い。この多孔質界面層を触媒層とガス拡散層の界面に用いることで、出力密度の高い固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体および固体高分子型燃料電池を得ることができる。
本発明における静電噴霧法による多孔質界面層の形成工程の概略図である。 複数の噴出口を用いて基材上に噴霧を行う静電噴霧法を説明するための概略図である。 実施例および比較例で作製した膜・電極接合体の断面模式図である。 交流インピーダンス法を用いた内部抵抗の測定を説明するための図である。
符号の説明
1……噴出口、2……導電性基板、3……多孔質界面層の形成用材料溶液、4……基材、5……電源、6……定速供給機器、10……膜・電極接合体、11……酸化極、12……還元極、13……プロトン伝導性高分子膜、14……多孔質界面層、15……ガス拡散層、21……オーミック抵抗、22……反応抵抗。

Claims (14)

  1. 多孔質カーボン基材上に、触媒担持カーボンおよびプロトン伝導性高分子からなる触媒層が設けられた電極によってプロトン伝導性固体高分子膜を挟持し、かつ前記多孔質カーボン基材と触媒層との間に触媒を含まないカーボンからなる多孔質界面層を形成した固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体において、少なくとも前記多孔質界面層が、静電噴霧法により形成されることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  2. 前記プロトン伝導性固体高分子膜上に直接塗布または転写法によって前記触媒層を設け、その上に前記静電噴霧法により多孔質界面層を形成し、それを前記多孔質カーボン基材で挟持させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  3. 前記多孔質カーボン基材上に静電噴霧法により多孔質界面層を形成し、それを予め前記触媒層を設けたプロトン伝導性高分子膜上に圧着させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  4. 前記静電噴霧法による多孔質界面層の形成が、導電性基板との間に電圧を印加した噴出口から、多孔質界面層の形成用材料を噴出するものであり、前記噴出口と導電性基板との間に印加する電圧が1kV〜50kVであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  5. 前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、前記噴出口と基材との距離が3cm〜50cmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  6. 前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、基材の温度が20℃〜120℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  7. 前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、前記噴出口と導電性基板との間に印加する電圧、前記噴出口と基材の間の距離、前記基材の温度を経時的に変化させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  8. 前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、複数の噴出口を用いて、その下で基材を移動させ、前記多孔質界面層の形成用材料を前記複数の噴出口から噴霧することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  9. 前記多孔質界面層を静電噴霧法により形成する際、前記噴出口に供給される前記多孔質界面層の形成用材料中に撥水性の高分子が含まれていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により製造された固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体であって、前記多孔質界面層の空隙率が70〜90%であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体。
  11. 前記固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体における多孔質界面層の空孔径が0.01〜5μmであることを特徴とする請求項10に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体。
  12. 前記固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体における多孔質界面層の空隙率および空孔径が膜厚方向で変化していることを特徴とする請求項10または11に記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体。
  13. 前記固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体における多孔質界面層の空隙率および空孔径が触媒層側で小さく、多孔質カーボン基材側で大きいことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体。
  14. 請求項10〜13のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体を用いて作製されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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