JP7156328B2 - 燃料電池用触媒層の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池用触媒層の製造方法に関する。
従来から、燃料電池用触媒層の製造方法が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載の燃料電池用触媒層の製造方法では、溶媒と、電解質樹脂と、触媒担持体とを含む触媒インクを基材上に塗布して触媒層を形成した後に、溶媒の沸点以上の温度で触媒層を乾燥し、更に電解質樹脂のガラス転移温度以上の温度で乾燥する。これにより、乾燥後の触媒層表面の亀裂や凹凸の発生を抑制することができる。
特開2015-201254号公報
上述の燃料電池用触媒層の製造方法では、触媒インクの塗工ムラが面内において生じるおそれがある。また、このような塗工ムラに起因して、製造された触媒層を用いた燃料電池において、触媒層面内の発電のバラツキが生じるおそれがある。このような触媒層面内の発電のバラツキは、上述した触媒層における触媒インクの塗工ムラに起因するものに限らず、触媒層面内における酸素や水素の供給量分布のバラツキによっても生じ得る。触媒層面内の発電のバラツキが生じると、過剰に発電する部位において触媒が早期に消耗してしまい、燃料電池全体としての発電性能の低下を招く。このため、触媒層面内での発電のバラツキを抑制可能な燃料電池用触媒層の製造方法が望まれる。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、燃料電池用触媒層の製造方法が提供される。この燃料電池用触媒層の製造方法は、超音波振動エアを出力するノズル群であって、自身が出力する前記超音波振動エアの温度と、自身の内圧と、前記超音波振動エアの出力方向における自身の位置と、のうちの少なくとも一つが制御される単ノズルの集合体からなるノズル群を、準備する準備工程と、溶媒と、アイオノマと、触媒が担持された触媒担持体とを含む触媒インクをシート状の基材に塗布する塗布工程と、前記基材に塗布された前記触媒インクに、前記ノズル群から前記超音波振動エアを吹き付けて乾燥させる乾燥工程と、を備え、前記乾燥工程は、各単ノズルについてそれぞれ独立に、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを制御する工程を含む。
この形態の燃料電池用触媒層の製造方法によれば、乾燥工程は、各単ノズルについてそれぞれ独立に、温度と、内圧と、位置とのうちの少なくとも一つを制御する工程を含むので、触媒層に含まれるアイオノマの厚さ方向の濃度勾配の面内分布を制御できる。このため、触媒インクの塗工ムラや、酸素や水素の分布のバラツキに起因する触媒層面内の発電のバラツキを抑制できる。例えば、触媒インクがより多く塗布された部位に対応する単ノズルについては、他の単ノズルに比べて、温度をより低くする、内圧をより低くする、位置を触媒インクからより遠ざけるといった制御を行うことにより、面内方向の他の部位に比べて濃度勾配を小さくでき、これにより触媒インク表面におけるアイオノマ濃度を低減して、かかる部分における過剰発電を抑制するようにできる。同様に、燃料電池に組み付けられて使用される状態において酸素や水素の供給量が多くなる部位に対応する単ノズルについて、上記と同様な制御を行うことにより、かかる部分における過剰発電を抑制するようにできる。
(2)上記形態の燃料電池用触媒層の製造方法において、前記準備工程は、前記ノズル群として、二次元平面状に配列された複数の前記単ノズルを有するノズル群を準備する工程を含み、前記乾燥工程は、前記基材の平面方向における前記基材と前記ノズル群との相対的な位置関係を固定した状態で、前記基材に塗布された前記触媒インクに前記ノズル群から前記超音波振動エアを吹き付けて乾燥させる工程を含んでもよい。この形態の燃料電池用触媒層の製造方法によれば、超音波振動エアの吹き付け位置の平面方向の精度を向上でき、二次元的な濃度勾配の面内分布を精度良く制御できる。
(3)上記形態の燃料電池用触媒層の製造方法において、前記準備工程は、前記ノズル群として、一列に並んで配列された複数の前記単ノズルから各々構成される複数のノズル列が、前記ノズル列における複数の前記単ノズルの配列方向と交差する方向に、間隙を開けて配列された構成を有するノズル群を準備する工程を含み、前記乾燥工程は、前記交差方向を搬送方向として前記触媒インクが塗布された前記基材を搬送し、前記複数のノズル列が有するそれぞれの前記超音波振動エアの出力領域に順次通過させる工程を含んでもよい。この形態の燃料電池用触媒層の製造方法によれば、複数のノズル列における温度と、内圧と、位置とのうち少なくとも一つをノズル列間で均一としないことにより、濃度勾配の多様な面内分布を実現できる。
(4)上記形態の燃料電池用触媒層の製造方法において、前記燃料電池用触媒層に含まれる前記アイオノマの厚さ方向の濃度勾配の目標面内分布を特定する特定工程をさらに備え、前記乾燥工程は、前記基材に塗布された前記触媒インクにおける前記濃度勾配の面内分布が前記目標面内分布となるように、各単ノズルについてそれぞれ独立に、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを制御する工程を含んでもよい。この形態の燃料電池用触媒層の製造方法によれば、濃度勾配の面内分布を目標面内分布に近づけるようにできる。
(5)上記形態の燃料電池用触媒層の製造方法において、前記基材に塗布された前記触媒インクにおける前記触媒の含有量の分布を検出する検出工程をさらに備え、前記乾燥工程は、各単ノズルについてそれぞれ独立に、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを、前記検出工程において検出された前記含有量の分布に応じて制御する工程であって、前記含有量が多い場合に、前記含有量が少ない場合に比べて、前記温度を低くすることと、前記内圧を低くすることと、前記位置を前記出力方向に沿って前記触媒インクから遠ざけることと、のうちの少なくとも一つを実行する工程を含んでもよい。この形態の燃料電池用触媒層の製造方法によれば、塗工ムラ等により触媒の含有量が多い部位におけるアイオノマの濃度勾配を小さくでき、また、触媒の含有量が少ない部位におけるアイオノマの濃度勾配を大きくできる。このため、塗工ムラに起因する発電バラツキをより精度良く抑制できる。
(6)上記形態の燃料電池用触媒層の製造方法において、前記乾燥工程は、予め定められた所定時間、前記触媒インクに前記ノズル群から前記超音波振動エアを吹き付け、前記所定時間の間に、前記複数の単ノズルのうちの少なくとも一部について、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを、変化させる、工程を含んでもよい。この形態の燃料電池用触媒層の製造方法によれば、所定時間の間に、複数の単ノズルのうちの少なくとも一部について、温度と、内圧と、位置とのうちの少なくとも一つを、変化させるので、該当する単ノズルに対応する部位において、厚さ方向におけるアイオノマの濃度勾配を非線形に制御できる。
(7)上記形態の燃料電池用触媒層の製造方法において、前記乾燥工程は、前記複数のノズル列に亘って前記搬送方向に対応する前記単ノズルの集合において、前記搬送方向に隣り合う少なくとも二つの前記単ノズルのうち、前記搬送方向の上流側の単ノズルについて、前記搬送方向の下流側の単ノズルに比べて、前記温度を高くすることと、前記内圧を高くすることと、前記位置を前記出力方向に沿って前記触媒インクに近づけることと、のうちの少なくとも一つを実行する工程を含んでもよい。この形態の燃料電池用触媒層の製造方法によれば、より上流側において急速に触媒インクを乾燥させることができる。これにより、製造された触媒層において、より表面に近い位置におけるアイオノマの濃度勾配をより大きく制御できる。
本開示の一実施形態の製造方法により製造された触媒層を適用した燃料電池を模式的に示す分解斜視図である。 燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。 触媒層製造装置の構成を模式的に示す説明図である。 本開示の一実施形態におけるノズル群の構成を示す模式的な説明図である。 触媒層の製造方法を示す工程図である。 平面視した触媒層における濃度勾配の目標面内分布の一例を示す説明図である。 3領域の厚さ方向のアイオノマの濃度勾配の一例を示す図である。 乾燥工程の実行時における各単ノズルの制御例を示す説明図である。 第2実施形態におけるノズル群の構成を説明するための上面模式図である。 濃度勾配の目標面内分布の他の一例を示す説明図である。 第3実施形態におけるノズル群の構成の説明図である。 第3実施形態におけるノズル群の構成を説明するための平面模式図である。 第3実施形態における3領域の厚さ方向のアイオノマの濃度勾配を示す図である。 第4実施形態における触媒層の製造方法を説明する説明図である。
A.第1実施形態:
A1.燃料電池の概略構成:
図1は、本開示の一実施形態の製造方法により製造された触媒層16を適用した燃料電池50を模式的に示す分解斜視図である。図1では、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が表されている。図2におけるX軸、Y軸およびZ軸は、図1のX軸、Y軸およびZ軸と対応する。
本実施形態の燃料電池用触媒層の製造方法の説明の前に、燃料電池50の概略構成について説明する。燃料電池50は、アノード側のセパレータ21とカソード側のセパレータ22とにより、MEGA(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)プレート24を挟持する構成を有する。MEGAプレート24は、燃料電池用の膜電極ガス拡散層接合体10(以下、「MEGA」とも呼ぶ)と、MEGA10を囲むように配置される枠状部材23とからなる。燃料電池50は、多数積層されて燃料電池スタックを構成し、例えば、車両等において電力源として用いられる。燃料電池50は、単セルとも呼ばれる。
セパレータ21は、ガス不透過な導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン等のカーボン製部材や、プレス成形したステンレス鋼などの金属製部材により形成されている。セパレータ21の周縁部には、厚さ方向に貫通する6つの貫通孔21a~21fが形成されている。
貫通孔21aは、燃料電池スタックが形成された際に燃料電池スタックの内部において積層方向に沿ったカソードガス供給マニホールドの一部を形成する。貫通孔21bは、燃料電池スタックが形成された際に燃料電池スタックの内部において積層方向に沿ったカソードオフガス排出マニホールドの一部を形成する。
貫通孔21cは、燃料電池スタックが形成された際に燃料電池スタックの内部において積層方向に沿ったアノードガス供給マニホールドの一部を形成する。貫通孔21dは、燃料電池スタックが形成された際に燃料電池スタックの内部において積層方向に沿ったアノードオフガス排出マニホールドの一部を形成する。貫通孔21eは、燃料電池スタックが形成された際に燃料電池スタックの内部において積層方向に沿った冷却媒体供給マニホールドの一部を形成する。貫通孔21fは、燃料電池スタックが形成された際に燃料電池スタックの内部において積層方向に沿った冷却媒体排出マニホールドの一部を形成する。
セパレータ21において、MEGAプレート24と対面する側には、貫通孔21cと貫通孔21dとを連通する流路溝31が形成されている。流路溝31では、貫通孔21cから供給されたアノードガスが貫通孔21dに向かって流れる。なお、図1では、省略されているが、流路溝31にはアノードガスの流れを制御するための多数のリブが設けられている。
セパレータ22は、セパレータ21と同様な構成を有する。セパレータ22には、貫通孔22a~22fが形成されている。これらの貫通孔22a~22fは、セパレータ21が有する上述の貫通孔21a~21fとそれぞれ同じ機能を有する。セパレータ22において、MEGAプレート24と対面する側には、貫通孔22aと貫通孔22bとを連通する流路溝32が形成されている。流路溝32では、貫通孔22aから供給されたカソードガスが貫通孔22bに向かって流れる。なお、図1では、省略されているが、流路溝32には、流路溝31と同様に、カソードガスの流れを制御するための多数のリブが設けられている。
MEGAプレート24は、MEGA10と、枠状部材23とを備える。枠状部材23の中央には、厚み方向に大きな開口が形成されており、かかる開口を覆うように、MEGA10が配置されている。第1実施形態において、枠状部材23は、熱可塑性樹脂により形成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)から選択される樹脂を用いることができる。枠状部材23には、貫通孔23a~23fが形成されている。これらの貫通孔23a~23fは、セパレータ21が有する上述の貫通孔21a~21fとそれぞれ同じ機能を有する。
図2は、燃料電池50の構成を模式的に示す断面図である。MEGA10は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)18と、アノード側ガス拡散層14と、カソード側ガス拡散層15とを備える。
膜電極接合体18は、電解質膜11と、電解質膜11の各々の面に形成された触媒電極層(単に「触媒層」とも呼ぶ)であるアノード12およびカソード13と、を備える。電解質膜11は、高分子電解質材料、例えばフッ素樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す。アノード12およびカソード13は、気孔を有する多孔質体であり、例えば白金あるいは白金合金等の触媒を担持した導電性粒子、例えばカーボン粒子を、プロトン伝導性を有する高分子電解質で被覆して形成される。アノード12およびカソード13が備える高分子電解質は、電解質膜11を構成する高分子電解質と同種のポリマであっても良く、異種のポリマであっても良い。なお、以下の説明では、アノード12とカソード13とをまとめて、「触媒層16」とも呼ぶ。
アノード側ガス拡散層14は、アノード12における電解質膜11と接する面とは反対側の面に接する。カソード側ガス拡散層15は、カソード13における電解質膜11と接する面とは反対の面に接する。ガス拡散層14、15は、ガス透過性および電子伝導性を有する多孔質部材によって構成されており、例えば、多孔質金属部材や、いわゆるエキスパンドメタルなどにより構成されている。
A2.触媒層製造装置の構成:
図3は、触媒層製造装置20の構成を模式的に示す説明図である。第1実施形態の触媒層製造装置20は、触媒層16を製造する。触媒層製造装置20は、基材であるシート状の基材61に触媒インクInk3を塗布する。触媒層製造装置20は、触媒インクInk3が塗布された基材62に超音波振動エアを出力することによって触媒インクInk3を乾燥させて、触媒層16を製造する。なお、本実施形態では、超音波振動エアとは、超音波により振動させられた空気の流れを意味する。なお、超音波振動エアは、空気に限らず、超音波により振動させられた他の任意の種類のガスの気流であってもよい。
触媒層製造装置20は、搬送ローラ37と、巻取ローラ38と、ダイヘッド33と、ノズル群350と、ヒータ25と、プレッシャー用ブロア26と、モータ27と、制御部28と、バキューム用ブロア29と、コントロールバルブ30と、熱交換器36と、可動機構34とを備えている。
搬送ローラ37および巻取ローラ38は、回転することによって、搬送方向D1の上流側から供給される基材61を搬送方向D1に沿って下流側へ搬送する。搬送ローラ37は、巻取ローラ38よりも上流側に配置され、また、基材61を介してダイヘッド33と対向して配置されている。巻取ローラ38は、搬送された基材63を巻き取る。「基材63」とは、ダイヘッド33により表面に触媒インクInk3が塗布された状態の基材61(以下、「基材62」と呼ぶ)を、ノズル群350を用いて乾燥した後の基材を意味する。
ダイヘッド33は、図示しない塗工機の一部として構成されており、基材61の表面と対向して配置されている。ダイヘッド33は、基材61を介して搬送ローラ37と対向して配置されている。このため、基材61は、ダイヘッド33と対向する部分において基材61の裏面が搬送ローラ37に接触することにより、搬送ローラ37によって支持されている。ダイヘッド33は、塗工機に収容されている触媒インクInk3を、基材61の表面に吐出して塗布する。
ノズル群350は、ダイヘッド33よりも下流側において、基材62のうちの触媒インクInk3の表面と対向して配置されている。ノズル群350は、表面に、超音波により振動される空気(以下「超音波振動エア」と呼ぶ)を当てる。第1実施形態のノズル群350は、表面と接触しないように配置され、超音波により振動された空気(風)を吹き付けることにより、表面に超音波振動エアを当てる。ノズル群350は、加熱された温風に、超音波振動を付与して超音波振動エアとして噴射する。本実施形態では、ノズル群350(各単ノズル35)は、自身にエアが流れると超音波振動が生じるような内部構造になっている。なお、ノズル群350は、自身以外の他の装置で生成された超音波振動エアを単に通過させるだけの構造であってもよい。
図4は、本開示の一実施形態におけるノズル群350の構成を示す模式的な説明図である。ノズル群350は、基材62の表面(基材62のうちの触媒インクInk3の表面)と直交する方向(高さ方向)に基材62から離れて位置する。ノズル群350は、単ノズル35の集合体である。個々の単ノズル35には、後述するコントロールバルブ30が取り付けられている。
ノズル群350は、一列に並んで配置された複数の単ノズル35から構成されている。複数の単ノズル35は、基材62の流れる搬送方向D1と直交する方向(後述の「幅方向D2」)に配列されている。基材62の幅方向D2の長さは、ノズル群350の幅方向と同じ長さである。図4に示すように、ノズル群350は、10個の単ノズル35で構成されているが、10個に限らず任意の複数の個数であってもよい。
図3に示すように、ヒータ25は、プレッシャー用ブロア26と接続されている。プレッシャー用ブロア26は、ヒータ25にエアを供給する。ヒータ25は、プレッシャー用ブロア26から送風されたエアを温める。モータ27は、プレッシャー用ブロア26に備え付けられたファンを回転させる。
制御部28は、ヒータ25及びモータ27の動作を制御する。バキューム用ブロア29は、ノズル群350からエアを吸引する。
コントロールバルブ30は、単ノズル35の圧力を制御する。単ノズル35の圧力は、自身の内圧である。単ノズル35の自身の内圧は、単ノズル35の内部の気体の圧力である。
熱交換器36は、ヒータ25と接続されている。熱交換器36は、ヒータ25で温められたエアの温度を制御する。熱交換器36で温度制御されたエアがノズル群350へと供給される。
可動機構34は、単ノズル35と接続されている。可動機構34は、単ノズル35の位置を制御する。単ノズル35の位置は、超音波振動エアの出力方向における自身の位置であり、基材62に塗布された触媒インクInk3の表面と直交する方向(高さ方向)の位置である。
A3.燃料電池用触媒層の製造方法:
図5は、触媒層16の製造方法を示す工程図である。触媒層16の製造は、図3に示す触媒層製造装置20を用いて実行される。まず、基材61と、触媒インクInk3と、ノズル群350とが準備される(工程P100)。準備工程では、触媒層製造装置20に基材61がセットされる。触媒インクInk3は、溶媒と、アイオノマと、触媒担持体とを含むものである。
溶媒としては、例えば高沸点を有するジアセトンアルコール(以下、高沸点溶媒DAAという)が用いられる。アイオノマは、イオン性を有する電解質樹脂であり、第1実施形態では、アイオノマとして、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂が用いられる。触媒担持体は、触媒を担持体に担持させたものであり、第1実施形態では、触媒として白金または白金の合金が用いられ、担持体としてカーボンの粉末が用いられる。
触媒インクInk3の組成としては、固形分濃度が9.1%、アイオノマとカーボンとの重量比が0.75~0.85、水分率が60%、高沸点溶媒DAA率が20%である。また、触媒インクInk3の粒度分布については、D50が1μm以下、D90が3μm以下である。更に、触媒インクInk3のせん断粘度が35~110mPa・s(562s-1 )である。
基材61の表面に触媒インクInk3を塗布する(工程P110)。塗布工程では、ダイヘッド33から触媒インクInk3が塗布される。
基材62のうちの触媒インクInk3の表面に対して、超音波振動エアを吹き付けて触媒インクInk3を乾燥させる(工程P120)。このとき、先ず触媒層16に含まれるアイオノマの厚さ方向の濃度勾配の目標面内分布を特定する特定工程が実行され、制御部28は、乾燥後の触媒インクInk3におけるアイオノマの厚さ方向の濃度勾配の面内分布が特定された目標面内分布となるように、各単ノズル35が出力する超音波振動エアの温度と、各単ノズル35の内圧と、超音波振動エアの出力方向における各単ノズル35の位置とを制御する。「アイオノマの厚さ方向の濃度勾配」とは、触媒層16の厚さ方向に沿ったアイオノマの濃度の傾き(変化度合)を意味する。「アイオノマ濃度」とは、触媒層16の単位体積あたりのアイオノマの質量を意味する。本実施形態では、触媒層16に含まれるアイオノマの厚さ方向の濃度勾配を、単に「濃度勾配」とも呼ぶ。
図6は、平面視した触媒層16における濃度勾配の目標面内分布の一例を示す説明図である。図7は、3領域の厚さ方向のアイオノマの濃度勾配の一例を示す図である。図7において、横軸は、基材と接する点をゼロ点とした触媒層の厚さ方向の位置を示し、縦軸は、アイオノマ濃度を意味する。なお、横軸の位置Xは、触媒層16の厚さ分に相当する位置であり、触媒層16の表面の位置に相当する。
図6の例では、触媒層16の上段の領域Ar1において濃度勾配が大きく、中段の領域Ar2において濃度勾配が中程度であり、下段の領域Ar3において濃度勾配が小さくなるような面内分布が目標面内分布として設定されている。図7に示すように、領域Ar1~Ar3の濃度勾配はそれぞれ異なる。そして、図7に示すように、領域Ar1では、触媒層16の表面(位置X)におけるアイオノマ濃度は他の2つの領域Ar2、Ar3に比べて高い。他方、領域Ar3では、触媒層表面におけるアイオノマ濃度は他の2つの領域Ar1、Ar2に比べて低い。このような濃度勾配となるように触媒層が形成された場合、燃料電池に組み付けられて使用されると、触媒層表面のアイオノマ濃度が高い部位では、プロトン伝導性が増大して発電効率が上昇する。他方、触媒層表面のアイオノマ濃度が低い部位では、発電効率が低下する。
図8は、乾燥工程の実行時における各単ノズル35の制御例を示す説明図である。図8では、平面視した基材62およびノズル群350を模式的に表している。図6および図7に示すような濃度勾配の目標面内分布が特定された場合、制御部28は、図8に示すように、領域Ar1に対応する単ノズル群N1については、出力するエアの温度を高くし、内圧を高くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から近くに位置するように制御する。また、領域Ar2に対応する単ノズル群N2については、制御部28は、出力するエアの温度を中程度にし、内圧を中程度にし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から中程度に位置するように制御する。さらに、領域Ar3に対応する単ノズル群N3については、制御部28は、出力するエアの温度を低くし、内圧を低くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から遠くに位置するように制御する。なお、エアの温度の高、中、低は、予め所定温度として設定されている。同様に、内圧の高、中、低と、位置の近、中、遠とは、予め所定内圧と、所定位置として、各々設定されている。
このように、濃度勾配の大きい領域Ar1に対応する単ノズル群N1ほど、制御部28は、出力するエアの温度を高くし、内圧を高くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から近くに位置するように制御する理由、言い換えると、出力するエアの温度を高くし、内圧を高くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から近くに位置するように制御することにより、領域Ar1における濃度勾配を大きくできる理由について、説明する。
塗布工程(工程P110)における触媒インクInk3の塗布量の面内分布は、塗工ムラが無い前提では略均一である。したがって、基材62のうちの触媒インクInk3におけるアイオノマ量の面内分布は、略均一である。このため、乾燥工程(工程P120)によって、基材62のうちの触媒インクInk3の表面側にアイオノマを偏在させることにより、濃度勾配を大きくできる。他方、このようなアイオノマの偏在を生じさせないようにすることにより、濃度勾配を小さくできる。本願発明者らは、触媒インクInk3に超音波振動エアを吹き付けることにより、アイオノマを触媒インクInk3の表面側に偏在させることができることを見いだした。このように、超音波振動エアを用いて乾燥させることにより、アイオノマが触媒インクInk3の表面側に偏在するメカニズムとしては、以下のメカニズムが推定される。超音波振動エアによる乾燥によって溶液中の溶媒および水分が急速に蒸発すると、溶液界面が急激に低下する。このとき、カーボンブラック等の触媒担持体の溶液中における拡散速度は比較的遅いため、溶液界面の付近に存在する触媒担持体は、溶液界面の急激な低下に伴って溶液界面に集まる。他方、アイオノマの溶液中における拡散速度は比較的速い。しかし、溶液界面に集まった触媒担持体群において、隣り合う触媒担持体間に狭い隙間が存在するため、かかる隙間に毛管現象によって多量のアイオノマが入り込むこととなる。その結果、溶液界面近傍、すなわち、触媒インクInk3の表面側にアイオノマが偏在するものと推定される。このとき、超音波振動エアにより触媒インクInk3を乾燥させる力がより大きいほど、溶液中の溶媒および水分をより急速に蒸発させることができ、これにより、アイオノマを触媒インクInk3の表面側に偏在させることができるものと推定される。
このような推定から、触媒インクInk3の表面側にアイオノマを偏在させたい領域ほど、超音波振動エアの出力を強くすればよいことが推定される。そこで、図6および図7においては、濃度勾配の大きい領域Ar1に対応する単ノズル群N1ほど、単ノズル35の超音波強度を強くする。ここで、単ノズル35の超音波強度とは、単ノズル35の出力するエアの温度の高低と、単ノズル35の内圧の高低と、基材62における触媒インクInk3表面からの単ノズル35の位置の遠近とを表す。例えば、制御部28は、出力するエアの温度を高くし、内圧を高くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から近くに位置するように制御することにより、単ノズル35の強度を大きくできる。
図6に示すような目標面内分布が設定される理由について説明する。図6に示すような目標面内分布が設定されることにより、触媒層16のうち、アノードガス供給マニホールドの一部を形成する貫通孔23cに近い領域Ar31において、表面のアイオノマ濃度を低くでき、また、アノードオフガス排出マニホールドの一部を形成する貫通孔23dに近い領域Ar11において、表面のアイオノマ濃度を高くできる。領域Ar31はアノードにおいて水素の入り口付近であるので、水素の供給量が比較的多く、潜在的に発電効率が高い領域である。このような領域Ar31において、触媒層16の表面におけるアイオノマ濃度を高く調整すると、過度に発電が行われて触媒の消耗が他の部分に比べて進むおそれがある。他方、領域Ar11はアノードオフガスの出口付近なので、水素の供給量が少ない部位であり、潜在的に発電効率が低い領域である。このような領域Ar11において、触媒層16の表面におけるアイオノマ濃度を低く調整すると、過度に発電が行われず、他の領域における発電のみが促進され、かかる領域において触媒の消耗が進むおそれがある。そこで、領域Ar31において表面のアイオノマ濃度を低くし、領域Ar11において表面のアイオノマ濃度を高くし、触媒層16面内の発電のバラツキを抑制する意図で、図6のような目標面内分布が設定され得る。
上述した工程P120(乾燥工程)により、基材62の触媒インクInk3が乾燥することにより、基材63が生成され、基材63の表面には触媒層16が形成されることとなる。工程P120の完了後、製造方法が終了する。表面に触媒層16が形成された状態の基材63は、巻取ローラ38によって巻き取られ、膜電極接合体18の製造に用いられる。なお、巻取ローラ38によって巻き取られることが省略されて、膜電極接合体18の製造工程に供されてもよい。
以上説明した第1実施形態における触媒層16の製造方法によれば、乾燥工程は、各単ノズル35についてそれぞれ独立に、温度と、内圧と、位置とのうちの少なくとも一つを制御する工程を含むので、触媒層16に含まれるアイオノマの厚さ方向の濃度勾配の面内分布を制御できる。このため、水素の分布のバラツキに起因する触媒層面内の発電のバラツキを抑制できる。
B.第2実施形態:
図9は、第2実施形態におけるノズル群350aの構成を説明するための上面模式図である。第2実施形態の触媒層製造装置20は、ノズル群350に代えてノズル群350aを備える点において第1実施形態の触媒層製造装置20と異なり、他の構成は同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態の触媒層16の製造方法は、準備工程(工程P100)と乾燥工程(工程P120)の詳細手順において、第1実施形態の触媒層16の製造方法と異なり、その他の手順は同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、ノズル群350aは、二次元平面状に配列された複数の単ノズル35a1~35j10で構成されている。ノズル群350aは、100個の単ノズル35a1~35j10で構成されているが、100個に限らず任意の複数の個数であってもよい。第2実施形態においては、触媒インクInk3が塗布された基材62と、ノズル群350aとは、互いに基材62の面方向の相対的な位置関係を固定する。
第2実施形態の触媒層16の製造方法における準備工程(工程P100)は、ノズル群350に代えて、上述のノズル群350aを準備する工程を含む点で第1実施形態の触媒層16の製造方法と異なり、他の手順は同じである。
第2実施形態の触媒層16の製造方法における乾燥工程(工程P120)は、触媒インクInk3が塗布された基材62と、ノズル群350aとの相対的な位置関係(基材62の面方向の相対的な位置関係)を固定した状態で、基材62に塗布された触媒インクInk3にノズル群350aから超音波振動エアを吹き付けて乾燥させる工程を含む点で、第1実施形態の触媒層16の製造方法と異なる。
図10は、濃度勾配の目標面内分布の他の一例を示す説明図である。図10では、図2に示す触媒層16のうち、アノードガス供給マニホールドの一部を形成する貫通孔23cに近い領域Ar23において、アイオノマ濃度が低く、アノードオフガス排出マニホールドの一部を形成する貫通孔23dに近い領域Ar21においてアイオノマ濃度が高く、その他の領域Ar22においてアイオノマ濃度が中程度である。このような場合も、上記と同様な制御を行う。なお、図10のような目標面内分布は、以下のような理由から設定され得る。すなわち、領域Ar23はアノードにおいて水素の入り口付近であるので、水素の供給量が比較的多く、潜在的に発電効率が高い領域である。このような領域Ar23において、触媒層16の表面におけるアイオノマ濃度を高く調整すると、過度に発電が行われて触媒の消耗が他の部分に比べて進むおそれがある。他方、領域Ar21はアノードオフガスの出口付近なので、水素の供給量が少ない部位であり、潜在的に発電効率が低い領域である。このような領域Ar21において、触媒層16の表面におけるアイオノマ濃度を低く調整すると、過度に発電が行われず、他の領域Ar22、Ar23における発電のみが促進され、これらの領域Ar22、Ar23において触媒の消耗が進むおそれがある。そこで、領域Ar23においてアイオノマ濃度を低くし、領域Ar21においてアイオノマ濃度を高くし、触媒層16面内の発電のバラツキを抑制する意図で、図10のような目標面内分布が設定され得る。
制御部28は、領域Ar23に対応する単ノズル群に対して、濃度勾配を小さくするように、出力するエアの温度を低くし、内圧を低くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から遠くに位置するように制御する。これにより、領域Ar23等における過剰発電を抑制するようにできる。
図10に示すような濃度勾配の目標面内分布が特定された場合、制御部28は、領域Ar21に対応するノズル群、具体的には、図9に示す単ノズル35a1、35a2、35b1及びそれら近傍に位置するノズル群については、出力するエアの温度を高くし、内圧を高くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から近くに位置するように制御する。制御部28は、領域Ar23に対応する単ノズル群、具体的には、単ノズル35i10、35j9、35j10及びそれら近傍に位置するノズル群については、出力するエアの温度を低くし、内圧を低くし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から遠くに位置するように制御する。また、制御部28は、領域Ar21と領域Ar23以外の領域Ar22に対応する単ノズル群、例えば、単ノズル35e5~35f7及びそれら近傍に位置する単ノズル群については、出力するエアの温度を中程度にし、内圧を中程度にし、基材62のうちの触媒インクInk3の表面から中程度に位置するように制御する。制御部28は、これらの制御を、触媒インクInk3が塗布された基材62と、ノズル群350aとの相対的な位置関係(基材62の面方向の相対的な位置関係)を固定して行う。すなわち、基材62の搬送方向D1の移動が止まって、ノズル群350aの各単ノズル35a1~35j10の超音波強度も固定した強度で制御が行われる。
以上説明した第2実施形態の触媒層16の製造方法によれば、第1実施形態の触媒層16の製造方法と同様な効果を奏する。加えて、ノズル群350aを構成する複数の単ノズル35a1~35j10が二次元平面状に配列されているので、二次元的に濃度勾配の面内分布を制御できる。また、触媒インクInk3が塗布された基材62と、ノズル群350aとの相対的な位置関係(基材62の面方向の相対的な位置関係)を固定した状態で、ノズル群350aから超音波振動エアを吹き付けて乾燥させるので、超音波振動エアの吹き付け位置の平面方向の精度を向上でき、二次元的な濃度勾配の面内分布を精度良く制御できる。
C.第3実施形態:
図11は、第3実施形態におけるノズル群350bの構成の説明図である。なお、図11では、上段にノズル群350bの構成を示すことに加え、下段には、基材62における触媒インクInk3の塗膜の厚みの変化をノズル列35L1~35L5に対応づけて示している。図12は、第3実施形態におけるノズル群350bの構成を説明するための平面模式図である。図13は、第3実施形態における3領域の厚さ方向のアイオノマの濃度勾配を示す図である。第3実施形態の触媒層16の製造方法は、準備工程において、ノズル群350に代えてノズル群350bを準備する点で、第1実施形態の触媒層16の製造方法と異なる。ノズル群350bは、一列に並んで配列された複数の単ノズル35からなる複数のノズル列が、ノズル列における複数の単ノズル35の配列方向と交差する方向(以下、「交差方向」と呼ぶ)に、間隙を開けて配列された構成を有する。また、第3実施形態の触媒層16の製造方法は、乾燥工程において、触媒インクInk3が塗布された基材62を、交差方向に搬送して、複数のノズル列が有するそれぞれの超音波振動エアの出力領域に順次通過させる工程を含む点も、第1実施形態の触媒層16の製造方法と異なる。その他の構成および手順は、第1実施形態と同様であるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
図11および図12に示すように、ノズル群350bは、搬送方向の上流側から複数のノズル列35L1、35L2、35L3、35L4、35L5が、同間隙を開けて配列された構成を有する。搬送方向D1の上流側のノズル列35L1から下流側のノズル列35L5に亘って、順に、超音波強度を「強、中、中、中、弱」と制御する。このような制御により、図11の下段に示すように、搬送中の基材62において触媒インクInk3である塗膜が薄くなっていく。このとき、塗膜の薄くなる速度は一様ではなく、ノズル列35L1を通過する際に大きく、ノズル列35L2~35L4を通過する際に略一定となり、ノズル列35L5を通過するときに小さくなる。塗膜の厚みの減りが大きいことは、すなわち、触媒インクInk3の中の溶媒および水分の蒸発速度が大きいことを意味し、それは、触媒インクInk3の表面にアイオノマが偏在し易いことを意味する。
図12に示すように、ノズル列35L1~35L5は、それぞれ、10個の単ノズルを搬送方向D1と直交する方向(幅方向D2)に一列に有している。搬送方向D1に見て、左側の単ノズル35a1~35a5の位置する領域は、基材62においては、図6に示す領域Ar1に含まれる。同様に、搬送方向D1に見て、右側の単ノズル35j1~35j5の位置する領域は、基材62においては、図6に示す領域Ar3に含まれる。搬送方向D1に見て、中間の単ノズルの位置する領域は、図6に示す領域Ar2に含まれる。制御部28は、図6に示す目標面内分布と同様の目標面内分布に応じた超音波強度で、かつ、図11に示すように、超音波強度を上流から下流に亘って大から小へと制御する。
上述のように、超音波強度を搬送方向D1の上流から下流に向けて順に「強、中、中、中、弱」と制御することにより、図13に示すように、各領域Ar1~Ar3におけるアイオノマ濃度の厚さ方向の変化は、図7に示す第1実施形態におけるアイオノマ濃度の厚さ方向の変化とは異なり、非線形に変化するようにできる。言い換えると、第3実施形態では、アイオノマの濃度勾配が厚さ方向において一定ではなく、厚さ方向に変化するように制御される。具体的には、触媒インクInk3に近い位置、すなわち、位置Xに近い位置においては、アイオノマの濃度勾配は大きく、位置Xから離れるに従って次第に小さくなる。これは、超音波強度を搬送方向D1の上流から下流向けて順に「強、中、中、中、弱」と制御することにより、触媒インクInk3の表面側により多くのアイオノマを偏在させることができるからである。また、図13に示すように、3つの領域Ar1~Ar3同士を比較した場合、いずれの厚さにおいても、領域Ar1のアイオノマ濃度が最も大きく、領域Ar2のアイオノマ濃度が中程度で、領域Ar3のアイオノマ濃度が最も小さい。これは、第1実施形態と同様に、同じ「強」でも、領域Ar1における温度が、他の領域Ar2、Ar3における温度に比べて高く、領域Ar1における内圧が、他の領域Ar2、Ar3における内圧に比べて高く、領域Ar1における各単ノズルと基材62との位置が、他の領域Ar2、Ar3における各単ノズルと基材62との位置に比べて近いからである。
以上説明した第3実施形態の触媒層16の製造方法によれば、第1実施形態の触媒層16の製造方法と同様な効果を奏する。それに加えて、ノズル群350bを構成する複数のノズル列が、同間隙で配列されているので、各ノズル列の超音波強度を大から小へと制御できる。これにより、アイオノマの濃度勾配を厚さ方向に非線形に制御でき、多様な目標面内分布に応じた精度の高い制御が実現可能となる。これにより、過剰発電を更に抑制するようにできる。
D.第4実施形態:
図14は、第4実施形態における触媒層16の製造方法を説明する説明図である。第4実施形態の触媒層16の製造方法は、乾燥工程において、超音波振動エアを吹き付ける所定時間を所定数に分割し、分割された各時間(以下、「分割時間」と呼ぶ)ごとに、各単ノズルの超音波強度を調整して、触媒インクInk3に超音波振動エアを吹き付ける点で、第2実施形態の触媒層16の製造方法と異なる。その他の構成および手順は、第2実施形態と同様であるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第4実施形態の乾燥工程において、具体的には、所定時間を互いに同じ長さの4つの分割時間に分割する。図14では、横軸は制御時間(超音波振動エアの吹き付け時間)を示し、縦軸は超音波強度を示す。所定時間Tは、四つの分割時間である時間0~時間t1と、時間t1~時間t2と、時間t2~時間t3と、時間t3~時間Tに区切られる。各分割時間内においては、超音波強度は一定である。図14に示すように、時間0~時間t1では、超音波強度を「強」とし、時間t1~時間t2および時間t2~時間t3では、超音波強度を「中」とし、時間t3~時間Tでは、超音波強度を「弱」とする。このような制御により、第3実施形態と同様に、アイオノマの濃度勾配を厚み方向において非線形に制御できる。
以上説明した第4実施形態の触媒層16の製造方法によれば、第2実施形態の触媒層16の製造方法と同様な効果を奏する。加えて、制御部28は、ノズル群強度を、分割時間ごとに超音波強度を制御するので、図13と同様な厚さ方向の濃度勾配を得られるので、第3実施形態の製造方法と同様な効果を奏する。これにより、目標面内分布に近い更に精度の高い制御が実現可能となる。これにより、過剰発電を更に抑制するようにできる。
E.他の実施形態:
(E1)各実施形態の触媒層16の製造方法において、各単ノズル35について、それぞれ独立に、温度と、内圧と、位置とを、全て制御していたが、本実施形態はこれに限られない。各単ノズル35について、乾燥工程において、それぞれ独立に、温度と、内圧と、位置とのうちの一部を制御してもよい。例えば、内圧と、位置とを制御してもよいし、位置だけ制御してもよい。また、どのような組み合わせで制御してもよい。
(E2)各実施形態においては、水素の分布のバラツキに起因する触媒層16の面内の発電のバラツキを抑制できていたが、これに限られない。触媒インクInk3の塗工ムラに起因する触媒層16の面内の発電のバラツキも抑制できる。なお、塗工ムラとは、基材62における触媒インクInk3の厚みのムラを意味する。予め触媒インクInk3の塗工ムラの傾向が分かっていれば、その傾向に応じて、塗工ムラに起因する触媒層16の面内の発電のバラツキを抑制できる。他方、予め触媒インクInk3の塗工ムラの傾向が分からない場合、その塗工ムラが触媒の含有量と関連しているので、本実施形態においては、基材62に塗布された触媒インクInk3における触媒の含有量の分布を検出する検出工程をさらに備えていてもよい。また、乾燥工程は、各単ノズルについてそれぞれ独立に、温度と、内圧と、位置とのうちの少なくとも一つを、検出工程において検出された含有量の分布に応じて制御する工程であってもよい。具体的には、含有量が多い場合に、含有量が少ない場合に比べて、温度を低くすることと、内圧を低くすることと、位置を出力方向に沿って触媒インクInk3から遠ざけることと、のうちの少なくとも一つを実行する工程を含んでもよい。これにより、塗工ムラ等により触媒の含有量が多い部位におけるアイオノマの濃度勾配を小さくでき、また、触媒の含有量が少ない部位におけるアイオノマの濃度勾配を大きくできる。このため、塗工ムラに起因する発電バラツキをより精度良く抑制できる。
触媒インクInk3における触媒の含有量の分布は、金属探知機による方法やX線を用いて検出される。具体的には、基材62のうちの触媒インクInk3において、塗工ムラが生じている場合、例えば、X線を用いて触媒の含有量の分布を検出する。検出された含有量の分布に応じて、前記と同様に各単ノズルの超音波強度を制御して、ノズル群から超音波振動エアを吹き付けて触媒インクInk3を乾燥させる。触媒の含有量の分布情報を各単ノズルにフィードバックした制御をすることにより、前記と同様の効果が得られる。
(E3)第3実施形態においては、搬送方向の上流側のノズル列35L1から下流側のノズル列35L5に亘って、順に、超音波強度を「強、中、中、中、弱」と制御していたが、本実施形態はこれに限られない。乾燥工程は、搬送方向に隣り合う少なくとも二つの単ノズルのうち、搬送方向の上流側の単ノズルについて、搬送方向の下流側の単ノズルに比べて、前記温度を高くすることと、前記内圧を高くすることと、前記位置を前記出力方向に沿って前記触媒インクInk3に近づけることと、のうちの少なくとも一つを実行する工程を含んでもよい。例えば、搬送方向の上流側に位置する単ノズル35a1から下流側の単ノズル35a5に亘って、超音波強度が「強、強、強、中、弱」であってもよいし、「中、弱、弱、弱、弱」であってもよい。これにより、更に多様な超音波強度で制御可能となる。
(E4)各実施形態において、基材62の幅方向D2の長さは、ノズル群の幅方向の長さと同じであったが、同じでなくてもよい。例えば、基材62の幅方向D2の長さは、ノズル群の幅方向の長さよりも長くてもよい。
(E5)第4実施形態において、各単ノズル35に対して、時間を4分割に分けて超音波強度を制御していたが、4分割でなくても、任意の数の時分割で制御してもよい。
(E6)各実施形態においては、水素の供給量分布のバラツキに起因する部位に対応する触媒層16の面内の発電のバラツキを制御できていたが、本実施形態はこれに限られない。酸素の供給量分布のバラツキに起因する部位に対応する触媒層16の面内の発電のバラツキも制御できる。
(E7)第4実施形態において、分割時間は互いに同じ長さであったが互いに同じ長さでなくてもよい。例えば、超音波強度の強い分割時間である時間0~時間t1が長く、超音波強度の弱い分割時間である時間t3~時間Tが短くてもよい。
(E8)第4実施形態において、各分割時間ごとに、各単ノズルの超音波強度を調整していたが、本実施形態はこれに限られない。各分割時間ごとに、単ノズルによっては、超音波強度を変化させてもよいし、単ノズルによっては、超音波強度を変化させない、すなわち一定であってもよい。
(E9)第4実施形態において、所定時間を分割していたが、本実施形態はこれに限られない。所定時間を分割することなく、所定時間に亘って連続的に、各単ノズルの超音波強度を変化させてもよい。例えば、所定時間のうちの最初は、超音波強度を小さくする速度を速くし、徐々にゆっくり小さくしてもよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
Ar1…領域、Ar2…領域、Ar22…領域、Ar3…領域、D2…幅方向、N1…単ノズル群、N2…単ノズル群、P100…工程、P110…工程、P120…工程、T…所定時間、X…位置、t2…時間、t3…時間、10…膜電極ガス拡散層接合体、11…電解質膜、12…アノード、13…カソード、14…アノード側ガス拡散層、15…カソード側ガス拡散層、16…触媒層、18…膜電極接合体、20…触媒層製造装置、21…セパレータ、21a…貫通孔、21b…貫通孔、21c…貫通孔、21d…貫通孔、21e…貫通孔、21f…貫通孔、22…セパレータ、22a…貫通孔、22b…貫通孔、23…枠状部材、23a…貫通孔、23c…貫通孔、23d…貫通孔、24…MEGAプレート、25…ヒータ、26…プレッシャー用ブロア、27…モータ、28…制御部、29…バキューム用ブロア、30…コントロールバルブ、31…流路溝、32…流路溝、33…ダイヘッド、34…可動機構、35…単ノズル、35L1…ノズル列、35L2…ノズル列、35L5…ノズル列、35a1…単ノズル、35a5…単ノズル、35i10…単ノズル、35j1…単ノズル、36…熱交換器、37…搬送ローラ、38…巻取ローラ、50…燃料電池、61…基材、62…基材、63…基材、350…ノズル群、350a…ノズル群、350b…ノズル群、35e5…単ノズル、Ar11…領域、Ar21…領域、Ar23…領域、Ar31…領域、D1…搬送方向、Ink3…触媒インク、N3…単ノズル群、t1…時間

Claims (7)

  1. 燃料電池用触媒層の製造方法であって、
    超音波振動エアを出力するノズル群であって、自身が出力する前記超音波振動エアの温度と、自身の内圧と、前記超音波振動エアの出力方向における自身の位置と、のうちの少なくとも一つが制御される単ノズルの集合体からなるノズル群を、準備する準備工程と、
    溶媒と、アイオノマと、触媒が担持された触媒担持体とを含む触媒インクをシート状の基材に塗布する塗布工程と、
    前記基材に塗布された前記触媒インクに、前記ノズル群から前記超音波振動エアを吹き付けて乾燥させる乾燥工程と、
    を備え、
    前記乾燥工程は、各前記単ノズルについてそれぞれ独立に、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを制御する工程を含む、
    燃料電池用触媒層の製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用触媒層の製造方法であって、
    前記準備工程は、前記ノズル群として、二次元平面状に配列された複数の前記単ノズルを有するノズル群を準備する工程を含み、
    前記乾燥工程は、前記基材の平面方向における前記基材と前記ノズル群との相対的な位置関係を固定した状態で、前記基材に塗布された前記触媒インクに前記ノズル群から前記超音波振動エアを吹き付けて乾燥させる工程を含む、
    燃料電池用触媒層の製造方法。
  3. 請求項1に記載の燃料電池用触媒層の製造方法であって、
    前記準備工程は、前記ノズル群として、一列に並んで配列された複数の前記単ノズルから各々構成される複数のノズル列が、前記ノズル列における複数の前記単ノズルの配列方向と交差する方向に、間隙を開けて配列された構成を有するノズル群を準備する工程を含み、
    前記乾燥工程は、前記交差する方向を搬送方向として前記触媒インクが塗布された前記基材を搬送し、前記複数のノズル列が有するそれぞれの前記超音波振動エアの出力領域に順次通過させる工程を含む、
    燃料電池用触媒層の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の燃料電池用触媒層の製造方法であって、
    前記燃料電池用触媒層に含まれる前記アイオノマの厚さ方向の濃度勾配の目標面内分布を特定する特定工程をさらに備え、
    前記乾燥工程は、前記基材に塗布された前記触媒インクにおける前記濃度勾配の面内分布が前記目標面内分布となるように、前記各単ノズルについてそれぞれ独立に、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを制御する工程を含む、
    燃料電池用触媒層の製造方法。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の燃料電池用触媒層の製造方法であって、
    前記基材に塗布された前記触媒インクにおける前記触媒の含有量の分布を検出する検出工程をさらに備え、
    前記乾燥工程は、前記各単ノズルについてそれぞれ独立に、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを、前記検出工程において検出された前記含有量の分布に応じて制御する工程であって、前記含有量が多い場合に、前記含有量が少ない場合に比べて、前記温度を低くすることと、前記内圧を低くすることと、前記位置を前記出力方向に沿って前記触媒インクから遠ざけることと、のうちの少なくとも一つを実行する工程を含む、
    燃料電池用触媒層の製造方法。
  6. 請求項2に記載の燃料電池用触媒層の製造方法であって、
    前記乾燥工程は、
    予め定められた所定時間、前記触媒インクに前記ノズル群から前記超音波振動エアを吹き付け、
    前記所定時間の間に、前記複数の単ノズルのうちの少なくとも一部について、前記温度と、前記内圧と、前記位置とのうちの少なくとも一つを、変化させる、
    工程を含む、
    燃料電池用触媒層の製造方法。
  7. 請求項3に記載の燃料電池用触媒層の製造方法であって、
    前記乾燥工程は、前記複数のノズル列に亘って前記搬送方向に対応する前記単ノズルの集合において、前記搬送方向に隣り合う少なくとも二つの前記単ノズルのうち、前記搬送方向の上流側の単ノズルについて、前記搬送方向の下流側の単ノズルに比べて、前記温度を高くすることと、前記内圧を高くすることと、前記位置を前記出力方向に沿って前記触媒インクに近づけることと、のうちの少なくとも一つを実行する工程を含む、
    燃料電池用触媒層の製造方法。
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