JP5114690B2 - 粒子測定装置および粒子測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不透明な微粒子の位置、大きさおよび明度等を測定する粒子測定装置および粒子測定方法に関する。
本願は、2010年04月01日に、日本国に出願された特願2010−084986号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
各種検体粒子の形状、寸法、品質等を評価する方法として、当該検体粒子を撮像装置により撮像して得られた画像に画像処理を施すことにより、検体粒子の形状、寸法、明度等を測定する方法(粒子画像処理計測)が広く採用されている。
このような粒子画像処理計測の方法としては、撮影時の照明装置として、単一の照明装置を用いて検体粒子の上方または下方から光を照射するもの、複数の照明装置を用いて検体粒子の上方および下方から同時に光を照射するもの、複数の照明装置をそれぞれ独立に制御して、検体粒子の上方および下方から別々に制御して光を照射するものがある。
まず、単一照明を用いる方法として、例えば、特許文献1には、検体粒子とコントラストをなす撮影用台紙上に当該検体粒子を散布し、検体粒子上方から照明の反射光を用いて撮影した後に、粒子画像処理計測を行う方法が開示されている。また、特許文献2には、検体粒子の下方に反射板を設け、主に、検体粒子上方からの照明の反射透過光を用いて撮影した後に、粒子画像処理計測を行う方法が開示されている。また、特許文献3には、ダスト採取板の背面から強力光を照射し、ダストによる散乱光を用いて撮影した後に、粒子画像処理計測を行う方法が開示されている。
次に、検体粒子の上方および下方からの同時照明を用いる方法として、例えば、特許文献4には、検体粒子が載置されたマイクロプレートの上方および下方の照明から入射した光を用いて撮影した後に、粒子画像処理計測を行う方法が開示されている。また、特許文献5には、透明容器に透過光と反射光を同時に照射して気泡と異物を識別する方法が開示されている。なお、この特許文献5の方法では、気泡は明度の高い粒子として認識される。
次に、検体粒子の上方および下方からの独立照明を用いる方法として、例えば、特許文献6には、フィルムに透過光を照射して粒子画像処理を行い、フィルム内の気泡の位置を測定した後に、反射光を照射して気泡の反射率を測定し、気泡とフィルムの傷や塵とを区別する方法が開示されている。また、特許文献7には、透明または半透明の粒子である穀粒に透過光を照射して粒子の透過光量を測定し、次に、反射光を照射して粒子の色を測定し、米粒等の品質を判断する方法が開示されている。
日本国特開2002−188990号公報 日本国特開2008−76333号公報 日本国特開2003−75353号公報 日本国特開昭62−105031号公報 日本国特開昭60−205337号公報 日本国特開平8−189903号公報 日本国特開2000−180369号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、反射光のみを利用して撮像しているため、検体粒子の寸法の測定精度が低い、という問題があった。これは、均一の物質でも粒子からの反射光の明度は場所によって大きく異なるためである。すなわち、粒子表面の場所によって照明装置から入射した光の反射角に差があり、一般に、粒子の周縁部では明度が低いものとして撮像されてしまう。また、鏡面反射であるハイライトも存在し得る。特に、個々の微粒子を少ない画素数で捉えようとする場合にはこの影響が顕著となる。また、特許文献1の方法では、粒子画像の背景の明度が固定されているので、検体粒子の明度分布が大きい場合には、背景と同一色となって識別できない粒子が発生する、という問題もある。
また、特許文献2の方法では、透過光のみを用いて撮像しているため、粒子の寸法を測定することはできるが、粒子の明度に関する情報を得ることができない、という問題があった。
また、特許文献3の方法では、散乱光が強力な場合には、検体粒子が存在する領域内の画素の周囲の画素でも明度が高く撮像されてしまうため、検体粒子の寸法の測定精度が低い、という問題があった。
また、特許文献4の方法では、上方および下方の双方からの照明装置を用いてはいるが、これらを同時に照明するだけなので、下方からの照明による明度に近い明度の検体粒子を粒子として識別することが困難である。また、識別できたとしても、粒子の境界も一般に明瞭ではないので、検体粒子の寸法の測定精度が低い、という問題があった。
また、特許文献5の方法では、上方および下方から同時に照明するだけなので、特許文献4の方法と同様の問題がある。また、気泡のような透明の粒子は、光の散乱が大きいため、検体粒子の寸法測定精度が低い、という問題もあった。
また、特許文献6の方法では、気泡のように、極端に反射率の大きい透明な粒子の識別しかすることができない。すなわち、気泡のような透明な粒子は、透過光を用いた撮像では粒子の周縁部(エッジ)の一部のみしか識別できず、反射光では散乱光が強いため、寸法測定精度が低い、という問題があった。また、塵は、特許文献6に記載されているように、背景とほぼ同一の明度となり、定量的な明度測定をすることができない。
また、特許文献7の方法では、第1に、穀粒のような透明な粒子は透過光の散乱が強いため、特許文献6等と同様に、寸法測定精度が低い。
第2に、特許文献7の方法では、粒子として許容するレベルの高い明度で透過画像(透過光を利用して撮像した画像)を二値化処理すると、サンプル作成作業や測定作業上避けられない、検体粒子の基板の有色透明の汚れや、写界内だが検査面と離れた位置に存在する汚染粒子(透明基板の下面、レンズ表面、サンプル透明保護板等上に付着し易く、いずれも中間明度のしみとして撮影される。)を粒子として誤認識する可能性が高い。
第3に、特許文献7の方法では、透過光で撮影した画像から識別された粒子(透過光識別粒子)と、反射光で撮影した画像から識別された粒子(反射光識別粒子)とを説明なく1対1対応させているが、大きさや明度に大きな分布を有する一般的な微粒子を画像処理する場合には、このように1対1に対応させることができるケースは少ない。通常は、対応する粒子が存在しなかったり、1つの粒子に複数の粒子が対応付けられたりすることが頻繁に発生し、透過光識別粒子と反射光識別粒子との対応付けの工夫がなければ、粒子の総合的な特性(形状、寸法、明度等)を画像処理により判断することはできない。なお、特許文献3の方法では、測定対象が少数の穀粒であるため、対象の大きさや色のバラツキがもともと小さく、かつ、1つの穀粒を多数の画素が対応するように撮影するため、特別な粒子対応法がなくても1対1で対応させることができるものと考えられる。
第4に、特許文献7の方法では、下方からの照明と上方からの照明を同時に照射していないので、上方からの照明による穀粒からの反射光を用いて撮影する際の背景色の選択肢がない。この方法では、白色の米等の穀粒が測定対象であるので、黒色の背景のみでも問題はないが、一般的な微粒子を撮影する際には、背景と明度が区別できない粒子が多数発生するものと考えられる。
以上のように、これまでは、大きさや明度等に大きな分布を有する不透明な微粒子群を対象として、微粒子群中の個々の粒子の各種特性(位置、大きさ、明度等)を同時に測定する方法は提案されていなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、大きさや明度等に大きな分布を有する不透明な微粒子群を対象として、微粒子群中の個々の粒子の各種特性(位置、大きさ、明度等)を同時に測定する粒子測定装置および粒子測定方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、測定対象を不透明な微粒子群に限定し、透過光を用いて微粒子群を撮像した透過光画像と、反射光を用いて微粒子群を撮像した反射光画像とに基づき、透過光画像中に存在する透過光粒子と反射光画像中に存在する反射光粒子とを対応付ける新たな手法を提案することにより、測定対象が大きさや明度等に大きな分布を有する微粒子群であっても、個々の粒子の各種特性(位置、大きさ、明度等)を同時に測定できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
(1)すなわち、本発明の一態様に係る粒子測定装置は、不透明な微粒子が散布された透明な基板が載置されるか、または、前記微粒子が直接散布される載置面を有するステージと;このステージの、前記載置面の側に設けられ、このステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第1の光を照射する反射光用照明装置と;前記ステージの、前記載置面とは反対側に設けられ、前記ステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第2の光を照射する透過光用照明装置と;前記第1の光の装置発光面輝度と前記第2の光の装置発光面輝度とをそれぞれ個別に制御する照明制御装置と;前記第2の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0とするように、前記照明制御装置により制御された状態で前記微粒子を撮像して得られる透過光画像を生成する透過光画像生成部と、前記第2の光の装置発光面輝度を1または2以上の条件で設定された所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とするように前記照明制御装置により制御された状態で前記微粒子を撮像して得られる反射光画像を生成する反射光画像生成部と、を有し、前記ステージに対して前記載置面の側に設置される撮像装置と;前記透過光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の透過光粒子の位置および大きさと、前記反射光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の反射光粒子の位置および大きさとを比較することにより、位置および大きさの差が所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付け、当該対応付け結果に基づいて、前記透過光粒子の位置および大きさを前記微粒子の位置および大きさとして算出するとともに、前記反射光粒子または前記透過光粒子の代表明度を前記微粒子の明度として算出する画像処理装置と;を備える。
(2)上記(1)に記載の粒子測定装置では、前記画像処理装置が、所定の明度しきい値を用いて前記透過光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記透過光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を、前記透過光粒子が存在する領域として特定し、当該透過光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する透過光粒子検出部と;この透過光粒子検出部での検出結果に基づいて、少なくとも前記透過光粒子の位置および大きさを算出する透過光粒子情報算出部と;前記反射光画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において周囲の画素との明度差が所定値以上の画素が集合している画素領域を、前記反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する反射光粒子検出部と;前記反射光粒子検出部での検出結果に基づいて、少なくとも前記反射光粒子の位置および大きさを算出する反射光粒子情報算出部と;前記透過光粒子情報算出部の算出結果および前記反射光粒子情報算出部の算出結果に基づいて、前記反射光粒子の位置および大きさを、全ての前記透過光粒子の位置および大きさと比較し、位置および大きさの差がそれぞれ所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付けるとともに、いずれの前記透過光粒子とも対応付けられなかった前記反射光粒子を前記微粒子の撮像画像の候補から除外する対応付け処理部と;前記透過光粒子の位置および大きさを前記微粒子の位置および大きさとして算出し、前記透過光粒子に対応付けられた前記反射光粒子の代表明度を前記微粒子の明度として算出するとともに、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子の明度を、所定明度として算出する粒子情報算出部と;を有していてもよい。
(3)上記(2)に記載の粒子測定装置の場合、前記反射光画像生成部が、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記反射光画像を生成し;前記反射光粒子検出部が、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて前記反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を、前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;前記粒子情報算出部が、前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別し、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別する;構成を採用してもよい。
(4)上記(2)に記載の粒子測定装置の場合、前記反射光画像生成部が、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記反射光画像を生成し;前記反射光粒子検出部が、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて前記反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも高明度の画素が集合している画素領域を、前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;前記粒子情報算出部が、前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別し、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別する;構成を採用してもよい。
(5)上記(2)に記載の粒子測定装置の場合、前記反射光画像生成部が、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための第1の明度しきい値よりも低い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる暗背景時反射光画像を生成するとともに、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、前記第1の明度しきい値よりも低い明度しきい値である、粒子の明暗を区別するための第2の明度しきい値よりも高い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる明背景時反射光画像を生成し;前記反射光粒子検出部が、前記第1の明度しきい値を用いて前記暗背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において高明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出するとともに、前記第2の明度しきい値を用いて前記明背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において低明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;前記粒子情報算出部が、前記暗背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第1の明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別し、前記明背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第2の明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別し、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記明色粒子と前記暗色粒子の中間の明度を有する中間色粒子と識別する;構成を採用してもよい。
(6)上記(2)に記載の粒子測定装置の場合、前記反射光画像生成部が、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための第1の明度しきい値よりも低い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる暗背景時反射光画像を生成するとともに、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、前記第1の明度しきい値よりも高い明度しきい値である粒子の明暗を区別するための第2の明度しきい値よりも高い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる明背景時反射光画像を生成し;前記反射光粒子検出部が、前記第1の明度しきい値を用いて前記暗背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも高明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出するとともに、前記第2の明度しきい値を用いて前記明背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;前記粒子情報算出部が、前記暗背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第1の明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子の候補とし、前記明背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第2の明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子の候補とするとともに、前記暗背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子と前記明背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子の双方に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記明色粒子と前記暗色粒子の中間の明度を有する中間色粒子と識別し、前記明色粒子の候補のうち前記中間色粒子と識別されなかったものを前記明色粒子と識別し、前記暗色粒子の候補のうち前記中間色粒子と識別されなかったものを前記暗色粒子と識別する;構成を採用してもよい。
(7)上記(2)に記載の粒子測定装置の場合、前記照明制御装置が、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度であり、かつ、Nを自然数とした場合に、第1の明度<第2の明度<・・・<第Nの明度となる第1〜第Nの装置発光面輝度を前記第2の光に設定可能であり;前記反射光画像生成部が、前記第2の光の装置発光面輝度が前記第1〜第Nの装置発光面輝度に設定された状態で、それぞれ、第1〜第Nの反射光画像を生成し;前記反射光粒子検出部が、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて前記第1〜第Nの反射光画像をそれぞれ二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記第1〜第Nの反射光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;前記対応付け処理部が、n=1〜Nとした場合に、第nの反射光画像で検出された前記反射光粒子の位置および大きさを、第(n−1)以前の反射光画像で検出された前記反射光粒子と対応付けられていない前記透過光粒子(n=1の場合は、全ての前記透過光粒子)の位置および大きさと比較し、位置および大きさの差がそれぞれ所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付け;前記粒子情報算出部が、前記第1〜第Nの反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられたそれぞれの前記透過光粒子に対応する前記微粒子の明度を、第1〜第Nの明度(第1の明度<第2の明度<・・・<第Nの明度)と識別するとともに、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を最も明度の高い粒子と識別する;構成を採用してもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の粒子測定装置では、前記微粒子が、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵であってもよい。
(9)上記(2)〜(7)のいずれか1項に記載の粒子測定装置では、前記透過光粒子情報算出部が、さらに、前記透過光粒子の直径を算出し;前記粒子情報算出部が、さらに、前記透過光粒子の直径を前記微粒子の粒径として算出する;構成を採用してもよい。
(10)本発明の一態様に係る微粒子測定方法は、不透明な微粒子が散布された透明な基板が載置されるか、または、前記微粒子が直接散布される載置面を有するステージと;このステージの前記載置面の側に設けられて前記微粒子を撮像する撮像装置と;前記ステージの、前記載置面の側に設けられて前記ステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第1の光を照射する反射光用照明装置と;前記ステージの、前記載置面とは反対側に設けられて前記ステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第2の光を照射する透過光用照明装置と;を有する粒子測定装置を用いて、前記微粒子の位置、大きさおよび明度を測定する方法であって、前記第2の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0とするようにした状態で、前記撮像装置により前記微粒子を撮像して得られる透過光画像を生成する透過光画像生成工程と;前記第2の光の装置発光面輝度を1または2以上の条件で設定された所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とするようにした状態で、前記撮像装置により前記微粒子を撮像して得られる反射光画像を生成する反射光画像生成工程と;前記透過光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の透過光粒子の位置および大きさと、前記反射光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の反射光粒子の位置および大きさとを比較することにより、位置および大きさの差が所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付け、当該対応付け結果に基づいて、前記透過光粒子の位置および大きさを前記微粒子の位置および大きさとして算出するとともに、前記反射光粒子または前記透過光粒子の代表明度を前記微粒子の明度として算出する画像処理工程と;を含む。
(11)上記(10)に記載の微粒子測定方法では、前記微粒子が、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵であってもよい。
本発明によれば、透過光を用いて不透明な微粒子群を撮像した透過光画像と、反射光を用いて不透明な微粒子群を撮像した反射光画像とに基づき、透過光画像中に存在する透過光粒子と反射光画像中に存在する反射光粒子とを所定の方法により対応付けることにより、微粒子群中の個々の粒子の各種特性(位置、大きさ、明度等)を同時に測定することが可能となる。
高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵の各煤塵種における着磁性と明度との概略的な関係を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る粒子測定装置の構成を模式的に示す説明図である。 同実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 同実施形態に係る粒子測定方法における処理の流れを示すフローチャートである。 同実施形態における透過光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。 同実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。 同実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の他の例を示す説明図である。 同実施形態に係る対応付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[本発明の概要および優位性]
本発明は、各種の産業で生成する微粒子の分析装置および分析方法に関するものである。具体的には、本発明は、不透明な微粒子が散布された透明な基板が載置されるステージと、基板に載置された微粒子を撮像する撮像装置と、ステージの下方からステージに向けて所定の装置発光面輝度(第2の光の装置発光面輝度。以下、単純に輝度又は所定輝度と呼ぶ)の光を照射する透過光用照明装置と、ステージの上方からステージに向けて所定の装置発光面輝度(第1の光の装置発光面輝度。以下、単純に輝度又は所定輝度と呼ぶ)の光を照射する反射光用照明装置と、を有し、微粒子の位置、大きさおよび明度を測定する粒子測定装置、及び、この粒子測定装置を利用して微粒子の位置、大きさおよび明度を測定する粒子測定方法である。このような本発明の好適な実施の形態について説明する前に、まず、本発明の基本となる技術思想や本発明の優位性について説明する。
なお、本発明における「第1の光の装置発光面輝度」は、反射光用照明装置の光源発光面における輝度を意味する。同様に、本発明における「第2の光の装置発光面輝度」は、透過光用照明装置の光源発光面の輝度を意味する。
(分析の精度)
<測定対象>
本発明では、測定対象を不透明な微粒子(概ね(円相当)直径が10μm以上数百μm以下の粒子)に限定することにより、サンプルの作成や測定作業上避けることのできない汚染物質、すなわち、基板上の有色透明の汚れや、写界内だが検査面と離れた位置に存在する汚染粒子を、測定対象の粒子と誤認識する可能性を著しく低下させることができる。特に、微粒子の撮像時に存在する汚染粒子は、化学繊維屑のような半透明の物質が多いので、これらの汚染粒子についても画像処理を施すことにより、測定対象の微粒子の候補から除去することができる。このようなことが可能となるのは、汚染物質は、透明や半透明の物質が多いことから、本発明では、測定対象を不透明な微粒子に限定し、さらに、透過光照明装置によるステージ下方からの照明(透過光)のみで撮像したときに撮像画像中で粒子(透過光粒子)として認識されるのは不透明な粒子のみであり、この粒子を測定対象の真の微粒子と判断できるためである。一方、透明または不透明の汚染物質は、透過光のみで撮像した場合には、汚染物質の撮像画像の明度が背景の明度と同一となり、粒子として認識することはできない。
<透過光粒子と反射光粒子との対応付け>
また、本発明では、透過光のみを用いて撮像した画像中で認識される粒子(透過光粒子)と、所定輝度の透過光の他にステージ上方からの照明(反射光)も用いて撮像した画像中で認識される粒子(反射光粒子)とを対応付けるロジックを規定している。従って、測定対象が、大きさや明度等に大きな分布を有する微粒子であっても、透過光粒子から得られる情報(主に、微粒子の形状や寸法等の情報)と、反射光粒子から得られる情報(主に、微粒子の明度の情報)とを組み合わせて、測定対象の微粒子の総合的な特性情報を算出することが可能となる。
このような透過光粒子と反射光粒子との対応付けの具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
第1に、透過光粒子としては認識されず、反射光粒子としてのみ認識されるものについては、透明または半透明の物質であると考えられることから、上述したように、汚染物質等として、測定対象の微粒子の候補から除外する。
第2に、複数の反射光粒子に対して1つの透過光粒子が対応付けられる場合には、実際の微粒子の数は1つであり、1つの反射光粒子を除いた残りの反射光粒子は、ハイライト等であると考えられることから、透過光粒子と最も適合性の高い(詳細は後述する。)反射光粒子の代表明度を、測定対象の微粒子の明度として算出する。
第3に、1つの反射光粒子に対して複数の透過光粒子が対応付けられる場合には、実際の微粒子の数は透過光粒子の数と同数であり、全ての微粒子の位置が近く、明度が同程度であることから、反射光粒子としては1つの粒子として認識されているものと考えられる。従って、1つの反射光粒子の代表明度を、全ての透過光粒子に対応する微粒子の明度として算出する。
第4に、反射光粒子としては認識されず、透過光粒子としてのみ認識されるものについては、不透明の物質であると考えられることから、測定対象の微粒子であると判断する。また、反射光粒子として認識されないということは、反射光を用いて撮像した画像中の背景と同程度の明度であったと考えられることから、測定対象の微粒子の明度は所定明度(背景の明度と同程度の明度)であるとして、当該微粒子の明度を算出する。
以上のように、測定対象の微粒子を透過光のみを用いて撮像した画像(透過光画像)を処理することにより、当該微粒子の形状や寸法等に関する情報を得るとともに、測定対象の微粒子を透過光とともに反射光を用いて撮像した画像(反射光画像)を処理することにより、当該微粒子の明度に関する情報を得ることができる。また、本発明に係る粒子測定装置および粒子測定方法では、透過光粒子と反射光粒子との対応付けのロジックを規定していることから、透過光画像と反射光画像を用いて画像処理を行うことにより、測定対象の微粒子の総合的な特性情報を算出することができるので、分析(測定)の精度を向上させることができる。
(分析の簡便性)
本発明では、基板上に散布した測定対象の微粒子の位置を変えずに、2種類の照明装置(透過光用照明および反射光用照明装置)を操作するだけで、微粒子の画像の背景の明度を変更することができるので、簡便で、かつ、異なる背景明度の画像間で粒子(透過光粒子と反射光粒子)の対応を取ることが容易となる。
(製鉄プラント由来の降下煤塵の煤塵種の特定への適用)
また、本発明に係る粒子測定装置および粒子測定方法は、特に、高炉法に基づく製鉄プラントで発生する降下煤塵の煤塵種を特定する際に有用である。高炉法に基づく製鉄プラントで発生する降下煤塵は、製鉄プラント構内に乗り入れる車両を汚損する等の問題を引き起こすが、このような降下煤塵の煤塵種を特定することができれば、降下煤塵の発生源を特定することができ、降下煤塵の発生を抑制する対策を講じることが可能となる。
ここで、図1を参照しながら、本発明を製鉄プラント由来の降下煤塵の煤塵種の特定に適用した場合の利点について説明する。図1は、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵の各煤塵種における着磁性と明度との概略的な関係を示す説明図である。
一般に、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵は、主に、石炭やコークス等を含む石炭系煤塵、鉄鉱石、焼結鉱、酸化鉄粉等を含む鉄系煤塵、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ等を含む高炉スラグ系煤塵、及び、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグ等を含む製鋼スラグ系煤塵の4種類の煤塵種に分類される。
これら4種類の煤塵種のうち、通常は、高炉スラグ系煤塵や製鋼スラグ系煤塵は白色系の明度の高い粒子(明色粒子)であり、石炭系煤塵や鉄系煤塵は黒色系の明度の低い粒子(暗色粒子)であることから、従来のように、低倍率の光学顕微鏡を用いて撮影した画像に画像処理を施し、個々の煤塵粒子の明度の高低を識別することにより、高炉スラグ系煤塵及び製鋼スラグ系煤塵とからなる煤塵種と、石炭系煤塵及び鉄系煤塵からなる煤塵種とに判別することができる。
しかし、このような明色粒子と暗色粒子との分類のみでは、同程度の明度の粒子の判別、例えば、高炉スラグ系煤塵と製鋼スラグ系煤塵との判別をすることができない。すなわち、上記のように、単に撮影画像に画像処理を施して明度の高低のみによる分類では、包括的過ぎて、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵の煤塵種(ひいては降下煤塵の発生源)を特定することができないため、実用性が低いものである。
そこで、本発明者は、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵(以降、「製鉄由来降下煤塵」と称する場合がある。)の煤塵種を特定するために、煤塵粒子の明度の高低のみではなく、着磁性の有無に着目した。その結果、本発明者は、明度の高低と着磁性の有無との組み合わせにより煤塵特性を規定することができ、この煤塵特性に基づいて、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵の煤塵種を特定できることを見出した。より詳細には、本発明者は、低倍率の光学顕微鏡撮影画像を単に画像処理しただけでは判別できない製鉄由来降下煤塵の煤塵種を、図1に示すように、明度の高低と着磁性の有無の組み合わせにより、石炭系煤塵、鉄系煤塵、高炉スラグ系煤塵及び製鋼スラグ系煤塵の4種類に判別することができることを見出した。
なお、本発明における着磁性とは、対象とする煤塵粒子に所定の磁力を付与することにより、着磁する(磁性を有するようになり、磁石に吸着される)性質を意味し、本発明では、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵を、磁力の付与により着磁する着磁性降下煤塵と、磁力を付与しても着磁しない非着磁性降下煤塵とに分類し、さらに、この着磁性降下煤塵と非着磁性降下煤塵のそれぞれを、明度の高低により明色粒子と暗色粒子とに分類している。
具体的には、石炭系煤塵は、明度が低く(暗色で)非着磁性の非着磁性暗色粒子、鉄系煤塵は、明度が低く(暗色で)着磁性の着磁性暗色粒子、高炉スラグ系煤塵は、明度が高く(明色で)非着磁性の非着磁性明色粒子、製鋼スラグ系煤塵は、明度が高く(明色で)着磁性の着磁性明色粒子、というように分類することができる。
以上のように、本発明者によって見出された知見によれば、煤塵特性に応じて、製鉄由来降下煤塵の煤塵種を特定することが可能となるが、この際、明度の高低を識別する技術として、本発明に係る粒子測定装置および粒子測定方法を適用することができる。
[第1の実施形態]
(粒子測定装置)
以上、本発明の概要および先行技術に対する優位性について説明したが、続いて、図2を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る粒子測定装置について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る粒子測定装置の構成を模式的に示す説明図である。
図2に示すように、本実施形態に係る粒子測定装置100は、不透明な微粒子の位置、大きさおよび明度等を測定する装置であって、ステージ101と、撮像装置110と、反射光用照明装置121と、透過光用照明装置123と、照明制御装置125と、画像処理装置130と、を主に備える。
<ステージ101>
ステージ101は、測定対象である不透明な微粒子Pが散布された透明な基板1が載置される透明な平板である。このステージ101の材質としては、透明で、ある程度剛性があれば特に限定はされないが、例えば、フロートガラス板や透明アクリル板等を使用することができる。また、粒子測定の操作時に、ステージ101が剛性を保持し、かつ、透明性を損なわないようにするという観点から、ステージ101の厚みは、1mm〜100mm程度であることが好ましい。
<撮像装置110>
撮像装置110は、ステージ101の上方、すなわち、ステージ101に対して、スライドグラス等の透明な基板1が載置される面(載置面。以下、「基板載置面」とも記載する。)側に設けられ、微粒子Pを撮像する。この撮像装置110は、例えば、透過光用照明装置123から微粒子Pに向けて照明を照射した際の微粒子Pからの透過光や、反射光用照明装置121から微粒子Pに向けて照明を照射した際の微粒子Pからの反射光を受光し、撮像画像(透過光画像及び反射光画像)を生成する。
このような撮像装置110としては、CCD(Charge Coupled Device)式やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)式のディジタルカメラを使用することができる。また、各微粒子Pの明度(代表明度)は、各粒子画像の対応する個々のCCD素子のサイズ内で平均化されるので、カメラの画素数が多いことが微粒子Pの明度の測定精度上望ましい。具体的には、測定対象とする微粒子Pを少なくとも9画素以上(モノクロカメラ)で撮像できる密度の画素を有する撮像装置110を使用することが好ましい。微粒子Pの明度を正確に記録する観点からは、モノクロカメラであることが好ましい。撮像装置110として単板式カラーカメラ(通常、隣り合うCCD素子には異なるカラーフィルタが施されている。)を用いる場合には、少なくとも4画素分の明度を用いて補間された明度値(CCDがベイヤー配列の場合)を測定すべき明度として使用する等の測定精度上の処理が必要であることから、対象とする微粒子Pを少なくとも36画素以上で撮像できる密度の画素を有する撮像装置110を使用することが好ましい。また、対象とする粒子の撮像に必要な画素密度を確保するために、必要であれば顕微鏡等のレンズ119を介して粒子を拡大して撮像してもよい。
また、本実施形態に係る撮像装置110は、内部構成として、撮像素子111と、透過光画像生成部113と、反射光画像生成部115とを有する。撮像素子111は、例えば、上述したCCDやCMOSである。透過光画像生成部113は、透過光用照明装置123の輝度(装置発光面輝度)を0ではない所定輝度とし、かつ、反射光用照明装置121の輝度(装置発光面輝度)を0とするように、照明制御装置125により制御された状態で微粒子Pを撮像して得られる透過光画像を生成する。また、反射光画像生成部115は、透過光用照明装置123の輝度を1または2以上の条件で設定された所定輝度とし、かつ、反射光用照明装置121の輝度を0ではない所定輝度とするように、照明制御装置125により制御された状態で微粒子Pを撮像して得られる反射光画像を生成する。
上記のように、照明制御装置125により反射光用照明装置121および透過光用照明装置125を制御する際、透過光画像生成部113および反射光画像生成部115が、照明制御装置125に、所望の透過光用照明装置123および反射光用照明装置121の設定輝度を指示する信号を送信してもよいし、他の外部機器が照明制御装置125に設定輝度を指示する信号を送信してもよいし、照明装置125に設けられた入力デバイスをユーザが操作することにより、当該入力デバイスから設定輝度を指示する信号を伝送するようにしてもよい。
特に、本実施形態では、反射光画像生成部115は、反射光画像上における反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度となるように、照明制御装置125により透過光用照明装置123の輝度が設定された状態で、反射光画像を生成する。
「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」は、例えば、以下のようにして算出することができる。まず、粒子の明度を「明(明度が高い)」と「暗(明度が低い)」とに識別したい測定対象の微粒子Pに対する境界反射率を備えた較正サンプル粒子を準備する。次に、反射光用照明装置121を所定輝度とし、かつ、透過光用照明装置123をOFF(消灯)とする条件で、較正サンプル粒子を撮像して得られた画像を画像処理し、較正サンプル粒子に対応する画素領域に含まれる全画素の平均明度を算出する。このようにして算出した較正サンプル粒子の平均明度を、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」として用いることができる。
上記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を算出する際の境界反射率とは、この反射率(境界反射率)よりも高い反射率を有する粒子を明色と判断し、この反射率よりも低い反射率を有する粒子を暗色と判断するための反射率の境界値、すなわち、粒子の明度を明色と暗色とに区分する際の境界となる反射率のことを意味する。ここで、粒子表面における反射率は、照明条件によらない粒子固有の性質である。従って、境界反射率は、測定対象のサンプル(微粒子群)に含まれる微粒子Pの種類によって、適宜定めることができる。
また、境界反射率を備えた粒子を準備できない場合には、明色粒子と判断するための基準となる明色較正粒子と、暗色粒子と判断するための基準となる暗色較正粒子とを準備し、それぞれの粒子を撮像して得られた画像を画像処理し、明色較正粒子の平均明度と暗色較正粒子の平均明度をそれぞれ求め、さらに、求められた両者の平均明度の平均値を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値として用いてもよい。
さらに、上記の較正サンプル粒子や、明色較正粒子・暗色較正粒子を準備する代わりに、境界反射率を備えた灰色の色見本紙を撮像して得られた画像を画像処理し、撮像画像二含まれる全画素の平均明度を算出し、算出された平均明度を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値として用いてもよい。
なお、撮像装置110は、生成した透過光画像および反射光画像のデータを、画像処理装置130に伝送する。また、粒子測定装置100が、所定の記憶装置(図示せず。)を備える場合には、撮像装置110は、生成した透過光画像および反射光画像のデータを記憶装置に記録してもよい。
<反射光用照明装置121>
反射光用照明装置121は、ステージ101の上方、すなわち、ステージ101に対して、ステージ101の基板載置面側に設けられ、ステージ101に向けて所定輝度の光を照射する。この反射光用照明装置121としては、例えば、市販の顕微鏡用のリング状照明(ハロゲン電球)、LED照明、蛍光管等を用いることができる。また、適宜、拡散板、偏向フィルタ(何れも図示せず。)等を透過して反射光用照明装置121から照明してもよい。さらに、反射光用照明装置121を複数設け、ここの反射光用照明装置121を平面配列して、平面照明としてもよい。このような平面照明は、鏡面反射光による画像品質の劣化(ハイライト等)を避けるために有効である。なお、本実施形態に係る粒子測定装置100では、粒子画像の明度測定を行うために、微粒子Pの撮像時の照明条件は、撮像面上で常に一定の照度となるように設定することが好ましい。
<透過光用照明装置123>
透過光用照明装置123は、ステージ101の下方、すなわち、ステージ101に対して、ステージ101の基板載置面と反対側に設けられ、ステージ101に向けて所定輝度の光を照射する。この反射光用照明装置121としては、例えば、市販のハロゲン電球(単灯式、複数灯式のいずれも可)、LED照明、蛍光管等を用いることができる。また、適宜、拡散板、偏向フィルタ103等を透過して透過光用照明装置123から照明してもよい。さらに、透過光用照明装置123を複数設け、ここの透過光用照明装置123を平面配列して、平面照明としてもよい。このような平面照明は、鏡面反射光による画像品質の劣化(ハイライト等)を抑制するために有効である。なお、本実施形態に係る粒子測定装置100では、粒子画像の明度測定を行うために、微粒子Pの撮像時の照明条件は、撮像面上で常に一定の照度となるように設定することが好ましい。
<照明制御装置125>
照明制御装置125は、反射光用照明装置121の輝度と透過光用照明装置123の輝度とをそれぞれ独立に設定するように、反射光用照明装置121及び透過光用照明装置123を制御する。この照明制御装置125としては、市販のものを使用できる。具体的には、照明制御装置125として、例えば、外部信号によって、反射光用照明装置121及び透過光用照明装置123を独立にON/OFFできるものや、さらに、反射光用照明装置121及び透過光用照明装置123の輝度をそれぞれ独立に変更できるものを使用することができる。
具体的には、照明制御装置125は、透過光用照明装置123から照射された光が微粒子Pを透過した透過光を用いて撮像される場合には、透過光用照明装置123の輝度を0ではない所定輝度とし、かつ、反射光用照明装置121の輝度を0とするように制御する。また、照明制御装置125は、反射光用照明装置121から照射された光が微粒子Pの表面に反射した反射光を用いて撮像される場合には、透過光用照明装置123の輝度を1または2以上の条件で設定された所定輝度とし、かつ、反射光用照明装置121の輝度を0ではない所定輝度とするように制御する。
<画像処理装置130>
画像処理装置130は、透過光画像生成部113により生成された透過光画像中で微粒子Pの撮像画像の候補として識別される1または2以上の透過光粒子の位置および大きさと、反射光画像生成部115により生成された反射光画像中で微粒子Pの撮像画像の候補として識別される1または2以上の反射光粒子の位置および大きさとを比較することにより、位置および大きさの差が所定範囲以内である透過光粒子と反射光粒子とを対応付け、当該対応付け結果に基づいて、透過光粒子の位置および大きさを微粒子Pの位置および大きさとして算出するとともに、反射光粒子または透過光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する。
ここで、撮像画像の画像処理による粒子の識別方法について説明する。透過光画像においては、常に背景が高明度となるので、測定対象である不透明な微粒子Pが存在すれば、透過光画像内においては、低明度の領域が粒子画像(透過光粒子)として認識される。また、反射光画像においては、背景は透過光用照明装置123の輝度により異なるが、測定対象である不透明な微粒子Pは、背景の明度に関わらず、明色(高明度)の粒子であれば、高明度の領域となり、暗色(低明度)の粒子であれば、低明度の領域となる。従って、反射光画像においては、微粒子Pは、背景の明度とある程度の明度差がある場合には粒子画像(反射光粒子)として認識されるが、背景明度と同程度の明度の場合には粒子画像として認識されない。例えば、反射光画像の背景が高明度の場合、高明度の微粒子Pは粒子画像として認識されないが、低明度の微粒子Pは暗色の粒子画像として認識されることとなる。
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係る画像処理装置130の詳細な構成について説明する。図3は、本実施形態に係る画像処理装置130の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像処理装置130は、透過光粒子検出部131と、透過光粒子情報算出部133と、反射光粒子検出部135と、反射光粒子情報算出部137と、対応付け処理部139と、粒子情報算出部141と、を主に有する。
透過光粒子検出部131は、所定の明度しきい値を用いて透過光画像を二値化して得られる透過光二値化画像の明度分布(二値化画像は、高明度側の画素と低明度側の画素とからなる。)に基づいて、透過光二値化画像の画素座標中において低明度の画素が集合している画素領域を、透過光粒子が存在する領域として特定し、当該透過光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。透過光粒子検出部131は、検出された透過光粒子の存在領域内の画素の位置座標に関する情報を透過光粒子情報算出部133に伝送する。なお、透過光二値化画像を得る際に用いる所定の明度しきい値の設定例に関しては後述する。
透過光粒子情報算出部133は、透過光粒子検出部131の検出結果、すなわち、透過光粒子検出部131から伝送された透過光粒子の存在領域内の画素の位置座標に関する情報に基づいて、少なくとも透過光粒子の位置および大きさを算出する。ここで、本実施形態に係る透過光粒子の位置は、例えば、透過光二値化画像中で認識される透過光粒子を円と仮定した場合の中心位置に存在する画素の位置座標等を用いて表すことができる。また、本実施形態に係る透過光粒子の大きさは、例えば、透過光二値化画像中で認識される透過光粒子を円と仮定した場合の当該円の面積等を用いて表すことができる。また、透過光粒子情報算出部133は、透過光粒子の大きさとして、上記透過光粒子の面積に加えて、あるいは、上記透過光粒子の面積の代わりに、透過光粒子を円と仮定した場合の直径(円相当直径)を算出してもよい。
なお、透過光粒子情報算出部133は、算出した透過光粒子の中心位置、面積、直径等に関する情報を、対応付け処理部139および粒子情報算出部141に伝送する。また、透過光粒子情報算出部133は、算出した透過光粒子の中心位置、面積、直径等に関する情報を、粒子測定装置100の記憶装置(図示せず。)に記録してもよい。
反射光粒子検出部135は、撮像装置110により撮像された反射光画像、またはこれを二値化して得られる反射光二値化画像の明度分布に基づいて、反射光画像または反射光二値化画像の画素座標中において周囲の画素との明度差が所定値以上の画素が集合している画素領域を、反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。
ここで、本実施形態では、反射光粒子検出部135は、上述した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いて反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、反射光画像の画素座標中において低明度の画素が集合している画素領域を、反射光粒子が存在する領域として特定し、反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出してもよい。また、撮像装置110により撮像された反射光画像において、粒子として識別できる画素領域の明度と当該画素領域の周囲の画素領域(背景)の明度との差が大きく、反射光画像から直接粒子を認識することが容易な場合には、反射光粒子検出部135は、反射光画像を二値化せずに、反射光画像から直接反射光粒子の存在領域を特定し、この存在領域内の画素の位置座標を検出するようにしてもよい。
なお、反射光粒子検出部135は、検出された反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標に関する情報を反射光粒子情報算出部137に伝送する。
反射光粒子情報算出部137は、反射光粒子検出部135の検出結果、すなわち、反射光粒子検出部135から伝送された反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標に関する情報に基づいて、少なくとも反射光粒子の位置および大きさを算出する。ここで、本実施形態に係る反射光粒子の位置は、例えば、反射光画像または反射光二値化画像中で認識される反射光粒子を円と仮定した場合の中心位置に存在する画素の位置座標等を用いて表すことができる。また、本実施形態に係る反射光粒子の大きさは、例えば、反射光画像または反射光二値化画像中で認識される反射光粒子を円と仮定した場合の当該円の面積等を用いて表すことができる。また、反射光粒子情報算出部137は、反射光粒子の大きさとして、上記反射光粒子の面積に加えて、あるいは、上記反射光粒子の面積の代わりに、反射光粒子を円と仮定した場合の直径(円相当直径)を算出してもよい。
なお、反射光粒子情報算出部137は、算出した反射光粒子の中心位置、面積、直径等に関する情報を、対応付け処理部139および粒子情報算出部141に伝送する。また、反射光粒子情報算出部137は、算出した反射光粒子の中心位置、面積、直径等に関する情報を、粒子測定装置100の記憶装置(図示せず。)に記録してもよい。
対応付け処理部139は、透過光粒子情報算出部133および反射光粒子情報算出部137の算出結果、すなわち、透過光粒子情報算出部133から伝送された透過光粒子の中心位置、面積、直径等に関する情報、および、反射光粒子情報算出部137から伝送された反射光粒子の中心位置、面積、直径等に関する情報に基づいて、反射光粒子の位置および大きさを、全ての透過光粒子の位置および大きさと比較し、位置および大きさの差がそれぞれ所定範囲以内である透過光粒子と反射光粒子とを対応付ける。また、対応付け処理部139は、いずれの透過光粒子とも対応付けられなかった反射光粒子を微粒子Pの撮像画像の候補から除外する。
ここで、反射光粒子と透過光粒子の位置の差は、例えば、反射光粒子の中心位置と透過光粒子の中心位置との距離として表すことができる。この距離が近い(所定範囲内)ということは、反射光粒子と透過光粒子とが同一の微粒子Pに対する撮像画像である可能性がある。また、反射光粒子と透過光粒子の大きさの差は、例えば、反射光粒子の面積と透過光粒子の面積との差、あるいは、反射光粒子の円相当直径と透過光粒子の円相当直径との差として表すことができる。これらの面積や直径の差が小さい(所定範囲内)ということは、反射光粒子と透過光粒子とが同一の微粒子Pに対する撮像画像である可能性がある。本実施形態では、上記のような反射光粒子と透過光粒子の位置の差と、反射光粒子と透過光粒子の大きさの差がともに所定範囲内にあれば、反射光粒子と透過光粒子とが同一の微粒子Pに対する撮像画像である蓋然性が高いと判断して、これらを対応付けることとしている。
また、対応付け処理部139は、透過光粒子と反射光粒子との対応付け結果、例えば、(1)互いに対応付けられた透過光粒子と反射光粒子との組み合わせのリスト、(2)いずれの反射光粒子にも対応付けられなかった透過光粒子のリスト、(3)いずれの透過光粒子にも対応付けられなかった反射光粒子のリスト等に関する情報を、粒子情報算出部141に伝送する。また、対応付け処理部139は、上記(1)〜(3)のリスト等に関する情報を、粒子測定装置100の記憶装置(図示せず。)に記録してもよい。ただし、(3)のリストに含まれる反射光粒子は、微粒子Pの撮像画像の候補からは除外されるので、対応付け処理部139は、(3)のリストに関する情報については、必ずしも粒子情報算出部141に伝送する必要はない。なお、透過光粒子と反射光粒子との対応付け方法の詳細については後述する。
粒子情報算出部141は、対応付け処理部139から伝送された透過光粒子と反射光粒子との対応付け結果に基づいて、透過光粒子の位置および大きさを微粒子Pの位置および大きさとして算出し、透過光粒子に対応付けられた反射光粒子の代表明度を微粒子の明度として算出するとともに、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子の明度を、所定明度として算出する。ここで、所定明度は、明度しきい値をはさんで上記反射光粒子の代表明度と反対側に位置する明度領域内で適宜、定めればよい。例えば、明度しきい値が100、反射光粒子の代表明度が120である場合、所定明度を80に設定することができる。
特に、本実施形態では、粒子情報算出部141は、反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子Pを、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別し、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子に対応する微粒子Pを、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別する。
<遮光板127>
また、本実施形態に係る粒子測定装置100は、必要に応じて、遮光板127をさらに備えていてもよい。遮光板127は、例えば、ステージ101の下面(基板載置面と反対側)に上端が接し、かつ、透過光用照明装置123の周囲を覆うように配置すればよい。また、遮光板127の下端は、開放されていてもよく、閉塞されていてもよい。この遮光板127の役割は、透過光用照明装置123による照明を消灯したときに、透過光用照明装置123の周囲からの入光を防止して、ステージ101の背面が暗色になるようにすることである。従って、微粒子Pの位置、大きさ及び明度等の測定における全作業を暗室内で実施する場合には、遮光板127を設ける必要はない。
以上、本実施形態に係る画像処理装置130の処理について説明した。上記の各処理部は、画像処理装置130の演算処理装置が各種のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、あるいは、上記の各処理部の機能に特化したハードウェアにより実現されていてもよい。この点は、後述する他の実施形態でも同様である。
(粒子測定方法)
以上、本実施形態に係る粒子測定装置100について詳細に説明したが、続いて、図4を参照しながら、上述した粒子測定装置100を用いた本実施形態に係る粒子測定方法について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る粒子測定方法における処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係る粒子測定方法は、上述した粒子測定装置100を用いて、平坦な基板1上またはステージ101上に散布された微粒子Pの位置、大きさおよび明度を測定する方法であり、主に、以下に説明するように、分析用サンプルの加工工程と、透過光画像生成工程と、反射光画像生成工程と、画像処理工程と、を含む。
<分析用サンプルの加工工程>
まず、分析(粒子測定)用のサンプルを加工する。具体的には、検体となる微粒子P(例えば、製鉄所内の特定の場所で捕集された降下煤塵粒子)を基板1上に散布して、この基板1をステージ101上に載置するか、または、微粒子Pをステージ101上に直接散布する(S101)。この際、各粒子同士がなるべく接触しないように、散布量を調整し、さらに、適宜、ヘラ等により散布された微粒子Pをならす。なお、基板1上に散布する微粒子Pの個数は特に限定されない(捕集された降下煤塵を用いる場合にはその全量を分析用サンプルとして加工する必要はない)が、試料のばらつきの影響を評価するためには、少なくとも100個以上の微粒子Pを分析用サンプルとして供用することが好ましい。
また、検体として、製鉄プラント由来の降下煤塵を用いる場合には、降下煤塵は、通常φ10μm以上の粗大な粒子であるので、降下煤塵粒子を散布する際には、降下煤塵粒子の大気中での自由落下を利用することができる。具体的には、例えば、捕集された降下煤塵を匙ですくって基板上に上方から落下させることにより、降下煤塵粒子を基板上に散布することができる。
以上のようにして作成された分析用サンプルを用いて以下の透過光画像生成工程と、反射光画像生成工程と、画像処理工程とを実施する。
<透過光画像生成工程>
透過光画像生成工程では、図4に示すように、透過光用照明装置123の輝度を0ではない所定輝度とし、かつ、反射光用照明装置121の輝度を0とする(反射光照明装置121による照明を消灯する)ように、照明制御装置125により設定する(S103)。そして、このように照明が設定された状態で、撮像装置110により微粒子Pを撮像し、撮像装置110の透過光画像生成部113が透過光画像を生成する(S105)。なお、透過光画像生成部113は、生成した透過光画像を画像処理装置130に伝送する。
<反射光画像生成工程>
反射光画像生成工程では、図4に示すように、透過光用照明装置123の輝度を1または2以上の条件で設定された所定輝度とし、かつ、反射光用照明装置121の輝度を0ではない所定輝度とするように、照明制御装置125により設定する(S107)。そして、このように照明が設定された状態で、撮像装置110により微粒子Pを撮像し、撮像装置110の反射光画像生成部115が反射光画像を生成する(S109)。なお、反射光画像生成部115は、生成した反射光画像を画像処理装置130に伝送する。
ここで、本実施形態における反射光画像生成工程では、照明制御装置125は、透過光用照明装置123からの照明の輝度を、反射光画像上における反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度となるような輝度(所定輝度)に設定する。この場合の「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」は、例えば、以下のようにして算出することができる。まず、粒子の明度を「明(明度が高い)」と「暗(明度が低い)」とに識別したい測定対象の微粒子Pに対する境界反射率を備えた較正サンプル粒子を準備する。次に、反射光用照明装置121を所定輝度とし、かつ、透過光用照明装置123をOFF(消灯)とする条件で、較正サンプル粒子を撮像して得られた画像を画像処理し、較正サンプル粒子に対応する画素領域に含まれる全画素の平均明度を算出する。このようにして算出した較正サンプル粒子の平均明度を、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」として用いることができる。
上記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を算出する際の境界反射率とは、この反射率(境界反射率)よりも高い反射率を有する粒子を明色と判断し、この反射率よりも低い反射率を有する粒子を暗色と判断するための反射率の境界値、すなわち、粒子の明度を明色と暗色とに区分する際の境界となる反射率のことを意味する。ここで、粒子表面における反射率は、照明条件によらない粒子固有の性質である。従って、境界反射率は、測定対象のサンプル(微粒子群)に含まれる微粒子Pの種類によって、適宜定めることができる。
また、境界反射率を備えた粒子を準備できない場合には、明色粒子と判断するための基準となる明色較正粒子と、暗色粒子と判断するための基準となる暗色較正粒子とを準備し、それぞれの粒子を撮像して得られた画像を画像処理し、明色較正粒子の平均明度と暗色較正粒子の平均明度をそれぞれ求め、さらに、求められた両者の平均明度の平均値を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値として用いてもよい。
さらに、上記の較正サンプル粒子や、明色較正粒子・暗色較正粒子を準備する代わりに、境界反射率を備えた灰色の色見本紙を撮像して得られた画像を画像処理し、撮像画像二含まれる全画素の平均明度を算出し、算出された平均明度を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値として用いてもよい。
<画像処理工程>
以下に説明する画像処理工程の各工程は、図3に例示した画像処理装置130の各処理部によりそれぞれ実行される。この点は、後述する他の実施形態でも同様である。
画像処理工程では、まず、透過光画像生成部113により生成された透過光画像中で、測定対象の微粒子Pの撮像画像の候補として識別される1または2以上の透過光粒子(実在の粒子ではなく、撮像画像中の粒子の画像として識別される画素領域)を検出する(S111)。
ここで、図5を参照しながら、透過光粒子の検出方法について説明する。図5は、本実施形態における透過光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。図5(a)は、基板1上に一列に並べた微粒子P1〜P3の側面図および当該撮像画像内でこの各微粒子P1〜P3の中心を連ねた直線上での明度分布を示しており、図5(b)は、(a)と位置を揃えた、二値化した撮影画像である。以下の図においても同様の定義である。
図5(a)に示すように、透過光画像における各画素の明度は、微粒子P1、P2、P3が存在する場所において、背景の明度と比較して低い明度となる。これは、本実施形態における測定対象の微粒子P1、P2、P3が不透明な粒子であることから、微粒子P1、P2、P3が存在する場所では、これらの微粒子の下方から照射した光が透過しないため、透過光画像上では暗色(明度の低い領域)として認識される一方で、微粒子P1、P2、P3が散布されている基板1やステージ101は透明であることから、下方から照射した光が透過し、透過光画像上では明色(明度の高い領域)として認識されるためである。
透過光粒子を検出する際は、まず、所定の明度しきい値Tpを用いて透過光画像を二値化し、透過光二値化画像を生成する。このときの所定の明度しきい値Tpとしては、透過光照明装置123による照明時に透明な粒子を透過する光の明度に相当する明度しきい値よりも低い明度のしきい値を用いる。「透過光照明装置123による照明時に透明な粒子を透過する光の明度に相当する明度しきい値(以下、「明度しきい値Tp0」と称する。)」としては、例えば、予め透明または半透明の粒子(ガラス微粒子など)を撮像して得られた粒子画像を処理することにより求められた個々の粒子の代表明度のうち、最も低い明度とすればよい。このようにして決定された明度しきい値Tp0は、不透明な粒子の透過光画像上での粒子として識別される画素領域の代表明度よりも高い明度となる。
なお、ここで、「代表明度」とは、粒子として識別される画素領域全体を代表する明度のことであり、「代表明度」としては、例えば、当該画素領域中の各画素の明度の平均値、各画素の明度の中央値等を用いることができる。また、上記画素領域中に存在する画素の明度の異常値を除去することを目的として、最大明度の画素と最低明度の画素を除いた各画素の明度の平均値を「代表明度」として用いてもよい。さらに、粒子として識別される画素領域の周縁部では、ハイライト等により一般に明度が急変することが多いので、このような画素を除外して、このようなハイライト等の影響を取り除くことを目的として、周縁部の画素を除いた各画素の明度の平均値を「代表明度」として用いてもよい。
また、明度しきい値Tpの設定方法は、上記のような方法には限られず、透過光を用いた撮像画像中で、不透明な粒子を認識可能な方法であれば、どのような方法であってもよい。
さらに、撮像装置110の視野内の全域で完全に均一な照度を得ることは実際には困難であることから、二値化の前に、記録された画素の明度に、画素の二次元位置の関数である補正値を増減して、画像内での照度のバラツキを補正してもよい。この場合の補正値算出方法としては、例えば、予め散乱光反射率値が知られている灰色のテストピースを本実施形態で使用する撮像装置110で撮影しておき、このとき記録された画像での全画素の平均明度値から各画素の明度を減じたものを、各画素での明度補正値として用いることができる。補正値が画素のダイナミックレンジに比べて十分小さければ、この補正方法での誤差は小さくなる。また、この補正値が小さくなるように、撮影面上での照度をできる限り均一にすることが望ましい。
以上のようにして得られた透過光二値化画像は、図5(b)に示すように、高明度(白色の領域として図示)の画素と低明度(斜線の領域として図示)の画素とからなり、この透過光二値化画像中では、粒子が存在している領域が低明度の画素として認識される。従って、透過光二値化画像中における隣り合う画素の二値化明度の接続関係から、同一の二値化明度の画素(本実施形態では、低明度の画素)が連続し、かつ、他の領域(本実施形態では高明度の画素が存在する領域)と独立した領域を微粒子P1,P2,P3が存在する領域、すなわち、透過光粒子P1p、P2p、P3pが存在する領域)として特定する。さらに、特定された透過光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し、この位置座標に基づいて、透過光粒子P1p、P2p、P3pの位置(例えば、中心位置)および大きさ(例えば、面積や直径)を算出し、画像処理装置130に設けられている記憶装置(図示せず。)等に記録する(S113)。
次に、反射光画像生成部115により生成された反射光画像中で、測定対象の微粒子Pの撮像画像の候補として識別される1または2以上の反射光粒子(実在の粒子ではなく、撮像画像中の粒子の画像として識別される画素領域)を検出する(S115)。
ここで、図6および図7を参照しながら、反射光粒子の検出方法について説明する。図6は、本実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。図7は、本実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の他の例を示す説明図である。
図6(a)および図7(a)に示すように、反射光画像における各画素の明度は、微粒子P1,P2,P3の明度により決まる。すなわち、反射光画像は、微粒子P1,P2,P3が散布されている基板1またはステージ101に向けて照射した光の反射光を利用して撮像されているため、各微粒子の撮像画像(反射光粒子)の反射光画像上における明度は、実際の微粒子P1,P2,P3の明度の高低に対応している。例えば、微粒子P1、P2が明度の高い粒子(明色粒子、P1の明度>P2の明度)、微粒子P3が明度の低い粒子(暗色粒子)であるとすると、反射光画像中では、微粒子P1,P2が存在する領域に対応する画素の明度が明色(明度の高い領域)として認識され、微粒子P3が存在する領域に対応する画素の明度が暗色(明度の低い領域)として認識される。
本実施形態において反射光粒子を検出する方法の一例においては、図6(a)に示すように、まず、所定の明度しきい値Tr1を用いて反射光画像を二値化し、反射光二値化画像を生成する。このときの所定の明度しきい値Tr1としては、例えば、上述した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いることができる。なお、反射光画像を二値化する前に、記録された画素の明度に、画素の二次元位置の関数である補正値を増減して、画像内での照度のバラツキを補正してもよい点については、透過光画像を二値化する場合と同様である。
以上のようにして得られた反射光二値化画像は、図6(b)に示すように、高明度(白色の領域として図示)の画素と低明度(斜線の領域として図示)の画素とからなる。従って、反射光二値化画像中における隣り合う画素の二値化明度の接続関係から、同一の二値化明度の画素(本実施形態では、低明度の画素)が連続し、かつ、他の領域(本実施形態では高明度の画素が存在する領域)と独立した領域を、粒子の候補である反射光粒子P3rとして特定する。さらに、特定された反射光粒子P3rの存在領域内の画素の位置座標を検出し、この位置座標に基づいて、反射光粒子Prの位置(例えば、中心位置)および大きさ(例えば、面積や直径)を算出し、画像処理装置130に設けられている記憶装置(図示せず。)等に記録する(S117)。尚、図6(b)には参考のために、各粒子の存在する領域(透過光二値化画像により求めたもの)をP1p、P2p、P3pとして破線で示した。このように、反射光画像においては、常には基板1上の全粒子を認識できるわけではなく、また、認識された粒子においても、その粒子面積は、実際の粒子の断面積とは大きく異なりうる。
また、図7(a)に示すように、撮像装置110により撮像された反射光画像中の粒子として認識できる画素領域の明度と当該画素領域の周囲の画素領域(背景)の明度との差が大きく、反射光画像から直接粒子を認識することが容易な場合には、上述したように反射光画像を二値化しなくても、図7(b)に示すように、反射光画像から直接反射光粒子Prの存在領域を特定できる。例えば、画像での明度勾配を用いて粒子の輪郭を識別し、粒子範囲を特定することができる。そして、このようにして特定された反射光粒子Prの存在領域内の画素の位置座標を検出するようにしてもよい。
なお、以上説明したような処理は、例えば、Image-Pro Plus(Media Cybernetics, Inc登録商標)のような市販の画像処理ソフトに標準的に搭載されている粒子画像処理計測機能を利用して実施することができる。例えば、Image-Pro Plus ver. 5では、特定のデジタル画像に対して、一般的な粒子画像処理機能、例えば、二値化、明度変換、画素中での明度演算、粒子識別、粒子図心位置の算出、粒子への番号付与、粒子の特性量(明度、色相、面積、縦横比、真円度等)の算出、粒子中の穴の有無の識別、粒子中に穴が存在する場合の穴の粒子中での面積比の算出等の機能が備わっている。
画像処理工程では、次に、上述したようにして算出された1または2以上の透過光粒子の位置および大きさと、1または2以上の反射光粒子の位置および大きさとを比較することにより、位置および大きさの差が所定範囲以内である透過光粒子と反射光粒子とを対応付ける対応付け処理を行う(S119)。
本実施形態に係る対応付け処理は、例えば、個々の反射光粒子を全ての透過光粒子(ただし、既に特定の反射光粒子と対応付けられた透過光粒子を除く。)と比較することにより行う。具体的には、着目する反射光粒子の中心位置と、この反射光粒子と比較する全ての透過光粒子の中心位置との間の距離(中心位置間距離)を算出し、この中心位置間距離が所定の限界距離より小さな透過光粒子のうち、最も短い中心位置間距離を有する透過光粒子を、着目する反射光粒子に対応する透過光粒子の候補とする。このときの限界距離の例としては、例えば、測定対象の微粒子Pの平均径に近いもの(微粒子Pが製鉄所由来の降下煤塵である場合には10μm)、または、反射光粒子と比較する透過光粒子の直径の30%の長さ等が挙げられる。
次に、着目する反射光粒子と対応する透過光粒子の候補との面積を比較し、これらの面積の比率(例えば、反射光粒子の面積/透過光粒子の面積)が所定の限界比率範囲内である場合に、上記透過光粒子の候補を着目する反射光粒子に対応付ける。このときの限界比率の範囲の例としては、0.5〜1.2とすればよい。一方、上記面積の比率が、所定の限界比率範囲外である場合には、着目する反射光粒子に対応する透過光粒子ではないものと判断する。このようにして、着目する反射光粒子に対応付けられる透過光粒子が存在しない場合には、当該反射光粒子を虚偽の粒子である、すなわち、微粒子Pの撮像画像の候補ではないと判断し、微粒子Pの撮像画像の候補から除外する。
この対応付け処理の際、本実施形態では、反射光画像における背景(粒子として識別される画素領域の周囲の領域)の明度は、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも高い明度となるように設定された状態で、反射光画像が撮像される。従って、反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、背景の明度よりも低い明度を有する粒子、すなわち、暗色の微粒子P3に対応する粒子画像のみで、明色の微粒子P1,P2に対応する粒子画像は、本実施形態に係る反射光二値化画像上では認識されない。
そこで、本実施形態では、上記対応付け処理の結果、反射光粒子(図6および図7のP3r)に対応付けられた透過光粒子(図5のP3p)があれば、当該透過光粒子(P3p)に対応する微粒子(P3)を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別する(S121)。一方、ステップS121の判定の結果、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子(図5のP1p,P2p)があれば、当該透過光粒子(P1p、P2p)に対応する微粒子(P1,P2)を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別する(S123)。なお、いずれの透過光粒子とも対応付けられなかった反射光粒子があれば、当該反射光粒子を、微粒子Pの撮像画像の候補から除外する(S125)。
以上のようにして行った対応付け処理の結果に基づいて、透過光粒子の位置および大きさを微粒子Pの位置および大きさとして算出するとともに、反射光粒子または透過光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する(S127)。具体的には、いずれかの反射光粒子と対応付けられた透過光粒子の中心位置および大きさ(半径または面積)を、当該透過光粒子に対応する微粒子Pの位置および大きさとして算出し、反射光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する(本実施形態の場合、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子とする)。また、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子については、中心位置および大きさの算出方法は上記と同様であるが、微粒子Pの明度としては、当該透過光粒子の代表明度として算出する(本実施形態の場合、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子とする)。
また、微粒子Pに関する情報として、微粒子Pを球と仮定した場合の体積を予め求めておいた微粒子Pの粒径から算出して記録してもよい。さらに、必要に応じて、適宜、粒子の明度ごとに(本実施形態では、暗色粒子と明色粒子のそれぞれについて)、粒度構成率や総体積、暗色粒子と明色粒子との総体積の比率等を算出して記録してもよい。
ここで、図8を参照しながら、上記対応付け処理の詳細について説明する。図8は、本実施形態に係る対応付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図8に示す対応付け処理の例では、粒子測定装置100に設けられている記憶装置(図示せず。)に、反射光粒子のデータとして、個々の粒子を識別するための粒子番号i1(i1=1,2,…,n1)と、個々の粒子の中心位置の画素座標[Xi1,Yi1]および面積Si1とが対応付けられて記録されている。また、記憶装置には、透過光粒子のデータとして、個々の粒子を識別するための粒子番号i2(i2=1,2,…,n2)と、個々の粒子の中心位置の画素座標[Xi2,Yi2]および面積Si2とが対応付けられて記録されている。また、例えば、i1=1の反射光粒子の中心位置の座標を[X11,Y11]、面積をS11、i2=1の透過光粒子の中心位置の座標を[X21,Y21]、面積をS21などと表現することとする。以下、このようなデータを用いた対応付け処理方法の一例について詳細に説明する。
図8に示すように、まず、反射光粒子の判別を行う。反射光粒子の粒子番号i1を初期化して「i1=0」とし(S151)、記憶装置から、粒子番号i1=1の反射光粒子に関するデータ、すなわち、i1=1の反射光粒子の中心位置の座標[X11,Y11]および面積S11を読み出す(S153)。同様に、透過光粒子の粒子番号i2を初期化して「i2=0」とし(S155)、記憶装置から、粒子番号i2=1の透過光粒子に関するデータ、すなわち、i2=1の透過光粒子の中心位置の座標[X21,Y21]および面積S21を読み出す(S157)。
次いで、i1=1、i2=1の場合について、[X11,Y11]と[X21,Y21]との間の距離(中心位置間距離)が所定の限界距離(例えば、10μm)以下であるか否かを判定する(S159)。この判定の結果、中心位置間距離が限界距離以下であったと判定された場合には、i1=1の反射光粒子と対応付けられる透過光粒子の候補(対応付け候補)として、i2=1の透過光粒子を加え(S161)、i2に1を加えて(S163)、「i2=2」とする。一方、ステップS159の判定の結果、中心位置間距離が限界距離を超えていると判定された場合には、対応付け候補としてi2=1の透過光粒子を加えずに、i2に1を加えて(S163)、「i2=2」とする。
次いで、記憶装置から、粒子番号i2=2の透過光粒子に関するデータ、すなわち、i2=2の透過光粒子の中心位置の座標[X22,Y22]および面積S22を読み出す(S157)。このようにして、ステップS159〜S163の処理を「i2>n2」となるまで繰り返す(S165)。すなわち、ステップS157〜S163の処理を全てのi2(=1〜n2)に対して行う。
次いで、以上の処理の結果、i1=1の反射光粒子と対応付けられる透過光粒子の候補の個数が0であるか否かを判定し(S167)、候補の個数が0であった場合には、粒子の対応付けを行わずに、i1に1を加えて、i1=2として、次の反射光粒子データの処理に移行する(S169)。一方、ステップS167の判定の結果、候補の個数が0でなかった場合には、さらに、候補の個数が1であるか否かを判定する(S171)。
このステップS171の判定の結果、候補の個数が1であった場合(例えば、i2=1の粒子のみが候補であった場合)には、この候補の透過光粒子の面積Si2と反射光粒子の面積Si1との比率が限界比率範囲内であるか否かを判定する(S173)。このステップS173の判定の結果、限界比率範囲内であった場合には、これらの透過光粒子(i2=1)と反射光粒子(i1=1)とを対応付け、これらの粒子画像を暗色(低明度)の微粒子Pの撮像画像であると識別し(S175)、i1に1を加えて、i1=2として、次の反射光粒子データの処理に移行する(S169)。一方、ステップS173の判定の結果、限界比率範囲外であった場合には、透過光粒子と反射光粒子との対応付けは行わずに、i1に1を加えて(S169)、「i1=2」とする。
また、ステップS171の判定の結果、候補の個数が1でなかった場合、すなわち、候補の数が2以上であった場合には、これらの候補のうち、反射光粒子の面積Si1と透過光粒子の面積Si2との面積比率が所定の限界比率範囲内であった粒子番号i2の透過光粒子のみを反射光粒子(i1=1)に対応付ける。即ち、複数の透過光粒子が同一の反射光粒子と対応付く場合がある。その後、これらの粒子画像を暗色(低明度)の微粒子Pの撮像画像であると識別し(S177)、i1に1を加えて、i1=2として、次の反射光粒子データの処理に移行する(S169)。
次いで、次の反射光粒子データ(i1=2)についての粒子対応付け処理では、記憶装置から、粒子番号i1=2の透過光粒子に関するデータ、すなわち、i1=2の透過光粒子の中心位置の座標[X12,Y12]および面積S12を読み出す(S157)。このようにして、ステップS153〜S177の処理を「i1>n1」となるまで繰り返す(S179)。すなわち、ステップS153〜S177の処理を全てのi1(=1〜n1)に対して行う。
以上の処理の完了後、透過光粒子の判別を行う。再び、粒子番号i2を初期化して「i2=0」とする(S181)。さらに、i2=1の透過光粒子から、当該透過光粒子がいずれかの反射光粒子(i1=1〜n1)と対応付けられて(暗色粒子として識別されて)いるか否かを判定する(S183)。この判定の結果、当該透過光粒子がいずれかの反射光粒子に対応付けられている場合には、i2に1を加えて、i2=2として、次の反射光粒子データの処理に移行する(S185)。一方、ステップS183の判定の結果、当該透過光粒子がいずれの反射光粒子とも対応付けられていない場合には、当該透過光粒子を明色粒子として識別し(S187)、i2に1を加えて、i2=2として、次の反射光粒子データの処理に移行する(S185)。
次いで、i2=2の透過光粒子に対し、上記のステップS183〜S187の処理を行い、以上の処理を「i2>n2」となるまで繰り返す(S189)。すなわち、ステップS183〜S187の処理を全てのi2(=1〜n2)に対して行う。
このようにして、全ての透過光粒子(i2=1〜n2)を、暗色粒子または明色粒子のいずれかに識別することができる。なお、いずれの透過光粒子にも対応付けられなかった反射光粒子は、測定対象の微粒子Pの撮像画像の候補から除外する。
(本実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法の利点)
以上説明した本実施形態に係る粒子測定装置100およびこれを用いた粒子測定方法によれば、反射光照明装置121により微粒子Pの上方から照明し、この微粒子Pからの反射光を用いて微粒子Pを撮像した粒子画像に、主に、明度の高い外乱が多数予測される場合に、精度の高い粒子画像処理計測を行うことができる。
明度の高い外乱の第1の代表例としては、上方からの照明(反射光照明装置121からの照明)の鏡面反射によるハイライトがある。このようなハイライトが存在する粒子画像中で、微粒子Pに対応する画素数に占めるハイライト部分の画素数の割合は、一般に、10%以上50%未満である。上方からの照明(反射光)を用いて撮像した画像のみを用いて微粒子の明度を判断する場合には、本来、明度の低い暗色の粒子であっても、ハイライト部分での明度が高いので、この暗色の粒子を明色粒子と誤認識する可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、ハイライト部分が存在しても、粒子の暗色部分のみで粒子本来の明度を判断できる。さらに、粒子の面積を下方からの照明(透過光)を用いて撮像した画像から算出しているので、上方からの照明(反射光)を用いて撮像した画像において、暗色粒子がハイライト部分の欠けた形状として粒子として認識されることによる粒子の面積の測定誤差は生じない。
また、上記と同様の理由で、本実施形態によれば、粒子以外の鏡面反射(例えば、ステージ表面からの鏡面反射)による撮像物も粒子として誤認識されることはない。
また、明度の高い外乱の第2の代表例としては、焦点距離範囲外に存在する測定対象外の粒子(例えば、顕微鏡レンズの汚れ)がある。ステージ101上に存在しない測定対象外の粒子(例えば、汚れ)であっても、撮像範囲内に存在すれば画像として記録される場合がある。このような粒子は、撮像手段(カメラ)の焦点があっていないので、ピンボケして全体が大きく、かつ、やや高い明度の画素として記録される。これは、上方からの照明(反射光)を用いて撮像した画像でも、下方からの照明(透過光)を用いて撮像した画像でも同様である。上方からの照明を用いて撮像した画像のみで、このような粒子の明度を判断した場合、単に明度の低い粒子なのか、測定対象外の粒子なのかを判断することができない。これに対して、本実施形態では、下方からの照明を用いて撮像した画像を二値化して画像処理を行う際に、このようなピンボケによる高明度の粒子を、粒子の測定の対象から除外するので(ピントの合った粒子の下方からの照明を用いて撮像した画像では、粒子に対応する画素領域は、常に所定値以下の低明度となる。)、測定対象外の粒子を誤認識することはない。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法について説明するが、主に、上述した第1の実施形態と異なる構成について詳細に説明する。
(粒子測定装置)
本実施形態に係る粒子測定装置は、上述した第1の実施形態に係る粒子測定装置100と、反射光画像生成部、反射光粒子検出部および粒子情報算出部の機能が異なる。
具体的には、本実施形態に係る反射光画像生成部は、反射光画像上における反射光粒子の背景の明度が、第1の実施形態とは逆に、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度となるように、照明制御装置により透過光用照明装置の輝度が設定された状態で、反射光画像を生成する。
また、本実施形態に係る反射光粒子検出部は、粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて反射光画像を二値化して得られる反射光二値化画像の明度分布に基づいて、反射光画像の画素座標中において高明度の画素が集合している画素領域を、反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。
すなわち、本実施形態における反射光二値化画像では、背景の明度が低明度側となり、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する微粒子Pのみが、反射光粒子として識別され得る。
従って、本実施形態に係る粒子情報算出部は、対応付け処理部によって反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子Pを、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別し、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子に対応する微粒子Pを、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別する。
すなわち、本実施形態では、第1の実施形態の場合とは逆に、いずれかの反射光粒子と対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子が明色粒子となり、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子に対応する微粒子が暗色粒子となる。
(粒子測定方法)
以上、本実施形態に係る粒子測定装置について説明したが、続いて、図9を参照しながら、本実施形態に係る粒子測定方法のうち、反射光粒子の検出方法について説明する。図9は、本実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。
図9(a)に示すように、反射光画像における各画素の明度は、微粒子P1,P2,P3の明度により決まる。すなわち、反射光画像は、微粒子P1,P2,P3が散布されている基板1またはステージ101に向けて照射した光の反射光を利用して撮像されているため、各微粒子の撮像画像(反射光粒子)の反射光画像上における明度は、実際の微粒子P1,P2,P3の明度の高低に対応している。例えば、微粒子P1、P2が明度の高い粒子(明色粒子、P1の明度>P2の明度)、微粒子P3が明度の低い粒子(暗色粒子)であるとすると、反射光画像中では、微粒子P1,P2が存在する領域に対応する画素の明度が明色(明度の高い領域)として認識され、微粒子P3が存在する領域に対応する画素の明度が暗色(明度の低い領域)として認識される。
本実施形態において反射光粒子を検出する方法の一例においては、図9(a)に示すように、まず、所定の明度しきい値Tr2を用いて反射光画像を二値化し、反射光二値化画像を生成する。このときの所定の明度しきい値Tr2としては、例えば、上述した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いることができる。なお、反射光画像を二値化する前に、記録された画素の明度に、画素の二次元位置の関数である補正値を増減して、画像内での照度のバラツキを補正してもよい点については、第1の実施形態の場合と同様である。
以上のようにして得られた反射光二値化画像は、図9(b)に示すように、高明度(白色の領域として図示)の画素と低明度(斜線の領域として図示)の画素とからなる。従って、反射光二値化画像中における隣り合う画素の二値化明度の接続関係から、同一の二値化明度の画素(本実施形態では、高明度の画素)が連続し、かつ、他の領域(本実施形態では低明度の画素が存在する領域)と独立した領域を、粒子の候補である反射光粒子P1rおよびP2rとして特定する。さらに、特定された反射光粒子Prの存在領域内の画素の位置座標を検出し、この位置座標に基づいて、反射光粒子Prの位置(例えば、中心位置)および大きさ(例えば、面積や直径)を算出し、画像処理装置に設けられている記憶装置(図示せず。)等に記録する。
次に、第1の実施形態と同様にして、反射光粒子と透過光粒子との対応付け処理を行うが、この対応付け処理の際、本実施形態では、反射光画像における背景(粒子として識別される画素領域の周囲の領域)の明度は、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも低い明度となるように設定された状態で、反射光画像が撮像される。従って、反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、背景の明度よりも高い明度を有する粒子、すなわち、明色の微粒子P1,P2に対応する粒子画像のみで、暗色の微粒子P3に対応する粒子画像は、本実施形態に係る反射光二値化画像上では認識されない。
そこで、本実施形態では、上記対応付け処理の結果、反射光粒子(図9のP1r,P2r)に対応付けられた透過光粒子(図5のP1p,P2p)があれば、当該透過光粒子(P1p,P2p)に対応する微粒子(P1,P2)を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別する。一方、上記対応付け処理の結果、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子(図5のP3p)があれば、当該透過光粒子(P3p)に対応する微粒子(P3)を、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別する。なお、いずれの透過光粒子とも対応付けられなかった反射光粒子があれば、当該反射光粒子を、微粒子Pの撮像画像の候補から除外する点については第1の実施形態と同様である。
以上のようにして行った対応付け処理の結果に基づいて、透過光粒子の位置および大きさを微粒子Pの位置および大きさとして算出するとともに、反射光粒子または透過光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する。具体的には、いずれかの反射光粒子と対応付けられた透過光粒子の中心位置および大きさ(半径または面積)を、当該透過光粒子に対応する微粒子Pの位置および大きさとして算出し、反射光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する(本実施形態の場合、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子とする)。また、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子については、中心位置および大きさの算出方法は上記と同様であるが、微粒子Pの明度としては、当該透過光粒子の代表明度として算出する(本実施形態の場合、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子とする)。
また、微粒子Pに関する情報として、微粒子Pを球と仮定した場合の体積を予め求めておいた微粒子Pの粒径から算出して記録してもよい。さらに、必要に応じて、適宜、粒子の明度ごとに(本実施形態では、暗色粒子と明色粒子のそれぞれについて)、粒度構成率や総体積、暗色粒子と明色粒子との総体積の比率等を算出して記録してもよい。
(本実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法の利点)
以上説明した本実施形態に係る粒子測定装置およびこれを用いた粒子測定方法によれば、反射光照明装置により測定対象の微粒子の上方から照明し、この微粒子からの反射光を用いて微粒子を撮像した粒子画像に、主に、明度の低い外乱が多数予測される場合に、精度の高い粒子画像処理計測を行うことができる。
明度の低い外乱の代表例としては、測定対象の微粒子が散布された基板が載置されるか、あるいは、微粒子が直接散布される透明なステージ上の半透明な汚れがある。透明ステージ上には、しばしば油や指紋などの半透明な汚れが存在する場合があり、このような汚れが撮像されることがある。測定対象の微粒子が主に高明度であり、相対的に低明度の暗色粒子との識別のための明度しきい値を比較的高明度に設定する場合、上方からの照明を用いて撮像した画像のみの粒子の識別では、ステージ上の半透明な汚れを粒子として誤認識する可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、下方からの照明を用いて撮像した画像を二値化して画像処理する際に、このようなステージ上の汚れを粒子の測定の対象から除外するので、ステージ上の汚れを粒子として誤認識することはない。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法について説明するが、主に、上述した第1および第2の実施形態と異なる構成について詳細に説明する。
(粒子測定装置)
本実施形態に係る粒子測定装置は、上述した第1および第2の実施形態に係る粒子測定装置100と、反射光画像生成部、反射光粒子検出部および粒子情報算出部の機能が異なる。より詳細には、本実施形態に係る反射光画像生成部および反射光粒子検出部は、上述した第1の実施形態と第2の実施形態の双方の機能を有しており、これにより、本実施形態に係る粒子情報算出部は、第1および第2の実施形態とは異なり、測定対象の微粒子の明度を、明色粒子、暗色粒子に加えて、中間色粒子の3種類に識別することができる。以下、詳細を説明する。
本実施形態に係る反射光画像生成部は、まず、第2の実施形態の場合と同様にして、反射光画像上における反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための第1の明度しきい値(以下、「暗背景用明度しきい値Tr3(D)」と称する。)よりも低い明度となるように、照明制御装置により透過光用照明装置の輝度が設定された状態で、測定対象の微粒子を撮像して得られる暗背景時反射光画像を生成する。
さらに、本実施形態に係る反射光画像生成部では、まず、暗背景明度しきい値Tr3(D)よりも低い明度しきい値である、第2の明度しきい値(Tr3(B)と定義する。)を予め定める。次に、第1の実施形態の場合と同様にして、反射光画像上における反射光粒子の背景明度が前記Tr3(B)よりも高い明度となるように、照明制御装置により透過光用照明装置の輝度が設定された状態で、測定対象の微粒子を撮像して得られる明背景時反射光画像を生成する。
ここで、暗背景用明度しきい値Tr3(D)および明背景用明度しきい値Tr3(B)は、第1および第2の実施形態で説明した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」と同様の方法で求めることができるが、本実施形態においては、暗背景用明度しきい値Tr3(D)が、明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも高い明度であることが重要である。
また、本実施形態に係る反射光粒子検出部は、まず、第2の実施形態の場合と同様にして、暗背景用明度しきい値Tr3(D)を用いて暗背景時反射光画像を二値化して得られる暗背景時反射光二値化画像の明度分布に基づいて、暗背景時反射光画像の画素座標中において高明度の画素が集合している画素領域を反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。
さらに、本実施形態に係る反射光粒子検出部は、第1の実施形態の場合と同様にして、明背景用明度しきい値Tr3(B)を用いて明背景時反射光画像を二値化して得られる明背景時反射光二値化画像の明度分布に基づいて、明背景時反射光画像の画素座標中において低明度の画素が集合している画素領域を反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。
すなわち、本実施形態においては、暗背景時反射光二値化画像では、背景の明度が低明度側となり、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも高い明度を有する微粒子のみが、反射光粒子として識別され、明背景時反射光二値化画像では、背景の明度が高明度側となり、明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも低い明度を有する微粒子のみが反射光粒子として識別され得る。また、明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも高い明度を有し、かつ、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも低い明度を有する微粒子については、暗背景時反射光二値化画像と明背景時反射光二値化画像の双方において識別することができない。
従って、本実施形態に係る粒子情報算出部は、対応付け処理部によって、暗背景時反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子を、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも高い明度を有する明色粒子と識別し、明背景時反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子を、明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも低い明度を有する暗色粒子と識別する。一方、本実施形態に係る粒子情報算出部は、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子に対応する微粒子を、明色粒子と暗色粒子の中間の明度(本実施形態では、明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも高く、かつ、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも低い明度)を有する中間色粒子と識別する。
すなわち、本実施形態では、いずれかの暗背景時反射光画像中に存在する反射光粒子と対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子が明色粒子となり、いずれかの明背景時反射光画像中に存在する反射光粒子と対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子が暗色粒子となり、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子に対応する微粒子が中間色粒子となる。
(粒子測定方法)
以上、本実施形態に係る粒子測定装置について説明したが、続いて、図10を参照しながら、本実施形態に係る粒子測定方法のうち、反射光粒子の検出方法について主に説明する。図10は、本実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。
図10(a)に示すように、反射光画像における各画素の明度は、微粒子P1,P2,P3の明度により決まる。すなわち、反射光画像は、微粒子P1,P2,P3が散布されている基板1またはステージ101に向けて照射した光の反射光を利用して撮像されているため、各微粒子の撮像画像(反射光粒子)の反射光画像上における明度は、実際の微粒子P1,P2,P3の明度の高低に対応している。例えば、微粒子P1が明度の高い明色粒子、微粒子P2が中間の明度を有する中間色粒子、微粒子P3が明度の低い粒子(暗色粒子)であるとすると、反射光画像中では、微粒子P1が存在する領域に対応する画素の明度が明色(明度の高い領域)として認識され、微粒子P3が存在する領域に対応する画素の明度が暗色(明度の低い領域)として認識され、微粒子P2が存在する領域に対応する画素の明度が中間色(明度が中間の領域)として認識される。
本実施形態においては、上述した第1の実施形態の場合と同様にして、透過光を利用して測定対象の微粒子を撮像して透過光画像を生成するとともに、背景の明度が「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも低くなる条件で反射光を利用して微粒子を撮像することにより、暗背景時反射光画像を生成する。また、本実施形態においては、上述した第2の実施形態の場合と同様にして、背景の明度が「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも高くなる条件で反射光を利用して微粒子を撮像することにより、明背景時反射光画像も生成する。
その後、図10(a)に示すように、まず、暗背景用明度しきい値Tr3(D)を用いて暗背景時反射光画像を二値化し、暗背景時反射光二値化画像を生成する。このときの暗背景用明度しきい値Tr3(D)としては、例えば、上述した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いることができる。
また、本実施形態においては、明背景用明度しきい値Tr3(B)を用いて明背景時反射光画像を二値化し、明背景時反射光二値化画像も併せて生成する。このときの明背景用明度しきい値Tr3(B)としては、例えば、上述した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いることができるが、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも低い明度値であることが必要である。
なお、暗背景時反射光画像および明背景時反射光画像を二値化する前に、記録された画素の明度に、画素の二次元位置の関数である補正値を増減して、画像内での照度のバラツキを補正してもよい点については、上述した各実施形態の場合と同様である。
以上のようにして得られた暗背景時反射光二値化画像および明背景時反射光二値化画像は、図10(b)、(c)に示すように、高明度(白色の領域として図示)の画素と低明度(斜線の領域として図示)の画素とからなる。従って、暗背景時反射光二値化画像および明背景時反射光二値化画像における隣り合う画素の二値化明度の接続関係から、同一の二値化明度の画素(暗背景時反射光二値化画像では高明度の画素、明背景時反射光二値化画像では低明度の画素)が連続し、かつ、他の領域(暗背景時反射光二値化画像では低明度の画素が存在する領域、明背景時反射光二値化画像では高明度の画素が存在する領域)と独立した領域を、粒子の候補である反射光粒子(暗背景反射光粒子においてはP1r、明背景反射光粒子においてはP3r)として特定する。さらに、特定された反射光粒子Prの存在領域内の画素の位置座標を検出し、この位置座標に基づいて、反射光粒子Prの位置(例えば、中心位置)および大きさ(例えば、面積や直径)を算出し、画像処理装置に設けられている記憶装置(図示せず。)等に記録する。
次に、第1の実施形態と同様にして、反射光粒子と透過光粒子との対応付け処理を行うが、この対応付け処理の際、本実施形態では、暗背景時反射光画像における背景(粒子として識別される画素領域の周囲の領域)の明度は、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも低い明度となるように設定された状態で、反射光画像が撮像される。従って、暗背景時反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、背景の明度よりも高い明度を有する粒子、すなわち、明色の微粒子P1に対応する粒子画像のみで、暗色の微粒子P3および中間色の微粒子P2に対応する粒子画像は、本実施形態における暗背景時反射光二値化画像上では認識されない。一方、明暗背景時反射光画像における背景(粒子として識別される画素領域の周囲の領域)の明度は、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも高い明度となるように設定された状態で、反射光画像が撮像される。従って、明背景時反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、背景の明度よりも低い明度を有する粒子、すなわち、暗色の微粒子P3に対応する粒子画像のみで、明色の微粒子P1および中間色の微粒子P2に対応する粒子画像は、本実施形態における明背景時反射光二値化画像上では認識されない。
そこで、本実施形態では、例えば、初めに、暗背景時反射光二値化画像を用いて第1の対応付け処理を行う。その結果、反射光粒子(図10(b)のP1r)に対応付けられた透過光粒子(図5のP1p)があれば、当該透過光粒子(P1p)に対応する微粒子(P1)を、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも高い(従って、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い)明度を有する明色粒子と識別する。
次に、本実施形態では、上記第1の対応付け処理の結果、暗背景時反射光二値化画像上の反射光粒子と対応付けられなかった(明色粒子と識別されなかった)透過光粒子に対して、明背景時反射光二値化画像を用いて第2の対応付け処理を行う。その結果、反射光粒子(図10(c)のP3r)に対応付けられた透過光粒子(図5のP3p)があれば、当該透過光粒子(P3p)に対応する微粒子(P3)を、明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも低い(従って、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い)明度を有する暗色粒子と識別する。
一方、上記第1および第2の対応付け処理の結果、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子(図5のP2p)があれば、当該透過光粒子(P2p)に対応する微粒子(P2)を、明色粒子と暗色粒子の中間の明度(本実施形態では、明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも高く、かつ、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも低い明度)を有する中間色粒子と識別する。
なお、いずれの透過光粒子とも対応付けられなかった反射光粒子があれば、当該反射光粒子を、微粒子Pの撮像画像の候補から除外する点については第1の実施形態と同様である。
以上のようにして行った対応付け処理の結果に基づいて、透過光粒子の位置および大きさを微粒子Pの位置および大きさとして算出するとともに、反射光粒子または透過光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する。具体的には、いずれかの反射光粒子と対応付けられた透過光粒子の中心位置および大きさ(半径または面積)を、当該透過光粒子に対応する微粒子Pの位置および大きさとして算出し、反射光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する(本実施形態の場合、明色粒子または暗色粒子となる)。また、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子については、中心位置および大きさの算出方法は上記と同様であるが、微粒子Pの明度としては、当該透過光粒子の代表明度として算出する(本実施形態の場合、中間色粒子となる)。
また、微粒子Pに関する情報として、微粒子Pを球と仮定した場合の体積を予め求めておいた微粒子Pの粒径から算出して記録してもよい。さらに、必要に応じて、適宜、粒子の明度ごとに(本実施形態では、暗色粒子と明色粒子と中間色粒子のそれぞれについて)、粒度構成率や総体積、暗色粒子と明色粒子と中間色粒子との総体積の比率等を算出して記録してもよい。
(本実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法の利点)
以上説明した本実施形態に係る粒子測定装置およびこれを用いた粒子測定方法によれば、第1に、反射光照明装置により測定対象の微粒子の上方から照明し、この微粒子からの反射光を用いて微粒子を撮像した粒子画像に、主に、上述した各実施形態で説明したように、明度の高い外乱や明度低い外乱が多数予測される場合に、精度の高い粒子画像処理計測を行うことができる。
第2に、本実施形態に係る粒子測定装置およびこれを用いた粒子測定方法によれば、測定対象の微粒子の明度を、上述した各実施形態の場合より細かく(明色粒子、暗色粒子および中間色粒子の3種類)に識別することができる。
第3に、本実施形態に係る粒子測定装置およびこれを用いた粒子測定方法によれば、微粒子の撮像時の条件変動に関わらず、微粒子の明度の識別を精度よく行うことができる。撮像対象が均一の反射率を有する同一の微粒子であった場合でも、画素間や各回の撮影ごとに明度が変動し得る。このような明度が変動する理由としては、例えば、照明装置の輝度や撮像手段(カメラ)の撮像素子(例えば、CCD素子)特性のドリフト等によるものや、撮影空間内において照明が不均一になったり、各CCD素子間の特性の差によるものなどがあり、明度の変動を完全に防止することが現実的にほとんど不可能である。
従って、上方からの照明(反射光)を用いて撮像した際に明度を識別する対象である微粒子の画像の平均明度が背景の明度に近い場合、撮像時の明度の変動によって、微粒子の周縁部で背景の画素との明度差が識別できなくなる画素領域が変動し得る。極端な場合、背景の明度が変動して微粒子の平均明度が背景の明度に一致してしまうと、微粒子が認識されなくなるのに対し、背景の明度が逆方向に変動して微粒子の平均明度が背景の明度との差が生じると、当該微粒子は粒子として認識され得る。すなわち、上方からの照明を用いて撮像した粒子(反射光粒子)の面積が撮像条件によって変動することとなる。
ここで、一般に、下方からの照明(透過光)を用いて撮像した粒子の画像処理計測時の撮像条件の差による粒子の面積の変動は小さいので、下方から照明を用いて撮像した粒子と、上方からの照明を用いて撮像した粒子との面積比により粒子の明度の識別を行う場合には、上方からの照明を用いて撮像した粒子の面積の変動によって、同一の粒子に対する明度(明/暗)の判定も変動していまい、粒子の明度識別の誤差となる。
一方、上方からの照明を用いて撮像した際に、明度の識別対象の微粒子の画像の平均明度と背景の明度との差が大きい場合、撮像時の明度の変動があっても、粒子が存在する領域がより明確であるので、粒子の面積の変動は少ない(撮像条件が多少変動しても、粒子の平均明度が背景の明度に一致することはない)。従って、撮像条件の変動に対する粒子の明度識別の誤差は小さい。
しかし、この場合でも、背景の明度を1種類とした条件では、粒子の明度によっては、この1種類の背景明度に近いものが存在し得る。
そこで、本実施形態では、明背景と暗背景の2種類の背景を用いて測定対象の微粒子を撮像し、暗色粒子の識別は明背景反射光画像を用いて、明色粒子の識別は暗背景反射光画像を用いて行うことにより、常に、背景と明度の識別対象の微粒子との間の明度差を大きく確保することができる。従って、どのような条件でも、常に、撮像条件の変動に対する粒子の明度識別の誤差を小さくすることができる。例えば、図10において、明背景撮影画像では、この背景よりもはるかに低い明度に設定したしきい値Tr3(B)を用いて暗色粒子をもれなく識別できる。また、逆に、暗背景撮影画像では、この背景よりもはるかに高い明度に設定したしきい値Tr3(D)を用いて明色粒子をもれなく識別できる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法について説明するが、主に、上述した各実施形態と異なる構成について詳細に説明する。
(粒子測定装置)
本実施形態に係る粒子測定装置は、上述した第3の実施形態に係る粒子測定装置と、反射光画像生成部、反射光粒子検出部および粒子情報算出部の機能が類似している。より詳細には、上述した第3の実施形態では、明背景用明度しきい値Tr3(B)が、暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも低い明度であったが、本実施形態では、明背景用明度しきい値が、暗背景用明度しきい値よりも高い明度を有している点が大きく異なる。一方、本実施形態に係る粒子情報算出部も、第3の実施形態と同様に、測定対象の微粒子の明度を、明色粒子、暗色粒子に加えて、中間色粒子の3種類に識別することができる。以下、詳細を説明する。
本実施形態に係る反射光画像生成部は、まず、第2の実施形態の場合と同様にして、反射光画像上における反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための第1の明度しきい値(以下、「暗背景用明度しきい値Tr4(D)」と称する。)よりも低い明度となるように、照明制御装置により透過光用照明装置の輝度が設定された状態で、測定対象の微粒子を撮像して得られる暗背景時反射光画像を生成する。
さらに、本実施形態に係る反射光画像生成部は、第1の実施形態の場合と同様にして、反射光画像上における反射光粒子の背景の明度が、暗背景用明度しきい値Tr4(D)よりも高い明度しきい値である粒子の明暗を区別するための第2の明度しきい値(以下、「明背景用明度しきい値Tr4(B)」と称する。)よりも高い明度となるように、照明制御装置により透過光用照明装置の輝度が設定された状態で、測定対象の微粒子を撮像して得られる明背景時反射光画像を生成する。
ここで、暗背景用明度しきい値Tr4(D)および明背景用明度しきい値Tr4(B)は、第1および第2の実施形態で説明した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」と同様の方法で求めることができるが、本実施形態においては、暗背景用明度しきい値Tr4(D)が、明背景用明度しきい値Tr4(B)よりも低い明度であることが重要である。
また、本実施形態に係る反射光粒子検出部は、まず、第2の実施形態の場合と同様にして、暗背景用明度しきい値Tr4(D)を用いて暗背景時反射光画像を二値化して得られる暗背景時反射光二値化画像の明度分布に基づいて、暗背景時反射光画像の画素座標中において高明度の画素が集合している画素領域を反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。
さらに、本実施形態に係る反射光粒子検出部は、第1の実施形態の場合と同様にして、明背景用明度しきい値Tr4(B)を用いて明背景時反射光画像を二値化して得られる明背景時反射光二値化画像の明度分布に基づいて、明背景時反射光画像の画素座標中において低明度の画素が集合している画素領域を反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。
すなわち、本実施形態においては、暗背景時反射光二値化画像では、背景の明度が低明度側となり、暗背景用明度しきい値Tr4(D)よりも高い明度を有する微粒子のみが、反射光粒子として識別され、明背景時反射光二値化画像では、背景の明度が高明度側となり、明背景用明度しきい値Tr4(B)よりも低い明度を有する微粒子のみが反射光粒子として識別され得る。また、本実施形態における暗背景用明度しきい値Tr4(D)は、第3の実施形態における暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも低く、明背景用明度しきい値Tr4(B)は、第3の実施形態における明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも高い値となっている。従って、これらのしきい値を用いて二値化すると、暗背景用明度しきい値Tr4(D)よりも高い明度を有し、かつ、明背景用明度しきい値Tr4(B)よりも低い明度を有する中間の明度を有する微粒子については、暗背景時反射光二値化画像と明背景時反射光二値化画像の双方において識別される。
従って、本実施形態に係る粒子情報算出部は、対応付け処理部によって、暗背景時反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子を、暗背景用明度しきい値Tr4(D)よりも高い明度を有する明色粒子の候補とし、明背景時反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子を、明背景用明度しきい値Tr4(B)よりも低い明度を有する暗色粒子の候補とする。さらに、本実施形態に係る粒子情報算出部は、暗背景時反射光画像中に存在する反射光粒子と明背景時反射光画像中に存在する反射光粒子の双方に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子を、明色粒子と暗色粒子の中間の明度を有する中間色粒子と識別するとともに、明色粒子の候補のうち中間色粒子と識別されなかったものを明色粒子と識別し、暗色粒子の候補のうち中間色粒子と識別されなかったものを暗色粒子と識別する。
すなわち、本実施形態では、いずれかの暗背景時反射光画像中に存在する反射光粒子と対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子が明色粒子の候補となり、いずれかの明背景時反射光画像中に存在する反射光粒子と対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子が暗色粒子の候補となり、暗背景時反射光画像および明背景時反射光画像の双方の反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子が中間色粒子となる。また、明色粒子の候補のうち、中間色粒子と識別されなかったものが明色粒子となり、暗色粒子の候補のうち、中間色粒子と識別されなかったものが暗色粒子となる。
(粒子測定方法)
以上、本実施形態に係る粒子測定装置について説明したが、続いて、図11を参照しながら、本実施形態に係る粒子測定方法のうち、反射光粒子の検出方法について主に説明する。図11は、本実施形態における反射光画像を用いた画像処理方法の一例を示す説明図である。
図11(a)に示すように、反射光画像における各画素の明度は、微粒子P1,P2,P3の明度により決まる。すなわち、反射光画像は、微粒子P1,P2,P3が散布されている基板1またはステージ101に向けて照射した光の反射光を利用して撮像されているため、各微粒子の撮像画像(反射光粒子)の反射光画像上における明度は、実際の微粒子P1,P2,P3の明度の高低に対応している。例えば、微粒子P1が明度の高い明色粒子、微粒子P2が中間の明度を有する中間色粒子、微粒子P3が明度の低い粒子(暗色粒子)であるとすると、反射光画像中では、微粒子P1が存在する領域に対応する画素の明度が明色(明度の高い領域)として認識され、微粒子P3が存在する領域に対応する画素の明度が暗色(明度の低い領域)として認識され、微粒子P2が存在する領域に対応する画素の明度が中間色(明度が中間の領域)として認識される。
本実施形態においては、上述した第1の実施形態の場合と同様にして、透過光を利用して測定対象の微粒子を撮像して透過光画像を生成するとともに、背景の明度が「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも低くなる条件で反射光を利用して微粒子を撮像することにより、暗背景時反射光画像を生成する。また、本実施形態においては、上述した第2の実施形態の場合と同様にして、背景の明度が「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも高くなる条件で反射光を利用して微粒子を撮像することにより、明背景時反射光画像も生成する。
その後、図11(a)に示すように、まず、暗背景用明度しきい値Tr4(D)を用いて暗背景時反射光画像を二値化し、暗背景時反射光二値化画像を生成する。このときの暗背景用明度しきい値Tr4(D)としては、例えば、上述した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いることができる。
また、本実施形態においては、明背景用明度しきい値Tr4(B)を用いて明背景時反射光画像を二値化し、明背景時反射光二値化画像も併せて生成する。このときの明背景用明度しきい値Tr4(B)としては、例えば、上述した「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いることができるが、暗背景用明度しきい値Tr4(D)よりも高い明度値であることが必要である。
なお、暗背景時反射光画像および明背景時反射光画像を二値化する前に、記録された画素の明度に、画素の二次元位置の関数である補正値を増減して、画像内での照度のバラツキを補正してもよい点については、上述した各実施形態の場合と同様である。
以上のようにして得られた暗背景時反射光二値化画像および明背景時反射光二値化画像は、図11(b)、(c)に示すように、高明度(白色の領域として図示)の画素と低明度(斜線の領域として図示)の画素とからなる。従って、暗背景時反射光二値化画像および明背景時反射光二値化画像における隣り合う画素の二値化明度の接続関係から、同一の二値化明度の画素(暗背景時反射光二値化画像では高明度の画素、明背景時反射光二値化画像では低明度の画素)が連続し、かつ、他の領域(暗背景時反射光二値化画像では低明度の画素が存在する領域、明背景時反射光二値化画像では高明度の画素が存在する領域)と独立した領域を、粒子の候補である反射光粒子(暗背景反射光粒子においてはP1r、P2r、明背景反射光粒子においてはP2r、P3r)として特定する。さらに、特定された反射光粒子Prの存在領域内の画素の位置座標を検出し、この位置座標に基づいて、反射光粒子Prの位置(例えば、中心位置)および大きさ(例えば、面積や直径)を算出し、画像処理装置に設けられている記憶装置(図示せず。)等に記録する。
次に、第1の実施形態と同様にして、反射光粒子と透過光粒子との対応付け処理を行うが、この対応付け処理の際、本実施形態では、暗背景時反射光画像における背景(粒子として識別される画素領域の周囲の領域)の明度は、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも低い明度となるように設定された状態で、反射光画像が撮像される。従って、暗背景時反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、背景の明度よりも高い明度を有する粒子である。ここで、本実施形態における暗背景用明度しきい値Tr4(D)は、第3の実施形態における暗背景用明度しきい値Tr3(D)よりも低い値となっている。従って、暗背景用明度しきい値Tr4(D)を用いて二値化すると、暗背景時反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、明色の微粒子P1に加えて中間色の微粒子P2に対応する粒子である。
一方、明暗背景時反射光画像における背景(粒子として識別される画素領域の周囲の領域)の明度は、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも高い明度となるように設定された状態で、反射光画像が撮像される。従って、明背景時反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、背景の明度よりも低い明度を有する粒子である。ここで、本実施形態における明背景用明度しきい値Tr4(B)は、第3の実施形態における明背景用明度しきい値Tr3(B)よりも高い値となっている。従って、明背景用明度しきい値Tr4(B)を用いて二値化すると、明背景時反射光二値化画像上で粒子として識別される微粒子は、暗色の微粒子P3に加えて中間色の微粒子P2に対応する粒子である。
このように、中間色の微粒子については、暗背景時反射光二値化画像と明背景時反射光二値化画像の双方において識別される。
そこで、本実施形態では、例えば、初めに、暗背景時反射光二値化画像を用いて第1の対応付け処理を行う。その結果、反射光粒子(図11(b)のP1r,P2r)に対応付けられた透過光粒子(図5のP1p,P2p)があれば、当該透過光粒子(P1p,P2p)に対応する微粒子(P1,P2)を、暗背景用明度しきい値Tr4(D)よりも高い(従って、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い)明度を有する明色粒子の候補とする。
次に、本実施形態では、明背景時反射光二値化画像を用いて第2の対応付け処理を行う。その結果、反射光粒子(図11(c)のP2r,P3r)に対応付けられた透過光粒子(図5のP2p,P3p)があれば、当該透過光粒子(P2p,P3p)に対応する微粒子(P2,P3)を、明背景用明度しきい値Tr4(B)よりも低い(従って、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い)明度を有する暗色粒子の候補とする。
さらに、上記第1および第2の対応付け処理の結果、暗背景時反射光二値化画像中の反射光粒子と明背景時反射光二値化画像中の反射光粒子の双方に対応付けられた透過光粒子(図5のP2p)があれば、当該透過光粒子(P2p)に対応する微粒子(P2)を、明色粒子と暗色粒子の中間の明度(本実施形態では、暗背景用明度しきい値Tr4(D)よりも高く、かつ、明背景用明度しきい値Tr4(B)よりも低い明度)を有する中間色粒子と識別する。
また、上記第1の対応付け処理の結果、明色粒子の候補の候補とされた透過光粒子のうち、中間色粒子と識別されなかったもの(図5のP1p)を明色粒子と識別し、上記第2の対応付け処理の結果、暗色粒子の候補の候補とされた透過光粒子のうち、中間色粒子と識別されなかったもの(図5のP3p)を暗色粒子と識別する。
なお、いずれの透過光粒子とも対応付けられなかった反射光粒子があれば、当該反射光粒子を、微粒子Pの撮像画像の候補から除外する点については第1の実施形態と同様である。例えば、図11(b)、(c)には、背景の明度バラツキによって反射光画像中にPndやPmdなどの虚偽の反射光粒子が発生するが、このような粒子は、対応する透過光粒子が存在しないので、粒子対応づけ処理によって、最終的に採用される粒子からは排除できる。
以上のようにして行った対応付け処理の結果に基づいて、透過光粒子の位置および大きさを微粒子Pの位置および大きさとして算出するとともに、反射光粒子または透過光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する。具体的には、いずれかの反射光粒子と対応付けられた透過光粒子の中心位置および大きさ(半径または面積)を、当該透過光粒子に対応する微粒子Pの位置および大きさとして算出し、反射光粒子の代表明度を微粒子Pの明度として算出する(本実施形態の場合、明色粒子または暗色粒子となる)。また、暗背景時反射光二値化画像中の反射光粒子と明背景時反射光二値化画像中の反射光粒子の双方と対応付けられた透過光粒子については、中心位置および大きさの算出方法は上記と同様であるが、微粒子Pの代表明度としては、当該暗背景反射光粒子および明背景反射光粒子の代表明度の平均値として算出する(本実施形態の場合、中間色粒子となる)。
また、微粒子Pに関する情報として、微粒子Pを球と仮定した場合の体積を予め求めておいた微粒子Pの粒径から算出して記録してもよい。さらに、必要に応じて、適宜、粒子の明度ごとに(本実施形態では、暗色粒子と明色粒子と中間色粒子のそれぞれについて)、粒度構成率や総体積、暗色粒子と明色粒子と中間色粒子との総体積の比率等を算出して記録してもよい。
(本実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法の利点)
以上説明した本実施形態に係る粒子測定装置およびこれを用いた粒子測定方法には、上述した第3の実施形態と同様の利点があるが、特に、下記の点で第3の実施形態よりも有利となる。即ち、暗背景画像中での背景明度の変動(バラツキ)が特に大きい場合に、第3の実施形態と同様の方法を適用する際には、背景明度バラツキの最大値を確実に超えるように明度しきい値Tr3(D)を極端に高く設定することが考えられる。さもなくば、中間明度の粒子画像に明度バラツキが重畳した際に、この粒子を明色粒子と誤認識する可能性があるからである。この場合、同様に明背景画像中でのTr3(B)も極端に低く設定されなければならない。その結果、Tr3(D)とTr3(B)の明度差が極端に大きくなり、大半の粒子が中間色に分類されてしまうため、明度分類の観点から好ましくない。また、このように高いしきい値Tr3(D)設定の場合、本来、明色粒子であっても、当該粒子のうち明色と認識される面積が著しく減少する場合があり、透過光粒子との対応付け処理において、粒子面積が許容範囲を逸脱して、当該粒子を明色粒子として認識できない危険性を生じる。この現象は、明色粒子に明度バラツキが重畳した場合に特に顕著となる。従って、これらの観点から、Tr3(D)はより低い明度に設定されることが望ましい。同様に、明背景画像中での背景明度バラツキの極端に大きい場合には、Tr3(B)は、より高い明度に設定されることが好ましい。しかし、第3の実施形態の方法では、明度について、Tr3(D)>Tr3(B)という制約があり、これらのニ−ズを十分に満足させることはできない。また、Tr3(D)を低く設定する、または、Tr3(B)を高く設定する場合には、明度バラツキにより一部の背景画像を虚偽の粒子と認識する場合が広く発生する。従って、背景明度のバラツキが極端に大きい場合には第3の実施形態の方法では適当ではない。
一方、本実施形態の場合、Tr3(D)
<Tr3(B)であっても問題ないので、背景明度のバラツキが極端に大きい場合であっても、前述の、過度に厳しいしきい値設定によって識別粒子面積が減少する問題を回避できる。また、本実施形態では、中間色粒子の大きさを二度、認識しているので、特定の粒子が明度バラツキの重畳等によって一方の背景画像で誤認識されたとしても、もう一方の背景画像で正常な粒子認識が行われていれば、粒子判定の誤差をより限定化できる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法について説明するが、主に、上述した各実施形態と異なる構成について詳細に説明する。
本実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法は、上述した第3の実施形態における二値化するための明度しきい値を、暗背景用明度しきい値と明背景用明度しきい値の2種類ではなく、3種類以上としたものである。
本実施形態は、基本的には、第2実施形態を多段階の明度識別に変更したものである。即ち、同一反射光照明照度の条件で透過光照明照度およびこの照度に対応する明度しきい値Tr2を当初は、最も高い明度条件として明色粒子判別を行い、明色粒子と識別されなかった透過光粒子に対して、順次、透過光照明照度およびこの照度に対応する明度しきい値Tr2を低下させ、その都度、明色粒子識別を行うことによって、各照明照度段階で識別された粒子群における個々の粒子の代表明度を、その照度段階に相当する明度(例えば、明度しきい値)として対応づける方法である。
上記照明照度段階は、予め、当該反射光撮影時の背景明度が所定値となるように設定する。例えば、各照明照度段階は、対応する背景明度が等間隔になるように、設定すればよい。同様に、各照明照度段階に対応する明度しきい値も、等間隔に設定すればよい。但し、このしきい値は、当該照明照度段階での背景明度よりも少なくとも高く設定する必要がある。例えば、粒子検出部に256明度諧調のCCDカメラを用いている場合(明度1(黒)〜明度256(白)とする)、第1段階の背景明度を明度192、明度しきい値を明度224とし、第2段階以降では、背景明度と明度しきい値をそれぞれ明度差64ずつ減じていけばよい。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法について説明するが、主に、上述した各実施形態と異なる構成について詳細に説明する。
(粒子測定装置)
本実施形態に係る粒子測定装置は、上述した第1の実施形態に係る粒子測定装置100と、照明制御装置、反射光画像生成部、反射光粒子検出部、対応付け処理部および粒子情報算出部の機能が異なる。
具体的には、本実施形態に係る照明制御装置は、反射光画像上における反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度であり、かつ、第1の明度<第2の明度<・・・<第Nの明度(Nは自然数)となる第1〜第Nの輝度を透過光用照明装置に設定可能となっている。
また、本実施形態に係る反射光画像生成部は、透過光用照明装置の輝度が第1〜第Nの輝度に設定された状態で、それぞれ、第1〜第Nの反射光画像(背景の明度は、第1の反射光画像<第2の反射光画像<・・・<第Nの反射光画像である。)を生成する。
また、本実施形態に係る反射光粒子検出部は、粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて第1〜第Nの反射光画像をそれぞれ二値化して得られる画像(第1〜第Nの反射光二値化画像)の明度分布に基づいて、第1〜第Nの反射光二値化画像の画素座標中において高明度の画素が集合している画素領域を反射光粒子が存在する領域として特定し、反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する。
また、本実施形態に係る対応付け処理部は、第n(n=1〜N)の反射光画像で検出された反射光粒子の位置および大きさを、第(n−1)以前の反射光画像で検出された反射光粒子と対応付けられていない透過光粒子(n=1の場合は、全ての前記透過光粒子)の位置および大きさと比較し、位置および大きさの差がそれぞれ所定範囲以内である透過光粒子と反射光粒子とを対応付ける。例えば、第1の反射光画像で検出された反射光粒子と既に対応付けられている透過光粒子に関しては、第2〜第Nの反射光画像で検出された反射光粒子との対応付け処理を行わない。
さらに、本実施形態に係る粒子情報算出部は、第1〜第Nの反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられたそれぞれの透過光粒子に対応する微粒子の明度を、第1〜第Nの明度と識別する。例えば、第1の反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子の明度を第1の明度と識別し、第2の反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子の明度を第2の明度と識別するなどして、第1から第Nまでの全ての反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられた透過光粒子に対応する微粒子の明度を識別する。そして、このときの明度は、第1の明度<第2の明度<・・・<第Nの明度となっている。また、本実施形態に係る粒子情報算出部は、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子に対応する微粒子を最も明度の高い粒子と識別する。
(粒子測定方法)
以上、本実施形態に係る粒子測定装置について説明したが、続いて、本実施形態に係る粒子測定方法のうち、反射光粒子の検出方法について主に説明する。
本実施形態においては、上述した第1の実施形態の場合と同様にして、透過光を利用して測定対象の微粒子を撮像して透過光画像を生成する。
その後、上述した第1の実施形態と同様にして、背景の明度が「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」よりも低くなる条件で反射光を利用して微粒子を撮像することにより、反射光画像を生成する。このとき、背景の明度を変えて微粒子を撮像して反射光画像を生成し、合計N種類の明度の背景で微粒子を撮像する。このようにして、第1〜第Nの背景明度(第1の背景明度<第2の背景明度<・・・<第Nの背景明度)で撮像された第1〜第Nの反射光画像が生成される。従って、第1の反射光画像が最も低明度の背景で撮像した画像となり、第Nの反射光画像が最も高明度の背景で撮像した画像となる。
その後、第1〜第Nの反射光画像をそれぞれ、「粒子の明暗を区別するための明度しきい値」を用いて二値化し、第1〜第Nの反射光二値化画像を生成する。
なお、各反射光画像を二値化する前に、記録された画素の明度に、画素の二次元位置の関数である補正値を増減して、画像内での照度のバラツキを補正してもよい点については、上述した各実施形態の場合と同様である。
以上のようにして得られた第1〜第Nの反射光二値化画像は、高明度の画素と低明度の画素とからなる。従って、第1〜第Nの反射光二値化画像における隣り合う画素の二値化明度の接続関係から、同一の二値化明度の画素(本実施形態では、低明度の画素)が連続し、かつ、他の領域(本実施形態では高明度の画素が存在する領域)と独立した領域を、粒子の候補である反射光粒子として特定する。さらに、特定された反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し、この位置座標に基づいて、反射光粒子の位置(例えば、中心位置)および大きさ(例えば、面積や直径)を算出し、画像処理装置に設けられている記憶装置(図示せず。)等に記録する。
次に、第1の実施形態と同様にして、反射光粒子と透過光粒子との対応付け処理を行うが、この対応付け処理の際、本実施形態では、第n(n=1〜N)の反射光画像で検出された反射光粒子の位置および大きさを、第(n−1)以前の反射光画像で検出された反射光粒子と対応付けられていない透過光粒子(n=1の場合は、全ての前記透過光粒子)の位置および大きさと比較し、位置および大きさの差がそれぞれ所定範囲以内である透過光粒子と反射光粒子とを対応付ける。
より詳細には、まず、第1の実施形態の場合と同様にして、第1の背景明度で撮像された第1の反射光画像で検出された反射光粒子(第1の反射光粒子)と透過光粒子との間で第1の対応付け処理を行う。この結果、第1の反射光粒子と対応付けられた透過光粒子があった場合には、当該透過光粒子に対応する微粒子を第1の明度(最も暗色)の粒子と識別する。次に、第2の背景明度で撮像された第2の反射光画像で検出された反射光粒子(第2の反射光粒子)と透過光粒子との間で第2の対応付け処理を行う。この第2の対応付け処理の際には、第1の反射光粒子と既に対応付けられている透過光粒子については、第2の対応付け処理の対象からは外される。第1の対応付け処理と同様にして、第2の反射光粒子と対応付けられた透過光粒子があった場合には、当該透過光粒子に対応する微粒子を第2の明度(2番目に暗色)の粒子と識別する。同様にして、第Nの対応付け処理まで行う。
このようにして、第1〜第Nの反射光画像中に存在する反射光粒子に対応付けられたそれぞれの透過光粒子に対応する微粒子の明度を、第1〜第Nの明度と識別する。このときの明度は、第1の明度<第2の明度<・・・<第Nの明度となっている。また、本実施形態に係る粒子情報算出部は、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子に対応する微粒子を最も明度の高い粒子と識別する。
なお、いずれの透過光粒子とも対応付けられなかった反射光粒子があれば、当該反射光粒子を、測定対象の微粒子の撮像画像の候補から除外する点については第1の実施形態と同様である。
以上のようにして行った対応付け処理の結果に基づいて、透過光粒子の位置および大きさを測定対象の微粒子の位置および大きさとして算出するとともに、反射光粒子または透過光粒子の代表明度を当該微粒子の明度として算出する。具体的には、いずれかの反射光粒子と対応付けられた透過光粒子の中心位置および大きさ(半径または面積)を、当該透過光粒子に対応する微粒子の位置および大きさとして算出し、反射光粒子の代表明度を微粒子の明度として算出する。また、いずれの反射光粒子とも対応付けられなかった透過光粒子については、中心位置および大きさの算出方法は上記と同様であるが、微粒子の明度としては、当該透過光粒子の代表明度として算出する。
また、測定対象の微粒子に関する情報として、当該微粒子を球と仮定した場合の体積を予め求めておいた微粒子の粒径から算出して記録してもよい。さらに、必要に応じて、適宜、粒子の明度ごとに(本実施形態では、第1〜第Nの明度の粒子のそれぞれについて)、粒度構成率や総体積、第1〜第Nの粒子間の総体積の比率等を算出して記録してもよい。
(本実施形態に係る粒子測定装置および粒子測定方法の利点)
以上説明した本実施形態に係る粒子測定装置およびこれを用いた粒子測定方法によれば、第1に、反射光照明装置により測定対象の微粒子の上方から照明し、この微粒子からの反射光を用いて微粒子を撮像した粒子画像に、主に、上述した各実施形態で説明したように、明度の高い外乱や明度低い外乱が多数予測される場合に、精度の高い粒子画像処理計測を行うことができる。
第2に、本実施形態に係る粒子測定装置およびこれを用いた粒子測定方法によれば、測定対象の微粒子を、単に明暗の2種類ではなく、他段階の明度で識別することができる。また、本実施形態では、反射光画像を二値化しているので、微粒子に対応する領域の画素にハイライトが存在しても、明度を判断するために使用される画素からは除外されるので、測定対象の微粒子本来の代表明度を比較的精度よく判定することができる。
[本発明における測定対象]
上述した各実施形態を含む本発明における測定対象としては、様々な明度の微粒子を含む微粒子群であって、ここの微粒子の明度を識別することが必要なものであれば特に限定されるものではないが、代表的な例として下記のような例が挙げられる。
(第1の例)
本発明に係る粒子測定装置および粒子測定方法における測定対象の第1の例としては、高純度アルミナ粉が挙げられる。
この高純度アルミナ粉は、概ね、粒径が10〜1000μm程度で白色の粒子であるが、高純度アルミナ粉中に不純物を含む粒子(不純物粒子)は非白色となる。このような粒子の明度の違いがあることから、高純度のアルミナ粉と不純物粒子とを粒子の明度によって識別することができる。
従って、高純度アルミナ粉製品中の不純物粒子の含有率を調査するために、本発明に係る粒子測定装置および粒子測定方法を使用して、高純度アルミナ粉と不純物粒子とを粒子明度によって識別し、この識別結果に基づき、高純度アルミナ粉と不純物粒子との粒子構成率を求めることが可能である。
(第2の例)
本発明に係る粒子測定装置および粒子測定方法における測定対象の第2の例としては、高炉法による製鉄プラント由来の降下煤塵が挙げられる。
このような降下煤塵は、製鉄プラント構内に乗り入れる車両を汚損する等の問題があり、このような問題への対策が必要となる。そのためには、特定の地点で捕集された降下煤塵の発生源を特定する技術が必要であり、降下煤塵の発生源を特定するための手法として、捕集された降下煤塵の煤塵種を特定することが有力であると考えられる。
ここで、降下煤塵とは、大気中を浮遊する固体粒子のうち、大気中を平均的に沈降し得る比較的大径(概ねφ10μm以上)の粒子のことをいう。また、本発明における「煤塵種」とは、特に限定はされないが、上述した降下煤塵の発生源や構成成分等によって分類される煤塵の種類をいう。例えば、発生源によって分類する場合には、煤塵種は、鉄鉱石の原料ヤードから発生する鉄鉱石由来の煤塵、石炭の原料ヤードから発生する石炭由来の煤塵、高炉から発生する高炉スラグ由来の煤塵、転炉から発生する転炉スラグ由来の煤塵等に分類される。
このような分類によると、高炉法による製鉄プラント由来の降下煤塵の煤塵種としては、主として、(1)主成分が炭素で共通する石炭やコークス等の石炭系煤塵や、(2)主成分が酸化鉄で共通する鉄鉱石と焼結鉱、酸化鉄粉(例えば、製鋼ダスト)等の鉄系煤塵や、(3)主成分が酸化ケイ素及び酸化カルシウムで共通し、かつ、溶融した原料から不純物を液体または固体として分離する点で工程が共通する高炉水砕スラグや高炉徐冷スラグ等の高炉スラグ系煤塵や、(4)主成分が酸化ケイ素、酸化カルシウム及び酸化鉄で共通し、かつ、溶融した原料から不純物を液体または固体として分離する点で工程が共通する転炉スラグや溶銑予備処理スラグ等の製鋼スラグ系煤塵がある。現代の高炉法による製鉄プラントにおける降下煤塵となり得る煤塵種は、上述した石炭系煤塵、鉄系煤塵、高炉スラグ系煤塵及び製鋼スラグ系煤塵でほぼ網羅することができる。
以上のような製鉄プラント由来の降下煤塵の煤塵種を特定するためには、異なる煤塵種ごとに分離する必要があるが、この分離の方法として、本発明の粒子測定装置や粒子測定方法が有効である。上述した4種類の煤塵のうち、鉄系煤塵や石炭系煤塵は、黒色系の明度の低い粒子(暗色粒子)である一方で、高炉スラグ系煤塵や製鋼スラグ系煤塵は白色系の明度の高い粒子(明色粒子)であることから、本発明の粒子測定装置や粒子測定方法を用いて個々の煤塵粒子の明度の高低を識別することにより、鉄系煤塵および石炭系煤塵からなる微粒子群と、高炉スラグ系煤塵および製鋼スラグ系煤塵からなる微粒子群とを識別することができる。
なお、一般に、鉄系煤塵や製鋼スラグ系煤塵は、強磁性または強い常磁性(例えば、0.1T〜0.4T程度の磁束密度を有する磁石に着磁する。)を有する微粒子であり、石炭系煤塵や高炉スラグ系煤塵は、強磁性または強い常磁性を有さない微粒子であることから、これらの微粒子を所定の磁束密度を有する磁石を用いて磁力選別することにより、鉄系煤塵と石炭系煤塵との判別や、製鋼スラグ系煤塵と高炉スラグ系煤塵との判別をすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、反射光粒子への外乱が少なく、測定対象の全粒子の明度が背景明度と大きく異なる場合には、画像処理において二値化処理をせず、撮影画像(反射光画像)をそのまま用いて粒子の識別を行うことができる(市販ソフトの粒子画像処理機能を用いれば可能)。このとき、透過光粒子の画素座標に対応する反射光粒子が存在する領域の画素での明度の平均値を当該透過光粒子に対応する微粒子の明度として算出することができる。
また、上記各実施形態に係る粒子測定方法は、図2に示した撮像装置110や画像処理装置130を用いて実施されたが、本発明の粒子測定方法は、かかる例に限定されず、必ずしも撮像装置110や画像処理装置130を用いる必要はない。例えば、照明等の撮影条件を手動で設定して撮影した透過光画像および反射光画像を写真に印画し、この反射光写真を、所定透過度を有したトレース紙で覆い、識別できる粒子を明色粒子としてペン等で輪郭をトレースし、前記トレース紙と透過光写真を重ねて、トレース紙上の粒子と透過光写真上の粒子との対応を目視でとった上で、定規等を用いて粒子位置を粒子ごとに記録し、さらに、透過光写真にトレース方眼紙を被せて、粒子の占める方眼紙升目の数から各粒子の面積を求めて記録することにより、上記の撮像装置110や画像処理装置130を用いた場合と類似の操作を実現できる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
<分析サンプルの作成>
まず、煤塵種が既知の標準試料として、鉄鉱石、石炭、高炉水砕スラグ及び転炉スラグを準備し、各々の試料500μgを匙ですくって、白色アルマイト処理した第1の透明カバーグラス上に匙で散布し、ステンレス製のへらを用いて、各粒子が互いに重ならないように透明カバーグラスに拡げた。拡げた粒子群は、直径約10mmの範囲に存在していた。
次に、直径10mmの市販の円柱状の電磁石を中心軸が鉛直方向となるように設置し、磁石の先端面(下端面)での平均磁束密度が0.3Tとなるように電磁石に供給する電流を調整した。この状態で、作業者が電磁石を手で保持して透明カバーグラス上に散布された粒子の上方から垂直に下降させ、粒子に電磁石を接触させた。この状態で1秒間静止させた後、電磁石を上方に持ち上げて、着磁した粒子を電磁石とともに移動させ、別途準備しておいた白色アルマイト処理した第2の透明カバーグラス上に、上方から垂直に電磁石を下降させて電磁石を第2の透明カバーグラス上に載置した。次いで、電磁石に消磁電流を与えた後、電磁石への電流の供給を止め、電磁石を上方に持ち上げて第2の透明カバーグラス上から離隔させた。
なお、使用した第1の透明カバーグラス及び第2の透明カバーグラスの寸法は、ともに、大きさが30mm×30mmで、厚みが3mmであった。また、電磁石の消磁方法としては、市販の電磁石用消磁コントローラを使用した。
以上の操作の結果、第1の透明カバーグラス上に残留した粒子を非着磁性降下煤塵(磁石に着磁しない降下煤塵)のサンプルとし、第2の透明カバーグラス上に残留した粒子を着磁性降下煤塵(磁石に着磁する降下煤塵)のサンプルとした。
<微粒子の撮像>
次に、市販の三眼式実体顕微鏡(対物レンズ倍率:0.5倍)に、市販のリング状白色LED照明(以下、「反射光用照明装置」と称する。)をレンズ鏡筒に装着し、また、市販の白色LED平面配列照明(以下、「透過光用照明装置」と称する。)をステージの下方に配置した。また、市販のモノクロディジタルカメラ(CCD600万画素、画素寸法は3μm角)をカメラ装着口に装着した。また、反射光用照明装置及びレンズとステージとの間に円偏向フィルタ板を設置するとともに、鉄板を板金加工してステージの下面に上端が接し、かつ、透過光用照明装置の周囲を覆うように、遮光板を配置した。また、反射光用照明装置と透過光用照明装置とを制御する照明制御装置としては、市販の装置で、外部信号によって、反射光用照明装置と透過光用照明装置とを独立にON/OFFできるものを用いた。次いで、透明フロートガラス板(10mm厚)のステージ上に顕微鏡用スライドグラスを基板として配置し、当該基板上に、上記のようにして得られた非着磁性降下煤塵のサンプルと着磁性降下煤塵のサンプルとを、それぞれ散布し、照明条件を同一にするとともに、カメラの絞り及び露出を同一条件として順に撮影し、着磁性煤塵と非着磁性煤塵のそれぞれについて、透過光画像および反射光画像を得た。
このときの透過光画像および反射光画像の撮像条件は以下の通りである。まず、透過光画像の撮像条件は、反射光用照明装置を消灯し、かつ、透過光用照明装置からの照明の輝度を、透過光画像上での背景の平均明度が120(明度256階調、カンマ値1.5、明度の定義は以下同様とする。)となるような輝度となるように設定して、着磁性煤塵と非着磁性煤塵のそれぞれを撮像した。また、反射光画像の撮像条件は、反射光用照明装置からの照明の輝度を、マンセル値N4.0の色見本を撮影した際の画像上での平均明度が60となるような輝度となるに設定するとともに、透過光用照明装置からの照明の輝度を、透過光画像の撮像時と同様の条件とした。このとき、粒子の明暗を区別するための明度しきい値は70とした。
なお、顕微鏡の倍率は、測定対象の粒子の実寸法がカメラのCCD素子上で同一の寸法に結像するように調整した。また、顕微鏡で認識する対象の粒子は、降下煤塵であり粒子が粗大であることから、φ10μm以上の大きさの粒子とした。なお、本実施例において、当該粒子の大きさは、CCDの9画素以上に対応するものである。
<画像処理>
上述したようにして得られた着磁性煤塵画像と非着磁性煤塵画像に対し、市販の粒子画像処理ソフトであるImage-Pro Plus(登録商標)のVER.5を用いて粒子画像処理計測を行った。このとき、計測の対象としては、各粒子の中心位置、各粒子の円等価直径及び各粒子の平均明度(粒子として認識される画素領域に存在する各画素の明度の平均値)とした。
具体的には、上述した本発明の第1の実施形態における手法を用いて、透過光粒子と反射光粒子を検出するとともに、検出された透過光粒子と反射光粒子との対応付け処理を行った。この対応付け処理の際には、透過光粒子と反射光粒子との中心位置間距離の限界距離を10μm、かつ、比較対象となる透過光粒子の直径の30%の長さとし、透過光粒子と反射光粒子の面積比率の限界比率範囲を0.7とした。
以上のような条件で透過光粒子と反射光粒子との対応付け処理を行い、着磁性煤塵と非着磁性煤塵のそれぞれについて、透過光画像中の各粒子を明色粒子と暗色粒子とに識別した。また、上記対応付け処理の結果に基づいて、各粒子の中心位置、平均明度及び円等価直径を算出し、算出結果を記録した。
さらに、上述のようにして算出した各粒子の円等価直径を用いて、予め境界値を定めた粒度区分別に各粒子を分類し、粒度区分ごとの粒子構成率を明度区分(暗色粒子と明色粒子)ごとに求めた。
以上の操作により求めた標準試料の煤塵特性は、以下の表1の通りである。
Figure 0005114690
また、表1に記載された標準試料のうち、鉄鉱石(着磁性暗色粒子)に関し、粒度区分ごとの粒子構成率を求めた例を以下に示す。
鉄鉱石:<φ30μm:20% <φ100μm:70% ≧φ100μm:10%
<捕集された降下煤塵の分析>
次に、高炉法による製鉄プラントの敷地内で降下煤塵を市販のデポジットゲージで1週間捕集し、100mgの降下煤塵を得た。この降下煤塵を屋内で3日間自然乾燥した後、降下煤塵の全量のうち500μgを用いて、上述した標準試料と同様の方法により処理して、降下煤塵粒子の煤塵特性を得た。その結果を下記の表2に示す。
Figure 0005114690
このようにして得られた捕集された降下煤塵試料の煤塵特性と、上記表1に示された標準試料の煤塵特性とを比較し、降下煤塵試料が主に着磁性暗色粒子で構成されていることから、捕集された降下煤塵は、同様に主に着磁性暗色粒子で構成されている鉄鉱石であったものと特定した。
なお、捕集された降下煤塵試料の粒度区分ごとの粒子構成率は、以下のようであった。
降下煤塵:<φ30μm:50% <φ100μm:45% ≧φ100μm:5%
この結果を見ると、上に示した鉄鉱石の粒度分布とは異なっているが、この結果から、本実施例における試料である降下煤塵が捕集された場所が、発塵源(鉄鉱石が保存されているヤード等)から遠く離れていたため、捕集場所に届くまでの間に、大径の粒子が途中で落下し、大径の粒子の構成率が減少してしまったものと推測できる。
(実施例2)
本実施例では、識別対象の粒子として高純度アルミナ粉(不純物粒子を含む。)を用い、実施例1と同様の撮像装置を用いて撮像し、高純度アルミナ粉について、透過光画像および反射光画像を得た。
このときの透過光画像および反射光画像の撮像条件は以下の通りである。まず、透過光画像の撮像条件は、反射光用照明装置を消灯し、かつ、透過光用照明装置からの照明の輝度を、透過光画像上での背景の平均明度が120となるような輝度となるように設定して、高純度アルミナ粉を撮像した。また、反射光画像の撮像条件は、反射光用照明装置からの照明の輝度を、マンセル値N7.0の色見本を撮影した際の画像上での平均明度が160となるような輝度となるに設定するとともに、透過光用照明装置からの照明を消灯して高純度アルミナ粉を撮像した。このとき、粒子の明暗を区別するための明度しきい値は130とした。
上述したようにして得られた高純度アルミナ粉の透過光画像および反射光画像に対し、市販の粒子画像処理ソフトであるImage-Pro Plus(登録商標)のVER.5を用いて粒子画像処理計測を行った。このとき、計測の対象としては、各粒子の中心位置、各粒子の円等価直径及び各粒子の平均明度(粒子として認識される画素領域に存在する各画素の明度の平均値)とした。
具体的には、上述した本発明の第2の実施形態における手法を用いて、透過光粒子と反射光粒子を検出するとともに、検出された透過光粒子と反射光粒子との対応付け処理を行った。この対応付け処理の際には、透過光粒子と反射光粒子との中心位置間距離の限界距離を10μm、かつ、比較対象となる透過光粒子の直径の30%の長さとし、透過光粒子と反射光粒子の面積比率の限界比率範囲を0.7とした。
以上のような条件で透過光粒子と反射光粒子との対応付け処理を行い、高純度アルミナ粉について、透過光画像中の各粒子を明色粒子と暗色粒子とに識別した。また、上記対応付け処理の結果に基づいて、各粒子の中心位置、平均明度及び円等価直径を算出し、算出結果を記録した。
さらに、上述のようにして算出した各粒子の円等価直径を用いて、予め境界値を定めた粒度区分別に各粒子を分類し、粒度区分ごとの粒子構成率を明度区分(暗色粒子と明色粒子)ごとに求めた。
その結果、撮像した高純度アルミナ粉粒子の平均粒径は30μm、粒径の標準偏差は8μmで、合計で2600個の粒子の明度を識別した。これらの粒子のうち、個数比率で0.5%の粒子が暗色粒子として識別された。このことから、実施例2において使用した高純度アルミナ粉中には、個数比率で0.5%の不純物が含まれていることがわかった。
(実施例3)
本実施例3では、実施例2と同一の試料を用い、明色粒子の識別方法は、実施例2と同様の方法とした。暗色粒子の識別方法として、撮像に関しては、マンセル値N7.0の色見本を撮影した際の平均明度が200となるような輝度となるように設定して明背景画像を得た。明度しきい値を90として実施形態1と同様の方法で、暗色粒子を識別した。その際用いた、透過光粒子と反射光粒子との中心位置間限界距離や限界面積比率範囲については、実施例2と同様にした。また、粒子の対応づけの方法には、実施形態3の方法を用いた。
その結果、個数比率で0.2%の暗色粒子と0.3%の中間色粒子を識別した(残りは明色粒子)。この結果から、不純物にも明度の異なる複数種類が含まれていることがわかった。
(実施例4)
本実施例4では、実施例3と同様の試料と同様の撮影を行い、粒子識別のみ実施形態4の方法を用いて、粒子識別を行った。明度しきい値として、暗背景画像に対しては明度90を、明背景画像に対しては明度160を用いた。その結果、個数比率で0.2%の暗色粒子と0.3%の中間色粒子を識別した(残りは明色粒子)。
本発明によれば、透過光を用いて不透明な微粒子群を撮像した透過光画像と、反射光を用いて不透明な微粒子群を撮像した反射光画像とに基づき、透過光画像中に存在する透過光粒子と反射光画像中に存在する反射光粒子とを所定の方法により対応付けることにより、微粒子群中の個々の粒子の各種特性(位置、大きさ、明度等)を同時に測定することが可能となる。
1 基板
100 粒子測定装置
101 ステージ
110 撮像装置
111 撮像素子
113 透過光画像生成部
115 反射光画像生成部
119 レンズ
121 反射光用照明装置
123 透過光用照明装置
125 照明制御装置
127 遮光板
130 画像処理装置
131 透過光粒子検出部
133 透過光粒子情報算出部
135 反射光粒子検出部
137 反射光粒子情報算出部
139 対応付け処理部
141 粒子情報算出部
P(P1,P2,P3) 測定対象の微粒子
P1p、P2p、P3p 透過光粒子
P1r、P2r、P3r 反射光粒子

Claims (11)

  1. 不透明な微粒子が散布された透明な基板が載置されるか、または、前記微粒子が直接散布される載置面を有するステージと;
    このステージの、前記載置面の側に設けられ、このステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第1の光を照射する反射光用照明装置と;
    前記ステージの、前記載置面とは反対側に設けられ、前記ステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第2の光を照射する透過光用照明装置と;
    前記第1の光の装置発光面輝度と前記第2の光の装置発光面輝度とをそれぞれ個別に制御する照明制御装置と;
    前記第2の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0とするように、前記照明制御装置により制御された状態で前記微粒子を撮像して得られる透過光画像を生成する透過光画像生成部と、前記第2の光の装置発光面輝度を1または2以上の条件で設定された所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とするように前記照明制御装置により制御された状態で前記微粒子を撮像して得られる反射光画像を生成する反射光画像生成部と、を有し、前記ステージに対して前記載置面の側に設置される撮像装置と;
    前記透過光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の透過光粒子の位置および大きさと、前記反射光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の反射光粒子の位置および大きさとを比較することにより、位置および大きさの差が所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付け、当該対応付け結果に基づいて、前記透過光粒子の位置および大きさを前記微粒子の位置および大きさとして算出するとともに、前記反射光粒子または前記透過光粒子の代表明度を前記微粒子の明度として算出する画像処理装置と;
    を備えることを特徴とする粒子測定装置。
  2. 前記画像処理装置が、
    所定の明度しきい値を用いて前記透過光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記透過光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を、前記透過光粒子が存在する領域として特定し、当該透過光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する透過光粒子検出部と;
    この透過光粒子検出部での検出結果に基づいて、少なくとも前記透過光粒子の位置および大きさを算出する透過光粒子情報算出部と;
    前記反射光画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において周囲の画素との明度差が所定値以上の画素が集合している画素領域を、前記反射光粒子が存在する領域として特定し、当該反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出する反射光粒子検出部と;
    前記反射光粒子検出部での検出結果に基づいて、少なくとも前記反射光粒子の位置および大きさを算出する反射光粒子情報算出部と;
    前記透過光粒子情報算出部の算出結果および前記反射光粒子情報算出部の算出結果に基づいて、前記反射光粒子の位置および大きさを、全ての前記透過光粒子の位置および大きさと比較し、位置および大きさの差がそれぞれ所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付けるとともに、いずれの前記透過光粒子とも対応付けられなかった前記反射光粒子を前記微粒子の撮像画像の候補から除外する対応付け処理部と;
    前記透過光粒子の位置および大きさを前記微粒子の位置および大きさとして算出し、前記透過光粒子に対応付けられた前記反射光粒子の代表明度を前記微粒子の明度として算出するとともに、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子の明度を、所定明度として算出する粒子情報算出部と;
    を有することを特徴とする請求項1に記載の粒子測定装置。
  3. 前記反射光画像生成部は、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記反射光画像を生成し;
    前記反射光粒子検出部は、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて前記反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を、前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;
    前記粒子情報算出部は、前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別し、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別する;
    ことを特徴とする請求項2に記載の粒子測定装置。
  4. 前記反射光画像生成部は、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記反射光画像を生成し;
    前記反射光粒子検出部は、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて前記反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも高明度の画素が集合している画素領域を、前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;
    前記粒子情報算出部は、前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別し、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別する;
    ことを特徴とする請求項2に記載の粒子測定装置。
  5. 前記反射光画像生成部は、
    前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための第1の明度しきい値よりも低い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる暗背景時反射光画像を生成するとともに、
    前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、前記第1の明度しきい値よりも低い明度しきい値である、粒子の明暗を区別するための第2の明度しきい値よりも高い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる明背景時反射光画像を生成し;
    前記反射光粒子検出部は、
    前記第1の明度しきい値を用いて前記暗背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において高明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出するとともに、
    前記第2の明度しきい値を用いて前記明背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において低明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;
    前記粒子情報算出部は、
    前記暗背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第1の明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子と識別し、前記明背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第2の明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子と識別し、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記明色粒子と前記暗色粒子の中間の明度を有する中間色粒子と識別する;
    ことを特徴とする請求項2に記載の粒子測定装置。
  6. 前記反射光画像生成部は、
    前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための第1の明度しきい値よりも低い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる暗背景時反射光画像を生成するとともに、
    前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、前記第1の明度しきい値よりも高い明度しきい値である粒子の明暗を区別するための第2の明度しきい値よりも高い明度となるように、前記照明制御装置により前記第2の光の装置発光面輝度が設定された状態で、前記微粒子を撮像して得られる明背景時反射光画像を生成し;
    前記反射光粒子検出部は、
    前記第1の明度しきい値を用いて前記暗背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも高明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出するとともに、
    前記第2の明度しきい値を用いて前記明背景時反射光画像を二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記反射光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;
    前記粒子情報算出部は、
    前記暗背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第1の明度しきい値よりも高い明度を有する明色粒子の候補とし、前記明背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記第2の明度しきい値よりも低い明度を有する暗色粒子の候補とするとともに、前記暗背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子と前記明背景時反射光画像中に存在する前記反射光粒子の双方に対応付けられた前記透過光粒子に対応する前記微粒子を、前記明色粒子と前記暗色粒子の中間の明度を有する中間色粒子と識別し、前記明色粒子の候補のうち前記中間色粒子と識別されなかったものを前記明色粒子と識別し、前記暗色粒子の候補のうち前記中間色粒子と識別されなかったものを前記暗色粒子と識別する;
    ことを特徴とする請求項2に記載の粒子測定装置。
  7. 前記照明制御装置は、前記反射光画像上における前記反射光粒子の背景の明度が、粒子の明暗を区別するための明度しきい値よりも高い明度であり、かつ、Nを自然数とした場合に、第1の明度<第2の明度<・・・<第Nの明度となる第1〜第Nの装置発光面輝度を前記第2の光に設定可能であり;
    前記反射光画像生成部は、前記第2の光の装置発光面輝度が前記第1〜第Nの装置発光面輝度に設定された状態で、それぞれ、第1〜第Nの反射光画像を生成し;
    前記反射光粒子検出部は、前記粒子の明暗を区別するための明度しきい値を用いて前記第1〜第Nの反射光画像をそれぞれ二値化して得られる画像の明度分布に基づいて、前記第1〜第Nの反射光画像の画素座標中において所定明度よりも低明度の画素が集合している画素領域を前記反射光粒子が存在する領域として特定し、前記反射光粒子の存在領域内の画素の位置座標を検出し;
    前記対応付け処理部は、n=1〜Nとした場合に、第nの反射光画像で検出された前記反射光粒子の位置および大きさを、第(n−1)以前の反射光画像で検出された前記反射光粒子と対応付けられていない前記透過光粒子(n=1の場合は、全ての前記透過光粒子)の位置および大きさと比較し、位置および大きさの差がそれぞれ所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付け;
    前記粒子情報算出部は、前記第1〜第Nの反射光画像中に存在する前記反射光粒子に対応付けられたそれぞれの前記透過光粒子に対応する前記微粒子の明度を、第1〜第Nの明度(第1の明度<第2の明度<・・・<第Nの明度)と識別するとともに、いずれの前記反射光粒子とも対応付けられなかった前記透過光粒子に対応する前記微粒子を最も明度の高い粒子と識別する;
    ことを特徴とする請求項2に記載の粒子測定装置。
  8. 前記微粒子は、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子測定装置。
  9. 前記透過光粒子情報算出部は、さらに、前記透過光粒子の直径を算出し;
    前記粒子情報算出部は、さらに、前記透過光粒子の直径を前記微粒子の粒径として算出する;
    ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の粒子測定装置。
  10. 不透明な微粒子が散布された透明な基板が載置されるか、または、前記微粒子が直接散布される載置面を有するステージと;
    このステージの前記載置面の側に設けられて前記微粒子を撮像する撮像装置と;
    前記ステージの、前記載置面の側に設けられて前記ステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第1の光を照射する反射光用照明装置と;
    前記ステージの、前記載置面とは反対側に設けられて前記ステージに向けて所定の装置発光面輝度を有する第2の光を照射する透過光用照明装置と;
    を有する粒子測定装置を用いて、前記微粒子の位置、大きさおよび明度を測定する方法であって、
    前記第2の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0とするようにした状態で、前記撮像装置により前記微粒子を撮像して得られる透過光画像を生成する透過光画像生成工程と;
    前記第2の光の装置発光面輝度を1または2以上の条件で設定された所定輝度とし、かつ、前記第1の光の装置発光面輝度を0ではない所定輝度とするようにした状態で、前記撮像装置により前記微粒子を撮像して得られる反射光画像を生成する反射光画像生成工程と;
    前記透過光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の透過光粒子の位置および大きさと、前記反射光画像中で前記微粒子の撮像画像の候補として識別される1または2以上の反射光粒子の位置および大きさとを比較することにより、位置および大きさの差が所定範囲以内である前記透過光粒子と前記反射光粒子とを対応付け、当該対応付け結果に基づいて、前記透過光粒子の位置および大きさを前記微粒子の位置および大きさとして算出するとともに、前記反射光粒子または前記透過光粒子の代表明度を前記微粒子の明度として算出する画像処理工程と;
    を含むことを特徴とする粒子測定方法。
  11. 前記微粒子は、高炉法による製鉄プラントに由来する降下煤塵であることを特徴とする請求項10に記載の粒子測定方法。
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