JP5105324B2 - エアゾール容器のガス抜き機構 - Google Patents

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本発明は、エアゾール容器、とくに使用後における容器内の残留ガスの抜き取り機構に関するものである。
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器に肩カバーを装着し、肩カバーに噴出ヘッドを保護するオーバーキャップを装着した内容物噴出容器において、使用済みエアゾール容器の残留ガスを抜き取るために肩カバーをエアゾール容器から取外し、オーバーキャップをエアゾール容器に直接装着することで噴出ヘッドを押下げ位置に維持して、残留ガスを抜き取るようにした内容物噴出容器は、従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−2154号公報
しかしながら、上記特許文献記載の内容物噴出容器では、肩カバー(プロテクターリング)をエアゾール容器から取外すために、肩カバーに設けた指掛け用突出部に指を掛け、上方に持ち上げて取外しているので、肩カバーとエアゾール容器の嵌合が弱いと、使用時に落とした場合に外れることがあり、また、嵌合が強いと、取外す際に苦労するという問題があった。
また、上記特許文献記載の内容物噴出容器では、肩カバー(プロテクターリング)をエアゾール容器から取外すために、肩カバー自体を引き裂いたりすることでエアゾール容器から取外すことも考えているが、肩カバーの形状が複雑になり、さらに、引き裂き作業が必要となるので、肩カバーをエアゾール容器から簡単に取外すことができなくなるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、エアゾール容器の上部に装着された肩カバーを簡単な操作で取外し、オーバーキャップを装着することによって、使用済みのエアゾール容器の残留ガスの抜き取りを行えるようにしたエアゾール容器のガス抜き機構を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、エアゾール容器のガス抜き機構として、噴出ヘッドを装着したエアゾール容器に肩カバーを装着し、肩カバーにオーバーキャップを装着した内容物噴出容器であって、エアゾール容器は、胴部と、胴部上端から内側上方に傾斜する肩部と、肩部上端に上部に係合環を形成したマウンテンカップとを具え、肩カバーは、外方から押圧すると、下端が、エアゾール容器の肩部上面に当接し、内方に摺動することにより、肩カバーをエアゾール容器に対して持ち上げる外筒壁と、エアゾール容器の係合環に係合する係合筒壁とを具え、オーバーキャップは、頂壁と、下端部が肩カバーの上部に係合する外筒壁とともに、ガス抜き時にエアゾール容器の係合環に係合する係合筒壁とを具え、肩カバーの外筒壁を押し込み、肩カバーを変形させることよってエアゾール容器から取外し、オーバーキャップの係合筒壁をエアゾール容器の係合環に直接装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにしたことを特徴とする構成を採用する。
本発明の具体的な実施例として、オーバーキャップの係合筒壁の下端部に、エアゾール容器の係合環に係合する係合部を設けたことを特徴とする構成を採用する。
噴出ヘッドを装着したエアゾール容器に肩カバーを装着し、肩カバーにオーバーキャップを装着した内容物噴出容器において、エアゾール容器のガス抜きの際、まず、肩カバーの外筒壁を両側より押さえ、変形させることにより、外筒壁がエアゾール容器の肩部に摺動し、肩カバーが持ち上がり、簡単に肩カバーを取外せるようになった。
次いで、オーバーキャップをエアゾール容器の係合環に直接装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持することができ、残留ガスの抜き取りが簡単な操作で行えるようになった。
次に、本発明のエアゾール容器について実施例をあげ、図面を参照して説明する。
図1において、Aはエアゾール容器、Bはエアゾール容器Aに装着された噴出ヘッド、Cはエアゾール容器Aに装着される肩カバー、Dは肩カバーCおよびエアゾール容器Aに装着されるオーバーキャップである。
エアゾール容器Aは、金属製、または合成樹脂製であり、胴部1と、胴部1上端から内側上方に傾斜する肩部2と、肩部2上端に連設されたマウンテンカップ3とを具備している。
マウンテンカップ3は、上部に肩カバーCを装着する係合環4を形成し、内方中央には、上端にステム5を突出したエアゾールバルブが配設されている。
噴出ヘッドBは、合成樹脂によって成形され、エアゾール容器Aのステム5に装着されており、頂壁10と噴出孔11を配設した側周壁12とを具えている。
肩カバーCは、合成樹脂によって成形され、上壁15と、上壁15内縁に垂設された内筒壁16と、上壁15下面の所定の位置に垂設され、肩カバーCをエアゾール容器Aの上部に装着する係合筒壁17と、上壁15外縁に垂設された外筒壁18とを具えている。
係合筒壁17内周下端には、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4の外周下部に上部が係合する係合突部19が、ある程度の間隔をもって複数配設されている。
外筒壁18は、上部の上部側周壁20と、上部側筒壁20の下端にフランジ21を介して拡径され、下端がエアゾール容器Aの傾斜している肩部2の外縁部に当接する下部側周壁22とから形成されている。
オーバーキャップDは、頂壁25と、頂壁25下面の所定の位置に垂設され、オーバーキャップDをエアゾール容器Aの上部に装着する係合筒壁26と、頂壁25外縁に垂設された外筒壁27とを具えている。
外筒壁27の内周下部が、肩カバーCの外筒壁18の上部側周壁20外周と係合するとともに、下端面が外筒壁18のフランジ21上面に当接することにより、オーバーキャップDは肩カバーCに装着される。
係合筒壁26の周壁下方は、下端から延び、空気の流路となる幅狭の切込み28が切り込まれ、切込み28を除いた係合筒壁26の内周下端には、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4の外周下部に上部が係合する係合突条29が周設されている。
次に、本実施例の噴出容器の使用態様と、作用効果について説明する。
噴出容器の組立は、エアゾール容器Aのステム5に噴出ヘッドBを装着し、次いで、エアゾール容器Aの係合環4に肩カバーCを装着し、最後に、肩カバーCの上部側周壁20にオーバーキャップDを装着し、噴出容器を閉蓋する。
噴出容器使用の際には、オーバーキャップDを肩カバーCから取外し、噴出ヘッドBを押下げ操作することにより内容物を噴出孔11から噴出させる。
使用が終わったらオーバーキャップDを肩カバーCに装着し、閉蓋することができる。
内容物を全て使用し、エアゾール容器Aを廃棄する際には、エアゾール容器A内の残留ガスの抜き取りを行う。
残留ガスの抜き取りには、まず、肩カバーCの外筒壁18の対角線上の二個所を指などで把持し、両側より内方に押し込むと、外筒壁18の対角線上の二個所を内方に変形させる。
このことで、図2に示すように、外筒壁18の変形した位置の下部側周壁22下端が、エアゾール容器Aの肩部2上面を摺動し、肩部2の傾斜により、内方に進むにしたがって外筒壁18を上方に持ち上げていく。
また、外筒壁18の変形した位置の上壁15も内方に押し込まれ、上壁15下面に垂設された係合筒壁17も変形し、係合筒壁17の係合突部19と、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4との係合が弱まっていく。
なお、係合筒壁17の係合突部19は間隔をもって配設されているため、係合筒壁17の変形を妨げることはない。
肩カバーCの対角線上の二個所が内方に変形することで、外筒壁18のエアゾール容器Aに対しての上方に持ち上げる力、および、係合筒壁17の係合突部19とエアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4との係合の弱まりにより、肩カバーCをエアゾール容器Aの上部から簡単に取外すことができる。
肩カバーCをエアゾール容器Aから取外した後、オーバーキャップDをエアゾール容器Aの上方に被せ、図3に示すように、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4に、オーバーキャップDの係合筒壁26内周の係合突条29を係合させることで、エアゾール容器Aの上部にオーバーキャップDを装着する。
なお、オーバーキャップDの係合突条29は、係合筒壁26の内周下端に周設されているため、係合筒壁26の変形を防止している。
エアゾール容器Aの上部にオーバーキャップDを装着することにより、オーバーキャップDの頂壁25下面が噴出ヘッドBの頂壁10に当接し、噴出ヘッドBを一定の位置まで押下げ、残留ガスの抜き取りが行われる。
残留ガスは、噴出ヘッドBの噴出孔11からオーバーキャップDの係合筒壁26内に噴出され、切込み28を流路として通り、外筒壁27下端とエアゾール容器Aの肩部2との間隙より容器外に排出される。
オーバーキャップDとエアゾール容器Aとは強く係合しているので、そのまま放置しておくとガスの抜き取りが継続され、エアゾール容器A内の残留ガスや内容物は抜き取られ、エアゾール容器Aを安全に廃棄することができる。
必要であれば、エアゾール容器A内の残留ガスや内容物を完全に抜き取り後、エアゾール容器AからオーバーキャップDを取外し、分別廃棄することもできる。
前記実施例では、オーバーキャップDの係合筒壁26をガス抜き時に、マウンテンカップ3の係合環4の外周に係合させるようにしたが、係合筒壁26の外周を、係合環4内周に係合するように内側に寄せて配設してもよい。
次に、肩カバーとオーバーキャップの構成を変えた実施例について説明する。
以下、前実施例と同一の構成部分については、同一の符号を付して図示するだけにとどめ、相違点を中心に説明する。
図4において、Aはエアゾール容器、Bは噴出ヘッド、Caは肩カバー、Daはオーバーキャップである。
肩カバーCaは、合成樹脂によって成形され、内側上方に傾斜する傾斜筒壁30と、傾斜筒壁30内縁上端に立設された蓋係合筒31と、傾斜筒壁30下面の所定の位置に垂設され、肩カバーCaをエアゾール容器Aの上部に装着する係合筒壁32と、傾斜筒壁30外縁下端に垂設され、下端がエアゾール容器Aの傾斜している肩部2の外縁部に当接する外筒壁33とを具えている。
係合筒壁32内周下端には、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4の外周下部に上部が係合する係合突部34が、ある程度の間隔をもって複数配設されている。
オーバーキャップDaは、ドーム状の頂壁35と、頂壁35下端に垂設された側筒壁36とを具えている。
側筒壁36の内周下部が、肩カバーCaの蓋係合筒31外周と係合することにより、オーバーキャップDaは肩カバーCaに装着される。
側筒壁36の外周下部には、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4内周に係合し、オーバーキャップDaをエアゾール容器Aの上部に保持する係合部37が突設されている。
係合部37には、上端から下端まで一直線に延び、空気の流路となる縦溝など(図示しない)が設けられている。
次に、本実施例の噴出容器の使用態様と、作用効果について説明する。
噴出容器の組立と噴出操作は、肩カバーCaの蓋係合筒31外周にオーバーキャップDaの側筒壁36内周下部を係合させ、オーバーキャップDaを肩カバーCaに装着させること以外、第1実施例と同様に行われ、内容物を噴出孔11から噴出することができる。
内容物を全て使用し、エアゾール容器Aを廃棄する際には、まず、肩カバーCaの外筒壁33の対角線上の二個所を指などで把持し、両側より内方に押し込むと、外筒壁33の対角線上の二個所を内方に変形させる。
そして、図5に示すように、外筒壁33の変形した位置の下端が、エアゾール容器Aの肩部2上面を摺動し、肩部2の傾斜により、内方に進むにしたがって外筒壁33を上方に持ち上げていく。
また、外筒壁33の変形した位置の傾斜筒壁30も内方に押し込まれ、傾斜筒壁30下面に垂設された係合筒壁32も変形し、係合筒壁32の係合突部34と、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4との係合が弱まっていく。
なお、係合筒壁32の係合突部34は間隔をもって配設されているため、係合筒壁32の変形を妨げることはない。
肩カバーCaの対角線上の二個所が内方に変形することで、外筒壁33のエアゾール容器Aに対しての上方に持ち上げる力、および係合筒壁32の係合突部34とエアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4との係合の弱まりにより、肩カバーCaをエアゾール容器Aの上部から簡単に取外すことができる。
肩カバーCaをエアゾール容器Aから取外した後、図6に示すように、エアゾール容器Aのマウンテンカップ3の係合環4内周にオーバーキャップDaの側筒壁36外周の係合部37を係合させ、エアゾール容器Aの上部にオーバーキャップDaを装着する。
なお、オーバーキャップDaの係合部37は、側筒壁36の外周下端に周設されているため、側筒壁36の変形を防止している。
エアゾール容器Aの上部にオーバーキャップDaを装着することにより、オーバーキャップDaの頂壁35下面が噴出ヘッドBの頂壁10に当接し、噴出ヘッドBを一定の位置まで押下げ、残留ガスの抜き取りが行われる。
残留ガスは、噴出ヘッドBの噴出孔11からオーバーキャップDa内に噴出され、係合部37の縦溝など(図示しない)を流路として、容器外に排出される。
オーバーキャップDaとエアゾール容器Aとは強く係合しているので、そのまま放置しておくとガスの抜き取りが継続され、エアゾール容器A内の残留ガスや内容物は抜き取られ、エアゾール容器Aを安全に廃棄することができる。
必要であれば、エアゾール容器A内の残留ガスや内容物を完全に抜き取り後、エアゾール容器AからオーバーキャップDaを取外し、分別廃棄することもできる。
本実施例では、オーバーキャップDaの頂壁35をドーム状としたが、オーバーキャップをエアゾール容器の上部に装着した際に、噴出ヘッドの頂壁に当接し、一定の位置まで押下げ、残留ガスを噴出ヘッドの噴出孔からオーバーキャップ内に噴出させられるものであればよいので、オーバーキャップの上部の形状は、本実施例の形状に限定されない。
上記各実施例の肩カバーの外筒壁の対角線上の二個所に、指などで把持しやすくするための指かかり部や表示部を設けることで、肩カバーの外筒壁を把持し、内方に変形させることを、より一層簡単にすることができる。
本発明は、肩カバーの外筒壁の対角線上の二個所を指などにより把持し、内方に押し込むことにより、肩カバーをエアゾール容器から簡単に取外し、オーバーキャップをエアゾール容器に直接装着するというきわめて簡単な操作によって残留ガスの抜き取りができるので、種々のエアゾール容器のガス抜き機構として広く利用できる。
本発明第1実施例の噴出容器の断面立面図である。 肩カバーの外筒壁の押し込み時の説明図である。 噴出容器のガス抜き時の断面立面図である。 第2実施例の噴出容器の断面立面図である。 肩カバーの外筒壁の押し込み時の説明図である。 噴出容器のガス抜き時の断面立面図である。
符号の説明
A エアゾール容器
B 噴出ヘッド
C、Ca 肩カバー
D、Da オーバーキャップ
1 胴部
2 肩部
3 マウンテンカップ
4 係合環
5 ステム
10、25、35 頂壁
11 噴出孔
12 側周壁
15 上壁
16 内筒壁
17、26、32 係合筒壁
18、27、33 外筒壁
19、34 係合突部
20 上部側周壁
21 フランジ
22 下部側周壁
28 切込み
29 係合突条
30 傾斜筒部
31 蓋係合筒
36 側筒壁
37 係合部

Claims (2)

  1. 噴出ヘッドを装着したエアゾール容器に肩カバーを装着し、肩カバーにオーバーキャップを装着した内容物噴出容器であって、
    エアゾール容器は、胴部と、胴部上端から内側上方に傾斜する肩部と、肩部上端に上部に係合環を形成したマウンテンカップとを具え、
    肩カバーは、外方から押圧すると、下端が、エアゾール容器の肩部上面に当接し、内方に摺動することにより、肩カバーをエアゾール容器に対して持ち上げる外筒壁と、エアゾール容器の係合環に係合する係合筒壁とを具え、
    オーバーキャップは、頂壁と、下端部が肩カバーの上部に係合する外筒壁とともに、ガス抜き時にエアゾール容器の係合環に係合する係合筒壁とを具え、
    肩カバーの外筒壁を押し込み、肩カバーを変形させることよってエアゾール容器から取外し、オーバーキャップの係合筒壁をエアゾール容器の係合環に直接装着することにより、噴出ヘッドの押下げ状態を維持するようにしたことを特徴とするエアゾール容器のガス抜き機構。
  2. オーバーキャップの係合筒壁の下端部に、エアゾール容器の係合環に係合する係合部を設けたことを特徴とする請求項1記載のエアゾール容器のガス抜き機構。
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