JP5102912B2 - グレートーンマスクの欠陥修正方法、グレートーンマスクの製造方法、及びパターン転写方法 - Google Patents
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Description
ガラス基板1上に、ゲート電極用金属膜が形成され、フォトマスクを用いたフォトリソプロセスによりゲート電極2が形成される。その後、ゲート絶縁膜3、第1半導体膜4(a−Si)、第2半導体膜5(N+a−Si)、ソースドレイン用金属膜6、及びポジ型フォトレジスト膜7が形成される(図5(1))。次に、遮光部11と透光部12と半透光部13を有するグレートーンマスク10を用いて、ポジ型フォトレジスト膜7を露光し、現像することにより、TFTチャネル部及びソースドレイン形成領域と、データライン形成領域を覆い、かつチャネル部形成領域がソースドレイン形成領域よりも薄くなるように第1レジストパターン7aが形成される(図5(2))。次に、第1レジストパターン7aをマスクとして、ソースドレイン金属膜6及び第2、第1半導体膜5,4をエッチングする(図5(3))。次に、チャネル部形成領域の薄いレジスト膜を酸素によるアッシングにより除去し、第2レジストパターン7bを形成する(図6(1))。しかる後、第2レジストパターン7bをマスクとして、ソースドレイン用金属膜6がエッチングされ、ソース/ドレイン6a、6bが形成され、次いで第2半導体膜5をエッチングし(図6(2))、最後に残存した第2レジストパターン7bを剥離する(図6(3))。
一方、上記特許文献2によると、グレートーン部に微細パターンを有するグレートーンマスクにおいて、この微細パターン部分に生じた欠陥に対し、比較的容易に、修正度の高い修正を行うことができるとされている。すなわち、正常パターンが微細であるために、欠陥が生じたときにその微細なパターンを同じ形状に復元することが困難である場合、例えばレーザーCVD装置を用いて白欠陥部分に遮光膜を形成する、又は黒欠陥部分を除去して改めて遮光膜を形成するといった方法では、適切なグレートーン効果を得るための透過率制御が容易でないという課題を解決している。
なお、ここでは、膜パターンの余剰や遮光膜成分の付着、又は異物によって、透過率が所定より低くなる欠陥を黒欠陥、膜パターンの不足によって透過率が所定より高くなる欠陥を白欠陥と称する。
また、図9(b)のように、修正膜67の成膜領域72が白欠陥領域70よりも大きいために生じた、修正膜67が欠陥周縁部分と重なる領域70bでは上述のように光透過率が低くなり黒欠陥をなしてしまう可能性がある。さらに、図9(c)のように、修正膜67の成膜領域73が白欠陥領域70よりも小さいために生じた、修正膜67と欠陥周縁部分との隙間の領域70aでは上述のように白欠陥となってしまう。
(構成1)遮光部と、透光部と、マスク使用時に用いられる露光光の透過量を所定量低減する半透光部とを有し、被転写体上に膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターンを形成するためのグレートーンマスクの欠陥修正方法であって、前記半透光部が半透光膜により形成され、前記半透光部において欠陥領域を特定する工程と、前記欠陥領域を含む領域に、修正膜を形成する工程とを有し、前記修正膜は、その中心部より周縁側の部分に、中心部よりも露光光の透過量が大きい領域を有することを特徴とするグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成2)前記修正膜は、その中心部から周縁部に向かい、連続的に又は階段状に露光光の透過量が増大することを特徴とする構成1に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成3)前記修正膜は、その中心部より周縁側の部分に、中心部よりも膜厚の小さい領域を有することを特徴とする構成1に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成4)前記修正膜は、その中心部から周縁部に向かい、連続的に又は階段状に膜厚が減少することを特徴とする構成3に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成6)前記欠陥領域は、正常な半透光部に対して、半透光膜の膜厚が大きい、又は半透光膜以外の成分が付着したために、露光光の透過量が正常な半透光部より小さい領域であることを特徴とする構成1乃至4の何れか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成8)前記修正膜の二回以上の成膜工程は、欠陥領域内の、欠陥領域より小さな領域に成膜する工程と、欠陥領域を含み、欠陥領域より大きな領域に成膜する工程を含むことを特徴とする構成7に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成9)前記修正膜の形成工程は、収束イオンビーム法を適用することを特徴とする構成1乃至8の何れか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成10)イオンビームをデフォーカスした状態で照射することを特徴とする構成9に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成12)遮光部と、透光部と、マスク使用時に用いられる露光光の透過量を所定量低減する半透光部とを有し、被転写体上に膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターンを形成するためのグレートーンマスクであって、前記半透光部が半透光膜により形成され、かつ、前記半透光膜の所定部分には、中心部より周縁側の部分に、中心部よりも露光光の透過量が大きい領域を有する修正膜が形成されていることを特徴とするグレートーンマスクである。
(構成14)前記修正膜は、その中心部より周縁側の部分に、中心部よりも膜厚の小さい領域を有することを特徴とする構成12に記載のグレートーンマスクである。
(構成15)前記修正膜は、その中心部から周縁部に向かい、連続的に又は階段状に膜厚が減少していることを特徴とする構成14に記載のグレートーンマスクである。
(構成16)構成11記載の製造方法によるグレートーンマスク、または、構成12乃至15のいずれかに記載のグレートーンマスクと、露光機を用い、前記グレートーンマスクに形成されたパターンを、被転写体に転写することを特徴とするパターン転写方法である。
修正膜が欠陥周縁部分と重なった場合にも、該部分の光透過量の低下を抑制でき、また修正膜と欠陥周縁部分に隙間ができることによって白欠陥を形成する懸念を抑制することが可能となる。結果的に、欠陥が修正された領域は、半透光部における正常なグレートーン部分に許容された透過率範囲とほぼ同等のグレートーン効果が得られるようになり、半透光部に発生した欠陥を好適に修正することができる。さらに、上記効果を利用し、予め修正膜を、白欠陥部分より大きめに設計することが可能となる。これは、白欠陥に対する許容度の低いマスクに対して特に好適に適用できる。
また、本発明のグレートーンマスクの製造方法によれば、このような本発明の欠陥修正方法を適用した欠陥修正工程を有することにより、半透光部に発生した欠陥が好適に修正されたグレートーンマスクを得ることができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明のグレートーンマスクを用いたパターン転写方法を説明するための断面図である。図2は、本発明に係るグレートーンマスクの欠陥修正方法の第1の実施の形態を示すもので、(1)は欠陥修正前の平面図、(2)は修正途中の平面図、(3)は欠陥修正後の平面図、(4)は(3)におけるL−L線に沿った側断面図、(5)は(4)に示す断面における光透過率(T)を表わす曲線図である。
本実施の形態による、上記半透光部に生じた白欠陥の修正方法を図2を用いて説明する。
欠陥検査の結果、図2(1)に示すように、半透光膜26からなる半透光部23に、白欠陥領域50が存在した。なお、マスクに生じる実際の欠陥は、不規則な形状のものが多いが、ここでは、便宜上ほぼ楕円形状のものを示した。
そして、XYステージ45上に、被修正対象物であるグレートーンマスク20を載置し、XYステージ45を移動させることにより、そのグレートーンマスク20における修正を施す欠陥領域をイオンビーム照射領域に移動する。次に、修正を施す欠陥領域にイオンビーム47を走査し、この際に発生する二次イオンを検出する二次イオン検出器48の作用で、修正を施す欠陥領域の位置を検出する。イオンビーム47が電磁光学系42を介して、グレートーンマスク20の修正を施す欠陥領域に照射されることによって、修正膜の形成や、黒欠陥領域の半透光膜の除去が実施される。なお、イオンビームのビーム径は、0.1μmφ以下である。
また、黒欠陥領域の半透光膜を除去する場合には、エッチング用ガス銃49によりβガスを放出させ、この状態で電磁光学系42を介してイオンビーム47を照射することにより、上記半透光膜が除去される。
修正膜の成膜領域52として、必要な位置情報等をFIB装置に入力するとともに、上記の成膜条件を入力し、成膜領域52に修正膜28を形成する(図2(2)参照)。
修正膜の成膜領域53として、必要な位置情報等をFIB装置に入力し、その他の成膜条件、成膜素材は第1段階の成膜と同様にして、成膜領域53に修正膜29を形成する(図2(3)、(4)参照)。
また、本実施の形態では、修正膜の成膜手段として、FIB装置を適用したが、成膜手段はFIB装置に限定されるわけではなく、例えばレーザーCVD等、他の成膜手段を適用することも可能である。
更に、本実施例では、修正膜の中心部は、欠陥のない半透光部に指定された所定の露光光透過率と略同一の透過率に設定したが、白欠陥に対する許容度の大きいマスクであれば、前記所定の露光光透過率よりも高い露光光透過率に設定することもでき、逆に黒欠陥い対する許容度の大きいマスクであれば、前記所定の露光光透過率より低い露光光透過率に設定することもができる。以下の実施例でも同様である。
図4は、本発明に係るグレートーンマスクの欠陥修正方法の第2の実施の形態を示すもので、(1)は欠陥修正前の平面図、(2)は欠陥修正後の平面図、(3)は(2)におけるL−L線に沿った側断面図、(4)は(3)に示す断面における光透過率(T)を表わす曲線図である。
本実施の形態による、半透光部に生じた白欠陥の修正方法を図4を用いて説明する。
本実施の形態による修正では、FIB装置による修正膜の成膜の際、成膜装置の精度を考慮し、所定量(例えば1μm分)フォーカスをオフセットして、イオンビームをジャストフォーカス位置よりもデフォーカスした状態で照射し、修正膜の中心部より周縁側の部分において成膜量が小さくなり、その分中心部より露光光透過率が大きくなるように成膜を行うものとし、かつ欠陥領域の中心部分において正常な半透光部と同程度の露光光透過率を満たすように成膜を行うものとする。なお、デフォーカスによるぼかし領域(幅)は、半透光部の透過率、デフォーカスによる透過率分布、プロセスマージンなどにもより一概には言えないが、2μm前後(現像可否の境界程度)とするのが好適である。
修正膜の成膜領域51として、必要な位置情報等をFIB装置に入力するとともに、上記の必要な成膜条件を入力し、成膜領域51に修正膜27を形成する(図4(2)、(3)参照)。
以上は本実施形態による白欠陥の修正方法を説明したが、黒欠陥の場合にも該領域の半透光膜を除去し、上述の白欠陥の場合と同様の修正を施すことにより、黒欠陥の場合にも好適に修正を行うことができる。
使用するマスクブランクは、透明基板24上に、遮光膜25が形成されている(図10(a)参照)。遮光膜25の材質はCrとその化合物の複合膜を用いた。
まず、このマスクブランクの遮光膜25上にレジストを塗布してレジスト膜を形成する。描画には、通常電子線又は光(短波長光)が用いられることが多いが、本実施例ではレーザー光を用いる。従って、上記レジストとしてはポジ型フォトレジストを使用する。そして、レジスト膜に対し、所定のパターン(遮光部に対応するレジストパターンを形成するようなパターン)を描画し、描画後に現像を行うことにより、遮光部に対応するレジストパターン80を形成する(図10(b)参照)。
残存するレジストパターンを除去した後(図10(c)参照)、基板の全面に半透光膜26を成膜する(図10(d)参照)。半透光膜26は、透明基板24の露光光の透過量に対し50〜20%程度の透過量を有するもので、本実施例ではスパッタ成膜によるCr酸化物(透過率50%)を半透光膜26として採用した。
次いで、上記レジストパターン81をエッチングマスクとして露出した半透光膜26をエッチングして半透光部を構成する半透光膜パターンを形成する。本実施例ではこの場合のエッチング手段として、半透光膜26と遮光膜25との間に高いエッチング選択性が得られるドライエッチングを利用した。
そして、残存するレジストパターンを除去して、グレートーンマスク20が出来上がる(図10(f)参照)。
21 遮光部
22 透光部
23 半透光部
24 透明基板
25 遮光膜
26 半透光膜
27 修正膜
30 被転写体
33 レジストパターン
40 FIB装置
50 欠陥領域
Claims (10)
- 遮光部と、透光部と、マスク使用時に用いられる露光光の透過量を所定量低減する半透光部とを有し、被転写体上に膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターンを形成するためのグレートーンマスクであって、
前記遮光部は、透明基板上に遮光膜を有し、前記半透光部は、前記透明基板上に半透光膜を有するグレートーンマスクの欠陥修正方法において、
前記半透光部において欠陥領域を特定する工程と、
前記欠陥領域を含む領域に、修正膜を形成する工程とを有し、
前記修正膜は、中心部から周縁部に向かい、連続的に又は階段状に膜厚が減少する部分を有することを特徴とするグレートーンマスクの欠陥修正方法。 - 前記修正膜は、その中心部から周縁部に向かい、連続的に又は階段状に露光光の透過量が増大することを特徴とする請求項1に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記欠陥領域は、正常な半透光部に対して、半透光膜の膜厚が小さい、又は半透光膜が欠落した部位を有するために、露光光の透過量が正常な半透光部より大きい領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記欠陥領域は、正常な半透光部に対して、半透光膜の膜厚が大きい、又は半透光膜以外の成分が付着したために、露光光の透過量が正常な半透光部より小さい領域の半透光膜を除去した領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記修正膜の形成工程は、二回以上の成膜工程を有し、それぞれの成膜工程において、半透光部における所望のグレートーン効果を与える露光光の透過量より大きい透過量を有する半透光膜を成膜することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記修正膜の二回以上の成膜工程は、欠陥領域内の、欠陥領域より小さな領域に成膜する工程と、欠陥領域を含み、欠陥領域より大きな領域に成膜する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記修正膜の形成工程は、収束イオンビーム法を適用することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- イオンビームをデフォーカスした状態で照射することを特徴とする請求項7に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 請求項1乃至8の何れか一に記載の欠陥修正方法による欠陥修正工程を含むことを特徴とするグレートーンマスクの製造方法。
- 請求項9記載の製造方法によるグレートーンマスクと、露光機を用い、前記グレートーンマスクに形成されたパターンを、被転写体に転写することを特徴とするパターン転写方法。
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