JP5057866B2 - グレートーンマスクの欠陥修正方法、グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク、並びにパターン転写方法 - Google Patents
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Description
ガラス基板1上に、ゲート電極用金属膜が形成され、フォトマスクを用いたフォトリソプロセスによりゲート電極2が形成される。その後、ゲート絶縁膜3、第1半導体膜4(a−Si)、第2半導体膜5(N+a−Si)、ソースドレイン用金属膜6、及びポジ型フォトレジスト膜7が形成される(図6(1))。次に、遮光部11と透光部12と半透光部13を有するグレートーンマスク10を用いて、ポジ型フォトレジスト膜7を露光し、現像することにより、TFTチャネル部及びソースドレイン形成領域と、データライン形成領域を覆い、かつチャネル部形成領域がソースドレイン形成領域よりも薄くなるように第1レジストパターン7aが形成される(図6(2))。次に、第1レジストパターン7aをマスクとして、ソースドレイン金属膜6及び第2、第1半導体膜5,4をエッチングする(図6(3))。次に、チャネル部形成領域の薄いレジスト膜を酸素によるアッシングにより除去し、第2レジストパターン7bを形成する(図7(1))。しかる後、第2レジストパターン7bをマスクとして、ソースドレイン用金属膜6がエッチングされ、ソース/ドレイン6a、6bが形成され、次いで第2半導体膜5をエッチングし(図7(2))、最後に残存した第2レジストパターン7bを剥離する(図7(3))。
実際の露光時に、マスクの半透光部における修正部分と未修正の部分の透過率が完全には一致せず、ずれがあれば、その透過率差が、マスク仕様の許容範囲内であったとしても、パターン転写したとき、その部分の被転写体上のレジストパターンには、修正部分に対応する部分34c、34dとその他の部分とでは膜厚の段差を生じてしまう。
このような被転写体上のレジストパターンに微小な段差が生じると、グレートーンマスクとしての性能には影響がない(つまり該グレートーンマスクを使用してパターン転写を行っても問題はない)程度の段差であっても、被転写体上のパターンの検査工程で、擬似欠陥として検出されてしまうことがある。このため、検査効率が低下し、表示装置等の生産効率が低下し、製造上不都合である。
(構成1)遮光部と、透光部と、マスク使用時に用いられる露光光の透過量を所定量低減する半透光部とを有し、被転写体上に膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターンを形成するためのグレートーンマスクの欠陥修正方法であって、前記半透光部が、所定の波長の露光光に対して所定の光透過率を有する半透光膜により形成され、前記半透光部において欠陥が生じたときに該欠陥部分を特定する工程と、前記欠陥部分を含む半透光部であって、他の遮光部および/または透光部によって囲まれた領域の半透光部全体の半透光膜を除去する工程と、該半透光膜を除去した領域に、前記半透光膜とは素材又は組成の異なる半透光性の修正膜を形成する工程とを有することを特徴とするグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成4)前記半透光膜と前記半透光性の修正膜とは、異なる成膜方法によって成膜されることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成6)前記半透光膜又は膜を除去する工程において除去する領域の大きさが、いずれの方向にも50μmを超えない大きさであることを特徴とする構成1乃至5のいずれか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成8)前記グレートーンマスクは、薄膜トランジスタのパスレイア、またはホール製造用のものであることを特徴とする構成1乃至6のいずれか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法である。
(構成9)構成1乃至8のいずれか一に記載の欠陥修正方法による欠陥修正工程を含むことを特徴とするグレートーンマスクの製造方法である。
このような欠陥修正の結果、上記欠陥部分の生じた半透光部の全体が単一の修正膜で形成されるため、被転写体上へのパターン転写を行ったとき、修正膜が形成された半透光部の領域に対応するレジスト上では段差ができない。これによって、マスクユーザーが被転写体上に形成されるレジストパターンの欠陥検査を行うときに、従来のようなレジスト上に微小な段差ができるために擬似欠陥として検出してしまう不都合がなくなり、半透光部に発生した欠陥を好適に修正することができる。そして、表示装置等の製造において、擬似欠陥を検出してしまうことによる検査効率の低下、更にそれによる生産効率の低下を回避できる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明によるグレートーンマスクを用いたパターン転写方法を説明するための断面図である。また、図2は、本発明に係るグレートーンマスクの欠陥修正方法の第1の実施の形態を工程順に示す平面図である。
図1に示す本発明のグレートーンマスク20(ここでは修正された欠陥領域は示していない)は、例えば液晶表示装置(LCD)の薄膜トランジスタ(TFT)やカラーフィルタ、またはプラズマディスプレイパネル(PDP)などを製造するために用いられるものであり、図1に示す被転写体30上に、膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターン33を形成するものである。なお、図1中において符号32A、32Bは、被転写体30において基板31上に積層された膜を示す。
上記グレートーンマスクの半透光部23に生じた欠陥の修正方法を説明する。
欠陥検査の結果、マスク上の半透光膜26からなる複数の半透光部23のうちの一部に、図2(a)に示すような白欠陥部分51と黒欠陥部分52が存在した。
そして、XYステージ45上に、被修正対象物であるグレートーンマスク20を載置し、XYステージ45を移動させることにより、そのグレートーンマスク20における修正を施す欠陥領域をイオンビーム照射領域に移動する。次に、修正を施す欠陥領域にイオンビーム47を走査し、この際に発生する二次イオンを検出する二次イオン検出器48の作用で、修正を施す欠陥領域の位置を検出する。イオンビーム47が電磁光学系42を介して、グレートーンマスク20の修正を施す欠陥領域に照射されることによって、修正膜の形成や、黒欠陥領域の半透光膜の除去が実施される。なお、イオンビームのビーム径は、0.1μmφ以下である。
また、半透光膜を除去する場合には、エッチング用ガス銃49によりβガスを放出させ、この状態で電磁光学系42を介してイオンビーム47を照射することにより、上記半透光膜が除去される。
また、本実施の形態では、修正膜の成膜手段として、FIB装置を適用したが、成膜手段はFIB装置に限定されるわけではなく、例えばレーザーCVD等、他の成膜手段を適用することも可能である。
上記グレートーンマスクは、たとえば以下のような1乃至3の方法によって得ることができる。本発明は、以下の製造過程で半透光部の半透光膜に生じた欠陥の修正に用いられる。
1.透明基板上に半透光膜、及び遮光膜をこの順に積層されたフォトマスクブランクを用意し、該フォトマスクブランク上に、遮光部に対応する領域のレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、露出した遮光膜をエッチングすることにより、半透光膜上に遮光部を形成する。次に、少なくとも半透光部を含む領域にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、露出した半透光膜をエッチングすることにより、半透光部及び透光部を形成する。こうして、透明基板上に、半透光膜による半透光部、遮光膜と半透光膜の積層膜による遮光部、透光部を形成したグレートーンマスクを得ることができる。
もちろん、本発明のグレートーンマスクの製造方法は、上述の1乃至3の方法に限定される必要はない。
本発明のグレートーンマスクの製造方法によれば、このような本発明の欠陥修正方法を適用した欠陥修正工程を有することにより、半透光部に発生した欠陥が好適に修正されたグレートーンマスクを得ることができる。
図4は、本発明による欠陥修正方法の第2の実施の形態を工程順に示す平面図である。本実施の形態においても、透明基板24上に、モリブデンシリサイドを含む半透光膜26(露光光透過率50%)、クロムを主成分とする遮光膜25を成膜し、所定のパターニングを施すことによって、遮光部21、透光部22、及び半透光部23を備えた、TFT基板製造用のグレートーンマスクを用いる。但し、本実施の形態では、図4の(a)に示すように、マスクパターンの一例として、各パターンは、半透光部23の領域が、2つの遮光部21a,21b、及び透光部22によって囲まれた形状のものを用いた。なお、製造方法は前述のとおりである。
上記グレートーンマスクの半透光部23に生じた欠陥の修正方法を説明する。
欠陥検査の結果、マスク上の半透光膜26からなる複数の半透光部23のうちの一部に、図4(a)に示すように白欠陥部分51と黒欠陥部分52が存在した。
(5)上記の除去された領域54を修正膜の成膜領域として必要な位置情報等をFIB装置に入力するとともに、上記の成膜条件を入力し、該成膜条件にて成膜領域(上記の領域54)にカーボンの修正膜27を形成する(図4(c)参照)。
図5は、本発明による欠陥修正方法の第3の実施の形態を工程順に示す平面図である。本実施の形態においても、透明基板24上に、モリブデンシリサイドを含む半透光膜26(露光光透過率50%)、クロムを主成分とする遮光膜25を成膜し、所定のパターニングを施すことによって、遮光部21、透光部22、及び半透光部23を備えた、TFT基板製造用のグレートーンマスクを用いる。但し、本実施の形態では、図5の(a)に示すように、マスクパターンの一例として、各パターンは、半透光部23の領域が、2つの遮光部21a,21b、及び透光部22によって囲まれた形状のものを用いた。なお、製造方法は前述のとおりである。
上記グレートーンマスクの半透光部23に生じた欠陥の修正方法を説明する。
欠陥検査の結果、マスク上の半透光膜26からなる複数の半透光部23のうちの一部に、図5(a)に示すように白欠陥部分51と黒欠陥部分52が存在した。
(4)当該マスクを使用する際の露光機の波長特性を勘案し、所定の波長においてMoSi半透光膜とカーボン修正膜の光透過率をあわせるため、カーボン修正膜の膜厚、及びそれを成膜するための成膜条件(単位面積あたりのドーズ量など)を決定する。
(6)次に、上記除去された遮光部21bの領域の一部と同じ領域に、FIB装置にて遮光性の修正膜28を形成する(図5(d)参照)。この場合、修正膜28の素材は遮光膜25と必ずしも同一でなくてもよいが、遮光膜25として用いたクロムを主成分とする膜は、FIB装置による成膜に適しているため、本実施の形態においては、遮光性の修正膜28としても好適である。
また、本実施の形態によると、欠陥部分を含む矩形状の領域の膜を除去し、この除去した矩形状の領域に修正膜を形成できるので、修正面積を一定にでき、例えばFIB装置の成膜条件等を制御しやすいという利点がある。
21 遮光部
22 透光部
23 半透光部
24 透明基板
25 遮光膜
26 半透光膜
27 修正膜
30 被転写体
33 レジストパターン
40 FIB装置
51,52 欠陥部分
Claims (8)
- パターン転写の際に、365nm〜436nmの波長域を有する露光光を用いるグレートーンマスクであって、遮光部と、透光部と、マスク使用時に用いられる露光光の透過量を所定量低減する半透光部とを有し、被転写体上に膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターンを形成するための液晶表示装置製造用グレートーンマスクの欠陥修正方法であって、
前記半透光部が、前記露光光に対して所定の光透過率を有する半透光膜により形成され、
前記半透光部において欠陥が生じたときに該欠陥部分を特定する工程と、
前記欠陥部分を含む半透光部であって、遮光部および/または透光部によって囲まれた領域の半透光部全体の半透光膜を除去する工程と、
該半透光膜を除去した領域全体に、前記半透光膜の成膜方法とは異なる成膜方法により、前記半透光膜とは素材又は組成の異なる半透光性の修正膜を形成する工程と
を有することを特徴とするグレートーンマスクの欠陥修正方法。 - 前記半透光膜と前記半透光性の修正膜との、露光光に対する位相差が、50度以上であることを特徴とする請求項1に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記半透光膜を除去する工程において除去する領域の大きさが、いずれの方向にも50μmを超えない大きさであることを特徴とする請求項1又は2に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記グレートーンマスクは、薄膜トランジスタのソース、ドレイン、およびチャネル部製造用のものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記グレートーンマスクは、薄膜トランジスタのパスレイア、またはホール製造用のものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 前記修正膜の形成には、集束イオンビーム法を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のグレートーンマスクの欠陥修正方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一に記載の欠陥修正方法による欠陥修正工程を含むことを特徴とするグレートーンマスクの製造方法。
- 請求項7に記載の製造方法によるグレートーンマスクを用いて所定の波長の露光光を被転写体に露光し、被転写体上に膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターンを形成することを特徴とするパターン転写方法。
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