JP5099888B2 - 蒸気発生機能付き加熱装置 - Google Patents

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本発明は、高周波加熱と蒸気加熱とを組み合わせて被加熱体を加熱処理することができる蒸気発生機能付き加熱装置に関するものである。
図6に示すように、従来の蒸気発生機能付き加熱装置100は、被加熱体を収容する加熱室101に、高周波(マイクロ波)と蒸気との少なくともいずれかを供給して被加熱体を加熱処理する加熱調理器であって、高周波を発生する高周波発生部としてのマグネトロン102と、加熱室101内で蒸気を発生する蒸気発生部103と、加熱室101内の空気を撹拌・循環させる循環ファン104と、加熱室101内を循環する空気を加熱する室内気加熱ヒータとしてのコンベクションヒータ105と、加熱室101の壁面に設けた検出用孔を通じて加熱室101内の温度を検出する赤外線センサ106とを備えている。
加熱室101は、前面開放の箱形の本体ケース107内部に形成されており、本体ケース107の前面に、加熱室101の被加熱体取出口を開閉する透光窓108a付きの開閉扉108が設けられている。加熱室101の背後の空間は、循環ファン104及びその駆動モータを収容した循環ファン室109となっており、加熱室101の後面の壁が、加熱室101と循環ファン室109とを画成する仕切板110となっている。仕切板110には、吸気用通風孔111および送風用通風孔112とが設けられている。
マグネトロン102は、例えば加熱室101の下側の空間に配置されており、マグネトロン102より発生した高周波を受ける位置にはスタラー羽根113が設けられている。そして、マグネトロン102からの高周波を、回転するスタラー羽根113に照射することにより、該スタラー羽根113によって高周波を加熱室101内に撹拌しながら供給するようになっている。また、蒸気発生部103は、加熱により蒸気を発生する蒸発皿114と、蒸発皿114を加熱する蒸発皿加熱ヒータ(図示省略)とから構成されている(例えば特許文献1参照)。
特許3473908号公報(図1)
ところで、前述したような高周波調理を行う蒸気発生機能付き加熱装置100には熱風循環方式以外に加熱室101の上下にヒータを追加して加熱する上下ヒータ方式のものもある。通常このような上下ヒータを搭載したものにあっては、下のヒータは蒸発皿114を避けて設けてある。
このため、上下のヒータを用いたオーブン調理時には、蒸発皿114の占有領域が加熱されないため、加熱の死角が生じ、被加熱体に対する加熱ムラが生じて、全体に均一にキツネ色の焦げ目を付けることができず、見栄えが劣るという問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、ヒータ使用時に加熱ムラが生じない蒸気発生機能付き加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の蒸気発生機能付き加熱装置は、被加熱体を載置する底面を備えた加熱室と、前記加熱室内底面に設けられた下ヒータと、前記加熱室前記加熱室内底面に並んで設けられて蒸気を発生させる蒸発皿と、前記蒸発皿の下面に設けられたスチームヒータと、前記加熱室内の温度を検出する第1検出手段と、前記蒸発皿の温度を検出する第2検出手段と、前記第1、第2検出手段に接続され検出信号が伝達される制御部と、を備え、前記制御部は、蒸気を用いずかつ前記スチームヒータに通電して調理する時、前記各ヒータを許容総電力内にてデューティー通電を行いながら、前記下ヒータは前記第1検出手段により制御レベルAにてオン/オフ制御し、前記スチームヒータは前記第2検出手段により制御レベルBにてオン/オフ制御するという構成を有している。
この構成により、蒸発皿に水が供給されていない状態でも蒸発皿を加熱することができるので、蒸気を用いずにヒータを用いて調理する際に、ヒータが設けられていない蒸発皿の上方に位置する被加熱体を、蒸発皿用の加熱手段で加熱することができる。これにより、加熱の死角を無くして加熱ムラを防止し、均一に加熱して調理することができる。また、調理終了後、蒸発皿用の加熱手段を用いることにより、次の調理が開始されるまでの間、加熱室の温度を維持することができる。さらに、スチーム加熱によって調理を行った後に、加熱室の内壁に生じる結露を防止することができる。
また、スチームヒータを用いて蒸発皿を加熱することにより、下ヒータが設けられていない領域を加熱することができる。
この構成により、第1検出手段が加熱室内の温度を検出し、第2検出手段が蒸発皿の温度を検出するので、蒸発皿の温度が低い場合を検出することができる。この検出結果に基づいて、蒸気を用いずにグリル調理する際に、蒸発皿の温度を上げるようにすることができる。
さらに、本発明の蒸気発生機能付き加熱装置は、前記加熱室を下方から加熱する下ヒータによる加熱と、前記蒸発皿による加熱とを許容総電力内において切り替える構成を有している。
この構成により、許容総電力内で下ヒータと蒸発皿の加熱とを切り換えて、加熱室の底面を均一に加熱することができ、被加熱体を均一に加熱調理することができる。また、許容総電力内で、効果的な加熱と省エネとを両立することができる。
本発明は、蒸発皿に水が供給されていない状態でも蒸発皿を加熱することができるので、蒸気を用いずにヒータを用いて調理する際に、ヒータが設けられていない蒸発皿の上方に位置する被加熱体を、蒸発皿用の加熱手段で加熱することができる。これにより、加熱ムラを防止して均一に加熱して調理することができるものである。
以下、本発明の実施の形態の蒸気発生機能付き加熱装置について、図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかる蒸気発生機能付き加熱装置の概略構成図、図2は図1中II−II位置の断面図、図3は制御ブロック、図4は制御部による制御の一例を示すタイムチャート、図5は調理時における加熱状態を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の蒸気発生機能付き加熱装置10は、加熱室11と、この加熱室11内を加熱するヒータである下ヒータ12および上ヒータ13と、加熱室11に設けられて蒸気を発生させる蒸発皿14とを備え、蒸発皿14に水が供給されていない状態でも蒸発皿14を加熱可能であるスチームヒータ15を有している。下ヒータ12、上ヒータ13およびスチームヒータ15は、後述する制御部20によってオン・オフ制御および出力制御されている。
蒸気発生機能付き加熱装置10は、前面(図1において右面)が開口した矩形箱状の本体16を有しており、前面の開口には下端部を回動自在に支持された開閉扉17が設けられている。なお、開閉扉17の上端部には、開閉扉17を開閉するための取っ手17aが設けられている。加熱室11の下部空間には蒸発皿14を迂回して下ヒータ12が設けられており、加熱室11の上部空間には上ヒータ13が設けられている。加熱室11の奥の上部には、加熱室11内の温度を検出するために第1検出手段である温度センサーa18が設けられており、検出信号が制御部20に伝達されるようになっている(図3参照)。また、蒸発皿14の下面にスチームヒータ15が設けられており、蒸発皿14の下面には蒸発皿14の温度を検出する第2検出手段である温度センサb19が取り付けられている。温度センサ19は制御部20に接続されており、検出信号が制御部20に伝達されるようになっている(図3参照)。
図2に示すように、加熱室11の一対の側壁11a、11bの内の一方(ここでは例えば右側)の側壁11aの外側には、前面に操作部21を有するとともに、内部空間16aに制御部20等が設けられている。通常、この内部空間16aには、電子部品等を保護するために温度上昇を抑えるようになっており、ファン等の冷却装置が設けられているため、側壁11aの温度が下がり気味になる。これによって加熱室11内に温度が低い領域が形成され、均一な調理ができなくなるおそれがある。このために、加熱室11の奥行方向に沿った一対の内壁11a、11bのうち、表面温度が低い内壁11a寄りに蒸発皿14を配置し、蒸発皿14用のスチームヒータ15を用いて内壁11aの温度上昇を図っている。
図3は制御系統のブロック図を示し、21は制御部20に例えばマイクロ波加熱やスチーム加熱或は上下ヒータによるオーブン加熱等のいずれかの加熱形態を支持する加熱形態設定手段である。制御部20は上記加熱形態設定手段21からの指示がマイクロ波加熱であれず図示しない高周波発生装置を駆動してマイクロ波加熱を行わせ、スチーム加熱であれば蒸発皿14に水を供給させるとともに温度センサbからの出力に基づきスチームヒータの通電を制御して蒸発皿14を加熱しスチームを発生させてスチーム加熱調理を行わせる。そして、オーブン加熱の指示である場合は、以下に述べるような制御を行うように構成してある。
すなわち、図4には、蒸気を用いずに調理する際の制御部20による下ヒータ12、上ヒータ13およびスチームヒータ15の制御内容を示すタイムチャートが示されている。また、図5には、加熱室内のオーブン調理の様子が示されている。特徴的なことは加熱形態設定手段21でオーブン加熱が指示されると、通常はスチームヒータ15には通電しないのであるが、図4に示すようにこのスチームヒータ15にも通電させる構成としてあることである。
調理を開始すると(t=t0)、まず上ヒータ13および下ヒータ12をオンとして加熱室11を加熱して、トレイ22に載置されている例えばクッキー等の被加熱体23を上下から加熱する。その間、適宜のときにIRセンサ18によって加熱室11内の温度を検出して制御部20に伝達するとともに、温度センサb19によって蒸発皿14の温度を検出して制御部20に伝達する。制御部では、両検出温度に基づいて、下ヒータ12、上ヒータ13およびスチームヒータ15を図4に示すようにオン/オフ制御する。
例えば、図4に示すように、予熱時には加熱室内の温度の立ち上がりを早くするために上下ヒータ13,12とも連続通電を行い、オーブン調理時には各ヒータ12,13,15は許容総電力内にてta、tb、tcのようなデューティー通電を行いながら、上下ヒータ13,12は温度センサa18により制御レベルAにて、また、スチームヒータ15は温度センサb19により制御レベルBにてオン/オフ制御が行われる。
このように、スチームヒータ15を用いて蒸発皿14を加熱することにより、下ヒータ12が設けられていない領域を加熱することができる。また、制御部20や操作部21が設けられている内部空間16aとの境界である加熱室11の側壁11a側にスチームヒータ15を設けたので、温度上昇を抑えている内部空間16aによって温度が低下しやすい側壁11a近傍の温度を上昇させることができる。
なお、図4における制御例は一例として示したものであり、色々なオン/エフ制御ができることは言うまでもないものである。
以上、説明した蒸気発生機能付き加熱装置10によれば、蒸発皿14に水が供給されていない状態でも蒸発皿14をスチームヒータ15によって加熱することができるので、蒸気を用いずにヒータ12、13を用いて調理する際に、下ヒータ12が設けられていない蒸発皿14の上方に位置する被加熱体23も加熱することができる。これにより、加熱の死角を無くして加熱ムラを防止し、均一に加熱して調理することができる。また、調理終了後、蒸発皿14用のスチームヒータ15を用いることにより、次の調理が開始されるまでの間、加熱室11の温度を維持することができる。さらに、スチーム加熱によって調理を行った場合には、加熱室11の内壁11a、11bを乾燥させて、結露を防止することができる。
また、許容総電力内で下ヒータ12とスチームヒータ15とを切り換えて、加熱室11の底面を均一に加熱することができるので、被加熱体23を均一に加熱調理することができる。また、許容総電力内で、効果的な加熱と省エネとを両立することができる。
さらに、加熱室11の奥行き方向に沿った左右の側面11a、11bのうち、表面温度が低い方の側面11aに蒸発皿14を配置したので、蒸発皿14用のスチームヒータ15を用いて温度が低い方の側面11aを加熱することができる。これにより、側面11aに熱が吸収されて、温度が低い領域が生じるのを防止して、均一な加熱を行うことができる。
なお、本発明の蒸気発生機能付き加熱装置は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、加熱室11内の表面温度が低い内壁として、制御部20や操作部21を収容した内部空間16a側の側壁11aを例示したが、このほか、例えば蒸発皿14に水を供給するタンク等を収容している側の側壁を採用することもできる。
以上のように、本発明にかかる蒸気発生機能付き加熱装置は、蒸発皿に水が供給されていない状態でも蒸発皿を加熱することができるので、蒸気を用いずにヒータを用いて調理する際に、ヒータが設けられていない蒸発皿の上方に位置する被加熱体を、蒸発皿用の加熱手段で加熱することができる。これにより、加熱ムラを防止して均一に加熱して調理することができるという効果を有し、高周波加熱と蒸気加熱とを組み合わせて被加熱体を加熱処理する蒸気発生機能付き加熱装置等として有用である。
本発明の第1の実施の形態にかかる蒸気発生機能付き加熱装置の概略構成図 図1中II−II位置の断面図 制御系統を示すブロック図 制御部による制御の一例を示すタイムチャート 調理時における加熱状態を示す説明図 従来の蒸気発生機能付き加熱装置を示す断面図
符号の説明
10 蒸気発生機能付き加熱装置
11 加熱室
11a、11b 内壁
12 下ヒータ(ヒータ)
13 上ヒータ(ヒータ)
14 蒸発皿
18 IRセンサ(第1検出手段)
19 温度センサ(第2検出手段)

Claims (2)

  1. 被加熱体を載置する底面を備えた加熱室と、前記加熱室内底面に設けられた下ヒータと、前記加熱室前記加熱室内底面に並んで設けられて蒸気を発生させる蒸発皿と、前記蒸発皿の下面に設けられたスチームヒータと、前記加熱室内の温度を検出する第1検出手段と、前記蒸発皿の温度を検出する第2検出手段と、前記第1、第2検出手段に接続され検出信号が伝達される制御部と、を備え、
    前記制御部は、蒸気を用いずかつ前記スチームヒータに通電して調理する時、前記各ヒータを許容総電力内にてデューティー通電を行いながら、前記下ヒータは前記第1検出手段により制御レベルAにてオン/オフ制御し、前記スチームヒータは前記第2検出手段により制御レベルBにてオン/オフ制御する蒸気発生機能付き加熱装置。
  2. 前記加熱室の奥行方向に沿った一対の内壁のうち、表面温度が低い内壁寄りに前記蒸発皿が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気発生機能付き加熱装置。
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